JPH10245915A - 浴室ユニットにおける壁パネルの接続構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】浴室ユニットを構成する防水パンに段差部が形
成される場合、段差部に沿って防水パンの下方の周縁部
に立設される壁パネルを確実に支持して水密性を確保す
る。 【解決手段】防水パン３の周縁部に段差部３ｘが形成さ
れる場合において、浴槽嵌合載置体３１の周縁部に下金
具８を配設するとともに、該段差部３ｘに臨んで下金具
８に支柱５を立設し、また、洗い場床パン３３の周縁部
に位置出し下金具８１を連結するとともに、段差部３ｘ
に臨んで浴槽嵌合載置体３１の周縁部に立設された支柱
５の直下に位置して位置出し下金具８１の一端に段差金
具９を連結する。そして、段差部３ｘに沿って洗い場床
パン３３の周縁部に立設される壁パネルを段差部３ｘに
臨んで立設された支柱５およびその直下に設けられた段
差金具９で支持する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、浴室ユニットにお
ける壁パネルの接続構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、集合住宅などにおいて、浴室
ユニットを設置することが行われている。この浴室ユニ
ット１は、図４に示すように、浴槽２と、該浴槽２が嵌
合載置される開口３１ａを形成した浴槽嵌合載置体３
１、エプロン３２および洗い場床パン３３からなる防水
パン３と、防水パン３の周縁部、すなわち、浴槽嵌合載
置体３１の洗い場床パン３３に面する一辺を除く周縁部
３１１および洗い場床パン３３の浴槽嵌合載置体３１に
面する一辺を除く周縁部３３１に立設されてその周囲を
包囲する壁パネル４と、これらの壁パネル４によって形
成された上方開口部を覆う天井パネル（図示せず）とか
ら構成されている。

【０００３】なお、防水パン３の周縁部において、浴槽
嵌合載置体３１の周縁部３１１と洗い場床パン３３の周
縁部３３１の間あるいは洗い場床パン３３の周縁部３３
１の間に段差部３ｘ，３ｙが形成されると、これらの段
差部３ｘ，３ｙに沿って防水パン３の下方の周縁部に立
設される壁パネル４は、浴槽嵌合載置体３１の周縁部３
１１など防水パン３の上方の周縁部に立設される壁パネ
ル４よりも段差部３ｘ，３ｙの高さに相当する長さだけ
高く設定されている。

【０００４】このような浴室ユニット１は、通常、ユニ
ットの外側から壁パネル４をビス止めして固定するパネ
ル工法で組み立てられているが、躯体側の間仕切りや外
壁があって作業者が入り込めない場合には、ユニット内
部から壁パネル４を取り付ける現地組み立て工法が採用
されている。

【０００５】この現地組み立て工法は、図５に示すよう
に、まず、防水パン３の周縁部の隅部およびその各辺部
にそれぞれコーナーピースおよび床用フレーム（図示せ
ず）を配設した後、コーナーピースおよび必要とする辺
部において床用フレームにそれぞれ支柱５を連結して立
設する。そして、隣接する支柱５，５間に横フレーム６
を掛け渡し、次いで、支柱５の上端に天井パネル（図示
せず）を嵌め込んで取り付け、さらに、支柱５および横
フレーム６に壁パネル４を直接もしくは間接的にビス止
めした後、壁パネル４，４の突き合わせ部に化粧目地材
（図示せず）を嵌め込むようにしている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た浴室ユニット１においては、図４に示したように、防
水パン３の周縁部に段差部３ｘ，３ｙが形成されると、
段差部３ｘ，３ｙに臨んで浴槽嵌合載置体３１の周縁部
３１１など防水パン３の上方の周縁部に支柱５が立設さ
れる関係上、段差部３ｘ，３ｙに沿って洗い場床パン３
３の周縁部３３１など防水パン３の下方の周縁部に壁パ
ネル４を立設した場合、その左右一方端縁の上半部につ
いては段差部３ｘ，３ｙに臨んで防水パン３の上方の周
縁部に立設された支柱５によって支持することができる
ものの、その下端部については支持することができず、
防水パン３の下方の周縁部に載置されたのみの状態とな
る。このため、段差部３ｘ，３ｙに沿って防水パン３の
下方の周縁部に立設された壁パネル４の下端部を室内側
から押圧することによって壁パネル４が弾性変形した場
合、壁パネル４の外周縁と防水パン３との間に充填され
たシリコンコーキングが切れてそれらの水密性が損なわ
れるという問題があった。

