JP2004044172A - 玄関構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ユニット建物10を構成する建物ユニット11,12の外壁部11a,12aに隣接して一対の玄関ドア6,6が配置された玄関構造である。
両玄関ドア6,6の上部に跨って、外壁部11a,12aから外側方に突設させた玄関庇部材15を設けると共に、両玄関ドア6,6の間の外壁部からは、外側方に向けて戸境壁33が延設されている。
玄関庇部材15を下方から支持する中央柱材34を戸境壁33内に一体となるように介装させた。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、引込み玄関と同等の視覚効果を有して、外観品質の良好なものとすることができる玄関構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図10に示すような引込み玄関を設けた建物ユニットが知られている(特開平11−241514号公報等参照)。
【0003】
このような引込み玄関では、ユニット建物1を構成する複数の建物ユニットU1〜U4のうち、玄関ユニットU4の内部には、玄関ポーチ2及び玄関土間3が、玄関収納スペース4に隣接されて設けられている。
【0004】
この玄関ポーチ2及び玄関土間3の間には、外壁部5よりも建物内部に所定距離Lだけ引き込まれた位置に玄関ドア6が設けられている。
【0005】
このように構成された引込み玄関では、ユニット建物1の外壁部5に、玄関ドア6が引き込まれた距離差による凹凸が生じて遠近感を醸し出し、外観品質を向上させることが出来る。
【0006】
また、図11に示すような特開2001−81860号公報に記載されたものでは、このような引込み玄関の玄関ポーチ2の天井部に、軒天部材7を装着して外観品質を更に向上させている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の引込み玄関構造では、玄関ドア6を引き込ませて、玄関ポーチ2を玄関ユニットU4内部に設けているので、屋内スペースが狭くなる。このため、間取りプランの自由度が減少してしまうといった問題があった。
【0008】
また、他の建物ユニットU1〜U3と異なり、内側入隅に防水施工を行ったり、軒天部材7を別途設けなければならない等、特殊な構造の玄関ユニットU4を用いなければならず、製造コストの増大を招いていた。
【0009】
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みて為されたものであり、屋内スペースを圧迫すること無く、良好な外観品質が得られると共に、製造コストの増大を抑制できる玄関構造を提供することを課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載されたものでは、建物の外壁部に隣接して一対の玄関ドアが配置された玄関構造であって、該両玄関ドアの上部に跨って、前記外壁部から外側方に突設させた玄関庇部材を設けると共に、前記両玄関ドアの間の外壁部からは、外側方に向けて戸境壁を延設して、前記玄関庇部材を下方から支持する中央柱材を該戸境壁内に一体となるように介装させた玄関構造を特徴としている。
【0011】
このように構成された請求項1記載のものでは、前記両玄関ドアの間の外壁部から、外側方に向けて延設された戸境壁の内部に中央柱が設けられて、前記一対の両玄関ドアの上部に跨って、前記外壁部から外側方に突設させた玄関庇部材が、該中央柱材によって下方から支持されている。
【0012】
前記玄関庇部材及び該戸境壁は、前記玄関ドアが設けられた外壁部面よりも、外側方に向けて延設されていて、端縁が所定量突出されている。このため、玄関ドアを外壁部に略面一に設けたものに比して、屋内スペースを減少させることなく、凹凸によって遠近感を醸し出し、良好な外観品質が得られる。
【0013】
また、前記両玄関ドアの上部に、両玄関ドアに跨る長さの玄関庇部材を設けても、充分な支持強度を得られる。従って、各玄関ドアに個別に庇部材を設ける場合に比して、一体感のある外観品質の良好な玄関庇部材を1つの部品で構成出来ると共に、従来の引込み玄関に設けられていた軒天部材が不要となり、部品点数を増大させることなく、製造コストの増大を抑制できる。
【0014】
