JP2005016221A - スケルトン・インフィル構造物 - Google Patents
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Abstract
【課題】スケルトンを傷めることなく、インフィルを自由に変更できるスケルトン・インフィル構造物を提供することである。
【解決手段】スケルトン・インフィル構造物は、天井2、床3および壁4に適宜間隔ごとに埋設された取付用レール5に天井パネル6、床パネル7、壁パネル8がそれぞれ取外自在に設置されたことである。
【選択図】 図1
【解決手段】スケルトン・インフィル構造物は、天井2、床3および壁4に適宜間隔ごとに埋設された取付用レール5に天井パネル6、床パネル7、壁パネル8がそれぞれ取外自在に設置されたことである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスケルトン・インフィル構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年のRC造やSRC造の大規模な構造物においては、柱、梁、スラブ、壁などのスケルトン(構造躯体)と、間仕切り、設備、内装などのインフィル(内容物)とを分離構成し、スケルトンをそのままにして、インフィルだけを変更して間取りを自由に変えることができるスケルトン・インフィル構造(SI構造)が多く用いられている。このスケルトン・インフィル構造物としては、例えば特開2002−21348号公報の発明がある。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−21348号公報(図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のスケルトン・インフィル構造物は、間仕切りなどの内装材の変更工事などにおいて、仕上げ材や仕上げ下地材を躯体に接着したり、アンカーボルトで固定しているため、躯体を傷めてしまうという問題があった。また、天井パネルや壁パネルなどのベースパネルをインサート金具で取り付けていたため、取付位置の自由な変更や微調整が困難であった。に
【0005】
本発明はこれらの問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、スケルトンを傷めることなく、インフィルを自由に変更できるとともに、ベースパネルの取付位置の自由な変更や微調整が簡単にできるスケルトン・インフィル構造物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するためのスケルトン・インフィル構造物は、天井、床、壁のうちの少なくとも一つに取付用レールが適宜間隔ごとに埋設され、該取付用レールにベースパネルがそれぞれ取外自在に設置されたことを特徴とする。また取付用レールは一方向または二方向に交差して埋設されたことを含む。また取付用レールは統一された寸法で埋設されたことを含む。また取付用レールは天井、床、壁における外側鉄筋に平行で、かつ外側鉄筋の間に埋設されたことを含む。またベースパネルの一面には断熱材、遮音材、吸音材が取り付けられたことを含む。また天井、床および壁は片面または両面に取付用レールが埋設されたプレキャストコンクリート板で形成されたことを含む。両面に埋設された取付用レールは、互いにずれた位置に埋設されたことを含む。またプレキャストコンクリート板はハーフプレキャストコンクリート板、フルプレキャストコンクリート板、適宜間隔をもって対向したコンクリート板がトラス筋で接合されたプレキャストコンクリート板であることを含むものである。
【0007】
取付用レールが天井、床および壁に適宜間隔をもって埋設されたことにより、スケルトンを傷めることなく、床パネル、天井パネル、壁パネルなどのベースパネルを簡単、かつ自由に取付けまたは取外しすることができる。またベースパネルを取付用レールに取り付けることにより、ベースパネルの取付位置が限定されず、任意の位置に設置することができるとともに、設置時における微調整も簡単にでき、かつベースパネルの大きさも自由に変えることができる。また取付用レールは統一された寸法で埋設されたことにより、ベースパネルの転用ができる。また取付用レールは天井、床、壁における外側鉄筋に平行で、かつ外側鉄筋の間に埋設されたことにより、鉄筋のかぶり不足を補うことができる。またベースパネルの一面には断熱材、遮音材、吸音材が取り付けられたことにより、断熱パネル、遮音パネル、吸音パネルとすることができる。またプレキャストコンクリート板で壁、スラブが構築できるので、床、天井、壁に取付用レールが簡単に設置できる。また両面に埋設された取付用レールは、互いにずれた位置に埋設されたことにより、構造躯体の強度低下を防ぐことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明のスケルトン・インフィル構造物(以下SI構造物という)の実施の形態について説明する。このSI構造物は、事務所用テナントビル、集合住宅、美術館、博物館、ホテル、病院、老人ホームなどであり、これらのほかに間仕切りなどの内装材の変更が必要な構造物の全てが含まれるものである。
