JP2001038285A - 光触媒機能を有する被膜の形成方法 - Google Patents

光触媒機能を有する被膜の形成方法

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JP2001038285A JP11216986A JP21698699A JP2001038285A JP 2001038285 A JP2001038285 A JP 2001038285A JP 11216986 A JP11216986 A JP 11216986A JP 21698699 A JP21698699 A JP 21698699A JP 2001038285 A JP2001038285 A JP 2001038285A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の光触媒機能を有する被膜の形成方法よ
りも、さらに耐摩耗性に優れた光触媒機能を有する被膜
を容易に形成する。 【解決手段】 樹脂製基材1の表面上に有機系組成物か
らなる未硬化下地層2aを形成した後、該有機系組成物
を重合させて未硬化下地層2aを樹脂製基材1より硬度
の高い下地層2とする工程と、未硬化下地層2a又は該
下地層2上に、主として加水分解性4官能シラン誘導体
から調製されたシリコーン系重合硬化組成物を用いて未
硬化中間層3aを形成した後、該シリコーン系重合硬化
組成物を重合させて該未硬化中間層3aを中間層3とす
る工程と、中間層3上に光触媒層4を形成する工程とか
ら光触媒被膜を形成する。この方法では、硬度の極めて
高い中間層がクラックを生じることなく形成されるた
め、優れた耐摩耗性を有する光触媒機能を有する被膜が
形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂製品などの樹
脂製基材の表面上に、光触媒機能を有する被膜を形成す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光触媒は、光エネルギーを利用して有機
物を分解するという光触媒作用を有する。こうした光触
媒が含まれる被膜を樹脂製基材の表面上に形成すれば、
その被膜の表面上に有機物が付着しても、その有機物は
光触媒により分解されて自然に浄化される。
【0003】しかしながら、こうした光触媒機能を有す
る被膜(以下、光触媒被膜と称する)を樹脂製基材の表
面上に直接形成すると、光触媒被膜は、その表面に付着
した有機物だけでなく、接する樹脂製基材の界面も分解
してしまう。その結果、その樹脂製基材の界面が劣化し
て、光触媒被膜が樹脂製基材から剥離してしまうことが
ある。
【0004】そこで、従来より、樹脂製基材の表面上に
シリコーン系硬化重合組成物のような光触媒で分解され
ない塗料を用いて下地層を形成した後、その下地層上に
光触媒を含む光触媒層を形成することにより、光触媒被
膜を形成する方法が提案されている。このような下地層
と光触媒層との2層から構成される光触媒被膜では、下
地層が光触媒層の光触媒による樹脂製基材の分解を防ぐ
ことができるため、光触媒被膜が接する樹脂製基材の界
面の劣化を防止することができ、樹脂製基材からの光触
媒被膜の剥離を防止することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで光触媒被膜
は、光が当たる環境で用いられるため、外部から引っ掻
きや摩擦力などを受けたりする可能性が高い。それゆ
え、光触媒被膜には耐摩耗性も要求されることが多い。
そこで光触媒被膜に耐摩耗性を付与する方法として、硬
度の高い下地層を形成することが考えられる。
【0006】例えば前記シリコーン系硬化重合組成物の
一種にシラン誘導体がある。このシラン誘導体は、加水
分解反応できる官能基の数により、図2に示すように4
官能型、3官能型及び2官能型に分けられる。これら3
種類のシラン誘導体のうち4官能型のシラン誘導体を用
いれば、重合に関わる結合数を多くすることができ、下
地層の硬度を高くすることができる可能性がある。
【0007】しかし、4官能型のシラン誘導体を多量に
用いると、樹脂製基材と下地層との硬度差が大きくな
る。その結果、光触媒被膜の形成時又はその使用時にお
いて起こりうる体積変化の度合いの違いにより、下地層
にクラックが発生しやすくなる。このことは、特開平9
−227829号公報においても示唆されている(この
公報によれば、被膜における加水分解性4官能シラン誘
導体の含有量が30モル%を超える場合、被膜にクラッ
クが生じやすくなることが記載されている。)このよう
に下地層の硬度を単に高くするだけでは、樹脂製基材と
下地層との硬度差が大きくなり、下地層にクラックが発
生しやすくなってしまう。こうしたクラックが発生する
と、樹脂製基材と下地層との密着性が損なわれて、光触
媒被膜が樹脂製基材から剥がれてしまう。
【0008】他方、特開平10−67873号公報に開
示されているように、樹脂製基材の表面上に、先ずプラ
イマー樹脂層たる下地層を形成し、その下地層上にシリ
コーン系熱硬化重合組成物からなる中間層を形成した
後、その中間層上に光触媒を含む光触媒層を形成するこ
とにより、光触媒被膜を形成する方法が提案されてい
る。このような下地層と中間層と光触媒層との3層から
構成される光触媒被膜では、下地層が樹脂製基材と中間
層との密着性に優れるため、光触媒被膜の樹脂製基材か
らの剥がれを十分に防止することができる。
【0009】しかしながら、上記公報に開示されている
ような従来の下地層と中間層と光触媒層との3層から構
成される光触媒被膜の形成方法においては、未だ耐摩耗
性の点で不十分なことがあった。
【0010】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であり、樹脂製基材との密着性に優れ、かつ従来の光触
媒被膜よりもさらに耐摩耗性に優れた光触媒被膜を容易
に形成することができる方法を提供することを課題とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の光触媒機能を有する被膜(光触媒被膜)は、樹脂製
基材の表面上に、有機系組成物からなる未硬化下地層を
形成した後、該有機系組成物を重合させて、該未硬化下
地層を該樹脂製基材より硬度の高い下地層とする下地層
形成工程と、該未硬化下地層又は該下地層上に、主とし
て加水分解性4官能シラン誘導体から調製されたシリコ
ーン系重合硬化組成物を用いて未硬化中間層を形成した
後、該シリコーン系重合硬化組成物を重合させて該未硬
化中間層を中間層とする中間層形成工程と、該中間層上