更に、該戸境壁の両側の前記各玄関が、該戸境壁によって分離されて、適度なプライバシーを得られる。このため、集合住宅や、二世帯、多世帯住宅に用いて好適である。
【0015】
また、請求項2に記載されたものでは、前記少なくとも何れか一方の玄関ドアを挟んで、前記戸境壁の設けられた位置の反対側の前記外壁部からは、外側方に向けて見切壁を延設して、前記玄関庇部材を下方から支持する側縁柱材を該見切壁内に一体となるように介装させた請求項1記載の玄関構造を特徴としている。
【0016】
このように構成された請求項2記載のものでは、少なくとも何れか一方の玄関ドアを挟んで、前記戸境壁の設けられた位置の反対側の前記外壁部から延設された見切壁の内部に側縁柱材が設けられている。
【0017】
そして、前記一対の両玄関ドアの上部に跨って、前記外壁部から外側方に突設させた玄関庇部材が、該側縁柱材によって下方から支持されている。
【0018】
このため、更に、該見切壁によっても、前記玄関庇部材の荷重が支持されるので、更に充分な支持強度を得られる。
【0019】
また、従来のような特殊な構造の玄関ユニットを用いる必要が無く、防水施工等が不要又は簡易な玄関ポーチを建物外部に設けることにより、施工も容易に行うことが出来る。
【0020】
更に、請求項3に記載されたものでは、前記建物が、少なくとも一対の建物ユニットを隣接配置するユニット建物であると共に、前記各玄関ドアは、隣接配置される各々の建物ユニットに設けられて、前記玄関庇部材を両建物ユニットの外壁部間に跨らせて、前記外壁部から外側方に突設させた請求項1又は2記載の玄関構造を特徴としている。
【0021】
このように構成された請求項3記載のものでは、前記各玄関ドアが、隣接配置される各々の建物ユニットに設けられているので、各建物ユニットを隣接配置するだけで、1つの玄関庇部材が、上方を跨いで覆えるように玄関ドアを近接させて設けることができる。
【0022】
このため、更に施工性が良好で、製造コストの増大を抑制できる。
【0023】
【発明の実施の形態1】
以下、本発明の実施の形態1に係る玄関構造を図面を用いて説明する。
【0024】
図1乃至図7は、この実施の形態1に係る玄関構造を示すものである。なお、前記従来例と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明する。
【0025】
まず、構成から説明すると、この実施の形態1の玄関構造が適用される建物としてのユニット建物10は、複数の建物ユニットを組み合わせて構成される二世帯住宅タイプの建物で、これらの建物ユニットのうち、左右略対称の一対の玄関ユニット11,12が、1階に隣接配置されると共に、この玄関ユニット11,12の上部には、2階居室ユニット13,14が載置されていて、各々異なる世帯となる2階居室部分を構成している。
【0026】
この玄関ユニット11,12の外壁部11a,12aには、各々左,右一対の玄関ドア6,6が、この外壁面と略面一となるように隣接されて設けられている。
【0027】
そして、これらの隣接配置される各々の玄関ユニット11,12の上縁部と前記2階居室ユニット13,14の下縁部の合わせ面に沿って、玄関庇部材15が、両玄関ユニット11,12の外壁部11a,12a間に跨って設けられている。
【0028】
この玄関庇部材15は、図1に示すように、前記隣接配置された玄関ドア6,6の上方に跨って設けられて、これらの外壁部11a,12a位置よりも外側方に突設するように構成されることにより、これらの玄関ドア6,6前の玄関ポーチ2,2上方を略覆うように構成されている。
【0029】
この玄関庇部材15は、図6に示されるように、前縁部フレーム16,左,右側縁フレーム17,17及び建物側フレーム18によって平面視略長方形形状を呈している。
【0030】
そして、この玄関庇部材15の建物側フレーム18は、固定金具19,19を介在させて、複数のボルト部材20…及びナット部材21…等によって、前記玄関ユニット11,12の上側フレーム11b,12bに締結固定されている。
【0031】
更に、前記前縁部フレーム16,左,右側縁フレーム17,17の外周縁には、複数の支持金具22…を介して、上,下パラペット部材23,24が装着されている。
【0032】
