JP2607354Y2 - フライホイール組立体 - Google Patents

フライホイール組立体

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JP2607354Y2
JP2607354Y2 JP1993065014U JP6501493U JP2607354Y2 JP 2607354 Y2 JP2607354 Y2 JP 2607354Y2 JP 1993065014 U JP1993065014 U JP 1993065014U JP 6501493 U JP6501493 U JP 6501493U JP 2607354 Y2 JP2607354 Y2 JP 2607354Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、フライホイール組立
体、特に、入力側回転から出力側回転体にトルクを伝達
するフライホイール組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば自動車用エンジンに用いられる
フライホイール組立体は、第1フライホイール及び第2
フライホイールと、両フライホイールを弾性的に連結す
る弾性連結機構と両フライホイール間に配置された粘性
減衰部とを備えている。第1フライホイールはエンジン
側のクランクシャフトに連結される。第2フライホイー
ルには、トランスミッション側のクラッチが装着され
る。
【0003】フライホイール組立体は、さらに、第1フ
ライホイールに固定された円板状のシールプレートを備
えている。シールプレートは、外周部が第1フライホイ
ールにリベットで固定され、第1フライホイールとの間
に流体が充填される環状空間を形成している。この環状
空間内に、前記弾性連結機構及び粘性減衰部が配置され
ている。粘性減衰部は、第1フライホイールと第2フラ
イホイールとが捩じり振動によって往復動作を繰り返す
と、前記環状空間内の流体を利用して粘性抵抗を発生さ
せて捩じり振動を減衰する。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】従来のフライホイール
組立体では、第1フライホイールに固定された流体室ハ
ウジングにより流体室が構成されている。流体室ハウジ
ングの内周端には環状の係合凸部が形成されており、こ
の係合凸部が第2フライホイールと一体回転するドリブ
ンプレートの係合凹部に係合し、流体室の内周部をシー
ルしている。このように従来の構成では、流体室ハウジ
ングを別個に設けて流体室を構成しており、このため、
部品点数が多くなり構造が複雑である。
【0005】本考案の目的は、フライホイール組立体の
粘性減衰部の構造を簡略化することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のフライ
ホイール組立体は、入力側回転体から出力側回転体にト
ルクを伝達するものであり、第1フライホイールと、第
2フライホイールと、ドリブンプレートと、弾性連結機
構と、プレート部材と、粘性減衰機構とを備えている。
第1フライホイールは入力側及び出力側回転体のいずれ
か一方に連結される。第2フライホイールは、入力側及
び出力側回転体の他方に連結され、第1フライホイール
に相対回転自在に支持される。ドリブンプレートは第2
フライホイールと一体回転する。弾性連結機構は第1フ
ライホイールとドリブンプレートとを円周方向に弾性的
に連結する。プレート部材は第1フライホイールに固定
されている。粘性減衰部は、第1フライホイールとプレ
ート部材とによって形成されドリブンプレートの一部が
挿入された円周方向に延びる開口部を有する流体室と、
流体室内に形成され第1フライホイールとドリブンプレ
ートとの相対捩じれ時に流体が通過する絞り部とを有し
ている。粘性減衰部は複数のキャップ状スライドストッ
パーをさらに有している。複数のスライドストッパー
は、流体室内でドリブンプレートの一部に微小捩じり角
度範囲内で相対移動可能に係合し、第1フライホイール
及びプレート部材に直接摺動するようになっている。
らに、このフライホイール組立体ではドリブンプレー
トは軸方向に重ねられた1対の第1及び第2プレートか
らなる。第1プレートには、第1環状凸部と、第1環状
凹部とが各面に形成されている。第2プレートには、第
2環状凸部と、第1環状凸部が噛み合う第2環状凹部と
が各面に形成されている。第1フライホイール及びプレ
ート部材の一方には第1環状凹部に噛み合う第3環状凸
