JP3474624B2 - ダンパー装置 - Google Patents

ダンパー装置

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JP3474624B2
JP3474624B2 JP01768294A JP1768294A JP3474624B2 JP 3474624 B2 JP3474624 B2 JP 3474624B2 JP 01768294 A JP01768294 A JP 01768294A JP 1768294 A JP1768294 A JP 1768294A JP 3474624 B2 JP3474624 B2 JP 3474624B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダンパー装置、特に、
入力側回転体と出力側回転体との間に配置されトルクを
伝達するダンパー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車輌においてエンジンとトランスミッシ
ョンとの間には、両者間にトルクを伝達するとともに捩
じり振動を減衰するためのダンパー装置が設けられてい
る。このようなダンパー装置としてのフライホイール組
立体は、一般に、エンジン側のクランクシャフトに連結
される第1フライホイールと、クラッチディスクが当接
可能な摩擦面を有する第2フライホイールと、第1フラ
イホイールと第2フライホイールとを円周方向に弾性的
に連結し、両部材間の捩じり振動を減衰するための減衰
部とを備えている。第1フライホイールはトランスミッ
ション側に延びる中心ボスを有しており、中心ボスの外
周に設けられた軸受を介して第2フライホイールは第1
フライホイールに相対回転自在に支持されている。
【0003】エンジン側からの曲げ振動を吸収するため
に、エンジン側のクランクシャフトと第1フライホイー
ルとの間に軸方向に撓み可能なフレキシブルプレートを
設けたフライホイール組立体が知られている。フレキシ
ブルプレートは、内周端がクランクシャフトの先端に固
定され、外周端が第1フライホイールの外周部に固定さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のダンパー装
置では、フレキシブルプレートと第1フライホイールと
が外周部同士で固定されている。そのため、フレキシブ
ルプレートと第1フライホイールのボス及び軸受との位
置決めは、フレキシブルプレート及び第1フライホイー
ルの外周部を介して行われることになる。そのため、各
部材間の同心度は低下する。
【0005】本発明の目的は、部品同士の同心度を高め
ることにある。本発明の他の目的は、コストを低くする
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るダンパー装
置は、入力側回転体と出力側回転体との間に配置されト
ルクを伝達する装置であり、円板状フレキシブルプレー
トと円板状入力側プレートと出力側部材と軸受と減衰部
とを備えている。円板状フレキシブルプレートは、中心
孔を有し、入力側回転体に内周端が固定され曲げ方向に
撓み可能である。円板状入力側プレートは、フレキシブ
ルプレートの外周端に外周端が固定され、中心部に前記
フレキシブルプレートの中心孔に嵌入するボスを有す
。出力側部材は、出力側回転体に連結される。軸受
は、ボスに装着され入力側プレートに対して出力側部材
を円周方向に相対回転自在に支持する。減衰部は、入力
プレートと出力側部材とを円周方向に弾性的に連結
し、入力側プレートと出力側部材との間の捩じり振動を
減衰するためのものである。
【0007】減衰部が収納されかつ流体が充填された流
体空間を入力側円板状プレートとともに形成する円板プ
レートをさらに備えており、ボスは、流体空間と外部と
を連通する孔と孔を塞ぐ部材とを有しているさらに、
出力側部材はハブフランジであり、軸受は、ボスに装着
されるインナーレースと前記ハブフランジの内周に装着
されるアウターレースとを有しているのが好ましい。
発明の他の見地に係るダンパー装置は、クランクシャフ
トと出力側回転体との間に配置されトルクを伝達する装
