JPH10250223A - 感熱記録材料用紫外線吸収剤 - Google Patents

感熱記録材料用紫外線吸収剤

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JPH10250223A
JPH10250223A JP9054576A JP5457697A JPH10250223A JP H10250223 A JPH10250223 A JP H10250223A JP 9054576 A JP9054576 A JP 9054576A JP 5457697 A JP5457697 A JP 5457697A JP H10250223 A JPH10250223 A JP H10250223A
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ultraviolet
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Takanori Isozaki
孝徳 磯▲ざき▼
Toshiaki Sato
寿昭 佐藤
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 分散剤がポリビニルアルコールであり、
分散質が紫外線吸収性単量体単位を含む重合体である水
性エマルジョンからなる感熱記録材料用紫外線吸収剤;
ならびに保護層に上記の感熱記録材料用紫外線吸収剤を
含有することを特徴とする感熱記録材料。 【効果】 本発明の感熱記録材料用紫外線吸収剤は、水
分散性が良好で耐光性に優れている。これを感熱記録材
料に適用することにより、印字の退色防止効果に優れた
感熱記録材料が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感熱記録材料用紫外
線吸収剤および該紫外線吸収剤を保護層に含有する耐光
性に優れた感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】無色ないし淡色の塩基性染料と有機また
は無機の呈色剤との呈色反応を利用し、熱により両発色
物質を接触させて記録像を得るようにした感熱記録材料
はよく知られている。このような感熱記録体は比較的安
価であり、また機器がコンパクトでかつその保守が容易
であることから、ファクシミリや各種計測機等の記録媒
体として幅広い分野で使用されている。
【0003】その利用分野の一つとして、屋外で使用さ
れることの多いハンディターミナル用紙としての用途が
拡大している。しかし、このような用途では長期間にわ
たって光、特に太陽光にさらされることが多く、感熱記
録体が黄変する問題が発生している。
【0004】従来から、感熱記録体の光による黄変化を
防止する目的で微粉砕した紫外線吸収剤を感熱記録層中
や保護層中に添加する方法が提案されている。しかし、
微粉砕化された紫外線吸収剤では紫外線の吸収効率が悪
いため十分な効果が得られなかった。
【0005】このような問題に対し、水溶性の紫外線吸
収剤や、油溶性の紫外線吸収剤を乳化剤を用いて水中に
後乳化したエマルジョンあるいはサスペンジョンを感熱
記録層中や保護層中に添加する方法が検討されている。
しかしながら、安定性や分散性が依然として不十分であ
り、保護層中の可塑剤や油脂類等の影響により溶出する
という問題があった。また、水溶性の紫外線吸収剤や比
較的後乳化が容易な紫外線吸収剤は耐久性が不十分であ
るという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の欠点を
克服し、耐久性、紫外線吸収性、透明性等に優れる感熱
記録材料用紫外線吸収剤を提供することを目的とする。
さらに、該紫外線吸収剤を用いた耐久性に優れた感熱記
録材料を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、分散剤がポリビニルアル
コールであり、分散質が紫外線吸収性単量体単位を含む
重合体である水性エマルジョンからなる感熱記録材料用
紫外線吸収剤;ならびに発色層の上に保護層を有する感
熱記録材料であって、保護層が該紫外線吸収剤を含有す
ることを特徴とする感熱記録材料を見出し、本発明を完
成するに至った。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の分散質を構成する紫外線吸収性単量体として
は、紫外線吸収性を示す単量体であればいずれも使用し
うるが、好ましくは2−ヒドロキシベンゾトリアゾール
誘導体または2−ヒドロキシベンゾフェノン誘導体がビ
ニル化合物の主鎖に側鎖として結合したものであり、そ
の具体例としては下記の化1で表される2−ヒドロキシ
ベンゾトリアゾール誘導体、下記の化2で表される2−
ヒドロキシベンゾフェノン誘導体が挙げられる。本発明
においては、化1で表される2−ヒドロキシベンゾトリ
アゾール誘導体と、化2で表される2−ヒドロキシベン
ゾフェノン誘導体とを併用することもできる。このよう
に、紫外線吸収特性の異なる2種以上の紫外線吸収性単
量体を併用することにより、紫外線吸収効果をいっそう
改良することもできる。
【0009】
【化1】
【0010】上記の化1における記号は、下記の意味を
有する。 R1 :水素、ハロゲンまたはメチル基 R2 :水素または炭素数1〜6の炭化水素基 R3 :炭素数1〜10のアルキレン基またはオキシアル
キレン基(R3 はなくてもよい。この場合はXがベンゼ
ン環に直接結合する。) X:エステル結合、アミド結合、エーテル結合またはウ
