JPH10244775A - 平版印刷版 - Google Patents

平版印刷版

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JPH10244775A
JPH10244775A JP5171297A JP5171297A JPH10244775A JP H10244775 A JPH10244775 A JP H10244775A JP 5171297 A JP5171297 A JP 5171297A JP 5171297 A JP5171297 A JP 5171297A JP H10244775 A JPH10244775 A JP H10244775A
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JP
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aluminum
lithographic printing
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printing plate
plate
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JP5171297A
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English (en)
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Takenobu Yoshiki
武宣 吉城
Jun Yamada
旬 山田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】耐刷力に優れたアルミニウム板を支持体とする
平版印刷版を提供する。 【解決手段】粗面化され、酸でデスマット処理され、陽
極酸化されたアルミニウム板を支持体とすることを特徴
とする平版印刷版、もしくは粗面化され陽極酸化された
アルミニウム板の粗面化された面にESCAでケミカルシフ
トが400±1eVの位置に窒素の1s軌道のピークが観測さ
れ、かつそのピーク面積がアルミニウムのピーク面積の
0.5%以上であるアルミニウム板を支持体とすることを特
徴とする平版印刷版を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム板を
支持体とする平版印刷版、特に銀錯塩拡散転写法を用い
る平版印刷版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】銀錯塩拡散転写法(DTR法)を用いた平版
印刷版については、フォーカル・プレス、ロンドン ニ
ューヨーク(1972年)発行、アンドレ ロット及びエディ
ス ワイデ著、「フォトグラフィック・シルバー・ハライ
ド・ディフュージョン・プロセシズ」、第101頁〜第130頁
に幾つかの例が記載されている。
【0003】その中で述べられているように、DTR法を
用いた平版印刷版には、転写材料と受像材料を別々にし
たツーシートタイプ、あるいはそれらを一枚の支持体上
に設けたモノシートタイプの2方式が知られている。ツ
ーシートタイプの平版印刷版については、特開昭57-158
844号公報に詳しく記載されている。又、モノシートタ
イプについては、特公昭48-30562号、同51-15765号、特
開昭51-111103号、同52-150105号などの各公報に詳しく
記載されている。
【0004】紙を支持体とした平版印刷版は、印刷中の
版伸びや水分のしみ込みなどのため耐刷性を含め高品質
の印刷は困難である。これらの問題点を改良し印刷性能
を向上する目的でフィルム支持体が用いられる。例え
ば、酢酸セルロースフィルム、ポリビニルアセタールフ
ィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィル
ム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、或はポリエ
ステル、ポリプロピレン、又はポリスチレンフィルムな
どをポリエチレンフィルムで被覆した複合フィルム等が
支持体として利用できる。
【0005】しかしながら、フィルムを支持体とした平
版印刷版は紙ベースの印刷版と比べ、版伸び性や水分の
しみ込みなどの点で改良されたものの、耐刷性、保水
