JPH10238589A - 摩擦抵抗発生機構 - Google Patents

摩擦抵抗発生機構

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JPH10238589A
JPH10238589A JP4516397A JP4516397A JPH10238589A JP H10238589 A JPH10238589 A JP H10238589A JP 4516397 A JP4516397 A JP 4516397A JP 4516397 A JP4516397 A JP 4516397A JP H10238589 A JPH10238589 A JP H10238589A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダンパー機構に用いられる摩擦抵抗発生機構
において、異なる種類の捩じり振動に対して適切なレベ
ルのヒステリシストルクを発生させて捩じり振動を減衰
する。 【解決手段】 抵抗発生機構70において、チャンバ3
0は、円周方向に延びるチャンバの内壁面の少なくとも
一部を形成している。ドリブンプレート12は、チャン
バ30に相対回転可能に配置され、チャンバ内に配置さ
れた係合部36を有する。スライダ35は、チャンバ内
に円周方向に移動可能に配置され、内壁面35bに近接
する摩擦面35Aと係合部36に対向する反対側面35
Bを有する本体35aと、本体35aの円周方向両側に
おいて係合部36から円周方向に隙間をあけて配置され
た係止部36bとを有する。板状ばね部材71は、スラ
イダ35の反対側面35Bに固定され、概ね円周方向に
延びている。板状ばね部材は円周方向両側部73が円周
方向中間部72より反対側面35Bから離れる方向に位
置している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、摩擦抵抗発生機
構、特に、相対回転可能な2つの回転体の間で摩擦抵抗
を発生させて捩じり振動を減衰するための摩擦抵抗発生
機構に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば車輌においては、エンジン側の
部材とトランスミッション側の部材との間にエンジンの
トルク変動を吸収するためのダンパー機構が設けられて
いる。ダンパー機構は、クラッチディスク組立体やフラ
イホイールに組み込まれている。ダンパー機構は、互い
に相対回転可能な入力側部材及び出力側部材と、両部材
が相対回転するときにその回転を制限するように配置さ
れた弾性部材と、両部材が相対回転するときに摩擦によ
りヒステリシストルクを発生する摩擦抵抗発生機構とを
含んでいる。
【0003】摩擦抵抗発生機構は、たとえば複数のプレ
ートが互いに圧接され、入力側部材と出力側部材とが相
対回転するときに摺動摩擦抵抗を発生するように構成さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】例えばダンパー機構が
設けられたフライホイール組立体では、エンジンの回転
数の実用領域で発生する微小捩じり振動に対しては摩擦
抵抗が小さい方が振動減衰に効果がある。また、車輌の
発進及び停止時の低回転数領域で共振点を通過する際に
生じる過大トルク変動に対しては、比較的大きな摩擦抵
抗を発生させて振動減衰する必要がある。このように、
捩じり振動の特性により異なる大きさの摩擦抵抗を発生
させることが望ましい。
【0005】また、ダンパー機構が設けられたクラッチ
ディスク組立体では、エンジンの回転数の実用領域で発
生する微小捩じり振動に対しては摩擦抵抗が小さい方が
振動減衰に効果がある。ティップイン・ティップアウト
(アクセルペダルを急に踏んだり離したりしたときに生
じる車体の前後の大きな振動)による過大トルク変動に
対しては比較的大きな摩擦抵抗を発生させて振動減衰す
る必要がある。
