JPH10245490A - 粒子分散無機・有機ハイブリッド型エラストマー - Google Patents
粒子分散無機・有機ハイブリッド型エラストマーInfo
- Publication number
- JPH10245490A JPH10245490A JP5123097A JP5123097A JPH10245490A JP H10245490 A JPH10245490 A JP H10245490A JP 5123097 A JP5123097 A JP 5123097A JP 5123097 A JP5123097 A JP 5123097A JP H10245490 A JPH10245490 A JP H10245490A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- elastomer
- particles
- dispersed
- particle
- organic hybrid
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- Pending
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
- Silicon Polymers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、自動車部品、電気部品などとして
防振・吸音などの目的のために利用可能な、耐熱性、強
度、伸びに優れた無機・有機ハイブリッド型エラストマ
ーを提供するものである。 【解決手段】 金属アルコキシドと末端シラノールポリ
ジメチルシロキサンとから合成される耐熱性に優れたエ
ラストマーに、0.5体積%以上10体積%以下の粒子
を分散させることにより、強度と伸びの両特性を兼ね備
えた粒子分散無機・有機ハイブリッド型エラストマーと
する。
防振・吸音などの目的のために利用可能な、耐熱性、強
度、伸びに優れた無機・有機ハイブリッド型エラストマ
ーを提供するものである。 【解決手段】 金属アルコキシドと末端シラノールポリ
ジメチルシロキサンとから合成される耐熱性に優れたエ
ラストマーに、0.5体積%以上10体積%以下の粒子
を分散させることにより、強度と伸びの両特性を兼ね備
えた粒子分散無機・有機ハイブリッド型エラストマーと
する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防振・吸音材料な
どに応用される耐熱性、強度、および伸びに優れた粒子
分散無機・有機ハイブリッド型エラストマーに関するも
のである。
どに応用される耐熱性、強度、および伸びに優れた粒子
分散無機・有機ハイブリッド型エラストマーに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】エラストマーとして一般的に知られてい
るイソプレン系ゴム、ブタジエン系ゴム、ジエン系ゴ
ム、オレフィン系ゴムは、いずれも炭素、酸素、水素を
主成分とした有機化合物でできているため熱に弱く、1
50℃以上で急速に劣化する。フッ素ゴムの使用可能温
度は、260℃付近までである。シリコーンゴムの使用
可能温度は、200〜250℃までである。これらのゴ
ムは、硬化させるために種々の微粒子を添加している。
これらのエラストマーは、耐熱性が低いのが現状であ
り、350℃程度まで昇温する自動車等のマフラーやエ
ンジン周辺部品など各種の自動車部品、工業用品、電気
部品、土木建築用品には利用できなかった。
るイソプレン系ゴム、ブタジエン系ゴム、ジエン系ゴ
ム、オレフィン系ゴムは、いずれも炭素、酸素、水素を
主成分とした有機化合物でできているため熱に弱く、1
50℃以上で急速に劣化する。フッ素ゴムの使用可能温
度は、260℃付近までである。シリコーンゴムの使用
可能温度は、200〜250℃までである。これらのゴ
ムは、硬化させるために種々の微粒子を添加している。
これらのエラストマーは、耐熱性が低いのが現状であ
り、350℃程度まで昇温する自動車等のマフラーやエ
ンジン周辺部品など各種の自動車部品、工業用品、電気
部品、土木建築用品には利用できなかった。
【0003】耐熱性を向上させたエラストマーとして、
無機・有機ハイブリッド型エラストマーが提案されてい
る(特願平8−253473号)。これは、金属アルコ
キシドと末端シラノールポリジメチルシロキサンから合
