JPH0427437Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、浴槽本体上縁部と浴室壁面間に設け
られるタイルパネル、カウンター等を簡易に取付
可能にした浴槽に関するものである。

（従来技術） 従来、第７図に示すように浴槽本体５１の上
縁部と浴室５２の壁面５３間に取り付けられるタ
イルパネル５４は、浴室５２の内壁面５３に取着
された、例えばステンレススチールのアングルで
形成された支持材５５，５６或いは支持材５８，
５９に載置固定され、又、洗面用具等を置いたり
するためのカウンター６０は、床面５７に取り付
けられた支持フレーム６１，６２に載置固定さ
れ、その後、第８図及び第９図に示すように、壁
面５３とタイルパネル５４間の隙間、タイルパネ
ル５４と浴槽本体５１間の隙間、及び壁面５３と
カウンター６０間の隙間を、例えばシリコーン材
６３により充填し、水の浸入の防止或いは美観を
保つように施工されるものであつた。

（考案が解決しようとする問題点） 上記従来の工法により、浴槽本体５１の上縁部
と浴室５２の壁面５３間にタイルパネル５４及び
カウンター６０を安定した状態に取り付けるため
には、前記支持材５５、５６のタイルパネル載置
面高さ及び支持材５８，５９のタイルパネル載置
面高さをそれぞれ均一に施工する必要があり、同
様に前記支持フレーム６１，６２のカウンター載
置面高さを均一に施工する必要があつた。

しかしながら、一般に建家の床面及び壁面は数
mm、場合によりcmのオーダで高低差或いは凹凸が
あるため、前記支持材５５，５６，５８，５９の
前記タイルパネル載置面高さ及び前記支持フレー
ム６１，６２の前記カウンター載置面高さが均一
になるように調整施工するためには長時間の調整
作業が必要であつた。さらに、浴槽本体上縁端面
とタイルパネル５４の端面間に隙間ができて、所
謂「納まり」が悪いという状態になることがあつ
た。

そこで本考案においては、前記従来の施工で用
いられた取付用の支持材及び支持フレームを用い
ることなく、タイルパネル、カウンターの取付け
が簡単に、かつ短時間にできるように浴槽本体上
縁部に、タイルパネル、カウンター取付用の設置
縁を浴槽本体と一体的に形成することを解決すべ
き技術的課題とするものである。

（問題点を解決するための手段） 上記課題解決のための技術的手段は、浴室内に
設置され、同浴室内壁面と浴槽本体上縁部間にタ
イルパネル、カウンター等が設けられる浴槽であ
つて、前記浴槽本体の前記浴室内壁面と対応する
上縁部には同内壁面に向つて張出す設置縁を形成
するとともに、該設置縁と対応する内壁面には同
設置縁とにより前記タイルパネル、カウンター等
を支持可能に受け金具を配設する構成としたこと
である。

（作用） 上記構成の浴槽によれば、前記浴槽本体上縁部
に同浴槽本体と一体的に、前記タイルパネル、カ
ウンターを設置するための設置縁が形成されてお
り、同設置縁に前記タイルパネル，カウンターを
設置する場合、前記従来のような支持材或いは支
持フレームの高さ調節が不必要になり短時間の簡
易施工が可能になる。

（実施例） 次に、本考案の実施例を図面に従つて説明す
る。

第１図は本考案の第１実施例の斜視外観図であ
る。

強化プラスチツク或いはホーロー等で形成され
た浴槽本体１の上縁部のうち、浴室２の壁面８
Ａ，８Ｂ，８Ｃと対面する３方の上縁部には、浴
槽本体１と浴室２の壁面の間に設けられるタイル
パネル３及びカウンター４を設置するための設置
縁５が浴槽本体１と一体成形されている。上記設
置縁５は第２図及び第３図の拡大断面図に示すよ
うに、その端面６がそれぞれ壁面８Ａ，８Ｂ，８
Ｃに当接するように設置縁５の奥行寸法が定めら
れている。そして第２図、第３図に示すように、
上記壁面と平行に接触するように直角状に曲げら
れた設置縁５の端面６は、壁面８Ａ，８Ｂ，８Ｃ
にそれぞれ取り付けられた複数の固定金具１０そ
れぞれにより支持され固定される。同固定金具１
０はステンレススチールで形成され、上方部分は
前記設置縁５のそれぞれの端面６の厚さに等しい
空隙をそれぞれの壁面８Ａ，８Ｂ，８Ｃとの間に
作るように曲げられている。

