JPH10251627A - 複合粒子、その製造方法および熱搬送媒体 - Google Patents

複合粒子、その製造方法および熱搬送媒体

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JPH10251627A
JPH10251627A JP9056702A JP5670297A JPH10251627A JP H10251627 A JPH10251627 A JP H10251627A JP 9056702 A JP9056702 A JP 9056702A JP 5670297 A JP5670297 A JP 5670297A JP H10251627 A JPH10251627 A JP H10251627A
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oily substance
composite particles
meth
group
thickener
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Application number
JP9056702A
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English (en)
Inventor
Masato Tanaka
真人 田中
Masaaki Yoshikawa
正晃 吉川
Akira Kishimoto
章 岸本
Tomonori Gomi
知紀 五味
Tomomi Ieuji
智美 家氏
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械剪断力に対する抵抗力が大きく、長期安
定性に優れた複合粒子、その製造方法および熱搬送媒体
を提供する。 【解決手段】 複合粒子は、相変化する油性物質が粒子
状のカプセル内に収納され、上記油性物質の粘度を上昇
させる増粘材が上記カプセル内に含まれている。上記増
粘材は、油性物質をゲル状に保持する吸油性樹脂であ
る。また、上記油性物質は、相変化による蓄熱性を有し
ている。これにより、機械剪断力に対する抵抗力が大き
く、長期安定性に優れた複合粒子、その製造方法および
複合粒子を含む熱搬送媒体を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄熱剤、医薬品お
よび化粧品等に好適に用いられる複合粒子、その製造方
法および複合粒子を含む熱搬送媒体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、高分子、油脂または無機物な
どの壁膜物質を有する数μm〜数百μm程度の大きさの
微小な容器に内容物を封入した複合粒子は、工業分野、
化粧品分野および医薬品分野などにおいて、利用されて
きた。
【0003】特開平5−215369号公報には、冷却
または加熱方法において、蓄熱剤を封入した多数の微小
樹脂カプセルと、水またはブラインとの混合物からなる
熱媒が開示されている。上記公報によれば、上記熱媒が
顕熱だけでなく、潜熱も搬送することができるため、熱
搬送能力が高まり、例えば、空気調整機などの熱交換器
において、熱媒の搬送管、帰還管の管径を小さくするこ
とができ、熱搬送動力の軽減を図れることが示されてい
る。
【0004】また、特開平6−116550号公報に
は、目的とする熱交換温度領域で相変化が生じる親油性
有機化合物を吸収させた粒子状の吸油性樹脂を、水およ
びブラインなどの親水性液体に分散させた蓄熱剤が開示
されている。上記公報によれば、熱交換温度領域におい
て、顕熱だけでなく、相変化の際に発生する潜熱も加わ
るので、上記蓄熱剤の熱交換能力を向上させることがで
きる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平5−215369号公報に記載の微小カプセルは、
その内容物がパラフィンからなっており、上記パラフィ
ンが相変化して液状になると微小カプセルの保形性が劣
化して、機械剪断力により微小カプセルが容易に破壊さ
れ、パラフィンが漏出して、凝集したり、搬送管などの
内壁に付着したりして、熱搬送能力が著しく低下すると
いう問題点を有している。
【0006】また、上記特開平6−116550号公報
に記載の蓄熱剤は、相変化を起こす親油性有機化合物を
保持した吸油性樹脂の表面に、上記親油性有機化合物が
露出しているため、相変化による融解時に、吸油性樹脂
の表面に露出した親油性有機化合物同士が互いに接着し
て、各吸油性樹脂が凝集したり、搬送管内などに付着し
て、熱搬送能力が低下するという問題点を有している。
【0007】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、パラフィンなどの油性物質
の含有率が高く、機械剪断力に対する抵抗力が大きく、
また長期安定性に優れた複合粒子、その製造方法および
熱搬送媒体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記従
来の問題点を解決すべく、鋭意検討した結果、単量体成
分を重合してなる吸油性樹脂に、油性物質を保持させ
て、上記油性物質を増粘化し、さらに壁膜物質によりカ
プセル化してなる複合粒子およびそれを水性分散体に分
散した熱搬送媒体が、機械剪断力に対する抵抗力が大き
く、増粘が少なくて、長期安定性に優れていることを見
い出して、本発明を完成させるに至った。
【0009】即ち、本発明の請求項1記載の複合粒子
は、以上の課題を解決するために、相変化する油性物質
が粒子状のカプセル内に収納され、上記油性物質の粘度
を上昇させる増粘材が上記カプセル内に含まれているこ
とを特徴としている。
【0010】上記の請求項1記載の構成によれば、相変
化する油性物質と、上記油性物質の粘度を上昇させる増
粘材が粒子状のカプセル内に収納されているので、油性
物質が相変化して液化しても、カプセルの形状は増粘材
によって保形されている。よって、機械剪断力に対する
抵抗力が大きく、長期安定性に優れた複合粒子とするこ
とができる。
【0011】本発明の請求項2記載の複合粒子は、請求