【0006】本発明の目的は、ダンパー機構に用いられ
る摩擦抵抗発生機構において、異なる種類の捩じり振動
に対して適切なレベルの摩擦抵抗を発生させて捩じり振
動を減衰することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の摩擦抵
抗発生機構は、相対回転可能な2つの回転体の間で摩擦
抵抗を発生させて捩じり振動を減衰するための機構であ
り、第1回転部材と第2回転部材とスライダと板状ばね
部材とを備えている。第1回転部材は、円周方向に延び
るチャンバの内壁面の少なくとも一部を形成する。第2
回転部材は、第1回転部材に相対回転可能に配置され、
チャンバ内に配置された係合部を有する。スライダは、
チャンバ内に円周方向に移動可能に配置され、内壁面に
近接する摩擦面と係合部に対向する反対側面とを有する
本体と、本体の円周方向両側において係合部から円周方
向に隙間をあけて配置された係止部とを有する。板状ば
ね部材は、スライダの反対側面に固定され、概ね円周方
向に延び、円周方向両側部が円周方向中間部より反対側
面から離れる方向に位置し係合部に当接可能である。
【0008】請求項1に記載の摩擦抵抗発生機構では、
振幅の小さな捩じり振動に対しては、スライダは本体の
摩擦面が第1回転部材により形成された内壁面に連れら
れて、第2回転部材の係合部に対して円周方向に相対移
動を行う。このとき、スライダとともに移動する板状ば
ね部材は係合部に対して当接しないまたは僅かに当接す
るだけであるため、大きな摩擦抵抗は発生しない。振幅
の大きな捩じり振動が伝達されると、捩じり角度が大き
くなってスライダの係止部が係合部に当接すると、以後
は第1回転部材とスライダとの間で摩擦抵抗が発生す
る。このとき、係合部が板状ばね部材の円周方向両側部
の一方を弾性変形させる。すなわち、板状ばね部材は係
合部とスライダとの間で圧縮された状態になる。この板
状ばね部材の弾性力により、スライダ本体の摩擦面は第
1回転部材が形成するチャンバ内壁面に強く圧接させら
れる。この結果、大きな摩擦抵抗が得られる。
【0009】請求項2に記載の摩擦抵抗発生機構では、
請求項1において、係合部は、第2回転部材と一体に形
成された支持部と、支持部に回転可能に支持さればね部
材の円周方向中間部に当接する回転部材とから構成され
ている。請求項2に記載の摩擦抵抗発生機構では、振幅
の小さな微小捩じり振動が入力されると、スライダは第
1回転部材と一体回転し、第2回転部材に対して相対移
動する。このとき、支持部に相対回転可能に係止された
回転部材がばね部材の円周方向中間部によって回転させ
られながら円周方向に相対移動する。ここでは、回転部
材は板状ばね部材に当接しているが、主に転がり摩擦が
発生するのみであり、大きな摩擦抵抗は発生しない。振
幅の大きな捩じり振動が入力されると、係合部を構成す
る回転部材が板状ばね部材の円周方向両側部の一方をス
ライダ側に弾性変形させていく。このように板状ばね部
材がスライダと係合部との間で圧縮されることにより、
スライダの摩擦面が第1回転部材が構成するチャンバ内
壁面に強く圧接される。この結果、大きな摩擦抵抗が発
生する。さらに、回転部材が予め板状ばね部材の円周方
向中間部に当接していることにより、板状ばね部材の円
周方向両側部の一方の弾性変形がスムーズに行われる。
【0010】請求項3に記載の摩擦抵抗発生機構では、
請求項2において、回転部材は支持部に対して円周方向
に所定角度内で移動可能に係止され、板状ばね部材は弧
状に湾曲している。請求項3に記載の摩擦抵抗発生機構
では、捩じり角度の小さな捩じり振動が入力されると、
スライダは第2回転部材に対して円周方向に移動する。
このとき、回転部材はスライダととともに円周方向に移
動するが、第2回転部材の支持部に対して自ら回転しな
がら円周方向に移動するため、第1回転部材と第2回転
部材との間は大きな摩擦抵抗が発生しにくい。振幅の大
