JP3864475B2 - クラッチレリーズ軸受装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はクラッチレリーズ軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両等に搭載され摩擦板を用いた動力断続装置であるクラッチを動作させる場合において、入力部材であるシフトフォークでクラッチカバーのダイヤフラムスプリングを軸線方向に押圧することにより、スプリングの付勢力を摩擦板から解除して動力伝達の切り離しが行なわれている。
【0003】
ところで、シフトフォークは車体等の固定側に通常配置されているが、クラッチカバーはエンジンのフライホイール等に取り付けられてそれと一体的に回転するようになっている。従って、クラッチカバーのダイヤフラムスプリングをシフトフォークが直に押圧するとなると、当接部の摩耗を招来することとなる。そこで、ダイヤフラムスプリングに当接して一体的に回転する回転輪を含むクラッチレリーズ軸受と、この軸受を所定の状態に保持すると共にシフトフォークからの入力を受けるようになっている回転しない軸受保持部材とからなるクラッチレリーズ軸受装置を、例えば特願平8−259745号に示されているように、ダイヤフラムスプリングとシフトフォークとの間に設けている。
【0004】
ところで、この特願平8−259745号に開示されたクラッチレリーズ軸受装置においては、軸受の内輪の先端部がダイヤフラムスプリングに対向している。一方軸受の外輪の後端は、ガイドスリーブのフランジ部と当接している。更に、板ばねにより軸受外輪とフランジ部とを軸線方向に挟み込むようにして、軸受はガイドスリーブに取り付けられている。シフトフォークの先端によりガイドスリーブのフランジ部が補強部材を介して後方から押されれば、内輪先端部がダイヤフラムスプリングに当接するよう、軸受装置全体が軸線方向に移動可能となっている。
【0005】
ここで軸受外輪は、ガイドスリーブのフランジ部に対して半径方向に移動自在となるよう、板ばねによって付勢されているため、ガイドスリーブのフランジ部が後方よりシフトフォークに押されて軸受の外輪がクラッチのダイヤフラムスプリングに当接したときに、互いの間に偏心があっても、自動的に軸受が調心されるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図10は、かかる従来技術によるクラッチレリーズ軸受装置の軸線方向一部断面図である。図10において、ガイドスリーブ20のフランジ部22に隣接して補強部材140が設けられ、シフトフォーク(不図示)からの入力をアンビル部143上のPs点で受けるようになっている。シフトフォークからの入力をPs点で受けることによる大きな曲げモーメントに抗すべく、補強部材140は、フランジ部22を覆うようにして円筒部141を形成することにより、その断面係数を向上させ剛性を高めている。
【0007】
ところで、図10のクラッチレリーズ軸受装置においては、アンビル部143をクラッチレリーズ軸受10の半径方向外方に位置させるようにしているため、クラッチレリーズ軸受装置の縦寸法hが大きくなってしまうという問題点がある。一方、シフトフォークからの入力を、フランジ部22に隣接する補強部材140の面144で受けるようにすれば、アンビル部143を省略でき、それにより縦寸法hは小さくなるが、その代わりクラッチのダイヤフラムスプリング(不図示)から後面144までの寸法bは大きくなってしまう。
【0008】
ここで例えば、横置きエンジン搭載車両等においては、車両の幅寸法の制限から、上記寸法bを極力小さくしたいという要求がある。ところが、軸受10の内輪11クラッチ側端部と外輪12の同端部との間に、ばね部材130のテーパ状先端132が挿入されるようになっているため、一定値以上の両輪間距離Δを確保しないと、内輪11とばね部材130との干渉を招くおそれがある。従って、かかる従来のクラッチレリーズ軸受装置においては、前記縦寸法hを抑えながら、前記寸法bの短縮化を図ることができないという問題がある。
【0009】
本願発明は、安価なコストによりコンパクトかつ軽量な構成を達成し、周辺設計の自由度を高めることのできるクラッチレリーズ軸受装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、本願発明のクラッチレリーズ軸受装置は、互いに同心的に配置されかつ相対回転する内輪及び外輪を含み、一方の輪が固定され、回転自在な他方の輪がクラッチ装置の回転部材に当接するようになっているクラッチレリーズ軸受と、