項1記載の複合粒子において、増粘材は、油性物質を保
持する吸油性樹脂であることを特徴としている。
【0012】上記の請求項2記載の構成によれば、増粘
材は、吸油性を有する樹脂であるので、上記油性物質
を、例えば自重の2倍以上保持しても、油性物質をゲル
状または固体状とすることができる。これにより、カプ
セル内での油性物質の含有率を高く維持することができ
る。さらに、油性物質を保持した吸油性樹脂は、粒子状
のカプセルに収納されているので、機械剪断力に対する
抵抗力が大きく、長期安定性に優れた複合粒子とするこ
とができる。
【0013】本発明の請求項3記載の複合粒子は、請求
項1または2記載の複合粒子において、油性物質は、相
変化による蓄熱性を有しているパラフィンであることを
特徴としている。
【0014】上記の請求項3記載の構成によれば、油性
物質が、種々の融点を有するパラフィンであることによ
り、蓄熱剤として用いた場合に、その使用温度領域に対
する自由度を大きくできる。
【0015】本発明の請求項4記載の複合粒子は、請求
項1、2または3記載の複合粒子において、カプセルの
平均粒子径は、0.5μm〜600μmの範囲内である
ことを特徴としている。
【0016】上記の請求項4記載の構成によれば、例え
ば、蓄熱剤として用いる場合、搬送させて用いるが、上
記平均粒子径を0.5μm〜600μmの範囲内とする
ことにより、複合粒子を熱交換器などの搬送管の管径を
小さくでき、また搬送管を閉塞することが軽減される。
【0017】本発明の請求項5記載の複合粒子の製造方
法は、増粘材により油性物質を増粘させた後に、さらに
カプセル化することを特徴としている。
【0018】上記の請求項5記載の方法によれば、油性
物質は、増粘によって保形性を有するので、上記油性物
質の表面をカプセル化し易くなっている。したがって、
上記油性物質をカプセル化して複合粒子が得られること
により、得られた複合粒子の強度が油性物質の増粘化に
よって改善される。この結果、上記方法では、搬送時な
どの機械剪断力に対する抵抗力が大きく、また、長期安
定性に優れた複合粒子を安定に得ることが可能となる。
【0019】本発明の請求項6記載の熱搬送媒体は、請
求項1ないし4のいずれか一つに記載の複合粒子が、水
性媒体中に分散されていることを特徴としている。
【0020】上記の請求項6記載の構成によれば、複合
粒子が水性媒体中に分散されているので、上記複合粒子
を水性媒体によって容易に搬送することが可能となる。
その上、上記構成は、複合粒子の油性物質は相変化によ
る大きな潜熱によって優れた蓄熱性を有することから、
大きな熱搬送能を備えるものとなる。
【0021】さらに、上記構成では、油性物質が増粘材
により増粘した状態でカプセルに収納されているため、
カプセルの強度が増粘された油性物質により改善されて
いるので、複合粒子は、水性媒体と共に搬送されるとき
のポンプなどによる機械剪断力に対する抵抗力が大きく
なっており、また、油性物質がカプセルにより覆われて
いることにより、複合粒子の油性物質間の接着などによ
る凝集や、配管内への付着などが回避されて、複合粒子
を含む水性媒体の増粘が軽減される。
【0022】この結果、上記構成は、大きな熱搬送能を
備え、かつ、機械剪断力に対する抵抗力が大きく、増粘
が少ない、長期安定性に優れたものとなる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について説明
すれば、以下の通りである。本発明にかかる複合粒子
は、相変化する油性物質が粒子状のカプセル内に収納さ
れ、上記油性物質の粘度を上昇させる増粘材が上記カプ
セル内に含まれている構成である。
【0024】増粘材としては、ステアリン酸アルミニウ
ム、12−ヒドロキシステアリン酸、ジベンジリデンソ
ルビトール、およびスチレン−ブタジエン共重合体等の
ゲル化剤、シリカ等の無機物粒子、および粒子状の吸油
性樹脂が挙げられる。上記吸油性樹脂としては、例え
ば、自重の2倍以上の油性物質をゲル状または固体状に
保持し、油性物質が相変化する温度において相変化しな
いでその相を維持できる樹脂であればよく、特に限定さ
れるものではない。
【0025】このような吸油性樹脂としては、下記の単
量体成分を重合してなるものが挙げられる。上記の単量
体成分としては、分子中に1個の重合性不飽和基を有す
る単量体(a)を主成分として、分子中に少なくとも2
個の重合性不飽和基を有する架橋性単量体(b)を含む
単量体成分が好ましい。
【0026】上記の単量体(a)と架橋性単量体(b)
との配合割合は、それらの合計に対し、単量体(a)9
6重量%〜99.999重量%、架橋性単量体(b)
0.001重量%〜4重量%(ただし単量体(a)およ
び架橋性単量体(b)の合計は100重量%である)が
好ましい。
【0027】上記単量体(a)としては、溶解度パラメ
ーター(SP値)が9以下の単量体が好ましい。上記溶
解度パラメーター(SP値)とは、化合物の極性を表す
尺度として一般に用いられており、本明細書では、Sm
allの計算式にHoyの凝集エネルギー定数を代入し
て導いた値を適用するものとし、単位が(cal/cm
3 1/2で表される。
【0028】溶解度パラメーター(SP値)が9を越え
る単量体を、単量体成分における主成分として用いた場
合、上記単量体成分から得られた重合体が、油性物質を
ゲル状または固体状にできないものであったり、著しく
少量の油性物質しか含有できないものであったりして、
得られた複合粒子に対し油性物質を十分に保持する性質
を確保できないものとなる。
【0029】溶解度パラメーター(SP値)が9以下
で、分子中に少なくとも1個の重合性不飽和基を有する
前記の単量体(a)としては、不飽和カルボン酸エステ
ル、炭化水素基を有する(メタ)アクリルアミド、α−
オレフィン、脂環式ビニル化合物、脂肪族炭化水素基を
有するアリルエーテル、脂肪族炭化水素基を有するビニ
ルエステル、脂肪族炭化水素基を有するビニルエーテ
ル、芳香族ビニル化合物などを挙げることができ、これ
らの単量体を1種または2種以上用いることができる。
