JP2004067983A - チタンアルコキシド加水分解縮合物の製造方法および傾斜膜形成用コーティング剤 - Google Patents

チタンアルコキシド加水分解縮合物の製造方法および傾斜膜形成用コーティング剤 Download PDF

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Abstract

【課題】チタンアルコキシド加水分解縮合物の縮合度を効率よく制御する方法、および良好な成分傾斜構造を有する有機−無機複合傾斜膜を、安定して形成し得る傾斜膜形成用コーティング剤を提供する。
【解決手段】チタンテトラアルコキシドの加水分解縮合物の縮合度を、該加水分解縮合物を含む反応液の光散乱強度測定により制御する方法、および(A)チタンテトラアルコキシドの加水分解縮合物を含む反応液と、(B)主鎖または側鎖に、加水分解により、前記チタンテトラアルコキシドの加水分解縮合物と結合しうるケイ素含有基を有する有機高分子化合物を含む溶液とを混合してなり、かつ前記(A)成分における加水分解縮合物と(B)成分における有機高分子化合物のケイ素含有基との反応、結合が、その反応液の光散乱強度の変化の測定により制御されてなる傾斜膜形成用コーティング剤である。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チタンアルコキシド加水分解縮合物の製造方法、傾斜膜形成用コーティング剤および傾斜膜を有する構造体に関する。さらに詳しくは、本発明は、チタンアルコキシド加水分解縮合物を製造するに際し、その縮合度を効率よく制御する方法、並びに有機基材に塗布、乾燥した際に、実質上有機基材側が有機高分子化合物成分で、その反対側がチタン酸化物成分であって、両者の含有割合が膜厚方向に連続的に変化する良好な成分傾斜構造を有する有機−無機複合傾斜膜を、安定して形成し得る傾斜膜形成用コーティング剤、および該コーティング剤を用いて形成された傾斜膜を有する構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、有機基材上に様々な無機系または金属系材料、例えば光触媒活性材料、導電性材料、ハードコート剤、光記録材料、磁性粉、赤外線吸収材料などからなる層を設け、機能性材料を作製することが広く行われている。
【0003】
有機基材上に、このような無機系または金属系材料層を設ける場合、一般に基材との密着性が不十分であるために、例えば有機基材上に無機系プライマー層を設け、その上に無機系または金属系材料層を形成させる方法が、よく用いられる。しかしながら、この方法においては、無機系プライマー層と無機系または金属系材料層との密着性は良好であるものの、有機基材と無機系プライマー層との密着性は必ずしも十分ではなく、耐熱密着性に劣ったり、あるいは経時により密着性が低下したりするなどの問題があった。
【0004】
また、有機基板上に複数の接着層を介して、段階的に無機物質に対する接着性を向上させていく方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この方法においては、操作が煩雑である上、透明性が損なわれるおそれがある。
したがって、有機基材上に無機系または金属系材料層を密着性よく形成する技術の開発が望まれていた。
【0005】
このような事情のもとで、本発明者らは、先に、新規な機能性材料として種々の用途、例えば塗膜や、有機材料と無機または金属材料との接着剤、有機基材と光触媒塗膜との間に設けられ、有機基材の劣化を防止する中間膜や、有機基材と無機系または金属系材料層との密着性を向上させる中間膜などの用途に有用な、厚さ方向に組成が連続的に変化する有機−無機複合傾斜材料を見出した(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
この有機−無機複合傾斜材料は、有機高分子化合物と金属系化合物との化学結合物を含有する有機−無機複合材料であって、該金属系化合物の含有率が材料の厚み方向に連続的に変化する成分傾斜構造を有し、上記の各種用途に極めて有用な新規な材料である。
【0007】
上記有機−無機複合傾斜材料は、分子中に加水分解により金属酸化物と結合しうる金属含有基を有する有機高分子化合物と、加水分解により金属酸化物を形成しうる金属化合物との混合物の加水分解処理物を含むコーティング剤を、有機基材上に塗布し、加熱乾燥処理することにより、形成されるものである。そして、このような傾斜材料においては、高分子部分の基材に対する吸着能を利用して形成させるため、傾斜性に優れる材料を得るには、コーティング剤の調製から塗布までの時間や、コーティング剤の性状などを最適化することが重要である。
【0008】
ところで、前記の成分傾斜構造を有する有機−無機複合傾斜膜の形成の1例として、以下に示す方法を用いることができる。まず、チタンアルコキシドの加水分解縮合物を含む反応液と、分子中に加水分解により、前記加水分解縮合物と結合し得るケイ素含有基(以下、カップリング性ケイ素含有基と称すことがある。)を有する有機高分子化合物を含む溶液とを混合してコーティング剤を調製する。次いで、有機基材上に該コーティング剤を塗布、乾燥することにより、実質上有機基材側が有機高分子化合物成分で、その反対側がチタン酸化物成分である複合傾斜膜を形成させることができる。
【0009】
この場合、傾斜構造の発現は、有機高分子化合物の有機基材への吸着がドライビングフォースとなる。したがって、より良い傾斜構造を発現させ、例えば光触媒活性材料層(以下、光触媒層と略記することがある。)の中間膜として高耐久性を示すためには、有機高分子化合物中のカップリング性ケイ素含有基とチタンアルコキシドの加水分解縮合物とが結合を有すること、およびチタンアルコキシドの加水分解縮合物の大きさを一定の範囲に調整することが、極めて重要な因子となる。
【0010】
つまり、有機高分子化合物が有機基材に吸着する際に、該有機高分子化合物内のカップリング性ケイ素含有基部位と反応したチタンアルコキシドの加水分解縮合物が有機高分子化合物層中に取り込まれ、傾斜構造の元となる。また、チタンアルコキシドの加水分解縮合物の大きさを調整することも重要であり、該縮合物が大きすぎる場合、有機高分子化合物の基材への吸着を妨げ、均一な組成の膜となり、小さい場合には、傾斜構造は発現せず、層分離膜となる。
【0011】
【特許文献1】
WO97/00134号公報
【特許文献2】
