JPH0747475Y2 - ユニットバスの張出し防水パン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は住宅用ユニットバスルームの壁面に沿って、重
量物を載置可能な張出し防水パンを突設形成する技術に
関する。

〔従来技術〕

従来からユニットバスルーム内において、重量物を載置
できるカウンター載置台を付設する技術は公知とされて
いるのである。

例えば特開昭１−284676号公報や特公平１−41323号公
報に記載の技術の如くである。

しかし該従来の技術においては、カウンター載置台の支
持構成が複雑であり、該カウンター載置台を配置したこ
とにより出来る凹部の周囲縁部の防水構造が複雑とな
り、該縁部に出来る隙間から水洩れが発生し、ユニット
バスルームの裏側に漏れだし、黴の発生や住宅構造物の
早期腐食等の原因となっていたのである。

故に、特公平１−41323号公報に記載の技術において
は、カウンター載置台自体には支持部を設けておらず、
また防水構造をも設けておらず、防水部はその下方に別
の床板を設けて、支持と防水を行っていたのである。

また特開昭１−284676号公報においては、カウンター載
置台自体に防水性を持たせる為に、ユニットバスルーム
壁との間を防水接着剤で固めて、防水の確実性を得てい
るのである。

また該カウンター載置台を支持する為に、支持水平枠と
支持垂直枠を複雑に設けて、カウンター載置台の支持を
行っていたのである。

〔考案が解決すべき課題〕

本考案は従来からあるカウンター載置台の装着を簡単に
するものであり、従来の如く、ユニットバスルーム壁21
の一部としてカウンター載置台を付設する場合には、ユ
ニットバスルームの全体の設計から変更する必要があ
り、また該カウンター載置台の部分の水洩れシール機構
が複雑となるのである。

本考案においては、ユニットバスルーム壁21とメイン防
水パン３との間に、カウンター載置台を位置させる空間
を設け、該空間に下方から張出し防水パンを水平に接当
することにより、簡単にカウンター載置台を構成出来る
ように構成するものである。

〔課題を解決する手段〕

本考案の解決すべき課題は以上の如くであり、次に該課
題を解決する手段を説明する。

周囲に防水縁部1a・1b・1cを突出した張出し防水パン１
を、ユニットバスルーム壁21の下端部に下方から接当
し、該張出し防水パン１の下方から、ユニットバスルー
ム壁21の下端部への押圧接当を行う水平支持台６を配置
したものである。

〔作用〕

本考案の構成は以上の如くであり、次に本考案の作用を
説明する。

張出し防水パン１をユニットバスルーム壁21の下端の切
放し部分に接当するだけでは、該張出し防水パン１の水
平度が出ていない場合には、ユニットバスルーム壁21と
張出し防水パン１の間に間隙が出来てしまうのである。

この水平度を出す為に、張出し防水パン１を下面から押
圧する場合には、張出し防水パン１が強度の弱い平板の
場合には、張出し防水パン１自体が歪んで、水平支持台
６から押圧しても水平度を得ることが出来ないのであ
る。

本考案は張出し防水パン１自体に横補強パイプ4a・4bと
縦補強パイプ5a・5bを一体的に埋め込み成形しており、
また張出し防水パン１の周囲に防水縁部1a・1b・1cを突
出しているので、張出し防水パン１の強度を増してお
り、該張出し防水パン１の下面から水平支持台６の上の
水平調節ボルト７・７により押圧しても、該張出し防水
パン１は歪むことが無く、強い力でユニットバスルーム
壁21の下端に張出し防水パン１を接当押圧することがで
き、かつ水平状態で押圧することが出来るのである。

〔実施例〕

本考案の解決すべき課題及び解決する手段は以上の如く
であり、次に添付の図面に示した実施例の構成を説明す
る。

第１図はユニットバスルームのユニットバス部分の斜視
図、第２図は同じく浴室鏡25と小物載置部24の近辺の斜
視図、第３図はユニットバスルームと洗面化粧室内の平
面図である。