【０００７】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、防水パンに段差部が形成されている場合、
該段差部に沿って防水パンの下方の周縁部に立設される
壁パネルを確実に支持して水密性を確保することのでき
る浴室ユニットにおける壁パネルの接続構造を提供する
ものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、浴槽嵌合載置
体、エプロンおよび洗い場床パンからなる防水パンの周
縁部に間隔をおいて立設された支柱と、左右端縁にそれ
ぞれ折り曲げ部が形成された壁パネルと、支柱に取り付
けられ、隣接する一対の壁パネルの左右端縁折り曲げ部
を係合可能な係合部が形成された連結部材と、からな
り、壁パネルの左右端縁折り曲げ部を連結部材の係合部
に係合させて防水パンの周縁部に壁パネルを立設させる
浴室ユニットにおいて、前記防水パンの周縁部に段差部
が形成され、前記支柱は、防水パンの上方の周縁部に配
設された下金具に連結されて、もしくは、直接連結され
て立設されるとともに、防水パンの下方の周縁部に配設
された位置出し下金具に連結されて立設され、さらに、
段差部に臨んで上方の周縁部に立設された支柱の直下に
位置して位置出し下金具の一端に段差金具が連結されて
なり、段差部に沿って防水パンの下方の周縁部に立設さ
れる壁パネルの一方端縁の下端部を段差金具を介して支
持することを特徴とするものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例の形態を図
面に基づいて説明する。なお、説明の便宜上、図４およ
び図５に採用された部材と同一の部材については、同一
の符号を用いるものとする。

【００１０】図１には、本発明の浴室ユニットにおける
壁パネルの接続構造が示されており、この壁パネルの接
続構造は、防水パン３の周縁部に間隔をおいて立設され
た支柱５、該支柱５に取り付けられた連結部材７および
該連結部材７によって固定された壁パネル４とから構成
されている。

【００１１】支柱５は、その内面の上下方向に開口部５
ａを有する断面略Ｃ字状に形成され、その背面には、一
対のスリット５ｂが上下方向に一定長さにわたって形成
されている。

【００１２】また、支柱５に形成されたスリット５ｂに
取り付けられる連結部材７は、断面略コ字状に形成さ
れ、その対向する二辺の基部にそれぞれ内方に向けて突
出する一対の係止部７ａが形成されるとともに、その先
端にそれぞれ内方に向けて突出する一対の係合部７ｂが
形成されている。そして、一対の係止部７ａの間隔は、
支柱５のスリット５ｂの間隔よりも小さく設定されてい
る。

【００１３】したがって、支柱５のスリット５ｂに連結
部材７を嵌め込むと、一対の係止部７ａはその弾性力に
よって押し開かれ、スリット５ｂを通過すれば、その復
元力でスリット５ｂに係止され、連結部材７を位置決め
するとともに、その抜け出しを防止するものである。こ
の際、係合部７ｂは、支柱５の内方において、開口部５
ａ近傍に位置しており、後述する壁パネル４の端縁折り
曲げ部４１ａと係合できるように、その形成位置が設定
されている。

【００１４】一方、壁パネル４は、塩ビ鋼板４１の裏面
に裏打材である石膏ボード４２を貼り合わせて形成さ
れ、その塩ビ鋼板４１の左右両端縁は、背面側に折曲さ
れて折り曲げ部４１ａが形成されており、前述した連結
部材７の係合部７ｂに係合されるようになっている。す
なわち、壁パネル４の折り曲げ部４１ａを支柱５の開口
部５ａを通して連結部材７の係合部７ｂに押し込むと、
その折り曲げ部４１ａはその弾性力によって押し開か
れ、係合部７ｂを通過すれば、その復元力で係合部７ｂ
に係合され、その抜け出しを防止するようになってい
る。

【００１５】なお、壁パネル４の左右一方の側端面、す
なわち、その塩ビ鋼板４１の折り曲げ部４１ａの一方の
外面には、予めバックアップ材Ｓが貼着されており、連
結部材７の係合部７ｂにわたって一対の壁パネル４が固
定された際、隣接する他方の壁パネル４の塩ビ鋼板４１
の折り曲げ部４１ａの他方の外面に接触し、隣接する一
対の壁パネル４，４間の隙間を埋めるようにしている。

【００１６】ところで、前述した支柱５は、防水パン３
の周縁部の辺部において連続する平面を形成するよう
に、隣接する一対の壁パネル４，４を連結固定するのに
対し、防水パン３の周縁部の隅部に立設される支柱５１
は、図２に示すように、直交する平面を形成するよう
に、隣接する一対の壁パネル４，４を連結固定するもの
である。