きな捩じり振動が入力されると、回転部材は支持部に対
して円周方向移動不能に係止され、続いて回転体が板状
ばね部材の円周方向両側部の一方をスライダの本体側に
弾性変形させる。この結果、板状ばね部材の弾性力によ
りスライダ本体の摩擦面が第1回転部材の構成するチャ
ンバ内壁面に強く圧接される。この結果、大きな摩擦抵
抗が発生する。
【0011】ここでは、回転部材が支持部に対して円周
方向に所定角度内で移動可能に係止されているため、板
状ばね部材をたとえば滑らかに湾曲させても微小捩じり
振動伝達時に板状ばね部材が弾性変形しにくい。板状ば
ね部材が滑らかに湾曲した弧状形状である場合は、回転
体がスムーズに板状ばね部材を弾性変形させることがで
きる。
【0012】
【発明の実施の形態】第1実施形態 図1は、本発明の一実施形態としてのフライホイール組
立体を示している。フライホイール組立体は、エンジン
のクランクシャフト(図示せず)から伝達されたトルク
を、クラッチディスク及びクラッチカバー組立体を介し
てトランスミッション側に伝達するための装置である。
図1のO−Oがフラホイール組立体の回転軸線である。
図1の左側をエンジン側とし図1の右側をトランスミッ
ション側とする。また、図2において回転方向R1 をエ
ンジンの回転方向(正側回転方向)とし、回転方向R2
を回転反対方向(負側回転方向)とする。
【0013】フライホイール組立体は、入力側の第1フ
ライホイール1と、この第1フライホイール1に軸受5
を介して回転自在に支持された出力側の第2フライホイ
ール6と、第1フライホイール1と第2フライホイール
6との間に配置されたダンパー機構60とから主に構成
されている。第1フライホイール1はエンジンのクラン
クシャフトに固定され、第2フライホイール6にはクラ
ッチ7が装着されるようになっている。
【0014】第1フライホイール1は、概ね円板状の部
材であり、中心部に配置されエンジンのクランクシャフ
ト(図示せず)にボルト18により固定されるボス部1
aと、これに連続して形成され半径方向外方に延びる側
板部1bと、側板部1bの外周側に連続して形成された
フライホイール部1cとから構成されている。ボス部1
aはトランスミッション側に突出しており、その外周に
軸受5を介して第2フライホイール6が回転自在に支持
されている。また、軸受5はボス部1aのためにねじ2
2により装着されたプレート19により固定されてい
る。側板部1bに対向して、ストッパープレート2が所
定間隔を隔てて配置されている。ストッパープレート2
はボルト33により側板部1bに着脱自在に固定されて
いる。そして、側板部1b及びストッパープレート2間
に、ダンパー機構60が配置されている。ダンパー機構
60は、ピン等によってユニット化されており、ボルト
3を取り外すことにより、側板部1bに対して容易に着
脱可能である。
【0015】第2フライホイール6は、概ね円板状の部
材であり、中心部に配置されたボス部6aと、これに連
続して形成され半径方向に延びる圧接部6bと、圧接部
6bの外周側に連続して形成されたクラッチ取付部6c
とから構成されている。ボス部6aはトランスミッショ
ン側に突出しており、その内周面が軸受5に支持されて
いる。また、ボス部6aの外周部には、図2に示すよう
に、ダンパー機構60の一部が連結される波型外歯14
が形成されている。圧接部6bのトランスミッション側
の面には、クラッチ7を構成するクラッチディスク11
の摩擦フェーシングが圧接する摩擦面6dが形成されて
いる。この摩擦面6dは、ボス部6aの同じ側の面より
軸方向に突出している。第2フライホイール6には、摩
擦面6dより内周側に、エンジン側とトランスミッショ
ン側とを貫通する貫通孔53が形成されている。
【0016】クラッチ取付部6cの端面には、クラッチ
7を構成するクラッチカバー組立体8が装着される。ク
ラッチカバー組立体8は、カバー8a、プレッシャプレ
ート9及びダイヤフラムスプリング10から構成されて
