JP2000035053A - ダンパー機構 - Google Patents

ダンパー機構

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JP2000035053A
JP2000035053A JP20406298A JP20406298A JP2000035053A JP 2000035053 A JP2000035053 A JP 2000035053A JP 20406298 A JP20406298 A JP 20406298A JP 20406298 A JP20406298 A JP 20406298A JP 2000035053 A JP2000035053 A JP 2000035053A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 2段の捩じり特性を有するダンパー機構にお
いて、正負2段目の微小捩じり振動に対する低ヒステリ
シストルク角度に起因する問題点を解決する。 【解決手段】 クラッチディスク組立体1は、入力回転
体2と出力回転体3とダンパー機構4, 5と大摩擦機構
13とを備えている。ダンパー機構は入力回転体2と出
力回転体3とを回転方向に連結するための機構である。
ダンパー機構は、捩り特性において2段目とそれより剛
性の高い2段目とを有している。2段目は入力回転体2
が出力回転体3に対して回転方向駆動側に捩れた正側と
その反対側に捩れた負側とにそれぞれ存在する。大摩擦
機構13は2段目において入力回転体2と出力回転体3
が相対回転する時に摩擦を発生可能である。正側2段目
隙間角度θACpは、正側2段目で所定トルク以下の捩
り振動が入力されると大摩擦機構13を作動させない機
構である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダンパー機構、特
に、動力伝達系における捩じり振動を減衰するためのダ
ンパー機構に関する。
【0002】
【従来の技術】車輌に用いられるクラッチディスク組立
体は、フライホイールに連結・切断されるクラッチ機能
と、フライホイールからの捩じり振動を吸収・減衰する
ためのダンパー機能とを有している。一般に車両の振動
には、アイドル時異音(ガラ音)、走行時異音(加速・
減速ラトル,こもり音)及びティップイン・ティップア
ウト(低周波振動)がある。これらの異音や振動を取り
除くことがクラッチディスク組立体のダンパーとしての
機能である。
【0003】アイドル時異音とは、信号待ち等でシフト
をニュートラルに入れ、クラッチペダルを放したときに
トランスミッションから発生する「ガラガラ」と聞こえ
る音である。この異音が生じる原因は、エンジンアイド
リング回転付近ではエンジントルクが低く、エンジン爆
発時のトルク変動が大きいことにある。このときにトラ
ンスミッションのインプットギアとカウンターギアとが
歯打ち現象を起こしている。
【0004】ティップイン・ティップアウト(低周波振
動)とは、アクセルペダルを急に踏んだり放したりした
ときに生じる車体の前後の大きな振れである。駆動伝達
系の剛性が低いと、タイヤに伝達されたトルクが逆にタ
イヤに伝達されたトルクが逆にタイヤ側からトルクに伝
わり、その揺り返しとしてタイヤに過大トルクが発生
し、その結果車体を過渡的に前後に大きく振らす前後振
動となる。
【0005】アイドリング時異音に対しては、クラッチ
ディスク組立体の捩じり特性においてゼロトルク付近が
問題となり、そこでの捩じり剛性は低い方が良い。一
方、ティップイン・ティップアウトの前後振動に対して
は、クラッチディスク組立体の捩じり特性をできるだけ
ソリッドにすることが必要である。以上の問題を解決す
るために、2種類のバネを用いることにより2段特性を
実現したクラッチディスク組立体が提供されている。そ
こでは、捩じり特性における1段目(低捩じり角度領
域)における捩じり剛性及びヒステリシストルクを低く
