JPH1026149A - クラッチレリーズ軸受装置 - Google Patents

クラッチレリーズ軸受装置

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JPH1026149A
JPH1026149A JP17927596A JP17927596A JPH1026149A JP H1026149 A JPH1026149 A JP H1026149A JP 17927596 A JP17927596 A JP 17927596A JP 17927596 A JP17927596 A JP 17927596A JP H1026149 A JPH1026149 A JP H1026149A
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JP
Japan
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shift fork
reinforcing plate
clutch release
guide sleeve
sleeve
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JP17927596A
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Inventor
Hideo Ouchi
英男 大内
Shuhei Aoki
周平 青木
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NSK Ltd
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シフトフォークとの間の摩耗を低減し、初期
性能を長期間維持できるクラッチレリーズ装置を提供す
る。 【解決手段】 シフトフォークの当接する補強板を、ス
リーブに対してラジアル方向であって、かつシフトフォ
ークの枢動軸に直交する第1方向に0.2mmを超える
程度に移動自在に支持されているので、シフトフォーク
の枢動に伴って補強板がガイドスリーブ上を移動し、そ
れによりシフトフォークと補強板の間の相対移動量を減
少させ、よって摩耗を低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はクラッチレリーズ軸
受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両等に搭載され摩擦板を用いた動力断
続装置であるクラッチを動作させる場合において、入力
部材であるシフトフォークでクラッチカバーのダイヤフ
ラムスプリングを軸線方向に押圧することにより、スプ
リングの付勢力を摩擦板から解除して動力伝達の切り離
しが行なわれている。
【0003】ところで、シフトフォークは車体等の固定
側に通常配置されているが、クラッチカバーはエンジン
のフライホイール等に取り付けられてそれと一体的に回
転するようになっている。従って、クラッチカバーのダ
イヤフラムスプリングをシフトフォークが直に押圧する
となると、当接部の摩耗を招来することとなる。そこ
で、ダイヤフラムスプリングに当接して一体的に回転す
る回転輪を含むクラッチレリーズ軸受と、この軸受を所
定の状態に保持すると共にシフトフォークからの入力を
受けるようになっている回転しない軸受保持部材とから
なるクラッチレリーズ軸受装置を、ダイヤフラムスプリ
ングとシフトフォークとの間に設けている。
【0004】このようなクラッチレリーズ軸受装置の従
来例を図11を参照して説明する。図11は、従来技術
によるクラッチレリーズ軸受装置の軸線方向断面図であ
る。このクラッチレリーズ軸受装置においては、円筒状
の樹脂製ガイドスリーブ1020に、円板状のフランジ
1040が埋設され一体となっている。フランジ104
0の軸線方向左方には、軸受1010の外輪1012に
かしめ固定されたケース1050が配置され、調心用皿
ばね1060により、フランジ1040に対して弾性的
に挟持されるように取り付けられている。図示しないシ
フトフォークの先端により、フランジ1040が後方か
ら押されれば、軸受内輪1013の先端部が不図示のダ
イヤフラムスプリングに当接するよう、軸受装置全体が
軸線方向に移動可能となっている。
【0005】ここで軸受1010全体は、フランジ10
