JPH10245490A - 粒子分散無機・有機ハイブリッド型エラストマー - Google Patents

粒子分散無機・有機ハイブリッド型エラストマー

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JPH10245490A
JPH10245490A JP5123097A JP5123097A JPH10245490A JP H10245490 A JPH10245490 A JP H10245490A JP 5123097 A JP5123097 A JP 5123097A JP 5123097 A JP5123097 A JP 5123097A JP H10245490 A JPH10245490 A JP H10245490A
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JP
Japan
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elastomer
particles
dispersed
particle
organic hybrid
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Application number
JP5123097A
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English (en)
Inventor
Noriko Yamada
紀子 山田
Shingo Katayama
真吾 片山
Ikuko Yoshinaga
郁子 吉永
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、自動車部品、電気部品などとして
防振・吸音などの目的のために利用可能な、耐熱性、強
度、伸びに優れた無機・有機ハイブリッド型エラストマ
ーを提供するものである。 【解決手段】 金属アルコキシドと末端シラノールポリ
ジメチルシロキサンとから合成される耐熱性に優れたエ
ラストマーに、0.5体積%以上10体積%以下の粒子
を分散させることにより、強度と伸びの両特性を兼ね備
えた粒子分散無機・有機ハイブリッド型エラストマーと
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防振・吸音材料な
どに応用される耐熱性、強度、および伸びに優れた粒子
分散無機・有機ハイブリッド型エラストマーに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】エラストマーとして一般的に知られてい
るイソプレン系ゴム、ブタジエン系ゴム、ジエン系ゴ
ム、オレフィン系ゴムは、いずれも炭素、酸素、水素を
主成分とした有機化合物でできているため熱に弱く、1
50℃以上で急速に劣化する。フッ素ゴムの使用可能温
度は、260℃付近までである。シリコーンゴムの使用
可能温度は、200〜250℃までである。これらのゴ
ムは、硬化させるために種々の微粒子を添加している。
これらのエラストマーは、耐熱性が低いのが現状であ
り、350℃程度まで昇温する自動車等のマフラーやエ
ンジン周辺部品など各種の自動車部品、工業用品、電気
部品、土木建築用品には利用できなかった。
【0003】耐熱性を向上させたエラストマーとして、
無機・有機ハイブリッド型エラストマーが提案されてい
る(特願平8−253473号)。これは、金属アルコ
キシドと末端シラノールポリジメチルシロキサンから合
成されるハイブリッドで、400℃での使用にも耐えら
れるものである。しかし、このエラストマーで、100
%以上の伸びと10MPa 以上の強度を兼ね備えることが
できるのは、2種類以上の金属アルコキシドをうまく組
み合わせて末端シラノールポリジメチルシロキサンと反
応させた場合のみである。金属アルコキシドは金属の種
類によって反応性が異なるので、複数の金属アルコキシ
ドを同時に末端シラノールポリジメチルシロキサンと反
応させるのは合成条件の制御が難しいという問題があ
る。また、1種類の金属アルコキシドのみを末端シラノ
ールポリジメチルシロキサンと反応させる場合は、伸び
と強度の両立ができない。
【0004】一方、可撓性を有する無機・有機ハイブリ
ッドとして、特開平7−278311号公報がある。こ
れは、無機・有機ハイブリッドのマトリックス中に粒子
を分散させたものであるが、マトリックスの無機・有機
ハイブリッドはモノマーである金属アルコキシドから作
製している。金属アルコキシドは、加水分解・重縮合反
応によりつながって、金属元素−酸素−金属元素の三次
元状無機網目構造を構成していく。しかし、モノマーで
ある金属アルコキシドから網目構造を構築する場合、現
実には金属アルコキシドのアルコキシ基がすべて理想的
に加水分解されて重合するように反応が進むとは限ら
ず、未反応のアルコキシ基が残ることが多い。このた
め、このようにモノマーから作製したハイブリッドは非
常に脆いという問題があった。その上、特開平7−27
8311号公報では分散させる粒子の量が20〜90体
積%と高いため、エラストマーとしての伸びは50%以
下であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、自動車等の
マフラーやエンジン周辺部品など各種の自動車部品、工
業用品、電気部品、土木建築用品に使用することができ
る、耐熱性があり、強度と伸びに優れた粒子分散無機・
有機ハイブリッド型エラストマーを提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は次の通り
である。 (1) 金属アルコキシドと末端シラノールポリジメチ
ルシロキサンとから合成されるエラストマーに、0.5
体積%以上10体積%以下の粒子を分散させることを特
徴とする粒子分散無機・有機ハイブリッド型エラストマ
ー、(2) 前記末端シラノールポリジメチルシロキサ
ンに対する金属アルコキシドのモル比が0.5以上5.
