JPH10259925A - 天井埋込型空気調和機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造でかつ低コストに点検パネルの開
閉ができ、エアフィルタの着脱が容易にできる天井埋込
型空気調和機を提供する。 【解決手段】 本体の下側に設けられた略長方形状の開
口部１aを覆う点検パネル２を、その点検パネル２の一
方の短辺側に設けられたヒンジ４により開閉自在に支持
する。上記点検パネル２の他方の短辺側を本体の化粧パ
ネル１側に係止するキャッチャー５を外して、点検パネ
ル２を開くと、バネ部材６が点検パネル２を閉じる方向
に付勢して、点検パネルがその自重により急に開かない
ようにする。上記点検パネル２を開いた後、作業者の手
が届く高さで点検パネル２に取り付けられたエアフィル
タ３を外す。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、本体下側に点検
パネルを有する天井埋込型空気調和機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、天井埋込型空気調和機として
は、図８に示すように、天井に埋め込まれる本体４０の
下側に化粧パネル４１を取り付けたものがある。この天
井埋込型空気調和機は、図９に示すように、化粧パネル
４１を取り外した後、本体４０の吸込口４０aからエア
フィルタ４２を取り外して、内部の点検やエアフィルタ
４２の清掃を行う。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記天井埋
込型空気調和機は、室内の高所に据え付けられているた
め、エアフィルタの清掃等のメンテナンスでは、脚立等
を使用して作業しなければならないという欠点がある。
また、このような欠点を解消するために、エアフィルタ
装着部を電動により昇降可能にしたものもあるが、構造
が複雑でコストが高くつくという問題がある。

【０００４】そこで、この発明の目的は、簡単な構造で
かつ低コストに点検パネルの開閉ができ、エアフィルタ
の着脱が容易にできる天井埋込型空気調和機を提供する
ことにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１の天井埋込型空気調和機は、本体の下側に
設けられた略長方形状の開口部を覆う点検パネルと、上
記点検パネルの一方の短辺側に設けられ、上記点検パネ
ルを開閉自在に支持するヒンジと、上記点検パネルの他
方の短辺側を上記本体側に係止する係止部と、上記点検
パネルに取り外し可能に取り付けられたエアフィルタ
と、上記点検パネルを閉じる方向に付勢するバネ部材と
を備えたことを特徴としている。

【０００６】上記請求項１の天井埋込型空気調和機によ
れば、本体内部の点検やエアフィルタの清掃を行う場
合、上記係止部を外して、上記点検パネルの一方の短辺
側のヒンジを軸に点検パネルを開くと、点検パネルはバ
ネ部材によって閉じる方向に付勢されるので、点検パネ
ルがその自重によって急に開くことがなく、点検パネル
の自重により開こうとする力とバネ部材の張力とがつり
合って、点検パネルが所定の開度で止まる。こうして、
上記点検パネルが一方の短辺側を軸に長手方向を半径に
して開くので、その点検パネルに取り付けられたエアフ
ィルタが作業者の手が届く高さになり、脚立等を用いる
ことなく、エアフィルタを外す。そして、外したエアフ
ィルタを清掃した後、清掃されたエアフィルタを元の点
検パネルに取り付けて、再び点検パネルを閉じると、点
検パネルが係止部によって本体側に係止される。上記点
検パネルを閉じるとき、バネ部材が点検パネルを閉じる
方向に付勢するので、点検パネルを小さな力で閉じるこ
とができる。したがって、簡単な構造でかつ低コストに
点検パネルの開閉ができ、エアフィルタの着脱が容易に
できる。

【０００７】また、請求項２の天井埋込型空気調和機
は、請求項１の天井埋込型空気調和機において、上記点
検パネルが開いた状態から上記点検パネルの上記係止部
近傍を上方に押すと、上記係止部により上記点検パネル
を上記本体側に係止する一方、上記点検パネルを上記本
体側に係止させて閉じた状態から上記点検パネルの上記
係止部近傍を上方に押すと、上記係止部が外れて上記点
検パネルが開くことを特徴としている。

