JP3589627B2 - カウンターの取付構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばシステムバス等の浴室の洗い場の壁パネル側に設けられるカウンターの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、浴室のカウンターは、図7及び図8に示すように、格子状金具101とL型金具102、103からなる取付金具によって、浴室の洗い場の隣設する壁パネル104、105に取り付けられている。格子状金具101は、その交差部が溶接、ネジ等で固定された左右方向の1枚の水平板101a及び前後方向の2枚の水平板101bと、水平板101aの両端部に下方に向けて固定された2枚の垂直板101cからなり、各水平板101a、101bの一端部が壁パネル105、104にネジ106でそれぞれ固定され、垂直板101cの下端が洗い場フロアー107に蝶ボルト108で固定されている。
【0003】
また、L型金具102は壁パネル104に所定間隔でネジ106で固定され、L型金具103は壁パネル105にネジ106で固定されている。このカウンター100の取り付けは、先ず、洗い場フロアー107に支持されると共に壁パネル104、105に固定された格子状金具101と、壁パネル104、105に固定されたL型金具102、103上に、例えば人工大理石で形成されたカウンター100の裏面支持部をそれぞれ載置する。そして、格子状金具101やL型金具102に設けた取付孔からカウンター100の裏面固定部100aにネジ109をネジ込むことによって、カウンター100が取付金具を介して、壁パネル104、105とバスタブの洗い場側側面110との間に取り付けられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このカウンター100の取付構造にあっては、格子状金具101と3つのL型金具102、103からなる取付金具を必要とし、特に格子状金具101が水平板101a、101bや垂直板101cを格子状に組み付けて各板101a〜101cの端部を壁パネル104、105等に固定する構造であるため、カウンター100の施工作業が複雑かつ面倒になり易いという問題点を有している。
【0005】
すなわち、格子状金具101の各板101a〜101cやL型金具102、103を、壁パネル104、105や洗い場フロアー107に固定したり、格子状金具101の3枚の水平板101a、101bの両端部をカウンター100の裏面固定部100aにそれぞれ固定する必要があるため、その取付作業が面倒になると共に、格子状金具101自体の組付作業も必要になってその作業も面倒になる。また、格子状金具101の水平板101aをカウンター100の長さと略等しい長さに設定して取付強度を確保する必要があるため、水平板101aの長さが長くなって、格子状金具101の洗い場側側面110と壁パネル105間に形成される設置空間への出し入れ作業が面倒になる等、カウンター100の施工作業が複雑かつ面倒となる。
【0006】
また、カウンター100を取り付けるための取付金具が、合計5枚の水平板101a、101b及び垂直板101cからなる格子状金具101と、合計3つのL型金具102、103とで形成されているため、取付金具自体の部品数が多くなって部品コストがアップし、施工コストのアップを招き易いという問題点も有している。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、取付作業が容易に行えて施工の簡略化が図れると共に部品点数を削減して施工コストの低減化が図れ、かつカウンターに所定の取付強度が得られるカウンターの取付構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、浴室内に設置されるバスタブの洗い場側側面の後端部と洗い場の隣設する壁パネルとの間に取り付けられるカウンターの取付構造であって、長手方向の両端部と後端部に下方に突出すると共に複数の取付孔が穿設された固定部が一体形成されたカウンター本体を備え、該カウンター本体の一方の端部と後端部に形成された固定部を、前記洗い場の隣設する壁パネルにネジで直接固定すると共に、他方の端部に形成された固定部を、バスタブの洗い場側側面をバスタブエプロンと2分割構造で形成し該バスタブエプロンの後方側に略面一状態で連結配置されるカウンター固定部材に固定したことを特徴とする。
【0009】
