JPH1024520A - 透明導電性積層体 - Google Patents

透明導電性積層体

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JPH1024520A
JPH1024520A JP8182265A JP18226596A JPH1024520A JP H1024520 A JPH1024520 A JP H1024520A JP 8182265 A JP8182265 A JP 8182265A JP 18226596 A JP18226596 A JP 18226596A JP H1024520 A JPH1024520 A JP H1024520A
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JP
Japan
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thin film
film
transparent conductive
silicon oxide
conductive laminate
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Application number
JP8182265A
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English (en)
Inventor
Fumiharu Yamazaki
文晴 山▲崎▼
Tomoyuki Okamura
友之 岡村
Shin Fukuda
福田  伸
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/80Constructional details
    • H10K50/805Electrodes
    • H10K50/81Anodes
    • H10K50/816Multilayers, e.g. transparent multilayers

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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 基体50(A)の一方の主面に、少なく
とも、実質的にインジウムとスズとの酸化物からなる薄
膜層60(B)、金属薄膜層70(C)、実質的にイン
ジウムとスズとの酸化物からなる薄膜層80(D)を、
ABCDなる順序で形成した透明導電性積層体におい
て、基体(A)に、一方の面に酸化珪素薄膜12が形成
された高分子フィルム10の、該酸化珪素薄膜12が形
成された面と、他の高分子フィルム11とを貼り合わせ
たラミネートフィルム50であることを特徴とする透明
導電性積層体。 【効果】 抵抗値が低く、水蒸気遮断性を有する透明導
電性積層体を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透明導電性積層体に
関し、より詳しくは、水蒸気の侵入を遮断する機能を有
し、シート抵抗値が30Ω/□以下である透明な導電性
積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】透明導電性積層体は従来、液晶ディスプ
レイ(LCD)、エレクトロルミネッセンス(EL)素
子、エレクトロクロミック(EC)素子などの表示素子
の電極、太陽電池などの光電変換素子の窓電極、電磁波
シールドの電磁波遮蔽膜、あるいは透明タッチパネルな
どの入力装置の電極として利用されている。
【0003】従来公知の透明導電層としては金、銀、白
金、パラジウムなどの貴金属薄膜と、酸化インジウム、
酸化第二スズ、酸化亜鉛などの酸化物半導体薄膜とが知
られている。前者の貴金属薄膜は導電性抵抗値の低いも
のは容易に得られるが透明性に劣る。後者の酸化物半導
体薄膜は抵抗値は貴金属薄膜に若干劣るが、透明性に優
れているため広く利用されている。その中でも酸化スズ
を含有した酸化インジウム(ITO:Indium T
in Oxide)薄膜は低抵抗で透明性に優れている
ため広く利用されている。スズをドープした酸化インジ
ウム薄膜の抵抗率は通常5×10-5〜1×10-3Ω・c
m程度、透過率は一般に80〜90%である。
【0004】透明導電性積層体の基体には、一般的にガ
ラスと高分子成形体とが用いられている。ガラスを基体
に用いた場合には、重く割れ易いという欠点はあるもの
の、基体が水蒸気を遮断し、透明導電性積層体を用いて
EL素子等を作製した場合、水蒸気による素子の劣化を
抑制でき耐久時間の長いものができている。
【0005】また、基体に高分子成形体を用いた場合に
は、軽くて割れないという利点があり、さらに高分子成
形体が可撓性を有するフィルム状である場合には、屈曲
性をも有するという利点をもっている。しかしながら、
高分子成形体をそのまま基体として使用すると、水蒸気
の侵入を遮断する効果は得られず、それを用いて素子を
作製しても十分な耐久性は得られない。
【0006】また、透明導電性積層体にはシート抵抗値
が低いことが要求される場合がある。それは電荷注入型
の素子、例えば有機EL素子やエレクトロクロミック素
子の透明電極として使用する場合である。これら用途に
用いる透明電極には、素子の大きさにもよるが一般的に
シート抵抗値が30Ω/□以下であることが必要とされ
ることが多い。もちろん可視光透過率はなるべく高い値
であることが望ましい。さらに、透明導電性積層体は後
に素子にする工程で、例えば酸洗浄、アルカリ洗浄等の
洗浄処理が行われることが多く、それらの処理を施して
も、水蒸気遮断性、導電性、透過率といった特性は維持
されなければならない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の性能を得るため