に光触媒が含まれる光触媒層を形成する光触媒層形成工
程と、から構成されることを特徴とする。
【0012】下地層形成工程においては、樹脂製基材に
対して親和性(相溶性など)に優れた有機質の下地層を
形成する。それゆえ、形成される下地層は樹脂製基材に
対して優れた密着性を有する。
【0013】中間層形成工程においては、主として加水
分解性4官能シラン誘導体から調製されたシリコーン系
重合硬化組成物を用いて中間層を形成するため、極めて
硬度の高い中間層を形成することができる。この中間層
は、従来の光触媒被膜の中間層よりも硬度の高いもので
あるため、光触媒被膜の耐摩耗性を従来のものよりもさ
らに高いものとすることができる。
【0014】また、中間層は樹脂製基材よりも硬度の高
い下地層上に形成される。すなわち、中間層は樹脂製基
材よりも硬度差の小さい下地層の表面上に形成されるた
め、中間層には下地との高度差の違いによるクラックが
生じにくくなる。その結果、下地層と中間層との間で優
れた密着性が得られる。
【0015】さらに、中間層は、光触媒によって分解さ
れることのないシリコーン系重合硬化組成物より形成さ
れるため、続く光触媒層形成工程で形成される光触媒層
によって分解されることはない。
【0016】以上のように、本発明によれば、樹脂製基
材と光触媒被膜との間で優れた密着性が得られ、従来の
光触媒被膜よりもさらに耐摩耗性に優れた光触媒被膜を
容易に形成することができるようになる。こうした効果
は、樹脂製基材の硬度が比較的低い場合に特に有効に得
ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、工程に分けて本発明の実施
形態を説明する。 [下地層形成工程]樹脂製基材については、その形状及
び材質については特に限定されるものではない。例え
ば、自動車等の窓に使用するのであれば透明基板を採用
することができ、歯車等に使用するのであれば不透明な
基板を採用することもできる。例えば、アクリル系樹脂
基板、メタクリル系樹脂基板、ポリカーボネート基板等
を採用することができる。
【0018】未硬化下地層の形成方法としては、有機系
組成物を含む液状又はペースト状の合剤(第1合剤)を
調製し、その第1合剤を樹脂製基材の表面上に塗布して
形成する方法を挙げることができる。第1合剤には、有
機系組成物の重合を促進させる硬化触媒を含有させても
よい。この硬化触媒により、未硬化下地層を容易に硬化
させることができるようになる。
【0019】ここで有機系組成物としては、樹脂製基材
に対して優れた密着性をもち、かつ樹脂製基材よりも高
い硬度を付与することができるものであれば特に限定さ
れるものではないが、アクリル系重合硬化組成物を挙げ
ることができる。
【0020】アクリル系重合硬化組成物は、アクリル成
分が樹脂製基材に対して高い親和性をもつ上、重合して
高い架橋度の架橋組織を形成するため、樹脂製基材に対
して優れた密着性をもち、かつ優れた耐摩耗性をもつよ
うになる。それゆえ、有機系組成物としてアクリル系重
合硬化組成物を用いることが望ましい。この場合には、
アクリル系重合硬化組成物が含まれる未硬化下地層を形
成した後、この未硬化下地層を重合させることにより耐
摩耗性に優れた下地層を得ることができる。
【0021】こうして形成された下地層は、上述したよ
うなシリコーン系硬化重合組成物からなる中間層に比べ
れば低い硬度を有するものの、例えばポリカーボネート
よりも高い硬度を有するものである。従って、樹脂製基
材としてポリカーボネートよりなるものを用いる場合、
有機系組成物としてアクリル系重合硬化組成物を用いる
手段は特に有効である。
【0022】ところで、下地層が樹脂製基材に対して十
分に高い硬度をもたないと、中間層と下地層との硬度差
を十分に小さくすることができず、中間層におけるクラ
ックの発生を防止することができないことがある。こう
したクラックが発生すると、中間層と下地層との密着性
が損なわれて、それらの層の間に剥がれが生じてしまう
恐れがある。その結果、耐摩耗性に優れた光触媒被膜を
得ることが難しくなる。
【0023】特に中間層と樹脂製基材との中間の硬度を
もつ下地層を形成すれば、樹脂製基材、下地層及び中間
層の順に硬度が階段的に大きくなって、光触媒被膜が形
成されるため、樹脂製基材と下地層との硬度差、及び下
地層と中間層との硬度差の両方の差を十分に小さくする
ことができる。その結果、樹脂製基材と下地層との間、
及び下地層と中間層との間で優れた密着性が得られ、さ
らに耐摩耗性に優れた光触媒被膜を容易に形成すること
ができるようになる。
【0024】前記アクリル系重合硬化組成物を用いれ
ば、樹脂製基材に対して十分に高い硬度をもつ下地層を
容易に形成することができる。
【0025】前記アクリル系重合硬化組成物の種類につ
いては、所定の方法によって重合して硬化するものであ
れば特に限定されるものではなく、紫外線によって重合
するアクリル系紫外線重合硬化組成物や、熱によって重
合するアクリル系熱重合硬化組成物、電子線によって重
合するアクリル系電子線重合硬化組成物などを挙げるこ
とができる。中でも、アクリル系紫外線重合硬化組成物
を用いれば、樹脂製基材に損傷を与えることなく、樹脂
製基材に対して十分に高い硬度をもつ下地層を容易に形
成することができる。その他、ホスファゼン系重合硬化
組成物(例えば、出光製PPZ)等を採用することがで
きる。
【0026】一方、有機系組成物として、Si−アクリ
ル系重合硬化物等の無機−有機ハイブリッド材料を用い
てもよい。具体的には、無機粒子に光重合反応性のある
有機成分が結合している紫外線硬化型ハードコート材等
(例えば、JSR製Z7503)を用いることができ
る。
【0027】また、前記未硬化下地層には、シラノール
基を有するポリシロキサン組成物を含有させることが望
ましい。こうしたポリシロキサン組成物としては、シラ
ンカップリング剤やシリコーン系熱重合硬化組成物等を
採用することができる。
【0028】そのようなシランカップリング剤として
は、特にシラノール基並びにメタクリル基、アクリル
基、エポキシ基、アミノ基及びビニル基の少なくとも1
種の有機系官能基を有するものが好ましい。こうしたシ
ランカップリング剤として、シラノール基を有するシラ
ンカップリング剤(例えば、三菱化学製MSEP2H
M)、マクロモレキュラーカップリング剤(例えば、日
本ユニカー製MMCA)、エポキシ官能性シラン(例え
ば、信越化学工業製KBM−403、KBZ−402、
KBE−403)、アクリル官能性シラン(例えば、信
越化学工業製KBM−5102、KBM−5103)、