特開2000−336281号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、チタンアルコキシド加水分解縮合物を製造するに際し、その縮合度を効率よく制御する方法、並びに有機基材に塗布、乾燥した際に、実質上有機基材側が有機高分子化合物成分で、その反対側がチタン酸化物成分であって、両者の含有割合が膜厚方向に連続的に変化する良好な成分傾斜構造を有する有機−無機複合傾斜膜を、安定して形成し得る傾斜膜形成用コーティング剤、および該コーティング剤を用いて形成された傾斜膜を有する構造体を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、以下に示す知見を得た。チタンアルコキシドおよびその分解物は、一般に極めて反応性が高いことが知られている。したがって、チタンアルコキシドの加水分解縮合溶媒として通常使用されるメタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶剤を使用する場合、反応制御が困難であって、白沈が生じたり、ゲル化現象を起こしやすく、加水分解縮合液をコーティング剤成分として用いることができない場合がある。
【0014】
このような状況下で、本発明者らは、
(1)チタンアルコキシドの加水分解縮合溶媒として、炭素数3以上のエーテル系酸素を有するアルコール類を用いるのが有利であること、そして、加水分解縮合物の縮合度は、光散乱強度測定により容易に制御し得ること、
(2)チタンテトラアルコキシドの加水分解縮合物を含む反応液と、カップリング性ケイ素含有基を有する有機高分子化合物を含む溶液とを混合してコーティング剤を調製するに際し、希釈溶媒を用いる場合には、上記(2)と同様の理由から、該希釈溶媒として、炭素数3以上のエーテル系酸素を有するアルコール類を使用するのが有利であること、
【0015】
(3)コーティング剤を使用する際には、有機高分子化合物中のカップリング性ケイ素含有基部位と、分子量が制御されたチタンアルコキシドの加水分解縮合物との選択的反応が、実質上完結した状態であることが、良好な傾斜構造を発現させるのに重要であること、そしてこの実質上反応が完結した状態は、前記成分をそれぞれ含む溶液を混合した直後からの光散乱強度の経時変化により、確認できること、
を見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
【0016】
すなわち、本発明は、
(1)チタンテトラアルコキシドを有機溶媒中で加水分解−縮合反応させて、チタンアルコキシド加水分解縮合物を製造するに当たり、得られる加水分解縮合物の縮合度を、該加水分解縮合物を含む反応液の光散乱強度測定により制御することを特徴とするチタンアルコキシド加水分解縮合物の製造方法、
(2)有機溶媒が、炭素数3以上のエーテル系酸素を有するアルコール類を含む溶媒である上記(1)項に記載の方法、
【0017】
(3)(A)チタンテトラアルコキシドの加水分解縮合物を含む反応液と、(B)主鎖または側鎖に、加水分解により、前記チタンテトラアルコキシドの加水分解縮合物と結合しうるケイ素含有基を有する有機高分子化合物を含む溶液とを混合してなるコーティング剤であって、前記(A)成分における加水分解縮合物と(B)成分における有機高分子化合物のケイ素含有基との反応、結合が、その反応液の光散乱強度の変化の測定により制御されると共に、有機基材に塗布、乾燥した際に、実質上有機基材側が有機高分子化合物成分で、その反対側がチタン酸化物成分であって、両者の含有割合が膜厚方向に連続的に変化する成分傾斜構造を有する有機−無機複合傾斜膜を形成し得ることを特徴とする傾斜膜形成用コーティング剤、
【0018】
(4)(A)成分と(B)成分との混合時または混合後に、希釈溶媒として、炭素数3以上のエーテル系酸素を有するアルコール類を含む溶媒を加える上記(3)項に記載の傾斜膜形成用コーティング剤、
(5)(B)成分に用いられる有機高分子化合物が、(a)一般式(I−a)
【0019】
【化3】
Figure 2004067983
【0020】
(式中、Rは水素原子またはメチル基、Rは一価の炭化水素基を示す。)
で表されるエチレン性不飽和単量体と、(b)一般式(II)
【0021】
【化4】
Figure 2004067983
【0022】
(式中、Rは水素原子またはメチル基、Aは炭素数1〜4のアルキレン基、Rはメチル基又はエチル基を示す。)
で表されるエチレン性不飽和単量体との共重合体である上記(3)または(4)項に記載の傾斜膜形成用コーティング剤、
【0023】
(6)(A)成分の光散乱強度が8,000〜300,000cpsである上記(3)、(4)または(5)項に記載の傾斜膜形成用コーティング剤、
(7)有機材料上に、上記(3)ないし(6)項のいずれか1項に記載のコーティング剤を用いて形成された有機−無機複合傾斜膜を有し、かつ該膜の表面が実質上チタン酸化物成分であることを特徴とする構造体、および
(8)有機−無機複合傾斜膜上に、光触媒活性材料層を設けた防汚性を有する上記(7)項に記載の構造体、
を提供するものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明のチタンアルコキシド加水分解縮合物の製造方法においては、チタンテトラアルコキシドを有機溶媒中で、通常酸性触媒の存在下に、加水分解−縮合反応させて、チタンアルコキシド加水分解縮合物を製造する。
【0025】
前記チタンテトラアルコキシドとしては、アルコキシル基の炭素数が1〜4のチタンテトラアルコキシドが用いられる。このチタンテトラアルコキシドにおいては、4つのアルコキシル基は、たがいに同一でも異なっていてもよいが、入手の容易さなどの点から、同一のものが好ましく用いられる。該チタンテトラアルコキシドの例としては、チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラ−n−プロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシド、チタンテトライソブトキシド、チタンテトラ−sec−ブトキシドおよびチタンテトラ−tert−ブトキシドが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0026】