抑えているために、アイドリング時の異音防止効果があ
る。また、捩じり特性における2段目(高捩じり角度領
域)では捩じり剛性及びヒステリシストルクを高く設定
しているため、ティップイン・ティップアウトの前後振
動を十分に減衰できる。
【0006】さらに、捩じり特性2段目においてたとえ
ばエンジンの燃焼変動に起因する微小振動が入力された
ときに、2段目の大摩擦機構を作動させないことで、低
ヒステリシストルクによって微小振動を効果的に吸収す
るダンパー機構も知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】捩じり特性の2段目に
おいて大摩擦機構を作動させない角度領域はたとえば2
°程度の微小角度であり、入力側回転体が出力側回転体
に対して回転方向駆動側(正側)に捩じれた正側2段目
とその反対側(負側)に捩じれた負側2段目の両方にお
いて発生可能である。従来は大摩擦機構を作動させない
ための構造が正側2段目と負側2段目で同一の機構によ
って実現されているため、捩じり特性正側と負側とで微
小振動に対して高ヒステリシストルクが発生しない円周
方向角度の大きさが同一である。
【0008】しかし、正側低ヒステリシストルク発生角
度は、通常走行時のエンジントルク変動に対しては高ヒ
ステリシストルクを発生しない程度に十分に大きい必要
がある。しかし、正側低ヒステリシストルク発生角度を
大きくすると、負側低ヒステリシストルク角度は負側2
段目においては大きくなり過ぎることがある。具体的に
は、負側の低ヒステリシストルク角度が大きくなると、
減速時共振周波数において両側の高ヒステリシストルク
を発生させることができず、振動のピークが大きくなっ
てしまう。
【0009】本発明の目的は、ダンパー機構の正負両側
2段目における微小捩じり振動に対する低ヒステリシス
トルク発生角度の大きさが同一であることに起因する問
題点を解決することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のダンパ
ー機構は、第1回転体と、第2回転体と、ダンパー機構
と、摩擦機構と、摩擦抑制機構とを備えている。第2回
転体は第1回転体と相対回転可能に配置されている。第
2回転体にはトルクが入力される。ダンパー機構は第1
回転体と第2回転体とを回転方向に連結するための機構
である。ダンパー機構は、捩じり特性において1段目と
1段目より剛性の高い2段目とを有し、1及び2段目は
第2回転体が第1回転体に対して回転方向駆動側に捩じ
れた正側と第2回転体が第1回転体に対して回転方向駆
動側と反対側に捩じれた負側とにそれぞれ存在する。摩
擦機構は2段目において第1回転体と第2回転体が相対
回転するときに摩擦を発生可能である。摩擦抑制機構
は、2段目において所定トルク以下の捩じり振動が入力
されると、正側2段目では第1角度範囲内で摩擦機構を
作動させず、負側2段目では第1角度範囲と大きさが異
なる第2角度範囲内で摩擦機構を作動させない。
【0011】請求項1に記載のダンパー機構では、第2
回転体にトルクが入力されると、ダンパー機構を介して
第1回転体にトルクが伝達される。第2回転体は第1回
転体に対して回転方向駆動側(正側)と回転方向駆動側
と反対側(負側)とに捩じれることができる。捩じり角
度の小さな1段目では摩擦機構が摩擦を発生することは
ないためアイドリング時の異音に対して効果的である。
一方、正負両側の2段目間で第1回転体と第2回転体と
が繰り返し捩じれる捩じり角度の大きな捩じり振動は、
正負両側の2段目において第2弾性部材の高剛性及び摩
擦機構による摩擦により十分に減衰される。さらに、2
段目において所定トルク以下の捩じり振動が入力された
場合には、正側2段目では摩擦抑制機構が第1角度範囲
内で摩擦機構を作動させない。また、負側2段目では摩
擦抑制機構が第2角度範囲内で摩擦機構を作動させな
い。ここでは、第1角度範囲と第2角度範囲とで角度の
大きさが異なるため、それぞれの領域で生じる微小振動