部が形成されている。第1フライホイール及びプレート
部材の他方には第2環状凸部に噛み合う第4環状凸部が
形成されている。この噛み合いによって流体室がシール
されている。
【0007】
【作用】請求項1に記載のフライホイール組立体では、
入力側回転体から第1フライホイールにトルクが入力さ
れると、このトルクは弾性連結機構を介して第2フライ
ホイールに伝達される。また、第1フライホイールに捩
じり振動が伝達されると、第1フライホイールと第2フ
ライホイールとは往復捩じり動作を繰り返す。このと
き、弾性連結機構は第1フライホイールとドリブンプレ
ートとの間で圧縮され、粘性減衰部の流体室内に設けら
れた絞り部を流体が通過する。流体が絞り部を通過する
際に生じる粘性抵抗が、捩じり振動のエネルギーを減衰
する。
【0008】このフライホイール組立体では、粘性減衰
部の流体室は、第1フライホイールとプレート部材とに
より形成されており、従来例の流体室ハウジングのよう
な別部材を設ける必要がなく、構造を簡略化できる。さ
らに、ドリブンプレート、第1フライホイール及び円板
状プレートに環状の凹凸部が設けられているため、それ
ぞれを噛み合わせることにより流体室をシールすること
ができる。ここでは、ドリブンプレートを構成する1対
のプレート間に環状凹凸部の噛み合いによるシールが形
成されているため、1対のプレート間から流体が漏れに
くい。
【0009】
【実施例】第1実施例 図1及び図2は、本考案の第1実施例によるフライホイ
ール組立体1を示している。フライホイール組立体1
は、車輌のエンジンとトランスミッションとの間に配置
され、エンジン側からトランスミッション側にトルクを
伝達するための装置である。図1においては、図の左側
にエンジン(図示せず)が配置され、図の右側にトラン
スミッション(図示せず)が配置されている。さらに図
1におけるO−O線がフライホイール組立体1の回転軸
線であり、図2におけるR1 方向がフラホイール組立体
1の回転方向である。
【0010】フライホイール組立体1は、主に、第1フ
ライホイール2と、第1フライホイール2に軸受4を介
して回転自在に支持された第2フライホイール3と、第
2フライホイール3と一体回転するドリブンプレート1
5と、第1フライホイール2とドリブンプレート15と
を円周方向に弾性的に連結する弾性連結機構8と、第1
フライホイール2とドリブンプレート15との間に配置
され両者間の捩じり振動を減衰するための粘性減衰部9
とを備えている。
【0011】第1フライホイール2は概ね円板状の部材
であり、第2フライホイール3側に突出する中心部のボ
ス部2aと外周環状壁2bとを有している。ボス部2a
と外周環状壁2bとの間には環状凹部が形成されてい
る。ボス部2aの中心には大径の中心孔が形成され、ボ
ス部2aの外周には軸受4が装着される。軸受4は、ボ
ス部2aに貫通するボルト11の頭部によりボス部2a
の端面に固定されている。ボルト11は、ボス部2aに
形成された孔2cを貫通してクランク軸(図示せず)に
第1フライホイール2を固定している。第1フライホイ
ール2の外周環状壁2bのトランスミッション側には半
径方向外側に張り出した環状部2gが形成されている。
なお、第1フライホイール2の外周環状壁2bの外周に
はリングギア12が固定されている。
【0012】第2フライホイール3は、概ね円板状の部
材であり、中心部にボス部3aを有している。ボス部3
aは、第1フライホイール2側に突出しており、その内
周部に軸受4が装着されている。すなわち、ボス部3a
の先端内周側に設けられた環状の受け部3bが軸受4の
エンジン側に当接しており、ボス部3aの内周側に取り
付けられたスナップリング13が軸受4のトランスミッ
ション側に当接している。軸受4は潤滑剤密封型になっ
ており、ボス部2a,3aの間で後述する環状空間Aの
内周部をシールしている。ボス部3aにおいて、先端側
外周部には、図2に示すように、ドリブンプレート15
が連結される波型外歯3cが形成されている。さらに、
第2フライホイール3のトランスミッション側の端面
は、クラッチディスク(図示せず)の摩擦部材が圧接さ
れる摩擦面3dとなっている。
【0013】第1フライホイール2のトランスミッショ
ン側には、円板状のシールプレート5が固定されてい
る。シールプレート5の外周端は、第1フライホイール
2の外周環状壁2bの環状部2gを包み込むようにかし
められたかしめ部5aとなっている。かしめ部5aと外
周環状壁2bの端面との間には、シール部材14が配置