一方、有機溶媒としては、炭素数3以上のエーテル系酸素を有するアルコール類が、加水分解−縮合反応の制御および縮合物の安定化の点から好ましい。この炭素数3以上のエーテル系酸素を有するアルコール類としては、チタンテトラアルコキシドに対して相互作用を有する溶剤、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのセロソルブ系溶剤、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどを挙げることができる。これらの中で、当該チタンアルコキシド縮合物をコーティング剤に用いた際のコーティング後の乾燥速度を考慮するとセロソルブ系溶剤が好ましい。これらの溶剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0027】
このような炭素数3以上のエーテル系酸素を有するアルコール類を溶媒として用いることにより、チタンアルコキシドが該溶媒と相互作用し、安定化する。通常チタンアルコキシドを安定化させるには、β−ジケトン構造をもつ化合物が使用される場合があるが、このものは沸点が高いため、コーティング剤成分として含まれると、揮発しにくい上、安定化効果が高すぎて膜中に残存しやすいという問題がある。これに対し、本発明で用いる前記アルコール類は、比較的沸点が低く、溶媒中においては、チタン原子と配位−脱離の平衡状態となり、安定化に寄与するものの、製膜して乾燥後は速やかに脱離が進行して残存しにくいという利点がある。
【0028】
また、前記の炭素数3以上のエーテル系酸素を有するアルコール類を溶媒として用いることにより、反応時のチタンアルコキシドの加水分解縮合物の大きさを制御することができる。
【0029】
チタンテトラアルコキシドの加水分解−縮合反応は、チタンテトラアルコキシドに対し、好ましくは4〜20倍モル、より好ましくは5〜12倍モルの前記アルコール類と、好ましくは0.5以上4倍モル未満、より好ましくは1〜3.0倍モルの水を用い、塩酸、硫酸、硝酸などの酸性触媒の存在下、通常0〜70℃、好ましくは20〜50℃の範囲の温度において行われる。酸性触媒は、チタンテトラアルコキシドに対し、通常0.1〜1.0倍モル、好ましくは0.2〜0.7倍モルの範囲で用いられる。
【0030】
本発明においては、前記チタンテトラアルコキシドの加水分解−縮合反応は、炭素数3以上のエーテル系酸素を有するアルコール類を所定量溶媒として使用することで、アルコキシル基のエステル交換が起こり比較的安定で経時変化の少ない加水分解縮合液が得られる。そして、当該チタンアルコキシド加水分解縮合物の縮合度を、前記加水分解縮合液の光散乱強度測定により制御する。例えば後述の本発明のコーティング剤の一成分として用いる場合、該加水分解縮合液の光散乱強度を、通常8,000〜300,000cps、好ましくは9,000〜200,000cpsの範囲に制御することが望ましい。
【0031】
ここで、光散乱強度Isは(式1)で表され(Is=散乱光強度、Io=入射光強度、n=溶媒の屈折率、Mw=溶質の重量平均分子量、c=溶質の濃度、(dn/dc)=溶質の濃度増あたりの屈折率増分、λo=入射光波長、r=試料から検出器までの距離、N=アボガドロ数)、Mwに相当する分子サイズつまり、縮合度に比例した値が観測される。
【0032】
【数1】
Figure 2004067983
【0033】
この光散乱強度(縮合度)は、水や触媒の使用量、溶媒の種類、加水分解温度や時間などによって調節することができる。
【0034】
次に、本発明の傾斜膜形成用コーティング剤は、(A)成分であるチタンテトラアルコキシドの加水分解縮合物を含む反応液と、(B)成分である主鎖または側鎖に、加水分解により前記チタンテトラアルコキシドの加水分解縮合物と結合し得るケイ素含有基(カップリング性ケイ素含有基)を有する有機高分子化合物を含む溶液とを混合してなり、かつ有機基材に塗布、乾燥した際に、実質上有機基材側が有機高分子化合物成分で、その反対側がチタン酸化物成分であって、両者の含有割合が膜厚方向に連続的に変化する成分傾斜構造を有する有機−無機複合傾斜膜を形成し得る塗布液からなるものである。
【0035】
前記(A)成分でチタンテトラアルコキシドの加水分解縮合物を含む反応液としては、前述の製造方法で説明したように、炭素数3以上のエーテル系酸素を有するアルコール類を溶媒として用い、酸性触媒の存在下に、加水分解−縮合反応させ、加水分解縮合液の光散乱強度を、通常8,000〜300,000cps、好ましくは9,000〜200,000cpsの範囲に制御したものが好ましく用いられる。
【0036】
この(A)成分における加水分解−縮合反応に、炭素数3以上のエーテル系酸素を有するアルコール類を溶媒として用いることにより、反応時のチタンアルコキシドの加水分解縮合物の大きさの制御、および(B)成分の有機高分子化合物を含む溶液と混合した時点で、チタンアルコキシド縮合物同士の反応による該縮合物の分子量増加よりも、カップリング性ケイ素含有基とチタンアルコキシドの加水分解縮合物との反応を選択的に進行させることができる。
【0037】
一方、(B)成分における主鎖または側鎖に、カップリング性ケイ素含有基を有する有機高分子化合物は、例えば(a)金属を含まないエチレン性不飽和単量体と、(b)カップリング性ケイ素含有基を有するエチレン性不飽和単量体とを共重合させることにより、得ることができる。
【0038】
上記(B)(a)成分である金属を含まないエチレン性不飽和単量体としては、例えば一般式(I)
【0039】
【化5】
Figure 2004067983
【0040】
(式中、Rは水素原子またはメチル基、Xは一価の有機基である。)
で表されるエチレン性不飽和単量体、好ましくは一般式(I−a)
【0041】
【化6】
Figure 2004067983
【0042】
(式中、Rは水素原子またはメチル基、Rは一価の炭化水素基またはエポキシ基、ハロゲン原子若しくはエーテル結合を有する炭化水素基を示す。)
で表されるエチレン性不飽和単量体を一種または二種以上混合して仕様しても良い。
【0043】
上記一般式(I−a)で表されるエチレン性不飽和単量体において、Rで示される炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基を好ましく挙げることができる。炭素数1〜10のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、および各種のブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などが挙げられる。炭素数3〜10のシクロアルキル基の例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、シクロオクチル基などが、炭素数6〜10のアリール基の例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、メチルナフチル基などが、炭素数7〜10のアラルキル基の例としては、ベンジル基、メチルベンジル基、フェネチチル基、ナフチルメチル基などが挙げられる。エポキシ基、ハロゲン原子若しくはエーテル結合を有する炭化水素基としては、これらの基、原子若しくは結合を有する炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基を好ましく挙げることができる。上記置換基のハロゲン原子としては、塩素原子等が挙げられる。