置であり、円板状フレキシブルプレートと円板状入力側
プレートと出力側部材と軸受と減衰部とを備えている。
円板状フレキシブルプレートは、中心孔を有し、クラン
クシャフトに芯出しされた状態で内周端が固定され曲げ
方向に撓み可能である。円板状入力側プレートは、フレ
キシブルプレートの外周端に外周端が固定され、中心部
にフレキシブルプレートの中心孔に嵌入するボスを有す
る。出力側部材は出力側回転体に連結される。軸受は、
ボスに装着され入力側プレートに対して出力側部材を円
周方向に相対回転自在に支持する。減衰部は、入力側プ
レートと出力側部材とを円周方向に弾性的に連結し、入
力側プレートと出力側部材との間の捩じり振動を減衰す
るためのものである。
【0008】
【作用】本発明に係るダンパー装置では、入力側回転体
からトルクが伝達されると、円板状フレキシブルプレー
ト、円板状入力側プレートを介して減衰部に伝達され
る。このトルクは、減衰部から出力側部材を介して出力
側回転体に出力される。エンジン側からの曲げ振動は円
板状フレキシブルプレートで吸収され、捩じり振動は減
衰部で減衰される。
【0009】ここでは、円板状入力側プレートのボスが
フレキシブルプレートの中心孔に嵌入され、かつ軸受を
支持している。このため、フレキシブルプレート、ボ
ス、軸受及び出力側部材の同心度が向上する。円板状
力側プレートのボスが流体空間と外部とを連通する孔
と、孔を塞ぐ部材を有しているため、孔を利用して流体
空間内に油を容易に充填又は排出することができる。そ
の結果、コストが低くなる。軸受はボスに装着されるイ
ンナーレースとハブフランジの内周に装着されるアウタ
ーレースとを有している場合は、前記作用がさらに有効
になる。
【0010】
【実施例】図1〜図3は、本発明の一実施例としてのダ
ンパー装置1を示している。ダンパー装置1は、エンジ
ン側のクランクシャフト301からトランスミッション
のメインドライブシャフト302にトルクを伝達するた
めの装置である。図1においては、図の左側にエンジン
(図示せず)が配置され、図の右側にトランスミッショ
ン(図示せず)が配置されている。さらに、図1におけ
るO−O線がダンパー装置1の回転軸線であり、図2に
おけるR1 方向がダンパー装置1の回転方向である。
【0011】ダンパー装置1は、主に、フレキシブルプ
レート2と、フレキシブルプレート2に固定されたリン
グ部材8と、ハブフランジ3と、リング部材8とハブフ
ランジ3とを円周方向に弾性的に連結し両部材間の捩じ
り振動を減衰するための減衰部4とを備えている。フレ
キシブルプレート2は、概ね円板状の部材であり、曲げ
方向に撓みが可能であり、回転方向に剛性が高い。フレ
キシブルプレート2は、中心に中心孔2aを有してい
る。また、フレキシブルプレート2は、半径方向中間部
に円周方向に等間隔で形成された複数の丸孔2bを有し
ている。この丸孔2bの内周側には円周方向に等間隔で
複数のボルト孔2cが形成されている。ボルト孔2cを
貫通するボルト6によって、フレキシブルプレート2の
内周端がクランクシャフト301の先端に固定されてい
る。さらに、フレキシブルプレート2の外周部エンジン
側には、図3に示す複数の弧状イナーシャ部材7がリベ
ット51により固定されている。このイナーシャ部材7
により、ダンパー装置1の慣性モーメントが増大してい
る。また、イナーシャ部材7は環状部材を円周方向に分
割した形状であるために、フレキシブルプレート2の曲
げ方向の撓みを保証している。フレキシブルプレート2
の外周端は、複数のボルト10により円板プレート9を
介してリング部材8に固定されている。イナーシャ部材
7はボルト10に対応する切欠きを有している。
【0012】ハブフランジ3は、ボス3aと、ボス3a
の外周に一体形成されたフランジ3bとからなる。ボス
3aの中心には、トランスミッション側から延びるメイ
ンドライブシャフト302のスプライン歯に係合するス
プライン孔3cが形成されている。減衰部4は、主に、
第1入力側プレート13と、第2入力側プレート14
と、ドリブンプレート19と、コイルスプリング22
と、粘性抵抗発生部25とを備えている。
【0013】第1入力側プレート13及び第2入力側プ
レート14は円板状板部材である。第1入力側プレート