性、更には印刷機への版掛け性等の点で問題を残してい
る。
【0006】そこで、上に述べた紙やフィルムを支持体
とした平版印刷版の種々の問題点を解決するために、金
属特にアルミニウム板を支持体とした銀塩方式の平版印
刷版が知られており、特開昭57-118244号、同57-158844
号、同63-260491号、特開平3-116151号、同4-282295号
などの各公報に詳しく記載されている。
【0007】特開昭63-260491号、特開平3-116151号、
同4-282295号などの各公報には、粗面化し陽極酸化した
アルミニウム板を支持体とし、その上に物理現像核を担
持し、更にその上に感光性ハロゲン化銀乳剤層を設けた
モノシートタイプでDTR法を利用する平版印刷版が詳述
されている。それによれば、上記平版印刷版を像露光
し、DTR現像した後、ハロゲン化銀乳剤層を温水で洗浄
して除去し印刷版を作製する。しかしこれらの特許は、
感光性ハロゲン化銀乳剤とアルミニウム板とが接触する
ことにより生じるアルミニウム板の腐食を防止すること
に向けられた技術であり、DTR転写銀画像の画質、イン
キ受理性、耐刷力の点では十分とはいえないものであっ
た。
【0008】また特開平7-77806号、同7-56344号などの
各公報にはDTR転写銀画像の耐刷力を向上させるためと
してその表面形状について記載されているが、これは物
理的な面のみの記載であり現像という化学的プロセスを
コントロールすることについては記載されておらず、記
載された支持体を用いても十分な耐刷力を得ることがで
きない支持体もあり、さらに耐刷力を向上させる技術の
開発が要望されていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は十分な
耐刷力を持った平版印刷版を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、粗
面化され、硝酸を含む酸でデスマット処理され、陽極酸
化されたアルミニウム板を支持体とすることを特徴とす
る平版印刷版、もしくは粗面化され陽極酸化されたアル
ミニウム板の該表面にESCAでケミカルシフトが400±1eV
の位置に窒素の1s軌道のピークが観測され、かつそのピ
ーク面積がアルミニウムのピーク面積の0.5%以上あるア
ルミニウム板を支持体とすることを特徴とする平版印刷
版を用いることによって達成された。
【0011】デスマットに続く陽極酸化の工程は通常、
高濃度電解質で行なわれるため、アルミ支持体の表面は
この電解質で洗浄される。また陽極酸化を連続的に行う
ときには間接給電方式がとられるが、この場合陽極酸化
に先立ち陰極で電気的に洗浄される。このためアルミ表
面の性質は陽極酸化の処理液に大きく依存すると予想さ
れるのだが、本発明者らの注意深い実験の結果、陽極酸
化の処理液が酸化膜の溶けにくい条件で行うがために、
アルミ表面の性質がそれ以前、特にデスマット処理の影
響を強く残すことを発見し、本発明に至った。
【0012】DTR法を利用する平版印刷版では通常アル
ミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤層の間に物理現像核
層が設けられており、現像後にはこの物理現像核層に銀
が析出する。このため現像銀はアルミ支持体上に物理吸
着しているにすぎず、その接着力は十分とは言えないも
のであった。しかしながらある特定の表面を持つアルミ
支持体を使用した場合には析出銀がアルミ支持体と化学
吸着をし、その吸着力が飛躍的に増大することを本発明
者らが発見し、本発明に至った。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明においてデスマット処理と
は粗面化と陽極酸化の間に行う化学エッチング工程のこ
とを指す。デスマット処理には硝酸単独あるいは、硝酸
以外にリン酸、クロム酸、硫酸、塩酸、フッ酸などを単
独、あるいは数種混合して用いることができる。またそ
のデスマット液の濃度、処理時間はスマットを完全に除
去できるだけの濃度が必要である。スマットの発生量は
その前段階の粗面化の処理方法に依存しているので、必
要なデスマットの程度は粗面化の方法に依存する。しか
しスマットの除去の程度は走査型顕微鏡で容易に観察で
きるので、これで処理したアルミの表面を観測すること
でスマットが完全に除去されるデスマット処理の程度を
容易に決定することができる。実際には廃液の処理の関
係もあり、酸の合計で1〜60重量%程度、さらに好ま