に、基体自体に水蒸気遮断性を有する高分子成形体を用
いる試みもなされている。その場合、水蒸気遮断性を有
する防湿フィルムを基体として使用するが、防湿フィル
ムには従来、三弗化塩化エチレン系樹脂やポリ塩化ビニ
リデン系樹脂をフィルム状に成形加工したものが用いら
れてきた。しかしながら、これらの材料は耐熱性と湿潤
環境での防湿性に問題があり、これをそのまま使用して
も充分な性能は得られていないのに加え、酸溶液やアル
カリ溶液に対する耐久性にも問題があった。
【0008】また、透明導電性積層体の透明導電層には
インジウムとスズとの酸化物(ITO:Indium
Tin Oxide)が知られている。ITO膜は成膜
時、あるいは成膜後での熱処理によって抵抗値が低下す
るが、基体に高分子成形体を用いた場合には熱処理温度
が十分に上げられないため低抵抗値が得られない。
【0009】本発明は上記事情を鑑み、低抵抗値を有
し、なおかつ水蒸気遮断性に優れた透明導電性積層体を
提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、低抵抗値を
得るために、基体(A)の一方の主面に、少なくとも、
実質的にインジウムとスズとの酸化物からなる薄膜層
(B)、金属薄膜層(C)、実質的にインジウムとスズ
との酸化物からなる薄膜層(D)を、ABCDなる順序
で形成し、さらに水蒸気遮断性を付与するために、基体
(A)を、少なくとも、一方の面に酸化珪素薄膜が形成
された高分子フィルムの酸化珪素薄膜が形成された面
と、他の高分子フィルムとを貼り合わせたラミネートフ
ィルムとすることで問題点を解決できることを見いだし
本発明を完成するに到った。
【0011】すなわち本発明は、(1) 基体(A)の
一方の主面に、少なくとも、実質的にインジウムとスズ
との酸化物からなる薄膜層(B)、金属薄膜層(C)、
実質的にインジウムとスズとの酸化物からなる薄膜層
(D)を、ABCDなる順序で形成した透明導電性積層
体において、基体(A)が、少なくとも、一方の面に酸
化珪素薄膜が形成された高分子フィルムの該酸化珪素薄
膜が形成された面と、他の高分子フィルムとを貼り合わ
せたラミネートフィルムであることを特徴とする透明導
電性積層体であり、また、(2) 基体(A)が、少な
くとも、一方の面に酸化珪素薄膜が形成された高分子フ
ィルム二枚を、該酸化珪素薄膜が形成された面同士を貼
り合わせたラミネートフィルムであることを特徴とする
(1)記載の透明導電性積層体であり、また、(3)
金属薄膜層(C)が銀、または銀を主成分とする合金か
らなることを特徴とする(1)及至(2)記載の透明導
電性積層体であり、また、(4) 金属薄膜層(C)が
銀と金との合金、銀とパラジウムとの合金、または銀と
白金との合金であることを特徴とする(3)記載の透明
導電性積層体であり、また、(5) 実質的にインジウ
ムとスズとの酸化物からなる薄膜層(D)が、高酸素濃
度雰囲気下でのスパッタリング法により形成された、非
晶質膜であることを特徴とする(1)及至(4)のいず
れかに記載の透明導電性積層体であり、また、(6)
基体(A)が、ラミネートフィルムを複数枚貼り合わさ
れてなるものであることを特徴とする(1)及至(5)
のいずれかに記載の透明導電性積層体であり、また、
(7) 基体(A)を構成する高分子フィルムの少なく
とも一枚が、実質的に紫外線を遮断する機能を有するこ
とを特徴とする(1)及至(6)のいずれかに記載の透
明導電性積層体である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。まず本発明を添付図面により説明する。[図1]は
本発明の透明導電性積層体の一例の断面構造を示す図で
ある。図中の、11は高分子フィルム、12は酸化珪素
薄膜であり、10はそれらから構成された酸化珪素薄膜
を形成した高分子フィルムである。20は接着剤であ
り、高分子フィルム2枚を貼り合わせるために使用され
ている。50は高分子フィルムを貼り合わせて構成され
るラミネートフィルムであり、これが基体(A)を構成
する。60は実質的にインジウムとスズとの酸化物から
なる薄膜層(B)、70は金属薄膜層(C)、80は実
質的にインジウムとスズとの酸化物からなる薄膜層
(D)である。
【0013】本発明では基体(A)が、酸化珪素薄膜が
形成された高分子フィルム二枚の酸化珪素薄膜側同士を
貼り合わせたラミネートフィルムを使用してもよく、
[図2]はその基体を用いた場合の透明導電性積層体の
断面構造を示す図である。図中の、11は高分子フィル
ム、12は酸化珪素薄膜であり、10はそれらから構成
された酸化珪素薄膜を形成した高分子フィルムである。
20は接着剤であり、酸化珪素薄膜が形成された高分子
フィルム2枚を貼り合わせるために使用されている。5
0は高分子フィルムを貼り合わせて構成されるラミネー
トフィルムであり、これが基体(A)を構成する。60
は実質的にインジウムとスズとの酸化物からなる薄膜層
(B)、70は金属薄膜層(C)、80は実質的にイン
ジウムとスズとの酸化物からなる薄膜層(D)である。
【0014】本発明を実施するにあたってはまず、酸化
珪素薄膜が形成された高分子フィルムを準備する。酸化
珪素薄膜が、水蒸気やその他のガスを遮断するガスバリ
ヤー層となる。本発明で使用できる高分子フィルムの材
料を例示すれば、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテ
ルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(P
C)、ポリプロピレン(PP)、ポリイミドなどが挙げ
られる。これら高分子フィルムは酸化珪素薄膜あるいは
透明導電層を形成する面が、ある程度平滑で、可視光に