このように構成することにより、例えば人工大理石等で形成されたカウンター本体は、浴室洗い場の隣設する壁パネルに対応した一方の端部と後端部に、下方に突出すると共に複数の取付孔が穿設された固定部が一体形成され、この固定部がネジで壁パネルに直接固定されると共に、他方の端部に形成された固定部がバスタブの洗い場側側面にバスタブエプロンと2分割構造で設けられたカウンター固定部材に固定される。これにより、カウンター本体の壁パネルへの取り付け時に、複雑な形状の取付金具等が不要となることから、金具自体の組付作業が不要になると共に壁パネルへの取付作業も容易となって、施工作業が簡略化される。また、カウンター本体が直接壁パネルに固定されることから、取り付けのための部品点数が大幅に削減されて施工コストの低減化が図れると共に、直接固定により所定の取付強度が得られる。
【0010】
また、請求項2記載の発明は、カウンター本体の前端部が支持手段を介して洗い場フロアーに支持されていることを特徴とする。このように構成することにより、カウンター本体の前端部が、例えば垂直板等の支持手段で洗い場フロアーに支持されることから、カウンター本体の前端部が確実に支持されて、カウンター自体により強固な取付状態が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図6は、本発明に係わるカウンターの取付構造の一実施例を示し、図1がその分解斜視図、図2が取付状態の正面側の断面図、図3がその側面側の断面図、図4〜図6がカウンター本体の平面図、正面図、右側面図である。
【0012】
図1において、カウンター1は、平面視で略長方形状に形成されたカウンター本体2と、このカウンター本体2の前端部2a下部に垂直状態で配置されるカウンターエプロン3を有している。前記カウンター本体2は、例えば人工大理石によって形成され、その長手方向の略中央部分には、前方に円弧形状に膨らむと共に長手方向の左右端部2b、2dに対して僅かに高く設定された洗面器置き部4が一体形成されている。
【0013】
また、カウンター本体2には、図4〜図6に示すように、左右端部2b、2d後方と後端部2cに下方に突出した板状の固定部5a〜5cが一体形成され、この固定部5a〜5cには複数の取付孔6がそれぞれ穿設されている。なお、カウンター本体2の後端部2cには、全長に亘って立ち上がり壁2eが一体形成されると共に、その中央には水栓等の配管のための凹部7が形成されている。また、カウンター本体2の裏面には所定形状のリブ8が一体形成され、このリブ8に連なる状態で所定位置に複数個の金具固定リブ部9が一体形成されている。
【0014】
前記カウンターエプロン3は、図1に示すように、その長手方向の略中央上部にカウンター本体2の洗面器置き部4に対応して前方に膨らんだ膨出部3aが形成されると共に、左右両端の上部角部には、カウンター本体2の前端部2a角部が係合する切欠状の係合部3bがそれぞれ形成されている。
【0015】
そして、このように形成されたカウンター本体2とカウンターエプロン3は、浴室洗い場の隣設する壁パネルとバスタブの洗い場側側面に、次のようにして取り付けられている。以下、このカウンター1の取付構造を取付方法の一例と併せて説明する。先ず、図2及び図3に示すように、1枚の水平板10aとこの水平板10aの両端部にネジ止め等された2枚の垂直板10bからなる、支持手段としての取付金具10を準備すると共に、図1に示すように、バスタブの洗い場側側面11を、バスタブエプロン12とカウンター支持部としてのカウンター固定部材13との2分割構造に設定する。
【0016】
この時、取付金具10は、その水平板10aの長さを従来のようにカウンター本体2の長手方向の全長に亘る長さに設定する必要がなく、全長より短い長さに設定されると共に、水平板10aの両端部に下方に指向させて垂直板10bをそれぞれ固定すればよいことから、その形状が簡略されている。
【0017】
また、カウンター固定部材13は、洗い場側の固定面13aの後端部に設けられて壁パネル18に固定される壁パネル固定部14と、固定面13aの所定高さ位置に設けられてカウンター本体2の左端部2bが位置決め載置されるカウンター係合部15と、壁パネル固定部14と反対側の端面に設けられてバスタブエプロン12の端部が連結される連結部16と、カウンター係合部15の下部に穿設された配管用の開口部17等を有して、樹脂(人工大理石を含む)によって一体成形されている。なお、カウンター固定部材13には、その裏面にリブ20が設けられており、このリブ20の所定位置にはカウンター固定リブ部21が一体形成されている。
【0018】
そして、このカウンター固定部材13は、壁パネル固定部14をその取付孔14aを利用して壁パネル18の所定位置にネジ29で固定することにより、バスタブエプロン12の後方側に略面一状態で連結配置されて、バスタブの洗い場側側面11を形成している。このカウンター固定部材13の壁パネル18への固定時に、例えばカウンター固定部材13の壁パネル固定部14を、壁パネル18を形成する2枚のパネル材の図示しない接続部に位置決めすることによって、カウンター係合部15の左右方向の位置が正確に設定されて、カウンター本体2が壁パネル19とカウンター固定部材13間に良好な収まり状態で設置される。