いる。また、クラッチカバー8内にはクラッチディスク
11が配置される。次にダンパー機構60について説明
する。
【0017】ダンパー機構60は、1対の板状円板状部
材から構成される出力側のドリブンプレート12(第2
回転部材)を有している。ドリブンプレート12の内周
部には、図2に示すように、第2フライホイール6のボ
ス部6aに形成された波型外歯14に噛み合う波型内歯
13が形成されている。この係合により、ドリブンプレ
ート12と第2フライホイール6とが一体回転する。
【0018】ドリブンプレート12には、図2に示すよ
うに、回転方向に所定の間隔で複数の窓孔15が形成さ
れている。また、窓孔15に対応する位置には、側板部
1b及びストッパープレート2においてそれぞれ凹部1
6及び17が形成されている。窓孔15及び凹部16,
17内にはコイル形状のトーションスプリング20が回
転方向圧縮可能に配置されている。トーションスプリン
グ20は、その両端部に配置されたスプリングシート2
1を介して窓孔15の円周方向両端面に当接している
(凹部16,17に関しても同様である)。なお、ドリ
ブンプレート12は、後述の摩擦抵抗発生機構70の一
部も構成している。
【0019】以上の構成により、入力側の第1フライホ
イール1及びストッパープレート2は、トーションスプ
リング20を介してドリブンプレート12すなわち第2
フライホイール6にトルク伝達可能に連結されている。
第1フライホイール1とストッパープレート2とが形成
する環状空間内において、ドリブンプレート12の半径
方向外方に、摩擦抵抗発生機構70が配置されている。
摩擦抵抗発生機構70は、入力側部材と出力側部材とが
相対回転するときに所望の抵抗を発生させるための機構
である。摩擦抵抗発生機構70は、ハウジング30と、
ハウジング30内に配置されたスライダ35とを有して
いる。
【0020】ハウジング30(第1回転部材)は、側板
部1b及びストッパープレート2によって挟持された環
状の部材(図3)である。ハウジング30は、円周方向
に延びる複数の弧状ハウジング部材30Aから構成され
ている。ハウジング部材30Aは側壁30aとそこから
軸方向に延びる内側環状突起30b及び外側環状突起3
0cからなる断面コの字形状であり、2個で合わさって
断面四角形状の環状空間を形成している。ハウジング3
0は、各ハウジング部材30Aのダム部30dを重ね合
わせた状態でピン挿通孔32にピン33を挿入すること
で、各ハウジング部材30A同士を半径方向及び軸方向
に連結されて構成されている。また、前述のボルト3は
ピン33が挿入されていないピン挿通孔32を貫通して
いる。これにより、ハウジング30は第1フライホイー
ル1とともに入力側の部材として回転する。ダム部30
dは前記環状空間の大半を閉鎖するように形成されてい
るが、内側環状突起30cとの間に隙間を確保してい
る。ハウジング30内は、円周方向に所定の間隔を隔て
て複数のダム部30cにより、複数の弧状室(チャン
バ)に分割されている。内側環状突起30bの軸方向間
には隙間が形成され、これはハウジング30の半径方向
内側開口となっている。内側環状突起30bはドリブン
プレート12の外周部両面に形成された環状溝31に嵌
合することにより、ハウジング30内を密封している。
すなわち、ドリブンプレート12は外周縁がハウジング
30内に配置されていることになる。
【0021】ドリブンプレート12の外周面とダム部3
0dの半径方向内側面との間にはわずかな隙間が確保さ
れている。ハウジング30内の各弧状室内には、ドリブ
ンプレート12から半径方向外方に延びる係合部36が
挿入されている。各弧状室内では、スライダ35が円周
方向にスライド可能に配置されている。スライダ35は
半径方向内方側が開口する箱状に形成された部材であ
り、全体がハウジング30の外周側内壁面30eに沿う
円弧形状に形成されている。スライダ35の本体35a