対する透明性を有しているものが好ましい。高分子フィ
ルムの形状は、ある程度可撓性を有するものであれば特
に限定されず、ロール状に巻かれたフィルムでも、板状
にカットされたシートでもよい。使用できる高分子フィ
ルムの厚さは10〜500μm程度である。また、ロー
ル状に巻かれた高分子フィルムは後の加工がロールツロ
ール法で連続的に行うことができるため、これを使用し
た場合には効率よく透明導電性積層体やEL素子を生産
できる。この場合、高分子フィルムの厚さは通常10〜
250μmのものが用いられる。フィルムの厚さが10
μm未満では、基材としての機械的強度に不足し、25
0μmを超えると可撓性が不足するためフィルムをロー
ル状に巻きとることが困難になる。
【0015】本発明では高分子フィルムの少なくとも一
方の面上に、酸化珪素薄膜を形成する。その形成方法と
しては物理蒸着法、湿式法、化学気相成長法等の従来公
知の手法を採用することができる。以下、何れの方法に
よっても、基本的にガス遮断性能をもった酸化珪素薄膜
層を得ることができる物理蒸着法を具体的に挙げれば、
抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティ
ング法、スパッタリング法等がある。抵抗加熱蒸着法、
電子ビーム蒸着法では、酸化珪素をそれぞれ抵抗加熱、
電子ビーム加熱の手法で蒸発させ、対向して配置させた
フィルム成形体に析出させる手法である。また、珪素を
酸化性ガスの雰囲気下で加熱蒸発させる反応性蒸着法
や、酸化性ガスのプラズマ中で蒸着するイオンプレーテ
ィング法も使用できる。また、スパッタリング法におい
ては、ターゲットに酸化珪素を用い、スパッタリングガ
スにアルゴン、ネオン等の不活性ガスを用いた高周波ス
パッタリング法が利用できる。或いはターゲットに珪素
を用い、スパッタガスに不活性ガスと酸化性ガスを混合
したガスを使用した直流スパッタリング法、又は高周波
スパッタリング法も使用することができる。。
【0016】湿式法は、例えばゾル−ゲル法が挙げられ
る。また、湿式法では、ポリシラザンを溶融した溶液を
塗布し、それを大気中で又は水蒸気雰囲気中で加熱して
酸化珪素を形成する方法も挙げられる。ここでいうポリ
シラザンとは、(SiNa b n (a=1〜3、b=
0〜1)の構造をもつ、ペルヒドロポリシラザンであ
り、主鎖の(−Si−N−)に側鎖として水素のみが結
合している。該ポリシラザンは、ベンセン、トルエン、
キシレン、エーテル、THF、塩化メチレン、四塩化炭
素等の溶媒に20重量%以上溶解することができるの
で、これら溶媒にポリシラザンを溶解した後にフィルム
成形体に塗布し、加熱処理を施すことにより酸化珪素を
得ることができる。一般に、無機物の酸化珪素を得るに
は、450℃以上の加熱処理が必要なのであるが、アミ
ンや遷移金属の触媒を用いることにより低温で、例えば
80℃〜150℃の加熱処理によって、無機物の酸化珪
素が得られる。この際の加熱処理時間は、概ね1〜3時
間程度である。また、塗布に用いるポリシラザンの分子
量は600〜900のものが好ましく用いられる。
【0017】化学気相成長法は、原料に有機珪素化合物
を用い、それにエネルギーを投入することによって分解
し、無機物である酸化珪素を析出させる手法である。エ
ネルギーを投入する手法は、熱、光、高周波プラズマ等
があり適宜選択すればよい。化学気相成長法では、有機
珪素化合物の蒸気を原料としているため、フィルム成形
体の表面の凹凸に関係なく酸化珪素が形成されるため、
フィルム成形体の表面平滑性があまり高くない場合にお
いても表面被覆性が高く、ガスバリヤー膜の成膜手法と
しては最も好ましく利用できる。なかでも減圧プラズマ
化学気相成長法は、フィルム成形体にダメージを与える
ことなくガスバリヤー性に優れた酸化珪素を成形するこ
とができるため、さらに好ましく使用することができ
る。
【0018】減圧プラズマ化学気相蒸着法により酸化珪
素を形成する場合には、少なくとも有機珪素化合物と酸
素ガスを用いて作成されることが好ましい。具体的に使
用される有機珪素化合物としては、アセトキシトリメチ
ルシラン、アリルオキシトリメチルシラン、アリルトリ
メチルシラン、ビストリメチルシリルアジペート、ブト
キシトリメチルシラン、ブチルトリメトキシシラン、シ
クロヘキシルオキシトリメチルシラン、デカメチルシク
ロペンタシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ジ
アセトキシジメチルシラン、ジアセトキシメチルビニル
シラン、ジエトキシジメチルシラン、ジエトキシジフェ
ニルシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメ
チルシラン、ジエトキシメチルオクタデシルシラン、ジ
エトキシメチルシラン、ジエトキシメチルフェニルシラ
ン、ジエトキシメチルビニルシラン、ジメトキシジメチ
ルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシメ
チルフェニルシラン、ジメチルエトキシフェニルシラ
ン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルイソペンチルオ
キシビニルシラン、1,3−ジメチル−1,1,3,3
−テトラフェニルジシロキサン、ジフェニルエトキシメ
チルシラン、ジフェニルシラネジオール、1,3−ジビ
ニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラキサン、2
−(3,4−エポキシシクロフェニルエチル)トリメト
キシシラン、エトキシジメチルビニルシラン、エトキシ
トリメチルシラン、エチルトリアセトキシシラン、エチ
ルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エ