されている。このように、シールプレート5の外周部が
第1フライホイール2の外周部にかしめられているの
で、従来第1フライホイールに形成されたフランジ部を
省略できる。そのため、第1フライホイール2ひいては
フライホイール組立体1の外径を小さくできる。また、
シールプレート5は、円周方向に等間隔で配置された複
数のリベット7により第1フライホイール2に固定され
ている。シールプレート5は、第1フライホイール2の
環状凹部との間で、たとえばグリス等の粘性流体が充填
された環状空間Aを形成している。シールプレート5の
内周端と第2フライホイール3のボス部3aの外周面と
の間には、環状空間Aをシールするための環状のシール
部材30が配置されている。
【0014】ドリブンプレート15は、環状空間A内に
配置された1対のドリブンプレート15A,15Bが当
接してなる円板状部材である。ドリブンプレート15
は、図2に示すように、その内周端に波型内歯15aを
有している。この波型内歯15aは第2フライホイール
3に形成された波型外歯3cに噛み合っており、これに
よってドリブンプレート15が第2フライホイール3と
一体的に回転し得る。また、ドリブンプレート15に
は、円周方向の間隔を隔てて円周方向に延びる5つの窓
孔15bが形成されている。さらに、ドリブンプレート
15の外周面15dには各窓孔15b間から半径方向外
方に突出する複数の突起15cが形成されている。突起
15cは、後述の粘性減衰部9の流体室B内に挿入され
ている。
【0015】次に、弾性連結機構8について説明する。
弾性連結機構8は、円周方向に延びるコイルスプリング
17とコイルスプリング17の両端に配置されたシート
部材18とから構成されている。コイルスプリング17
とシート部材18とは、ドリブンプレート15の窓孔1
5b内に配置されている。なお、第1フライホイール2
の半径方向中間部トランスミッション側の面には、ドリ
ブンプレート15の窓孔15bに対応する部分に、バネ
受け溝2fが形成されている。バネ受け溝2fの円周方
向両端には、シート部材18の一端が当接している。こ
のようにして、第1フライホイール2とドリブンプレー
ト15とは、弾性連結機構8を介して円周方向に弾性的
に連結されていることになる。なお、図2に示す自由状
態においては、シート部材18は第1フライホイール2
のバネ受け溝2fの端部及びドリブンプレート15の窓
孔15bの端部には内周側部分しか当接していない。す
なわち、コイルスプリング17は偏当たり状態で窓孔1
5b内に収納されている。
【0016】次に、粘性減衰部9について説明する。粘
性減衰部9は、第1フライホイール2とシールプレート
5とによって形成された環状の流体室Bを含んでいる。
流体室Bは、図3に詳細に示すように、第1フライホイ
ール2のトランスミッション側端面と外周環状壁2bの
内周面とシールプレート5のエンジン側端面とにより構
成されている。また、第1フライホイール2のバネ受け
溝2fより外周側には旋盤削りにより形成された複数の
弧状の突出部2dが形成されている。各突出部2dの間
には、所定長さの隙間が確保されている。この隙間部分
は、図2に示す自由状態においてドリブンプレート15
の突起15cに対して僅かにR2 側に偏位している。さ
らに、シールプレート5には、第1フライホイール2の
突出部2dに対応する部分にプレス加工によってエンジ
ン側に突出する突出部5bが形成されている。突出部2
d,5b間が流体室Bにおいて半径方向内側に開き円周
方向に延びる開口部Dとなっている。第1フライホイー
ル2の突出部2dとシールプレート5の突出部5bの外
周面は一致している。
【0017】ドリブンプレート15の外周面15dは、
突出部2dと突出部5bとの間に挟まれている。ドリブ
ンプレート15の外周部両側面と突出部2d,5bとの
間にはわずかな隙間が形成されている。なお、突出部2
d,5bの形成されていない部分は、流体室Bと環状空
間Aとの間を粘性流体が通過自在なリターンホールH
(図4)になっている。なお、外周面15dは、突出部
2d及び突出部5bの外周面より径が短い。このような
状態で、ドリブンプレート15の突起15cは、流体室
B内に挿入されている。
【0018】流体室B内には、円周方向に等間隔で5個
のストッパー21が配置されている。ストッパー21は
ゴムまたは樹脂からなるブロックであり、リベット7が
貫通する孔を有している。ストッパー21は、第1フラ
イホイール2とシールプレート5との間で軸方向に圧縮
された状態で挟まれており、その結果スタッドピン7と