0以下であることを特徴とする、(1)記載の粒子分散
無機・有機ハイブリッド型エラストマー、(3) 前記
粒子の平均粒径が0.01μm以上0.5μm以下であ
ることを特徴とする(1)または(2)記載の粒子分散
無機・有機ハイブリッド型エラストマー、(4) 前記
粒子が、金属アルコキシドを加水分解して200℃以下
で熱処理して作製することにより得られる粒子であるこ
とを特徴とする(1)、(2)また(3)記載の粒子分
散無機・有機ハイブリッド型エラストマー、により達成
される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、金属アルコキシドと末
端シラノールポリジメチルシロキサンから合成される耐
熱性の優れたエラストマーに、0.5体積%以上10体
積%以下の粒子を分散させることにより、強度と伸びに
優れた粒子分散無機・有機ハイブリッド型エラストマー
を提供するものである。
【0008】金属アルコキシドと末端シラノールポリジ
メチルシロキサンから合成されるエラストマー中に0.
5体積%以上10体積%以下の粒子を分散させると、粒
子表面とエラストマーを構成する分子との間に生じる相
互作用のためエラストマーの強度が向上する。0.5体
積%未満では強度向上の効果が見られない。10体積%
を越えると、エラストマー中に粒子を均一分散できない
ため、伸び、強度ともに低下したり、成形することがで
きなかったりする。
【0009】粒子を分散させるエラストマーは、高い伸
びを持たせるために、末端シラノールポリジメチルシロ
キサンに対する金属アルコキシドのモル比が0.5以上
5.0以下の比率で合成することが望ましい。この比が
0.5未満の場合は固化するための熱処理時間が長くな
りすぎ、5.0を越えると伸びが低下する。粒子を分散
させるマトリックスとなるエラストマーの合成には、複
数の金属アルコキシドを用いてもよい。このようなマト
リックスとなる無機・有機ハイブリッド型エラストマー
を構成するアルコキシドは特に限定しないが、例えば、
メトキシド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシドな
どが挙げられる。また、アルコキシ基の一部をβ−ジケ
トン、β−ケトエステル、アルカノールアミン、アルキ
ルアルカノールアミン、有機酸等で置換したアルコキシ
ド誘導体も使用できる。末端シラノールポリジメチルシ
ロキサンは、分子量が400〜4500であることが望
ましい。
【0010】分散させる粒子は、同一体積%分散させた
場合、粒径が小さいほど表面積が大きくなり、エラスト
マーを構成する分子との相互作用が大きくなるので、平
均粒径が0.5μm以下であることが望ましい。平均粒
径が0.001μm未満の超微粒子は凝集しやすく取り
扱いにくいので、0.001μm以上であることが望ま
しい。平均粒径0.001μm以上0.5μm以下の粒
子は、例えば金属アルコキシドを有機溶媒中で加水分解
し、200℃以下で熱処理することにより得られる。こ
のようにして作製した粒子は、表面が活性なのでエラス
トマーを構成する分子との相互作用が特に大きく強度向
上の効果も大きい。
【0011】
【実施例】本発明の無機・有機ハイブリッド型エラスト
マーを以下の実施例によって具体的に説明する。ただ
し、本発明は、これらの実施例のみに限定されるもので
はない。
【0012】表1に示した組成比でゾルを作製した。実
施例1〜7および比較例8〜11はまず、エタノール溶
媒に末端シラノールポリジメチルシロキサンを溶かし溶
液1を作製する。末端シラノールポリジメチルシロキサ
ンの分子量は3000である。同じくエタノールを溶媒
として、アセト酢酸エチルと金属アルコキシドを攪拌し
溶液2を作製する。アセト酢酸エチルと金属アルコキシ
ドの比は2:1である。溶液1に溶液2を加えて攪拌
し、エタノールと水の混合溶液を加えさらに攪拌する。
【0013】このようにして作製したゾルに、種々の粒
子を所定の体積%になるように加え、3000rpm の回
転数でスターラーで攪拌し混合した。この粒子入りのゾ
ルを70℃でゲル化させた後、150℃で72時間熱処
理した。得られた粒子分散無機・有機ハイブリッド型エ
ラストマーから、引っ張り部の大きさが2×10×1mm
のダンベル型の試験片を作製し、引っ張り試験を行い、