レタン結合 R4 :炭素数1〜8のアルキレン基、アミノアルキレン
基または側鎖に水酸基を有するアルキル基(R4 はなく
てもよい。この場合、XとCが直接結合する。) R5 :水素または低級アルキル基
【0011】化1で表される単量体の具体例としては、
2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキ
シ)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒド
ロキシ−5’−(アクリロイルオキシ)フェニル]ベン
ゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−t−
ブチル−5’−(メタクリロイルオキシ)フェニル]ベ
ンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−メ
チル−5’−(アクリロイルオキシ)フェニル]ベンゾ
トリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタ
クリロイルオキシプロピル)フェニル]−5−クロロベ
ンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−
(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリ
アゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(アクリロ
イルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2
−[2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−(メ
タクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾ
ール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−メチル−5’−
(アクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリア
ゾール、2−[2’−ヒドロキシル−5’−(メタクリ
ロイルオキシプロピル)フェニル]−5−クロロベンゾ
トリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(アク
リロイルオキシブチル)フェニル]−5−メチルベンゾ
トリアゾール、[2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5
−(アクリロイルオキシエトキシカルボニルエチル)フ
ェニル]ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0012】
【化2】
【0013】上記の化2における記号は、下記の意味を
有する。 R1 :水素、炭素数1〜6のアルキル基またはアルコキ
シ基 R2 :炭素数1〜10のアルキレン基またはオキシアル
キレン基(R2 はなくてもよい。この場合はXがベンゼ
ン環に直接結合する。) X:エステル結合、アミド結合、エーテル結合またはウ
レタン結合 R3 :水素または低級アルキル基
【0014】化2で表される単量体の具体例としては、
2−ヒドロキシ−4−アクリロイルオキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−メタクリロイルオキシベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオ
キシ)エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
(2−メタクリロイルオキシ)エトキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−(2−メチル−2−アクリロ
イルオキシ)エトキシベンゾフェノンなどが挙げられ
る。
【0015】本発明における紫外線吸収性単量体単位を
含む重合体は、紫外線吸収性単量体と共重合可能な他の
単量体(エチレン性不飽和単量体、ジエン系単量体)を
共重合することにより得られる。エチレン性不飽和単量
体としては、エチレン、プロピレン、イソブテン等のオ
レフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニ
ル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化オレフィン類、ギ
酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチ
ック酸ビニル、ピバリン酸ビニル等のビニルエステル
類、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピ
ル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、ア
クリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、
アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル等のアク
リル酸エステル類、メタクリル酸、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、
メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、
メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メ
タクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸オクタデシル等のメタクリル酸エステ
ル類、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロ
ールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミ
ド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸お
よびそのナトリウム塩のアクリルアミド系単量体類、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類、
酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合物、スチレン、
α−メチルスチレン、P−メチルスチレンスルホン酸お
よびそのナトリウム、カリウム塩等のスチレン系単量体
類、その他N−ビニルピロリドン等が挙げられる。ジエ
ン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、クロロ
プレン等が挙げられる。これらの紫外線吸収性単量体と
共重合可能な単量体の一種あるいは二種以上が組み合わ
せて使用される。
【0016】(a)紫外線吸収性単量体と(b)それと
共重合可能な単量体の構成比は、重量比で(a)/
(b)=1/99〜60/40の範囲が好ましく、5/
95〜50/50がより好ましい。紫外線吸収性単量体
の比率がこの範囲を越えて増加すると、水性エマルジョ
ンの安定性や皮膜特性が不十分となる場合がある。一
方、紫外線吸収性単量体の比率がこの範囲よりも低下す
ると紫外線吸収性能の点で要求を満たせなくなる場合が
ある。
【0017】本発明における水性エマルジョンの分散剤
としては、ポリビニルアルコール(以下、PVAと略記
する)が単独あるいは従来公知の各種界面活性剤や水溶
性高分子と併用して使用される。本発明で用いられるP
VAとしては、水性エマルジョンの重合安定性および水
性エマルジョン型紫外線吸収剤の特性等の点で、分子内
にメルカプト基を有するものがより好ましく、末端にメ
ルカプト基を有するものが特に好ましい。メルカプト基
を有するPVAはPVA分子の主鎖中にメルカプト基を
有する重合体でも充分な効果を有するが、この場合PV
A自体の酸化によりジスルフィド結合を形成することに
より不溶化する恐れがあるので、分子の片末端にのみメ
ルカプト基を有するPVAの方が不溶化の心配がなく取
り扱い易く、特に望ましい。メルカプト基の含有率とし
ては、1×10-5〜5×10-4[eq/g]が好まし
い。
【0018】本発明において分散剤として使用されるP
VAは、本発明の主旨を損なわない範囲で、原料のビニ
ルエステルと共重合可能な単量体を共存させ、共重合す
ることも可能である。例えば、エチレン、プロピレン、
1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類、アクリル
酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n
−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシ
ル、アクリル酸オクタデシル等のアクリル酸エステル
類、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−
プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−
ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エ
チルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オ
クタデシル等のメタクリル酸エステル類、メチルビニル
エーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピル
ビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチ
ルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシ
ルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のビニ
ルエーテル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル
等のニトリル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化
ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類、酢
酸アリル、塩化アリル等のアリル化合物、フマール酸、
マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水フタル
酸、無水トリメリット酸または無水イタコン酸等のカル
ボキシル基含有化合物およびそのエステル、エチレンス
ルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等