【0030】不飽和カルボン酸エステルとしては、メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)ア
クリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブ
チル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレー
ト、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メ
タ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、オ
クチルフェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェニル
(メタ)アクリレート、ジノニルフェニル(メタ)アク
リレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メン
チル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリ
レート、ジブチル(メタ)アクリレート、ジブチルマレ
エート、ジドデシルマレエート、ドデシルクロトネー
ト、ジドデシルイタコネートなどが挙げられる。
【0031】炭化水素基を有する(メタ)アクリルアミ
ドとしては、(ジ)ブチル(メタ)アクリルアミド、
(ジ)ドデシル(メタ)アクリルアミド、(ジ)ステア
リル(メタ)アクリルアミド、(ジ)ブチルフェニル
(メタ)アクリルアミド、(ジ)オクチルフェニル(メ
タ)アクリルアミド等が挙げられる。
【0032】α−オレフィンとしては、1−ヘキセン、
1−オクテン、イソオクテン、1−ノネン、1−デセン
等が挙げられる。脂環式ビニル化合物としては、ビニル
シクロヘキサン等が挙げられる。脂肪族炭化水素基を有
するアリルエーテルとしては、ドデシルアリルエーテル
等が挙げられる。
【0033】脂肪族炭化水素基を有するビニルエステル
としては、カプロン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、パル
ミチン酸ビニル、ステアリル酸ビニル等が挙げられる。
脂肪族炭化水素基を有するビニルエーテルとしては、ブ
チルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル等が挙げ
られる。芳香族ビニル化合物としては、スチレン、t−
ブチルスチレン、オクチルスチレン等が挙げられる。
【0034】上記例示の単量体のうち、少なくとも1個
の炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基を有し、かつ、ア
ルキル(メタ)アクリレート、アルキルアリール(メ
タ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリルアミド、
アルキルアリール(メタ)アクリルアミド、脂肪酸ビニ
ルエステル、アルキルスチレンおよびα−オレフィンか
らなる群より選ばれる少なくとも一種の不飽和化合物を
主成分とする単量体(a)が特に好ましい。上記理由と
しては、得られた重合体に対し、液化した油性物質の流
動性を低下させて上記油性物質をゲル状または固体状に
して保持する優れた性質をより一層与えることが挙げら
れる。
【0035】前記の架橋性単量体(b)としては、分子
中に少なくとも2個の重合性不飽和単量体を有する単量
体であって、例えば、エチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、N,N’−メチレンビスアクリルア
ミド、N,N’−プロピレンビスアクリルアミド、グリ
セリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタ
ンテトラ(メタ)アクリレート、多価アルコール(例え
ばグリセリン、トリメチロールプロパンテトラメチロー
ルメタン)のアルキレンオキシド付加物と(メタ)アク
リル酸とのエステル化によって得られる多官能(メタ)
アクリレートやジビニルベンゼンなどが好ましく、これ
らの架橋性単量体を1種または2種以上用いることがで
きる。
【0036】また、前述の単量体成分と異なる他の単量
体成分としては、前述の単量体(a)を主成分として含
み、かつ、後述する架橋剤と化学的に結合する官能基、
および1個の重合性不飽和基を有する反応性単量体
(c)を含むものを挙げることができる。
【0037】上記の単量体(a)と反応性単量体(c)
との配合割合は、それらの合計に対し、単量体(a)9
0重量%〜99.995重量%、反応性単量体(c)
0.005重量%〜10重量%(ただし単量体(a)お
よび反応性単量体(c)の合計は100重量%である)
が好ましい。
【0038】このような反応性単量体(c)としては、
後述する架橋剤が有する縮合性官能基(Y)と縮合して
化学的な結合を形成する縮合性官能基(X)を有する化
合物であればよい。このような縮合性官能基(X)とし
ては、カルボキシル基、ヒドロキシル基、メルカプト
基、ニトリル基、アミノ基、アミド基、イソシアナート
基、エポキシ基、酸無水物の重合性不飽和基が挙げられ
る。
【0039】上記反応性単量体(c)としては、例え
ば、カルボキシル基を有するビニル系単量体、ヒドロキ
シル基を有するビニル系単量体、メルカプト基を有する
ビニル系単量体、ニトリル基を有するビニル系単量体、
アミノ基を有するビニル系単量体、アミド基を有するビ
ニル系単量体、イソシアナート基を有するビニル系単量
体、エポキシ基を有するビニル系単量体、重合性不飽和
基を有する酸無水物などを挙げることができ、これらの
単量体を1種、または2種以上用いることができる。
【0040】カルボキシル基を有するビニル系単量体と
しては、(メタ)アクリル酸、フマル酸、イタコン酸な
どが挙げられる。ヒドロキシル基を有するビニル系単量
体としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プ
ロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプ
ロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセ
リン(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
(メタ)アクリレート、ヒドロキシスチレン等が挙げら
れる。
【0041】メルカプト基を有するビニル系単量体とし
ては、ビニルメルカプタン、メルカプトエチル(メタ)
アクリレート等が挙げられる。ニトリル基を有するビニ
ル系単量体としては、(メタ)アクリロニトリル等が挙
げられる。アミノ基を有するビニル系単量体としては、
アミノエチル(メタ)アクリレート、ビニルピリジン等
が挙げられる。
【0042】アミド基を有するビニル系単量体として
は、(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。イソシア
ナート基を有するビニル系単量体としては、ビニルイソ
シアナート等が挙げられる。エポキシ基を有するビニル
系単量体としては、グリシジル(メタ)アクリレート等
が挙げられる。重合性不飽和基を有する酸無水物として
は、無水マレイン酸などが挙げられる。
【0043】上記重合体は、架橋構造を有することが、
油性物質を保持する状態を、より安定に維持するために
好ましい。このような架橋構造を重合体に対し付与する
ため、単量体成分には、重合性を有する不飽和基を分子
中に少なくとも2個以上有する架橋性単量体を含むこ
と、あるいは、架橋のための官能基を備えた反応性単量
体を含むことが好ましい。
【0044】前記の架橋剤は、分子中に少なくとも2個
の縮合性官能基(Y)を有するものであり、重合体に含
有された縮合性官能基(X)に応じて適宜選定される。
このような架橋剤の例としては、縮合性官能基(X)
が、カルボキシル基、メルカプト基、ニトリル基、エポ
キシ基である場合に縮合可能な、ジメチロールフェノー
ルやポリメチロールフェノール等のフェノール樹脂が挙
げられる。
【0045】上記架橋剤の他の例としては、縮合性官能
基(X)が、カルボキシル基、ヒドロキシル基である場
合に縮合可能な、メラミン、ベンゾグアナミン、尿素な
どのアミノ化合物とホルムアルデヒドやアルコールとを
付加縮合したアミノ樹脂が挙げられる。
【0046】上記架橋剤のさらに他の例としては、縮合
性官能基(X)が、カルボキシル基、イソシアナート
基、エポキシ基である場合に縮合可能な、ヘキサメチレ
ンジアミンやジエチレントリアミンやテトラエチレンペ
ンタミンなどの多価アミノ化合物が挙げられる。
【0047】上記架橋剤のさらに他の例としては、縮合
性官能基(X)が、カルボキシル基、ヒドロキシル基、
メルカプト基、イソシアナート基、アミド基、アミノ
基、エポキシ基である場合に縮合可能な、ヘキサメチレ
ンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、p
−フェニレンジイソシアナート、2,4−トルエンジイ
ソシアナート、2,6−トルエンジイソシアナート、
1,5−ナフタレンジイソシアナート、およびこれらの
イソシアナートとメタノールやフェノール等を縮合させ
たブロックドイソシアナートなどのイソシアナート化合
物が挙げられる。
【0048】上記架橋剤のさらに他の例としては、縮合
性官能基(X)が、イソシアナート基、エポキシ基であ
る場合に縮合可能な、マロン酸やコハク酸やアジピン酸
やフタル酸やテレフタル酸などの多価カルボン酸が挙げ
られる。
【0049】上記架橋剤のさらに他の例としては、縮合
性官能基(X)が、ヒドロキシル基、イソシアナート
基、エポキシ基である場合に縮合可能な、無水フタル酸
やピロメリット酸無水物やベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸無水物などの酸無水物が挙げられる。
【0050】上記架橋剤のさらに他の例としては、縮合
性官能基(X)が、ヒドロキシル基、メルカプト基、ア
ミノ基、アミド基である場合に縮合可能な、グリオキザ
ルやテレフタルアルデヒドなどのアルデヒド化合物が挙
げられる。
【0051】上記架橋剤のさらに他の例としては、縮合
性官能基(X)が、ヒドロキシル基、イソシアナート
基、エポキシ基である場合に縮合可能な、エチレングリ
コールやジエチレングリコール、プロピレングリコール
やヘキサンジオールなどの多価アルコールが挙げられ
る。
【0052】上記架橋剤のさらに他の例としては、縮合
性官能基(X)が、カルボキシル基、ヒドロキシル基、
メルカプト基、イソシアナート基である場合に縮合可能
な、トルエングリシジルエーテルやヘキサメチレングリ
シジルエーテルやビスフェノールAジグリシジルエーテ
ルやポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルな
どのエポキシ化合物が挙げられる。
【0053】このような架橋剤としての各化合物は、重
合体に含有されている縮合性官能基(X)の種類により
その組合せが適宜定められ、これらの1種または2種以
上用いられる。
【0054】これらの中で特に好ましい縮合性官能基
(X)と、架橋剤の縮合性官能基(Y)との組合せは、
カルボキシル基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミ
ノ基およびアミド基からなる群より選ばれる少なくとも
1つの官能基と、イソシアナート基、エポキシ基、無水
カルボン酸基からなる群より選ばれる少なくとも1つの
官能基との組合せである。
【0055】架橋させる重合体に対し、用いられる架橋
剤の比率は、重合体の構成単位である縮合性官能基
(X)のモル数と、架橋剤が有する縮合性官能基(Y)
のモル数との関係から決定され、縮合性官能基(X)1
モルに対する縮合性官能基(Y)のモル数が0.1〜1
0の範囲内であることが好ましい。
【0056】縮合性官能基(Y)のモル数が縮合性官能
基(X)モル数1に対して0.1未満である場合、架橋
が充分に行えず強度の低い、架橋された重合体しか得ら
れないことがあるので好ましくない。一方、10を越え
た場合、油性物質を多く保持するといった優れた性質を
有する架橋された重合体が形成されなくなることがある
ので好ましくない。