40に対して半径方向に移動自在となるよう、皿ばね1
060によって付勢されている。従って、たとえ軸受1
010が偏心していたとしても、フランジ1040が後
方よりシフトフォークに押されて軸受1010の内輪1
013がクラッチのダイヤフラムスプリングに当接した
ときに、外輪1012はケース1050と共にフランジ
1040に対してラジアル方向に滑動し、それにより自
動的に軸受1010が調心されるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この従来技
術によるクラッチレリーズ軸受装置においては、フラン
ジ1040がガイドスリーブ1020と一体になってい
るため、以下のような問題が生じている。シフトフォー
クは、一般的に枢動軸を中心として円弧運動(枢動)す
ることにより、フランジ1040を押圧するようになっ
ている。一方、ガイドスリーブ1020及びフランジ1
040は軸線方向にのみ移動するから、シフトフォーク
の押圧部とフランジ1040との間には滑りが生じる。
かかる部分にグリース等の潤滑油を塗布したとしても、
短期間の使用ではともかく、長期間使用した場合それら
の摩耗を阻止することはできなかった。
【0007】シフトフォークとフランジ1040との当
接部が摩耗すると、フランジの当接面が荒れて、摩擦抵
抗の増大やシフトフォークの引っかかりを招来し、それ
によりレリーズ荷重のピーク値が初期値より大きくなっ
てしまう恐れがある。すなわち運転者は、車両を長期間
使用するうちに、より強いクラッチペダル踏力を要求さ
れるという不快感を感ずることとなる。
【0008】本願発明の目的は、シフトフォークとの間
の摩耗を低減し、ペダル踏力のピーク値の増大を防止す
るクラッチレリーズ装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決する手段】上記目的を達成すべく、本願発
明のクラッチレリーズ軸受装置は、互いに同心的に配置
されかつ相対回転する内輪及び外輪を含み、一方の輪が
固定され、回転する他方の輪がクラッチ装置の回転部材
に当接するようになっているクラッチレリーズ軸受と、
ガイド軸上に摺動自在に嵌合された円筒部を有するスリ
ーブと、該スリーブに対して、該クラッチレリーズ軸受
の該一方の輪を半径方向に移動可能となるよう保持する
連結部材と、前記スリーブ上に配置され、ヨーク状の入
力部材が枢動したときに該入力部材と2点で接触するよ
うになっている補強板とからなるクラッチレリーズ軸受
装置において、前記補強板は、前記スリーブに対してラ
ジアル方向であって、かつ前記入力部材の枢動軸に直交
する第1方向に0.2mmを超える程度に移動自在に支
持されている。
【0010】
【発明の実施の形態】本願発明のクラッチレリーズ軸受
装置によれば、シフトフォークの当接する補強板を、ス
リーブに対してラジアル方向であって、かつシフトフォ
ークの枢動軸に直交する第1方向に0.2mmを超える
程度に移動自在に支持されているので、シフトフォーク
の枢動に伴って補強板がガイドスリーブ上を移動し、そ
れによりシフトフォークと補強板の間の相対移動量を減
少させ、よって摩耗を低減できる。なお、補強板とスリ
ーブとは相対移動することになるため、それらの間に摩
耗が生ずる恐れがあるが、補強板とスリーブとの間の接
触面積は、シフトフォークと補強板のそれに比し、極め
て大きいため、補強板とスリーブとの間の面圧は極めて
低くなって、摩耗はあっても無視できる程度に小さいも
のである。
【0011】一方、前記補強板は、前記スリーブに対し
てラジアル方向であって、前記第1方向と異なる第2方
向にも移動自在とすることもできる。かかる場合、前記
補強板の前記第2方向の移動量を前記第1方向の移動量
より小さくすれば、補強板はスリーブに対し第2方向へ
あまり移動せず、それにより振動等の外力によって補強
板がガタつくことを防止できる。かかる補強板のガタつ
きが抑止されれば、スリーブに大きな荷重が伝達される
ことを防止でき、スリーブが樹脂製であってもその変形
を十分防止できる。
【0012】更に、前記補強板の内径面を、前記スリー
ブの円筒部に案内されるようにもでき、それにより簡素
でありながらシフトフォークの荷重に十分耐えられる構
成が供される。
【0013】
【実施例】以下、本願発明の実施例を図面を参照して以
下に詳細に説明する。図1は、本願発明の実施例である
クラッチレリーズ軸受装置をシフトフォーク(仮想線で