成されるハイブリッドで、400℃での使用にも耐えら
れるものである。しかし、このエラストマーで、100
%以上の伸びと10MPa 以上の強度を兼ね備えることが
できるのは、2種類以上の金属アルコキシドをうまく組
み合わせて末端シラノールポリジメチルシロキサンと反
応させた場合のみである。金属アルコキシドは金属の種
類によって反応性が異なるので、複数の金属アルコキシ
ドを同時に末端シラノールポリジメチルシロキサンと反
応させるのは合成条件の制御が難しいという問題があ
る。また、1種類の金属アルコキシドのみを末端シラノ
ールポリジメチルシロキサンと反応させる場合は、伸び
と強度の両立ができない。
無機・有機ハイブリッド型エラストマーが提案されてい
る(特願平8−253473号)。これは、金属アルコ
キシドと末端シラノールポリジメチルシロキサンから合
成されるハイブリッドで、400℃での使用にも耐えら
れるものである。しかし、このエラストマーで、100
%以上の伸びと10MPa 以上の強度を兼ね備えることが
できるのは、2種類以上の金属アルコキシドをうまく組
み合わせて末端シラノールポリジメチルシロキサンと反
応させた場合のみである。金属アルコキシドは金属の種
類によって反応性が異なるので、複数の金属アルコキシ
ドを同時に末端シラノールポリジメチルシロキサンと反
応させるのは合成条件の制御が難しいという問題があ
る。また、1種類の金属アルコキシドのみを末端シラノ
ールポリジメチルシロキサンと反応させる場合は、伸び
と強度の両立ができない。
【0004】一方、可撓性を有する無機・有機ハイブリ
ッドとして、特開平7−278311号公報がある。こ
れは、無機・有機ハイブリッドのマトリックス中に粒子
を分散させたものであるが、マトリックスの無機・有機
ハイブリッドはモノマーである金属アルコキシドから作
製している。金属アルコキシドは、加水分解・重縮合反
応によりつながって、金属元素−酸素−金属元素の三次
元状無機網目構造を構成していく。しかし、モノマーで
ある金属アルコキシドから網目構造を構築する場合、現
実には金属アルコキシドのアルコキシ基がすべて理想的
に加水分解されて重合するように反応が進むとは限ら
ず、未反応のアルコキシ基が残ることが多い。このた
め、このようにモノマーから作製したハイブリッドは非
常に脆いという問題があった。その上、特開平7−27
8311号公報では分散させる粒子の量が20〜90体
積%と高いため、エラストマーとしての伸びは50%以
下であった。
ッドとして、特開平7−278311号公報がある。こ
れは、無機・有機ハイブリッドのマトリックス中に粒子
を分散させたものであるが、マトリックスの無機・有機
ハイブリッドはモノマーである金属アルコキシドから作
製している。金属アルコキシドは、加水分解・重縮合反
応によりつながって、金属元素−酸素−金属元素の三次
元状無機網目構造を構成していく。しかし、モノマーで
ある金属アルコキシドから網目構造を構築する場合、現
実には金属アルコキシドのアルコキシ基がすべて理想的
に加水分解されて重合するように反応が進むとは限ら
ず、未反応のアルコキシ基が残ることが多い。このた
め、このようにモノマーから作製したハイブリッドは非
常に脆いという問題があった。その上、特開平7−27
8311号公報では分散させる粒子の量が20〜90体
積%と高いため、エラストマーとしての伸びは50%以
下であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、自動車等の
マフラーやエンジン周辺部品など各種の自動車部品、工
業用品、電気部品、土木建築用品に使用することができ
る、耐熱性があり、強度と伸びに優れた粒子分散無機・
有機ハイブリッド型エラストマーを提供するものであ
る。
マフラーやエンジン周辺部品など各種の自動車部品、工
業用品、電気部品、土木建築用品に使用することができ
る、耐熱性があり、強度と伸びに優れた粒子分散無機・
有機ハイブリッド型エラストマーを提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は次の通り
である。 (1) 金属アルコキシドと末端シラノールポリジメチ
ルシロキサンとから合成されるエラストマーに、0.5
体積%以上10体積%以下の粒子を分散させることを特
徴とする粒子分散無機・有機ハイブリッド型エラストマ
ー、(2) 前記末端シラノールポリジメチルシロキサ
ンに対する金属アルコキシドのモル比が0.5以上5.