は、半径方向外方に形成されハウジング35の外周側内
壁面30eに当接可能な摩擦面35Aを有している。本
体35aの内周側は、反対側面35Bとなっている。ス
ライダ35の円周方向両側は、係合部36に当接可能な
係止部35bとなっている。係止部35bの半径方向内
側部分には、円周方向に連通する開口部50が形成され
ている。係止部35bの円周方向内側には、凹部35c
が形成されている。凹部35cの半径方向内外には突出
部35d,35eがそれぞれ形成されている。
【0022】スライダ35の内側(反対側面35B側)
には、概ね円周方向に細長く延びる板状ばね部材71が
固定されている。板状ばね部材71は、捩じり角度の大
きな範囲でスライダ35をチャンバ30の外周側内壁面
に圧接させるための部材である。板状ばね部材71は、
主に、円周方向中間部72と、円周方向中間部72の両
側に形成された円周方向両側部73とを有している。中
間部72は、スライダ35の本体35aの反対側面35
Bにほぼ沿って延びている。円周方向両側部73は、端
部が凹部35c内において突出部35eに当接してい
る。すなわち、円周方向両側部73は円周方向中間部7
2より半径方向内側に配置されている。円周方向両側部
73と中間部72との間には両者を連結する連結部74
が設けられている。連結部74及び両側部73は中間部
72から斜め方向に折り曲げられたように延びている。
中間部72から見て、円周方向外側に開く角度は、両側
部73が連結部74より大きくなっている。図4から明
らかなように、連結部74及び両側部73は、ドリブン
プレート12の係合部36に対して半径方向に係合可能
になっている。また、係合部36と連結部74との間に
は角度θ1 及び角度θ 2 が確保されている。この角度θ
1 ,θ2 は実用運転領域における微小捩じり振動の動作
角範囲内になっていることが望ましい。
【0023】次に、上述の実施例の動作について説明す
る。エンジンからトルクが入力されると、第1フライホ
イール1のトルクは、ダンパー機構60を介して第2フ
ライホイール6に伝達される。ダンパー機構60におい
ては、第1フライホイール1及びストッパープレート2
がトーションスプリング20を押し、トーションスプリ
ング20がドリブンプレート12を押すことでトルクが
伝達される。
【0024】運転中にトルク変動が入力されると、第1
フライホイール1及び第2フライホイール2が相対回転
し、このときトーションスプリング20が圧縮され、摩
擦抵抗発生機構70で摩擦抵抗が発生する。この結果、
捩じり振動が速やかに減衰される。捩じり振動が入力さ
れた際の摩擦抵抗発生機構70の動作についてさらに詳
細に説明する。なお、以下の捩じり動作の説明は、説明
の便宜上、ハウジング30を他の部材に固定し、それに
対してドリブンプレート12を回転させていく動作とし
て説明する。
【0025】エンジンの実用回転数領域における振幅の
小さな微小捩じり振動が入力されると、ドリブンプレー
ト12はチャンバ30に対して相対回転する。このと
き、スライダ35は遠心力によりチャンバ30の外周側
内壁面30eに圧接され、チャンバ30と一体回転す
る。そのため、スライダ35とドリブンプレート12と
の間で相対回転が生じる。捩じり振動の動作角度範囲が
θ1 、θ2 の範囲にあると、ドリブンプレート12の係
合部36が板状ばね部材70の連結部74または円周方
向両側部73に当接しない。ここでは、大きな摩擦抵抗
が発生せず、微小捩じり振動が効果的に吸収・減衰され
る。
【0026】エンジンの低回転数領域における振幅の大
きな大捩じり振動が入力されると、ドリブンプレート1
2がチャンバ30に対して例えば回転方向R2 側に移動
する。係合部36は、板状ばね部材74に当接し、回転
方向R2 側の連結部74及び円周方向両側部73を弾性
変形させる。これにより、図5に示すように、係合部3
6はスライダ35の係止部35bに当接し、スライダ3