【0057】このような架橋剤を用いて有効な油性物質
を保持した吸油性樹脂を得るには、単量体成分を重合さ
せた架橋前の重合体と、架橋剤とを混合した後、架橋反
応が進行する前に、例えば容器内に油性物質を注入し、
油性物質が溶融して液体状を維持でき、かつ、0℃〜8
0℃といった温度下で架橋反応させて硬化させればよ
い。また、必要に応じて、各種重合反応や架橋反応を促
進する触媒を選択し用いることにより反応速度を速める
ことも可能である。
【0058】前記油性物質としては、特に限定されるも
のではなく、各種用途に応じて、適宜設定すればよい。
本発明にかかる複合粒子を蓄熱剤として使用する場合、
上記油性物質は、蓄熱性を有している方が好ましい。
【0059】蓄熱性を有する油性物質としては、常温
(25℃)付近、常圧(1気圧)において、油性の、か
つ、上記単量体成分の重合や上記重合体の架橋も阻害す
ることが回避されるもので、顕熱蓄熱、潜熱蓄熱、化学
反応蓄熱などの熱エネルギーを貯蔵し、放出できるもの
であれば、特に限定されないが、蓄熱密度が高いこと、
一定温度付近での蓄・放熱が可能なことから、相変化、
または、相転移の際の潜熱を利用する潜熱蓄熱を蓄熱性
として有する物質が好ましい。
【0060】このような潜熱蓄熱が可能な油性物質とし
ては、例えば、アルコール類、エステル類、エーテル
類、パラフィンなどの炭化水素化合物を挙げることがで
き、これらの中で、パラフィンが好ましく、パラフィン
としてはペンタデカンが特に好ましい。
【0061】上記パラフィンを使用するのが好ましい理
由としては、単量体成分や重合体を容易に溶解し、ま
た、上記単量体成分の重合や上記重合体の架橋の際の多
官能基化合物と反応せず、上記架橋も阻害することが回
避され、その上、容易に入手でき、さらに、広範囲な温
度範囲に用いることができる蓄熱剤としての複合粒子
を、簡便に、かつ、安定にそれぞれ製造することができ
るからである。
【0062】上記蓄熱剤としての複合粒子を、簡便に、
かつ、安定に製造することができるのは、構造が互いに
異なる各パラフィンにおいて融点の温度範囲が広く分布
しており、種々の融点を有するパラフィンをそれぞれ選
定できるからである。上記炭化水素化合物としては、C
14〜C16パラフィン、C15〜C16パラフィン、1−デカ
ノール、ペンタデカン、テトラデカン、ヘキサデカンな
どが挙げられる。
【0063】上記粒状のカプセルとしては、具体的に
は、例えば、Al、Mg、Ni、Ag、Au、パラフィ
ン、脂肪、脂肪酸、ナイロン(登録商標)、ポリエチレ
ン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリア
クリロニトリル、ポリアクリルアミド、エチルセルロー
ス、カルナウバロウ、ゼラチンとカルボキシメチルセル
ロースまたはアラビアゴムとのコアセルベーションを利
用して合成した樹脂、あるいは天然の樹脂;などが挙げ
られる。また、上記該カプセルの使用量としては、特に
限定されるものではなく、各種用途に応じて適宜設定す
ればよい。
【0064】本発明にかかる複合粒子の製造方法として
は、油性物質を吸油性樹脂などの増粘材に保持させて増
粘させた後に、カプセル化を行えばよい。
【0065】上記油性物質を増粘材に保持させる方法と
しては、特に限定されるものではなく、例えば、油性物
質中で、油溶解性ラジカル重合開始剤の存在下、単量体
成分を重合して、上記単量体成分を重合してなる、増粘
材としての吸油性樹脂中に、相変化により液化する油性
物質の流動性が低下するように上記油性物質を保持させ
ることもできる。
【0066】上記の油溶解性ラジカル重合開始剤として
は、例えばベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどの有機
過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2’−アゾビスジメチルバレロニトリルなどのアゾ
化合物などを挙げることができる。
【0067】上記の油溶解性ラジカル重合開始剤は、一
般に、単量体成分に対して0.1重量%〜5重量%の範
囲内で用いることができる。重合温度は、油性物質の融
点、単量体成分の種類および重合開始剤の種類による
が、用いた油性物質が液体状を維持できる温度であれば
よく、好ましくは0℃〜150℃の範囲内であり、より
好ましくは0℃〜80℃の範囲内である。
【0068】上記マイクロマイクロカプセル化の方法と
しては、特に限定されるものではなく、従来公知の種々
の方法を用いることができる。具体的には、例えば、懸
濁液滴内スラリー重合法、界面重合法、in situ
重合法、液中硬化被覆法(オリフィス法)、水溶液系
からの相分離法、有機溶液系からの相分離法、液中乾燥
法、融解分散冷却法、内包物交換法、粉床法、気中懸濁
液被覆法、スプレドライング法、真空蒸着被覆法、静電
合体法などが挙げられる。
【0069】本発明の複合粒子には、さらに添加剤を加
えることも可能である。添加剤としては、伝熱向上のた
めの、金属粉(鉄、銅など)、金属繊維、金属酸化物、
カーボン、カーボンファイバーなどが挙げられ、また、
比重調整のための砂、粘土、石、金属粉(鉛、鉄など)
が挙げられる。
【0070】他の添加剤としては、難燃性付与のための
水、水ゲル、金属粉、無機化合物(炭酸カルシウム
等)、難燃剤(臭素系、塩素系、リン系など)が挙げら
れる。なお、難燃性には、燃焼性の低減、延焼防止、水
蒸気による引火点の消滅、燃焼熱量低減効果などを含
む。
【0071】他の添加剤としては、過冷却防止用とし
て、金属粉、高分子パラフィン(ワックス)などが挙げ
られ、凝固点調整のために、ワックス類が挙げられ、ま
た、酸化防止や経時的な劣化防止のための、酸化防止剤
(フェノール系、チオ系、リン系など)が挙げられる。
また、さらに他の添加剤として、必要に応じて、着色
剤、顔料、帯電防止剤、防菌剤、界面活性剤を添加する
ことも可能である。
【0072】さらに他の添加剤としては、油性物質の潜
熱性を調整するための包接化合物を油性物質に対し添加
してもよい。上記包接化合物としては、C4 8 O・1
7H2 O、(CH3 3 N・10.25H2 O、(C4