0以下であることを特徴とする、(1)記載の粒子分散
無機・有機ハイブリッド型エラストマー、(3) 前記
粒子の平均粒径が0.01μm以上0.5μm以下であ
ることを特徴とする(1)または(2)記載の粒子分散
無機・有機ハイブリッド型エラストマー、(4) 前記
粒子が、金属アルコキシドを加水分解して200℃以下
で熱処理して作製することにより得られる粒子であるこ
とを特徴とする(1)、(2)また(3)記載の粒子分
散無機・有機ハイブリッド型エラストマー、により達成
される。
である。 (1) 金属アルコキシドと末端シラノールポリジメチ
ルシロキサンとから合成されるエラストマーに、0.5
体積%以上10体積%以下の粒子を分散させることを特
徴とする粒子分散無機・有機ハイブリッド型エラストマ
ー、(2) 前記末端シラノールポリジメチルシロキサ
ンに対する金属アルコキシドのモル比が0.5以上5.
0以下であることを特徴とする、(1)記載の粒子分散
無機・有機ハイブリッド型エラストマー、(3) 前記
粒子の平均粒径が0.01μm以上0.5μm以下であ
ることを特徴とする(1)または(2)記載の粒子分散
無機・有機ハイブリッド型エラストマー、(4) 前記
粒子が、金属アルコキシドを加水分解して200℃以下
で熱処理して作製することにより得られる粒子であるこ
とを特徴とする(1)、(2)また(3)記載の粒子分
散無機・有機ハイブリッド型エラストマー、により達成
される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、金属アルコキシドと末
端シラノールポリジメチルシロキサンから合成される耐
熱性の優れたエラストマーに、0.5体積%以上10体
積%以下の粒子を分散させることにより、強度と伸びに
優れた粒子分散無機・有機ハイブリッド型エラストマー
を提供するものである。
端シラノールポリジメチルシロキサンから合成される耐
熱性の優れたエラストマーに、0.5体積%以上10体
積%以下の粒子を分散させることにより、強度と伸びに
優れた粒子分散無機・有機ハイブリッド型エラストマー
を提供するものである。
【0008】金属アルコキシドと末端シラノールポリジ
メチルシロキサンから合成されるエラストマー中に0.
5体積%以上10体積%以下の粒子を分散させると、粒
子表面とエラストマーを構成する分子との間に生じる相
互作用のためエラストマーの強度が向上する。0.5体
積%未満では強度向上の効果が見られない。10体積%
を越えると、エラストマー中に粒子を均一分散できない
ため、伸び、強度ともに低下したり、成形することがで
きなかったりする。
メチルシロキサンから合成されるエラストマー中に0.
5体積%以上10体積%以下の粒子を分散させると、粒
子表面とエラストマーを構成する分子との間に生じる相
互作用のためエラストマーの強度が向上する。0.5体
積%未満では強度向上の効果が見られない。10体積%
を越えると、エラストマー中に粒子を均一分散できない
ため、伸び、強度ともに低下したり、成形することがで
きなかったりする。
【0009】粒子を分散させるエラストマーは、高い伸
びを持たせるために、末端シラノールポリジメチルシロ
キサンに対する金属アルコキシドのモル比が0.5以上
5.0以下の比率で合成することが望ましい。この比が
0.5未満の場合は固化するための熱処理時間が長くな
りすぎ、5.0を越えると伸びが低下する。粒子を分散
させるマトリックスとなるエラストマーの合成には、複
数の金属アルコキシドを用いてもよい。このようなマト
リックスとなる無機・有機ハイブリッド型エラストマー
を構成するアルコキシドは特に限定しないが、例えば、
メトキシド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシドな
どが挙げられる。また、アルコキシ基の一部をβ−ジケ
トン、β−ケトエステル、アルカノールアミン、アルキ
ルアルカノールアミン、有機酸等で置換したアルコキシ
ド誘導体も使用できる。末端シラノールポリジメチルシ
ロキサンは、分子量が400〜4500であることが望
ましい。
びを持たせるために、末端シラノールポリジメチルシロ
キサンに対する金属アルコキシドのモル比が0.5以上
5.0以下の比率で合成することが望ましい。この比が
0.5未満の場合は固化するための熱処理時間が長くな
りすぎ、5.0を越えると伸びが低下する。粒子を分散
させるマトリックスとなるエラストマーの合成には、複