ストッパー21の孔との密着度が向上している。
【0019】ストッパー21によって、環状の流体室B
は5つの弧状流体室B1 (図2)に分割されている。各
弧状流体室B1 の円周方向中央部には、ドリブンプレー
ト15の突起15cが配置されている。各弧状流体室B
1 内で、ドリブンプレート15の突起15cに外周側か
ら覆うキャップ状のスライドストッパー22が配置され
ている。スライドストッパー22は、第1フライホイー
ルの外周環状壁2bの内周面と一致する弧状の面を有す
る外周部22aと、外周部22aの両端から半径方向内
側に延びるストッパー部22bとを有している。このス
ライドストッパー22は、従来の側面部を有していない
ため、突起15cから軸方向に取り外しが可能である。
外周部22aとストッパー部22bとは、それぞれ第1
フライホイール2の端面とシールプレート5の端面とに
当接している。このような状態で、スライドストッパー
22は各弧状流体室B1 内で円周方向に移動自在となっ
ている。ただし、スライドストッパー22は、ドリブン
プレート15の突起15cに対してはストッパー部22
bが突起15cに当接するまでの範囲内でしか捩じれ動
作が可能でない。さらに、ストッパー部22bの半径方
向内側端には、切欠き22cが形成されている。
【0020】スライドストッパー22は、各弧状流体室
1 内を、R2 側の大分室24AとR1 側の大分室24
Bとに分割している。さらに、スライドストッパー22
内はドリブンプレート15の突起15cによってR2
の小分室25AとR1 側の小分室25Bとに分割されて
いる。ただし、小分室25Aと小分室25Bとの間は、
ドリブンプレート15の突起15cと第1フライホイー
ル2及びシールプレート5との間に形成された隙間によ
って粘性流体が自由に行き来が可能である。
【0021】1つの弧状流体室B1 の大分室24Bと、
それよりR1 側の弧状流体室B1 の大分室24Aとの内
側にわたってシール部材23が配置されている。シール
部材23は、円周方向に延びる薄い板状の部材であり、
第1フライホイール2の突出部2dの外周面とシールプ
レート5の突出部5bの外周面とに当接している。な
お、シール部材23の円周方向の長さは、図3に示すよ
うに、ドリブンプレート15の外周面15dとの間に
は、所定の隙間Sを確保している。シール部材23の両
端には、半径方向外側に折り曲げられた折曲げ部23a
が形成されている。各折曲げ部23aは、突起15cと
スライドストッパー22のストッパー部22bとの間に
配置されている。図2に示す自由状態では、R1 側の折
曲げ部23aはストッパー部22bに当接しているが、
2 側の折曲げ部23aはストッパー部22bから離れ
て突起15c側に接近している。このように、シール部
材23の円周方向長さは、各スライドストッパー22同
士の円周方向間の距離よりも長く設定されている。
【0022】ストッパー21の内周面とシール部材23
の外周面との間が、チョーク部Cとなっている。このチ
ョーク部Cを粘性流体が通過すると大きな粘性抵抗が発
生するようになっている。次に、動作について説明す
る。図示しないエンジン側のクランクシャフトから第1
フライホイール2にトルクが入力されると、そのトルク
はコイルスプリング17を介してドリブンプレート15
に伝えられ、さらに第2フライホイール3に伝達され
る。第2フライホイール3のトルクは、図示しないクラ
ッチを介してトランスミッション側に伝えられる。
【0023】次に、エンジン側から第1フライホイール
2に捩じり振動が伝達されたときの動作について説明す
る。ただし、ここでは捩じり振動が伝わってきたときの
動作を、ドリブンプレート15(第2フライホイール
3)を他の図示しない部材に回転不能に固定して、それ
に対して第1フライホイール2を捩じる動作として説明
する。
【0024】スライドストッパー22のストッパー部2
2bがドリブンプレート15の突起15cに当接しない
小さな偏移角度の捩じり振動(以後、微小振動という)
が伝達されたときの動作を説明する。図5に示す自由状
態から第1フライホイール2及びシールプレート5がR
1 側に捩じれる。すると、スライドストッパー22もシ
ール部材23とともにR1 側に移動し、図6に示すよう
に、スライドストッパー22内で、小分室25Aは縮小
され小分室25Bは拡張される。小分室25Aから小分
室25Bへは粘性流体は自由に流れる。また粘性流体
は、各小分室25A,25Bと環状空間Aとの間でリタ
ーンホールHを通って自由に行き来できる。