【０００８】上記請求項２の天井埋込型空気調和機によ
れば、天井に埋め込まれた本体の下方から例えば作業者
が棒等で点検パネルの係止部近傍を上方に押すことによ
って、係止部を外した後、点検パネルを開く一方、点検
パネルを閉じる場合は、同様に棒等で点検パネルの係止
部近傍を上方に押すことによって、係止部により点検パ
ネルを本体側に係止して、点検パネルを閉じるので、脚
立や上記係止部を操作する特別な工具等を用いることな
く、点検パネルを容易に開閉でき、作業性が向上する。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、この発明の天井埋込型空気
調和機を図示の実施の形態により詳細に説明する。

【００１０】図１はこの発明の実施の一形態の天井埋込
型空気調和機の要部の断面図であり、１は図示しない本
体の下側に取り付けられた化粧パネル、２は上記化粧パ
ネル１に設けられた略長方形状の開口部１aに取り付け
られた点検パネル、３は上記点検パネル２の上側に取り
付けられたエアフィルタである。上記点検パネル２の一
方の短辺側を化粧パネル１の開口部１aにヒンジ４によ
り回動自在に支持している。一方、上記点検パネル２の
他方の短辺側を係止部としてのキャッチャー５(タキゲ
ン製造株式会社製：ワンタッチキャッチＣ−５４０)に
より化粧パネル１に係止している。また、上記化粧パネ
ル１側にバネ部材としてのコイルバネ６の一端を取付金
具７により取り付けると共に、そのコイルバネ６の他端
を点検パネル２のヒンジ４側に取付金具８により取り付
けている。

【００１１】図２(A)は上記キャッチャー５の正面図を
示しており、このキャッチャー５は、図１に示す化粧パ
ネル１に固定金具９を介して固定されたキャッチャー本
体１１と、図１に示す点検パネル２に固定金具１０を介
して固定された略Ｔ字形状のピン１４とを有している。
上記キャッチャー本体１１に長手方向に出没するセンタ
ー突起１３を設けている。このセンター突起１３は、キ
ャッチャー本体１１内の図示しない内部バネにより外向
きに付勢されている。また、上記センター突起１３の両
側には、センター突起１２の出没に応じて開閉するフッ
ク１３,１３を設けている。一方、上記ピン１４の球状
の先端部１５をセンター突起１２に当接させて、ピン１
４をキャッチャー本体１１内に矢印Ｒ2の方向に押し込
むと、図２(B)に示すように、フック１３,１３がピン１
４の先端部１５を挟み込むように閉じて、キャッチャー
本体１１にピン１４が保持される。この状態では、セン
ター突起１３が没入した状態で外向に対しては抜けない
ように保持機構により保持されるので、ピン１４は外向
に引っ張っても外れない。それとは逆に、上記ピン１４
を矢印Ｒ3の方向に押すと、センター突起１３を保持す
る保持機構が外れ、センター突起１３が内部バネにより
外向に突出して、それに応じてフック１３,１３が開い
てピン１４が外れる。

【００１２】また、図３は図１の天井埋込型空気調和機
の要部を斜め上方から見た斜視図であり、上記エアフィ
ルタ３を点検パネル２の上側に取付金具２１,２１を用
いて着脱可能に取り付けている。このエアフィルタ３
は、図４に示すように、略長方形状の網部３aとその網
部３aの両短辺側に設けられた取付アーム３b,３bとで構
成されている。

【００１３】なお、上記エアフィルタ３は、これに限ら
ず、例えば図５に示すように、エアフィルタ３の網部３
aを取り除いたような枠３１の内側に、外周にフランジ
３２aを設けたエアフィルタ３２を取り付けたものでも
よい。このエアフィルタ３２は、エアフィルタ用のシー
ト材がじゃばら状に折り曲げられたものを略長方形の枠
内に収めている。