【0009】
図1および2は現場打ちの鉄筋コンクリートで構築された事務所用のテナントビルのスケルトン(以下構造躯体という)1であり、天井2、床3、壁4の全面に取付用レール5が埋設されて構成されている。
【0010】
この取付用レール5は、図3に示すように、断面コ字形や内部の通路が円形のものであり、ステンレス製の錆にくい金物や、高強度の無機質材料で一体成型されている。
【0011】
この取付用レール5は天井2および床3は同じ方向で適宜間隔ごとに埋設され、壁4は垂直方向で適宜間隔ごとに埋設されている。この埋設間隔は統一された一定の間隔(モジュール間隔)であり、この統一された間隔に埋設することにより、後述するベースパネルの転用が可能になる。すなわち、間仕切りの変更により不要となったベースパネルは化粧材などを貼り直すことにより、他のユーザー(居住者)へ再販、またはリースすることが可能になる。
【0012】
また取付用レール5は、上面が天井2、床3および壁4の表面と面一状になるように埋設され、これらの外側鉄筋に平行で、かつ外側鉄筋の中間に埋め込まれて鉄筋のかぶり不足を補っている。また取付用レール5は、上下の部屋または隣の部屋の取付用レール5とずれて埋設されることにより、構造躯体の強度低下を防いでいる。
【0013】
さらに取付用レール5を開口部の周りに埋め込んで、ドアやサッシュなどを取り付けることにより、これらの取り替えが簡単にできるようになる。また取付用レール5は部屋の出隅部、入り隅部(コーナー部)、あるいは柱梁の出隅部などで半端な寸法にならない位置に埋設される。なお、この取付用レール5は同じ方向だけでなく、交差させて埋設することもできる。
【0014】
天井面、床面および壁面を形成する天井パネル6、床パネル7および壁パネル8などのベースパネル9は、図4に示すように、裏面側に取付金具10を備えるとともに、表面側には塗装が施されている他、タイルやクロスが貼り付けられている(図示せず)。
【0015】
この取付金具10は取付用レール5に嵌め込まれる固定ピン11と、この固定ピンに取り付けられた高さ調整をする調整プレート12と、これにねじ込まれた取付ピン13とから構成され、前記の調整プレート12で各パネル7、8、9を接合して、壁面、床面および天井面を形成するとともに、壁面、床面および天井面全体のレベル調整をする。
【0016】
また天井パネル6は照明を埋め込んだものや、スピーカを埋め込んだものを作ることができる。また壁パネルはコンセント、壁掛けテレビ、各種情報機器、ドアホン親機、絵画およびその他の装飾品を埋め込んだものや棚を取ち付けたものを作ることができる。
【0017】
また床パネル7は上面に床材(図示せず)を設け、各種の配管が設置可能な間隙部を躯体との間に設け、この間隙部には断熱材、遮音材、吸音材を設置することもできる。
【0018】
以上のように事務所用のテナントビルの場合は、取付用レールが埋め込まれたスケルトン状態で賃借すると、契約者が転出する時に、内装および間仕切りを元の状態に戻す原状復帰の費用および期間が低減される。
【0019】
また取付用レールは、図5に示すように、長さ方向にも適宜間隔をもって、埋設することができる。この取付用レールの長さおよび取付用レール間の長さは建物の使用用途により、任意に設置するとことができる。
【0020】
また図6は、下面に取付用レール5を埋設したプレキャストコンクリート板(以下PC板という)14、いわゆるハーフPC板14であり、これを使用して事務所用テナントビルの構造躯体を構築するものである。
【0021】
このPC板14を梁15間に設置してトップコンクリート16を打設すると、図7に示すようなスラブ17を構築することもできる。このスラブ17の上面には、下面とずれた位置に取付用レール5が埋設されている。このようなスラブ17の他に、壁も同じ方法で構築することができる(図示せず)。
【0022】
また図8は、下面に取付用レール5を埋設したPC板14が、適宜間隔をもってトラス筋18で対向して接合されたPC板19であり、これを梁15間に設置してPC板間20にコンクリート21を打設することにより、図9に示すようなスラブ22を構築することもできる。この場合はPC板19を梁15間に設置すると同時に、スラブ22の上下面に取付用レール5が設置された状態になる。
