JPH0610005Y2 - 間仕切り壁の端部構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は壁パネルユニットを建付けて構成されるプレフ
ァブルームの間仕切り壁の端部構造に関する。

（従来の技術） 近年、ビルジングの躯体建設後、屋内工事を行うに際
し、その水廻り空間、例えば、便器と洗面台が浴槽に併
設されるバスルームや男子用及び女子用の便器と洗面台
が複数並置されるトイレ等のスペースは、工事内容が多
岐に亘る為、事前に一括して工事等でユニット化した汎
用の壁パネルや便器或いは洗面台付パネル等の特殊な壁
パネル、それに配管や器材等を建物の中に搬入し、壁パ
ネルを適宜建て巡らすと共に配管や器材等を設備して所
謂プレファブ方式のインナールームを新たに設けること
により行い、以って施工の簡略化を図る傾向にある。

こうしたプレファブルームの壁パネルは、タイルその他
の仕上材を貼設して表面に模様を付けた下地部材を鋼製
フレーム等から成る補強用の下地枠で後方から支持した
平板なユニットとして構成される。そして、壁パネル表
面の模様はインテリアデザインの主眼であり施主の好み
も様々であることから前記仕上材には盛り沢山のオプシ
ョン事項が用意されている。

しかし、下地部材及び下地枠は人目につかずまた納まり
や強度等との兼合いもあることから一般に施工者サイド
に任されており、そこで、工場側では、大量生産による
コスト低減を図る為、通常、型番別にデテールまで下地
製作寸法が定まった壁パネルを製作している。

また、このような壁パネルを隣接して建付け構成される
側壁面の模様は、壁パネルの継目を目立たせないため
に、所定幅にまとまったパターンに分割されるものが好
ましく、該パターン幅の整数倍を下地部材幅、即ち壁パ
ネル幅とする。

即ち、例えば、下地部材に一定幅のタイルを貼設して壁
パネルを製造する場合、側壁面の模様を構成するタイル
の横１列の数は、壁パネルの下地部材に貼設されるタイ
ルの横１列の数の倍数とする。このように規定すること
により壁パネル幅を規格化できる外、隣接する壁パネル
同士の継目は、目地位置となり、該継目が目立つことは
ない。

このような壁パネルを使用し、既設の建物躯体内を２室
に区画する間仕切り壁として、該壁パネルを建物躯体の
側壁より内側に向って２列背中合わせに建付けたものが
あり、斯かる間仕切り壁の終端面は高さ方向の略全体に
亘る飾り縁が配設され化粧される。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、従来の飾り縁は終端面のみを覆うもので
あるため、以下に説明するような問題点があった。

即ち、前記２列背中合せに建付けた壁パネルにより構成
される間仕切り壁にあっては、これら２列の壁パネルに
より成る間仕切り壁両面の模様の違い等に起因する壁パ
ネル幅の違い、あるいは、建物躯体の側壁部に凹凸等が
あることによる間仕切り壁両側での壁パネル建付幅の違
い等により、一方の壁パネルの列から成る側壁の終端部
と他方の壁パネルの列から成る側壁の終端部が段違いと
なり、飾り縁との間に隙間があいてしまうという問題点
があった。

このような場合、従来では終端部が間仕切り壁の終端面
の飾り縁に達しない列の壁パネルの少なくとも１枚の幅
を大きくしていた。しかし斯かる方法では壁パネルの種
類が増し、プレファブ方式本来の一括生産によるコスト
ダウンという目的から一歩後退する結果となる。

また更には、前述の如く、壁パネル幅が室内側壁部の模
様と密接に関係しているため、壁パネル表面に設けられ
る模様、例えば横列が４個のタイルから成るパターンの
1/3だけ壁パネル幅を広げることは、外観上不都合であ
り、自由に壁パネル幅を変化させることができないとい
う問題があった。