【００１４】上記構成の天井埋込型空気調和機では、図
６に示すように、高さ２７００mm〜３０００mmの天井内
に本体１０が取り付けられている場合、脚立を用いない
と、点検パネル２に直接手が届かない。しかしながら、
この空気調和機では、例えば図７に示すように、作業者
が手に持った操作棒３０の先端を点検パネル２のキャッ
チャー５(図１に示す)近傍を上方に押すことによって、
キャッチャー本体１１からピン１４が外れて、本体１０
の下側の点検パネル２を開くことができる。このとき、
上記点検パネル２は、コイルバネ６によって閉じる方向
に付勢されるので、点検パネル２が点検パネル２がゆっ
くりと開き、その点検パネル２の自重によって急に開く
ような危険なことがなく、点検パネル２の自重により開
こうとする力とバネ部材の張力とがつり合って、点検パ
ネル２が所定の開度で止まる。そうすると、図６に示す
ように、点検パネル２が一方の短辺側を軸に長手方向を
半径にして開くので、点検パネル２に取り付けられたエ
アフィルタ３が作業者の手が届く高さになり、脚立等を
用いることなく、エアフィルタ３を点検パネル２から外
して清掃する。なお、この場合、補助的に高さ３００mm
程度の踏み台を用いることによって、作業性がよくな
る。そして、清掃されたエアフィルタ３を元の点検パネ
ル２に取り付けて、再び点検パネル２を閉じ、操作棒３
０の先端を点検パネル２のキャッチャー５近傍を押すこ
とによって、点検パネル２がキャッチャー５によって化
粧パネル１側に係止される。上記点検パネル２を閉じる
とき、コイルバネ６が点検パネル２を閉じる方向に引っ
張るので、点検パネル２を小さな力で閉じることが可能
になる。

【００１５】したがって、上記天井埋込型空気調和機
は、簡単な構造でかつ低コストに点検パネル２の開閉が
できると共に、開いた点検パネル２と共にエアフィルタ
３が低い位置になるので、エアフィルタ３を容易に着脱
することができる。

【００１６】また、上記キャッチャー５を用いることに
よって、作業者が天井に埋め込まれた本体の下方から操
作棒３０等によって、閉じた状態の点検パネル２を上方
に押して、点検パネル２を開く一方、開いた点検パネル
２を、同様に操作棒３０等により上方に押して、再び点
検パネル２を閉じることができ、作業者が脚立やキャッ
チャー５等の係止部を操作する特別な工具等を用いるこ
となく、点検パネル２を容易に開閉でき、作業性を向上
させることができる。

【００１７】上記実施の形態では、本体の下側に取り付
けられた化粧パネル１の開口部１aに点検パネル２を取
り付けたが、化粧パネルなしに本体の下側に設けられた
開口部に点検パネルを取り付けてもよい。

【００１８】また、上記実施の形態では、バネ部材とし
てコイルバネ６を用いたが、バネ部材はこれに限らず、
鋼線を折り曲げたスプリング等を用いてもよい。

【００１９】また、上記実施の形態では、上記係止部と
してのキャッチャー５にタキゲン製造株式会社製のワン
タッチキャッチを用いたが、これに限らず、係止部は、
一度押すと点検パネルを本体側に係止させ、もう一度押
すと外れて、これを交互に繰り返すものであればよい。

【００２０】例えば、本体内の所定区間でスライドする
スライド部材をバネで外向に付勢し、そのスライド部材
に設けられた爪を本体内に設けた案内溝で案内し、その
スライド部材の没入によってピン等を係止する係止部で
もよい。この係止部は、スライド部材が没入するとき
は、スライド部材の爪を案内溝の第１の領域の始点から
終点まで案内して、その終点で爪を保持機構としての係
止穴に係止して、スライド部材が突出するのを妨げる。
その状態からさらにスライド部材を没入させると、上記
スライド部材の爪が係止穴から外れて、その爪を案内溝
の第２の領域の始点から終点まで案内して、再び第１の
領域の始点に戻って、スライド部材が突出した状態にな
る。

【００２１】また、上記係止部は、点検パネルを本体側
に磁石等を用いて止めるものでもよい。

【００２２】

【発明の効果】以上より明らかなように、請求項１の発
明の天井埋込型空気調和機は、本体の下側に設けられた
略長方形状の開口部を覆う点検パネルを、その点検パネ
ルの一方の短辺側に設けられたヒンジにより開閉自在に
支持する一方、上記点検パネルの他方の短辺側を係止部
により本体側に係止し、上記点検パネルにエアフィルタ
を取り外し可能に取り付けると共に、上記点検パネルを
バネ部材により閉じる方向に付勢するものである。