【0044】
この一般式(I−a)で表されるエチレン性不飽和単量体の例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、3−グリシドキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、2−ブロモエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0045】
また、前記一般式(I)で表されるエチレン性不飽和単量体としては、これら以外にもスチレン、α−メチルスチレン、α−アセトキシスチレン、m−、o−またはp−ブロモスチレン、m−、o−またはp−クロロスチレン、m−、o−またはp−ビニルフェノール、1−または2−ビニルナフタレンなど、さらにはエチレン性不飽和基を有する重合性高分子用安定剤、例えばエチレン性不飽和基を有する、酸化防止剤、紫外線吸収剤および光安定剤なども用いることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0046】
一方、(B)(b)成分であるカップリング性ケイ素含有基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば一般式(II)
【0047】
【化7】
Figure 2004067983
【0048】
(式中、Rは水素原子またはメチル基、Aは炭素数1〜4のアルキレン基、Rはメチル基又はエチル基を示す。)
で表される化合物を好ましく挙げることができる。前記一般式(II)において、3つのRはたがいに同一でも異なっていてもよい。
【0049】
この一般式(II)で表されるエチレン性不飽和単量体の例としては、2−(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
この(b)成分のカップリング性ケイ素含有基を有するエチレン性不飽和単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0050】
前記(a)成分の金属を含まないエチレン性不飽和単量体と、(b)成分のカップリング性ケイ素含有基を有するエチレン性不飽和単量体とを、ラジカル重合開始剤の存在下、ラジカル重合させることにより、(B)成分の成分として用いられるカップリング性ケイ素含有基を有する有機高分子化合物が得られる。
【0051】
本発明においては、このようにして得られた(B)成分であるカップリング性ケイ素含有基を有する有機高分子化合物をアルコール、ケトン、エーテルなどの適当な溶剤中に溶解させた溶液と、前述の(A)成分であるチタンアルコキシドの加水分解縮合物を含む反応液を必要により希釈した溶液とを混合することにより、前記有機高分子化合物中のカップリング性ケイ素含有基が加水分解し、(A)成分の反応液におけるチタンアルコキシドの加水分解縮合物と選択的に反応し、有機−無機複合傾斜膜形成用のコーティング剤が得られる。なお、この際、用いるチタンアルコキシドの加水分解縮合物を含む反応液の希釈溶媒としては、前述した理由により炭素数3以上のエーテル系酸素を有するアルコール類を含む溶媒を使用することが望ましい。
【0052】
本発明においては、良好な成分傾斜構造を有する複合傾斜膜を形成させるために、前記(A)成分と(B)成分のケイ素含有基との反応、結合を、その反応液の光散乱強度の変化の測定により、制御する。
この場合、(A)成分と、(B)成分とを混合してからの時間が重要となる。すなわち、(A)成分と(B)成分とを混合すると、光散乱強度は経時により上昇するが、その上昇が実質上もはや起こらなくなったコーティング剤を使用することが肝要である。また、その際の光散乱強度が、混合直後の光散乱強度に対して、ある範囲の比率で高いことも重要である。
【0053】
したがって、本発明のコーティング剤は、両成分を混合した直後からa時間経過したものであって、前記(A)成分と(B)成分とを混合した直後の光散乱強度をX、混合直後からa時間経過後の当該コーティング剤の光散乱強度をX、当該コーティング剤を温度23℃でさらに1時間放置後の光散乱強度をXa+1とした場合、X/X値が1.2〜10、好ましくは1.5〜7の範囲であり、かつ(Xa+1−X)/X値が0.03以下、好ましくは0.02以下であるコーティング剤が好適である。
【0054】
/X値が1.2未満であると、(B)成分中のカップリング性ケイ素含有基成分の比率が少なく、(A)成分と(B)成分の結合点が少なすぎるか、または(A)成分分子が小さすぎるために良好な傾斜材料を得ることが困難であり、10を超えると、(B)成分中のカップリング性ケイ素含有基成分の比率が多く、(A)成分と(B)成分の結合点が多すぎるか、または(A)成分分子の大きさが大きすぎるために均一材料になりやすく、良好な傾斜材料を得ることが困難であり、いずれも本発明の目的を達成しにくい。
また(Xa+1−X)/X値が0.03を超えると、(A)成分と(B)成分の選択的反応が充分に進行しておらず、再現性が問題となり、本発明の目的を達成しにくい。
【0055】
このような性状を有するコーティング剤を用いることにより、有機基材に塗布、乾燥した際に、実質上有機基材側が有機高分子化合物成分で、その反対側がチタン酸化物成分であって、両者の含有割合が膜厚方向に連続的に変化する良好な成分傾斜構造を有する有機−無機複合傾斜膜を、安定して形成することができる。
【0056】
有機基材上に、複合傾斜膜を形成させるには、このようにして得られた本発明のコーティング剤を、乾燥塗膜の厚さが、通常5μm以下、好ましくは0.01〜1.0μm、より好ましくは0.02〜0.7μmの範囲になるように、ディップコート法、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などの公知の手段により塗布し、溶媒を揮散させて塗膜を形成させる。
【0057】