また、この玄関庇部材15の上面側には、図3に示すように、平板上の屋根面部材25が敷設されている。この屋根面部材25には、周囲の軒カバー部材26…,及びこの屋根面部材25上面から流下する雨水が、前記2階居室ユニット13,14の外壁部13a,14a下縁に沿って延設される樋部材27内に集水可能となるように、ユニット建物10方向に向けて傾斜する緩勾配が与えられている。
【0033】
更に、この玄関庇部材15の下面側には、平板状の軒天パネル部材28が、周縁に設けられた軒天廻縁部材29によって下側から抑えられて、内側に設けられた複数の桟木30…に、木ネジ31…等によって固着されている。
【0034】
また、図6に示すように、この玄関庇部材15の長手方向略中央には、中央梁材32が設けられている。この中央梁材32は、図5に示すように、主に上面部32a及び左,右側面部32b,32bから構成される下方を開放した断面略コ字状を呈している。このうち、前記上面部32aには、位置決め用孔32cが開口形成されると共に、左,右側面部32b,32bには、ボルト孔32d,32dが一対づつ開口形成されている。
【0035】
そして、これらの玄関ユニット11,12の境界部に位置する前記両玄関ドア6,6の間の外壁部11a,12aからは、外側方に向けて戸境壁33が延設されている。
【0036】
この戸境壁33は、図7に示すように、主に、前記玄関庇部材15を下方から支持する中央柱材34及び建物側フレーム材35が、壁面パネル本体37,37の裏面側に固定用フレーム枠体38,38が装着された面状の壁部材36,36によって、左,右両側から挟持されることにより、この戸境壁33内に一体となるように介装されて、所定の左右方向の厚みH1を有するように構成されている。この戸境壁33の厚みH1は90cm以上であるのが望ましく、本実施例では厚みH1を100cmとしている。
【0037】
このうち、前記建物側フレーム材35は、取付金具39を介して、前記各玄関ユニット11,12の隣接する柱フレーム11c,12cにタッピングネジ40,40によって固着されていて、外壁部12a等との境界が、戸境壁見切部材37a等によって覆われている。
【0038】
また、前記中央柱材34は、中空断面略ロ字状を呈し、外側面34a及び左,右両側面34b,34bの一部が、タッピングビス41a…で固定される水平断面略コ字状の化粧部材41によって覆われると共に、この化粧部材41の後端面と、前記壁部材36,36の前端縁との間に、ガスケット部材42,42が介装されている。
【0039】
更に、この中央柱材34の上部では、図5に示されるように、左,右側面部34b,34bから取付凸状金具部34c,34cが凸設されている。
【0040】
そして、この取付凸状金具部34cの左,右の取付面部には、前記ボルト孔32d,32dに対応する位置にボルト孔34d,34dが一対づつ開口形成されている。
【0041】
この取付面部のボルト孔34d,34d裏面側には、取付ボルト43,43に螺合するナット部材44,44が、各々溶接によって固着されている。
【0042】
更に、この中央柱材34の上面部34eには、前記位置決め用孔32cに挿入されて、前記玄関庇部材15の位置決めを行うロケートピン34fが立設されている。
【0043】
また、この戸境壁33内には、前記樋部材27に集水された雨水を下方に向けて流下させる縦樋部材53が、略鉛直方向に長手方向を沿わせて延設されている。
【0044】
更に、この実施の形態1では、前記左,右の各玄関ドア6,6を挟んで、前記戸境壁33の設けられた位置とは、反対側の前記外壁部11a,12aからは、見切壁45,45が外側方に向けて延設されている。
【0045】
この見切壁45は、図7に示すように、主に、前記玄関庇部材15を下方から支持する側縁柱材46及び建物側フレーム材47が、壁面パネル本体49,49の裏面側に固定用フレーム枠体50,50が装着された面状の壁部材48,48によって、左,右両側から挟持されることにより、この見切壁45内に一体となるように介装されて、所定の左右方向の厚みH2を有するように構成されている。この見切壁45の厚みH2は40cm以下であるのが望ましく、本実施例では厚みH2を30cmとしている。
【0046】
このうち、前記建物側フレーム材47は、取付金具51を介して、前記各玄関ユニット11,12の外壁部11a,12aの裏面側に設けられたスタッド11d,12dにタッピングネジ40,40によって固着されていて、外壁部12a等との境界にガスケット52,52等が介装されている。
【0047】