13の内周端は第2入力側プレート14の内周端よりさ
らに半径方向内周側に延びている。第2入力側プレート
14は、外周部に、エンジン側に延びかつ第1入力側プ
レート13の外周端に固定された円筒壁を有している。
また、この円筒壁は、リング部材8の内周に溶接されて
いる。第1入力側プレート13と第2入力側プレート1
4とは、ドリブンプレート19、コイルスプリング22
及び粘性抵抗発生部25等を収容する流体空間Aを形成
している。この流体空間A内には粘性流体が充填されて
いる。
【0014】ドリブンプレート19は円板状の部材であ
り、複数のリベット20により内周端がハブフランジ3
のフランジ3bに連結されている。ドリブンプレート1
9の半径方向中間部には、図2に示すように、円周方向
に延びる複数の窓孔19aが形成されている。さらに、
ドリブンプレート19の外周端両側面には、それぞれ環
状のシール用溝19bが形成されている。また、ドリブ
ンプレート19の外周面19cからは複数の突起19d
が半径方向外側に延びている。
【0015】コイルスプリング22はそれぞれ大小のコ
イルスプリングが組合せられたものであり、ドリブンプ
レート19の窓孔19a内に配置されている。コイルス
プリング22の両端にはシート部材23が配置されてい
る。なお、第1入力側プレート13及び第2入力側プレ
ート14にはドリブンプレート19の窓孔19aに対応
する部分にスプリング収容部13a,14aが形成され
ている。スプリング収容部13a,14aの円周方向両
端には、シート部材23が当接している。このようにし
て、入力側プレート13,14とドリブンプレート19
とがコイルスプリング22を介して円周方向に弾性的に
連結されていることになる。なお、図2に示す自由状態
においては、シート部材23は、入力側プレート13,
14のスプリング収容部13a,14a端部とドリブン
プレート19の窓孔19a端部とには内周部分でしか当
接していない。すなわち、コイルスプリング22は偏当
たり状態で窓孔19a及びスプリング収容部13a,1
4a内に収納されている。
【0016】次に、粘性抵抗発生部25について説明す
る。粘性抵抗発生部25は、流体空間A内で最も外周に
配置された環状ハウジング27と、環状ハウジング27
を第1入力側プレート13及び第2入力側プレート14
に連結する複数のピン28と、ハウジング27内に配置
された複数のスライドストッパー29とから構成されて
いる。
【0017】環状ハウジング27は、第2入力側プレー
ト14の外周壁内側に配置され、軸方向両端面が入力側
プレート13,14に挟まれている。環状ハウジング2
7の内周側には円周方向に延びる開口が形成されてお
り、開口内にドリブンプレート19の外周部が挿入され
ている。環状ハウジング27内には、粘性流体が充填さ
れる環状流体室Bが形成されている。さらに、環状ハウ
ジング27内には、円周方向に等間隔で複数のストッパ
ー部27aが一体形成されている。ストッパー部27a
は、環状流体室Bを複数の弧状流体室B1 に分割してい
る。ストッパー部27aはピン28が挿通される孔を有
している。ピン28は両端が入力側プレート13,14
に回転不能に係合している。これにより、環状ハウジン
グ27と入力側プレート13,14とが一体回転するよ
うになっている。また、このピン28の胴部の長さによ
って、粘性抵抗を決定する環状ハウジング27の幅寸法
が決定される。
【0018】環状ハウジング27の半径方向内方端部に
は、互いに近づく方向に突出する環状の突起27bが形
成されており(突起27b間が前記開口となってい
る)、この突起27bがドリブンプレート19に形成さ
れた環状のシール用溝19bに嵌合して、環状流体室B
の内周側をシールしている。突起27bとシール用溝1
9bとの係合部分は、粘性流体を介して、入力側機構
(入力側プレート13,14及び環状ハウジング27)
と出力側機構(ドリブンプレート19、ハブフランジ
3)との間で生じる荷重(スラスト荷重、ラジアル荷
重、曲げ荷重)を後述する軸受17とで分担して支持し
ている。
【0019】なお、各ストッパー部27a間の中間部分
には両端面の半径方向内側においてリターンホール27