に対して適切な大きさの低ヒステリシストルク角度を確
保できる。
【0012】請求項2に記載のダンパー機構は、第1回
転体と第2回転体とダンパー機構と摩擦機構と第1摩擦
抑制機構と第2摩擦抑制機構とを備えている。第2回転
体は第1回転体と相対回転可能に配置されている。第2
回転体にはトルクが入力される。ダンパー機構は第1回
転体と第2回転体とを回転方向に連結するための機構で
ある。ダンパー機構は、捩じり特性において1段目と1
段目より剛性の高い2段目とを有し、1及び2段目は第
2回転体が第1回転体に対して回転方向駆動側に捩じれ
た正側と第2回転体が第1回転体に対して回転方向駆動
側と反対側に捩じれた負側とにそれぞれ存在する。摩擦
機構は2段目において第1回転体と第2回転体が相対回
転するときに摩擦を発生可能である。第1摩擦抑制機構
は正側2段目において所定トルク以下の捩じり振動が入
力されると第1角度範囲内で摩擦機構を作動させない。
第2摩擦抑制機構は、第1摩擦抑制機構とは独立して設
けられ、負側2段目において所定以下のトルクが入力さ
れると第2角度範囲内で摩擦機構を作動させない。
【0013】請求項2に記載のダンパー機構では、第1
摩擦抑制機構と第2摩擦抑制機構とがそれぞれ独立して
設けられている。これにより、第1摩擦抑制機構により
確保された第1角度範囲と第2摩擦抑制機構により確保
された第2角度範囲との角度の大きさを容易に異ならせ
ることができる。この結果、第1角度範囲と第2角度範
囲とをそれぞれの2段目における適切な角度とすること
ができる。
【0014】請求項3に記載のダンパー機構では、請求
項2において、第2角度範囲は第1角度範囲と大きさが
異なる。請求項4に記載のダンパー機構は、請求項1〜
3のいずれかにおいて、第2角度範囲は第1角度範囲よ
り小さい。請求項4に記載のダンパー機構では、第1角
度範囲の角度の大きさを十分に確保しつつ、第2角度範
囲の角度の大きさを小さくすることで減速時共振周波数
における振動のピークを減らすことができる。
【0015】請求項5に記載のダンパー機構では、請求
項4において、第2角度範囲は第1角度範囲の約半分で
ある。
【0016】
【発明の実施の形態】図1に本発明の一実施形態のクラ
ッチディスク組立体1の断面図を示し、図2にその平面
図を示す。クラッチディスク組立体1は、車輌のクラッ
チ装置に用いられる動力伝達装置であり、クラッチ機能
とダンパー機能とを有している。クラッチ機能とはフラ
イホイール(図示せず)に連結及び離反することによっ
てトルクの伝達及び遮断をする機能である。ダンパー機
能とは、バネ等によりフライホイール側から入力される
トルク変動等を吸収・減衰する機能である。
【0017】図1においてO−Oがクラッチディスク組
立体1の回転軸すなわち回転中心線である。また、図1
の左側にエンジン及びフライホイール(図示せず)が配
置され、図1の右側にトランスミッション(図示せず)
が配置されている。さらに、図2のR1側がクラッチデ
ィスク組立体1の回転方向駆動側(正側)であり、R2
側からその反対側(負側)である。
【0018】クラッチディスク組立体1は、主に、入力
回転体2(クラッチプレート21,リテーニングプレー
ト22, クラッチディスク23)と、出力回転体3(ハ
ブ)と、入力回転体2と出力回転体3との間に配置され
たダンパー機構とから構成されている。ダンパー機構
は、第1バネ7, 第2バネ8及び大摩擦機構13などを
含んでいる。
【0019】入力回転体2はフライホイール(図示せ
ず)からのトルクが入力される部材である。入力回転体
2は、主に、クラッチプレート21と、リテーニングプ
レート22と、クラッチディスク23とから構成されて
いる。クラッチプレート21とリテーニングプレート2
2は共に板金製の円板状又は環状の部材であり、軸方向
に所定の間隔を空けて配置されている。クラッチプレー
ト21はエンジン側に配置され、リテーニングプレート