9 4 NCHO2 ・32H2 O、(C4 9 4 NC
3 CO2 ・32H2 Oなどを挙げることができる。
【0073】さらに他の添加剤としては、複合粒子を覆
うカプセルを硬化させるための硬化試薬を添加してもよ
い。上記硬化試薬としては、具体的には、例えば、Ca
2+、Fe3+、ホルムアルデヒド、硝酸、塩化カルシウ
ム、MI Cr(SO4 2 ・H2 O、グルタルアルデヒ
ドなどが挙げられる。
【0074】このような各種添加剤を本発明の複合粒子
に対し添加した場合、蓄熱・放熱のために油性物質の凍
結・溶解を繰り返しても、難燃性物質中に保持させた油
性物質の流動性を低下させて、油性物質をゲル状態また
は固体状態にし、さらにカプセルを硬化させるので、従
来より一層、複合粒子を安定に維持することができる。
このため、例えば、金属粉のように、油性物質との間に
1以上といった大きな比重差を有するものを添加剤とし
て用いた場合でも、その添加剤を複合粒子内に均一な状
態で保持できるから、上記添加剤の効果をより有効に発
揮させることが可能となる。
【0075】また、添加剤と油性物質との間の溶解度パ
ラメーターの数値の差が2以上離れているというよう
に、添加剤と油性物質との間の相溶性が劣る場合でも、
本発明の複合粒子における難燃性物質が有する架橋構造
により、上記添加剤と油性物質とが上記架橋構造内に保
持され、上記添加剤と油性物質とが互いに分離すること
が回避できて、上記添加剤の有する効果をより有効に発
揮できるものとなる。
【0076】上記複合粒子の平均粒子径は、複合粒子を
製造する際の、油性物質を保持した重合体の粘度、製造
時の撹拌速度および温度などの操作条件によって影響さ
れるが、上記複合粒子を蓄熱剤として使用する場合、
0.5μm〜600μmが好ましく、2μm〜100μ
mがより好ましい。また、上記複合粒子を覆うカプセル
の膜厚は、特に限定されるものではなく、種々の用途に
応じて適宜設定すればよい。
【0077】本発明にかかる複合粒子は、マイクロカプ
セルの内容物の適度な徐放性や反応性が要求される場合
や、熱媒体として用いられる場合に好適に用いられ、具
体的には、例えば、蓄熱剤、人工細胞のモデル、感圧複
写紙、医薬品、接着剤、色素カプセル、マイクロカプセ
ル化肥料、香料、除草剤などの用途に用いられるもので
ある。
【0078】本発明にかかる熱搬送媒体は、複合粒子
が、水性媒体中に分散されている構成である。上記水性
媒体としては、特に限定されるものではなく、塩化カル
シウム水溶液等のブライン、エチレングリコール、水な
どが挙げられる。
【0079】また、上記熱搬送媒体は、複合粒子の油性
物質が相変化による大きな潜熱によって優れた蓄熱性を
有することから、大きな熱搬送能を備え、また、油性物
質が増粘材により増粘した状態でカプセルに収納されて
いることから、ポンプなどによる機械剪断力に対する抵
抗力が大きいので、蓄熱剤等として好適に用いることが
できる。
【0080】
【実施例】本発明を実施例および比較例に基づいて説明
すれば、以下の通りであるが、本発明は以下の実施例に
限定されるものではない。尚、実施例および比較例に記
載の「部」は、「重量部」を示す。
【0081】〔実施例1〕温度計、撹拌機および還流冷
却器を備えた内容量3リットルのフラスコに吸油性樹脂
の水分散体であるアルキルアクリレート架橋重合体(商
品名、オレオソーブSL−130、平均粒子径30μ
m、樹脂純分30wt%、日本触媒株式会社製)200
部を仕込み、さらに、二塩化セバコイル24部をペンタ
デカン420部に溶解させた混合溶液を上記該フラスコ
に加えた。このフラスコを常温で、300rpmの条件
で4時間撹拌・混合し、上記混合溶液を吸油性樹脂に吸
収させた。
【0082】次に、ヘキサメチレンジアミン200部を
水1676部に溶解させた水溶液をフラスコに加え、フ
ラスコ内の温度を70℃に昇温し、同温度で8時間維持
して、反応を完了させた。さらに、炭酸ナトリウム水溶
液を加えて中和することにより、ナイロン被膜によりカ
プセル化された本発明に係る複合粒子を、水に分散させ
た水分散体(1)が得られた。尚、得られた水分散体
(1)における複合粒子の平均粒子径は、60μmであ
った。
【0083】上記水分散体(1)を200ミリリットル
取り、温度計および撹拌機を備えた500ミリリットル
のフラスコに仕込み、500rpmで5,000時間撹
拌した。撹拌中、5℃−15℃のサイクルを各恒温時間
4時間ごとに繰り返し、ペンタデカンを凍結・融解させ
た。撹拌終了後、水分散体(1)の粘度変化をB型粘度
計により、平均粒子径変化を粒度分布計(SALD−3
000、島津製作所製)により測定した。その結果、上
記水分散体(1)の粘度変化および水分散体(1)の複
合粒子の平均粒子径変化は共に「変化無し」であった。
測定結果を表1に示す。
【0084】〔実施例2〕ポリオキシエチレンアルキル
エーテル1.5部を水150部に溶解させた水溶液中
に、ドデシルアクリレート49.9部、エチレングリコ
ールジメタクリレート0.1部および重合開始剤として
の2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2部から
なる溶液を加え、ホモミキサーにより10,000rp
mで5分間撹拌・混合し、単量体の水分散体を得た。
【0085】次に、温度計、撹拌機、ガス導入管および
還流冷却器を備えた500ミリリットルのフラスコに、
上記単量体の水分散体を仕込んだ。さらに、400rp
mで撹拌下、フラスコ内を窒素置換し、窒素気流下にて
70℃に昇温し、2時間維持して重合反応を完了させ
て、平均粒子径が5μmの吸油性樹脂を含む水分散体
(樹脂純分25wt%)を得た。
【0086】また、温度計、撹拌機および還流冷却器を
備えた内容量3リットルのフラスコに上記吸油性樹脂の
水分散体200部を仕込み、さらに、スチレン80部、
ジビニルベンゼン20部および重合開始剤としての2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5部をペンタデ
カン250部に溶解した混合溶液を上記該フラスコに加
えた。このフラスコを常温で、300rpmの条件で4
時間撹拌・混合し、上記混合溶液を吸油性樹脂に吸収さ