【００２３】したがって、請求項１の発明の天井埋込型
空気調和機によれば、本体内部の点検やエアフィルタの
清掃する場合、上記係止部を外して、上記点検パネルの
一方の短辺側のヒンジを軸に点検パネルを開き、点検パ
ネルの自重により開こうとする力とバネ部材の張力とが
つり合って、点検パネルが所定の開度で止まり、作業者
が脚立等を用いることなく、点検パネルに取り付けられ
たエアフィルタが手が届く高さになるので、簡単な構造
でかつ低コストに点検パネルの開閉ができ、エアフィル
タの着脱を容易に行うことができる。また、上記点検パ
ネルがバネ部材によって閉じる方向に付勢されるので、
点検パネルがその自重によって急に開くことがなく、作
業の安全性が向上する。さらに、上記点検パネルを閉じ
るとき、バネ部材が点検パネルを閉じる方向に付勢する
ので、点検パネルを小さな力で閉じることができる。

【００２４】また、請求項２の発明の天井埋込型空気調
和機は、請求項１の天井埋込型空気調和機において、上
記点検パネルが開いた状態から点検パネルの係止部近傍
を上方に押すと、上記係止部により点検パネルを本体側
に係止する一方、上記点検パネルを本体側に係止させて
閉じた状態から点検パネルの係止部近傍を上方に押す
と、上記係止部が外れて点検パネルが開くものである。

【００２５】したがって、請求項２の発明の天井埋込型
空気調和機によれば、作業者が天井に埋め込まれた本体
の下方から例えば棒等によって上記点検パネルの係止部
近傍を上方に押すことによって、係止部を外した後に点
検パネルを開く一方、開いた点検パネルの係止部近傍を
同様に棒等により上方に押すことによって、点検パネル
を係止部によって本体側に係止して、点検パネルを閉じ
るので、作業者が脚立や上記係止部を操作する特別な工
具等を用いることなく、点検パネルを容易に開閉でき、
作業性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１はこの発明の実施の一形態の天井埋込型
空気調和機の要部の断面図である。

【図２】 図２は上記天井埋込型空気調和機の係止部の
正面図である。

【図３】 図３は上記天井埋込型空気調和機の化粧パネ
ルと点検パネルの斜視図である。

【図４】 図４は上記天井埋込型空気調和機のエアフィ
ルタの斜視図である。

【図５】 図５は他の例のエアフィルタの分解斜視図で
ある。

【図６】 図６は上記天井埋込型空気調和機の開閉状態
を示す図である。

【図７】 図７は上記天井埋込型空気調和機の点検パネ
ルを操作棒を用いて開ける場合を示す図である。

【図８】 図８は従来の天井埋込型空気調和機の上方か
ら見た斜視図である。

【図９】 図９は上記天井埋込型空気調和機の化粧パネ
ルを外した状態を下方から見た斜視図である。

【符号の説明】

１…化粧パネル、２…点検パネル、３…エアフィルタ、
４…ヒンジ、５…キャッチャー、６…コイルバネ、１１
…キャッチャー本体、１２…センター突起、１３…フッ
ク、１４…ピン、１５…先端部。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 本体(１)の下側に設けられた略長方形状
   の開口部(１a)を覆う点検パネル(２)と、 上記点検パネル(２)の一方の短辺側に設けられ、上記点
   検パネル(２)を開閉自在に支持するヒンジ(４)と、 上記点検パネル(２)の他方の短辺側を上記本体(１)側に
   係止する係止部(５)と、 上記点検パネル(２)に取り外し可能に取り付けられたエ
   アフィルタ(３)と、 上記点検パネル(２)を閉じる方向に付勢するバネ部材
   (６)とを備えたことを特徴とする天井埋込型空気調和
   機。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の天井埋込型空気調和機
   において、 上記点検パネル(２)が開いた状態から上記点検パネル
   (２)の上記係止部(５)近傍を上方に押すと、上記係止部
   (５)により上記点検パネル(２)を上記本体(１)側に係止
   する一方、上記点検パネル(２)を上記本体(１)側に係止
   させて閉じた状態から上記点検パネル(２)の上記係止部
   (５)近傍を上方に押すと、上記係止部(５)が外れて上記
   点検パネル(２)が開くことを特徴とする天井埋込型空気
   調和機。