チルトリメチルシラン、3−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタ
メチルトリシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキ
サン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキシルトリメトキ
シシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
メトキシトリメチルシラン、メチルトリアセトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシ
ラン、メチルイソプロペノキシシラン、メチルプロポキ
シシラン、オクタデシルトリエトキシエトキシシラン、
オクタメチルシクロテトラシロキサン、1,1,1,
3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、
オクタメチルトリシロキサン、オクチルトリエトキシシ
ラン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタ
シロキサン、ペンタメチルジシロキサン、1,1,3,
5,5−ペンタフェニル−1,3,5−トリメチルトリ
シロキサン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルト
リメトキシシラン、フェニルトリメチルシラン、プロポ
キシトリメチルシラン、プロピルトリエトキシシラン、
テトラアセトキシシラン、テトラブトキシシラン、テト
ラテエトキシシラン、テトライソプラポキシシラン、テ
トラメトキシシラン、1,3,5,7−テトラメトキシ
シクロテトラシロキサン、1,1,3,3−テトラメチ
ルジロキサン、テトラメチルシラン、1,3,3,5−
テトラメチルー1,1,5,5−テトラフェニルトリシ
ロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,
5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、テトラ
プロポキシシラン、トリアセトキシビニルシラン、トリ
エトキシビニルシラン、トリエチルシラン、トリヘキシ
ルシラン、トリメトキシシラン、トリメトキシビニルシ
ラン、トリメチルシラノール、1,3,5−トリメチル
−1,3,5−トリビニルシクロトリシロキサン、トリ
メチルビニルシラン、トリフェニルシラノール、トリス
(2−メトキシエトキシ)ビニルシラン等を用いること
ができるが、これらに限定されるものではなく、アミノ
シラン、シラザン等も用いられる。
【0019】これら有機化合物の蒸気を、反応容器に導
入するには、ヘリウムやアルゴン等の希ガスをキャリヤ
ーガスとして用いることができる。また、有機珪素化合
物を加熱し蒸気圧を上げて、有機珪素ガスを直接導入す
ることもできる。また、酸素ガスの代わりに、酸化作用
があるガス、例えば、オゾン、水蒸気、笑気ガス等も使
用し得る。導入する有機珪素ガスと酸素ガスの流量の比
は、有機珪素化合物の種類にもよるが、酸素ガス/有機
珪素ガス=0.2〜1.2の流量比の範囲が好ましい。
ヘリウム等の希ガスをキャリヤーガスとして用いるとき
には、ヘリウム中の酸素ガスの流量と有機珪素ガスの流
量の範囲が上記0.2〜1.2の範囲が好ましい。酸素
流量があまり少なすぎると、生成される膜の光線透過率
ならびにガスバリヤー性が低下し、酸素流量があまり多
いときには膜の密着性ならびにガスバリヤー性が低下す
る。
【0020】また、反応中の圧力はプラズマ放電が起こ
る範囲であればよく、通常の平行平板型高周波プラズマ
装置で成膜を行う場合には、0.05〜2.5Torr
が好ましく、より好ましくは、0.1〜1.5Torr
である。圧力があまり低すぎると、プラズマ放電の維持
が困難になり、圧力があまり高すぎると、膜の密着性が
低下する傾向にある。しかしながら、より低圧で放電さ
せることが可能な電子サイクロトロン共鳴放電やヘリコ
ン波放電、マグネトロン放電を用いる場合においては、
圧力範囲は上記の範囲に限定されるものではない。流量
の計測と制御は、マスフローコントローラー、浮き子式
フローメター、バブルメーター等を使用することができ
る。圧力の測定には、ピラニ真空計、隔膜真空計、スピ
ニングローター真空計、熱伝導真空計、電離真空計等が
使用し得るが、隔膜真空計が好ましく用いられる。
【0021】酸化珪素薄膜の厚みについては特に限定す
るものではないが、透明性を損ねない範囲で、かつ、ガ
スバリヤー性を保ち、高分子フィルムとの密着性を確保
できる厚さが好ましい。具体的には、20nm〜500
nmがよく、さらには20nm〜100nmがより好ま
しい。酸化珪素薄膜の厚さがあまり薄すぎると均一で連
続した膜を形成することができず十分なガスバリヤー性
能が得られず、逆にあまり厚すぎると、高分子フィルム
との密着力が低下したり、酸化珪素薄膜が割れ易くな
る。膜厚の測定には、触針粗さ計、繰り返し反射干渉
計、マイクロバランス、水晶振動子法等があるが、水晶
振動子法では成膜中の膜厚測定が可能なので、膜厚をリ
アルタイムでモニターしながら、所望の膜厚を得るのに
適している。また、前もって成膜の条件を定めておき、
試験基材上に成膜を行い、成膜時間と膜厚の関係を調べ
た上で、成膜時間により膜厚を制御する方法も採用でき
る。
【0022】また、上記酸化珪素薄膜には、鉄、ニッケ
ル、クロム、チタン、マグネシウム、アルミニウム、イ
ンジュウム、亜鉛、錫、アンチモン、タングステン、モ
リブデン、銅等が微量含まれても良い。また、膜の可撓
性を改善する目的で、炭素や弗素を適宜含有させても良
い。
【0023】酸化珪素薄膜の組成はガスバリヤー性能が