（問題点を解決するための手段） 以上の問題点を解決するために、本考案は、前記飾り縁
を、前記間仕切り壁終端面を覆う端面部と、前記端面部
の側縁部のうち前記終端面に達しない壁パネル列側を該
壁パネル列終端部まで延出し、先端を間仕切り壁内方へ
折り曲げてなる側面部と、前記側面部と平行に端面部か
ら延出し、先端を間仕切り壁内方へ折り曲げてなる取付
部と、この取付部に固着され、飾り縁の差し込み方向に
延出し、壁パネルのＣチャンネルに噛合する係止片と、
前記側面部の裏面に固着され、飾り縁の差し込み方向に
延出し、壁パネルの係止爪に噛合する取付片とから構成
する。

（作用） 以上の手段によれば、間仕切り壁の終端面に終端部が達
しない壁パネル列終端部と、前記終端面との隙間を前記
飾り縁の側面部により覆うようにしたため、壁パネルの
種類を増す必要もなく、また、あらゆる幅の前記隙間に
外観上無理なく対処できる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を添付図面に基づき詳細に説明
する。

先ず第３図を参照して、本考案に係る壁パネル建付構造
が適用されたプレファブルームの概要説明を行なう。

第３図はプレファブルーム全体の横断面図である。

図中、参照符号Ｐはプレファブルーム全体を示す。プレ
ファブルームＰは既設のビルジング内の所与のルームス
ペースＳ中に吊天井式システムトイレとして設備された
ものである。該プレファブルームＲは、出入口Ｅの片側
から始めて他側に終了するまで略々躯体の壁Ｗｂ沿いに
側壁１を巡らしていくことにより所望形状の室内空間Ｒ
を画成し、途中、側壁１を室内Ｒ側に往復迂回させて間
仕切り壁Ａ，Ｂを設け、これにより便所Ｒｔと洗面所Ｒ
ｗとの間及び洗面所Ｒｗと正面通路Ｐｆとの間を夫々区
画している。

側壁１は、便所Ｒｔ及び洗面所Ｒｗの各入隅部のコーナ
ーポスト２や出隅部の支持ポスト３、それに間仕切り壁
Ａ，Ｂの終端部折返し用ポスト４及び基端部共用ポスト
５、更には出入口Ｅ左右の端仕舞用ポスト６といった適
宜な支柱（以降、総称的にはＣで表す）間に設けられる
基礎枠前面に壁パネル７を建付けて構成されるものであ
り、便所Ｒｔの側壁１ａ、洗面所Ｒｗの側壁１ｃ及び通
路Ｐｆの側壁１ｂの壁面の模様は、夫々異なっている。
便所Ｒｔ側壁１ａに特に示すように、側壁１ａは、ユニ
ット化された壁パネル７ａ，７ｂ，７ｃを並べて建付
け、隣接する壁パネル７ａ，７ｂ，７ｂ，７ｃ，７ａ，
７ｃ同士を夫々クリップジョイント８で結着して構成さ
れている。

なお、正面通路Ｐｆ及び洗面所Ｒｗにおける側壁１ｂ，
１ｃにあっても基本的構造は同様であり、その詳細を省
略する。

また、異なる側壁１ａ，１ｂ，１ｃが出合う出隅部及び
間仕切り壁Ａ，Ｂ端部には飾り縁９ａ，９ｂ，９ｃが設
けられている。

間仕切り壁Ｂにおいては、２列背中合せに建付けられる
側壁１ｂ-1及び１ｃ-1の夫々の終端部１１，１２は該間
仕切り壁Ｂの終端面ｂに達しており、飾り縁９ｃは終端
面ｂのみを覆う構成となった従来のものである。