【0019】
カウンター固定部材13を壁パネル18に固定したら、次にカウンター本体2の後端部2cの固定部5bを壁パネル18に、また右端部2dの固定部5cを壁パネル19のそれぞれ所定高さ位置に当接させて、各固定部5b、5cの取付孔6からネジ22を壁パネル18、19にネジ込み、カウンター本体2の固定部5b、5cを隣設する壁パネル18、19に固定する。
【0020】
また、カウンター本体2の左端部2bをカウンター固定部材13のカウンター係合部15上に載置係合させて、左端部2bの固定部5aの取付孔6を利用して、カウンター固定部材13のカウンター固定リブ部21にネジ22をねじ込み両部材を固定する。これらの固定で、カウンター本体2の各固定部5a〜5cが壁パネル18、19とカウンター固定部材13にネジ22でそれぞれ直接固定されることになる。
【0021】
そして、カウンター本体2を壁パネル18、19等に固定したら、次に取付金具10をカウンター本体2の下部空間内に位置させて、取付金具10の水平板10aの両端に穿設された取付孔から、ネジをカウンター本体2の金具固定リブ部9にねじ込み、カウンター本体2に取付金具10を固定する。また、上端部がカウンター本体2に固定された取付金具10の垂直板10bの下端を、洗い場フロアー24(洗い場防水パン)に固定されている蝶ボルト25に蝶ナット26で固定する。
【0022】
次にこの状態で、カウンター本体2の前端部2a裏面に設けられたエプロン嵌合溝2f(図3参照)にカウンターエプロン3の上端部をはめ込み、このカウンターエプロン3の下端を前記蝶ボルト25に固定された取付板27に取付ネジ28で固定することにより、カウンターエプロン3がカウンター本体2に取り付けられて、カウンター本体2の前端部2a下部の開口がカウンターエプロン3で閉塞される。これにより、カウンター1の施工(取付)作業が終了する。
【0023】
なお、以上の例では、取付金具10を使用してカウンター本体2を洗い場フロアー24に支持させたが、カウンター本体2の各固定部5a〜5cがカウンター固定部材13や壁パネル18、19に直接固定されて所定の取付強度が得られること、あるいはカウンターエプロン3にカウンター本体2の支持強度を持たせること等によって、取付金具10を省略することもできるし、取付金具10として単に垂直板10bのみを使用することもできる。また、以上の取付方法は一例であって、例えば取付金具10の上端部をカウンター本体2に固定した後に、カウンター本体2を壁パネル18、19等に固定することもできる。
【0024】
このように、上記実施例のカウンター1にあっては、カウンター本体2の左右端部2b、2dと後端部2cに下方に突出した板状の固定部5a〜5cを一体成形し、この固定部5a〜5cの取付孔6を利用してネジ22により、固定部5a〜5cを壁パネル18、19やカウンター固定部材13に直接固定する構造であるため、カウンター本体2を壁パネル18、19等で支持することができて、従来のような複雑な形状の格子状金具101を使用することなく、洗い場の隣設する壁パネル18、19部分にカウンター1を設置することができる。
【0025】
特に、カウンター本体2が直接壁パネル18、19に固定支持されることから、取付金具10の水平板10aの長さを従来のように長くする必要がなくなり、取付金具10のカウンター本体2下部への配置作業を容易に行うことができると共に、取付金具10の組み付けを1枚の水平板10aと2枚の垂直板10bの連結固定だけで容易に行うことができる。その結果、壁パネル18、19への固定箇所数や取付金具10のカウンター本体2への固定箇所数が極力少なくなると共に、従来の格子状金具101のような取付金具10自体の複雑な組付作業も不要となり、カウンター1の取付作業が簡略化されて簡単に取り付けることが可能になる。
【0026】
また、取付金具10を使用しない場合は勿論のこと、取付金具10を使用する場合であっても、カウンター本体2が壁パネル18、19に所定の強度で直接固定支持される構造であるため、取付金具10自体の構成を例えば1枚の水平板10aと2枚の垂直板10bで形成して簡略化することができると共に、1つの取付金具10の使用でよく、従来のような格子状金具101や複数個のL型金具102、103等が不要になって、取付用の部品点数を大幅に削減することができる。その結果、取付用の部品コストを低減させることができて、カウンター1の施工コストの低減化を図ることが可能になる。
【0027】
さらに、所定の剛性を有して壁パネル18、19に直接固定支持されたカウンター本体2の前端部2aが、取付金具10を介して洗い場フロアー24に支持されているため、カウンター本体2の前端部2aの支持強度をアップさせることができて、カウンター1に十分な取付強度と安全性を確保することができる。また、バスタブ壁面11を2分割してカウンター固定部材13を設定し、このカウンター固定部材13を壁パネル18に固定した状態でカウンター固定部材13にカウンター本体2の左端部2bをネジ22で固定できるため、カウンター本体2の長手方向である左右端部2b、2dが確実に固定支持されて、その取付強度をよりアップさせることが可能になる。
