JPH0728333Y2 - シャワーブース - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はシャワーブースに関し、詳しくはその取付構
造に特徴を有するものに関する。

（従来の技術） 従来一般のシャワーブースは、ユニット構成部材として
の床パネル，側パネル，天井パネルを箱体状に組み付け
て成るボックス形態のものであり、それ自身が自立式の
ものであって、部屋の内部に単独で設置されてシャワー
ルームを構成するようになっている。

ところでこの種形態のシャワーブースは、上記の如く自
立式のものであって特に壁等特定の構造体による支持を
受けない関係上、パネル同士をほぼ完全な箱体状に組付
構成しなければならない。また自立式であることから、
設置場所の自由度が高い反面、全体の印象が簡易的な感
じとなり勝ちで、部屋としての装飾等の自由度も自ずと
制限されるなど不具合がある。

（課題を解決するための手段） 本考案は、従来とは全く異なった形態のシャワーブース
を提供することを目的としてなされたものである。而し
て本考案に係るシャワーブースは、ユニット構成部材と
しての床パネル，側パネル及び天井パネルを含み、側
壁，天井壁にて画成された設置空間内に設置されるシャ
ワーブースにおいて、前記側パネルを前記側壁に直接張
付固定するとともに、前記天井パネルを該側パネルから
分離して所定距離上方に離隔して配置したうえ、これを
前記天井壁に直接張付固定し、且つ該側壁が該天井壁ま
で延びている側においては該側パネルと天井パネルとの
間の部分にタイル等化粧材を配置してこれを前記側壁に
張付固定し、以て化粧壁を形成する一方、該側壁が前記
天井壁まで達していない側及び側壁を有しないブースの
出入口側においては該側パネルと天井パネルとの間の部
分に欄間を形成したことを特徴とする。

（作用及び考案の効果） このように本考案は、側パネル，天井パネルを側壁，天
井壁に直接固定するようにしているため、これらパネル
を必ずしも箱体状に互いに組み付けることを要しない。
本考案は、側パネルと天井パネルとを上下に所定距離離
隔して分離配置し、それら側パネルと天井パネルとの間
にタイル壁等の化粧壁或いは欄間を形成するようにした
ことを特徴としている。

従って本考案によれば、シャワーブースの設置現場の天
井壁の高さに合わせてシャワーブースを構築することが
可能であり（化粧壁や欄間の高さの調節により）、現場
に用意された設置空間を無駄なく有効に利用することが
できるとともに、シャワーブースの室内壁面が単調とな
らず、美観に優れた、意匠性に富んだものとすることが
できる。

また本考案では、建築構造体の側壁に対して直接化粧材
を張り付けるので、シャワーブース内部の天井際が奥ま
り、開放感があるほか、側壁が天井壁まで達していない
側においては側パネルと天井パネルとの間の部分が欄間
とされるため、これによってもブース内が開放感に富ん
だものとなる。

また各パネルは夫々側壁，天井壁に固定されるために、
従来の自立式のシャワーブースと異なって簡易的な感じ
がなく、通常のシャワールームと全く同様の室として構
成することができる。

本考案においては、例えばトイレの個室用に用意されて
いる空間に合せて各パネルのサイズを選定しておいて、
これをその側壁等に固定することにより、かかるトイレ
用の個室をそのままシャワールームとして構成すること
が可能である。而して多数あるトイレの個室の一部をシ
ャワールームとして構成すれば、従来のトイレルームの
ように単に用を足すだけの空間でなく、これを多機能空
間として構成することが可能となる。

（実施例） 次に本考案の実施例を図面に基づいて詳しく説明する。

第１図〜第６図は、躯体床16,側壁10,12,14（但し14は
仕切壁），天井壁18にて囲まれた空間内に設置されたシ
ャワーブースの内部を示したものであって、図示の如く
このシャワーブースは、シャワー室20（第１図）と脱衣
室22、それらを仕切る隔壁24とドア26、シャワーブース
への出入用ドア28（第３図）とを備えている。このシャ
ワーブースは、その構成部材としての床パン30,側パネ
ル32及び天井パネル34を有しており、その床パン30が支
持ボルト36を介して躯体床16上に支持されている。また
各側パネル32は、第１図及び第８図に示しているように
上下端部及び左右端部にフランジ38,40,42,44,46等を有
し、その下端部のフランジ40において床パン30のフラン
ジ48上に支持されている。また上端部のフランジ38にお
いて、固定金具50及びビスにて側壁10,12,14に固定され
ている。更に第１図（Ｂ）〜（Ｅ）に示すように各側パ
ネル32は、左右端部のフランジ42,44,46が互いに重ね合
された状態で弾性クリップ54,56及びビスにて互いに固
定されている。弾性クリップ54,56は先端部に係合爪57
を有しており、この係合爪57が一方のフランジ44の裏面
を押圧して固定作用を為している。