また、前記側縁柱材46は、外側面46a及び左,右両側面46b,46bの一部が、タッピングビス41a…で固定された水平断面略コ字状の化粧部材41で覆われると共に、この化粧部材41の後端面と、前記壁部材48,48の前端縁との間に、ガスケット部材42,42が介装されている。
【0048】
更に、この側縁柱材46の上部が、前記図5に示される中央柱材34と略同様に、前記玄関庇部材15の左,右両端縁に下方から当接されて支持されるように構成されている。
【0049】
この実施の形態1では、前記見切壁45,45の前記外壁部11a,12aからの突設長さが、前記戸境壁33の前記外壁部11a,12aからの突設長さよりも短くなるように構成されている。
【0050】
次に、この実施の形態1の玄関構造の作用について説明する。
【0051】
この実施の形態1の玄関構造では、玄関ユニット11,12を隣接して配置することにより、前記玄関ユニット11,12の外壁部11a,12aに設けられた玄関ドア6,6が、両玄関ドア6,6の間の外壁部11a,12aの境界を挟んで、隣接して設けられる。
【0052】
次に、前記両玄関ドア6,6の間の外壁部11a,12aの境界から、外側方に向けて戸境壁33を設置すると共に、前記見切壁45,45を設置する。
【0053】
この際、前記外壁部11a,12aの境界から延設された戸境壁33の内部に中央柱材34が設けられて、前記一対の両玄関ドア6,6の上部に跨って、前記外壁部11a,12aから外側方に突設させた玄関庇部材15が、この中央柱材34によって下方から支持されている。
【0054】
前記玄関庇部材15及びこの戸境壁33は、前記玄関ドア6,6が設けられた外壁部11a,12aの壁面よりも、ユニット建物10外側方に向けて延設されていて、端縁が所定量突出されている。
【0055】
このため、玄関ドア6,6を外壁部に略面一に設けたものに比して、屋内スペースを減少させることなく、凹凸によって遠近感を醸し出し、良好な外観品質が得られる。
【0056】
また、前記両玄関ドア6,6の上部に、両玄関ドア6,6に跨る長手方向長さの玄関庇部材15を設けても、充分な支持強度を得られる。従って、各玄関ドア6,6に個別に庇部材を設ける場合に比して、一体感のある外観品質の良好な玄関庇部材を1つの部品で構成出来ると共に、従来の引込み玄関に設けられていた軒天部材等が不要となり、部品点数を増大させることなく、製造コストの増大を抑制できる。
【0057】
更に、この戸境壁33の両側の前記各玄関6,6が、この戸境壁33によって分離されて、適度なプライバシーを得られる。このため、集合住宅や、二世帯、多世帯住宅に用いて好適である。
【0058】
また、前記玄関ドア6,6を挟んで、前記戸境壁33設けられた位置の反対側の前記外壁部11a,12aから見切壁45,45が延設されている。
【0059】
この見切壁45,45の内部には、側縁柱材46,46が設けられている。
【0060】
このため、前記一対の両玄関ドア6,6の上部に跨って、前記外壁部から外側方に突設させた玄関庇部材15の左,右両側縁が、これらの各側縁柱材46,46によって下方から支持される。
【0061】
従って、更に、この見切壁45,45によっても、前記玄関庇部材15の荷重が支持されるので、更に充分な支持強度を得られる。
【0062】
また、従来のような特殊な構造の玄関ユニットを用いる必要が無く、防水施工等が、不要又は簡易な玄関ポーチ2,2が建物外部に設けられることにより、施工も容易に行うことが出来る。
【0063】
更に、前記各玄関ドア6,6が、隣接配置される各々の建物ユニット11,12に設けられているので、各建物ユニット11,12を隣接配置するだけで、1つの玄関庇部材15が、上方を跨いで覆えるように玄関ドア6,6を近接させて設けることができる。
【0064】
このため、更に施工性が良好で、製造コストの増大を抑制しつつ、前記戸境壁33及び見切壁44によって、相対的に玄関ドア6,6を引き込ませるような視覚的効果を得られる玄関構造を提供できる。
【0065】
しかも、この実施の形態1では、前記見切壁45,45の前記外壁部11a,12aからの突設長さが、前記戸境壁33の前記外壁部11a,12aからの突設長さよりも短くなるように構成されている。
【0066】
このため、過剰な閉鎖感が無く、また、玄関部分の意匠(例えば、ドアや壁の外装仕上げ等)を外部にアピール出来、更に、外観品質を良好なものとすることができる。
【0067】
【実施の形態2】