紫外線硬化型シリコーンハードコート剤(例えば、信越
化学工業製X−12−2400)等を採用することがで
きる。メタクリル基又はアクリル基を有するシランカッ
プリング剤として例えば、信越化学工業製KBM−50
3、KBM−502、KBE−502等、ビニル基を有
するシランカップリング剤として例えば信越化学工業製
KBE−1003、KBM−1003、KA−1003
等を採用することが好ましい。さらに、有機系組成物
が、シラノール基を有する無機−有機ハイブリッド材料
であってもよい。
【0029】上記のようなシラノール基を有するポリシ
ロキサン組成物を未硬化下地層に含有させれば、シラノ
ール基が未硬化下地層の表面側に位置するようになる。
これは下地層が硬化しても変わらず、次いで下地層上に
未硬化中間層を形成すれば、下地層にはシラノール基を
介して未硬化中間層が被覆される。そして、未硬化中間
層を硬化させれば、下地層のシラノール基と未硬化中間
層のシラノール基とが脱水結合反応によりシロキサン結
合され、下地層と中間層とが強固に結合する。こうして
得られる光触媒被膜では、下地層と中間層とがさらに十
分に密着するため、耐摩耗性がさらに向上する。
【0030】下地層の層厚は1000nm以上であるこ
とが好ましい。下地層の層厚が1000nm未満である
と、樹脂製基材及び中間層に対して優れた密着性を得る
ことが難しくなる。 [中間層形成工程]未硬化中間層の形成方法としては、
前記シリコーン系重合硬化組成物が含まれる液状又はペ
ースト状の合剤(第2合剤)を調製し、その第2合剤を
下地層上に塗布して形成する方法を挙げることができ
る。なお、本発明では、シリコーン系重合硬化組成物の
加水分解性4官能シラン誘導体の含有量については特に
限定されるものではないが、シリコーン系重合硬化組成
物の全体を100モル%とすると、シリコーン系重合硬
化組成物における加水分解性4官能シラン誘導体の含有
量は30モル%を超える量であることが望ましい。加水
分解性4官能シラン誘導体の含有量が30モル%以下で
は中間層に十分に高い硬度を付与するのに不十分であ
る。特に、加水分解性4官能シラン誘導体のみを含むシ
リコーン系重合硬化組成物を用いることが特に望まし
い。
【0031】一方、第2合剤には、シリコーン系重合硬
化組成物の重合を促進させる硬化触媒を含有させてもよ
い。この硬化触媒の働きにより、シリコーン系重合硬化
組成物の重合の反応速度が大きくなって、中間層におけ
る重合の緻密さをさらに向上させることができる。
【0032】なお、未硬化中間層が形成されるとき、下
地層は必ずしも硬化していなくてもよい。すなわち、未
硬化下地層上に未硬化中間層を形成してもよい。この場
合、未硬化中間層を硬化させる際に未硬化下地層も同時
に硬化させればよい。
【0033】一般式SiX4で表される加水分解性4官
能シラン誘導体としては、Xが炭素数1〜8のアルコキ
シル基又は塩素、臭素である加水分解性4官能シラン誘
導体を採用でき、例えばテトラエトキシシランやテトラ
メトキシシラン、テトラブトキシシラン等を採用するこ
とが好ましい。特に、熱によって重合する加水分解性4
官能シラン誘導体を採用すること、すなわちシリコーン
系熱重合硬化組成物を用いることが好ましい。
【0034】また、未硬化中間層はシリカを含むことが
好ましい。このシリカにより中間層の硬度をさらに向上
させることができる。
【0035】未硬化中間層の層厚は、100〜2000
nmであることが好ましい。未硬化中間層の層厚が20
00nmを超える場合には硬化時の収縮によりクラック
が発生しやすく、耐摩耗性が低下する。また、未硬化中
間層の層厚が100nm未満では均一な塗膜が得られに
くく、耐摩耗性が低下する。特に、後述するようにアル
カリ処理を行う場合には、アルカリ液によりエッチング
されて、層厚の均一性が失われ、耐摩耗性が低下する。 [光触媒層形成工程]光触媒と結着剤とを含む第3合剤
を調製し、その第3合剤を中間層上に塗布して形成する
ことができる。第3合剤には、結着剤の光触媒及び中間
層に対する結着速度を促進させる触媒を含有させてもよ
い。
【0036】光触媒作用をもつ光触媒としては、公知と
なっている光触媒を用いることができ、例えばTi
2、ZnO、SnO2、SrTiO3、WO3、Bi
23、Fe23などの金属酸化物を挙げることができ
る。中でも、TiO2(チタニア)は、優れた光触媒作
用をもつ上に、生体に無害であってかつ化学的にも安定
であるため、最適な光触媒である。なお、光触媒層は大
きな硬度をもたなくても、その層厚を小さくして形成す
れば、光触媒被膜は下地層及び中間層の影響を受け、特
に中間層の影響を大きく受け、耐摩耗性が維持される。
すなわち、中間層の硬度が十分に大きければ、光触媒被
膜において優れた耐摩耗性を得ることができる。
【0037】結着剤としてシリコーン系重合硬化組成物
を用いれば、光触媒層自体の硬度を大きくすることがで
きるため、光触媒被膜の耐摩耗性を向上させることがで
きる。
【0038】さらに、光触媒層の層厚は、1000nm
以下であることが好ましい。光触媒層の厚みが1000
nmを超えると、干渉や白化などが起こる可能性があ
る。特に光触媒としてチタニアを用いる場合、チタニア
は高屈折率を有するため、干渉や白化などが起こりやす
くなる。
【0039】本発明では、中間層の表面を親水化処理し
た後、光触媒層を形成することが望ましい。中間層の表
面を親水化処理することにより、光触媒層におけるチタ
ニア等の光触媒たる金属酸化物が中間層に結合し、優れ
た耐久性を発揮できるようになる。この親水化処理の方
法としては、アルカリ性液で処理する方法、プラズマを
用いて処理する方法等が挙げられる。
【0040】ところで、従来の光触媒被膜の形成方法で
は、下地層が酸で劣化してしまうものであった。このた
め、先ずpH5〜6程度の弱酸性のシリコーン系重合硬
化組成物を含む合剤を調製し、この合剤を下地層上に塗
布して未硬化中間層を形成した後、未硬化中間層に含ま
れるシリコーン系重合硬化組成物を重合させて中間層と
していた。
【0041】これに対して本発明では、シリコーン系重
合硬化組成物は強酸を含むことが好ましい。本手段によ
れば、強酸によりシリコーン系重合硬化組成物の保存安
定性を向上させることができる。これによりシリコーン
系重合硬化組成物をいったん大量に調製しておけば、そ
れを長期にわたって利用しても硬度の高い中間層を安定
的に形成することができるようになる。このようなシリ
コーン系重合硬化組成物の大量調製によりその調製コス
トの低減を図ることができ、光触媒被膜の形成コストを
低減することができるようになる。