5をR2 側に移動させていく。このとき、スライダ35
の摩擦面35Aとチャンバ30の外周側内壁面30eと
の間で摩擦抵抗が発生する。特に、図5に示すように、
板状ばね部材71の回転方向R2 側の連結部74及び円
周方向両側部73が半径方向に圧縮されているため、板
状ばね部材71の反発力により、スライダ35の本体3
5aの摩擦面35Aはチャンバ30の外周側内壁面30
eに強く圧接されている。この結果、大きな摩擦抵抗す
なわちヒステリシストルクが得られる。
【0027】ドリブンプレート12がチャンバ30に対
して回転方向R2 側に移動した場合にも、同様な効果が
得られる。第2実施形態 図6に示す摩擦抵抗発生機構70では、係合部36は、
支持部36aとローラー80とから構成されている。支
持部36aには、ローラー80を回転自在に支持するた
めの凹部が形成されている。ローラー80はフライホイ
ール組立体の回転軸方向に延び、回転軸線もフライホイ
ール組立体回転軸と平行になっている。ローラー80
は、半径方向外側部が板状ばね部材71の中間部72に
当接している。
【0028】微小捩じり振動伝達時には、ローラー80
はドリブンプレート12とともに円周方向に移動する。
このときローラー80は板状ばね部材71に当接して回
転しながら円周方向に移動する。そのため、大きな摩擦
抵抗は発生しにくい。振幅の大きな大捩じり振動が入力
されると、図7に示すように、ローラー80は回転方向
2 側の連結部74及び円周方向両側部73を弾性変形
させる。ローラー80による連結部74の弾性変形はス
ムーズに行われる。この理由は、ローラー80が板状ば
ね部材71に対して最も近接しているためである。第3実施形態 図8に示す抵抗発生機構では、係合部36においてロー
ラー84を支持する支持部82,83には、ローラー8
4から円周方向に角度θ1 ,θ2 だけ離れている。すな
わち、ローラー84は、支持部81,82の間で所定角
度だけ自ら回転しながら相対移動可能である。板状ばね
部材71は、弧状に湾曲しており、その円周方向中間部
内側面にローラー84が当接している。
【0029】振幅の小さな微小捩じり振動(例えば角度
θ1 θ2 内)が入力されると、ドリブンプレート1
2は、スライダ35及び板状ばね部材71に対して相対
回転を行う。このとき、ローラー84は板状ばね部材7
2とともに円周方向に移動する。ここでは、ローラー8
4はドリブンプレート12の外周面83と板状ばね部材
71に当接しているが、自ら回転しながら円周方向に移
動するため、大摩擦抵抗は発生しにくい。
【0030】振幅の大きな捩じり振動が入力されると、
図8の状態から図9の状態に移行し、支持部81がロー
ラー84に当接する。この状態からさらにドリブンプレ
ート12が回転方向R2 側に回転すると、図9から図1
0の状態に移行し、ローラー84が板状ばね部材71の
回転方向R2 側端部を徐々に弾性変形させていく。板状
ばね部材71が滑らかに湾曲された円弧形状であるた
め、板状ばね部材71の弾性変形がスムーズに行われ
る。また、板状ばね部材71からスライダ35へ作用す
る力は徐々に大きくなるため、スライダ35と内壁面3
0eとの間で生じる摩擦抵抗は徐々に大きくなる。
【0031】このように板状ばね部材71を滑らかに湾
曲させることができたのは、ローラー84をドリブンプ
レート12に対して微小捩じり角範囲内で相対回転可能
にしたためである。ローラー84がドリブンプレート1
2側に固定されているケースで板状ばね部材71を滑ら
かに湾曲させしまうと、微小捩じり振動伝達時にも板状
ばね部材が弾性変形し大きな摩擦抵抗を発生してしま
う。第4実施形態 前記全ての実施形態ではチャンバ30内には何も充填さ
れていないが、たとえばグリス等の粘性流体を充填して
もよい。
【0032】微小捩じり振動伝達時には、スライダ35
の内外では開口50を通じて流体が移動する。このとき
に大きな粘性抵抗は発生しない。大捩じり振動伝達時に