図8及び図9は、この発明の実施の形態2の玄関構造を示すものである。なお、前記実施の形態1と同一乃至均等な部分については同一符号を付して説明する。
【0068】
この実施の形態2のユニット建物110では、実施の形態1の前記玄関庇部材15に代えて、2階居室部を構成する2階居室ユニット113,114に跨って設けられたキャンチバルコニー115が、戸境壁133内の中央柱材34及び左,右の見切壁部145,145内の側縁柱材46,46によって下方から支持されている。
【0069】
このキャンチバルコニー115は、主に、屋根面部材125の上面側に、床フレーム部材61,62を複数の小梁床フレーム部材63…によって略梯子状に連結して構成される骨格部60が形成されている。
【0070】
この骨格部60の上面には、床パネル部材64及び樋部材65が敷設されると共に、この床パネル部材64周囲が、手摺部66が上部に形成された周壁部67によって囲まれて構成されている。
【0071】
また、このキャンチバルコニー115の長手方向略中央部には、前記戸境壁133に対応する位置に、2階部分の世帯を分離する界壁68が設けられている。
【0072】
更に、この実施の形態2では、前記各戸境壁133の側壁面部及び見切壁145の側壁面部に前記玄関ユニット11,12の外壁部11a,12aと略同一の模様を構成するタイル部材が貼設されている。
【0073】
次に、この実施の形態2の作用に付いて説明する。
【0074】
このように構成された実施の形態2の玄関構造では、前記実施の形態1の作用効果に加えて、更に、所定の重量を有する前記キャンチバルコニー115であっても、前記戸境壁133内の中央柱材34及び見切壁145,145内の側縁柱材46,46によって下方から支持されるので、荷重が、各柱材34,46…に分散されて、容易に充分な支持強度を得られる。
【0075】
従って、2世帯に跨るような大型のキャンチバルコニー115を設定することが可能となり、更に、設計の自由度を向上させることが出来る。
【0076】
また、この実施の形態2では、前記各戸境壁133の側壁面部及び見切壁145の側壁面部に前記玄関ユニット11,12の外壁部11a,12aと略同一の模様を構成するタイル部材が貼設されている。このため、更に、前記各戸境壁133及び見切壁145…145と、玄関ユニット11,12との調和が図られ、外観品質を良好なものとすることが出来る。
【0077】
他の構成、及び作用効果については、前記実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
【0078】
以上、実施の形態1,2の玄関構造を図面を用いて詳述してきたが、本発明に係る玄関構造は、前記実施の形態1,2において示したものには限定されない。
【0079】
例えば、前記実施の形態1では、前記見切壁45,45の前記外壁部11a,12aからの突設長さが、前記戸境壁33の前記外壁部11a,12aからの突設長さよりも短くなるように構成されているが、特にこれに限らず、例えば、前記戸境壁33の前記外壁部11a,12aと略同様に、前記見切壁45の突設長さを設定したり、或いは、これらの見切壁45,45を設けないで、前記戸境壁33のみの構成とする等、前記戸境壁33及び見切壁45の数量、形状、寸法を適宜変更する等、外壁部から、外側方に向けて戸境壁を延設するものであれば、発明の要旨を逸脱しない設計的事項の変更等も、本発明に含まれる。
【0080】
また、建物として、二世帯住宅仕様のユニット建物を示して説明してきたが、特にこれに限らず、アパート仕様のユニット建物等、多世帯住宅で、玄関ドアが建物の外壁部に隣接して一対配置されているものであるならばよい。
【0081】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1に記載された発明では、前記両玄関ドアの間の外壁部から、外側方に向けて延設された戸境壁の内部に中央柱が設けられて、前記一対の両玄関ドアの上部に跨って、前記外壁部から外側方に突設させた玄関庇部材が、該中央柱材によって下方から支持されている。
【0082】
前記玄関庇部材及び該戸境壁は、前記玄関ドアが設けられた外壁部面よりも、外側方に向けて延設されていて、端縁が所定量突出されている。このため、玄関ドアを外壁部に略面一に設けたものに比して、屋内スペースを減少させることなく、凹凸によって遠近感を醸し出し、良好な外観品質が得られる。