【0023】
また、このほか上下面に取付用レール5を埋設したPC板、いわゆるフルPC板を形成することもできる。
【0024】
また図10は下面に交差状の取付用レール23を埋設したPC板24であり、これは上記のPC板14、19にも適用することができ、これ以外は同じ構成になる。
【0025】
【発明の効果】
取付用レールが天井、床および壁に適宜間隔をもって埋設されたことにより、スケルトンを傷めることなく、床パネル、天井パネル、壁パネルなどのベースパネルを簡単、かつ自由に取付けまたは取外しすることができる。
【0026】
ベースパネルを取付用レールに取り付けることにより、ベースパネルの取付位置が限定されず、任意の位置に設置することができる。
【0027】
取付用レールは統一された寸法で埋設されたことにより、ベースパネルの転用ができる。
【0028】
取付用レールは天井、床、壁における外側鉄筋に平行で、かつ外側鉄筋の間に埋設されたことにより、鉄筋のかぶり不足を補うことができる。
【0029】
ベースパネルの一面には断熱材、遮音材、吸音材が取り付けられたことにより、断熱パネル、遮音パネル、吸音パネルとすることができる。
【0030】
プレキャストコンクリート板で壁、スラブが構築できるので、床、天井、壁に取付用レールが簡単に設置できる。
【0031】
両面に埋設された取付用レールは、互いにずれた位置に埋設されたことにより、構造躯体の強度低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】構造躯体の斜視図である。
【図2】構造躯体の断面図である。
【図3】(1)および(2)は取付用レールの断面図である。
【図4】ベースパネルの取り付け状態を示す断面図である。
【図5】他の構造躯体の斜視図である。
【図6】取付用レールが埋設されたPC板であり、(1)は底面図、(2)はA−A線断面図、(3)はB−B線断面図である。
【図7】図6のPC板を使用したスラブの断面図である。
【図8】取付用レールが埋設されたPC板であり、(1)および(2)は断面図である。
【図9】図8のPC板を使用したスラブの断面図である。
【図10】取付用レールが埋設されたPC板であり、(1)は底面図、(2)はC−C線断面図、(3)はD−D線断面図である。
【符号の説明】
1 構造躯体
2 天井
3 床
4 壁
5 取付用レール
6 天井パネル
7 床パネル
8 壁パネル
9 ベースパネル
10 取付金具
11 固定ピン
12 調整プレート
13 取付ピン
14、19、24 PC板
15 梁
16 トップコンクリート
17、22 スラブ
18 トラス筋
20 PC板間
21 コンクリート
23 取付用レール
【発明の属する技術分野】
本発明はスケルトン・インフィル構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年のRC造やSRC造の大規模な構造物においては、柱、梁、スラブ、壁などのスケルトン(構造躯体)と、間仕切り、設備、内装などのインフィル(内容物)とを分離構成し、スケルトンをそのままにして、インフィルだけを変更して間取りを自由に変えることができるスケルトン・インフィル構造(SI構造)が多く用いられている。このスケルトン・インフィル構造物としては、例えば特開2002−21348号公報の発明がある。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−21348号公報(図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のスケルトン・インフィル構造物は、間仕切りなどの内装材の変更工事などにおいて、仕上げ材や仕上げ下地材を躯体に接着したり、アンカーボルトで固定しているため、躯体を傷めてしまうという問題があった。また、天井パネルや壁パネルなどのベースパネルをインサート金具で取り付けていたため、取付位置の自由な変更や微調整が困難であった。に
【0005】