上記有機基材としては、例えばポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリスチレンやABS樹脂などのスチレン系樹脂、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、6−ナイロンや6,6−ナイロンなどのポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セルロースアセテートなどのセルロース系樹脂などからなる基材を挙げることができる。
【0058】
これらの有機基材は、本発明に係る複合傾斜膜との密着性をさらに向上させるために、所望により、酸化法や凹凸化法などにより表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は基材の種類に応じて適宜選ばれる。
【0059】
なお、本発明における有機基材は、有機系材料以外の材料、例えば金属系材料、ガラスやセラミックス系材料、その他各種無機系または金属系材料からなる基材の表面に、有機系塗膜を有するものも包含する。
また、塗膜の傾斜構造の確認は、例えば塗膜表面にスパッタリングを施して膜を削っていき、経時的に膜表面の炭素原子とチタン原子の含有率を、X線光電子分光法などにより測定することによって、行うことができる。
【0060】
この複合傾斜膜における金属成分の含有量としては特に制限はないが、金属酸化物換算で、通常5〜98重量%、好ましくは20〜98重量%、特に好ましくは50〜95重量%の範囲である。有機高分子化合物の重合度や分子量としては、製膜化しうるものであればよく特に制限されず、高分子化合物の種類や所望の傾斜膜材料の物性などに応じて適宜選定すればよい。
【0061】
本発明のコーティング剤を用いて形成された有機−無機複合傾斜膜は、機能性膜として様々な用途に用いることができるが、特に有機基材と光触媒活性材料層との間に介在させる中間膜として好適に用いられる。
本発明はまた、有機材料上に、前記コーティング剤を用いて形成された有機−無機複合傾斜膜を有し、かつ該膜の表面が実質上チタン酸化物成分である構造体をも提供する。
このような構造体としては、有機−無機複合傾斜膜上に、光触媒活性材料層を設けた防汚性を有する構造体を好ましく挙げることができる。
【0062】
前記光触媒活性材料としては特に制限はなく、従来公知のもの、例えば二酸化チタン、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、チタン酸バリウム(BaTi)、チタン酸ナトリウム(NaTi13)、二酸化ジルコニウム、α−Fe、酸化タングステン、KNb17、RbNb17、KRbNb17、硫化カドミウム、硫化亜鉛などを挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、二酸化チタン、特にアナターゼ型二酸化チタンは実用的な光触媒活性材料として有用である。この二酸化チタンは、太陽光などの日常光に含まれる紫外線領域の特定波長の光を吸収することによって優れた光触媒活性を示す。
【0063】
本発明における光触媒活性材料層には、光触媒活性を促進させる目的で、上記光触媒活性材料と共に、所望により従来公知の光触媒促進剤を含有させることができる。この光触媒促進剤としては、例えば白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウムなどの白金族金属が好ましく挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。この光触媒促進剤の添加量は、光触媒活性の点から、通常、光触媒活性材料と光触媒促進剤との合計重量に基づき、1〜20重量%の範囲で選ばれる。
【0064】
有機−無機複合傾斜膜上に光触媒活性材料層を形成させる方法としては特に制限はなく、様々な方法を用いることができるが、例えば真空蒸着法、スパッタリング法などのPVD法(物理気相蒸着法)や金属溶射法などの乾式法、塗工液を用いる湿式法などを好ましく挙げることができる。
【0065】
一方、塗工液を用いる方法においては、適当な溶媒中に、光触媒活性材料および必要に応じて用いられる光触媒促進剤や無機系バインダーなどの微粒子を含む分散液からなる塗工液を調製し、この塗工液を複合傾斜膜上に、公知の方法、例えばディップコート法、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などにより塗布し、自然乾燥または加熱乾燥することにより、光触媒活性材料層を形成させる方法などを用いることができる。また、光触媒促進剤を用いる場合、例えば光触媒活性材料および所望により用いられる無機系バインダーなどの微粒子を含む塗工液を複合傾斜膜上に塗布し、光触媒活性材料の塗膜を形成させたのち、溶存酸素が除去された光触媒促進剤の金属イオンを含む水溶液に、前記の複合傾斜膜上に光触媒活性材料の塗膜が形成された構造体を浸漬し、光を照射して、該金属イオンを塗膜面に沈積させる光デポジション法により、光触媒活性材料の塗膜上に光触媒促進剤層を設けることによって、光触媒活性材料層を形成させることもできる。
【0066】
前記塗工液の調製において必要により用いられる無機系バインダーとしては、バインダーとしての機能を発揮し得るものであればよく、特に制限されず、従来公知のもの、例えばケイ素、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、マグネシウム、ニオビウム、タングステン、スズ、タンタルなどの金属の酸化物や水酸化物、あるいは上記金属の中から選ばれた2種以上の金属の複合酸化物や複合水酸化物などを挙げることができる。この無機系バインダーは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、該塗工液には、光触媒活性材料層形成用の塗工液に使用される従来公知の他の添加成分、例えばシリコーン樹脂や変性シリコーン樹脂、シランカップリング剤などを含有させることができる。
【0067】
本発明においては、光触媒活性材料層の厚みは、通常10nm〜5μmの範囲で選定される。この厚みが10nm未満では光触媒機能が十分に発揮されないし、5μmを超えると厚みの割には光触媒機能の向上効果が認められず、むしろクラックが生じたり、構造体がフィルムやシートの場合、屈曲性が低下する原因となる。好ましい厚みは30nm〜3μmであり、特に40nm〜1μmの範囲が好ましい。
【0068】