22はトランスミッション側に配置されている。クラッ
チプレート21とリテーニングプレート22は後述する
板状連結部31により互いに固定され、その結果軸方向
の間隔が定めされるとともに一体回転するようになって
いる。
【0020】クラッチディスク23は、図示しないフラ
イホイールに押し付けられる部分である。クラッチディ
スク23は、クッショニングプレート24と、第1及び
第2摩擦フェーシング25とから主に構成されている。
クッショニングプレート24は、環状部24aと、環状
部24aの外周側に設けられ回転方向に並ぶ複数のクッ
ショニング部24bと、環状部24aから半径方向内側
に延びる複数の連結部24cとから構成されている。連
結部24cは4カ所に形成され、各々がリベット27
(後述)によりクラッチプレート21に固定されてい
る。クッショニングプレート24の各クッショニング部
24bの両面には、摩擦フェーシング25がリベット2
6により固定されている。
【0021】クラッチプレート21及びリテーニングプ
レート22の外周部には、回転方向に等間隔で4つの窓
孔35がそれぞれ形成されている。各窓孔35には、内
周側と外周側にそれぞれ切り起こし部35a,35bが
形成されている。この切り起こし部35a, 35bは後
述の第2バネ8の軸方向及び半径方向への移動を規制す
るためのものである。また、窓孔35には、第2バネ8
の端部に当接又は近接する当接面36が円周方向両端に
形成されている。
【0022】クラッチプレート21及びリテーニングプ
レート22には、それぞれ中心孔37(内周縁)が形成
されている。この中心孔37内には出力回転体3として
のスプラインハブが配置されている。出力回転体3は、
軸方向に延びる筒状のボス52と、ボス52から半径方
向に延びるフランジ54とから構成されている。ボス5
2の内周部には、トランスミッション側から延びる図示
しないシャフトに係合するスプライン孔53が形成され
ている。フランジ54には回転方向に並んだ複数の外周
歯55及び後述の第1バネ7を収容するための切欠き5
6等が形成されている。切欠き56は半径方向に対向す
る2カ所に形成されている。
【0023】分離フランジ6は、出力回転体3の外周側
で、かつ、クラッチプレート21とリテーニングプレー
ト22との間に配置された円板状の部材である。分離フ
ランジ6は、第1バネ7を介して出力回転体3と回転方
向に弾性的に連結され、さらには第2バネ8を介して入
力回転体2に弾性的に連結されている。図7〜9に詳細
に示すように、分離フランジ6の内周縁には複数の内周
歯59が形成されている。
【0024】内周歯59は前述の外周歯55の間に配置
され、回転方向に所定の隙間をあけて配置されている。
外周歯55と内周歯59とは回転方向に互いに当接可能
である。すなわち外周歯55と内周歯59とにより出力
回転体3と分離フランジ6との捩じり角度を規制するた
めの第1ストッパー9が形成されている。ここでいうス
トッパーとは、所定角度までは両部材の相対回転を許容
するが、所定角度になると互いに当接しそれ以上の相対
回転を禁止する構造をいう。外周歯55とその円周方向
両側の内周歯59との間にはそれぞれ第1隙間角度θ1
が確保されている。外周歯55から見てR2側の内周歯
59との間の第1隙間角度θ1pは8°であり、外周歯
55から見てR1側の内周歯59との間の第1隙間角度
θ1nは2°である。このように第1隙間角度θ1pと
θ1nは角度の大きさが異なり、θ1pはθ1nより大
きい。
【0025】さらに、分離フランジ6の内周縁には、フ
ランジ54の切欠き56に対応して切欠き67が形成さ
れている。切欠き56, 67内には、それぞれ1つずつ
合計2つの第1バネ7が配置されている。第1バネ7は
低剛性のコイルスプリングであり、2つの第1バネ7は
並列に作用する。第1バネ7は円周方向両端においてス
プリングシート7aを介して切欠き56, 67の円周方
向両端に係合している。以上の構造によって、出力回転