得られ、透明性が保たれる範囲内であれば特に制限され
ない。酸化珪素は一般的にSiOxと記述できるが、x
の範囲は通常1.0〜2.5程度である。
【0024】かくして形成された酸化珪素からなる薄膜
層の組成は、X線光電子分光法やX線マイクロ分析法、
オージェ電子分光法、ラザフォード後方散乱法等を用い
て分析することができる。例えば、ラザフォード後方散
乱法を用いる場合には、供試体フィルムを真空容器内に
設置、供試体表面から、1〜4MeVに加速したα粒子
を照射し、後方散乱されてくるイオンのエネルギーを分
析することにより膜の深さ方向の組成やその組成の均一
性を調査することができる。表面層の帯電を防ぐため
に、適宜表面に金等を蒸着しても良い。また、オージェ
電子分光法で分析を行う場合には、超高真空の容器の中
に供試体を設置し、供試体表面に1〜10keVに加速
した電子線を照射し、その時に放出されるオージェ電子
を検出することにより組成を調べることができる。この
場合、供試体の電気抵抗が高い場合があるので、帯電の
影響が出ないように、1次電子線の電流を10pA以下
に抑え更にエネルギーも2keV以下にすることが好ま
しい。電子線の代わりにX線を用いた光電子分光法は、
オージェ電子分光よりも帯電の影響が出にくい点が有利
である。
【0025】なお、言うまでもないが、酸化珪素薄膜層
をフィルム成形体の上に形成するときには、該フィルム
形成体の前処理として、コロナ放電処理、プラズマ処
理、グロー放電処理、逆スパッタ処理、表面粗面化処
理、化学処理等を行うことや、公知のアンダーコートを
施すことができる。
【0026】本発明では、ここまでに述べた手法で作製
した酸化珪素薄膜が形成された高分子フィルムの酸化珪
素薄膜が形成された面と、他の高分子フィルムとを張り
合わせる。かくして、耐環境性や耐衝撃性を向上させる
ことができる。酸化珪素薄膜が透明導電層を形成する面
や大気と接する面が剥きだしでされされていると、後の
加工時に酸化珪素薄膜にひび割れや高分子フィルムから
の剥離といった欠陥が頻繁に生じることを我々は見いだ
した。本発明では二枚の高分子フィルムを貼り合わせて
酸化珪素薄膜を挟み込む形になるため、その欠陥の発生
を著しく減らすことができる。また、酸化珪素薄膜を高
分子フィルムによって挟み込むことによって、後にフィ
ルムを酸やアルカリの溶液に曝したときに生じる酸化珪
素薄膜の剥離を防止する効果もある。なお、本発明にお
いては、酸化珪素薄膜が貼り合わされた二枚の高分子フ
ィルムで挟み込まれていればよく、二枚の高分子フィル
ムは同じ材料、銘柄であっても異なるものであってもよ
い。さらに、酸化珪素薄膜が形成された高分子フィルム
二枚を、酸化珪素薄膜が形成された面側同士で貼り合わ
せることで、酸化珪素薄膜の層が二層形成されることに
なるため、さらに信頼性が向上する。また、水蒸気によ
る影響がより強い環境、例えば屋外や屋内の洗面所、浴
室、プールといった場所で本品を使用する場合には、よ
り高い信頼性が要求されるため、上記ラミネートフィル
ムを複数枚貼り合わせて使用してもよい。
【0027】なお、屋外で本品を使用する場合には、紫
外線が照射されることによっても劣化が生じ、EL素子
の発光輝度が低下や変色が起こる。それを防ぐ目的で、
基体を構成する高分子フィルムの少なくとも一枚に、実
質的に紫外線を遮断する機能を有するものを用いること
も好ましい。「実質的に紫外線を遮断する機能」とは、
紫外線波長300nm〜380nmにおける透過率が3
0%以下、好ましくは10%以下であることをいう。こ
のような機能を有する高分子フィルムとしては、紫外線
吸収剤が混合されたものや、紫外線を遮断する層を設け
たものがあるが、そのいずれも使用できる。紫外線吸収
剤が混合された高分子フィルムは市販されており容易に
入手できる。例えば帝人(株)製ポリエチレンテレフタ
レートフィルム(商品名HB)等がある。
【0028】本発明では、高分子フィルムを貼り合わせ
るが、その際用いる接着剤は、透明であれば特に制限さ
れず、熱、紫外線、触媒の助けにより接着される接着剤
のいずれも使用できる。具体的には、シリコン系接着
剤、ポリエステル接着剤、エポキシ系接着剤等一般的な
接着剤を用いることができる。これらの接着剤は、接着
方法によって熱硬化型、ホットメルト型、二液混合型、
紫外線硬化型等に分類されるが、いずれの手法によって
硬化させてもよい。熱硬化型による接着では、硬化時の
熱によって酸化珪素層からなる薄膜層にひび割れ等が生
じない程度の温度で硬化しなければならない点に留意す
ることが好ましい。また市販されている接着フィルムを
使用してもよい。
【0029】接着剤の厚さに特に制限はないが、通常、
0.5μm〜50μm、好ましくは1μm〜20μm程
度である。接着剤があまり薄すぎると、接着剤が均一に
コーティングできず接着力が得られない恐れがあり、逆
にあまり厚すぎると可等性や透明性が損なわれる。
【0030】接着の手順は通常、接着面への接着剤のコ
ーティング、乾燥、ローラによる貼り合わせ、硬化処理
の順に行われる。接着剤のコーティング方法は、基材や
接着剤の種類によって多くの方法がある、広く使用され
ているのはグラビアコーター方式及びリバースコーター
方式である。グラビアコーター方式では、接着剤に一部
分が浸されているグラビアロールを回転させ、バックア
ップロールによって送られるフィルム成形体を接着剤の
付着したグラビアロールに接触させることでコーティン
グする。コーティング量、即ち接着剤層の厚さは、ロー
ルの回転速度、接着剤の粘度を制御することで調整でき
る。リバースコーター方式での場合もグラビアロール方
式と類似した方法だが、コーティングロールに付着する
接着剤の量を、それに接して設置されているメタリング
ロールによって調整する。
【0031】以上の如く2枚のフィルム成形体を接着し