【0025】図6に示す状態から図5に示す中立状態に
戻り、次にR2 側に第1フライホイール2が捩じれたと
する。すると、始めにスライドストッパー22のR1
ストッパー部22bがシール部材23の折曲げ部23a
に当接し、以後はスライドストッパー22はシール部材
23を連れてR2 側に移動する。以後は、小分室25B
が縮小されるとともに小分室25Aが拡張されていく。
このときも、粘性流体は、小分室25Aと小分室25B
間を自由に行き来が可能であるし、また小分室25A,
25Bと環状空間Aとの間でリターンホールHを通じて
自由に行き来が可能である。すなわち、微小振動時に大
きな粘性抵抗は生じない。
【0026】以上に説明した微小振動の場合は、コイル
スプリング17はドリブンプレート15の窓孔15bに
対して偏当たり状態で伸縮している。したがって、低剛
性状態が得られる。すなわち、微小振動の場合は、低剛
性・小粘性抵抗の特性が得られ、トランスミッションの
歯打音、こもり音等の異音発生を効果的に抑える。な
お、以上の動作時に、シール部材23は第1フライホイ
ール2とともに回転しドリブンプレート15に対しては
相対回転をするが、シール部材23とドリブンプレート
15の外周面15dとの間には隙間S(図3)が確保さ
れているので、両者間に摩擦抵抗は発生しない。これに
より、微小振動時の抵抗を小さくできる。
【0027】次に、大きな偏移角度を有する捩じり振動
(以後、大振動という)が伝達されたときの動作につい
て説明する。図8に示す自由状態から第1フライホイー
ル2及びシールプレート5がドリブンプレート15に対
してR2 側に捩じれだしたとする。すると、スライドス
トッパー22が第1フライホイール2とともにR2 側に
移動する。ストッパー部22bがシール部材23の折曲
げ部23aに当接すると、以後はスライドストッパー2
2はシール部材23とともにR2 側へと移動を続ける。
すると、図7に示すように、小分室25Bが縮小され、
小分室25Aが拡張されていく。R1 側のストッパー部
22bが間に折曲げ部23aを挟んだ状態で突起15c
に当接すると、図9に示すように、スライドストッパー
22及びシール部材23はドリブンプレート15の突起
15cに係止された状態になる。この状態からさらにR
2 側への捩じれ動作が続けられると、大分室24Bが縮
小され大分室24Aが拡張されていく。このとき、大分
室24B内の粘性流体はスライドストッパー22、折曲
げ部23a及び突起15cの密着によってR2 側に流れ
ることができず、チョークCを通ってR1 側の大分室2
4A(R1 側の弧状流体室B1 )へと流れる。粘性流体
がチョーク部Cを流れるときには、大きな粘性抵抗が生
じる。また、このときに大分室24B内に発生した圧に
よりシール部材23は半径方向内側に付勢される。その
結果、シール部材23は第1フライホイールの突出部2
d及びシールプレート5の突出部5bとに強く押しつけ
られる。その結果、流体室Bのシール性が向上して大き
な粘性抵抗を確保できるととともに、シール部材23突
出部2d,5dとの間で摩擦抵抗が発生する。なお、シ
ール部材23は2個のスライドストッパー22の円周方
向長さより長いので、図10の状態でシール部材23の
1 側折曲げ部23aとスライドストッパー22のR2
側ストッパー部との間には隙間が確保されている。した
がって大分室24A内にスライドストッパー22内から
粘性流体がスムーズに流入する。
【0028】図10に示す位置から、第1フライホイー
ル2及びシールプレート5がR1 側に捩じれると、中立
位置を通過し、図8〜10と逆の動作を行う。以上に説
明したように、大振動時には、大きな粘性抵抗と摩擦抵
抗が得られる。しかも、捩じり角度が大きくなるとコイ
ルスプリング17のシート部材18が窓孔15bの端部
に全面的に当たるようになるので、剛性が高くなってい
る。すなわち、大振動の場合は、高剛性・大抵抗の特性
が得られ、ティップイン・ティップアウト時の振動(ア
クセルペダルを急に操作したときに生じる車体の前後の
大きな振れ)を効果的に減衰できる。
【0029】図10に示すように、第1フライホイール
2がドリブンプレート15に対して一定角度R2 側に捩
じれた状態で微小振動が伝達されたとする。すると、ス
ライドストッパー22はストッパー部22bが突起15
cに当接する角度範囲内で突起15cに対して往復捩じ
れ動作を繰り返す。このときは、小さな粘性抵抗しか発
生せず、偏位角度の小さな捩じり振動を効果的に吸収で
きる。すなわち、第1フライホイール2とドリブンプレ