【0042】ただし、本手段では、下地層には、少なく
ともその表面部が耐強酸性を有する層を形成することが
望ましい。例えば、樹脂製基材の表面上に有機系耐酸性
組成物が含まれる未硬化下地層を形成した後、該未硬化
下地層を硬化させて下地層とすることができる。
【0043】上述したようにアクリル系重合硬化組成物
が含まれる未硬化下地層を形成した後、この未硬化下地
層に含まれるアクリル系重合硬化組成物を重合させて該
未硬化下地層を硬化させて得た下地層は、耐酸性にも優
れることがわかった。こうして形成した下地層であれ
ば、シリコーン系重合硬化組成物を含む合剤が強酸性で
あっても劣化しにくい。そこで、pH1程度の強酸性の
シリコーン系重合硬化組成物を含む合剤を調製し、この
合剤を下地層上に塗布して未硬化中間層を形成した。そ
の結果、その下地層では、強酸性の合剤によっても劣化
しないことが確認された。
【0044】ここで、未硬化中間層に含まれるシリコー
ン系硬化重合組成物を重合させて得られた中間層は、従
来の光触媒被膜の形成方法で形成されていた中間層より
もさらに緻密な組織を有すると考えられる。それという
のも、強酸の働きによってシリコーン系重合硬化組成物
の重合の反応性が高くなった結果、その重合の反応速度
が大きくなって組織の緻密化が促進されていると考えら
れるからである。
【0045】本手段では、シリコーン系重合硬化組成物
と強酸とが含まれる未硬化中間層を形成した後、その未
硬化中間層に含まれるシリコーン系重合硬化組成物を重
合させて中間層を形成するため、先述のように、従来の
光触媒被膜の形成方法で形成されていた中間層よりも緻
密な組織を有する中間層を形成することができる。一般
に樹脂よりなる層ではその組織が緻密になるほどその硬
度が大きくなるため、本発明に係る中間層は、従来の形
成方法で形成されていた中間層よりも硬度が大きくなっ
ていると考えられる。
【0046】また、有機系耐酸性組成物からなる下地層
は有機系であるため、樹脂製基材に対して優れた密着性
が得られる上、耐酸性を有することから強酸が含まれる
未硬化中間層によって劣化されにくい。それゆえ、中間
層の形成中に下地層と未硬化中間層との密着性が低下し
にくく、未硬化中間層が硬化して中間層が得られた後も
下地層と中間層との密着性が保持される。
【0047】ここで強酸の種類についても特に限定され
るものではなく、塩酸や硝酸、硫酸などを挙げることが
できる。ただし、シリコーン系重合硬化組成物を劣化す
ることのないものを用いる必要がある。
【0048】未硬化中間層の酸性度は特に限定されるも
のではないが、下地層に用いる有機系耐酸性組成物の耐
酸性度に応じて、できる限りpHの低い未硬化中間層を
形成することが好ましい。これにより、シリコーン系重
合硬化組成物の保存安定性をさらに向上させることがで
きる。また、中間層の組織の緻密さをさらに向上させる
ことも期待できる。
【0049】特に、有機系耐酸性組成物としてアクリル
系重合硬化組成物を用いれば、pH1の酸性度を有する
未硬化中間層を形成することができる。このような未硬
化中間層を形成することにより、極めて緻密な組織を有
する中間層が形成されると考えられる。その結果、従来
の形成方法で形成されていた中間層よりも硬度の高い中
間層を形成できるようになると考えられる。
【0050】ここで有機系耐酸性組成物としては、樹脂
製基材に対して優れた密着性をもち、かつ中間層の強酸
に対して耐酸性をもつ有機系の組成物であれば特に限定
されるものではないが、耐酸性及び耐摩耗性に優れた有
機系重合硬化組成物を用いることが望ましい。こうした
有機系重合硬化組成物を用いて下地層を形成すれば、光
触媒被膜の耐摩耗性をさらに向上させることができる。
耐酸性及び耐摩耗性に優れた有機系重合硬化組成物とし
ては、例えば先のアクリル系重合硬化組成物を挙げるこ
とができる。
【0051】中でも、アクリル系重合硬化組成物は、重
合して高い架橋度の架橋組織を形成するため、優れた耐
酸性をもつようになる。それゆえ、有機系耐酸性組成物
としてアクリル系重合硬化組成物を用いることが望まし
い。この場合には、アクリル系重合硬化組成物が含まれ
る未硬化下地層を形成した後、この未硬化下地層を重合
させることにより耐酸性に優れた下地層を得ることがで
きる。
【0052】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施例を説明す
る。 (実施例1)本実施例では、図1に示す手順により、樹
脂製基材の表面上に、下地層、中間層及び光触媒層の3
層から構成される光触媒被膜を形成した。 [下地層形成工程]樹脂製基材として、ポリカーボネー
ト(三菱エンジニアリングプラスチックス社製ユーピロ
ンML300)からなる樹脂基板1(100mm×10
0mm×4mm)を3枚用意した。
【0053】また、アクリル系紫外線重合硬化組成物
(日本精化製NSC−EX−2020)と、シラノール
基を有するポリシロキサン組成物であるシランカップリ
ング剤(三菱化学製MSEP2HM)とを混合して第1
合剤を調製した。ここでは、アクリル系紫外線重合硬化
組成物の固形分を100重量部とすると、シランカップ
リング剤を20重量部混合した。こうして得られた第1
合剤を、イソプロピルアルコール(IPA)にて洗浄さ
れた先の各樹脂基板の表面上にフローコート法によりそ
れぞれ塗布し、未硬化下地層2aを形成した。ここで
は、いずれの未硬化下地層2aについても層厚を200
0nmとした。
【0054】各未硬化下地層2aを80℃で5分間乾燥
させて、未硬化下地層2a中の溶剤を除去した。所定位
置に対して80W/cmの紫外線を照射できる紫外線ラ
ンプが2灯並列された紫外線照射装置を用意し、各未硬
化下地層2aを1.5m/分の速度で所定位置を通過さ
せた。このように各未硬化下地層2aに紫外線を照射
し、未硬化下地層2aに含まれるアクリル系重合硬化組
成物を重合させて下地層2を得た。 [中間層形成工程]シリコーン系熱重合硬化組成物とし
てテトラエトキシシランのみを用い、このシリコーン系
熱重合硬化組成物が含まれる第2合剤#1を次のように
調製した。
【0055】容器に0.1Nの塩酸を含む水溶液22重
量部を入れ、その液温を10℃以下に保ちながら十分に
攪拌する。この水溶液中にテトラエトキシシラン50重
量部(関東化学)を添加し、液温を10℃に保ちながら
3時間攪拌した。その後、このテトラエトキシシランを
含有させた溶液#1を液温が20℃になるように加熱
し、IPA15重量部を含有させた。
【0056】なお、第2合剤#1は、そのpHが3を超
えると数時間でゲル化してしまう。そこで、第2合剤の