数の金属アルコキシドを用いてもよい。このようなマト
リックスとなる無機・有機ハイブリッド型エラストマー
を構成するアルコキシドは特に限定しないが、例えば、
メトキシド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシドな
どが挙げられる。また、アルコキシ基の一部をβ−ジケ
トン、β−ケトエステル、アルカノールアミン、アルキ
ルアルカノールアミン、有機酸等で置換したアルコキシ
ド誘導体も使用できる。末端シラノールポリジメチルシ
ロキサンは、分子量が400〜4500であることが望
ましい。
【0010】分散させる粒子は、同一体積%分散させた
場合、粒径が小さいほど表面積が大きくなり、エラスト
マーを構成する分子との相互作用が大きくなるので、平
均粒径が0.5μm以下であることが望ましい。平均粒
径が0.001μm未満の超微粒子は凝集しやすく取り
扱いにくいので、0.001μm以上であることが望ま
しい。平均粒径0.001μm以上0.5μm以下の粒
子は、例えば金属アルコキシドを有機溶媒中で加水分解
し、200℃以下で熱処理することにより得られる。こ
のようにして作製した粒子は、表面が活性なのでエラス
トマーを構成する分子との相互作用が特に大きく強度向
上の効果も大きい。
場合、粒径が小さいほど表面積が大きくなり、エラスト
マーを構成する分子との相互作用が大きくなるので、平
均粒径が0.5μm以下であることが望ましい。平均粒
径が0.001μm未満の超微粒子は凝集しやすく取り
扱いにくいので、0.001μm以上であることが望ま
しい。平均粒径0.001μm以上0.5μm以下の粒
子は、例えば金属アルコキシドを有機溶媒中で加水分解
し、200℃以下で熱処理することにより得られる。こ
のようにして作製した粒子は、表面が活性なのでエラス
トマーを構成する分子との相互作用が特に大きく強度向
上の効果も大きい。
【0011】
【実施例】本発明の無機・有機ハイブリッド型エラスト
マーを以下の実施例によって具体的に説明する。ただ
し、本発明は、これらの実施例のみに限定されるもので
はない。
マーを以下の実施例によって具体的に説明する。ただ
し、本発明は、これらの実施例のみに限定されるもので
はない。
【0012】表1に示した組成比でゾルを作製した。実
施例1〜7および比較例8〜11はまず、エタノール溶
媒に末端シラノールポリジメチルシロキサンを溶かし溶
液1を作製する。末端シラノールポリジメチルシロキサ
ンの分子量は3000である。同じくエタノールを溶媒
として、アセト酢酸エチルと金属アルコキシドを攪拌し
溶液2を作製する。アセト酢酸エチルと金属アルコキシ
ドの比は2:1である。溶液1に溶液2を加えて攪拌
し、エタノールと水の混合溶液を加えさらに攪拌する。
施例1〜7および比較例8〜11はまず、エタノール溶
媒に末端シラノールポリジメチルシロキサンを溶かし溶
液1を作製する。末端シラノールポリジメチルシロキサ
ンの分子量は3000である。同じくエタノールを溶媒
として、アセト酢酸エチルと金属アルコキシドを攪拌し
溶液2を作製する。アセト酢酸エチルと金属アルコキシ
ドの比は2:1である。溶液1に溶液2を加えて攪拌
し、エタノールと水の混合溶液を加えさらに攪拌する。
【0013】このようにして作製したゾルに、種々の粒
子を所定の体積%になるように加え、3000rpm の回
転数でスターラーで攪拌し混合した。この粒子入りのゾ
ルを70℃でゲル化させた後、150℃で72時間熱処
理した。得られた粒子分散無機・有機ハイブリッド型エ
ラストマーから、引っ張り部の大きさが2×10×1mm
のダンベル型の試験片を作製し、引っ張り試験を行い、
ヤング率、強度、伸びを求めた。
子を所定の体積%になるように加え、3000rpm の回
転数でスターラーで攪拌し混合した。この粒子入りのゾ
ルを70℃でゲル化させた後、150℃で72時間熱処
理した。得られた粒子分散無機・有機ハイブリッド型エ
ラストマーから、引っ張り部の大きさが2×10×1mm
のダンベル型の試験片を作製し、引っ張り試験を行い、
ヤング率、強度、伸びを求めた。
【0014】表1のNo.1〜7は、本発明による実施
例である。いずれも、120%以上の高い伸びと10Mp
a 以上の強度を兼ね備えたエラストマーが得られてい
る。ヤング率もエラストマーとしてふさわしい0.1〜
300MPa の範囲内にある。特に実施例1〜3は、Ti
イソプロポキシドを10モル倍のイソプロピルアルコー