体3と分離フランジ6とが相対回転する際には第1隙間
角度θ1の範囲内で第1バネ7が回転方向に圧縮され
る。
【0026】分離フランジ6には回転方向に等間隔で4
つの窓孔41が形成されている。窓孔41は回転方向に
長く延びる形状である。図5及び図6に示すように、窓
孔41の縁は、円周方向両側の当接部44と、外周側の
外周部45と、内周側の内周部46とから構成されてい
る。外周部45は連続して形成されており窓孔41の外
周側を閉じている。なお、窓孔41の外周側は一部が半
径方向外方に開いた形状であってもよい。分離フランジ
6において各窓孔41の円周方向間には切欠き42が形
成されている。切欠き42は半径方向内側から外側に向
かって円周方向長さが長くなる扇形状であり、円周方向
両側に縁面43が形成されている。
【0027】各窓孔41が形成された部分の半径方向外
側には、突起49が形成されている。すなわち突起49
は分離フランジ6の外周縁48からさらに半径方向外側
に延びる突起形状である。突起49は、回転方向に長く
延びており、ストッパー面50が形成されている。突起
49は、窓孔41に比べて円周方向の幅が短く、ほぼそ
の円周方向中間位置に形成されている。すなわち、突起
49のストッパー面50は、切欠き42の縁面43より
窓孔41に対してさらに円周方向内側に配置されてお
り、窓孔41の当接部44よりさらに円周方向内側に配
置されている。なお、突起49は円周方向両端にストッ
パー面が形成されていればそれでよく、必ずしも円周方
向中間部分を必要としない。すなわち、突起は両側スト
ッパー面を形成するために円周方向2カ所に設けられた
形状であっても良い。
【0028】前述した分離フランジ6の構造について他
の表現を用いて再度説明する。分離フランジ6は内周側
に環状部を有しており環状部から半径方向外方に突出す
る複数の突出部47を有している。各突出部47はこの
実施形態では回転方向に等間隔で4つ形成されている。
突出部47は回転方向に長く形成されており、その内部
に前述の窓孔41が形成されている。窓孔41は突出部
47においてその面積の70%以上を占めており、突出
部47にわたって形成されている。
【0029】さらに突出部47を他の表現で説明する
と、突出部47は、半径方向に延びる2つの円周方向両
側窓枠部91と、円周方向両側窓枠部91の半径方向外
側端同士を連結する外周側窓枠部92とから構成されて
いる。円周方向両端窓枠部91の円周方向内側は当接部
44となり、円周方向外側は縁面43となっている。外
周側窓枠部92の半径方向内側は外周部45となってお
り、半径方向外側は外周縁48となっている。外周縁4
8には前述の突起49が形成されている。なお、前述の
切欠き42は回転方向に隣接する突出部47の円周方向
両端窓枠部91間の空間である。
【0030】第2バネ8はクラッチディスク組立体1の
ダンパー機構に用いられる弾性部材すなわちバネであ
る。各第2バネ8は、同心に配置された1対のコイルス
プリングから構成されている。各第2バネ8は各第1バ
ネ7に比べて大型であり、バネ定数が大きい。第2バネ
8は各窓孔41, 35内に収容されている。第2バネ8
は回転方向に長く延びており、窓孔41全体にわたって
配置されている。すなわち第2バネ8の円周方向角度は
後述の窓孔41の円周方向角度θBとほぼ等しい。第2
バネ8の円周方向両端は、窓孔41の当接部44と当接
面36とに当接又は近接している。プレート21, 22
のトルクは第2バネ8を介して分離フランジ6に伝達さ
れ得る。プレート21, 22と分離フランジ6とが相対
回転すると、第2バネ8は両者の間で圧縮される。具体
的には、第2バネ8は当接面36とその円周方向反対側
の当接部44との間で回転方向に圧縮される。このとき
4つの第2バネ8は並列に作用している。
【0031】リテーニングプレート22の外周縁には、
回転方向に等間隔で4カ所に板状連結部31が形成され
ている。板状連結部31は、クラッチプレート21とリ