示す)側から見た図である。図2は、図1のII-II線に
沿って切断して矢印方向に見た軸線方向断面図である。
【0014】図2において、クラッチレリーズ軸受装置
は、クラッチレリーズ軸受10と、軸受保持部材である
ガイドスリーブ20と、連結部材であるばね部材30と
からなる。クラッチレリーズ軸受10は、左方端に当接
部11aを有する略円管状の内輪11と、内輪11を同
心的に内包する短い円管状の外輪12と、内輪11と外
輪12との間に転動自在に配置された複数のボール15
と、ボール15を所定間隔で保持する保持器16と、ボ
ール15の軸線方向両側で内輪11と外輪12とにより
画成される空間を防塵油密的に密封するシール17、1
8とからなる。内輪11は外輪12に対して回転自在に
支持されている。また内輪11の当接部11aは、半径
方向外方にめくれたような形状をしており、図示しない
クラッチカバーのダイヤフラムスプリングに当接するよ
うになっている。また、内輪11の当接部11aと反対
側の端部はプレスによるブランク加工のままとし、切削
加工を行わず製作コストを安くするようにしている。
【0015】一方、ガイドスリーブ20はモールド成形
された樹脂製であって、円管状の本体21と、本体21
の中央近傍の外周から半径方向に延在するフランジ部2
2と、フランジ部22の半径方向外方端において軸線方
向左方に突出する外壁部23と、フランジ部22の半径
方向外方端において軸線方向に突出するガイド部25
(図1)とからなる。本体21の内方には、図示しない
ガイド軸が延在しており、本体21はガイド軸上を摺動
自在となっている。なお、本体21の内方には拡径部2
4が設けられている。この拡径部24は、本体21がガ
イド軸上を摺動する際に異物を噛みこまないように機能
するものである。外壁部23は、クラッチレリーズ軸受
10の外方に設けられ、その半径方向の移動制限部とな
っている。また、クラッチレリーズ軸受10を半径方向
に移動可能とするため、外輪12の外周と外壁23の内
周との間には間隙27が形成されている。フランジ部2
2の中程には、水平溝26が設けられており、この水平
溝26にはシフトフォークを固定するクリップ(不図
示)が挿入されるようになっている。ガイド部25はば
ね部材30の組付時にガイドの機能を有するものであ
り、図に示すようにばね部材30の両わきを軸線方向に
延在している。本実施例においては、樹脂成型時のゲー
ト位置を図2中矢印Aで示す位置に設定している。よっ
て、ウェルド面WPはそれより180度ずれた図1中点
線で示す位置となる。なお、ゲート位置としてはこの他
に、矢印B、C、Dで示す位置とすることも可能であ
る。
【0016】図3は、補強部材40の斜視図である。補
強部材40は、円筒部41と、円筒部41の略中央から
上方および下方へ突出した板状のアンビル部42と、円
筒部41の端部から半径方向に延在するフランジ部43
とからなり、比較的肉厚の薄い板をプレスし、その後焼
入処理することによって形成される。これもシフトフォ
ークとの当接部における著しい摩耗の発生を防止するこ
とに貢献する。
【0017】円筒部41は、ガイドスリーブ20に取り
付けられた際に本体21に嵌合する。円筒部41の上方
および下方は、アンビル部42と対応するように延長さ
れて矩形部41aを形成している。この矩形部41a
は、シフトフォークをガイドする機能と、アンビル部の
剛性を確保する機能とを有する。アンビル部42とフラ
ンジ部43との間には段差が形成されている。補強板4
0の内径面はガイドスリーブ20の円筒外周面で案内さ
れているが、ガイドスリーブ20は円筒形状となって周
方向につながっているので十分な強度を有する。
【0018】補強部材40のフランジ部43には、円周
部に矩形状切欠43aが形成されており、この切欠43
aは取付時に、ガイドスリーブ20のフランジ部22の
対応する位置に形成された突起22fと係合して、補強
部材40の回り止めを達成している。更に、フランジ部
43には、ガイドスリーブ20の突起22cとストッパ
22gを貫通させるためのC字形切欠き43bが形成さ
れている。
【0019】尚、ガイドスリーブ20のストッパ22g
は、図1から明らかなように、ばね部材30をガイドス
リーブ20に取り付ける際に、ばね部材30の切欠き3
8(後述)に係合して、それ以上ばね部材30が内方に
押し込まれることを防止するよう機能する。ばね部材3
0の面取り39(後述)は、その挿入を容易にする機能
を有する。