本発明はこれらの問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、スケルトンを傷めることなく、インフィルを自由に変更できるとともに、ベースパネルの取付位置の自由な変更や微調整が簡単にできるスケルトン・インフィル構造物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するためのスケルトン・インフィル構造物は、天井、床、壁のうちの少なくとも一つに取付用レールが適宜間隔ごとに埋設され、該取付用レールにベースパネルがそれぞれ取外自在に設置されたことを特徴とする。また取付用レールは一方向または二方向に交差して埋設されたことを含む。また取付用レールは統一された寸法で埋設されたことを含む。また取付用レールは天井、床、壁における外側鉄筋に平行で、かつ外側鉄筋の間に埋設されたことを含む。またベースパネルの一面には断熱材、遮音材、吸音材が取り付けられたことを含む。また天井、床および壁は片面または両面に取付用レールが埋設されたプレキャストコンクリート板で形成されたことを含む。両面に埋設された取付用レールは、互いにずれた位置に埋設されたことを含む。またプレキャストコンクリート板はハーフプレキャストコンクリート板、フルプレキャストコンクリート板、適宜間隔をもって対向したコンクリート板がトラス筋で接合されたプレキャストコンクリート板であることを含むものである。
【0007】
取付用レールが天井、床および壁に適宜間隔をもって埋設されたことにより、スケルトンを傷めることなく、床パネル、天井パネル、壁パネルなどのベースパネルを簡単、かつ自由に取付けまたは取外しすることができる。またベースパネルを取付用レールに取り付けることにより、ベースパネルの取付位置が限定されず、任意の位置に設置することができるとともに、設置時における微調整も簡単にでき、かつベースパネルの大きさも自由に変えることができる。また取付用レールは統一された寸法で埋設されたことにより、ベースパネルの転用ができる。また取付用レールは天井、床、壁における外側鉄筋に平行で、かつ外側鉄筋の間に埋設されたことにより、鉄筋のかぶり不足を補うことができる。またベースパネルの一面には断熱材、遮音材、吸音材が取り付けられたことにより、断熱パネル、遮音パネル、吸音パネルとすることができる。またプレキャストコンクリート板で壁、スラブが構築できるので、床、天井、壁に取付用レールが簡単に設置できる。また両面に埋設された取付用レールは、互いにずれた位置に埋設されたことにより、構造躯体の強度低下を防ぐことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明のスケルトン・インフィル構造物(以下SI構造物という)の実施の形態について説明する。このSI構造物は、事務所用テナントビル、集合住宅、美術館、博物館、ホテル、病院、老人ホームなどであり、これらのほかに間仕切りなどの内装材の変更が必要な構造物の全てが含まれるものである。
【0009】
図1および2は現場打ちの鉄筋コンクリートで構築された事務所用のテナントビルのスケルトン(以下構造躯体という)1であり、天井2、床3、壁4の全面に取付用レール5が埋設されて構成されている。
【0010】
この取付用レール5は、図3に示すように、断面コ字形や内部の通路が円形のものであり、ステンレス製の錆にくい金物や、高強度の無機質材料で一体成型されている。
【0011】
この取付用レール5は天井2および床3は同じ方向で適宜間隔ごとに埋設され、壁4は垂直方向で適宜間隔ごとに埋設されている。この埋設間隔は統一された一定の間隔(モジュール間隔)であり、この統一された間隔に埋設することにより、後述するベースパネルの転用が可能になる。すなわち、間仕切りの変更により不要となったベースパネルは化粧材などを貼り直すことにより、他のユーザー(居住者)へ再販、またはリースすることが可能になる。
【0012】
また取付用レール5は、上面が天井2、床3および壁4の表面と面一状になるように埋設され、これらの外側鉄筋に平行で、かつ外側鉄筋の中間に埋め込まれて鉄筋のかぶり不足を補っている。また取付用レール5は、上下の部屋または隣の部屋の取付用レール5とずれて埋設されることにより、構造躯体の強度低下を防いでいる。
【0013】
さらに取付用レール5を開口部の周りに埋め込んで、ドアやサッシュなどを取り付けることにより、これらの取り替えが簡単にできるようになる。また取付用レール5は部屋の出隅部、入り隅部(コーナー部)、あるいは柱梁の出隅部などで半端な寸法にならない位置に埋設される。なお、この取付用レール5は同じ方向だけでなく、交差させて埋設することもできる。
【0014】
天井面、床面および壁面を形成する天井パネル6、床パネル7および壁パネル8などのベースパネル9は、図4に示すように、裏面側に取付金具10を備えるとともに、表面側には塗装が施されている他、タイルやクロスが貼り付けられている(図示せず)。
【0015】
この取付金具10は取付用レール5に嵌め込まれる固定ピン11と、この固定ピンに取り付けられた高さ調整をする調整プレート12と、これにねじ込まれた取付ピン13とから構成され、前記の調整プレート12で各パネル7、8、9を接合して、壁面、床面および天井面を形成するとともに、壁面、床面および天井面全体のレベル調整をする。