隣接する一対の側パネルフランジのうちの一方42又は46
は、他方のフランジ44よりも奥行方向の幅が広くされて
おり、その先端が側壁10,12,14に当接させられた上、ビ
スにてそれら側壁10,12,14に固定されている。尚側壁12
の側においては、フランジ42の幅が特に広くされてお
り、側パネル32の裏側に配管用のスペースが確保されて
いる。

一方シャワーブースへの出入口の側においては、側パネ
ル32は第１図（Ｄ）に示すようにその側端部に形成され
たフランジ47において金具49とビスとにより前壁11に固
定されている。

前記天井パネル34は、第８図に示しているようにその端
部が金具58とビスとにより天井壁18に固定されており、
その金具58に対してビスの露出を防止するためのカバー
60が嵌められている。

この天井パネル34と前記各側パネル32とは、上下に一定
間隔分離されており、そしてそれら天井パネル34と側パ
ネル32との間には第２図〜第５図に示しているようにタ
イル壁62,ガラスの欄間64が形成されている。即ち側壁1
0と12の側においては、天井パネル34と側パネル32との
間にタイル壁62が形成され、また側壁14の側においては
これら天井パネル34と側パネル32との間にガラスの欄間
64が形成されている。尚前壁11の側においても天井パネ
ル34と側パネル32又はドア28との間にガラスの欄間64が
形成されている。

前記シャワー室20と脱衣室22とを仕切るドア26はスライ
ド式の引戸とされており、第１図（Ｅ）に示しているよ
うにその額縁70の裏面に水切用のモヘア72が設けられて
いる。一方これらシャワー室20と脱衣室22との隔壁24を
形成する側パネル32の連結部分は段違いに重ねられてい
て、その段違い部に金具66が固定されている。金具66に
は溝68が形成されており、その溝68内に上記モヘア72が
入り込んで水切りを行なうようになっている。

尚、第２図〜第６図において74はシャワーヘッド、76,7
8は夫々脱衣籠である。

以上のように構成された本例のシャワーブースは、例え
ばトイレの個室を形成するための空間内にそのまま設置
することができる。而して多数ある個室の一部にのみこ
のシャワーブースを設置すれば、そこにトイレ機能とシ
ャワー機能との両機能を備えた空間を構成できる。勿論
これはあくまで本例のシャワーブースの一適用例であっ
て、本例のシャワーブースはその他種々の空間に設置す
ることができるものである。

本例のシャワーブースは、従来のボックス式且つ自立式
のそれと異なって、一つの室空間全体をシャワールーム
と成すものであり、且つ躯体側壁等の構造体によって支
持されるため、従来のシャワーブースのような簡易的な
感じがせず、また側パネル，天井パネルを完全な箱体状
に連結する必要がないので、上記のように欄間その他の
装飾を室内に施すことも可能となる。

以上本考案の実施例を詳述したが、本考案はその主旨を
逸脱しない範囲において、当業者の知識に基づき様々な
変形を加えた形態で構成可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例であるシャワーブースの全体
構成を概略的に示す図、第２図乃至第５図は夫々同シャ
ワーブース内部を異なった方向から見た正面図、第６図
は同シャワーブースの平面図、第７図は同シャワーブー
スの要部断面図、第８図は同シャワーブースの他の部分
の要部断面図である。 10,12,14:側壁 18:天井壁 30:床パン 32:側パネル 34:天井パネル 38,40,42,44,46,47:フランジ 54,56:弾性クリップ 49,50,58,66:金具

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ユニット構成部材としての床パネル，側パ
   ネル及び天井パネルを含み、側壁，天井壁にて画成され
   た設置空間内に設置されるシャワーブースにおいて 前記側パネルを前記側壁に直接張付固定するとともに、
   前記天井パネルを該側パネルから分離して所定距離上方
   に離隔して配置したうえ、これを前記天井壁に直接張付
   固定し、且つ該側壁が該天井壁まで延びている側におい
   ては該側パネルと天井パネルとの間の部分にタイル等化
   粧材を配置してこれを前記側壁に張付固定し、以て化粧
   壁を形成する一方、該側壁が前記天井壁まで達していな
   い側及び側壁を有しないブースの出入口側においては該
   側パネルと天井パネルとの間の部分に欄間を形成したこ
   とを特徴とするシャワーブース。