ル中に分散させ15モル倍の水を加えて加水分解し、1
50℃で8時間熱処理して得られた粒子を分散させたも
ので、350%以上の高い伸びと12MPa 以上の高い強
度を両立させている。実施例4と5は、それぞれ、エア
ロゲルと通常の酸化物試薬を分散させたもので、金属ア
ルコキシドを加水分解して低温で熱処理して得られた粒
子を分散させたときほどではないが、比較的高い伸びと
強度を有している。実施例6は、複数の金属アルコキシ
ドと末端シラノールポリジメチルシロキサンから合成し
たエラストマーに粒子を分散させた例で、エラストマー
自体が比較的高い強度を有する系であるため、粒子を分
散させることによりさらに高い強度を持つことができ
た。実施例7は、末端シラノールポリジメチルシロキサ
ンに対する金属アルコキシドの比が5より高いため、伸
びはやや小さいが、強度は高い。
例である。いずれも、120%以上の高い伸びと10Mp
a 以上の強度を兼ね備えたエラストマーが得られてい
る。ヤング率もエラストマーとしてふさわしい0.1〜
300MPa の範囲内にある。特に実施例1〜3は、Ti
イソプロポキシドを10モル倍のイソプロピルアルコー
ル中に分散させ15モル倍の水を加えて加水分解し、1
50℃で8時間熱処理して得られた粒子を分散させたも
ので、350%以上の高い伸びと12MPa 以上の高い強
度を両立させている。実施例4と5は、それぞれ、エア
ロゲルと通常の酸化物試薬を分散させたもので、金属ア
ルコキシドを加水分解して低温で熱処理して得られた粒
子を分散させたときほどではないが、比較的高い伸びと
強度を有している。実施例6は、複数の金属アルコキシ
ドと末端シラノールポリジメチルシロキサンから合成し
たエラストマーに粒子を分散させた例で、エラストマー
自体が比較的高い強度を有する系であるため、粒子を分
散させることによりさらに高い強度を持つことができ
た。実施例7は、末端シラノールポリジメチルシロキサ
ンに対する金属アルコキシドの比が5より高いため、伸
びはやや小さいが、強度は高い。
【0015】比較例8および11は、粒子を分散させて
いないものである。粒子がないため、伸びと強度を両立
させることができない。比較例8はポリジメチルシロキ
サンの比率が高いため、伸びはよいが、ポリジメチルシ
ロキサンを架橋させる金属アルコキシドが少ないため強
度が低い。比較例11は金属アルコキシドの割合を高く
し、架橋点を増やして強度を上げたが、そのために伸び
が低下している。比較例9は、粒子の体積%が高すぎる
ため、粒子をエラストマー中に均一分散できず脆く、試
験片加工できなかった。比較例10は、実施例1〜4お
よび比較例8と同じエラストマーであるが、粒子の体積
%が少ないため、強度は比較例8と同程度で粒子分散の
効果が見られない。比較例12は、末端シラノールポリ
ジメチルシロキサンを用いず、メチルトリエトキシシラ
ンから合成した粒子分散無機・有機ハイブリッドの例で
ある。柔軟性の優れたポリジメチルシロキサン骨格を含
まないため、伸びが小さい。
いないものである。粒子がないため、伸びと強度を両立
させることができない。比較例8はポリジメチルシロキ
サンの比率が高いため、伸びはよいが、ポリジメチルシ
ロキサンを架橋させる金属アルコキシドが少ないため強
度が低い。比較例11は金属アルコキシドの割合を高く
し、架橋点を増やして強度を上げたが、そのために伸び
が低下している。比較例9は、粒子の体積%が高すぎる
ため、粒子をエラストマー中に均一分散できず脆く、試
験片加工できなかった。比較例10は、実施例1〜4お
よび比較例8と同じエラストマーであるが、粒子の体積
%が少ないため、強度は比較例8と同程度で粒子分散の
効果が見られない。比較例12は、末端シラノールポリ
ジメチルシロキサンを用いず、メチルトリエトキシシラ
ンから合成した粒子分散無機・有機ハイブリッドの例で
ある。柔軟性の優れたポリジメチルシロキサン骨格を含
まないため、伸びが小さい。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】本発明の粒子分散無機・有機ハイブリッ
ド型エラストマーは、高い強度と大きい伸びを兼ね備
え、耐熱性に優れた材料である。本発明の無機・有機ハ
イブリッド型エラストマーは、350℃程度まで昇温す
る自動車等のマフラーやエンジン周辺部材をはじめ、各
種の自動車部品、工業用品、電気部品、土木建築用品と