【0016】
また天井パネル6は照明を埋め込んだものや、スピーカを埋め込んだものを作ることができる。また壁パネルはコンセント、壁掛けテレビ、各種情報機器、ドアホン親機、絵画およびその他の装飾品を埋め込んだものや棚を取ち付けたものを作ることができる。
【0017】
また床パネル7は上面に床材(図示せず)を設け、各種の配管が設置可能な間隙部を躯体との間に設け、この間隙部には断熱材、遮音材、吸音材を設置することもできる。
【0018】
以上のように事務所用のテナントビルの場合は、取付用レールが埋め込まれたスケルトン状態で賃借すると、契約者が転出する時に、内装および間仕切りを元の状態に戻す原状復帰の費用および期間が低減される。
【0019】
また取付用レールは、図5に示すように、長さ方向にも適宜間隔をもって、埋設することができる。この取付用レールの長さおよび取付用レール間の長さは建物の使用用途により、任意に設置するとことができる。
【0020】
また図6は、下面に取付用レール5を埋設したプレキャストコンクリート板(以下PC板という)14、いわゆるハーフPC板14であり、これを使用して事務所用テナントビルの構造躯体を構築するものである。
【0021】
このPC板14を梁15間に設置してトップコンクリート16を打設すると、図7に示すようなスラブ17を構築することもできる。このスラブ17の上面には、下面とずれた位置に取付用レール5が埋設されている。このようなスラブ17の他に、壁も同じ方法で構築することができる(図示せず)。
【0022】
また図8は、下面に取付用レール5を埋設したPC板14が、適宜間隔をもってトラス筋18で対向して接合されたPC板19であり、これを梁15間に設置してPC板間20にコンクリート21を打設することにより、図9に示すようなスラブ22を構築することもできる。この場合はPC板19を梁15間に設置すると同時に、スラブ22の上下面に取付用レール5が設置された状態になる。
【0023】
また、このほか上下面に取付用レール5を埋設したPC板、いわゆるフルPC板を形成することもできる。
【0024】
また図10は下面に交差状の取付用レール23を埋設したPC板24であり、これは上記のPC板14、19にも適用することができ、これ以外は同じ構成になる。
【0025】
【発明の効果】
取付用レールが天井、床および壁に適宜間隔をもって埋設されたことにより、スケルトンを傷めることなく、床パネル、天井パネル、壁パネルなどのベースパネルを簡単、かつ自由に取付けまたは取外しすることができる。
【0026】
ベースパネルを取付用レールに取り付けることにより、ベースパネルの取付位置が限定されず、任意の位置に設置することができる。
【0027】
取付用レールは統一された寸法で埋設されたことにより、ベースパネルの転用ができる。
【0028】
取付用レールは天井、床、壁における外側鉄筋に平行で、かつ外側鉄筋の間に埋設されたことにより、鉄筋のかぶり不足を補うことができる。
【0029】
ベースパネルの一面には断熱材、遮音材、吸音材が取り付けられたことにより、断熱パネル、遮音パネル、吸音パネルとすることができる。
【0030】
プレキャストコンクリート板で壁、スラブが構築できるので、床、天井、壁に取付用レールが簡単に設置できる。
【0031】
両面に埋設された取付用レールは、互いにずれた位置に埋設されたことにより、構造躯体の強度低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】構造躯体の斜視図である。
【図2】構造躯体の断面図である。
【図3】(1)および(2)は取付用レールの断面図である。
【図4】ベースパネルの取り付け状態を示す断面図である。
【図5】他の構造躯体の斜視図である。
【図6】取付用レールが埋設されたPC板であり、(1)は底面図、(2)はA−A線断面図、(3)はB−B線断面図である。
【図7】図6のPC板を使用したスラブの断面図である。
【図8】取付用レールが埋設されたPC板であり、(1)および(2)は断面図である。
【図9】図8のPC板を使用したスラブの断面図である。
【図10】取付用レールが埋設されたPC板であり、(1)は底面図、(2)はC−C線断面図、(3)はD−D線断面図である。
【符号の説明】
1 構造躯体
2 天井
3 床
4 壁
5 取付用レール
6 天井パネル
7 床パネル
8 壁パネル
9 ベースパネル
10 取付金具
11 固定ピン
12 調整プレート
13 取付ピン
14、19、24 PC板
15 梁
16 トップコンクリート
17、22 スラブ
18 トラス筋
