JPH028035Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、防水パンや洗い場浴槽などの床パン
周囲縁に形成された壁載置面上に、壁パネルによ
つて形成した基礎外壁と天然木板によつて形成し
た仕上げ内壁とを立設組立てて側壁を構成して成
るユニツトバスルームに関し、特に仕上げ内壁の
取付構造に関するものである。

〈従来の技術〉 従来、此種ユニツトバスルームにおける側壁構
造は、予め天然木板を壁パネルに接着剤等で直接
貼り付けて表面に天然木板を一体に備えた壁パネ
ルを防水パンや洗い場付浴槽などの床パン周囲縁
の壁載置面上に立設組立てて側壁を構成してい
た。即ち壁パネルによつて形成した基礎外壁表面
に、天然木板にて形成した仕上げ内壁を直接貼り
付けてなる該仕上げ内壁の取付構造であつた。

ところが、此種ユニツトバスルームの側壁を構
成する基礎外壁に剛性、耐久性、防水性等を付与
する必要上、該基礎外壁を形成する壁パネルは金
属系又は無機質部材によつて形成されているのが
一般的であるため、ルーム内の温度や湿度これら
の変化時における基礎外壁を形成する壁パネルと
仕上げ内壁を形成する天然木板との相互の寸法変
形伸縮率が大きく異なるものである。その結果接
着剤等で直接貼り付けられた仕上げ内壁の接着箇
所はルーム内の温度や湿度これらの変化に伴う変
形の繰り返しによつて剥離し、仕上げ内壁が倒れ
落ちる虞れがあつた。

〈考案が解決しようとする問題点〉 本考案が解決しようとする問題点は、天然木板
にて形成された仕上げ内壁を、基礎外壁の動き
（変形動作）に影響されることなく安定した取付
状態にて立設組立てることができ、しかもバスル
ーム内の湿気等が基礎外壁の内側表面に付着し水
滴となつて滴下した場合、バスルームの外部に流
出する虞れのない二重壁構造のユニツトバスルー
ムの提供を目的とする。

〈問題点を解決するための手段〉 上記問題点を解決するために本考案が講じる技
術的手段は、バスルームの側壁を構成する基礎外
壁を床パン周囲縁の壁載置面上に立設すると共
に、該基礎外壁の内側に間隙を設けて仕上げ内壁
の立設組立てたことを特徴とする。

〈作用〉 而して、上記した本考案の技術的手段によれ
ば、基礎外壁と仕上げ内壁とは間隙によつて分離
されていることから、バスルーム内の温度変化や
湿度変化に伴う基礎外壁の変形と仕上げ内壁の変
形とは独立した動きになる。しかも、基礎外壁は
床パン周囲縁の壁載置面上に設けられていること
から、バスルーム内の湿気等が仕上げ内壁との間
隙内に入り込んで基礎外壁の内側表面に付着し、
それが水滴となつて滴下した場合、床パン周囲縁
の壁載置面からルーム内に流れ落ちる。

〈実施例〉 本考案の実施の一例を図面に基づいて説明する
と、バスルーム本体は防水パンや図示した様に浴
槽a₁と洗い場a₂とを連設成形してなる洗い場付浴
槽Ａなどを含む床パン周囲縁に形成された壁載置
面１上に支柱２を介して多数枚の壁パネル３を起
立状に連結載置して洗い場a₂側の一部を除いた周
囲に剛性、耐久性、防水性等を付与した基礎外壁
b₁を形成すると共に、その基礎外壁b₁の表面との
間に間隙４を設けて天然木板５にて形成した仕上
げ内壁b₂を取付けて側壁Ｂを組立構成し、更に前
記洗い場a₂側の一部には扉６を装備させたドア枠
７を組み込み設置してバスルーム本体の周囲を囲
繞形成する。

仕上げ内壁b₂は、バスルーム本体内に天然木が
持つ装飾的美観を付与するためのもので、基礎外
壁b₁と略同じ高さとなる長さに截断した多数枚の
天然木板５…を周知の接合構造を用いて一連に隣
接接合してバスルーム本体の各基礎外壁b₁と略同
じ大きさに形成し、且つその上下縁裏面に薄肉状
の連結縁枠８を夫々横架付設すると共に、その上
下の連結縁枠８間に適宜間隔をおいて厚肉状の胴
縁枠９を夫々横架付設して仕上げ内壁b₂を形成す
る。尚、この胴縁枠９の肉厚は基礎外壁b₁表面と
仕上げ内壁b₂裏面との間に設ける間隙４の間隙幅
と対応させた肉幅となる。

斯る本考案は仕上げ内壁b₂の裏面に横架付設し
た胴縁枠９でもつて基礎外壁b₁表面間に間隙４を
形成する様にしたものである（第１図）。

間隙４は、基礎外壁b₁と仕上げ内壁b₂とを分離
させてルーム内の温度や湿度これらの変化時にお
ける基礎外壁b₁を形成せる壁パネル３相互の変形
と仕上げ内壁b₂を形成する天然木板５相互の変形
とを独立させた働きをさせるためのもので、各基
礎外壁b₁の表面間に夫々形成された間隙４は全て
一連に連通させる（第２図）。