【0020】補強板40において、図3中クロスハッチ
された部分は本来ガイドスリーブ20の対応する部分に
当接し位置決めを担当する部分であるが、本実施例にお
いてはガイドスリーブ20に嵌合されたときに水平方向
(シフトフォークの枢動軸に直交する第1方向)にすき
まΔ(図1)を持って移動自在となるよう、内側に追い
込まれて形成されている。一方、補強板40のガイドス
リーブ20の突起22fと、垂直方向(第2方向)に、
水平方向のすきまΔより小さいすきまδをもって嵌合さ
れている。尚、本実施例においてはΔ=0.15mmであ
る。
【0021】図1より明らかなように、同一形状のもの
が2つ設けられたばね部材30は、クラッチレリーズ軸
受10をガイドスリーブ20に対して取り付ける機能を
有する。図4は、ばね部材30の斜視図である。ばね部
材30は、一枚のSK5等のばね鋼板をプレスで打ち抜
いた後折り曲げその後焼入処理することによって形成さ
れている。ばね部材30は、ガイドスリーブ20のフラ
ンジ部に当接するベース部31と、軸受の外輪12に当
接する押圧部32と、ベース部31と押圧部32との間
に設けられ、押圧部32に外輪12を付勢するための弾
性力を付与する梁部33とからなっている。なお、押圧
部32はシール17に接触しないように、またばね部材
30の組付を容易にすべく、軸線方向外方に傾斜した傾
斜部32aを有する。
【0022】更にばね部材30は、ベース部31と梁部
33との略中間において、半径方向に突出するように形
成された凸部34を有し、この凸部34は、ガイドスリ
ーブ20のフランジ22部の端部に対応している。ま
た、ベース部31の両側部31aにおける下方端近傍に
おいては、切欠き37が形成され、更にその下縁部31
bには、比較的大きな切欠き38が形成されている。切
欠き38と下縁部31bとの交差部には、面取り39が
形成されている。
【0023】次に、本願発明の実施例であるクラッチレ
リーズ軸受装置の動作につき以下に説明する。図1にお
いて、仮想線で示すシフトフォークが、垂直に延在する
枢動軸Px周りに枢動して、その先端が補強部材40の
アンビル部42におけるPs点(図1)に2点で当接し
て一定の荷重を印加する。かかるPs点はシフトフォー
クの枢動と共に水平方向に移動することになる。補強部
材40の板厚は比較的厚くその剛性も十分であるため、
シフトフォークより大荷重を受けることができる。クラ
ッチレリーズ軸受装置は、シフトフォークからの入力に
より図示しないガイド軸上を軸線方向に摺動して、図示
しないクラッチカバーのダイヤフラムスプリングに内輪
11の当接部11aを当接させる。ダイヤフラムスプリ
ングが回転していても、内輪11は回転自在であるの
で、当接後にダイヤフラムスプリングと一体で回転する
こととなり、更に軸受装置が軸線方向に移動することに
よりダイヤフラムスプリングが押圧されてクラッチが動
作されるようになっている。なお、ウェルド面(ウェル
ド部)WPの位置が、軸線方向に見てシフトフォークの
2つの当接点(入力点)Psを結ぶ線上に配置されるた
め、モーメント荷重を受ける断面の図心軸からの距離が
ほぼゼロとなって、モーメント荷重による応力を極力小
さくすることができる。
【0024】ばね部材30は適切な板厚となっていて、
ガイドスリーブ20に対してクラッチレリーズ軸受10
を、押圧部32と外輪12との間に作用する摩擦力のみ
で支持しているため、軸受10はガイドスリーブ20に
対して半径方向に移動可能となっている。この摩擦力
は、クラッチレリーズ軸受に働く振動加速度によってク
ラッチレリーズ軸受が動かないように、この荷重より若
干大きく、しかも偏心時に軸受が自動調心すべく移動可
能な軽微な値に調節されており、通常5乃至15kgf
程度である。従って、内輪11の当接部11aがダイヤ
フラムスプリングに当接したとき、両者の間に偏心があ
れば、軸受10を同心に位置させようとする公知の力が
生じ、それにより軸受10は半径方向に移動して、自動
調心が達成されることとなる。なお、ガイドスリーブ2
0の外壁部23は、軸受10が所定量以上半径方向外方
に移動しないよう制限する機能を有する。また、一般の
玉軸受の外輪にはフランジがないタイプが多いので、本
実施例のように外輪をばね部材30で挟みこむように構
成すれば、外輪自体を改造する必要がなく既存のものを
使用でき、コスト低減に寄与しうる。
【0025】ガイドスリーブ20と補強部材40とは、