テーニングプレート22とを互いに連結するものであ
り、さらに後述するようにクラッチディスク組立体1の
ストッパーの一部を構成している。板状連結部31は、
リテーニングプレート22から一体に形成された板状部
材であり、回転方向に所定の幅を有している。板状連結
部31は、各窓孔41の円周方向間すなわち切欠き42
に対応して配置されている。板状連結部31は、リテー
ニングプレート22の外周縁から軸方向に延びるストッ
パー部32と、ストッパー部32の端部から半径方向内
側に延びる固定部33とから構成されている。ストッパ
ー部32はリテーニングプレート22の外周縁からクラ
ッチプレート21側に延びている。固定部33は、スト
ッパー部32の端部から半径方向内側に折り曲げられて
いる。以上に述べた板状連結部31はリテーニングプレ
ート22と一体の部分であり、厚みはリテーニングプレ
ート22とほぼ同じである。そのため、ストッパー部3
2は、主面が半径方向に向いており、半径方向にはリテ
ーニングプレート22の板厚に相当する幅のみを有して
いる。ストッパー部32は円周方向両側にストッパー面
51を有している。固定部33の半径方向位置は窓孔4
1の外周側部分に対応しており、円周方向位置は回転方
向に隣接する窓孔41の間である。この結果、固定部3
3は分離フランジ6の切欠き42に対応して配置されて
いる。切欠き42は固定部33より大きく形成されてお
り、このため組立時にリテーニングプレート22をクラ
ッチプレート21に対して軸方向に移動させたときには
固定部33は切欠き42を通って移動可能である。固定
部33はクッショニングプレート24の連結部24cに
平行にかつトランスミッション側から当接している。固
定部33には孔33aが形成されており、孔33a内に
は前述のリベット27が挿入されている。リベット27
は、固定部33とクラッチプレート21とクッショニン
グプレート24とを一体に連結している。さらに、リテ
ーニングプレート22において固定部33に対応する位
置にはかしめ用孔34が形成されている。
【0032】次に、板状連結部31のストッパー部32
と突起49とからなる第2ストッパー10について説明
する。第2ストッパー10は分離フランジ6と入力回転
体2との間で隙間角度θ4までの領域で両部材の相対回
転を許容し、捩り角度がθ4になると両部材の相対回転
を規制するための機構である。なお、この隙間角度θ4
の間で第2バネ8は分離フランジ6と入力回転体2との
間で圧縮される。
【0033】板状連結部31は、平面視において、円周
方向位置は窓孔41の円周方向間、切欠き42内、突起
49の円周方向間にある。また、板状連結部31のスト
ッパー面51の半径方向位置は、分離フランジ6の外周
縁48よりさらに半径方向外側にある。すなわち、スト
ッパー部32と突起49とは半径方向位置がほぼ同じで
ある。このため、ストッパー部32と突起49は分離フ
ランジ6とプレート21, 22との捩り角度が大きくな
ると互いに当接可能である。ストッパー部32のストッ
パー面51と突起49のストッパー面50とが互いに当
接した状態では、ストッパー部32は分離フランジ6の
突出部47すなわち窓孔41の半径方向外側に位置して
いる。すなわち、ストッパー部32が突出部47及び窓
孔41よりさらに円周方向内側に入り込むことが可能に
なっている。
【0034】以上に述べた第2ストッパー10の利点に
ついて説明する。ストッパー部32は板状であるため、
従来のストップピンに比べて円周方向角度を短くでき
る。また、ストッパー部32は従来のストップピンに比
べて半径方向長さが大幅に短くなっている。すなわちス
トッパー部32の半径方向長さはプレート21, 22の
板の厚みと同じだけである。このことは、第2ストッパ
ー10の実質的な半径方向長さはプレート21, 22の
板厚に相当する短い部分に限定されていることを意味す
る。
【0035】ストッパー部32はプレート21, 22の
外周縁部分すなわち最外周位置に配置されており、スト