保存安定性を向上させるため、合剤のpHが3以下にな
るように塩酸を用いた。また、IPAの含有量は、合剤
のpHが3を超えないように選択した。
【0057】この第2合剤#1を上記のようにして得た
各下地層2上にフローコート法により塗布し、未硬化中
間層3aを形成した。ここでは、いずれの未硬化中間層
3aについても層厚を500nmとした。
【0058】未硬化中間層3aを120℃の温度で1時
間加熱し、未硬化中間層3aに含まれるシリコーン系熱
重合硬化組成物を重合させて中間層3を得た。 [光触媒層形成工程]上記で得られた各中間層3の表面
をアルカリ処理液で親水化処理した。ここでは、アルカ
リ処理液として、NaOHを0.1Nの濃度で含む水溶
液を用いた。このアルカリ処理液に上記のように中間層
が形成された試料を3分間浸漬し、中間層の表面にアル
カリ処理を施した。このアルカリ処理後、試料を水洗い
し、80℃の温度で5分間乾燥した。
【0059】その一方で、チタニアのゾル(TiO2
水分散液;TiO2には石原産業製STS−02を用い
た)と、結着剤(シリコーン系重合硬化組成物;第2合
剤#1を調製する際に用いた溶液#1)と、分散媒(分
散媒全体を100体積%とすると、水60体積%及びI
PA40体積%からなる混合溶液)とを混合して第3合
剤を調製した。ここでは、第3合剤として、チタニアの
ゾルと結着剤とが、チタニア:結着剤=4:1、1:1
及び1:4の各重量比で混合されている3種類の第3合
剤(#1−1、#1−2及び#1−3)を調製した。
【0060】これらの第3合剤を先述のように親水化処
理した中間層3の表面上にそれぞれスピンコート法によ
り塗布し、未硬化光触媒層4aを形成した。ここでは2
000rpmのスピン回転数で塗布した。これらいずれ
の未硬化光触媒層4aについても層厚を100nmとし
た。
【0061】各未硬化光触媒層4aを120℃の温度で
60分間加熱し、未硬化光触媒層4aに含まれるシリコ
ーン系熱重合硬化組成物を重合させて、光触媒層4を得
た。
【0062】以上のように、光触媒層4の形成において
(第3合剤の調製において)チタニアのゾルと結着剤と
混合比を変えて、光触媒被膜を計3種類形成した。これ
らの光触媒被膜について、耐摩耗性を次の条件により調
べた。
【0063】耐摩耗性 テーバ摩耗試験機(TELEDYNETABE社製51
30ABRASER)を用い、摩耗輪がCS10F、荷
重が500gであるときの500サイクル後のヘーズ変
化量(ΔH(%))をヘーズメータ(スガ試験機社製H
GM−3DP)により測定した。このヘーズ変化量の測
定を2回行った。
【0064】その耐摩耗性試験の結果を表1に示す。な
お、第3合剤の欄のカッコ内の比は、チタニアと結着剤
との重量比を表す。
【0065】
【表1】
【0066】表1より、上記3種類の光触媒被膜のいず
れにおいても、ヘーズ変化量が極めて小さく、耐摩耗性
に優れることがわかった。また、上記3種類の光触媒被
膜のいずれのヘーズ変化量も、後述する比較例3の光触
媒被膜のヘーズ変化量(5.5)よりも小さいものであ
る。このことからも、本実施例の形成方法によれば、従
来の光触媒被膜の形成方法よりも耐摩耗性に優れた光触
媒被膜を容易に形成できることがわかる。
【0067】また、それらのヘーズ変化量に大きな差は
なく、第3合剤の調製において設定されるチタニアと結
着剤との混合割合は、光触媒被膜の耐摩耗性に影響を及
ぼさないことがわかった。上記3種類の光触媒被膜のい
ずれにおいても、光触媒層はその層厚が極めて小さく光
触媒被膜の硬度の向上に大きく寄与していないと見られ
る。このことから、光触媒被膜の耐摩耗性は、下地層及
び中間層の硬度、特に中間層の硬度の影響を大きく受け
ていることがわかる。 (実施例2)中間層形成工程で使用する第2合剤として
次の合剤を用い、光触媒層形成工程で使用する第3合剤
としてその後に述べる合剤を用いて、フローコート法及
びスピンコート法の各塗布方法により未硬化光触媒層を
形成した。この他は、実施例1と同様にして光触媒被膜
を形成した。
【0068】シリコーン系熱重合硬化組成物を含む第2
合剤として、第2合剤#1にコロイダルシリカを含有さ
せた第2合剤#2を調製した。すなわち、前記溶液#1
にコロイダルシリカを含有させた溶液を調製し、その溶
液をIPAで希釈して第2合剤#2を得た。この溶液
は、溶液#1を100重量部とするとコロイダルシリカ
を25重量部含有させたものである(溶液#2)。ま
た、IPAによる希釈については、固形分濃度が1重量
%となるようにした。この第2合剤#2もpH3以下の
酸性度を有する。
【0069】一方、第3合剤については、チタニアのゾ
ル(TiO2の水分散液;多木化学製M−6)と、結着
剤(シリコーン系重合硬化組成物;前記溶液#2)と、
分散媒(分散媒全体を100体積%とすると、水60体
積%及びIPA40体積%からなる混合溶液)とを混合
して第3合剤を調製した。ここでは、第3合剤として、
合剤全体を100重量%とすると、固形分がそれぞれ1
重量%、2重量%及び3重量%の濃度で含まれている3
種類の第3合剤(#2−1、#2−2及び#2−3)を
調製した。これらいずれの第3合剤においてもチタニア
と結着剤とが等重量比で混合されている。
【0070】これらの第3合剤を、先述のように親水化
処理した中間層の表面上にそれぞれフローコート法及び
スピンコート法の各塗布方法により塗布し、未硬化光触
媒層を形成した。なお、フローコート法では、第3合剤
#2として、固形分濃度が1重量%及び2重量%の2種
類の合剤をそれぞれ用いて未硬化光触媒層を形成した。
また、ここでのスピンコート法では、2000rpmと
4000rpmとの2種類のスピン回転数で塗布した。
【0071】以上のように、光触媒層の形成において、
第3合剤の固形分濃度及びその塗布方法をそれぞれ変
え、光触媒被膜を計8種類形成した。これらの光触媒被
膜の耐摩耗性を実施例1と同様にして調べた。その耐摩
耗性試験の結果を表2に示す。
【0072】
【表2】
【0073】表2より、上記8種類の光触媒被膜のいず
れにおいても、ヘーズ変化量が極めて小さく、耐摩耗性
に優れることがわかった。また、それらの光触媒被膜の
いずれのヘーズ変化量も、後述する比較例3の光触媒被
膜のヘーズ変化量(5.5)よりも小さいものである。
このことからも、本実施例の形成方法によれば、従来の
光触媒被膜の形成方法よりも耐摩耗性に優れた光触媒被
膜を容易に形成できることがわかる。
【0074】ただし、未硬化光触媒層がフローコート法
により形成された光触媒被膜と、スピンコート法により
形成された光触媒被膜とにおいて、それらのヘーズ変化