ート15との捩じれ角度が大きくなっていても、小さな
偏位角度を有する捩じり振動に対しては小さな粘性抵抗
を発生できる。
【0030】従来の流体室ハウジング及びドライブプレ
ートを省略し第1フライホイール2とシールプレート5
とで流体室Bを形成する構造によって、以下の2点の利
点が得られる。第1の利点は、フライホイール組立体1
において粘性減衰部9を構成部品点数が減少し構造が簡
略化されていることである。第2の利点は、環状流体室
Bの断面積が約1.5倍増加していることである。これ
により、流体がチョーク部Cを通過する際の粘性抵抗が
増大している。
【0031】さらに、シール部材23が大分室24A,
24Bの内周側をシールしているため、ドリブンプレー
ト15にシール用溝を形成する必要がなくなり、その結
果2枚のドリブンプレート15A,15Bの合わせ面の
隙間の精度を向上させる必要がなくなっている。従来
は、合わせ面の隙間の精度を向上させなければそこから
粘性流体がもれて大きな粘性抵抗が得られなかった。ま
た、シール部材23は、突出部2d及び突出部5bとス
トッパー21及びスライドストッパー22との間に挟ま
れているので、遠心力がかかっても変形したり半径方向
外側へ飛びだしたりしにくい。また、シール部材23の
折曲げ部23aが突起15cとスライドストッパー22
のストッパー部22bとの間に挟まれる構造としている
ため、大きな偏位角度を有する捩じり振動の際にスライ
ドストッパー22と突起15cとの間のシール性能が向
上している。さらに、シール部材23の両端が円周方向
に他の部材から自由になっていることにより、熱膨張に
より変形しても、破損することなく機能する。
【0032】また、シールプレート5のかしめ部5aが
第1フライホイール2の外周にかしめられているため、
流体室Bに圧が生じても、シールプレート5が外周環状
壁2bの端面から離れることはない。その結果、流体室
Bのシール性が向上している。また、スライドストッパ
ー22の側面が省略されていることにより、組み立てあ
るいは取り外しの際に、スライドストッパー22をドリ
ブンプレート15の突起15cに対して容易に着脱可能
となっている。また、突起15cの側面がスライドスト
ッパー22と摺動することがないので、従来必要であっ
た突起15cの機械加工が不要となり、ドリブンプレー
ト15をプレス加工のみで製造できる。
【0033】シールプレート5を第1フライホイール2
に組み付ける前の状態では、シールプレート5の外周部
にはエンジン側に延びる筒部が形成されている。この筒
部が第1フライホイール2の環状部2gを覆った状態
で、かしめ装置によりロールかしめを行う。その結果、
筒部が環状部2gを包み込むように折曲げられ、かしめ
部5aになる。第2実施例 図11〜図13に示す第2実施例では、第1実施例と同
じ構造については同じ符号を用い、異なる部分に異なる
符号を用いている。以下、異なる構造についてのみ説明
する。 (1)スライドストッパーの構造 スライドストッパー22は、突起15cの両側面に当接
する側壁22bを有している。 (2)流体室のシール構造 突出部2dには、旋盤削りにより環状突起101が形成
されている。また、ドリブンプレート15を構成する1
対のプレート115A,115Bには突起101に対応
する位置にプレス加工により形成された凹凸部が形成さ
れている。すなわち、第1ドリブンプレート115Aに
は、環状凸部102aと環状凹部102bが形成されて
いる。また、第2ドリブンプレート115Bには、環状
凸部103aと環状凹部103bとが形成されている。
第1ドリブンプレート115Aの環状凸部102aは第
2ドリブンプレート115Bの環状凹部103bに嵌め
られている。これにより、第1ドリブンプレート115
Aと第2ドリブンプレート115Bとの合わせ面のシー
ル性が向上している。
【0034】突起101は、第1ドリブンプレート11
5Aの環状凹部102bに嵌められている。また、第2
ドリブンプレート115Bの環状突起103aは、シー
ルプレート5の突起5bの内周側に当接している。以上
のように、第1フライホイール2、ドリブンプレート1
15及びシールプレート5に形成された突起及び凹部同
士の係合により、環状流体室Bの開口部Dがシールされ
ている。第3実施例 図14に示すフライホイール組立体1は、第1フライホ
イール2とシールプレート5とによって形成された環状
空間A内に配置された環状ハウジング110によって粘
性流体室が形成されている。ハウジング110の半径方