ッパー部32の半径方向位置は突出部47特に窓孔41
の外周縁48の半径方向位置よりさらに半径方向外側で
ある。このようにストッパー部32が窓孔41から半径
方向に異なる位置にあるため、ストッパー部32と窓孔
41とが回転方向に互いに干渉しない。この結果、第2
バネ8によるダンパー機構の最大捩り角度と第2バネ8
の捩り角度を共に大きくできる。ストッパー部が窓孔と
同じ半径方向位置にある場合には、第2バネによるダン
パー機構の捩り角度と窓孔の円周方向角度とは互いに干
渉し合い、ダンパー機構の広角化とバネの低剛性化を実
現できない。
【0036】特に、第2ストッパー10の半径方向長さ
が従来のストップピンに比べて大幅に短いため、第2ス
トッパー10を窓孔41の半径方向外側に設けても、プ
レート21, 22の外径は極端に大きくならない。ま
た、窓孔41の半径方向長さが極端に短くなることはな
い。突起49から見てR2側のストッパー部32との間
の第4隙間角度θ4pは26゜であり、突起49から見
てR1側ストッパー部32との間の第4隙間角度θ4n
は23.5゜である。このようにθ4pはθ4nと大き
さが異なり、θ4pはθ4nより大きい。以上に述べた
θ4pとθ4nの関係を実現するために、突起49はス
トッパー部32の円周方向間に中心位置から円周方向に
ずれて配置されている。より具体的には、突出部47の
円周方向中心位置はストッパー部32の円周方向間中心
位置のR1側に位置している。
【0037】中間プレート11は、出力回転体3の外周
側において、クラッチプレート21と分離フランジ6と
の間、及び分離フランジ6とリテーニングプレート22
との間に配置された1対のプレート部材である。中間プ
レート11は円板状または環状のプレート部材であり、
入力回転体2と出力回転体3との間でダンパー機構の一
部を構成している。中間プレート11の内周縁には複数
の内周歯66が形成されている。内周歯66は分離フラ
ンジ6の内周歯59と軸方向に重なるように配置されて
いる。図5〜7に詳細に示すように、内周歯66は内周
歯59に比べて円周方向幅が広く、その円周方向両側に
両端がはみでている。内周歯66は、出力回転体3の外
周歯55と回転方向に所定の隙間をあけて配置されてい
る。すなわちこの隙間の範囲内で出力回転体3と中間プ
レート11とは相対回転可能となっている。外周歯55
と内周歯59とにより、出力回転体3と中間プレート1
1との相対回転角度を規制する第3ストッパー12が形
成されている。より具体的には、図7に示すように、外
周歯55と内周歯66との間には第2隙間角度θ2の隙
間が確保されている。外周歯55から見てR2側の内周
歯66との間の第2隙間角度θ2pは7.5°であり、
外周歯55から見てR1側の内周歯66との間の第2隙
間角度θ2nは1.5°である。このようにθ2pはθ
2nと大きさが異なり、大きい。第2隙間角度θ2pは
第1隙間角度θ1pより小さく、第2隙間角度θ2nは
第1隙間角度θ1nより小さい。
【0038】1対の中間プレート11のうちリテーニン
グプレート22側に配置された中間プレート11には、
半径方向外側に延びる複数の突出部61が形成されてい
る。各突出部61は分離フランジ6の窓孔41の間に配
置されている。窓孔41の先端には、半円形状の位置合
わせ切欠き61aが形成されている。この切欠き61a
は、分離フランジ6に形成された位置合わせ用の切欠き
98やプレート21,22に形成された位置合わせ用の
孔に対応している。
【0039】1対の中間プレート11同士は、複数のピ
ン62により相対回転不能かつ軸方向の位置決めがされ
ている。ピン62は、胴部と、胴部から軸方向両側に延
びる頭部とから構成されている。1対の中間プレート1
1同士はピン62の胴部端面に軸方向から当接すること
によって互いに対して軸方向に接近することが制限され
ている。中間プレート11の頭部は中間プレート11に
形成された孔内に挿入され自らと胴部との間に中間プレ