おいて係合部36がスライダ35の係止部35bに当接
すると、開口50が閉鎖された状態(図5、7、10)
になる。この状態で捩じり角度がさらに大きくなると、
スライダ35とその回転方向R2 側にあるダム部30d
との空間が縮小され、ダム部30dとドリブンプレート
12の外周面との間の隙間を通って流体が流れる。この
とき大きな粘性抵抗が発生する。
【0033】この実施形態では、前述の摩擦抵抗に加え
て大きな粘性抵抗を得ることができ、振幅の大きな大捩
じり振動を速やかに減衰可能である。また、粘性流体が
充填されていることにより、チャンバ30とスライダ3
5との間の抵抗が大きくなっている。その結果、係合部
36がたとえば連結部74に当接した際に、連結部74
や円周方向両側部73が弾性変形しやすい。 〔変形例〕ダンパー機構60のチャンバは、チャンバ3
0ではなく第1フライホイール及びストッパープレート
により構成されてもよい。
【0034】この摩擦抵抗発生機構は、フライホイール
組立体に限定されず、他のダンパー機構に用いてもよ
い。
【0035】
【発明の効果】本発明に係る摩擦抵抗発生機構では、捩
じり角度の大きな範囲で板状ばね部材は係合部とスライ
ダとの間で圧縮され、スライダ本体を第1回転部材が形
成するチャンバ内壁面に強く圧接する。この結果、大き
な摩擦抵抗が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態が採用されたフライホイー
ル組立体の縦断面概略図。
【図2】ダンパー機構の部分平面図。
【図3】抵抗発生機構の分解斜視図。
【図4】図2の部分拡大図。
【図5】抵抗発生機構の動作状態を示す、図4に対応す
る図。
【図6】第2実施形態における図4に対応する図。
【図7】第2実施形態の動作状態を示す、図6に対応す
る図。
【図8】第3実施形態における、図4に対応する図。
【図9】第3実施形態における動作状態を示す、図8に
対応する図。
【図10】第3実施形態における動作状態を示す、図8
に対応する図。
【符号の説明】
12 ドリブンプレート 30 チャンバ 35 スライダ 35a 本体 35b 係止部 35A 摩擦面 35B 反対側面 71 板状ばね部材 72 円周方向中間部 73 円周方向両側部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相対回転可能な2つの回転体の間で摩擦抵
    抗を発生させて捩じり振動を減衰するための摩擦抵抗発
    生機構であって、 円周方向に延びるチャンバの内壁面の少なくとも一部を
    形成する第1回転部材と、 前記第1回転部材に相対回転可能に配置され、前記チャ
    ンバ内に配置された係合部を有する第2回転部材と、 前記チャンバ内に円周方向に移動可能に配置され、前記
    内壁面に近接する摩擦面と前記係合部に対向する反対側
    面を有する本体と、前記本体の円周方向両側において前
    記係合部から円周方向に隙間をあけて配置された係止部
    とを有するスライダと、 前記スライダの前記反対側面に固定され、概ね円周方向
    に延び、円周方向両側部が円周方向中間部より前記反対
    側面から離れる方向に位置し前記係合部に当接可能な板
    状ばね部材と、を備えた摩擦抵抗発生機構。
  2. 【請求項2】前記係合部は、前記第2回転部材と一体に
    形成された支持部と、前記支持部に回転可能に係止され
    前記ばね部材の前記円周方向中間部に当接する回転部材
    とから構成されている、請求項1に記載の摩擦抵抗発生
    機構。
  3. 【請求項3】前記回転部材は前記支持部に対して円周方
    向に所定角度内で移動可能に係止され、前記ばね部材は
    弧状に湾曲している、請求項2に記載の摩擦抵抗発生機
    構。
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