【0083】
また、前記両玄関ドアの上部に、両玄関ドアに跨る長さの玄関庇部材を設けても、充分な支持強度を得られる。従って、各玄関ドアに個別に庇部材を設ける場合に比して、一体感のある外観品質の良好な玄関庇部材を1つの部品で構成出来ると共に、従来の引込み玄関に設けられていた軒天部材が不要となり、部品点数を増大させることなく、製造コストの増大を抑制できる。
【0084】
更に、該戸境壁の両側の前記各玄関が、該戸境壁によって分離されて、適度なプライバシーを得られる。このため、集合住宅や、二世帯、多世帯住宅に用いて好適である。
【0085】
また、請求項2に記載されたものでは、少なくとも何れか一方の玄関ドアを挟んで、前記戸境壁の設けられた位置の反対側の前記外壁部から延設された見切壁の内部に側縁柱材が設けられている。
【0086】
そして、前記一対の両玄関ドアの上部に跨って、前記外壁部から外側方に突設させた玄関庇部材が、該側縁柱材によって下方から支持されている。
【0087】
このため、更に、該見切壁によっても、前記玄関庇部材の荷重が支持されるので、更に充分な支持強度を得られる。
【0088】
また、従来のような特殊な構造の玄関ユニットを用いる必要が無く、防水施工等が不要又は簡易な玄関ポーチを建物外部に設けることにより、施工も容易に行うことが出来る。
【0089】
更に、請求項3に記載されたものでは、前記各玄関ドアが、隣接配置される各々の建物ユニットに設けられているので、各建物ユニットを隣接配置するだけで、1つの玄関庇部材が、上方を跨いで覆えるように玄関ドアを近接させて設けることができる。
【0090】
このため、更に施工性が良好であると共に、製造コストの増大を抑制できる、という実用上有益な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る玄関構造で、ユニット建物の玄関部の斜視図である。
【図2】実施の形態1に係る玄関構造で、図1中B−B線に沿った位置に相当する玄関部の水平断面での配置を説明する模式図である。
【図3】実施の形態1の玄関構造で、図2中C−C線に沿った位置での断面図である。
【図4】実施の形態1の玄関構造で、図2中D−D線に沿った位置での断面図である。
【図5】実施の形態1の玄関構造で、玄関庇部材を戸境壁に装着する様子を説明する分解斜視図である。
【図6】実施の形態1の玄関構造で、図1中A方向矢視に相当する玄関庇部材の一部断面上面図である。
【図7】実施の形態1の玄関構造で、図1中B−B線に沿った位置での断面図である。
【図8】実施の形態2の玄関構造で、玄関部の斜視図である。
【図9】実施の形態2の玄関構造で、図2中C−C線に沿った位置に相当する位置での断面図である。
【図10】一従来例の玄関構造で、玄関ユニット内の玄関ドア等の配置を説明する水平方向断面図である。
【図11】他の従来例の玄関構造で、玄関ユニット内に軒天部材が設けられている様子を説明する鉛直断面図である。
【符号の説明】
6 玄関ドア
10,110 免震建物
11,12 玄関ユニット
11a,12a 外壁部
13,14,113,114
2階居室ユニット
15 玄関庇部材
33,133 戸境壁
34 中央柱材
45,145 見切壁部
115 キャンチバルコニー
Claims (3)
- 建物の外壁部に隣接して一対の玄関ドアが配置された玄関構造であって、
該両玄関ドアの上部に跨って、前記外壁部から外側方に突設させた玄関庇部材を設けると共に、前記両玄関ドアの間の外壁部からは、外側方に向けて戸境壁を延設して、前記玄関庇部材を下方から支持する中央柱材を該戸境壁内に一体となるように介装させたことを特徴とする玄関構造。 - 前記少なくとも何れか一方の玄関ドアを挟んで、前記戸境壁の設けられた位置の反対側の前記外壁部からは、外側方に向けて見切壁を延設して、前記玄関庇部材を下方から支持する側縁柱材を該見切壁内に一体となるように介装させたことを特徴とする請求項1記載の玄関構造。
- 前記建物が、少なくとも一対の建物ユニットを隣接配置するユニット建物であると共に、前記各玄関ドアは、前記隣接配置される各々の建物ユニットに設けられて、前記玄関庇部材を両建物ユニットの外壁部間に跨らせて、前記外壁部から外側方に突設させたことを特徴とする請求項1又は2記載の玄関構造。
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