cが形成されている。リターンホール27cによって粘
性流体は環状流体室Bと流体空間Aとの間を自由に行き
来できる。図2に示す自由状態においてドリブンプレー
ト19の突起19dは、リターンホール27cに対応す
る位置に配置されている。
【0020】各弧状流体室B1 内で、ドリブンプレート
19の突起19dを外周側から覆うキャップ状の樹脂製
スライドストッパー29が配置されている。スライドス
トッパー29は環状ハウジング27の外側内周面と一致
する外周部を有しており、弧状流体室B1 内で円周方向
に移動自在に配置されている。スライドストッパー29
は、ドリブンプレート19の突起19dに対して、円周
方向壁部が突起19dに当接する範囲内で円周方向に移
動自在である。スライドストッパー29は、円周方向両
壁部の半径方向内側において切欠き29aを有してい
る。また、スライドストッパー29の軸方向両壁部の半
径方向内側には切欠き29bが形成されている。ストッ
パー部29の半径方向内側部は環状ハウジング27の環
状突起27bに当接している。
【0021】各弧状流体室B1 内は、スライドストッパ
ー29によってR2 側の第1大分室31とR1 側の第2
大分室32とに分割されている。さらに、スライドスト
ッパー29内は、ドリブンプレート19の突起19dに
よってR2 側の第1小分室33とR1 側の第2小分室3
4とに分割されている。第1小分室33と第2小分室3
4との間は、ドリブンプレート19の突起19dとスラ
イドストッパー29との間に形成された隙間、スライド
ストッパー29の切欠き29b及びリターンホール27
cによって粘性流体が自由に行き来可能である。さら
に、粘性流体は、第1大分室31と第1小分室33との
間でスライドストッパー29のR2 側切欠き29aを通
って自由に行き来が可能であり、第2小分室34と第2
大分室32との間ではスライドストッパー29のR1
切欠き29aを通って自由に行き来可能である。但し、
スライドストッパー29の円周方向壁部が突起19dに
当接すると、スライドストッパー29における円周方向
内外の粘性流体の流れは遮断される。
【0022】ストッパー部27aの内周面とドリブンプ
レート19の外周面19cとの間が、チョーク部Cとな
っている。このチョーク部Cを粘性流体が通過すると大
きな粘性抵抗が発生するようになっている。ドリブンプ
レート19の内周部とハブフランジ3のフランジ3bと
がリベット20によって固定された部分に、図4に示す
ようにばねシール部材35が挟まれている。ばねシール
部材35は円環状の薄い板金製であり、リベット20が
貫通する複数の孔を有する固定部35aと、固定部35
aの内周側からトランスミッション側に延びる外周円筒
部35bと、外周円筒部35bから外周側に延びる圧接
部35cとを備えている。圧接部35cは、図4に示す
ように、第2入力側プレート14の内周端部エンジン側
に弾性的に当接している。この圧接力によって生じる反
力により、ドリブンプレート19及びハブフランジ3が
エンジン側に付勢されている。ばねシール部材35は、
流体空間Aにおいて第2入力側プレート14とハブフラ
ンジ3との間をシールしている。
【0023】第1入力側プレート13の内周端の中心孔
は、ボス15に嵌合し溶接により固定されている。ボス
15のエンジン側外周面15aはフレキシブルプレート
2の中心孔2a内に嵌入している。ボス15内には、軸
方向に貫通する中心孔15cと中心孔15cに連通する
とともに流体空間Aに通じる径方向孔15bとが形成さ
れている。中心孔15c内には、リベット16が挿入さ
れ中心孔15cを塞いでいる。組立時において、中心孔
15cと径方向孔15bとを利用して流体空間A内に粘
性流体を容易に充填及び排出できる。その結果、コスト
が低くなる。
【0024】ボス15のトランスミッション側外周面
と、ハブフランジ3のボス3a内周部との間には軸受1
7が配置されている。軸受17は、ボス15とハブフラ
ンジ3とを相対回転自在に支持している。軸受17のイ
ンナーレースは、ボス15の溝に固定されている。軸受
17のアウターレースは、ボス3aの内周に固定されて
いる。このように、ボス15がフレキシブルプレート2
の中心孔2aに位置決めされ、さらに軸受17の位置決