量を比べると、後者の光触媒被膜の方がヘーズ変化量が
やや小さいことがわかる。また、前者の光触媒被膜で
は、干渉縞がやや見られ、外観不良があることがわかっ
た。この結果より、フローコート法とスピンコート法と
を上記の形成条件で比較した場合には、後者の方が未硬
化光触媒層の形成方法に優れていることがわかる。
【0075】また、いずれの光触媒被膜においても、第
3合剤の固形分濃度が異ってもそれらのヘーズ変化量に
大きな差が生じていないことから、第3合剤の調製にお
いて設定される固形分濃度は、光触媒被膜の耐摩耗性に
影響を及ぼさないことがわかった。上記8種類の光触媒
被膜のいずれにおいても、光触媒層はその層厚が極めて
小さく、光触媒被膜の硬度の向上に大きく寄与していな
いと見られる。このことから、光触媒被膜の耐摩耗性
は、下地層及び中間層の硬度、特に中間層の硬度の影響
を大きく受けていることがわかる。 (実施例3)光触媒層形成工程において、第3合剤を中
間層上にバーコート法により塗布して未硬化光触媒層を
形成した。この他は、実施例2と同様にして光触媒被膜
を形成した。ここでは、バー番定を、002番、004
番及び006番にそれぞれ設定して、3種類の光触媒被
膜を形成した。いずれの設定においても、引く速度を
3.5cm/分とした。また、第3合剤として、固形分
濃度が3重量%、5重量%及び7重量%の3種類の第3
合剤(#3−1、#3−2及び#3−3)をそれぞれ用
いて未硬化光触媒層を形成した。
【0076】以上のように、本発明において光触媒層の
形成方法を一部変えて光触媒被膜を計9種類形成した。
これらの光触媒被膜について、実施例1と同様にして耐
摩耗性を調べるとともに、密着性を次の条件により調べ
た。また、クラック及び干渉縞の有無についても、それ
らの光触媒被膜の外観を観察して調べた。なお、第3合
剤#3−3については、バー番定002番及び004番
のみに設定した。
【0077】密着性(JISK5400に準ずる。) 各光触媒被膜の表面をカッターナイフにより傷付ける。
傷は1mm間隔に縦横直交する各々10本であり、これ
により1mm角の升目計100個からなる碁盤目をそれ
ぞれの光触媒被膜に形成する。各光触媒被膜の碁盤目全
てを覆うように粘着テープ(ニチバン社製:セロハンテ
ープ)を付着した後、一気に粘着テープを引き剥がす。
この時、粘着テープに付着する光触媒被膜の升目の有無
を観察する。なお、光触媒被膜の形成直後における密着
性を初期密着性と称する。
【0078】耐温水性 各光触媒被膜を40℃の温水中に240時間浸漬後、上
記密着性の試験条件に従い、粘着テープに付着する光触
媒被膜の升目の有無を観察する。
【0079】各光触媒被膜の耐摩耗性及び密着性の試験
結果及び外観の観察結果をそれぞれ表3〜5に示す。
【0080】
【表3】
【0081】
【表4】
【0082】
【表5】
【0083】表3〜5より、上記9種類の光触媒被膜の
いずれにおいても、ヘーズ変化量が極めて小さく、耐摩
耗性に優れることがわかった。また、それらの光触媒被
膜のいずれのヘーズ変化量も、後述する比較例3の光触
媒被膜のヘーズ変化量(5.5)よりも小さいものであ
る。このことからも、本実施例の形成方法によれば、従
来の光触媒被膜の形成方法よりも耐摩耗性に優れた光触
媒被膜を容易に形成することができることがわかる。
【0084】また、光触媒層の形成においてバー番定を
002と低く設定して形成した光触媒被膜においては、
第3合剤の固形分濃度が3〜7のいずれに設定されてい
ても、干渉縞の発生が少なくなっていることがわかる。
一方、光触媒層の形成においてバー番定を006と高く
設定して形成した光触媒被膜においては、第3合剤の固
形分濃度が大きくなるにつれて、干渉縞の発生が多くな
っていることがわかる。
【0085】これらの結果から、バーコート法による光
触媒層の形成においては、バーの使用番定を低くすれ
ば、干渉縞の発生を抑制することができ、特に002番
を用いればその干渉縞の発生を効果的に抑制できること
がわかった。さらに、第3合剤の固形分濃度は5重量%
以下に設定することが好ましい。 (実施例4)中間層形成工程で使用する第2合剤として
次の合剤を用い、光触媒層形成工程で使用する第3合剤
としてその後に述べる合剤を用いた他は、実施例2と同
様にして光触媒被膜を形成した。
【0086】先ず、第2合剤については、前記溶液#1
をIPAで固形分濃度が1%となるように希釈した第2
合剤#4−1を調製した。
【0087】一方、第3合剤については、チタニアのゾ
ル(TiO2の水分散液;多木化学製M−6)と、結着
剤(シリコーン系重合硬化組成物;前記溶液#1)と、
分散媒(分散媒全体を100体積%とすると、水60体
積%及びIPA40体積%からなる混合溶液)とを混合
して調製した第3合剤#4−1と、結着剤として前記溶
液#2の代わりに前記溶液#2を用いた他は第3合剤#
4−1と同様にして調製した第3合剤#4−2と、をそ
れぞれ用意した。なお、これらの第3合剤においても、
チタニアと結着剤とが等重量比で混合されており、第3
合剤全体を100重量%とすると、固形分が約2重量%
の濃度で含まれている。
【0088】また、これらの第3合剤を、先述のように
親水化処理した中間層の表面上にそれぞれスピンコート
法により塗布し、未硬化光触媒層を形成した。ここでの
スピンコート法では、2000rpmと4000rpm
との2種類のスピン回転数で塗布した。
【0089】以上のように、本発明において中間層及び
光触媒層の形成方法を一部変えて光触媒被膜を計4種類
形成した。これらの光触媒被膜についても、実施例1と
同様にして耐摩耗性を調べるとともに、実施例2と同様
にして密着性を調べた。この耐摩耗性試験の結果を表6
に示す。
【0090】
【表6】
【0091】表6より、上記4種類の光触媒被膜のいず
れにおいても、ヘーズ変化量が極めて小さく、耐摩耗性
に優れることがわかった。また、それらの光触媒被膜の
いずれのヘーズ変化量も、後述する比較例3の光触媒被
膜のヘーズ変化量(5.5)よりも小さいものである。
このことからも、本実施例の形成方法によれば、従来の
光触媒被膜の形成方法よりも耐摩耗性に優れた光触媒被
膜を容易に形成できることがわかる。
【0092】また、上記4種類の光触媒被膜のいずれに
おいても、光触媒層はその層厚が極めて小さく、光触媒
被膜の硬度の向上に大きく寄与していないと見られる。
このことから、光触媒被膜の耐摩耗性は、下地層及び中
間層の硬度、特に中間層の硬度の影響を大きく受けてい
ることがわかる。
【0093】一方、本実施例で得られた光触媒被膜は、
いずれも初期密着性及び温水密着性について良好なもの