一方、間仕切り壁Ａは、２列背中合せに建付けられる側
壁１ｃ-2及び１ａ-1の夫々の終端部１３，１４のうち、
洗面所Ｒｗ側の側壁１ｃ-2の終端部１３は間仕切り壁Ａ
の終端面ａに達していない。従って飾り縁９ｂは、終端
面ａを間仕切り壁Ａの高さ方向の全体に亘って覆う端面
部２０と、該端面部２０の前記側壁１ｃ-2側の側縁を該
側壁１ｃ-2の終端部１３まで延出した側面部２１とを備
える。

ここで第１図及び第２図（ａ），（ｂ）を参照して間仕
切り壁Ａの端部構造を更に詳しく説明する。

第１図は間仕切り壁Ａ端部の要部横断面図、第２図
（ａ）は第１図矢印IIａの方向からの斜視図、第２図
（ｂ）は矢印IIｂの方向からの斜視図である。

間仕切り壁Ａ端部は、建物内に立設される終端部折返し
用ポスト４と、該終端部折返し用ポスト４を挟んで背中
合せに建付けられ夫々側壁１ａ-1，１ｃ-2の一部を成す
壁パネル７ｃ，３７ａと、間仕切り壁Ａの終端面ａを化
粧する飾り縁９ｂとから成る。

壁パネル７ｃは、鋼製の補強フレーム５０により裏面を
補強された下地部材５３表面にタイル５５，５５…を貼
設し、該タイル５５，５５…間に目地５７を設けて成
る。、補強フレーム５０の左側部には、下地部材５３に
接する終端面Ｙ側に開いたＣチャンネル５９と該Ｃチャ
ンネル５９のコーナポスト４側側面に接続される取付フ
レーム６０とから成る取付枠６１が設けられており、取
付フレーム６０は、終端面ａ方向から終端部折返し用ポ
スト４にビス６３止めされている。

壁パネル３７ａは、同様に補強フレーム６５に補強され
た下地部材６７に表面に所定間隔で設けられた溝６８か
ら成る模様を設けた化粧板６９を貼設して成る。補強フ
レーム６５の右側部には、下地部材６７に接し、終端面
ａの逆方向に開いたＣチャンネル７０が設けられてお
り、壁パネル３７ａは該ｃチャンネル７０の終端面ａ側
側面に設けられた断面Ｌ字状の取付片７１を利用して終
端部折返し用ポスト４にビス７３止めされる。

また、終端部折返し用ポスト４には該ポスト４にビス８
４止めされる基片部８５ａと該基片部８５ａの終端面ａ
側側縁より該終端面ａと平行に延出されるとともに屈曲
し、終端面ａに達する脚部８５ｂと、該脚部８５ｂ端部
より内側に屈曲する係止爪８５ｃとから成る取付部材８
５が設けられる。

飾り縁９ｂは、夫々間仕切り壁Ａの高さ方向に亘り終端
面ａと平行をなす端面部２０と、該端面部２０の壁パネ
ル３７ａ側即ち側壁１ｃ-2側の側縁を該壁パネル３７ａ
の右側端、即ち側壁１ｃ-2の終端部１３まで延出された
側面部２１とを備える。

端面部２０の壁パネル７ｃ側即ち側壁１ｃ-1側側縁から
は間仕切り壁Ａの高さ方向に亘り、該側壁１ａ-1側に延
出され終端面ａに達するとともに内側に屈曲する取付部
８１ａが設けられており、該取付部８１ａの屈曲部８１
ｂには、前記Ｃチャンネル５９のスリットに終端面ａ方
向から係合する断面Ｌ字状の係止片８７が設けられてい
る。

また。側面部２１は、側壁１ｃ-2の終端部１３に略々達
したところで内側に屈曲し、その先端は前記取付片７１
に当接するようになっている。また、側面部２１には、
側面部２１内側に溶接される基片部９０ａと、該基片部
９０ａの終端面ａに達する側縁部より該終端面ａと平行
な方向に延出され更に側壁１ｃ-2側に屈曲する係止部９
０ｂを備える取付片９０が設けられており、係止部９０
ｂは前記取付部材８５の係止爪８５ｃに終端面ａ方向か
ら係合する。