めを行っている。この結果、フレキシブルプレート2、
ボス15及び軸受17の同心度が向上する。この実施例
では、入力側機構と出力側機構との間で生じる荷重が、
粘性抵抗発生部25において環状ハウジング27の環状
突起27bとドリブンプレート19のシール用溝19b
との嵌合によっても分担支持されているので、軸受17
に作用する荷重を少なくできる。そのため、軸受17を
径方向に小さくでき、コストが低くなる。軸受17はク
ランクボルト6のピッチ円D(図2)内に配置されてい
る。この結果、減衰部4の内周側の設計自由度が向上す
る。そのため、たとえば、ドリブンプレート19を内周
側に延ばしたりコイルスプリング22をより内周側に配
置することが可能になる。また、クランクボルト16の
頭部が回転するための空間を容易に確保できる。
【0025】軸受17は、両端面においてインナーレー
スとアウターレースとの間をシールするシール部材を有
している。このシール部材は、インナーレースとアウタ
ーレースとの間に潤滑剤を密封するとともに、流体空間
Aにおいてボス15とハブフランジ3の内周部との間を
シールしている。ハブフランジ3は、前述したようにば
ねシール部材35によってエンジン側に付勢されてい
る。そのため、軸受17には、ハブフランジ3からエン
ジン側に予圧が与えられている。このように、ばねシー
ル部材35は、流体空間Aをシールするとともに軸受1
7に予圧を与える部材としても機能しており、単一部材
で複数の機能を有している。この結果、部品点数を減ら
すことができ、製造コストが低くなる。また、ばねシー
ル部材35は板金製であるのでコストが低くなる。
【0026】ハブフランジ3のフランジ3bのトランス
ミッション側にはイナーシャ部材42が設けられてい
る。イナーシャ部材42は第2入力側プレート14のト
ランスミッション側を覆う円板状の部材であり、内周端
がリベット20によってフランジ3bとドリブンプレー
ト19とに固定されている。イナーシャ部材42が設け
られることによって、出力側機構の慣性モーメントが増
大している。さらに、イナーシャ部材42の外周にはエ
ンジン始動用リングギア11が溶接されている。イナー
シャ部材42が円板状部材なので、リングギア11を固
定しやすくなっている。そのため、コストが低下する。
リングギア11は従来はリング部材8の外周に溶接され
ていた部材であるが、本実施例のように入力側機構から
出力側機構に移すことで、容易に出力側機構の慣性モー
メントを増大できる。出力側機構の慣性モーメントが増
大すると、ダンパー装置1を含む駆動系において共振周
波数を自動車のアイドル回転数(実用回転数)以下に下
げることが可能になる。従来からあるリングギア11を
用いることで、コストが低くなっている。
【0027】次に動作について説明する。クランクシャ
フト301からトルクがフレキシブルプレート2に入力
されると、そのトルクはリング部材8及び入力側プレー
ト13,14を通り、コイルスプリング22を介してド
リブンプレート19に伝達される。ドリブンプレート1
9のトルクはハブフランジ3に伝達され、さらにメイン
ドライブシャフト302からトランスミッション側に出
力される。クランクシャフト301からリング部材8に
伝わるトルクに含まれる曲げ振動は、フレキシブルプレ
ート2によって絶縁され、減衰部4側に伝達されにく
い。たとえ曲げ振動が伝達されたとしても、その曲げ荷
重は、軸受17と、環状ハウジング27の環状突起27
bとドリブンプレート19のシール用溝19bとの係合
とによって分担されて支持される。したがって、軸受1
7に係る荷重が少なくなるので、軸受17を径方向に小
型化できる。そのため軸受17は安価になる。
【0028】次に、クランクシャフト301からダンパ
ー装置1に捩じり振動が伝達されたときの動作について
説明する。但し、ここでは捩じり振動が伝達されたとき
の動作を、出力側機構(ドリブンプレート19及びハブ
フランジ3)を他の図示しない部材に回転不能に固定し
て、それに対して入力側機構(第1入力側プレート1
3、第2入力側プレート14及び環状ハウジング27)
を捩じった場合の動作に置き換えて説明する。
【0029】スライドストッパー29の円周方向壁部が