して、防振・吸音などの目的のために利用可能である。
ド型エラストマーは、高い強度と大きい伸びを兼ね備
え、耐熱性に優れた材料である。本発明の無機・有機ハ
イブリッド型エラストマーは、350℃程度まで昇温す
る自動車等のマフラーやエンジン周辺部材をはじめ、各
種の自動車部品、工業用品、電気部品、土木建築用品と
して、防振・吸音などの目的のために利用可能である。
Claims (4)
- 【請求項1】 金属アルコキシドと末端シラノールポリ
ジメチルシロキサンとから合成されるエラストマーに、
0.5体積%以上10体積%以下の粒子を分散させるこ
とを特徴とする粒子分散無機・有機ハイブリッド型エラ
ストマー。 - 【請求項2】 前記末端シラノールポリジメチルシロキ
サンに対する金属アルコキシドのモル比が0.5以上
5.0以下であることを特徴とする、請求項1記載の粒
子分散無機・有機ハイブリッド型エラストマー。 - 【請求項3】 前記粒子の平均粒径が0.01μm以上
0.5μm以下であることを特徴とする請求項1または
2記載の粒子分散無機・有機ハイブリッド型エラストマ
ー。 - 【請求項4】 前記粒子が金属アルコキシドを加水分解
して200℃以下で熱処理して作製することにより得ら
れる粒子であることを特徴とする請求項1、2または3
記載の粒子分散無機・有機ハイブリッド型エラストマ
ー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5123097A JPH10245490A (ja) | 1997-03-06 | 1997-03-06 | 粒子分散無機・有機ハイブリッド型エラストマー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5123097A JPH10245490A (ja) | 1997-03-06 | 1997-03-06 | 粒子分散無機・有機ハイブリッド型エラストマー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10245490A true JPH10245490A (ja) | 1998-09-14 |
Family
ID=12881156
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5123097A Pending JPH10245490A (ja) | 1997-03-06 | 1997-03-06 | 粒子分散無機・有機ハイブリッド型エラストマー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10245490A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6638631B2 (en) | 2001-07-10 | 2003-10-28 | Hitachi, Ltd. | Thermal stable low elastic modulus material and device using the same |
JP2004067983A (ja) * | 2002-06-11 | 2004-03-04 | Ube Nitto Kasei Co Ltd | チタンアルコキシド加水分解縮合物の製造方法および傾斜膜形成用コーティング剤 |
WO2004067606A1 (ja) * | 2003-01-30 | 2004-08-12 | Suzuka Fuji Xerox Co., Ltd. | 耐熱性熱伝導性材料 |
JP2008231403A (ja) * | 2007-02-20 | 2008-10-02 | Suzuka Fuji Xerox Co Ltd | 二液型熱硬化性樹脂組成物及び耐熱性透明樹脂成形物の製造方法 |
-
1997
- 1997-03-06 JP JP5123097A patent/JPH10245490A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6638631B2 (en) | 2001-07-10 | 2003-10-28 | Hitachi, Ltd. | Thermal stable low elastic modulus material and device using the same |
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