本発明の構造体においては、有機材料に有機−無機複合傾斜膜を介して、好ましくは光触媒活性材料層が設けられており、そして、該複合傾斜膜が、実質上、光触媒活性材料層との界面ではチタン酸化物成分のみからなり、かつ有機材料に当接している面では有機高分子化合物成分のみからなるため、有機材料と複合傾斜膜との密着性および光触媒活性材料層と複合傾斜膜との密着性が極めて良好である。また、光触媒活性材料層との界面において、複合傾斜膜が実質上チタン酸化物系化合物成分のみであるため、光触媒活性材料層の光触媒機能による複合傾斜膜の劣化が抑制される。
このような光触媒活性材料層が設けられた本発明の構造体は、防汚、抗菌、脱臭機能を有し、これらの機能が要求される様々な用途に用いられる。
【0069】
【実施例】
次に、本発明を、実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
【0070】
なお、各例における諸特性は、以下に示す方法により求めた。
(1)光散乱強度の測定
測定対象液をガラスセルに入れて、大塚電子(株)製の「ELS−8000」により、光散乱強度測定を行った。100回測定を行い、その平均値を求めた。この際、ピンホールの大きさは、サンプル側を径0.3mm、検出側を径0.2mmとして測定を行った。
【0071】
(2)光触媒耐久性(促進耐候試験)
JIS K7350に準じたカーボンアーク式サンシャインウエザーメーター試験法[試験機:スガ試験機(株)製のサンシャインウエザーメーター「S300」]により、促進耐候試験(光源:255W/m、サイクル:照射102分間、照射+降雨18分間の2時間1サイクル、ブラックパネル温度:63±3℃、相対湿度:55±5%)を900時間行い、日本電色(株)製、ヘイズメーター「NDH2000」を用い、JIS K7361に準拠してヘイズ値を測定した。
【0072】
(3)溶液の粘度測定
山内電機社製振動式粘度計「VM−1−G−L」にて、30℃恒温状態で測定を行った。
【0073】
(4)成分傾斜膜の傾斜性
XPS装置「PHI−5600」[アルバックファイ(株)製]を用い、アルゴンスパッタリング(4kV)を3分間隔で施して膜を削り、膜表面の炭素原子とチタン原子の含有率を、X線光電子分光法により測定し、傾斜性を調べた。
調製例 高分子化合物溶液の調製
メチルメタクリレート10.9gおよびγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.36gの混合溶液に、2,2′ーアゾビスイソブチロニトリル0.1gを溶解させた後、攪拌しながら75℃で3時間反応させて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリスチレン換算の重量平均分子量が約7万の共重合体を得た。この共重合体1.0gをメチルイソブチルケトン100mlに溶解させ、10g/L濃度の高分子化合物を得た。
【0074】
実施例1
チタンテトライソプロポキシド12.5ml(0.042mol)をエチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)16.8ml(0.174mol)に溶解した溶液に、濃硝酸1.63ml(0.021mol)、水0.82ml(0.046mol)とエチルセロソルブ16.8ml(0.174mol)の混合溶液を攪拌しながらゆっくり滴下し、その後30℃で攪拌しながら、任意の時間毎に光散乱強度の測定を行い、チタン加水分解−縮合物の縮合度(分子量)の増加を評価した。反応時間と光散乱強度および溶液粘度との関係を表1に示す。
【0075】
【表1】
Figure 2004067983
【0076】
反応時間の経過、溶液粘度の上昇と光散乱強度の増加に相関性が見られた。
【0077】
実施例2〜5
実施例1において、反応時の水および濃硝酸の添加量を変えた以外は、実施例1と同様にしてチタンテトライソプロポキシドの加水分解−縮合反応を行った。4時間反応後の光散乱強度の測定結果を表2に示す。
【0078】
【表2】
Figure 2004067983
【0079】
反応条件(一般にチタンアルコキシドの加水分解−縮合は水の添加量が多いほどまた、触媒の添加量が少ないほど進行し易い。)に応じて溶液粘度が上昇し、今回測定した光散乱強度が相関していることが確認された。
【0080】
実施例6
実施例3で得られたチタン加水分解−縮合物溶液8.3mlにエチルセロソルブ16.7ml、メチルイソブチルケトン20ml、次いで調製例で得た高分子化合物溶液5mlを加えて混合液を作製した。この溶液を混合後から任意の時間毎に光散乱強度の測定を行い両成分の反応状態の評価を行った。表3に、混合経過時間と光散乱強度との関係を示す。混合後の経過時間に応じて光散乱強度が上昇し、チタン加水分解物と有機高分子化合物の反応が進行したことが確認できた。
【0081】
比較例1
調製例において、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを用いることなしに得られた高分子化合物溶液を用いた以外は、実施例6と同様に実施した。表3に、混合経過時間と光散乱強度との関係を示す。
【0082】
【表3】
Figure 2004067983
【0083】
実施例7
チタンテトライソプロポキシド12.5ml(0.042mol)をエチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)16.8ml(0.174mol)に溶解した溶液に、濃硝酸1.63ml(0.021mol)、水0.82ml(0.046mol)とエチルセロソルブ16.8ml(0.174mol)の混合溶液を攪拌しながらゆっくり滴下し、その後30℃で4時間攪拌して加水分解−縮合反応を行い、反応液を得た。この反応液の光散乱強度を測定したところ、12,000cpsであった。
【0084】
次に、反応液8.3mlに、エチルセロソルブ16.7ml、メチルイソブチルケトン20ml、次いで調製例で得た高分子化合物溶液5mlを加えて混合液を作製した。その直後の光散乱強度を測定したところ、5,000cpsであった。次いで、これを、室温下(23℃)で約20時間攪拌を行い、チタンテトライソプロポキシドの加水分解縮合物と高分子化合物のカップリング性ケイ素含有基部位との選択的反応を行った後に光散乱強度の測定を行ったところ、9,800cpsであった。この液の一部を採り、23℃で、さらに1時間攪拌し、光散乱強度を測定したところ、9,870cpsであった。したがって、X/X値は1.96であり、(Xa+1−X)/X値は0.01であった。
【0085】