ドリブンプレート19の突起19dに当接しないような
小さな偏位角度の捩じり振動(以後、微小振動と言う)
が伝達されたときの動作を説明する。図5に示す自由状
態で入力側プレート13,14がR2 側に捩じれたとす
る。すると、スライドストッパー19がR2 側に移動
し、図6に示すように、スライドストッパー29内で第
1小分室33は拡張され第2小分室34は縮小される。
第2小分室34から第1小分室33へは、粘性流体はス
ライドストッパー29の外周部と突起19dとの間、切
欠き29b及びリターンホール27cを通って自由に流
れる。また、粘性流体は、スライドストッパー29内と
流体空間Aとの間でリターンホール27cを通って自由
に行き来できる。
【0030】図6の状態からさらに捩じり動作を続ける
と、やがて図7に示すようにスライドストッパー29に
おけるR1 側の円周方向壁部がドリブンプレート19の
突起19dに当接する。これ以後は、スライドストッパ
ー29はドリブンプレート19に係止された状態とな
り、環状ハウジング27とスライドストッパー29との
間に相対回転が生じる。なお、図7に示す状態では第2
大分室32とリターンホール27cとは連通している
が、さらに捩じり動作が進むと図8に示すようにリター
ンホール27cは突起19dによって塞がれる。
【0031】図5に示す自由状態から環状ハウジング2
7がR1 側に捩じれた場合にも、前述した動作と同様な
動作が行われる。微小振動時には、スライドストッパー
29と環状ハウジング27との間で相対回転が生じない
ので第2大分室32は縮小されず、チョーク部Cを粘性
流体が通過しない。すなわち、微小振動時には大粘性抵
抗は生じない。また、微小振動時には、コイルスプリン
グ22はドリブンプレート19の窓孔19a及び入力側
プレート13,14のスプリング収容部13a,14a
に対して偏当たり状態で伸縮している。したがって、低
剛性状態が得られる。すなわち、微小振動の場合は、低
剛性・小粘性抵抗の特性が得られ、トランスミッション
の歯打ち音、こもり音等の異音発生を効果的に抑えるこ
とができる。
【0032】次に、大きな偏位角度を有する捩じり振動
(以後、大振動と言う)が伝達された時の動作について
説明する。図2に示す自由状態から環状ハウジング27
がドリブンプレート19に対してR2 側に回転した場合
は、スライドストッパー29がR2 側に移動する。以
後、微小振動の場合と同様に図5から図8までの動作を
行う。図8に示すように、第2大分室32のR2 側がス
ライドストッパー29とドリブンプレート19の突起1
9dとの間でシールされた状態になると、第2大分室3
2が縮小され始める。この結果、第2大分室32内の粘
性流体はチョーク部Cを通ってR1 側の弧状流体室B1
へと流れる(図9)。粘性流体がチョーク部Cを流れる
ときには大きな粘性抵抗が生じる。なお、各第1大分室
31内には、リターンホール27cを通って流体空間A
から粘性流体がスムーズに流入する。したがって、環状
流体室B内に粘性流体が不足することはない。
【0033】図9に示す位置から環状ハウジング27が
1 側に捩じれると、中立位置を通過し、図9と逆の動
作を行う。以上に説明したように、大振動時には、大き
な粘性抵抗が得られる。しかも、捩じり角度が大きくな
ると、コイルスプリング22のシート部材23が窓孔1
9aの端部及び入力側プレート13,14のスプリング
収容部13a,14a端部に全面的に当たるようになる
ので剛性が高くなる。すなわち、大振動時には、高剛性
・大粘性抵抗の特性が得られ、ティップイン・ティップ
アウト時の振動(アクセルペダルを急に操作したときに
生じる車体の前後の大きな振れ)を効果的に減衰でき
る。
【0034】図9に示すように、環状ハウジング27が
ドリブンプレート19に対して所定角度R2 側に捩じれ
た状態で微小振動が伝達されたとする。すると、スライ
ドストッパー29は円周方向壁部が突起19dに当接し
ない角度範囲内で突起19dに対して往復捩じれ動作を
繰り返す。このときは、粘性流体はチョーク部Cを流れ
ず、大きな粘性抵抗を発生しない。すなわち、環状ハウ
ジング27とドリブンプレート19との捩じれ角度が大
きくなっていても、微小振動を効果的に吸収できる。