また、ドア枠７が組み込まれた基礎外壁b₁に取
付ける仕上げ内壁b₂の一側端、即ちドア枠７側に
位置せる天然木板５には目隠し突条５ａを同一体
に形成して間隙４がバスルーム本体内から視認で
きない様に図る（第２図、第３図）。

仕上げ内壁b₂の基礎外壁b₁への取付構造は色々
考えられるが本考案実施例にあつては簡単且つ容
易に取付設置できる様に、又長期使用後において
交換する際に簡単に取り外せる様にこられを配慮
して着脱できる様に構成してある。

斯る本考案の取付構造は、仕上げ内壁b₂の裏面
下部に横架付設した胴縁枠９の長さ方向適所にＬ
型の取付金具１０を止めネジ１１で取付装備する
一方、該取付金具１０の取付位置と相対せる基礎
外壁b₁表面にはバネ性を備えた係止ブラケツト１
２を止めネジ１３で取付装備すると共に、更に基
礎外壁b₁の上部近傍における天井壁Ｃに回し縁枠
１４を止着垂設して基礎外壁b₁の表面上部との間
に仕上げ内壁b₂の上端縁を挿し込み係止する係止
空間１５を形成する（第５図）。

而して、本考案はまず初めに仕上げ内壁b₂の上
端縁を係止空間１５内に挿し込んで胴縁枠９を基
礎外壁b₁表面に当接させ、仕上げ内壁b₂を基礎外
壁b₁と平行にする（第６図の二点鎖線）。然る後
仕上げ内壁b₂の下端面が壁載置面１上に載るまで
仕上げ内壁b₂を下して取付金具１０を係止ブラケ
ツト１２の上端縁と基礎外壁b₁表面との間に挟み
込んで係止すれば仕上げ内壁b₂の取付けは完了す
ると共に、基礎外壁b₁表面と仕上げ内壁b₂裏面と
の間に間隙４が設けられた側壁Ｂが構成される
（第５図）。

一方、取り外す場合には仕上げ内壁b₂を持ち上
げて係止ブラケツト１２と取付金具１０との係止
を解除せしめ、仕上げ内壁b₂を手前に引けばよ
い。

従つて、仕上げ内壁b₂の取付け、取り外しを簡
単且容易に行なうことができることから、天然木
板５によつて作られた仕上げ内壁b₂が長年の使用
により本来の機能を失つた場合の新しい仕上げ内
壁b₂との交換を簡単に行なうことができ、しか
も、木目模様を変えた多種多様の仕上げ内壁b₂を
ユニツト化して製作準備しておくことにより、仕
上げ内壁b₂によるバスルーム本体内の模様替えを
定期的に行ない、それによつて、恰も新設（改
築）されたバスルームの雰囲気の中で入浴するこ
とができる。

尚、上記実施例にあつては仕上げ内壁b₂を多数
枚の天然木板５によつて接合形成したものとして
詳述したが、各基礎外壁b₁の大きさに截断した一
枚の天然木板にて形成するも任意である。

〈考案の効果〉 本考案のユニツトバスルームの側壁は叙上の如
く構成してなるから、下記の作用効果を奏する。

バスルーム本体の側壁を構成する基礎外壁を
床パン周囲縁の壁載置面上に載置立設してその
基礎外壁の内側に仕上げ内壁を立設組立ててな
るから、バスルーム内の湿度等が基礎外壁の内
側表面に付着し水滴となつて滴下した場合、該
水滴は壁載置面からバスルーム内に流れ落ち
る。従つて、ユニツトバスルームが設置される
建造物のバスルーム設置空間の床面並びに壁面
等に湿度によるカビ等が発生したり、該バスル
ーム設置空間の床面並びに壁面に湿気（滴下
水）が浸透し、それが長年の間に例えば床面の
内部全域に徐々に及んで下の階の天井等に染み
となつて発生する様な虞れはない。

床パン周囲縁の壁載置面上に載置立設した基
礎外壁の内側に間隙を設けて天然木板によつて
形成した仕上げ内壁を立設組立ててなるから、
バスルーム内の温度変化や湿度変化に伴う基礎
外壁を形成する壁パネルの変化と仕上げ内壁を
形成する天然木板の変形との変形動作を間隙で
もつて独立させた動きにすることが出来る。従
つて、仕上げ内壁は変形伸縮率を異にする基礎
外壁の動きに影響されることなく長期に亘り安
定した取付状態にて立設保持される。

依つて所期の目的を達成し得る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施の一例を示し、第１図は縦
断正面図、第２図は第１図の−線横断平面
図、第３図は同横断平面図の一部を拡大して示す
断面図、第４図は化粧壁を示す斜視図、第５図は
第３図の−線拡大断面図、第６図は化粧壁の
取付状態を示す要部の拡大断面図。 図中、Ａ……洗い場付浴槽（床パン）、Ｂ……
側壁、b₁……基礎外壁、b₂……仕上げ内壁、１…
…壁載置面、３……壁パネル、４……間隙、５…
…天然木板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 側壁を、壁パネルによつて形成した基礎外壁と
   天然木板によつて形成した仕上げ内壁とから組立
   構成して成るユニツトバスルームに於いて、前記
   基礎外壁を床パン周囲縁の壁載置面上に立設する
   と共に、該基礎外壁の内側に間隙を設けて仕上げ
   内壁を立設組立てたことを特徴とするユニツトバ
   スルーム。