であった。 (実施例5)光触媒層形成工程において、中間層の表面
を次のようにプラズマを用いて親水化処理した。この他
は、実施例4と同様にして光触媒被膜を形成した。
【0094】本実施例では、コロナ放電により発生させ
たプラズマに、中間層の表面を3m/分の速度で2回か
ざした。ここでは、300Wの出力でコロナ放電を起こ
した。
【0095】以上のように、本発明において光触媒層の
形成方法を一部変えて光触媒被膜を計4種類形成した。
これらの光触媒被膜についても、実施例1と同様にして
耐摩耗性を調べるとともに、実施例2と同様にして密着
性を調べた。この耐摩耗性試験の結果を表7に示す。
【0096】
【表7】
【0097】表7より、上記4種類の光触媒被膜のいず
れにおいても、ヘーズ変化量が極めて小さく、耐摩耗性
に優れることがわかった。また、それらの光触媒被膜の
いずれのヘーズ変化量も、後述する比較例3の光触媒被
膜のヘーズ変化量(5.5)よりも小さいものである。
このことからも、本実施例の形成方法によれば、従来の
光触媒被膜の形成方法よりも耐摩耗性に優れた光触媒被
膜を容易に形成することができることがわかる。
【0098】また、上記4種類の光触媒被膜のいずれに
おいても、光触媒層はその層厚が極めて小さく、光触媒
被膜の硬度の向上に大きく寄与していないと見られる。
このことから、光触媒被膜の耐摩耗性は、下地層及び中
間層の硬度、特に中間層の硬度の影響を大きく受けてい
ることがわかる。
【0099】さらに、スピン回転数の違いによる耐摩耗
性の大きな変化は見られなかった。
【0100】一方、本実施例で得られた光触媒被膜は、
いずれも初期密着性及び温水密着性について良好なもの
であった。 (実施例6)光触媒層形成工程において、次のように光
触媒層を形成した。この他は実施例2と同様にして光触
媒被膜を形成した。
【0101】チタニアのゾル(TiO2の水分散液;多
木化学製M−10)と、結着剤(シリコーン系重合硬化
組成物;前記溶液#2)と、分散媒(分散媒全体を10
0体積%とすると、水60体積%及びイソプロピルアル
コール40体積%からなる混合溶液)とを混合して第3
合剤を調製した。なお、この第3合剤においても、チタ
ニアと結着剤とが等重量比で混合されている。ここで
は、第3合剤として、合剤全体を100重量%とする
と、固形分がそれぞれ10重量%の濃度で含まれている
合剤を調製した。
【0102】この第3合剤を先述のように親水化処理し
た中間層の表面上にスピンコート法により塗布し、未硬
化光触媒層を形成した。ここでは、未硬化光触媒層の層
厚を27nm、35nm、43nm及び55nmにそれ
ぞれ設定して、4種類の未硬化光触媒層を形成した。な
お、ここでのスピンコート法では、4000rpmのス
ピン回転数で塗布した。
【0103】各未硬化光触媒層を120℃の温度で60
分間加熱し、未硬化光触媒層に含まれるシリコーン系熱
重合硬化組成物を重合させて、光触媒層を得た。
【0104】以上のように、本発明において光触媒層の
層厚が異なる光触媒被膜を計4種類形成した。これらの
光触媒被膜についても、実施例1と同様にして耐摩耗性
を調べるとともに、実施例2と同様にして密着性を調べ
た。また、クラック及び干渉縞の有無についても、それ
らの光触媒被膜の外観を観察して調べた。なお、クラッ
クの有無については、光触媒被膜を形成した直後(初
期)と、40℃の温水中に240時間浸漬後(耐温水)
とでそれぞれ調べた。これらの評価結果を表8に示す。
【0105】
【表8】
【0106】表8より、上記4種類の光触媒被膜のいず
れにおいても、ヘーズ変化量が極めて小さく、耐摩耗性
に優れることがわかった。また、それらの光触媒被膜の
いずれのヘーズ変化量も、後述する比較例3の光触媒被
膜のヘーズ変化量(5.5)よりも小さいものである。
このことからも、本実施例の形成方法によれば、従来の
光触媒被膜の形成方法よりも耐摩耗性に優れた光触媒被
膜を容易に形成することができることがわかる。
【0107】また、光触媒層の層厚を27〜43nmの
範囲内に設定した光触媒被膜においては、いずれも耐摩
耗性及び密着性に優れ、クラック及び干渉縞についても
観察されなかったのに対し、光触媒層の層厚を55nm
に設定した光触媒被膜においては、耐摩耗性及び初期密
着性には優れるが、耐温水性がやや劣り、干渉縞もやや
見られた。このことから、光触媒層の層厚を55nm未
満に設定することが望ましいことがわかる。 (比較例1)本比較例では、次のように樹脂製基材上に
下地層を形成した後、中間層を形成せずにその下地層上
に光触媒層を形成した。
【0108】樹脂製基材としては実施例1で用いた樹脂
基板と同じものを用意した。また、下地層硬化組成物
(堺化学製LAC PR−04)を用意した。なお、こ
の合剤には、合剤全体を100重量%とすると、固形分
が8重量%の濃度で含まれる。この合剤をIPAにて洗
浄された樹脂基板の表面上にフローコート法により塗布
し、未硬化下地層を形成した。ここでは、未硬化下地層
の層厚を2000nmとした。
【0109】その一方で、チタニアを含む主剤(堺化学
製LAC TI−03−A)と、シリコーン系重合硬化
組成物を含む硬化剤(堺化学製LAC TI−03−
B)とを体積比1:1で混合して合剤を調製した。な
お、この合剤には、合剤全体を100重量%とすると、
固形分が5重量%の濃度で含まれる。また、この合剤を
希釈溶剤(溶剤全体を100重量%とすると、水50重
量%とエタノール25重量%とIPA25重量%とを混
合したもの)で希釈して、固形分濃度が2重量%の合剤
を調製した。これらの合剤をそれぞれ下地層上にスピン
コート法により塗布して未硬化光触媒層を形成した。
【0110】各未硬化下地層を120℃の温度で1時間
加熱し、未硬化光触媒層に含まれるシリコーン系熱重合
硬化組成物を重合させて、光触媒層を得た。
【0111】こうして、下地層と光触媒層との2層より
なる光触媒被膜を光触媒層の形成方法を一部変えて計2
種類形成した。これらの光触媒被膜について、耐摩耗性
を実施例1と同様にして調べた。
【0112】その耐摩耗性試験の結果、固形分濃度が2
重量%の合剤を用いて光触媒層を形成した光触媒被膜で
は、ヘーズ変化量が29.6と高い値を示した。また、
固形分濃度が5重量%の合剤を用いて光触媒層を形成し
た光触媒被膜では、ヘーズ変化量が32.0とさらに高
い値を示した。これらの結果より、本比較例の光触媒被
膜の形成方法では、優れた耐摩耗性を有する光触媒被膜
を形成することが難しいことがわかる。 (比較例2)本比較例でも、次のように樹脂製基材上に
下地層を形成した後、中間層を形成せずにその下地層上