シフトフォークの枢動軸Pxに直交する方向すなわち水
平方向に、図1に示すようにすきま2・Δ(0.3mm)
の範囲で相対移動自在となっているため、クラッチレリ
ーズ動作に伴い枢動するシフトフォークから補強部材4
0に軸線に直角かつ水平方向の力が印加された場合に、
補強部材40も共に水平方向に移動でき、それによりシ
フトフォーク及び補強板の当接部の摩耗を低減すること
ができる。一方、ガイドスリーブ20と補強部材40と
は、垂直方向には、水平方向のすきまに比べ小さなすき
まをもって取り付けられているため、車両の振動等が伝
達されても補強部材40のガタつきが押さえられ、それ
により不要な摩耗・異音等を防止できる。
【0026】なお、ガイドスリーブと補強部材とのすき
まは、水平方向に移動可能なように各部にすきまΔを設
ける必要があるが、最小のすきまのところにはシフトフ
ォークの摩擦力の水平方向成分の力が負荷されるので、
強度を考えて設計する必要がある。例えば、図1の例で
はガイドスリーブの円筒の外周と補強部材の円筒の内周
とのすきまを最小にすれば、構造上十分な強度を有する
設計となる。
【0027】次に、クラッチレリーズ軸受装置の組付方
法について説明する。 ガイドスリーブ20の本体21
の周囲に、クラッチレリーズ軸受10および補強部材4
0が配置された後、図1の斜め上方及び斜め下方からば
ね部材30が、ガイドスリーブ20のガイド部25にガ
イドされつつ挿入される。ばね部材30は外周の一方向
から挿入できるようにしているため、組付が容易となっ
ている。ばね部材30は、ガイドスリーブ20の突起2
2cを弾性変形しながら乗り越えて、切欠き37が突起
22cに係合し、かつ切欠き38がストッパ22gに当
接した段階で所定の形状に戻り、組付が完了する。斜面
22dの作用によりばね部材30の挿入は比較的容易に
行われるが、一旦係合した後は台部22eの作用により
不用意に抜けないように構成されている。
【0028】図5は、総ストローク100万回、レリー
ズ荷重250kgfの条件下において行ったクラッチレリ
ーズ軸受装置の摩耗試験により得られた結果を示す図で
あり、補強板の摩耗深さを縦軸に、補強板とガイドスリ
ーブとの水平方向相対変位量を横軸にとって表してい
る。図5によれば、補強板とガイドスリーブとの相対変
位量が0.2mmを超えると急激に補強板の摩耗深さが減
少することがわかる。
【0029】一方、図6は、ペダル踏力のピーク値を縦
軸に、補強板とガイドスリーブとの水平方向相対変位量
を横軸にとって表した図である。図6によれば、補強板
とガイドスリーブとの相対変位量が0.2mmを超えるよ
うに設計すると、ペダル踏力のピーク値は低い値となる
ことが理解される。
【0030】次に、本願発明の第2実施例を、図面を参
照して上記実施例と異なる点を中心に説明する。図7
は、第2実施例であるクラッチレリーズ軸受装置をシフ
トフォーク側から見た図である。図8は、図7より補強
板140のみを取り出して示した図である。図9は、図
7のIX-IX 線に沿って切断して矢印方向に見た軸線方向
断面図である。上述の実施例に対し異なる点を中心に説
明する。
【0031】ヨーク部125は、フランジ部122から
シフトフォーク側に延在した本体125aと、その先端
から半径方向内方に向かう突起部125bと、ヨーク部
125の付け根の外方を取り巻くように形成されたリブ
状のステイ125cとからなる。図示しないシフトフォ
ークが一旦ヨーク部125の内方に位置せしめられる
と、突起部125bの作用により、シフトフォークとガ
イドスリーブ120とは一体的に移動するようになって
いる。なお、本実施例においても、ゲート位置を図9中
矢印Aで示す位置に設定している。よって、ウェルド面
WPはそれより180度ずれた図7中点線で示す位置と
なる。なお、ゲート位置としてはこの他に、矢印B、
C、D、Eで示す位置とすることも可能である。
【0032】ここで、ヨーク部125は、ガイドスリー
ブ120と一体モールド成形されている。ヨーク部12
5の剛性・強度を向上させるためには、ヨーク部125
の付け根の肉厚を単純にアップすれば足るという考えも
ある。しかし、ヨーク部125の一部の肉厚をアップす
ると、モールド成形時に素材の収縮の不均一を招き、そ
の結果肉厚部の内部にボイド(空孔)が発生して、製品
品質を低下させる恐れがある。そこで、ステイ125c
を、ヨーク部125の肉厚と略同幅のリブ状とし、モー
ルド成形時の収縮を考慮してボイド等を避けるようにし