のスルホン酸基含有化合物、ビニルトリメトキシシラン
等のビニルシリル化合物、3−メタクリルアミドプロピ
ルトリメチルアンモニウムクロライド、3−アクリルア
ミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等のカ
チオン性基含有化合物、酢酸イソプロペニル等が挙げら
れる。
【0019】本発明に用いられるPVAの粘度平均重合
度(以下、重合度と略記する)はエマルジョンの安定性
の点から50〜4000であることが好ましく、100
〜2000がより好ましい。PVAの重合度は、JIS
−K6726に準じ、再けん化後精製した重合体につい
て、水中、30℃で測定した極限粘度[η]から次式に
より求めた粘度平均重合度(P)で表したものである。 P=([η]×103 /8.29)(1/0.62) PVAのけん化度は水溶性の点から50モル%以上が好
ましく、60モル%以上がさらに好ましい。
【0020】本発明に用いられる水性エマルジョンを得
るためには、PVAを分散剤に用いて、紫外線吸収性単
量体と他の単量体を乳化重合すればよい。乳化重合は、
水、分散剤および重合開始剤の存在下に上記の単量体を
一時または連続的に添加して、加熱、撹拌するような通
常の乳化重合法の他に、単量体を予め分散剤水溶液と混
合乳化したものを連続的に添加する方法も実施し得る。
乳化重合の重合温度は、重合効率の点から0〜100℃
が好ましい。
【0021】分散剤として使用されるPVAの使用量
は、PVAの重合度、けん化度、要求されるエマルジョ
ンの樹脂濃度によって多少異なるが、通常単量体100
重量部に対して0.2〜50重量部、好ましくは0.5
〜30重量部である。PVAの使用量が単量体100重
量部に対して0.2重量部より少ない場合には、重合安
定性および水性エマルジョン型紫外線吸収剤の皮膜特性
やそれをフィルムに練り込む際の性能が低下する。一
方、PVAの使用量が50重量部を超える場合には、水
性エマルジョン型紫外線吸収剤皮膜の耐水性等が低下す
る。
【0022】水性エマルジョンの分散剤としては、PV
Aの他に従来公知のアニオン性、ノニオン性、カチオン
性の界面活性剤や水溶性高分子化合物を使用することが
できる。これらのPVA以外の分散剤の使用量は特に制
限はないが、本発明の効果を損なわない範囲で適宜使用
される。本発明においては、PVAからなる分散剤の乳
化重合系への添加方法は特に制限はなく、初期に一括で
添加する方法、PVAを分割して添加する方法、連続的
に添加する方法等が挙げられる。
【0023】重合開始剤としては、特に制限はなく従来
公知の重合開始剤が使用できる。また、メルカプト基を
有するPVAを使用する場合にはメルカプト基と臭素酸
カリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸
化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハ
イドロパーオキサイドなどの水溶性酸化剤によるレドッ
クス系も可能である。
【0024】乳化重合によって得られたエマルジョン粒
子の平均粒径は、使用方法により適宜選択されるが、
0.03〜2μmが好ましい。
【0025】感熱記録材料は、紙、プラスチックフィル
ム、合成紙、不織布などの基材上に、発色性物質および
顕色剤などからなる感熱記録層(感熱発色層)を形成
し、その上に保護層を形成してなるものである。本発明
の紫外線吸収剤は感熱記録材料のどの部分に添加しても
よいが、紫外線吸収効率の点から、特に保護層に添加す
るのが好ましい。紫外線吸収剤の含有量は感熱記録材料
の全成分に対して、好ましくは0.1〜50重量%、さ
らに好ましくは0.3〜30重量%、最も好ましくは
0.5〜15重量%である。含有量が0.1重量%未満
では耐光性が低下し、50重量%を越えた場合には発色
機構に悪影響を与える必要があるため好ましくない。
【0026】感熱記録材料の保護層成分としては、PV
A系樹脂が好適に用いられる。本発明の主旨を損なわな
い範囲で、PVA系樹脂の原料であるビニルエステルと
共重合可能な単量体を共存させ、共重合することも可能
である。例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、
イソブテン等のオレフィン類や架橋性の官能基を導入す
ることも耐水性の点から好ましい。保護層は、PVA系
樹脂に、さらに必要に応じて、でんぷん等の粘度調整剤
や、バインダー、界面活性剤、填料、無機フィラー、熱
可融性物質、架橋剤、消泡剤などを添加して一般に水の
分散媒体として塗布することによって形成される。保護
層の形成方法は特に限定されず、例えば、エアーナイフ
コーティングなど適当な方法により基材上に発色層成分
を塗布し乾燥して発色層を形成させた後、発色層の形成
方法と同様にして保護層成分を塗布し乾燥する方法によ
り形成される。保護層の塗布量は、通常、乾燥重量で
0.1〜5g/m2 、好ましくは0.5〜3g/m2
ある。
【0027】
【実施例】以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。なお、実施例中において「部」および「%」
は、特に断わりのない限り、「重量部」および「重量
%」をそれぞれ意味する。
【0028】実施例1 (水性エマルジョン型高分子紫外線吸収剤の作成)還流
冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口、撹拌機を備