20 PC板間
21 コンクリート
23 取付用レール
Claims (8)
- 天井、床、壁のうちの少なくとも一つに取付用レールが適宜間隔ごとに埋設され、該取付用レールにベースパネルがそれぞれ取外自在に設置されたことを特徴とするスケルトン・インフィル構造物。
- 取付用レールは一方向または二方向に交差して埋設されたことを特徴とする請求項1に記載のスケルトン・インフィル構造物。
- 取付用レールは統一された寸法で埋設されたことを特徴とする請求項1または2に記載のスケルトン・インフィル構造物。
- 取付用レールは天井、床、壁における外側鉄筋に平行で、かつ外側鉄筋の間に埋設されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスケルトン・インフィル構造物。
- ベースパネルの一面には断熱材、遮音材、吸音材が取り付けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のスケルトン・インフィル構造物。
- 天井、床および壁は片面または両面に取付用レールが埋設されたプレキャストコンクリート板で形成されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のスケルトン・インフィル構造物。
- 両面に埋設された取付用レールは、互いにずれた位置に埋設されたことを特徴とする請求項6に記載のスケルトン・インフィル構造物。
- プレキャストコンクリート板はハーフプレキャストコンクリート板、フルプレキャストコンクリート板、適宜間隔をもって対向したコンクリート板がトラス筋で接合されたプレキャストコンクリート板であることを特徴とする請求項6に記載のスケルトン・インフィル構造物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003184786A JP2005016221A (ja) | 2003-06-27 | 2003-06-27 | スケルトン・インフィル構造物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003184786A JP2005016221A (ja) | 2003-06-27 | 2003-06-27 | スケルトン・インフィル構造物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005016221A true JP2005016221A (ja) | 2005-01-20 |
Family
ID=34184441
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003184786A Pending JP2005016221A (ja) | 2003-06-27 | 2003-06-27 | スケルトン・インフィル構造物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005016221A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016040433A (ja) * | 2014-08-12 | 2016-03-24 | 積水化学工業株式会社 | 集合住宅および住戸の断熱工法 |
JP2017180089A (ja) * | 2017-06-12 | 2017-10-05 | 積水化学工業株式会社 | 住戸および住戸の断熱工法 |
EP3654476A3 (de) * | 2018-11-19 | 2020-07-01 | Innogy SE | Betonfertigbauteil und ladesystem |
-
2003
- 2003-06-27 JP JP2003184786A patent/JP2005016221A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016040433A (ja) * | 2014-08-12 | 2016-03-24 | 積水化学工業株式会社 | 集合住宅および住戸の断熱工法 |
JP2017180089A (ja) * | 2017-06-12 | 2017-10-05 | 積水化学工業株式会社 | 住戸および住戸の断熱工法 |
EP3654476A3 (de) * | 2018-11-19 | 2020-07-01 | Innogy SE | Betonfertigbauteil und ladesystem |
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