て得られたラミネートフィルムは、その接着強度が18
0度ピール強度で100g/cm以上であることが望ま
しい。接着強度が100g/cmよりあまり小さいと、
特に端部から剥離が生じる恐れがある。
【0032】なお、すでに述べた如く、高分子フィルム
には、その表面に予めスパッタリング処理、コロナ処
理、火炎処理、紫外線照射、電子線照射などのエッチン
グ処理や、下塗り処理を施してこの上に形成される酸化
珪素薄膜や透明導電層との密着性を向上させる処理を施
してもよい。また、必要に応じて溶剤洗浄や超音波洗浄
などの防塵処理を施してもよい。
【0033】本発明においては、かくして形成されたラ
ミネートフィルムで構成される基体の一方の主面に、実
質的にインジウムとスズとの酸化物からなる薄膜層、金
属薄膜層、実質的にインジウムとスズとの酸化物からな
る薄膜層の順序に積層体を形成する。
【0034】金属薄膜層に用いることのできる材料は、
抵抗率が低く、薄膜とした時の安定性が優れているもの
が好ましい。具体的に材料を列挙すれば、銀、金、パラ
ジウム、銅、白金、アルミニウム、亜鉛、イリジウム、
タングステン、鉄、ニッケル、モリブデン等、もしくは
それらの合金が挙げられる。なかでも銀は最も抵抗率が
低い材料であるため好適に使用できる。銀を用いる場合
にはその安定性を向上する目的で金、パラジウム、白金
等との合金としてもよい。
【0035】金属薄膜層の厚さは、要求されるシート抵
抗値が得られ、可視光透過率も高い範囲に設定すればよ
い。具体的にはシート抵抗値は30Ω/□以下、可視光
透過率は60%以上であることが望まれる。使用する金
属の材料によっても異なるが、その厚さは通常5nm〜
30nmである。厚さがあまり薄すぎるとシート抵抗値
が高くなり、逆にあまり厚すぎると可視光透過率が低下
して透明性が損なわれる。
【0036】金属薄膜層を挟み込む、インジウムとスズ
との酸化物(ITO)からなる薄膜層の厚さは、金属薄
膜層の安定性が得られ、可視光の反射が抑制できる厚さ
に設定すればよい。その厚さは金属薄膜層の厚さによっ
ても左右されるが、具体的には10nm〜400nmで
ある。厚さがあまり薄すぎると金属薄膜層の安定性向上
がみられず、逆にあまり厚すぎると可視光透過率が低下
したり、基体にフィルム状の高分子成形体を用いた場合
には屈曲性が低下したりするので、いたずらに成膜時間
をかけ該層を厚くするのは好ましくない。
【0037】ITO層の原子組成に特に制限はない。通
常、酸化インジウム(化学式:In 2 3 )と酸化スズ
(化学式:SnO2 )との重量比は、97:3〜30:
70程度である。
【0038】金属薄膜層、及び実質的にインジウムとス
ズとの酸化物からなる薄膜層の形成方法は、真空蒸着
法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等の従
来公知の手法によればよい。真空蒸着法は金属薄膜層を
形成するのに適しており、所望の金属を蒸着源に使用
し、抵抗加熱、電子ビーム加熱等により加熱蒸発させる
ことで簡便に金属薄膜層を得ることができる。また、イ
オンプレーティング法では酸素プラズマ中で蒸着するた
め、原料にインジウムとスズとの合金、あるいはインジ
ウムとスズとの酸化物を使用し、電子ビーム等で加熱蒸
発させ、その酸化物からなる薄膜層を得ることができ
る。スパッタリング法を使用する場合には、ターゲット
に所望の材料を使用し、スパッタリングガスにアルゴ
ン、ネオン等の不活性ガスを用いた直流スパッタリング
法や高周波スパッタリング法が使用できる。ITO膜を
形成する場合にはスパッタガス中に反応ガスとして酸素
を混合すればよい。ITO膜をスパッタリング法で形成
する際には、電気抵抗値を低下させるために酸素ガスを
スパッタリングガス中に混合する。ターゲットにインジ
ウム・スズ合金、または酸化インジウム・酸化スズ焼結
体のいずれを使用しても、適量の酸素ガスを混合するこ
とで形成されたITO膜の電気抵抗値は最小値となる。
この様子を[図3]に掲げる。[図3]は基体にポリエ
チレンテレフタレートフィルム、ターゲットにIn2
3 :SnO2 (重量比80:20)、スパッタリングガ
スにアルゴンと酸素の混合ガスを用い、酸素の混合量を
変化させた時に形成されたITO膜の抵抗率の変化をプ
ロットしたグラフである。アルゴン・酸素混合ガスの全
圧力は2mTorrで、特に基体は加熱していない。
【0039】ITO膜中の酸化インジウムは通常、酸素
欠損を含んでおりIn2 3-x となって、xだけ酸素が
欠損した状態になっている。酸素欠損の多い状態では、
そのITO層は不安定であり、抵抗の上昇といった劣化
が生じ易い。そのため該層の安定性を増し、劣化を抑制
するために酸素欠損は少なくした方がよい。酸素欠損の
少ないITO膜を得るために、スパッタリングガスに混
合させる酸素ガスの量を多くすることが望ましい。本発
明における「高酸素濃度雰囲気下」とは、少なくとも最
小の電気抵抗値の得られる酸素濃度よりも高い酸素濃度
を有する雰囲気を意味する。高い酸素濃度の雰囲気下で
スパッタリングして形成したITO膜は、電気抵抗値は
高くなるものの高い安定性を有する膜ができる。[図
3]の場合、ITO膜の最小の電気抵抗値、すなわち最
小の抵抗率は、酸素分圧が0.03mTorrの時であ
り、[高酸素濃度雰囲気下」とは酸素分圧が0.03m
Torr以上の雰囲気をいう。その雰囲気下で形成した
ITO膜は劣化を抑制する効果が得られる。金属薄膜層
との積層により電気抵抗値は十分に低い電極が得られて
いるため、ITO膜自体の電気抵抗値を低くする必要は
特にない。
【0040】最上層つまり大気と接するITO膜は非晶
質であることが好ましい。ITO膜が結晶質となってい
ると結晶間にグレインバンダリーが存在し、その部分か
らの劣化が生じやすくなっている。上記した「高酸素濃