向内周端面側には環状突起110aが形成されており、
環状突起110aはドリブンプレート15の環状溝15
f内に挿入されている。
【0035】シールプレート5の外周部は、第1フライ
ホイール2の外周環状壁2bの突出部2gの外周側から
かしめられたかしめ部5aになっている。外周壁2bの
端面とシールプレート5との間には、環状のシール部材
114が配置されている。この実施例でも、シールプレ
ート5の外周部が第1フライホイール2の外周部にかし
められているため、第1フライホイール2にフランジ部
を設ける必要が無くなり、外径が小さくなる。
【0036】
【考案の効果】本考案に係るフライホイール組立体で
は、粘性減衰部の流体室は、第1フライホイールと円板
状プレートとにより形成されており、従来例の流体室ハ
ウジングのような別部材を設ける必要なく、構造を簡略
化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例によるフライホイール組立体の縦断
面概略図。
【図2】図1のII−II断面図。
【図3】図1の部分拡大図。
【図4】図1の部分拡大図。
【図5】図2の部分拡大図。
【図6】捩じれ動作の一状態を示す図5に相当する図。
【図7】捩じれ動作の一状態を示す図5に相当する図。
【図8】図2の部分拡大図。
【図9】捩じれ動作の一状態を示す図8に相当する図。
【図10】捩じれ動作の一状態を示す図8に相当する
図。
【図11】第2実施例によるフライホイール組立体の縦
断面概略図であり、図1に相当する図。
【図12】第2実施例において図2に相当する図。
【図13】第2実施例において図3に相当する図。
【図14】第3実施例のフライホイール組立体の縦断面
概略部分図。
【符号の説明】
1 フライホイール組立体 2 第1フライホイール 3 第2フライホイール 5 シールプレート 5a かしめ部 8 弾性連結機構 9 粘性減衰部 A 環状空間
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 15/16 F16F 15/30

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力側回転体から出力側回転体にトルクを
    伝達するフライホイール組立体であって、 前記入力側及び出力側回転体のいずれか一方に連結され
    る第1フライホイールと、 前記入力側及び出力側回転体の他方に連結され、前記第
    1フライホイールに相対回転自在に支持された第2フラ
    イホイールと、 前記第2フライホイールと、一体回転するドリブンプレ
    ートと、 前記第1フライホイールと前記ドリブンプレートとを円
    周方向に弾性的に連結する弾性連結機構と、 前記第1フライホイールに固定されたプレート部材と、 前記第1フライホイールと、前記プレート部材とによっ
    て形成され前記ドリブンプレートの一部が挿入された円
    周方向に延びる開口部を有する流体室と、前記流体室内
    に形成され前記第1フライホイールと前記ドリブンプレ
    ートとの相対捩じれ時に流体が通過する絞り部とを有す
    る、捩じり振動を減衰するための粘性減衰部とを備え、 前記粘性減衰部は複数のキャップ状スライドストッパー
    をさらに有し、 前記複数のキャップ形状スライドストッパーは、前記流
    体室内で前記ドリブンプレートの前記一部に微小捩じり
    角度範囲内で相対移動可能に係合し、前記第1フライホ
    イール及び前記プレート部材に直接摺動するようになっ
    おり、 前記ドリブンプレートは軸方向に重ねられた1対の第1
    及び第2プレート(115A、115B)からなり、 前記第1プレート(115A)には、第1環状凸部(1
    02a)と、第1環状凹部(102b)とが各面に形成
    され、 前記第2プレート(115B)には、第2環状凸部(1
    03a)と、前記第1環状凸部が噛み合う第2環状凹部
    (103b)とが各面に形成され、 前記第1フライホイール及び前記プレート部材の一方に
    は前記第1環状凹部に噛み合う第3環状凸部(101)
    が形成され、 前記第1フライホイール及び前記プレート部材の他方に
    は前記第2環状凸部に噛み合う第4環状凸部(5b)が
    形成され、 前記噛み合いにより前記流体室がシールされている、フ
    ライホイール組立体。
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