JPH0754370Y2 - 設備ユニットにおける前板の取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、トイレ等の衛生設備室を構成する設備ユニ
ットにおける前板の取付構造に関するものである。

（従来技術及びその課題） 従来、例えばトイレ等を構成する設備ユニットは第４図
に示すような構成となっており、トイレの側壁面を構成
する壁パネル１の前面側に大便器２を設置するに際し、
大便器２の裏面側には、通気管4,給水管5,排水管６等を
内蔵した配管ユニット３が前記壁パネル１に沿って設置
され、この配管ユニット３の前面側に１枚状の前板７が
取り付けられ、前板７により配管ユニット３が覆蓋され
るとともに、配管ユニット３の上面側にはカウンター８
が設置され、この前板７の前面側に前記大便器２が設置
されていた。

このような従来構造においては、前板７が１枚状に形成
されたものであるため、大便器２用のフラッシュバルブ
９等は前板７の前面側に設置されてメンテナンスの容易
化が図られているが、前面側にフラッシュバルブ９が露
出するため、トイレ内が繁雑化して美観上好ましくない
という問題点があった。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記従来の問題点に鑑み案出したものであっ
て、フラッシュバルブ等を良好に配管ユニット内に隠蔽
状に配設し、かつメンテナンスを容易に行ない得る設備
ユニットにおける前板の取付構造を提供せんことを目的
とし、その要旨は、給，排水管等を内蔵してなる配管ユ
ニットの前面側に前板を取り付けるとともに、該前板の
前面側に大便器等の衛生陶器を取り付けて構成される設
備ユニットにおいて、前記前板を、前記衛生陶器等を前
面に固定するための取付孔等を有する固定状の下部前板
と、該下部前板に対し着脱可能に前記衛生陶器等のほぼ
上面で分割状に連結され、取り外した時に前記配管ユニ
ット内を点検し得る上部前板とにより構成したことであ
る。

（作用） 配管ユニットの前面側に取り付けられる前板は、下部前
板と上部前板とにより構成されており、下部前板の前面
側に大便器等を取り付けて配管ユニットの前面側に良好
に大便器等を取り付けることができるとともに、フラッ
シュバルブ等を配管ユニット内に内蔵させて構成するこ
とができ、上部前板を取り外して配管ユニット内のフラ
ッシュバルブ等を良好に点検することができ、又、上部
前板により通常はフラッシュバルブ等が隠蔽されるた
め、スッキリとした外観のトイレ構造を得ることができ
る。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

第１図はトイレ内に大便器を取り付けた状態の一部切欠
要部斜視図であり、第２図は設備ユニットを構成する配
管ユニットと前板との要部分解斜視図であり、さらに第
３図は前板の要部分解斜視図である。

図において、トイレを構成するタイルパネル１の前面側
には枠組形成された配管ユニット３が配置されており、
この配管ユニット３の前面側には、上下方向に分割可能
な下部前板7aと上部前板7bが取り付けられており、さら
に上縁部にはカウンター８が取り付けられ、この下部前
板7aと上部前板7b及びカウンター８により配管ユニット
３が隠蔽されたものとなっている。又、前記下部前板7a
の前面側には大便器２が突出状に取り付けられている。
尚、上部前板7bは大便器２のほぼ上面で分割されたもの
である。

又、前記配管ユニット３には、枠組状に形成されたユニ
ットフレーム3a内に横方向に通気管４及び給水管５及び
排水管６が設けられており、その前面側には上部にフッ
ク10a,10aが設けられ、さらに前面側下部部位にはフッ
ク10b,10bが設けられているとともに、前面側下部に取
付板11が設けられている。又、本例においては大便器２
へ洗浄水を噴出させるためのフラッシュバルブ９がこの
ユニットフレーム3a内に内蔵状に配設されている。

一方、この配管ユニット３の前面側に取り付けられる下
部前板7aと上部前板7bのそれぞれの上縁部には、断面Ｌ
字状の掛止板15,15及び16,16が設けられており、掛止板
15,15を前記フック10b,10bに前面側より掛止して、配管
ユニット３の下部部位に前記下部前板7aを固設すること
ができ、又、掛止板16,16をフック10a,10aに前面側より
掛止して、配管ユニット３の前面側に上部前板7bを固設
することができるものとなっている。尚、下部前板7aに
は排水穴12及び給水穴13及びその周囲に４個の取付穴1
4,14,14,14が形成されており、前記取付板11にも同様な
排水穴，給水穴，取付穴が形成されている。この排水穴
12には前記大便器２の排水管が嵌入されて排水管６に接
続可能となっており、又、給水穴13を通しフラッシュバ
ルブ９からの洗浄水を大便器２に流出可能となってい
る。又、取付穴14,14には前面側より取付ボルトｂを挿
入させて、取付ボルトｂを介し大便器２の裏面側を下部
前板7aに固設し得るとともに、下部前板7aを取付板11に
固定可能となっている。