度雰囲気下」での成膜では、成膜温度を高くしない限
り、得られるITO膜は非晶質となる。ITO膜が結晶
質となる成膜温度は、約200℃以上である。
【0041】ここで「非晶質」とは、ITO膜をθ−2
θ法により測定したX線回折(X−ray Diffr
action:XRD)パターンに、θ−2θ=30゜
〜31゜にIn2 3 (222)ピーク、あるいはθ−
2θ=35゜〜36゜にIn 2 3 (400)ピークが
実質的に観察されない膜、を意味する。ここで(22
2)及び(400)は結晶学でいう面指数を表す。結晶
質、及び非晶質のITO膜のXRDパターンを[図4]
に掲げる。ここでは基体にガラス板を用い、結晶質のI
TO膜は成膜温度250℃、非晶質のITO膜は室温で
成膜したものである。またITO膜の厚さはいずれも5
0nmである。
【0042】上記の方法により形成した積層体の原子組
成は、オージェ電子分光法(AES)、誘導結合プラズ
マ法(ICP)、ラザフォード後方散乱法(RBS)等
により測定できる。またこれらの膜厚は、オージェ電子
分光の深さ方向観察、透過型電子顕微鏡による断面観察
等により測定できる。
【0043】
【実施例】つぎに、本発明を実施例により具体的に説明
する。 [実施例1]ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝
人(株)製テトロンO(商標名)厚さ・50μm)の一
方の面に、二酸化珪素(化学式:SiO2 )を原料とし
た電子ビーム加熱による真空蒸着法により厚さ100n
mの酸化珪素薄膜を形成した。その酸化珪素薄膜が形成
された面とポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人
(株)製テトロンO(商標名)厚さ・50μm)とを紫
外線硬化型接着剤(厚さ・2μm)により貼り合わせラ
ミネートフィルムを得た。このラミネートフィルムの一
方の面にインジウムとスズとの酸化物からなる薄膜層
(厚さ・40nm)、銀からなる金属薄膜層(厚さ・1
0nm)、インジウムとスズとの酸化物からなる薄膜層
(厚さ・40nm)を順次以下の条件によるDCスパッ
タリング法により形成し透明導電性積層体を得た。
【0044】<成膜条件> (1)インジウムとスズとの酸化物からなる薄膜層 ・ターゲット:酸化インジウム・酸化スズ焼結体(酸化
スズ含有量:20重量%) ・スパッタリングガス:アルゴン・酸素混合ガス 〔圧力比、アルゴン1.9mTorr、酸素0.1mT
orr(本発明でいう高酸素濃度雰囲気下であり、非晶
質のITO膜が得られる条件である。)〕 ・ガス圧力:2.0mTorr ・成膜速度:10nm/分 ・成膜温度:室温 (2)銀からなる金属薄膜層 ・ターゲット:銀(純度99.9%) ・スパッタリングガス:アルゴン ・ガス圧力:2.0mTorr ・成膜速度:20nm/分 ・成膜温度:室温
【0045】[実施例2]ポリエチレンテレフタレート
フィルム(帝人(株)製テトロンO(商標名)厚さ・5
0μm)の一方の面に、二酸化珪素(化学式:Si
2 )を原料とした電子ビーム加熱による真空蒸着法に
より厚さ100nmの酸化珪素薄膜を形成した。その酸
化珪素薄膜が形成されたポリエチレンテレフタレートフ
ィルムを二枚準備し、酸化珪素薄膜が形成された面同士
を紫外線硬化型接着剤(厚さ・2μm)により貼り合わ
せラミネートフィルムを得た。さらに実施例1と同じ手
法によりインジウムとスズとの酸化物からなる薄膜層、
銀からなる薄膜層、インジウムとスズとの酸化物からな
る薄膜層を順次形成し透明導電性積層体を得た。
【0046】[実施例3]ポリエチレンテレフタレート
フィルム(帝人(株)製テトロンO(商標名)厚さ・1
00μm)の一方の面に、二酸化珪素(化学式:SiO
2 )を原料とした電子ビーム加熱による真空蒸着法によ
り厚さ100nmの酸化珪素薄膜を形成した。、その酸
化珪素薄膜が形成された面と、紫外線吸収剤入りポリエ
チレンテレフタレートフィルム(帝人(株)製テトロン
HB(商標名)厚さ・25μm、紫外線波長350nm
における透過率2%)を熱硬化型接着剤(厚さ・2μ
m)により貼り合わせラミネートフィルムを得た。さら
に実施例1と同じ手法によりインジウムとスズとの酸化
物からなる薄膜層、銀からなる薄膜層、インジウムとス
ズとの酸化物からなる薄膜層を順次形成し透明導電性積
層体を得た。
【0047】[実施例4]ポリエチレンテレフタレート
フィルム(帝人(株)製テトロンO(商標名)厚さ・5
0μm)の一方の面に、二酸化珪素(化学式:Si
2 )を原料とした電子ビーム加熱による真空蒸着法に
より厚さ100nmの酸化珪素薄膜を形成した。その酸
化珪素薄膜が形成された面とポリエチレンテレフタレー
トフィルム(帝人(株)製テトロンO(商標名)厚さ・
50μm)とを紫外線硬化型接着剤(厚さ・2μm)に
より貼り合わせラミネートフィルムを得た。そのラミネ
ートフィルムを二枚準備し、紫外線硬化型接着剤により
その二枚を貼り合わせた。さらに実施例1と同じ手法に
よりインジウムとスズとの酸化物からなる薄膜層、銀か
らなる薄膜層、インジウムとスズとの酸化物からなる薄
膜層を順次形成し透明導電性積層体を得た。
【0048】[実施例5]金属薄膜層の材料を金とした
以外は実施例1と同じ手法により透明導電性積層体を得
た。なお金からなる金属薄膜層を形成する際には純度9
9.9%の金ターゲットを使用した。
【0049】[実施例6]金属薄膜層の材料を銀・パラ
ジウム合金(パラジウム含有量10重量%)とした以外
は実施例1と同じ手法により透明導電性積層体を得た。
なお、銀・パラジウム合金からなる金属薄膜層を形成す
る際には銀・パラジウム(重量比90:10)を使用し
た。
【0050】[実施例7]金属薄膜層の材料を銀・白金
合金(白金含有量10重量%)とした以外は実施例1と
同じ手法により透明導電性積層体を得た。なお、銀・白