しくは5〜30重量%で、その処理時間は30秒〜2分が好ま
しい。また硝酸の量は他の酸の量に係らず、デスマット
溶液の少なくとも1重量%以上含むことが好ましい。処
理温度は40〜60℃が好ましい。
【0014】本発明においてデスマット工程は2回以上
に分けることも可能である。この場合酸デスマットとア
ルカリデスマットとを組み合わせることも可能である
が、アルカリデスマットを先にするほうが好ましい。ア
ルカリデスマットには水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、第三リン酸カリウ
ム、アルミン酸ナトリウム、珪酸ナトリウムなどを単
独、もしくは数種混合して用いることができる。
【0015】本発明で用いる粗面化され、陽極酸化され
たアルミ支持体はESCAでその表面を調べると、400±1eV
の位置に窒素のケミカルシフトが現れる。またそのピー
ク面積がアルミニウムのピーク面積の0.5%以上、好まし
くは1%以上なければならない。ESCAでの分析深さは光
電子の平均自由工程に依存しているため数十オングスト
ローム程度である。このため、ESCAでの分析は現像の工
程で重要となる表面そのものを見ていることになり、他
の分析手段では得られない重要な情報が得られる。
【0016】ESCAでは原子の化学結合状態が異なると結
合エネルギーの値が数eV変化することが知られており、
この結合エネルギーの変化、ケミカルシフトから化学結
合状態が評価される。窒素の1s軌道電子の場合、395
〜410eVにこのケミカルシフトが現れることが知られて
いる。ただし、測定中試料からは絶えず光電子が放出さ
れるので、試料は電気的にプラスに帯電、特に本発明で
は絶縁体である陽極酸化されたアルミニウムを測定する
ので、このプラスチャージは大きくなるため、スペクト
ルは正確な位置より数eV高エネルギー側に現れるので、
帯電補正を行わねばならない。これは当該業者に知られ
た手段、例えば試料に吸着されている微量のCの1s電子
(285.0eV)や前もって蒸着した金の4f7/2の電子の結合
エネルギー(83.3eV)を基準にすることで行うことがで
きる。
【0017】本発明で用いるアルミニウム支持体には純
粋なアルミニウム、またはアルミニウム含有量が少なく
とも95%であるアルミニウム合金がある。有用なアルミ
ニウム合金には例えば重量で99.55%のAl、0.29%のMn、
0.02%のTi、0.29%のFe、0.1%のSi、0.004%のCu及び0.03
%のZnを含有するするものがある。支持体の厚さは通常
約0.13〜0.50mmの範囲である。
【0018】本発明に用いられる支持体には、この技術
分野において通常使用されている脱脂処理、粗面化処理
及び陽極酸化処理等が施されるが、少なくとも粗面化処
理及び陽極酸化処理がこの順で行なわれた支持体を用い
る。
【0019】本発明で用いるアルミニウム板は表面から
脂肪性物質を除去するために脱脂処理を行う。脱脂処理
としてはトリクレン、シンナー等の溶剤脱脂、界面活性
剤、ケロシン、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウ
ムを混ぜたエマルジョン脱脂、酸脱脂、アルカリ脱脂な
どがある。
【0020】本発明で用いるアルミニウム板は銀画像部
の密着性を良好にし、かつ保水性を改善するために粗面
化処理をされる。粗面化処理の方法としては機械的処
理、化学的処理、電気化学的処理があり、これらを単独
もしくは組み合わせて処理を行う。表面の形状は一般に
粗さ計により表されるが、その大きさは中心線平均粗
さ;Raの値で0.3〜1.0μmが適当である。
【0021】機械的粗面化処理方法にはボールグレイン
法、ナイロンブラシ法、バフ研磨法、ブラスト研磨法等
を用いることができる。また化学的粗面化処理方法には
塩化物、フッ化物等で化学的にアルミニウムを溶解する
方法がある。
【0022】電気化学的粗面化処理方法は他の方法に比
較して電解液組成及び電解条件によって、砂目の形状及
び表面粗さを微妙にコントロールすることが可能なので
この方法を用いることが好ましい。電気化学的粗面化処
理方法は直流、交流または両者の組み合わせで行うこと
ができる。交流波としては単相又は3相の商業用交流あ
るいはこれらを含めた10〜300Hzの範囲の正弦波、矩形
波、台波等がある。
【0023】アルミニウム板に供給される電力は電解液
の組成、温度、電極間距離等により変わるが、印刷版と