せた。
【0087】次に、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル14.5部を水1450部に溶解させた水溶液をフラ
スコに加え、フラスコ内の温度を70℃に昇温し、同温
度で2時間維持して、重合反応を行い、さらに80℃に
昇温して重合反応を完了させた。そして、スチレン/ジ
ビニルベンゼン共重合体被膜によりカプセル化された本
発明に係る複合粒子を、水に分散した水分散体(2)が
得られた。尚、得られた水分散体(2)の複合粒子の平
均粒子径は、10μmであった。
【0088】上記水分散体(2)の粘度変化および複合
粒子の平均粒子径変化は、実施例1の操作と同様の操作
を行って測定した。その結果、上記水分散体(2)の粘
度変化および平均粒子径変化は共に「変化無し」であっ
た。測定結果を表1に示す。
【0089】〔実施例3〕完全ケン化ポリビニルアルコ
ール2部および不完全ケン化ポリビニルアルコール2部
を水150部に溶解させた水溶液中に、2−エチルヘキ
シルアクリレート49.9部、エチレングリコールジメ
タクリレート0.1部および重合開始剤としての2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2部からなる溶
液を加え、ホモミキサーにより10,000rpmで5
分間撹拌・混合し、単量体の水分散体を得た。
【0090】次に、温度計、撹拌機、ガス導入管および
還流冷却器を備えた500ミリリットルのフラスコに、
上記単量体の水分散体を仕込んだ。さらに、400rp
mで撹拌下、フラスコ内を窒素置換し、窒素気流下にて
70℃に昇温し、2時間維持して重合反応を完了させ
て、平均粒子径が10μmの吸油性樹脂を含む水分散体
(樹脂純分25wt%)を得た。
【0091】また、温度計、撹拌機および還流冷却器を
備えた内容量3リットルのフラスコに上記吸油性樹脂の
水分散体200部を仕込み、さらに、ペンタデカン35
0部を上記該フラスコに加えた。このフラスコを常温
で、300rpmの条件で4時間撹拌・混合し、上記ペ
ンタデカンを吸油性樹脂に吸収させた。
【0092】次に、完全ケン化ポリビニルアルコール1
0部および不完全ケン化ポリビニルアルコール10部を
水1450部に溶解させた水溶液をフラスコに加え、窒
素気流下で、フラスコ内の温度を70℃に昇温し、同温
度で2時間維持して、重合反応を行い、さらに80℃に
昇温して重合反応を完了させた。そして、ポリビニルア
ルコール被膜によりカプセル化された本発明に係る複合
粒子を、水に分散した水分散体(3)が得られた。尚、
得られた水分散体(3)の複合粒子の平均粒子径は、2
0μmであった。
【0093】上記水分散体(3)の粘度変化および平均
粒子径変化は、実施例1の操作と同様の操作を行って測
定した。その結果、上記水分散体(3)の粘度変化は
「僅かに増粘」であり、水分散体(3)の複合粒子の平
均粒子径変化は「変化無し」であった。測定結果を表1
に示す。
【0094】〔比較例1〕不完全ケン化ポリビニルアル
コール5部を水550部に溶解させた水溶液に、二塩化
セバコイル24部をペンタデカン420部に溶解させた
混合溶液を加え、ホモミキサーにより3,000rpm
で5分間撹拌・混合し、水分散体を得た。
【0095】次に、温度計、撹拌機および還流冷却器を
備えた内容量3リットルのフラスコに上記水分散体の全
量を仕込み、さらに、ヘキサメチレンジアミン100部
および不完全ケン化ポリビニルアルコール10部を水8
90部に溶解させた水溶液を、上記該フラスコに加え
た。このフラスコ内の温度を70℃に昇温し、同温度で
8時間維持して反応を完了させた。
【0096】さらに、炭酸ナトリウム水溶液を加えて中
和させることにより、吸油性樹脂を含まず、またナイロ
ン被膜によりカプセル化された比較用複合粒子を、水に
分散した比較用水分散体(1)が得られた。尚、得られ
た比較用水分散体(1)の比較用複合粒子の平均粒子径
は、20μmであった。
【0097】比較用水分散体(1)の粘度変化および平
均粒子径変化は、実施例1の操作と同様の操作を行って
測定した。その結果、上記比較用水分散体(1)の粘度
変化は「増粘大」であり、比較用水分散体(1)の比較
用複合粒子の平均粒子径変化は「凝集による粒子径増
加」であった。測定結果を表1に示す。
【0098】〔比較例2〕ポリオキシエチレンアルキル
エーテル14部を水1400部に溶解させた水溶液中
に、スチレン80部、ジビニルベンゼン20部、ペンタ
デカン250部および重合開始剤としての2,2’−ア
ゾビスイソブチロニトリル0.2部からなる溶液を加
え、ホモミキサーにより5,000rpmで5分間撹拌
・混合し、混合溶液の水分散体を得た。
【0099】次に、温度計、撹拌機、ガス導入管および
還流冷却器を備えた内容量3リットルのフラスコに上記
混合溶液の水分散体の全量を仕込んだ。さらに、400
rpmで撹拌下、フラスコ内を窒素置換し、窒素気流下
にて70℃に昇温し、同温度で2時間維持して、重合反
応を行い、さらに80℃に昇温して重合反応を完了させ
た。
【0100】そして、吸油性樹脂を含まないスチレン/
ジビニルベンゼン共重合体被膜によりカプセル化された
比較用複合粒子を、水に分散した比較用水分散体(2)
が得られた。尚、得られた比較用水分散体(2)の比較
用複合粒子の平均粒子径は、10μmであった。
【0101】比較用水分散体(2)の粘度変化および平
均粒子径変化は、実施例1の操作と同様の操作を行って
測定した。その結果、上記比較用水分散体(2)の粘度
変化は「増粘大」であり、比較用水分散体(2)の比較
用複合粒子の平均粒子径変化は「凝集による粒子径増
加」であった。測定結果を表1に示す。
【0102】
【表1】
【0103】表1に記載された実施例1〜3の結果から
明らかなように、本発明にかかる複合粒子は、熱搬送媒
体に用いた場合、上記熱搬送媒体の製造時の粘度および
熱搬送媒体に含まれる複合粒子の平均粒子径変化を凍結
・融解を長期間繰り返しても、維持できることがわか
る。つまり、本発明にかかる複合粒子は、機械剪断力に
対する抵抗力を有し、かつ、凍結・融解による油性物質