住宅内において、水回りの室である洗面化粧室とユニッ
トバスルームとは隣接した空間に構成されている。

そして洗面化粧室のドア31を開けて入ると、洗面カウン
ター30と洗面ボール29が配置されている。また洗面化粧
室内に便器28が配置されている。

該洗面化粧室からユニットバスルームへのドア27を開け
て入ると、メイン防水パン３により構成された床部があ
り、次にユニットバス19が延設されている。

ユニットバス19にバスカラン20が配置されており、また
洗い場を構成するメイン防水パン３の部分に洗い場カラ
ン23が設けられている。

洗い場カラン23よりシャワーユニット22が延長可能とさ
れており、また洗い場カラン23の上部には浴室鏡25と小
物載置部24がユニット状に設けられている。

通常のユニットバスルームにおいては、該ユニットバス
19とメイン防水パン３の端部からユニットバスルーム壁
21が立設されているのであるが、本考案においては、入
浴中においてテレビを見たり、幼児を入浴させる場合の
ベビーベッドを置いたりする為にカウンター載置台を設
けているのである。

本考案は該カウンター載置台を、張出し防水パン１によ
り構成したものである。

前述の従来技術において示したユニットバスルームにお
いては、該カウンター載置台を、平面板を当てることに
より構成していたので、該カウンター載置台の下方から
の支持の為に、ユニットバスルームの全体の設計変更が
求められ、簡単な構造でカウンター載置台を取付けるこ
とが出来なかったのである。

また該カウンター載置台が平面板である為に、周囲の３
辺の結合部の防水を確実にする必要があったのである。

第４図は本考案のユニットバスの張出し防水パン支持部
の外面斜視図、第５図は同じく張出し防水パン１とカウ
ンター前板２と水平支持台６の部分の側面断面図、第６
図は張出し防水パン１の斜視図、第７図は張出し防水パ
ン１を逆さにした状態の斜視図、第８図・第９図はカウ
ンター前板２と防水縁部14′・14″との接合部の他の実
施例を示す側面断面図である。

本考案のカウンター載置台は単なる載置台として付設す
るのではなく、第５図・第６図に示す如く、最初からメ
イン防水パン３と同様の３方向に防水縁部1a・1b・1cを
立設した防水パンにて構成しているのである。

故に、該張出し防水パン１の周囲に防水縁部1a・1b・1c
が設けられているので、該部分にユニットバスルーム壁
21を延長固定する必要はなく、該ユニットバスルーム壁
21の下端部の切り放しの部分に、下方から張出し防水パ
ン１を接当して、該張出し防水パン１を下方から支持す
るだけで良いように構成しているのである。

しかし、該張出し防水パン１が平板であり、強度的に弱
い場合には、下方から接当すべく押圧しても、張出し防
水パン１の平板部分が曲がってしまい、ユニットバスル
ーム壁21の下端部に水平状態で接当することが不可能な
のである。

故に本考案においては、該張出し防水パン１自体を、床
部を構成するメイン防水パン３と同じ構成と材質で構成
し、張出し防水パン１の強度を得る為の補強パイプ4a・
4b・5a・5bも張出し防水パン１と一体的に成形してい
る。

即ち横補強パイプ4a・4bと縦補強パイプ5a・5bにより四
角な枠組を構成し、該補強パイプ枠組を、張出し防水パ
ン１の裏面に合成樹脂の吹きつけ成形により一体化して
いるのである。

張出し防水パン１の表面は合成樹脂や大理石等の化粧板
により構成している。

また本実施例においては、張出し防水パン１の前端にオ
ーバーハング縁部1dを構成し、該オーバーハング縁部1d
の部分を、下方から延設されたカウンター前板２の上に
オーバーハング状態で被せているのである。

該オーバーハング縁部1dとカウンター前板２の上方から
の被覆構成により、張出し防水パン１を伝わって来る水
滴をカウンター前板２の裏面に案内することなく、メイ
ン防水パン３の内側に案内することが出来るのである。

該カウンター前板２は、第４図の断面図において示す如
く、化粧タイルを貼設したものであってもよいし、張出
し防水パン１と同じく化粧板により構成したものであっ
ても良いものである。

又該カウンター前板２の裏面に、補強杆17を一体的に付
設している。そして該補強杆17に支持杆10を取付ボルト
18・18により取着している。

次に第４図・第５図により、張出し防水パン１とカウン
ター前板２の取付け構造を説明する。

メイン防水パン３も張出し防水パン１と略同じような構
成とされており、周囲に防水縁部14が立設されており、
該防水縁部14の内側上部にユニットバスルーム壁21の下
端、及びカウンター前板２の下端を載置し、洩れた水が
内側へ流れるように構成しているのである。そして底部
は固定ナット15と高さ調節ボルト12により住宅基礎面か
ら支持している。