に光触媒層を形成した。
【0113】樹脂製基材としては実施例1で用いた樹脂
基板と同じものを用意した。また、石原産業製プライマ
ーAを用意した。なお、この溶液には、溶液全体を10
0重量%とすると、固形分が3重量%の濃度で含まれて
いる。この合剤をIPAにて洗浄された樹脂基板の表面
上にフローコート法により塗布し、未硬化下地層を形成
した。ここでは、未硬化下地層の層厚を1000nmと
した。
【0114】この未硬化下地層を80℃の温度30分間
加熱し、未硬化下地層中の溶剤を除去するとともに、未
硬化下地層に含まれるアクリル系重合硬化物を重合させ
て、下地層を得た。
【0115】その一方で、チタニアを含む合剤(石原産
業製ST−K03)を用意した。なお、この石原産業製
ST−K03には、合剤全体を100重量%とすると、
固形分が10重量%の濃度で含まれている。また、この
合剤を希釈溶剤(溶剤全体を100重量%とすると、水
60重量%とIPA40重量%とを混合したもの)で希
釈して、固形分濃度が2重量%の合剤を調製した。これ
らの合剤をそれぞれ下地層上にスピンコート法により塗
布して未硬化光触媒層を形成した。
【0116】各未硬化下地層を120℃の温度で1時間
加熱し、未硬化光触媒層に含まれるシリコーン系熱重合
硬化組成物を重合させて、光触媒層を得た。
【0117】こうして、下地層と光触媒層との2層より
なる光触媒被膜を光触媒層の形成方法を一部変えて計2
種類形成した。これらの光触媒被膜について、耐摩耗性
を実施例1と同様にして調べた。
【0118】その耐摩耗性試験の結果、固形分濃度が2
重量%の合剤を用いて光触媒層を形成した光触媒被膜で
は、ヘーズ変化量が39.7と高い値を示した。また、
固形分濃度が3重量%の合剤を用いて光触媒層を形成し
た光触媒被膜では、ヘーズ変化量が39.4とさらに高
い値を示した。これらの結果より、本比較例の光触媒被
膜の形成方法では、優れた耐摩耗性を有する光触媒被膜
を形成することが難しいことがわかる。 (比較例3)本比較例では、ハードコート処理済みポリ
カシート(三菱エンジニアリングプラスチックス社製ユ
ーピロンシートMR05)(なお、このポリカシート
は、下地層(プライマー層)とシリコーンハードコート
層とが処理済みのものである。))を用意し、そのシリ
コーンハードコート層上に比較例2と同様にして光触媒
層を形成した。
【0119】なお、光触媒層を形成する前に、実施例4
と同様にしてプラズマを用いた親水化処理をシリコーン
ハードコート層に行った。また、光触媒層を形成する
際、チタニアを含む合剤としては、多木化学製CZP−
221が前記希釈溶剤で希釈されて固形分濃度が2重量
%とされた合剤を用いた。
【0120】こうして形成された光触媒被膜について、
その耐摩耗性を実施例1と同様にして調べた。
【0121】その耐摩耗性試験の結果、本比較例で得ら
れた光触媒被膜では、ヘーズ変化量が5.5と低い値を
示した。この結果より、本比較例の光触媒被膜の形成方
法では、優れた耐摩耗性を有する光触媒被膜を形成する
ことができることがわかる。しかし、先述したように、
その耐摩耗性は、上記実施例の形成方法で得られた光触
媒被膜のものより劣る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の光触媒被膜の形成において、その
手順の流れを模式的示した流れ図である。
【図2】 各種のシラン誘導体を用いることにより出来
るシリコーン分子の基本構成単位を示した図である。 (a)加水分解性4官能シラン誘導体を用いることによ
り出来る。(b)加水分解性3官能シラン誘導体を用い
ることにより出来る。(c)加水分解性2官能シラン誘
導体を用いることにより出来る。なお、(b)及び
(c)の図中RとしてはCH3やC25等が挙げられ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 AE03 AE15 AE17 BB46Z CA02 DB31 EA19 EA21 EA60 EB13 EB42 EB43 4F006 AA36 AB24 AB39 AB68 BA10 BA11 4F100 AA01C AA21 AK01A AK01B AK25 AK25B AK45 AK52B AK52C AR00D AT00A BA04 BA07 BA10A BA10D EH46 EH462 EJ012 EJ08B EJ082 EJ54 JB07 JB13C JB14B JK06 JK09 JK12 JL08 JL08D

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂製基材の表面上に、有機系組成物から
    なる未硬化下地層を形成した後、該有機系組成物を重合
    させて、該未硬化下地層を該樹脂製基材より硬度の高い
    下地層とする下地層形成工程と、該未硬化下地層又は該
    下地層上に、主として加水分解性4官能シラン誘導体か
    ら調製されたシリコーン系重合硬化組成物を用いて未硬
    化中間層を形成した後、該シリコーン系重合硬化組成物
    を重合させて該未硬化中間層を中間層とする中間層形成
    工程と、該中間層上に光触媒が含まれる光触媒層を形成
    する光触媒層形成工程と、から構成されることを特徴と
    する光触媒機能を有する被膜の形成方法。
  2. 【請求項2】有機系組成物は、アクリル系重合硬化組成
    物である請求項1に記載の光触媒機能を有する被膜の形
    成方法。
  3. 【請求項3】アクリル系重合硬化組成物は、紫外線によ
    って重合するアクリル系紫外線重合硬化組成物である請
    求項2に記載の光触媒機能を有する被膜の形成方法。
  4. 【請求項4】未硬化下地層は、シラノール基をもつポリ
    シロキサン組成物を含有する請求項1乃至3のいずれか
    に記載の光触媒機能を有する被膜の形成方法。
  5. 【請求項5】シリコーン系重合硬化組成物は、熱によっ
    て重合するシリコーン系熱重合硬化組成物である請求項
    1乃至4のいずれかに記載の光触媒機能を有する被膜の
    形成方法。
  6. 【請求項6】シリコーン系重合硬化組成物は強酸を含む
    請求項1乃至5のいずれかに記載の光触媒機能を有する
    被膜の形成方法。
  7. 【請求項7】中間層の表面を親水化処理した後、光触媒
    層を形成する請求項1乃至6のいずれかに記載の光触媒
    機能を有する被膜の形成方法。
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