して適切な砂目を得るためには、一般に電圧では1〜60
V/dm2、電気量では50〜4000Cの範囲で使われる。また
電極とアルミニウム板との距離は1〜10cmの範囲が好ま
しい。
【0024】電解液としては硝酸あるいはその塩、塩酸
あるいはその塩、あるいはそれらの1種または2種以上の
混合物の水溶液が使用できる。更に必要に応じて硫酸、
リン酸、クロム酸、硼酸、有機酸、あるいはそれらの
塩、アンモニウム塩、アミン類、界面活性剤、その他の
腐食防止剤、腐食促進剤、安定化剤を加えて使用するこ
ともできる。
【0025】電解液の濃度としては上記の酸類の濃度が
0.1〜10%であり、電解液中のアルミニウムイオンの濃
度を0〜10g/Lの範囲に維持したものが好ましい。電解液
の温度は0〜60℃が好ましい。
【0026】このような粗面化処理、デスマット処理を
行った後、陽極酸化処理が施される。陽極酸化の電解液
には硫酸、リン酸、シュウ酸、クロム酸または有機酸
(例えばスルファミン酸、ベンゼンスルホン酸など)ま
たはそれらの混合物が好ましく、生成酸化膜の溶解性の
低い酸が好ましい。
【0027】陽極酸化膜は陽極にのみ生成するので電流
は通常直流電流が使用される。陽極酸化の条件としては
液のウド1〜40%、電流密度0.1〜10A/dm2、電圧10〜100
Vの範囲で使用される。陽極酸化膜の厚みは電流密度と
時間により変えられ、印刷版の耐刷グレードによって適
宜調整されるが、0.1〜3μmで十分である。温度は陽極
酸化膜の硬度に影響を与え、低温では硬度は高くなる
が、可撓性に劣るため通常は常温付近の温度で処理され
る。
【0028】また、陽極酸化処理を行なった後、必要に
応じて後処理を行うことが出来る。例えば、英国特許第
1,230,447号に開示されたポリビニルホスホン酸の水溶
液中に浸漬処理する方法が用いられる。また、必要に応
じて、親水性高分子の下塗層を設けることも可能である
が、その上に設ける感光層の性質により取捨選択され
る。
【0029】この他に各工程の前後に適宜硝酸を含む酸
でアルミニウム板を処理することができる。
【0030】本発明ではアルミニウム支持体と感光性ハ
ロゲン化銀乳剤層の間に物理現像核層を設ける。本発明
で用いられる物理現像核層の物理現像核としては、公知
の銀錯塩拡散転写法に用いられるものでよく、例えば
金、銀等のコロイド、パラジウム、亜鉛等の水溶性塩と
硫化物を混合した金属硫化物などが使用できる。保護コ
ロイドとして各種親水性コロイドを用いることもでき
る。これらの詳細及び製法については、例えば、フォー
カル・プレス、ロンドン ニューヨーク(1972年)発行、ア
ンドレ ロット及びエディス ワイデ著、「フォトグラフ
ィック・シルバー・ハライド・ディフュージョン・プロセシ
ズ」を参照し得る。
【0031】本発明の印刷版の感光性ハロゲン化銀乳剤
層には保護コロイドとして各種親水性コロイドを用いる
ことができる。即ち、酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼ
ラチン、ゼラチン誘導体、グラフト化ゼラチン等各種ゼ
ラチンを用いることが出来る他、ポリビニルピロリド
ン、各種でんぷん、アルブミン、ポリビニルアルコー
ル、アラビアゴム、ヒドロキシエチルセルロース、等の
親水性高分子化合物を含有させることが出来る。用いら
れる親水性コロイドとしては、ゼラチン、ゼラチン誘導
体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が
挙げられるが、好ましくは、物理現像後の親水性コロイ
ド層の剥離性を容易にするために実質的に硬膜剤を含ま
ない親水性コロイド層を用いることが望ましい。
【0032】本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀乳
剤の種類としては、一般に用いられる塩化銀、臭化銀、
ヨウ化銀、塩臭化銀、塩ヨウ臭化銀、ヨウ臭化銀等から
選択される。また乳剤のタイプとしてはネガ型、ポジ型
のいずれでもよい。これらのハロゲン化銀乳剤は必要に
応じて化学増感あるいはスペクトル増感することが出来
る。
【0033】本発明で用いられる現像液には、現像主
薬、例えばポリヒドロキシベンゼン類、3-ピラゾリジノ
ン類、アルカリ性物質、例えば水酸化カリウム、水酸化
ナトリウム、水酸化リチウム、第3燐酸ナトリウム、あ
るいはアミン化合物、保恒剤、例えば亜硫酸ナトリウ
ム、粘稠剤、例えばカルボキシメチルセスロース、カブ