【0035】
【発明の効果】本発明に係るダンパー装置では、円板状
入力側プレートのボスがフレキシブルプレートの中心孔
に嵌入され、かつ軸受のインナーレースを支持している
ので、フレキシブルプレート、ボス、軸受および出力側
部材の同心度が向上する。円板状プレートのボスが流体
空間と外部とを連通する孔と、孔を塞ぐ部材を有してい
る場合は、孔を利用して流体空間内に油を容易に充填又
は排出することができる。その結果、コストが低くな
る。軸受はボスに装着されるインナーレースとハブフラ
ンジの内周に装着されるアウターレースとを有している
場合は、前記効果がさらに有効になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるダンパー装置の縦断面
概略図。
【図2】トランスミッション側から見たダンパー装置の
切欠き平面図。
【図3】エンジン側から見たダンパー装置の切欠き平面
図。
【図4】図1の拡大部分図。
【図5】図2の拡大部分図。
【図6】捩じれ動作の一状態を示す、図5に相当する
図。
【図7】捩じれ動作の一状態を示す、図5に相当する
図。
【図8】捩じれ動作の一状態を示す、図5に相当する
図。
【図9】捩じれ動作の一状態を示す、図2の拡大部分
図。
【符号の説明】
1 ダンパー装置 2 フレキシブルプレート 2a 中心孔 3 ハブフランジ 4 減衰部 13 第1入力側プレート 14 第2入力側プレート 15 ボス 15a 外周面 15b 中心孔 15c 径方向孔 16 リベット 17 軸受
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 15/123 F16F 15/30 F16F 15/134 F16F 15/16 F16F 15/31 PCI(DIALOG)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力側回転体と出力側回転体との間に配置
    されトルクを伝達するダンパー装置であって、 中心孔を有し、前記入力側回転体に内周端が固定され、
    曲げ方向に撓み可能な円板状フレキシブルプレートと、 前記フレキシブルプレートの外周端に外周端が固定さ
    れ、中心部に前記フレキシブルプレートの中心孔に嵌入
    するボスを有する円板状入力側プレートと、 前記出力側回転体に連結される出力側部材と、 前記ボスに装着され、前記入力側プレートに対して前記
    出力側部材を円周方向に相対回転自在に支持する軸受
    と、 前記入力側部材と前記出力側部材とを円周方向に弾性的
    に連結し、入力側部材と出力側部材との捩じり振動を減
    衰するための減衰部とを備え、 前記減衰部が収納されかつ流体が充填された流体空間を
    前記入力側円板状プレートとともに形成する円板プレー
    トをさらに備え、 前記ボスは、前記流体空間と外部とを連通する孔と、前
    記孔を塞ぐ部材とを有している、 ダンパー装置。
  2. 【請求項2】前記出力側部材はハブフランジであり、 前記軸受は、前記ボスに装着されるインナーレースと前
    記ハブフランジの内周に装着されるアウターレースとを
    有している、請求項に記載のダンパー装置。
  3. 【請求項3】クランクシャフトと出力側回転体との間に
    配置されトルクを伝達するダンパー装置であって、 中心孔を有し、前記クランクシャフトに芯出しされた状
    態で内周端が固定され、曲げ方向に撓み可能な円板状フ
    レキシブルプレートと、 前記フレキシブルプレートの外周端に外周端が固定さ
    れ、中心部に前記フレキシブルプレートの中心孔に嵌入
    するボスを有する円板状入力側プレートと、 前記出力側回転体に連結される出力側部材と、 前記ボスに装着され、前記入力側プレートに対して前記
    出力側部材を円周方向に相対回転自在に支持する軸受
    と、 前記入力側部材と前記出力側部材とを円周方向に弾性的
    に連結し、入力側部材と出力側部材との捩じり振動を減
    衰するための減衰部と、 を備えたダンパー装置。
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