本考案のカウンター前板２は該防水縁部14の上に、カウ
ンター前板２の下端部分を載置し、補強杆17に取付ボル
ト18・18により付設した支持杆10により支持している。

該カウンター前板２の上にオーバーハング縁部1dを被せ
て、張出し防水パン１を載置し、該張出し防水パン１は
横補強パイプ4a・4bの部分に接当した水平調節台８・８
により水平状態を出しながら、ユニットバスルーム壁21
の下端に接当しているのである。

張出し防水パン１の部分を持ち上げて、ユニットバス壁
21の下端部に張出し防水パン１の上面を接当し、該状態
で、下方から押圧することにより固定している。

即ち、張出し防水パン１を構成する横補強パイプ4a・4b
の下面に、水平調節台８・８を接当し、該水平調節台８
・８の下部には水平調節ボルト７・７が連設されてい
る。そして該水平調節ボルト７・７は水平支持台６から
突出配置している。

該水平支持台６は一方を補強杆17に支持したい支持杆10
に固定されており、他方を支持杆11により支持されてい
る。該支持杆11の下端には固定ナット16が設けられて高
さ調節ボルト13により高さ調節している。

第８図・第９図においては、カウンター前板２の下端と
防水縁部14の部分の他の支持構成を示している。

第５図においては、防水縁部14の内側に補強杆17を載置
しているが、第８図においては防水縁部14″の上に補強
杆17の下端を載置し、同様にカウンター前板２の下端も
防水縁部14″の上に載置しているのである。

第９図においては、補強杆17は住宅の基礎土台の部分ま
で伸ばして支持し、カウンター前板２の部分だけを防水
縁部14′の上に載置した構成としているのである。

このように防水縁部14′及び14″の上にカウンター前板
２を載置することが出来るのは、張出し防水パン１のオ
ーバーハング縁部1dにより、カウンター前板２には水滴
が付着することが少なくなり、カウンター前板２とメイ
ン防水パン３の間の水洩れが少ないからである。

〔考案の効果〕

本考案は以上の如く構成したので、次のような効果を奏
するものである。

第１に、張出し防水パン１に横補強パイプ4a・4bと縦補
強パイプ5a・5bを一体的に構成し、更に防水縁部1a・1b
・1cも設けたので、張出し防水パン１自体は十分な強度
を有するものとすることができ、張出し防水パン１の下
方に水平調節台８・８を当てて、該水平調節台８・８を
水平調節ボルト７・７により水平調整しながら、押圧し
ても、張出し防水パン１は平面を出した状態で接当され
ることができ、ユニットバスルーム壁21と張出し防水パ
ン１との確実な結合状態を得ることが出来るのである。

第２に、張出し防水パン１の下方に水平調節台８・８と
水平調節ボルト７・７を介して、水平支持台６を設けた
ことにより、ユニットバスルーム壁21やメイン防水パン
３の組立終了後に、張出し防水パン１を組立てる場合に
おいて、水平調節ボルト７・７の調節により、ユニット
バスルーム壁21やメイン防水パン３が傾いていても、張
出し防水パン１を接当押圧することが可能となったもの
であり、組立工事を容易にすることが出来たものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はユニットバスルームのユニットバス部分の斜視
図、第２図は同じく浴室鏡25と小物載置部24の近辺の斜
視図、第３図はユニットバスルームと洗面化粧室内の平
面図、第４図は本考案のユニットバスの張出し防水パン
支持部の外面斜視図、第５図は同じく張出し防水パン１
とカウンター前板２と水平支持台６の部分の側面断面
図、第６図は張出し防水パン１の斜視図、第７図は張出
し防水パン１を逆さにした状態の斜視図、第８図・第９
図はカウンター前板２と防水縁部14′・14″との接合部
の他の実施例を示す側面断面図である。 １……張出し防水パン 1a,1b,1c……防水縁部 ２……カウンター前板 ３……メイン防水パン 4a・4b……横補強パイプ 5a・5b……縦補強パイプ ６……水平支持台 ７……水平調節ボルト 21……ユニットバスルーム壁

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】周囲に防水縁部を突出した張出し防水パン
   を、ユニットバスルーム壁の下端部に下方から接当し、
   該張出し防水パンの下方から、ユニットバスルーム壁の
   下端部への押圧接当を行う水平支持台を配置したことを
   特徴とするユニットバスの張出し防水パン。