リ防止剤、例えば臭化カリウム、1-フェニル-5-メルカ
プトテトラゾール、現像変成剤、例えばポリオキシアル
キレン化合物等の添加剤等を含ませることが出来る。
【0034】現像液のpHとして通常約10〜14、好ましく
は約12〜14であるが、使用する平版印刷版のアルミニウ
ム支持体の前処理(例えば陽極酸化)条件、写真要素、所
望の像、現像液中の各種化合物の種類及び量、現像条件
等によって異なる。
【0035】ゼラチン層を除去するためのウォッシュオ
フは、温度20〜30℃程度の流水で洗い流すことによって
行なうことが出来る。
【0036】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお%は
断りのないかぎり重量%を示す。
【0037】実施例1 厚さ0.3mmのアルミニウム板(材質1050)を4%水
酸化ナトリウム水溶液で50℃1分脱脂処理を行い、水洗
した後、2.5%の塩酸水溶液中20℃で交流密度50A/dm2で6
0秒電解粗面化を行い、下記表1にある条件で1分間デス
マット処理し、その後25%硫酸溶液中で温度20℃電流密
度3A/dm2、処理時間90秒の条件で陽極酸化を行った。
【0038】
【表1】
【0039】これらのアルミ支持体上にカレー・レー(Ca
rey Lea)法により作成された銀ゾルにゼラチン溶液を加
えて、銀とゼラチンの重量比が2となるように調製した
物理現像核液を塗布した。さらに乾燥後ハロゲン化銀乳
剤層を塗布乾燥し感光性平版印刷版を作成した。
【0040】このようにして得られた平版印刷版に像露
光を行った後、特開平4-282295号公報の実施例1に記載
の拡散転写現像液で現像を行なった後、直ちに流水でゼ
ラチン層を洗い流し(ウォッシュオフ)した。版面が乾か
ないうちに版面保護液を脱脂綿等で塗布し乾燥させた。
この様にして作成した平版印刷版を、印刷機エー・ビー・
ディック350CD(A.B.Dick社製オフセット印刷機の商標)
にかけ、インキ受理性及び耐刷力を評価した。
【0041】耐刷力は画像部のインキ乗りの不良、ある
いは線飛びが生じる時のいずれかにより印刷が不可能と
なったときの印刷枚数で評価した。結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】表2より酸でデスマットしたプレートは耐
刷力が高く、更に硝酸を含みESCAで窒素の検出されるプ
レートの耐刷力が非常に高いことが判る。
【0044】実施例2 実施例1のプレート1の支持体を陽極酸化後に下記表3
の処理液で2分間処理した後実施例1と同様に印刷版を
作成し、評価試験を行った結果同じく表3の様な結果と
なった。
【0045】
【表3】
【0046】表3より窒素の1sのケミカルシフトが400
±1eVの範囲にないものは耐刷力が得られないことが判
る。
【0047】実施例3 実施例1のデスマット処理を2%NaOHで行った後、30%硝
酸で行う以外は実施例1と同様に行った。作成した支持
体の窒素の1sのケミカルシフトは400.5eVで窒素とアル
ミニウムのの面積比は5.2%であった。このプレートの耐
刷力は10万枚以上あった。
【0048】実施例4 アルミ原反を3003を用いる以外は実施例1と同様に行っ
た。その結果実施例1と同様の結果が得られた。
【0049】
【発明の効果】極めて高い耐刷性能を有する平版印刷版
を得ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗面化され、硝酸を含む酸でデスマット
    処理され、陽極酸化されたアルミニウム板を支持体とす
    ることを特徴とする平版印刷版。
  2. 【請求項2】 支持体上に物理現像核層および感光性ハ
    ロゲン化銀乳剤層をこの順に塗布したことを特徴とする
    請求項1記載の平版印刷版。
  3. 【請求項3】 粗面化され、陽極酸化されたアルミニウ
    ム板の該表面にESCAでケミカルシフトが400±1eVの位置
    に窒素の1s軌道のピークが観測され、かつそのピーク面
    積がアルミニウムのピーク面積の0.5%以上であるアルミ
    ニウム板を支持体とすることを特徴とする平版印刷版。
  4. 【請求項4】 支持体上に物理現像核層および感光性ハ
    ロゲン化銀乳剤層をこの順に塗布したことを特徴とする
    請求項3記載の平版印刷版。
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