ヤング率、強度、伸びを求めた。
【0014】表1のNo.1〜7は、本発明による実施
例である。いずれも、120%以上の高い伸びと10Mp
a 以上の強度を兼ね備えたエラストマーが得られてい
る。ヤング率もエラストマーとしてふさわしい0.1〜
300MPa の範囲内にある。特に実施例1〜3は、Ti
イソプロポキシドを10モル倍のイソプロピルアルコー
ル中に分散させ15モル倍の水を加えて加水分解し、1
50℃で8時間熱処理して得られた粒子を分散させたも
ので、350%以上の高い伸びと12MPa 以上の高い強
度を両立させている。実施例4と5は、それぞれ、エア
ロゲルと通常の酸化物試薬を分散させたもので、金属ア
ルコキシドを加水分解して低温で熱処理して得られた粒
子を分散させたときほどではないが、比較的高い伸びと
強度を有している。実施例6は、複数の金属アルコキシ
ドと末端シラノールポリジメチルシロキサンから合成し
たエラストマーに粒子を分散させた例で、エラストマー
自体が比較的高い強度を有する系であるため、粒子を分
散させることによりさらに高い強度を持つことができ
た。実施例7は、末端シラノールポリジメチルシロキサ
ンに対する金属アルコキシドの比が5より高いため、伸
びはやや小さいが、強度は高い。
【0015】比較例8および11は、粒子を分散させて
いないものである。粒子がないため、伸びと強度を両立
させることができない。比較例8はポリジメチルシロキ
サンの比率が高いため、伸びはよいが、ポリジメチルシ
ロキサンを架橋させる金属アルコキシドが少ないため強
度が低い。比較例11は金属アルコキシドの割合を高く
し、架橋点を増やして強度を上げたが、そのために伸び
が低下している。比較例9は、粒子の体積%が高すぎる
ため、粒子をエラストマー中に均一分散できず脆く、試
験片加工できなかった。比較例10は、実施例1〜4お
よび比較例8と同じエラストマーであるが、粒子の体積
%が少ないため、強度は比較例8と同程度で粒子分散の
効果が見られない。比較例12は、末端シラノールポリ
ジメチルシロキサンを用いず、メチルトリエトキシシラ
ンから合成した粒子分散無機・有機ハイブリッドの例で
ある。柔軟性の優れたポリジメチルシロキサン骨格を含
まないため、伸びが小さい。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】本発明の粒子分散無機・有機ハイブリッ
ド型エラストマーは、高い強度と大きい伸びを兼ね備
え、耐熱性に優れた材料である。本発明の無機・有機ハ
イブリッド型エラストマーは、350℃程度まで昇温す
る自動車等のマフラーやエンジン周辺部材をはじめ、各
種の自動車部品、工業用品、電気部品、土木建築用品と
して、防振・吸音などの目的のために利用可能である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属アルコキシドと末端シラノールポリ
    ジメチルシロキサンとから合成されるエラストマーに、
    0.5体積%以上10体積%以下の粒子を分散させるこ
    とを特徴とする粒子分散無機・有機ハイブリッド型エラ
    ストマー。
  2. 【請求項2】 前記末端シラノールポリジメチルシロキ
    サンに対する金属アルコキシドのモル比が0.5以上
    5.0以下であることを特徴とする、請求項1記載の粒
    子分散無機・有機ハイブリッド型エラストマー。
  3. 【請求項3】 前記粒子の平均粒径が0.01μm以上
    0.5μm以下であることを特徴とする請求項1または
    2記載の粒子分散無機・有機ハイブリッド型エラストマ
    ー。
  4. 【請求項4】 前記粒子が金属アルコキシドを加水分解
    して200℃以下で熱処理して作製することにより得ら
    れる粒子であることを特徴とする請求項1、2または3
    記載の粒子分散無機・有機ハイブリッド型エラストマ
    ー。
JP5123097A 1997-03-06 1997-03-06 粒子分散無機・有機ハイブリッド型エラストマー Pending JPH10245490A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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