えたガラス製容器に、末端にメルカプト基を有するPV
A(PVA−1:重合度550、鹸化度99.0mol
%)5部、アニオン性界面活性剤(三井サイテック製、
Aerosol OT−75)2.5部、イオン交換水
300部を仕込み加熱溶解し、希硫酸でpH4.0に調
節した。次いで150rpmで撹拌しながらスチレン8
5部、紫外線吸収性単量体(大塚化学製、RUVA−9
3、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリルオキシ
エチルフェニル)−2−ベンゾトリアゾール)15部を
仕込み、窒素置換を充分に行った後、70℃に昇温し
た。その後、2%過硫酸カリウム水溶液10gを添加し
て重合を開始した。5時間後、転化率が99.5%とな
り重合を終了した。固形分濃度26.0%、平均粒子径
70nmの水性エマルジョン型高分子紫外線吸収剤が得
られた。
【0029】(保護層の作成)ポリビニルアルコール
(クラレ製PVA−EC)の10%水溶液100部に、
上記水性エマルジョン型紫外線吸収剤を20%に希釈し
たものを10部、ポリエチレンワックス6部、ステアリ
ン酸亜鉛6部、二酸化珪素6部、炭酸カルシウム6部を
添加して充分室温で撹拌し、保護層塗工液とした。
【0030】発色層を形成した原紙(坪量:52g/m
2 の上質紙)の表面に、保護層塗工液を6g/m2 (固
形分換算)で塗布し、50℃で10分間乾燥し、保護層
を形成した。さらに、スーパーカレンダー(線圧:30
kg/cm)で表面処理することにより、感熱記録紙を
作成した。
【0031】比較例1 紫外線吸収剤を使用しないこと以外は実施例1と同様に
して保護層塗工液を作成し、実施例1と同様にして感熱
記録紙を作成した。
【0032】比較例2 エマルジョン型高分子紫外線吸収剤の代わりに、水溶性
紫外線吸収剤(共同薬品株式会社製Viosorb11
2)を使用する以外は実施例1と同様にして保護剤塗工
液を作成し、実施例1と同様にして感熱記録紙を作成し
た。
【0033】比較例3 エマルジョン型高分子紫外線吸収剤の代わりに、エマル
ジョン型低分子紫外線吸収剤(サンド株式会社製サンド
バー3041)を使用する以外は実施例1と同様にして
保護剤塗工液を作成し、実施例1と同様にして感熱記録
紙を作成した。
【0034】実施例1および比較例1〜3によって得ら
れた感熱記録紙の性能を下記の方法によって評価し、表
1に示した。 (感熱記録紙の印字部の着色濃度)感熱ファクシミリ用
プリンター(リコー株式会社製リコファックス300)
を用いて、感熱記録紙に印字した後、マクベス濃度計
(マクベス社製RD−514)で印字部の発色濃度を測
定した。 (感熱記録紙の非印字部の着色濃度)上記のマクベス濃
度計で感熱記録紙の非印字部の着色濃度を測定した。 (マクベス濃度) 完全な白色:0.00 完全な黒色:1.82
【0035】上記の発色させた感熱記録紙を40℃のカ
ーボンフェードメーターの中に入れ、16時間照射後の
印字部および非印字部の濃度を測定した。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明の感熱記録材料用紫外線吸収剤
は、水分散性が良好で耐光性に優れている。これを感熱
記録材料に適用することにより、印字の退色防止効果に
優れた感熱記録材料が得られる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分散剤がポリビニルアルコールであり、
    分散質が紫外線吸収性単量体単位を含む重合体である水
    性エマルジョンからなる感熱記録材料用紫外線吸収剤。
  2. 【請求項2】 ポリビニルアルコールが末端にメルカプ
    ト基を有するポリビニルアルコールである請求項1記載
    の感熱記録材料用紫外線吸収剤。
  3. 【請求項3】 紫外線吸収性単量体が2−ヒドロキシベ
    ンゾトリアゾール残基が結合したエチレン性不飽和単量
    体または2−ヒドロキシベンゾフェノン残基が結合した
    エチレン性不飽和単量体である請求項1または2記載の
    感熱記録材料用紫外線吸収剤。
  4. 【請求項4】 発色層の上に保護層を有する感熱記録材
    料であって、保護層が請求項1〜3のいずれか1項に記
    載の感熱記録材料用紫外線吸収剤を含有することを特徴
    とする感熱記録材料。
  5. 【請求項5】 保護層がポリビニルアルコール系樹脂を
    主成分とし、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感熱
    記録材料用紫外線吸収剤を含有することを特徴とする請
    求項4記載の感熱記録材料用紫外線吸収剤。
JP9054576A 1997-03-10 1997-03-10 感熱記録材料用紫外線吸収剤 Pending JPH10250223A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010247533A (ja) * 2009-03-24 2010-11-04 Nippon Paper Industries Co Ltd 感熱記録体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010247533A (ja) * 2009-03-24 2010-11-04 Nippon Paper Industries Co Ltd 感熱記録体

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