前記の20時間攪拌して得られたコーティング液を、ワイヤー線径0.075mmのマイヤーバーにて、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム[帝人デュポンフィルム(株)製「テトロンHB−3」]上にバーコートし、溶剤を揮発させて、厚さ70nmの複合傾斜膜を形成させた。この傾斜膜のXPS測定結果を図1に示す。この図より、傾斜性を有する膜であることが確認された。
【0086】
次に、該膜上に、石原産業(株)製の光触媒液「ST−K211」を塗布し、厚さ50nmの光触媒膜を設けた。この光触媒膜付フィルムについて、促進耐候試験を行ったところ、900時間経過後のヘイズ値は3.78%で、透明性を維持していた。
【0087】
実施例8
メチルイソブチルケトンを10ml、及び調製例で得た高分子化合物溶液を10ml使用した以外は実施例7と同様にして塗膜用混合液を調製した。その直後の光散乱強度を測定したところ、6,000cpsであった。次いで、これを、室温下(23℃)で約20時間攪拌を行い、チタンテトライソプロポキシドの加水分解縮合物と高分子化合物のカップリング性ケイ素含有基部位との選択的反応を行った後に光散乱強度の測定を行ったところ、14,800cpsであった。この液の一部を採り、23℃で、さらに1時間攪拌し、光散乱強度を測定したところ、15,000cpsであった。したがって、X/X値は2.46であり、(Xa+1−X)/X値は0.01であった。
【0088】
前記の20時間攪拌して得られたコーティング液を用い、実施例7と同様にしてPETフィルム上に厚さ75nmの複合傾斜膜を形成させた。
次に、該膜上に、実施例7と同様にして、厚さ50nmの光触媒膜を設けた。この光触媒膜付フィルムについて、促進耐候試験を行ったところ、900時間経過後のヘイズ値は3.5%で、透明性を維持していた。
【0089】
実施例9
メチルイソブチルケトンを5ml、及び調製例で得た高分子化合物溶液を15ml使用した以外は実施例7と同様にして塗膜用混合液を調製した。その直後の光散乱強度を測定したところ、5,700cpsであった。次いで、これを、室温下(23℃)で約20時間攪拌を行い、チタンテトライソプロポキシドの加水分解縮合物と高分子化合物のカップリング性ケイ素含有基部位との選択的反応を行った後に光散乱強度の測定を行ったところ、19,300cpsであった。この液の一部を採り、23℃で、さらに1時間攪拌し、光散乱強度を測定したところ、19,400cpsであった。したがって、X/X値は3.39であり、(Xa+1−X)/X値は0.01であった。
【0090】
前記の20時間攪拌して得られたコーティング液を用い、実施例7と同様にしてPETフィルム上に厚さ80nmの複合傾斜膜を形成させた。
次に、該膜上に、実施例7と同様にして、厚さ50nmの光触媒膜を設けた。この光触媒膜付フィルムについて、促進耐候試験を行ったところ、900時間経過後のヘイズ値は4.0%で、透明性を維持していた。
【0091】
実施例10
実施例7において、水の量を1.23ml(0.069モル)に変更した以外は、実施例7と同様にしてチタンテトライソプロポキシドの加水分解−縮合反応を行った。この反応液の光散乱強度を測定したところ、250,000cpsであった。
【0092】
次に、この反応液8.3mlに、エチルセロソルブ16.7ml、メチルイソブチルケトン20ml、次いで調製例で得た高分子化合物溶液5mlを加えて混合液を作製した。その直後の光散乱強度を測定したところ、100,000cpsであった。次いで、これを、室温下(23℃)で約20時間攪拌を行い、チタンテトライソプロポキシドの加水分解縮合物と高分子化合物のカップリング性ケイ素含有基部位との選択的反応を行った後に光散乱強度の測定を行ったところ、210,000cpsであった。この液の一部を採り、23℃で、さらに1時間攪拌し、光散乱強度を測定したところ、211,500cpsであった。したがって、X/X値は2.10であり、(Xa+1−X)/X値は0.01であった。
【0093】
前記の20時間攪拌して得られたコーティング液を用い、実施例7と同様にしてPETフィルム上に厚さ70nmの複合傾斜膜を形成させた。この傾斜膜のXPS測定結果を図2に示す。この図より、傾斜性を有する膜であることが確認された。
【0094】
次に、該膜上に、実施例7と同様にして、厚さ50nmの光触媒膜を設けた。この光触媒膜付フィルムについて、促進耐候試験を行ったところ、900時間経過後のヘイズ値は4.5%で、透明性を維持していた。
【0095】
実施例11
実施例7において、溶媒としてエチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)を用いた以外は、実施例7と同様にしてチタンテトライソプロポキシドの加水分解−縮合反応を行った。この反応液の光散乱強度を測定したところ、9,000cpsであった。
【0096】
次に、この反応液8.3mlに、メチルセロソルブ16.7ml、メチルイソブチルケトン20ml、次いで調製例で得た高分子化合物溶液5mlを加えて混合液を作製した。その直後の光散乱強度を測定したところ、3,500cpsであった。次いで、これを、室温下(23℃)で約20時間攪拌を行い、チタンテトライソプロポキシドの加水分解縮合物と高分子化合物のカップリング性ケイ素含有基部位との選択的反応を行った後に光散乱強度を測定したところ、7,000cpsであった。この液の一部を採り、23℃で、1時間さらに攪拌し、光散乱強度を測定したところ、7,150cpsであった。したがって、X/X値は2.00であり、(Xa+1−X)/X値は0.02であった。
【0097】
前記の20時間攪拌して得られたコーティング液を用い、実施例7と同様にしてPETフィルム上に厚さ70nmの複合傾斜膜を形成させた。この傾斜膜のXPS測定結果を図3に示す。この図より、傾斜性を有する膜であることが確認された。
【0098】
次に、該膜上に、実施例7と同様にして、厚さ50nmの光触媒膜を設けた。この光触媒膜付フィルムについて、促進耐候試験を行ったところ、900時間経過後のヘイズ値は2.9%で、透明性を維持していた。
【0099】
比較例2
実施例7において、水の量を1.64ml(0.092モル)に変更した以外は、実施例7と同様にしてチタンテトライソプロポキシドの加水分解−縮合反応を行った。この反応液の光散乱強度を測定したところ、350,000cpsであった。
【0100】