ガイド軸上に摺動自在に嵌合された円筒部と該円筒部から半径方向に延在するフランジ部とを備える軸受保持部材と、
該軸受保持部材の前記フランジ部の一方の面に対して該クラッチレリーズ軸受を半径方向に移動可能となるよう前記一方の輪を保持する連結部材とからなっているクラッチレリーズ軸受装置において、
前記連結部材は、前記クラッチレリーズ軸受に当接する一方の端部と前記フランジ部の他方の面に当接する他方の端部と、該クラッチレリーズ軸受の径方向外側でこれら一方の端部と他方の端部とを繋ぐ連結部とを備え、外径側から組み付けられて所定位置で前記クラッチレリーズ軸受と前記フランジ部とを軸線方向に挟持するようになっており、
前記フランジ部には、前記一方の面側と前記他方の面側とに第1および第2の案内部材がそれぞれ形成されており、前記連結部材の組み付け時に、該第2の案内部材は前記連結部材の前記他方の端部に当接し該連結部材が前記所定位置に至るまで該他方の端部を該一方の端部から離れる方向に拡げつつ案内し、前記第1の案内部材は該連結部材が前記所定位置に至るまで前記一方の端部を前記クラッチレリーズ軸受と非接触位置に保持しつつ案内することを特徴とする。
【0011】
【作用】
本願発明によれば、前記フランジ部には、前記一方の面側と前記他方の面側とに第1および第2の案内部材がそれぞれ形成されており、
前記連結部材の挿入時に、該第2の案内部材は前記連結部材の前記他方の端部に当接し該連結部材が所定位置に至るまで該他方の端部を該一方の端部から離れる方向に拡げつつ案内し、前記第1の案内部材は該連結部材が前記所定位置に至るまで前記一方の端部を前記クラッチレリーズ軸受と非接触位置に保持しつつ案内するので、組付時にクラッチレリーズ軸受と干渉することを防止する例えばテーパ状先端等を前記連結部材に設ける必要がなくなり、それにより前記連結部材の構成を簡素化して、クラッチレリーズ軸受装置のコンパクト化を図ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施例を図面を参照して以下に詳細に説明する。
図1は、本願発明の実施例であるクラッチレリーズ軸受装置をシフトフォーク側から見た図である。図2は、図1のII−II線に沿って切断して矢印方向に見た軸線方向断面図である。
【0013】
図2において、クラッチレリーズ軸受装置は、クラッチレリーズ軸受10と、軸受保持部材であるガイドスリーブ20と、連結部材であるばね部材30とからなる。クラッチレリーズ軸受10は、左方端に当接部11aを有する略円管状の内輪11と、内輪11を同心的に内包する短い円管状の外輪12と、内輪11と外輪12との間に転動自在に配置された複数のボール15と、ボール15を所定間隔で保持する保持器16と、ボール15の軸線方向両側で内輪11と外輪12とにより画成される空間を防塵油密的に密封するシール17、18とからなる。内輪11は外輪12に対して回転自在に支持されている。また内輪11の当接部11aは、半径方向外方にめくれたような形状をしており、図示しないクラッチカバーのダイヤフラムスプリングに当接するようになっている。また、内輪11の当接部11aと反対側の端部はプレスによるブランク加工のままとし、切削加工を行わず製作コストを安くするようにしている。
【0014】
一方、ガイドスリーブ20はモールド成形された樹脂製であって、円管状の本体21と、本体21の中央近傍の外周から半径方向に延在するフランジ部22と、フランジ部22の半径方向外方端において軸線方向左方に突出する外壁部23と、フランジ部22の半径方向外方端において軸線方向に突出する連結部材を挿入時ガイドするガイド部25(図1)とからなる。本体21の内方には図示しないガイド軸が延在しており、本体21はガイド軸上を摺動自在となっている。なお、本体21の内方には拡径部24が設けられている。この拡径部24は、本体21がガイド軸上を摺動する際に異物を噛みこまないように機能するものである。外壁部23は、クラッチレリーズ軸受10の外方に設けられ、その半径方向の移動制限部となっている。また、クラッチレリーズ軸受10を半径方向に移動可能とするため、外輪12の外周と外壁部23の内周との間には隙間27が形成されている。
【0015】
フランジ部22から半径方向に突出する幅広板状の外方突起22hと、外方突起22hからエンジン側に外輪12の端部まで延在する幅広板状の延在部22iとが連結部材を取付ける角度位置に形成されている。
【0016】