【0028】
また、バスタブの洗い場側側面11にカウンター固定部材13を設定し、このカウンター固定部材13を壁パネル18の所定位置に固定することで、カウンター本体2の位置決めが正確かつ容易に行えるため、カウンター1の施工作業が一層簡単に行えると共に、取付状態においてカウンター本体2の周囲に大きな隙間の発生がなくなる等、取付状態のカウンター1の見栄えの向上を図ることができると共に、例えばカウンター本体2と壁パネル18、19間のシール作業も容易に行うことができる。またさらに、カウンター本体2に凸状で所定面積の洗面器置き部4が一体形成されているため、この洗面器置き部4上に洗い場で使用する洗面器を安定して置くことができて、カウンター1(すなわち浴室)の使い勝手の向上を図ることができる。
【0029】
なお、上記実施例において、固定部5a〜5cの位置や個数も一例であって、例えば左右端部2b、2dや後端部2cに複数箇所設ける等、カウンター本体2の大きさや材質による重量の大小によって適宜に変更することができる。また、上記実施例における、カウンター本体2の固定部5a〜5dの形状やカウンター本体2あるいはカウンターエプロン3の形状、カウンター本体2とカウンターエプロン3の連結構造等も一例であって、本発明に係わる各発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更することができる。
【0030】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の発明によれば、カウンター本体の両端部と後端部に下方に突出すると共に複数の取付孔が穿設された固定部が一体形成され、一方の端部と後端部に形成された固定部がネジで壁パネルに直接固定され、他方の端部の固定部がカウンター固定部材に固定されるため、カウンター本体の壁パネルへの取付作業が容易となって施工作業の簡略化を図ることができると共に、取り付けのための部品点数が大幅に削減されて施工コストの低減化が図れ、かつ直接固定により所定の取付強度を容易に得ることができる。
【0031】
また、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加え、カウンター本体の前端部が、例えば垂直板等の支持手段で洗い場フロアーに支持されるため、カウンター本体の前端部が確実に支持されて、カウンター自体により強固な取付状態を得ることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるカウンターの取付構造の一実施例を示す分解斜視図
【図2】同その取付状態の正面側の断面図
【図3】同その側面側の断面図
【図4】同カウンター本体の平面図
【図5】同その正面図
【図6】同その側面図
【図7】従来のカウンターの取付構造を示す概略平面図
【図8】同その概略正面図
【符号の説明】
1・・・・・・・・・カウンター
2・・・・・・・・・カウンター本体
3・・・・・・・・・カウンターエプロン
4・・・・・・・・・洗面器置き部
5a〜5c・・・・・固定部
9・・・・・・・・・金具固定リブ部
10・・・・・・・・取付金具
10a・・・・・・・水平板
10b・・・・・・・垂直板
11・・・・・・・・洗い場側側面
12・・・・・・・・バスタブエプロン
13・・・・・・・・カウンター固定部材
14・・・・・・・・壁パネル固定部
15・・・・・・・・カウンター係合部
18、19・・・・・壁パネル
21・・・・・・・・カウンター固定リブ部
24・・・・・・・・洗い場フロアー

Claims (2)

  1. 浴室内に設置されるバスタブの洗い場側側面の後端部と洗い場の隣設する壁パネルとの間に取り付けられるカウンターの取付構造であって、
    長手方向の両端部と後端部に下方に突出すると共に複数の取付孔が穿設された固定部が一体形成されたカウンター本体を備え、該カウンター本体の一方の端部と後端部に形成された固定部を、前記洗い場の隣設する壁パネルにネジで直接固定すると共に、他方の端部に形成された固定部を、バスタブの洗い場側側面をバスタブエプロンと2分割構造で形成し該バスタブエプロンの後方側に略面一状態で連結配置されるカウンター固定部材に固定したことを特徴とするカウンターの取付構造。
  2. 前記カウンター本体は、その前端部が支持手段を介して洗い場フロアーに支持されていることを特徴とする請求項1に記載のカウンターの取付構造。
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