【００１７】このため、防水パン３の周縁部の隅部に立
設される支柱５１は、断面中空の略Ｌ字状に形成されて
前述した支柱５と若干形状が相違しているが、支柱５と
同様に、内面側中央隅部の上下方向に壁パネル４の端縁
折り曲げ部４１ａを挿入可能な開口部５１ａが形成され
ている他、防水パン３の周縁部の各辺に対応する背面に
は、それぞれ連結金具７１を嵌め込むことができる一対
のスリット５１ｂが上下方向に一定長さにわたって形成
されている。ここで、連結金具７１は、断面略７字状に
形成され、対向する二辺の基部にそれぞれ内方に向けて
突出する一対の係止部７１ａおよび長辺の先端に内方に
向けて突出する係合部７１ｂが形成されている。この連
結部材７１においても、支柱５１のスリット５１ｂに嵌
め込むと、一対の係止部７１ａはその弾性力によって押
し開かれ、スリット５１ｂを通過すれば、その復元力で
スリット５１ｂに係止され、連結部材７１を位置決めす
るとともに、その抜け出しを防止するものである。ま
た、係合部７１ｂは、支柱５１の内方において、開口部
５１ａ近傍に位置しており、壁パネル４の端縁折り曲げ
部４１ａと係合できるようになっている。

【００１８】この場合、連結部材７１に係合する一対の
壁パネル４，４は、それらの外面が直交することから、
一方の壁パネル４の左右一方の側端面に貼着されるバッ
クアップ材Ｓは、Ｌ字状に形成されている。

【００１９】なお、隣接する一対の壁パネル４，４の突
き合わせ部や壁パネル４の下端縁と防水パン３の周縁部
の間などには、シリコンコーキングＣ（図２参照）が充
填されており、浴室ユニット１の水密性を確保してい
る。

【００２０】ところで、防水パン３を構成する浴槽嵌合
載置体３１の周縁部３１１および洗い場床パン３３の周
縁部３３１には、図３に詳細に示すように、断面Ｌ字状
の下金具８がそれぞれ配設されており、この下金具８に
は、前述した支柱５，５１の下端部が連結されることに
より、防水パン３の周縁部の隅部および必要とする辺部
にそれぞれ立設されている。

【００２１】また、防水パン３の浴槽嵌合載置体３１の
周縁部３１１と洗い場床パン３３の周縁部３３１との間
に段差部３ｘが形成されている場合、その下方の周縁部
となる洗い場床パン３３の周縁部３３１には、前述した
下金具８と同様に、断面Ｌ字状に折曲された位置出し下
金具８１が配設されており、この位置出し下金具８１に
は、洗い場床パン３３の周縁部３３１の隅部に立設され
る支柱５１の下端部とともに、必要ならばその辺部に立
設される支柱５の下端部がそれぞれ連結されている。そ
して、位置出し下金具８１の一端には、段差部３ｘに臨
んで浴槽嵌合載置体３１の周縁部３１１に立設された支
柱５の直下に位置するとともに、支柱５の左右方向半分
の形状に略一致する断面略Ｃ字状の段差金具９が位置出
し下金具８１とともに洗い場床パン３３の周縁部３３１
にビス止めされている。

【００２２】この結果、段差金具９は、位置出し下金具
８１を介して洗い場床パン３３の周縁部３３１にビス止
めされていることにより、平面視において、段差部３ｘ
に臨んで浴槽嵌合載置体３１の周縁部３１１に立設され
た支柱５の室内側端面と段差金具９の室内側端面は面一
に連続するようになっている。このため、段差部３ｘに
沿って洗い場床パン３３の周縁部３３１に壁パネル４を
立設した場合、その一方の端縁折り曲げ部４１ａは、そ
の上半部が段差部３ｘに臨んで浴槽嵌合載置体３１の周
縁部３１１に立設された支柱５および連結部材７に支持
固定されるとともに、その下端部が段差金具９によって
支持されるものである。

【００２３】したがって、段差部３ｘに沿って洗い場床
パン３３の周縁部３３１に立設された壁パネル４の下端
部を浴室ユニット１の室内側から押圧しても、段差金具
９が壁パネル４を支持することから、壁パネル４が弾性
変形することがなく、壁パネル４の端縁と防水パン３の
周縁部との間に充填されたシリコンコーキングＣが切れ
ることを確実に防止することができ、それらの水密性を
確保することができる。

【００２４】しかも、段差部３ｘに沿って洗い場床パン
３３の周縁部３３１に立設される壁パネル４の端縁折り
曲げ部４１ａの形状を各別に変化させる必要がなく、浴
槽嵌合載置体３１の周縁部３１１に立設される壁パネル
４と同様に押し込むだけで固定できることから、施工性
を損なうこともないものである。