図1において、ガイドスリーブ20の本体21の上下部には平面状の台部21aが形成されている。一方、フランジ部22には、各ばね部材30の取付位置に形成されたストッパ22gと、一対の突起22cが形成されている。ガイド部25は、ばね部材30の組付時にガイドの機能を有するものであり、ばね部材30の両脇を軸線方向に延在している。本体21からフランジ部22にかけて、補強のための4本の三角リブ21bが形成されている。
【0017】
補強部材40は円板状であって、中央開口41を有し、チタンコーティング等を施すことにより、シフトフォークとの接触部にて著しい摩耗が発生しないようにしている。
【0018】
中央開口41は、ガイドスリーブ20に取り付けられた際に本体21に丁度嵌合する径と形状を有し、それにより補強部材40の半径方向の位置決めが達成されるようになっている。また、中央開口41は、リブ21bに対応して切り欠かれており、従って本体21に取り付けることにより補強部材40の回り止めが達成される。
【0019】
なお、図1には図示されていないが、補強部材40には、ガイドスリーブ20の突起22cとストッパ22gを貫通させるためのC字形切欠きが形成されている。
【0020】
尚、ガイドスリーブ20のストッパ22gは、図1から明らかなように、ばね部材30をガイドスリーブ20に取り付ける際に、ばね部材30の切欠き38に係合して、それ以上ばね部材30が内方に押し込まれることを防止するよう機能する。
【0021】
図1より明らかなように、同一形状のものが2つ設けられたばね部材30は、クラッチレリーズ軸受10をガイドスリーブ20に対して取り付ける機能を有する。図3は、ばね部材30の斜視図である。ばね部材30は、一枚のSK5等のばね鋼板をプレスで打ち抜いた後折り曲げその後焼入処理することによって形成されている。ばね部材30は、ガイドスリーブ20のフランジ部に当接するベース部31と、軸受の外輪12に当接する押圧部32と、ベース部31と押圧部32との間に設けられ、押圧部32に外輪12を付勢するための弾性力を付与する梁部33とからなっている。なお、押圧部32と梁部33との間には、梁部33の延長方向に突出する凹部32aが形成されている。
【0022】
更にばね部材30は、ベース部31と梁部33との間において、半径方向に突出するように形成された凸部34を有し、この凸部34は、ガイドスリーブ20のフランジ22部の外方突起22hに対応している。また、ベース部31の両側部31aにおける上方端近傍においては、切欠き37が形成され、更にその上端31bには、比較的長い切欠き38が形成されている。なお、上端31bは、押圧部32から離隔する方向に反った形状を有している。
【0023】
図4は、図1のクラッチレリーズ軸受装置をIV−IV線に沿って切断し拡大して矢印方向に見た図である。ガイドスリーブ20のフランジ部22には、上述したように突起22cが形成されている。突起22cは、斜面22dと台部22eとからなっており、ばね部材30が装着された際に切欠き37に係合する形状となっている。フランジ部22の部分22aと部分22bの段差は補強部材40の板厚より大きいため、そこに補強部材40をセットすると、ばね部材30と補強部材40との間にスキマδが生ずるようになっている。
【0024】
次に、本願発明の実施例であるクラッチレリーズ軸受装置の動作につき以下に説明する。
図1において、図示しないシフトフォークが枢動して、その先端が補強部材40の表面に当接して一定の荷重を印加する。補強部材40の板厚は比較的厚くその剛性も十分であるため、シフトフォークより受ける大荷重を支持することができる。シフトフォークと補強部材40とは滑り接触をするが、上述したように補強部材40はチタンコーティングされているので摩耗は小さく抑えられる。クラッチレリーズ軸受装置は、シフトフォークからの入力により図示しないガイド軸上を軸線方向に摺動して、図示しないクラッチカバーのダイヤフラムスプリングに内輪11の当接部11aを当接させる。ダイヤフラムスプリングが回転していても、内輪11は回転自在であるので、当接後にダイヤフラムスプリングと一体で回転することとなり、更に軸受装置が軸線方向に移動することによりダイヤフラムスプリングが押圧されてクラッチが動作されるようになっている。
【0025】