このように取付ボルトb,bを各取付穴14,14,14,14内に挿
入させて、下部前板7aの前面側に大便器２を固定させた
状態で、この下部前板7aに対し上部前板7bを着脱可能に
取り付けることができるものとなっており、第３図に示
すように下部前板7aの上縁部には適数個の貫通穴17が形
成されており、一方、上部前板7bの下縁部には下方に突
出状に適数個の連結棒18,18が形成され、貫通穴17内に
連結棒18を嵌入させることにより、下部前板7aに上部前
板7bを着脱可能に一体化させることができ、貫通穴17に
連結棒18が嵌合状態となった時には、下部前板7aと上部
前板7bの前面側に粘着されているタイルＴの目地線が整
合される構造となっている。

尚、前記下部前板7a及び上部前板7bは、角形鋼管等によ
り枠組形成されたフレームＦの前面側に下地ボードB,B
が貼着され、この下地ボードＢの前面側に接着剤Ｓを介
し複数のタイルT,Tが貼着されたものである。

このような構造において、壁パネル１の前面側に配管ユ
ニット３を配設し、その後に配管ユニット３の前面側に
下部前板7aを取り付け、さらに下部前板7aの前面側に大
便器２を取り付けて、その状態で更に下部前板7aに対し
上部前板7bを取り付け、かつ上面部にカウンター８を取
り付けて、取り付け工事を完了することができ、フラッ
シュバルブ９等が上部前板7bに完全に隠蔽されてスッキ
リとした外観を呈し、トイレ内の美観を極めて向上させ
ることができる。又、フラッシュバルブ９等の点検時に
はカウンター８を取り外し、かつ上部前板7bを上方に持
ち上げることにより、容易に上部前板7bを取り外して前
面側より配管ユニット３内のフラッシュバルブ９等を容
易に点検修理することができ、メンテナンスが容易なも
のとなる。

尚、上記構成は、トイレ以外の他の衛生設備室について
も適用が可能である。

（考案の効果） 本考案は、給，排水管等を内蔵してなる配管ユニットの
前面側に前板を取り付けるとともに、該前板の前面側に
大便器等の衛生陶器を取り付けて構成される設備ユニッ
トにおいて、前記前板を、前記衛生陶器等を前面に固定
するための取付孔等を有する固定状の下部前板と、該下
部前板に対し着脱可能に前記衛生陶器等のほぼ上面で分
割状に連結され、取り外した時に前記配管ユニット内を
点検し得る上部前板とにより構成したことにより、上部
前板を容易に取り外して前面側より配管ユニット内を良
好に点検修理することができ、特に上部前板は衛生陶器
等のほぼ上面で分割されるため、点検用開口を広くで
き、メンテナンスが極めて容易となるとともに、フラッ
シュバルブ等を配管ユニット内に配設して上部前板によ
り良好に隠蔽させることができ、トイレ内等をスッキリ
とした外観形状に仕上げることができる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図は設備ユニットの
取付状態における一部切欠要部斜視構成図、第２図は配
管ユニットと前板との要部分解斜視図、第３図は上部前
板と下部前板の要部分解斜視構成図、第４図は従来の設
備ユニットの構成斜視図である。 １……壁パネル、２……大便器 ３……配管ユニット、7a……下部前板 7b……上部前板、９……フラッシュバルブ 10a,10b……フック 15,16……掛止板、17……貫通穴 18……連結棒

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】給，排水管等を内蔵してなる配管ユニット
   の前面側に前板を取り付けるとともに、該前板の前面側
   に大便器等の衛生陶器を取り付けて構成される設備ユニ
   ットにおいて、前記前板を、前記衛生陶器等を前面に固
   定するための取付孔等を有する固定状の下部前板と、該
   下部前板に対し着脱可能に前記衛生陶器等のほぼ上面で
   分割状に連結され、取り外した時に前記配管ユニット内
   を点検し得る上部前板とにより構成したことを特徴とす
   る設備ユニットにおける前板の取付構造。