設置縁５のそれぞれの端面６が上記固定金具１
０に支持固定された後、第１図に示すようにタイ
ルパネル３及びカウンター４が設置縁５上に載置
され、シリコーン材を用いた接着法等により固定
される。この場合、設置縁５を壁面８Ａ，８Ｂ，
８Ｃに対し洗い場側へ傾斜させて形成しておけ
ば、載置されたタイルパネル３及びカウンター４
上の水滴等が良好に洗い場側に流出され、タイル
パネル３及びカウンター４面上を清潔に保持し得
るものである。

尚、前記設置縁５上に直接タイルを貼つても良
い。

以上のように、予め浴槽本体１の上縁部に設置
縁５を浴槽本体１と一体的に形成したため、タイ
ルパネル３、カウンター４の設置を極めて簡単に
短時間のうちに行なうことができる。

次に本考案の第２実施例を説明する。

第４図は第２実施例の斜視外観図、第５図及び
第６図は第４図における部分断面詳細図である。

第４図に示すように、浴槽本体２１の上縁部の
うちの浴室２２の壁面２６Ａ，２６Ｂ，２６Ｃと
対面する３方の上縁部には、上記壁面２６Ａ，２
６Ｂ，２６Ｃと浴槽本体２１の上縁部間に取り付
けられるタイルパネル２３及びカウンター２４を
載置するための設置縁２５が浴槽本体２１と一体
的に成形されている。

第５図、第６図に示すように、第２実施例の場
合、タイルパネル２３、カウンター２４はそれぞ
れ一方の端部が前記設置縁２５に載置され、それ
ぞれの他方の端部は浴室２２の壁面２６Ａ，２６
Ｂ，２６Ｃそれぞれに複数個取り付けられた受け
金具２８，２９に載置若しくは挿入されるように
なつている。従つて、設置縁２５は前記第１実施
例と異なり、壁面２６Ａ，２６Ｂ，２６Ｃに至る
ような奥行き寸法ではなく、タイルパネル２３、
カウンター２４の端部が安定した状態で載置でき
る最小寸法で形成されている。

第５図、第６図から明らかなように、受け金具
２８はタイルパネル２３の端部を載置できるよう
な形状に形成されている一方、受け金具２９は前
記第１実施例の固定金具のような形状に形成され
ており、カウンター２４の一方の端面２４Ｂが壁
面２６Ｃとの間に形成された空隙に差し込まれる
ようになつている。

以上のような構成のもとで、第４図に示すよう
にタイルパネル２３が設置縁２５と受け金具２８
に亘つて載置される。又、カウンター２４の一方
の端面２４Ａが設置縁２５に載置され、他方の端
面２４Ｂが受け金具２９に支持される。そして、
タイルパネル２３及びカウンター２４は壁面と浴
槽本体側それぞれの端部がシリコーン材等でシー
ルされる。

（考案の効果） 以上のように本考案によれば、浴槽本体の浴室
内壁面と対応する上縁部には同内壁面に向つて張
出す設置縁を形成するとともに、該設置縁と対応
する内壁面には同設置縁とによりタイルパネル、
カウンター等を支持可能に受け金具を配設する構
成としたものであるから、従来のタイルパネル、
カウンターの取付工事に比較し施工が極めて簡単
になり、短時間のうちに工事を完了させることが
できるとともに、浴槽本体と浴室内壁面との間
の、所謂「納まり」を良好になし得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例の斜視外観説明
図、第２図及び第３図は第１図の部分断面詳細
図、第４図は第２実施例の斜視外観説明図、第５
図及び第６図は第４図の部分断面詳細図、第７図
は従来の技術を説明するための斜視外観図、第８
図及び第９図は第７図の部分詳細説明図である。 １，２１……浴槽本体、３，２３……タイルパ
ネル、４，２４……カウンター、５，２５……設
置縁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 浴室内に設置され、同浴室内壁面と浴槽本体上
   縁部間にタイルパネル、カウンター等が設けられ
   る浴槽であつて、前記浴槽本体の前記浴室内壁面
   と対応する上縁部には同内壁面に向つて張出す設
   置縁を形成するとともに、該設置縁と対応する内
   壁面には同設置縁とにより前記タイルパネル、カ
   ウンター等を支持可能に受け金具を配設する構成
   とした浴槽。