ばね部材30は適切な板厚となっていて、ガイドスリーブ20に対してクラッチレリーズ軸受10を、押圧部32と外輪12との間に作用する摩擦力のみで支持しているため、クラッチレリーズ軸受10はガイドスリーブ20に対して半径方向に移動可能となっている。従って、内輪11の当接部11aがダイヤフラムスプリングに当接したとき、両者の間に偏心があれば、クラッチレリーズ軸受10を同心に位置させようとする公知の力が生じ、それによりクラッチレリーズ軸受10は半径方向に移動して、自動調心が達成されることとなる。なお、ガイドスリーブ20の外壁部23は、クラッチレリーズ軸受10が所定量以上半径方向外方に移動しないよう制限する機能を有する。また、一般の玉軸受の外輪にはフランジがないタイプが多いので、本実施の形態のように外輪をばね部材30で挟み込むように構成すれば、外輪自体を改造する必要がなく既存のものを使用でき、コスト低減に寄与しうる。
【0026】
ばね部材30と補強部材40とは、図4に示すようにスキマδが生ずる程度に離隔しているため、クラッチレリーズ動作に伴いシフトフォークから補強部材40に軸線に直角な方向の力が印加された場合でも、かかる力はばね部材30に伝達されることはない。したがって、ばね部材30は、シフトフォークからの力で変形等することはない。
【0027】
次に、クラッチレリーズ軸受装置の組付方法について説明する。図5乃至8は、ばね部材30をガイドスリーブ20のフランジ部22に組み付ける手順を示した図であるが、図5は、ばね部材30の組付開始時を示しており、図6、7は、ばね部材30の組付途中を示し、図8は、ばね部材30の組付終了時を示している。なお図5に示すように、外輪12の軸線方向長l1は、延在部22iの軸線方向長l2よりもわずかに短くなっている。
【0028】
ガイドスリーブ20の本体21の周囲に、クラッチレリーズ軸受10および補強部材40が配置された後、図1の斜め上方及び斜め下方からばね部材30が、ガイドスリーブ20のガイド部25にガイドされつつ挿入される。ばね部材30は外周の一方向から挿入できるようにしているため、組付が容易となっている。かかる組付は、まず図5に示すように、ばね部材30の押圧部32を延在部22iの先端に押し当てるようにして、ばね部材30を案内しつつ半径方向に挿入することから始まる。
【0029】
更にばね部材30を移動させると、図6に示すように、ばね部材30の下端部31bがフランジ部22の部分22bに当接する。このとき下端部31bは、上述したように反っているため、ばね部材30の移動により部分22bに乗り上がり、それによりばね部材30を押し広げるようになっている。このため、ばね部材30のフランジ部22への組付が容易になっている。
【0030】
引き続きばね部材30を移動させた状態を図7に示すが、この場合上述したように、外輪12の軸線方向長l1は、延在部22iの軸線方向長l2よりもわずかに短くなっているため、押圧部32は半径方向に延在するにも関わらず、外輪12に突き当たることがなく、よってばね部材30は容易に挿入できるようになっている。
【0031】
最終的には、ばね部材30は、ガイドスリーブ20の突起22cを弾性変形しながら乗り越えて、切欠き37が突起22cに係合し、かつ切欠き38がストッパ22g(図1)に当接した段階で所定の形状に戻り、組付が完了する。このとき、押圧部32が延在部22iの先端から離脱し、ちょうど凹部32aと延在部22iとが離隔対向するようになるが、それにより押圧部32の外輪12への当接が許容される。即ち、上述したごとくばね部材30の挿入は容易に行われるが、一旦組み付けられれば、ばね部材30は十分な付勢力で外輪12を保持することができるのである。なお、斜面22dもばね部材30の挿入を比較的容易にし、一旦係合した後は台部22eの作用により不用意に抜けないように構成されている。
【0032】
このように本実施の形態によれば、ばね部材30の押圧部32にベース部31から離隔するように反ったテーパ状先端を設けなくても、ばね部材30の挿入が容易となる。このため、押圧部32を半径方向にストレートに延在する形状とすれば足り、クラッチレリーズ軸受10の内輪11と外輪12におけるクラッチ側端部同士間の距離Δ(図2)を極力小さく抑えることができる。それにより、クラッチのダイヤフラムスプリング(不図示)から補強部材40のシフトフォーク当接面までの寸法Bを小さくすることができ、周辺設計の自由度を向上させることができる。
【0033】
なお、本実施の形態では、ガイドスリーブ20に軸方向延在部22iを設けることによって、押圧部32を半径方向にストレートな形状にしても、ばね部材30の挿入が容易になるようにしたが、ガイドスリーブのフランジ部の部分22bの位置とばね部材の寸法を工夫することによって、ばね部材挿入時に押圧部32が外輪と接触する瞬間にベース部31がガイドスリーブのフランジ部の部分22bにまだ接触しない寸法関係にすれば、同様にばね部材30の挿入が容易になる、その実施の形態を図9に示す。かかる図においては、外輪12の外周から押圧部32の先端までの距離をCとし、部分22bの半径方向長さをDとすれば、C>Dなる関係が成立している。