金合金からなる金属薄膜層を形成する際には銀・白金
(重量比90:10)を使用した。
【0051】[実施例8]インジウムとスズとの酸化物
からなる薄膜層の成膜条件のうち、スパッタリングガス
であるアルゴン・酸素混合ガスの混合比を、アルゴン
1.97mTorr、酸素0.03mTorrの通常の
低抵抗率が得られる混合比とした以外は実施例1と同じ
手法で透明導電性積層体を得た。
【0052】[実施例9]インジウムとスズとの酸化物
からなる薄膜層の酸化スズ含有量を50重量%とした以
外は実施例1と同じ手法により透明導電性積層体を得
た。
【0053】[比較例1]基体に、帝人(株)製テトロ
ンO100μmをそのまま使用した以外は実施例1と同
じ手法で透明導電性積層体を作製した。
【0054】[比較例2]ポリエチレンテレフタレート
フィルム(帝人(株)製テトロンO(商標名)厚さ・5
0μm)の一方の面に、二酸化珪素(化学式:Si
2 )を原料とした電子ビーム加熱による真空蒸着法に
より厚さ100nmの酸化珪素薄膜を形成した。酸化珪
素薄膜を形成された面上に、実施例1と同じ手法でIT
O膜を形成し透明導電性積層体を得た。
【0055】[比較例3]金属薄膜層を形成しなかった
(ITO膜のみを形成した)以外は実施例8と同じ手法
で透明導電性積層体を得た。
【0056】上記の如く作製した透明導電性積層体のシ
ート抵抗を四端子法により測定した。また、透明導電性
積層体の波長550nmにおける可視光の透過率を日立
製作所(株)製分光光度計U−3400により測定し
た。また、水蒸気透過率の測定は23℃の温度でAST
M1434−75に準拠して行った。また透明導電性積
層体の酸またはアルカリ溶剤に対する耐久性を評価する
ために、塩酸(0.1mol/l)、または水酸化カリ
ウム(5重量%)水溶液に10分間浸漬し酸化珪素薄膜
の剥離の有無を観察した。[表1]、[表2]にその測
定結果を示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】以上の結果から本発明品は、高い水蒸気遮
断性を有し、さらにシート抵抗値が極めて低い透明導電
性積層体であり、これらは溶剤に浸漬しても何等異常を
きたさないものであることが分かる。
【0060】
【発明の効果】本発明においては、基体に酸化珪素薄膜
を形成した高分子フィルムをラミネートすることにより
水蒸気を遮断し、湿潤環境においてこれを使用したとき
生じる水蒸気による不具合を抑制することができる。さ
らに、本発明品はシート抵抗値が10Ω/□程度と低い
ため特に低抵抗を必要とする用途、例えば有機EL素子
等の透明電極に好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透明導電性積層体の一例を示す断面図
【図2】本発明の透明導電性積層体の一例を示す断面図
【図3】スパッタリングにより作製したITO膜の抵抗
率の、スパッタリングガスの酸素分圧依存性を表すグラ
【図4】非晶質のITO膜と結晶質のITO膜のX線回
折パターン
【符号の説明】
10 酸化珪素薄膜が形成された高分子フィルム 11 高分子フィルム 12 酸化珪素薄膜 20 接着剤 50 ラミネートフィルム 60 実質的にインジウムとスズとの酸化物からなる透
明導電層 70 金属薄膜層 80 実質的にインジウムとスズとの酸化物からなる透
明導電層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 5/14 H01B 5/14 A H05B 33/28 H05B 33/28

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体(A)の一方の主面に、少なくと
    も、実質的にインジウムとスズとの酸化物からなる薄膜
    層(B)、金属薄膜層(C)、実質的にインジウムとス
    ズとの酸化物からなる薄膜層(D)を、ABCDなる順
    序で形成した透明導電性積層体において、基体(A)
    が、少なくとも、一方の面に酸化珪素薄膜が形成された
    高分子フィルムの該酸化珪素薄膜が形成された面と、他
    の高分子フィルムとを貼り合わせたラミネートフィルム
    であることを特徴とする透明導電性積層体。
  2. 【請求項2】 基体(A)が、少なくとも、一方の面に
    酸化珪素薄膜が形成された高分子フィルム二枚を、該酸
    化珪素薄膜が形成された面同士を貼り合わせたラミネー
    トフィルムであることを特徴とする請求項1記載の透明
    導電性積層体。
  3. 【請求項3】 金属薄膜層(C)が銀、または銀を主成
    分とする合金からなることを特徴とする請求項1及至2
    記載の透明導電性積層体。
  4. 【請求項4】 金属薄膜層(C)が銀と金との合金、銀
    とパラジウムとの合金、または銀と白金との合金である
    ことを特徴とする請求項3記載の透明導電性積層体。
  5. 【請求項5】 実質的にインジウムとスズとの酸化物か
    らなる薄膜層(D)が、高酸素濃度雰囲気下でのスパッ
    タリング法により形成された、非晶質膜であることを特
    徴とする請求項1及至4のいずれかに記載の透明導電性
    積層体。
  6. 【請求項6】 基体(A)が、ラミネートフィルムを複
    数枚貼り合わされてなるものであることを特徴とする請
    求項1及至5のいずれかに記載の透明導電性積層体。
  7. 【請求項7】 基体(A)を構成する高分子フィルムの
    少なくとも一枚が、実質的に紫外線を遮断する機能を有
    することを特徴とする請求項1及至6のいずれかに記載
    の透明導電性積層体。
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