【００２５】ところで、前述した実施形態においては、
浴槽嵌合載置体３１の周縁部３１１と洗い場床パン３３
の周縁部３３１との間に段差部３ｘが形成された場合に
ついて例示したが、洗い場床パン３３の周縁部３３１に
段差部３ｙが形成される場合においても、段差部３ｙに
臨んで洗い場床パン３３の上方の周縁部３３１に立設さ
れる支柱５の直下に位置して段差金具９を洗い場床パン
３３の下方の周縁部３３１に固定された位置出し下金具
８１の一端に連結し、段差部３ｙに沿って洗い場床パン
３３の下方の周縁部３３１に立設された壁パネル４の一
方端縁の下端部を支持させるようにすればよい。

【００２６】この場合、段差金具９を上下対称に形成す
ると、左上がり段差部３ｘあるいは右上がり段差部３ｙ
のどちらにも使用することができる。また、前述した実
施形態においては、防水パン３の周縁部にそれぞれ壁パ
ネル４を立設する場合について例示したが、一の壁パネ
ル４に代えて収納パネルを立設するようにしてもよい。
さらに、壁パネル４あるいは収納パネルの形状によって
は、防水パン３の周縁部の四隅部全てに支柱５１が立設
されるとは限らない他、支柱５，５１を下金具８を用い
ることなく直接防水パン３の周縁部に固定することもで
きる。

【００２７】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、浴槽嵌合
載置体、エプロンおよび洗い場床パンからなる防水パン
の周縁部に間隔をおいて立設された支柱と、左右端縁に
それぞれ折り曲げ部が形成された壁パネルと、支柱に取
り付けられ、隣接する一対の壁パネルの左右端縁折り曲
げ部を係合可能な係合部が形成された連結部材と、から
なり、壁パネルの左右端縁折り曲げ部を連結部材の係合
部に係合させて防水パンの周縁部に壁パネルを立設させ
る浴室ユニットにおいて、前記防水パンの周縁部に段差
部が形成され、前記支柱は、防水パンの上方の周縁部に
配設された下金具に連結されて、もしくは、直接連結さ
れて立設されるとともに、防水パンの下方の周縁部に配
設された位置出し下金具に連結されて立設され、さら
に、段差部に臨んで上方の周縁部に立設された支柱の直
下に位置して位置出し下金具の一端に段差金具が連結さ
れてなり、段差部に沿って防水パンの下方の周縁部に立
設される壁パネルの一方端縁の下端部を段差金具を介し
て支持することにより、段差部に沿って防水パンの下方
の周縁部に立設された壁パネルと防水パンとの水密性を
確保することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の浴室ユニットを構成する支柱、連結部
材および壁パネルの関係を示す分解斜視図である。

【図２】本発明の浴室ユニットを一部省略して示す横断
面図である。

【図３】本発明の浴室ユニットを構成する下金具および
位置出し下金具を介してそれぞれ連結された支柱および
段差金具を示す斜視図である。

【図４】浴室ユニットを一部省略して示す斜視図であ
る。

【図５】現地組み立て工法による浴室ユニットの施工要
領を示す説明図である。

【符号の説明】

１ 浴室ユニット ３ 防水パン ３１ 浴槽嵌合載置体 ３２ エプロン ３３ 洗い場床パン ３１１，３３１ 周縁部 ４ 壁パネル ４１ 塩ビ鋼板 ４１ａ 端縁折り曲げ部 ５，５１ 支柱 ５ｂ，５１ｂ スリット ７，７１ 連結部材 ７ａ，７１ａ 係止部 ７ｂ，７１ｂ 係合部 ８ 下金具 ８１ 位置出し下金具 ９ 段差金具

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴槽嵌合載置体、エプロンおよび洗い場
   床パンからなる防水パンの周縁部に間隔をおいて立設さ
   れた支柱と、左右端縁にそれぞれ折り曲げ部が形成され
   た壁パネルと、支柱に取り付けられ、隣接する一対の壁
   パネルの左右端縁折り曲げ部を係合可能な係合部が形成
   された連結部材と、からなり、壁パネルの左右端縁折り
   曲げ部を連結部材の係合部に係合させて防水パンの周縁
   部に壁パネルを立設させる浴室ユニットにおいて、前記
   防水パンの周縁部に段差部が形成され、前記支柱は、防
   水パンの上方の周縁部に配設された下金具に連結され
   て、もしくは、直接連結されて立設されるとともに、防
   水パンの下方の周縁部に配設された位置出し下金具に連
   結されて立設され、さらに、段差部に臨んで上方の周縁
   部に立設された支柱の直下に位置して位置出し下金具の
   一端に段差金具が連結されてなり、段差部に沿って防水
   パンの下方の周縁部に立設される壁パネルの一方端縁の
   下端部を段差金具を介して支持することを特徴とする浴
   室ユニットにおける壁パネルの接続構造。