【0034】
ところで、図において、ガイドスリーブ20の外方突起22hの軸線方向厚L1と、ばね部材30の凸部34(図3)における内側空間の軸線方向距離L2とは、その差を比較的小さく調整している。従って、ばね部材30が傾いたときに、両者が干渉し合うことにより、ばね部材30の過度の傾きを阻止するようになっている。
【0035】
なお、本実施の形態では、ばね部材30と外方突起22hとの間にスキマを持たせた構造としてあるが、組込状態ではスキマなく当初から接触している構造とすることも可能である。
【0036】
以上、本発明を実施例を参照して説明してきたが、本発明は上記実施例に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。例えば、ばね部材30は2つでなく3つでもよい。更に、回転輪は内輪でなく外輪であっても本願発明の構成は可能となる。
【0037】
【発明の効果】
以上述べたように、本願発明のクラッチレリーズ軸受装置によれば、軸受保持部材のフランジ部には、連結部材の挿入時に、前記連結部材の端部が前記クラッチレリーズ軸受と干渉することが防止されるので、組付時にクラッチレリーズ軸受と干渉することを防止する例えばテーパ状先端等を前記連結部材に設ける必要がなくなり、それにより前記連結部材の構成を簡素化して、クラッチレリーズ軸受装置のコンパクト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施の形態であるクラッチレリーズ軸受装置をシフトフォーク側から見た図である。
【図2】図1のII−II線に沿って切断して矢印方向に見た軸線方向断面図である。
【図3】ばね部材30の拡大斜視図である。
【図4】図1のクラッチレリーズ軸受装置をIV−IV線に沿って切断し拡大して矢印方向に見た図である。
【図5】ばね部材30をガイドスリーブ20のフランジ部22に組み付ける手順を示した図であり、組付開始時を示すものである。
【図6】ばね部材30をガイドスリーブ20のフランジ部22に組み付ける手順を示した図であり、組付途中を示すものである。
【図7】ばね部材30をガイドスリーブ20のフランジ部22に組み付ける手順を示した図であり、組付途中を示すものである。
【図8】ばね部材30をガイドスリーブ20のフランジ部22に組み付ける手順を示した図であり、組付終了時を示すものである。
【図9】本願発明の第2の実施の形態で、ばね部材30の取付部断面図である。
【図10】従来技術によるクラッチレリーズ軸受装置の軸線方向一部断面図である。
【符号の説明】
10………クラッチレリーズ軸受
11………内輪
12………外輪
20………ガイドスリーブ
22h………外方突起
22i………延在部
30………ばね部材
32………押圧部
32a………凹部
40………補強部材

Claims (1)

  1. 互いに同心的に配置されかつ相対回転する内輪及び外輪を含み、一方の輪が固定され、回転自在な他方の輪がクラッチ装置の回転部材に当接するようになっているクラッチレリーズ軸受と、
    ガイド軸上に摺動自在に嵌合された円筒部と該円筒部から半径方向に延在するフランジ部とを備える軸受保持部材と、
    該軸受保持部材の前記フランジ部の一方の面に対して該クラッチレリーズ軸受を半径方向に移動可能となるよう前記一方の輪を保持する連結部材とからなっているクラッチレリーズ軸受装置において、
    前記連結部材は、前記クラッチレリーズ軸受に当接する一方の端部と前記フランジ部の他方の面に当接する他方の端部と、該クラッチレリーズ軸受の径方向外側でこれら一方の端部と他方の端部とを繋ぐ連結部とを備え、外径側から組み付けられて所定位置で前記クラッチレリーズ軸受と前記フランジ部とを軸線方向に挟持するようになっており、
    前記フランジ部には、前記一方の面側と前記他方の面側とに第1および第2の案内部材がそれぞれ形成されており、前記連結部材の組み付け時に、該第2の案内部材は前記連結部材の前記他方の端部に当接し該連結部材が前記所定位置に至るまで該他方の端部を該一方の端部から離れる方向に拡げつつ案内し、前記第1の案内部材は該連結部材が前記所定位置に至るまで前記一方の端部を前記クラッチレリーズ軸受と非接触位置に保持しつつ案内することを特徴とするクラッチレリーズ軸受装置。
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