次に、この反応液8.3mlに、エチルセロソルブ16.7ml、メチルイソブチルケトン20ml、次いで調製例で得た高分子化合物溶液5mlを加えて混合液を作製した。その直後の光散乱強度を測定したところ、150,000cpsであった。次いで、これを、室温下(23℃)で約20時間攪拌を行い、チタンテトライソプロポキシドの加水分解縮合物と高分子化合物のカップリング性ケイ素含有基部位との選択的反応を行った後に光散乱強度の測定を行ったところ、170,000cpsであった。この液の一部を採り、23℃で、1時間さらに攪拌し、光散乱強度を測定したところ、174,900cpsであった。したがって、X/X値は1.13であり、(Xa+1−X)/X値は0.03であった。
【0101】
前記の20時間攪拌して得られたコーティング液を用い、実施例7と同様にしてPETフィルム上に厚さ70nmの複合膜を形成させた。この複合膜のXPS測定結果を図4に示す。この図より、(A)成分及び(B)成分がほぼ均一であることが確認された。
【0102】
次に、該膜上に、実施例7と同様にして、厚さ50nmの光触媒膜を設けた。この光触媒膜付フィルムについて、促進耐候試験を行ったところ、900時間経過後のヘイズ値は10%で白濁していた。
【0103】
比較例3
実施例7において、溶媒としてイソプロピルアルコールを用いた以外は、実施例7と同様にしてチタンテトライソプロポキシドの加水分解−縮合反応を行った。この反応液の光散乱強度を測定したところ、20,000cpsであった。
【0104】
次に、この反応液8.3mlに、イソプロピルアルコール16.7ml、メチルイソブチルケトン20ml、次いで調製例で得た高分子化合物溶液5mlを加えて混合液を作製した。その直後の光散乱強度を測定したところ、10,000cpsであった。次いで、これを、室温下(23℃)で約20時間攪拌を行い、チタンテトライソプロポキシドの加水分解縮合物と高分子化合物のカップリング性ケイ素含有基部位との選択的反応を行った後に光散乱強度の測定を行ったところ、110,000cpsであった。この液の一部を採り、23℃で、さらに1時間攪拌して、光散乱強度を測定したところ、119,000cpsであった。したがって、X/X値は11.0であり、(Xa+1−X)/X値は0.08であった。
【0105】
前記の20時間攪拌して得られたコーティング液を用い、実施例7と同様にしてPETフィルム上に厚さ70nmの複合膜を形成させた。この複合膜のXPS測定結果を図5に示す。この図より、(A)成分及び(B)成分がほぼ均一であることが確認された。
【0106】
次に、該膜上に、実施例7と同様にして、厚さ50nmの光触媒膜を設けた。この光触媒膜付フィルムについて、促進耐候試験を行ったところ、900時間経過後のヘイズ値は15%で白濁していた。
【0107】
【発明の効果】
本発明によれば、チタンアルコキシド加水分解縮合物を製造するに際し、その縮合度を効率よく制御する方法、および有機基材に塗布、乾燥した際に、実質上有機基材側が有機高分子化合物成分で、その反対側がチタン酸化物成分であって、両者の含有割合が膜厚方向に連続的に変化する良好な成分傾斜構造を有する有機−無機複合傾斜膜を、安定して形成し得る傾斜膜形成用コーティング剤を提供することができる。
【0108】
また、このコーティング剤を用いて、有機材料上に傾斜膜を形成し、さらにその上に光触媒層を設けることにより、防汚性を有し、かつ耐久性に優れる構造体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例7で形成された複合膜におけるスパッタリング時間と炭素原子およびチタン原子の含有率との関係を示すグラフである。
【図2】実施例10で形成された複合膜におけるスパッタリング時間と炭素原子およびチタン原子の含有率との関係を示すグラフである。
【図3】実施例11で形成された複合膜におけるスパッタリング時間と炭素原子およびチタン原子の含有率との関係を示すグラフである。
【図4】比較例2で形成された複合膜におけるスパッタリング時間と炭素原子およびチタン原子の含有率との関係を示すグラフである。
【図5】比較例3で形成された複合膜におけるスパッタリング時間と炭素原子およびチタン原子の含有率との関係を示すグラフである。

Claims (8)

  1. チタンテトラアルコキシドを有機溶媒中で加水分解−縮合反応させて、チタンアルコキシド加水分解縮合物を製造するに当たり、得られる加水分解縮合物の縮合度を、該加水分解縮合物を含む反応液の光散乱強度測定により制御することを特徴とするチタンアルコキシド加水分解縮合物の製造方法。
  2. 有機溶媒が、炭素数3以上のエーテル系酸素を有するアルコール類を含む溶媒である請求項1に記載の方法。
  3. (A)チタンテトラアルコキシドの加水分解縮合物を含む反応液と、(B)主鎖または側鎖に、加水分解により、前記チタンテトラアルコキシドの加水分解縮合物と結合しうるケイ素含有基を有する有機高分子化合物を含む溶液とを混合してなるコーティング剤であって、前記(A)成分における加水分解縮合物と(B)成分における有機高分子化合物のケイ素含有基との反応、結合が、その反応液の光散乱強度の変化の測定により制御されると共に、有機基材に塗布、乾燥した際に、実質上有機基材側が有機高分子化合物成分で、その反対側がチタン酸化物成分であって、両者の含有割合が膜厚方向に連続的に変化する成分傾斜構造を有する有機−無機複合傾斜膜を形成し得ることを特徴とする傾斜膜形成用コーティング剤。
  4. (A)成分と(B)成分との混合時または混合後に、希釈溶媒として、炭素数3以上のエーテル系酸素を有するアルコール類を含む溶媒を加える請求項3に記載の傾斜膜形成用コーティング剤。
  5. (B)成分に用いられる有機高分子化合物が、(a)一般式(I−a)
    Figure 2004067983
    (式中、Rは水素原子またはメチル基、Rは一価の炭化水素基を示す。)
    で表されるエチレン性不飽和単量体と、(b)一般式(II)
    Figure 2004067983
    (式中、Rは水素原子またはメチル基、Aは炭素数1〜4のアルキレン基、Rはメチル基又はエチル基を示す。)
    で表されるエチレン性不飽和単量体との共重合体である請求項3または4に記載の傾斜膜形成用コーティング剤。
  6. (A)成分の光散乱強度が8,000〜300,000cpsである請求項3、4または5に記載の傾斜膜形成用コーティング剤。
  7. 有機材料上に、請求項3ないし6のいずれか1項に記載のコーティング剤を用いて形成された有機−無機複合傾斜膜を有し、かつ該膜の表面が実質上チタン酸化物成分であることを特徴とする構造体。
  8. 有機−無機複合傾斜膜上に、光触媒活性材料層を設けた防汚性を有する請求項7に記載の構造体。
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