ているのである。なお、ステイ125cが補強部を構成
する。図8において、円筒部120とフランジ部122
とを連結するように三角形板状のリブ120a、120
bが設けられている。リブ120は、シフトフォークよ
り受ける入力により円筒部120とフランジ部122と
の間に生じるモーメントが最大となる部位に設けられ、
もってガイドスリーブ120の強度向上を図っている。
【0033】図8においては、補強板140がガイドス
リーブ120に嵌合したときすきまがないような寸法形
状を点線で示している。すなわち、補強板140は図8
より明らかであるが、ガイドスリーブ120に嵌合され
たときに水平方向にすきまΔ(図7)を持って移動自在
となるよう、点線の位置から実線の位置まで内側に追い
込まれて形成されている。また、垂直方向には、水平方
向のすきまΔより小さいすきまδをもって嵌合されてい
る。
【0034】次に、本願発明の実施例であるクラッチレ
リーズ軸受装置の動作につき以下に説明する。図示しな
いシフトフォークが枢動して、その先端が補強部材14
0に当接して一定の荷重を印加する。補強部材140の
板厚は比較的厚くその剛性も十分であるため、シフトフ
ォークより受ける大荷重を受けることができる。クラッ
チレリーズ軸受装置は、シフトフォークからの入力によ
り図示しないガイド軸上を軸線方向に摺動して、図示し
ないクラッチカバーのダイヤフラムスプリングに内輪1
11の当接部111aを当接させる。ダイヤフラムスプ
リングが回転していても、内輪111は回転自在である
ので、当接後にダイヤフラムスプリングと一体で回転す
ることとなり、更に軸受装置が軸線方向に移動すること
によりダイヤフラムスプリングが押圧されてクラッチが
動作されるようになっている。
【0035】シフトフォークは水平面内を枢動するの
で、構造上ヨーク部125は、シフトフォークから半径
方向の力を受けないはずであるが、実際はエンジンから
の振動や部品のガタ付き等により、比較的大きな力を受
けることがある。かかる力を受けた場合でも、ヨーク部
125の付け根にステイ125cが形成されているた
め、この力に十分抗することができる。
【0036】ガイドスリーブ120と補強部材140と
は、水平方向に図7に示すようにすきま2・Δの範囲で
相対移動自在となっているため、クラッチレリーズ動作
に伴い枢動するシフトフォークから補強部材140に軸
線に直角な方向(水平方向)の力が印加された場合に、
補強部材140は水平方向に移動し、それによりシフト
フォーク及び補強板の当接部の摩耗を低減することがで
きる。一方、ガイドスリーブ120と補強部材140と
は、垂直方向には、水平方向すきまに比べ小さなすきま
をもって取り付けられているため、車両の振動等が伝達
されても補強部材140のガタつきが押さえられ、それ
により不要な摩耗・異音等を防止できる。
【0037】次に、本願発明の第3実施例を、図面を参
照して上記実施例と異なる点を中心に説明する。図10
は、第3実施例であるクラッチレリーズ軸受装置を図8
と同方向に見た図である。上述の実施例に対し異なる点
を中心に説明する。
【0038】図10において、樹脂製のガイドスリーブ
220より半径方向に延在するフランジ部222の右方
に、補強板240が取り付けられている。フランジ部2
22の外方端に円筒状のケース250の一端が、かしめ
により取り付けられている。ケース250の他端は、波
形ばね260を介して軸受210を保持している。波形
ばね260は、ケース250に対して軸受210を所定
の付勢力で押圧しているが、半径方向へのその移動は許
容するようになっている。
【0039】図10において、補強板240とガイドス
リーブ220との垂直方向すきまはδ(0.05mm)
となっている。一方、図示していないが、その水平方向
すきまは、上述した実施例と同様にΔ(0.15mm)
である。本実施例においては、水平方向すきまは垂直方
向すきまより大きいからδ<Δが成立する。
【0040】各実施例において、補強板は、スリーブに
対してラジアル方向であって、第1方向と異なる第2方
向にも移動自在となっているが、補強板の第2方向の移
動量は第1方向の移動量より小さいので、補強板はスリ
ーブに対し第2方向へあまり移動せず、それにより振動
等の外力によって補強板がガタつくことを防止してい
る。かかる補強板のガタつきが抑止されれば、スリーブ
に大きな荷重が伝達されることを防止でき、スリーブ樹