尚、側壁１ａ-1の終端部１４及び側壁１ｃ-2の終端部１
３と飾り縁９ｂとの間にはシーリング９１ａ，９１ｂが
施される。

以上の間仕切り壁Ａ端部構造によれば、第２図（ａ），
（ｂ）に示すように、壁パネル７ｃ，３７ａ表面に設け
られる模様のパターンを途中で切断することなく間仕切
り壁Ａ端部を化粧できる。

即ち、壁パネル７ｃの幅は、タイル５５の幅の整数倍で
あり両側部においてタイル５５が途中から切断されるこ
とがないよう設定されており、同様に壁パネル３７ａの
幅は模様として設けられる溝６８の間隔の整数倍に設定
される。

また、飾り縁９ｂは端面部２０により、終端面ａを覆う
とともに、側面部２１により終端面ａから即ち側壁１ｃ
-2の終端部１３までを覆うため、間仕切り壁Ａ内側の終
端部折返し用ポスト４、補強フレーム５０，６５等が外
部より見えることはない。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案によれば、飾り縁を２列の
壁パネル列より背中合せに建付けた間仕切り壁の終端面
を覆う端面部と、該端面部から該終端部に達しない壁パ
ネル列終端部までを覆う側面部とを備えるものとしたた
め、特別に壁パネルの幅を広げて表面に設けられる模様
が途中で切断した構成とする等して２列の壁パネルの終
端部をそろえる必要がなく、無理なく間仕切り壁端部を
化粧できる。そして、本考案の飾り縁は側面部の両端か
ら側面部及び取付部が平行に延び、且つこれら側面部及
び取付部の先端が間仕切り壁内方へ折り曲げられている
ので、飾り縁と壁パネルとの納まりが良好になり、且つ
飾り縁の曲げ剛性が極めて大きくなり、もって、飾り縁
は単なる飾りにとどまらず、間仕切り壁の補強材にな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は間仕切り壁終端部の要部横断面図であり、第２
図（ａ）は第１図矢印IIａ方向からの斜視図、第２図
（ｂ）は第１図矢印IIｂ方向からの斜視図、第３図は本
考案を適用したプレファブルームの横断面図である。 尚図面中、７，７ａ，７ｂ，７ｃは壁パネル、９ａ，９
ｂ，９ｃは飾り縁、Ａ，Ｂは間仕切り壁、ａは終端面で
ある。

フロントページの続き (72)考案者 仲戸川 智 神奈川県茅ケ崎市本村２丁目８番１号 東 陶機器株式会社茅ケ崎工場内 審査官 西村 綾子 (56)参考文献 実開 昭53−84912（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−63120（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭55−37942（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】壁パネルユニットを建物躯体の壁部より内
   側に向って２列背中合わせに建付けて間仕切り壁を設
   け、該間仕切り壁終端部に高さ方向の略全体に亘る飾り
   縁を設けて該終端面を化粧したプレファブルームの構造
   であって、前記２列の壁パネル列の夫々の終端部の一方
   が前記間仕切り壁終端面に達しない場合において、 前記飾り縁は、前記間仕切り壁終端部を覆う端面部(20)
   と、 前記端面部(20)の側縁部のうち前記一方の壁パネル列の
   終端部側を該終端部まで延出し、先端を間仕切り壁内方
   へ折り曲げてなる側面部(21)と、 前記側面部(21)と平行に端面部(20)から延出し、先端を
   間仕切り壁内方へ折り曲げてなる取付部(81a)と、 この取付部(81a)側に固着され、飾り縁の差し込み方向
   に延出し、壁パネルのＣチャンネル(59)に噛合する係止
   片(87)と、 前記側面部(21)の裏面に固着され、飾り縁の差し込み方
   向に延出し、壁パネルの係止爪(85C)に噛合する取付片
   (90)と、 からなることを特徴とした間仕切り壁の端部構造。