の体積変化を繰り返しても、そのような体積変化による
経時的劣化が回避されており、経時的な増粘も防止され
て、長期間安定していることがわかる。
【0104】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の複合粒子は、以
上のように、相変化する油性物質が粒子状のカプセル内
に収納され、上記油性物質の粘度を上昇させる増粘材が
上記カプセル内に含まれている構成である。
【0105】それゆえ、上記構成は、相変化する油性物
質と、油性物質の粘度を上昇させる増粘材が粒子状のカ
プセル内に収納されているので、相変化により液化する
油性物質の流動性が低下させることができる。よって、
機械剪断力に対する抵抗力が大きく、長期安定性に優れ
た複合粒子とすることができるという効果を奏する。
【0106】その上、上記構成では、増粘材が油性物質
の粘度を上昇させ、さらにカプセル化することによっ
て、熱を貯蔵・放熱する際の凍結・融解を繰り返した時
に、油性物質が漏出するといった経時的な劣化が抑制さ
れることから、油性物質への引火が抑制された安全性が
高い蓄熱剤を安定に得ることができるという効果を奏す
る。
【0107】本発明の請求項2記載の複合粒子は、以上
のように、請求項1記載の複合粒子において、増粘材
は、油性物質を保持する吸油性樹脂である構成である。
【0108】それゆえ、上記構成は、増粘材が吸油性樹
脂であるので、上記油性物質を、例えば、自重の2倍以
上保持しても、油性物質をゲル状または固体状とするこ
とができる。これにより、カプセル内での油性物質の含
有率を高く維持することができる。さらに、油性物質を
保持した吸油性樹脂は、粒子状のカプセルに収納されて
いるので、機械剪断力に対する抵抗力が大きく、長期安
定性に優れた複合粒子とすることができるという効果を
奏する。
【0109】本発明の請求項3記載の複合粒子は、以上
のように、請求項1または2記載の複合粒子において、
油性物質は、相変化による蓄熱性を有しているパラフィ
ンである構成である。
【0110】それゆえ、上記構成は、油性物質が、種々
の融点を有するパラフィンであることにより、蓄熱剤と
して用いた場合に、その使用温度領域に対する自由度を
大きくできるという効果を奏する。
【0111】本発明の請求項4記載の複合粒子は、請求
項1、2または3記載の複合粒子において、カプセルの
平均粒子径は、0.5μm〜600μmの範囲内である
構成である。
【0112】それゆえ、上記構成は、蓄熱剤として、例
えば、空気調整機などの熱交換器に用いる場合、上記平
均粒子径を0.5μm〜600μmの範囲内とすること
により、搬送管の管径を小さくでき、また搬送管を閉塞
することが軽減されるという効果を奏する。
【0113】本発明の請求項5記載の複合粒子の製造方
法は、以上のように、増粘材により油性物質を増粘させ
た後に、さらにカプセル化する方法である。
【0114】それゆえ、上記方法は、油性物質が、増粘
によって保形性を有するので、上記油性物質の表面をカ
プセル化し易くなっている。したがって、上記油性物質
をカプセル化して複合粒子が得られることにより、得ら
れた複合粒子の強度が油性物質の増粘化によって改善さ
れる。この結果、上記方法では、搬送時などの機械剪断
力に対する抵抗力が大きく、また、長期安定性に優れた
複合粒子を安定に得ることできるという効果を奏する。
【0115】本発明の請求項6記載の熱搬送媒体は、以
上のように、請求項1ないし4のいずれか一つに記載の
複合粒子が、水性媒体中に分散されている構成である。
【0116】それゆえ、上記構成は、複合粒子が水性媒
体中に分散されているので、上記複合粒子を水性媒体に
よって容易に搬送することが可能となる。その上、上記
構成は、複合粒子の油性物質は相変化による大きな潜熱
によって優れた蓄熱性を有することから、大きな熱搬送
能を備えるものとなる。
【0117】さらに、上記構成では、油性物質が増粘材
により増粘した状態でカプセルに収納されているので、
複合粒子は、水性媒体と共に搬送されるときのポンプな
どによる機械剪断力に対する抵抗力が大きくなってお
り、また、油性物質がカプセルにより覆われていること
により、複合粒子の油性物質間の接着などによる凝集
や、配管内への付着などが回避されて、複合粒子を含む
水性媒体の増粘が軽減される。
【0118】この結果、上記構成は、大きな熱搬送能を
備え、かつ、機械剪断力に対する抵抗力が大きく、増粘
が少ない、長期安定性に優れた熱搬送媒体を得ることが
できるという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸本 章 大阪府大阪市中央区平野町4丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 五味 知紀 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 (72)発明者 家氏 智美 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相変化する油性物質が粒子状のカプセル内
    に収納され、上記油性物質の粘度を上昇させる増粘材が
    上記カプセル内に含まれていることを特徴とする複合粒
    子。
  2. 【請求項2】増粘材は、油性物質を保持する吸油性樹脂
    であることを特徴とする請求項1記載の複合粒子。
  3. 【請求項3】油性物質は、相変化による蓄熱性を有して
    いるパラフィンであることを特徴とする請求項1または
    2記載の複合粒子。
  4. 【請求項4】カプセルの平均粒子径は、0.5μm〜6
    00μmの範囲内であることを特徴とする請求項1、2
    または3記載の複合粒子。
  5. 【請求項5】増粘材により油性物質を増粘させた後に、
    さらにカプセル化することを特徴とする複合粒子の製造
    方法。
  6. 【請求項6】請求項1ないし4のいずれか一つに記載の
    複合粒子が、水性媒体中に分散されていることを特徴と
    する熱搬送媒体。
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