脂製であってもその変形を防止できる。
【0041】さらに補強板の内径面は、前記スリーブの
円筒部に案内されているため、簡素でありながらシフト
フォークの荷重に十分耐えられる構成となっている。
【0042】以上、本発明を実施例を参照して説明して
きたが、本発明は上記実施例に限定して解釈されるべき
ではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろん
である。例えば、ばね部材30は2つでなく3つでもよ
い。更に、回転輪は内輪でなく外輪であっても本願発明
の構成は可能となる。
【0043】
【発明の効果】以上述べたように、本願発明のクラッチ
レリーズ軸受装置によれば、シフトフォークの当接する
補強板を、スリーブに対してラジアル方向であって、か
つシフトフォークの枢動軸に直交する第1方向に0.2
mmを超える程度に移動自在に支持されているので、シ
フトフォークの枢動に伴って補強板がガイドスリーブ上
を移動し、それによりシフトフォークと補強板の間の相
対移動量を減少させ、よって摩耗を低減できる。なお、
補強板とスリーブとは相対移動することになるため、そ
れらの間に摩耗が生ずる恐れがあるが、補強板とスリー
ブとの間の接触面積は、シフトフォークと補強板のそれ
に比し、極めて大きいため、補強板とスリーブとの間の
面圧は極めて低くなって、摩耗はあっても無視できる程
度に小さいものである。すなわち本願発明によれば、シ
フトフォークと補強板の当接面における、摩擦抵抗の増
大やシフトフォークの引っかかりを防止し、それにより
クラッチの作動を滑らかにすると共にレリーズ荷重のピ
ーク値の増大を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施例であるクラッチレリーズ軸受
装置をシフトフォーク側から見た図である。
【図2】図1のII-II線に沿って切断して矢印方向に見
た軸線方向断面図である。
【図3】補強部材40の斜視図である。
【図4】ばね部材30の拡大斜視図である。
【図5】総ストローク100万回、レリーズ荷重250
kgfの条件下において行ったクラッチレリーズ軸受装置
の摩耗試験により得られた結果を示す図であり、補強板
の摩耗深さを縦軸に、補強板とガイドスリーブとの水平
方向相対変位量を横軸にとって表している。
【図6】ペダル踏力のピーク値を縦軸に、補強板とガイ
ドスリーブとの水平方向相対変位量を横軸にとって表し
た図である。
【図7】第2実施例であるクラッチレリーズ軸受装置を
シフトフォーク側から見た図である。
【図8】図7より補強板140のみを取り出して示した
図である。
【図9】図7のIX-IX線に沿って切断して矢印方向に見
た軸線方向断面図である。
【図10】第3実施例であるクラッチレリーズ軸受装置
を図8と同じ方向に見た図である。
【図11】従来技術のクラッチレリーズ軸受装置を切断
して見た図である。
【符号の説明】 10、110………クラッチレリーズ軸受 20、120、220………ガイドスリーブ 30………ばね部材 40、140、240………補強部材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに同心的に配置されかつ相対回転す
    る内輪及び外輪を含み、一方の輪が固定され、回転する
    他方の輪がクラッチ装置の回転部材に当接するようにな
    っているクラッチレリーズ軸受と、 ガイド軸上に摺動自在に嵌合された円筒部を有するスリ
    ーブと、 該スリーブに対して、該クラッチレリーズ軸受の該一方
    の輪を半径方向に移動可能となるよう保持する連結部材
    と、 前記スリーブ上に配置され、ヨーク状の入力部材が枢動
    したときに該入力部材と2点で接触するようになってい
    る補強板とからなるクラッチレリーズ軸受装置におい
    て、 前記補強板は、前記スリーブに対してラジアル方向であ
    って、かつ前記入力部材の枢動軸に直交する第1方向に
    0.2mmを超える程度に移動自在に支持されているク
    ラッチレリーズ軸受装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106438748A (zh) * 2015-08-07 2017-02-22 丰田自动车株式会社 离合器释放装置

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