ート11を挟んでいる。各中間プレート11と分離フラ
ンジ6との間には、それぞれスペーサ63が配置されて
いる。スペーサ63は各中間プレート11の内周部と分
離フランジ6の内周側環状部分との間にそれぞれ配置さ
れた環状のプレート部材である。スペーサ63にはピン
62の胴部が挿入される孔が形成されており、ピン62
と孔の係合によってスペーサ63は中間プレート11と
一体回転する。スペーサ63において分離フランジ6に
対向し当接する側の面には摩擦係数を減らすためのコー
ティングが施されている。分離フランジ6にはピン62
が貫通する複数の孔69が形成されている。ピン62は
孔69に対して円周方向両側に所定角度だけ相対移動可
能である。すなわちピン62の胴部と孔69の円周方向
両側端面との円周方向間に第3隙間角度θ3の隙間が確
保されている。これにより第4ストッパー14が形成さ
れている。ピン62から見てR2側の孔69端面との間
には第3隙間角度θ3pが確保されている、ピン62か
ら見てR1側の孔69端面との間には第3隙間角度θ3
nが確保されている。第3隙間角度θ3pとθ3nは大
きさが異なり、θ3pは0.90°であり、θ3nは
0.70°である。
【0040】以上に述べたピン62と孔69との相対的
位置関係は、ピン62が図7に示す中立状態において孔
69に対してR2側にずれていることを意味している。
より具体的にはピン62の円周方向中心位置は孔69の
円周方向中心位置よりR2側に位置している。この位置
関係は、ピン62の位置を移動させること、又は分離フ
ランジ6の孔69の大きさを円周方向両側で変えること
で実現される。
【0041】次に、摩擦発生機構を構成する各部材につ
いて説明する。第2摩擦ワッシャー72は、トランスミ
ッション側の中間プレート11の内周部とリテーニング
プレート22の内周部との間に配置されている。第2摩
擦ワッシャー72は主に樹脂製の本体74から構成され
ている。本体74の摩擦面は、トランスミッション側の
中間プレート11のトランスミッション側面に当接して
いる。本体74の内周部からはトランスミッション側に
係合部76が延びている。係合部76は、リテーニング
プレート22に対して相対回転不能に係合されるととも
に軸方向に係止されている。本体74の内周部トランス
ミッション側には複数の凹部77が形成されている。本
体74とリテーニングプレート22との間には第2コー
ンスプリング73が配置されている。第2コーンスプリ
ング73は、第2摩擦ワッシャー72の本体74とリテ
ーニングプレート22との間で圧縮された状態で配置さ
れている。これにより、第2摩擦ワッシャー72の摩擦
面は第1中間プレート11に強く圧接されてている。第
1摩擦ワッシャー79はフランジ54とリテーニングプ
レート22の内周部との間に配置されている。すなわ
ち、第1摩擦ワッシャー79は第2摩擦ワッシャー72
の内周側でかつボス52の外周側に配置されている。第
1摩擦ワッシャー79は樹脂製である。第1摩擦ワッシ
ャー79は、主に環状の本体81から構成されており、
環状の本体81からは複数の突起82が半径方向外側に
延びている。本体81はフランジ54に当接しており、
複数の突起82は第2摩擦ワッシャー72の凹部77に
相対回転不能に係合している。これにより、第1摩擦ワ
ッシャー79は第2摩擦ワッシャー72を介してリテー
ニングプレート22と一体回転可能である。第1摩擦ワ
ッシャー79とリテーニングプレート22の内周部との
間には第1コーンスプリング80が配置されている。第
1コーンスプリング80は第1摩擦ワッシャー79とリ
テーニングプレート22の内周部との間で軸方向に圧縮
された状態で配置されている。なお、第1コーンスプリ
ング80の付勢力は第2コーンスプリング73の付勢力
より小さくなるように設計されている。また、第1摩擦
ワッシャー79は第2摩擦ワッシャー72に比べて摩擦
係数が低い材料から構成されている。このため、第1摩
擦ワッシャー79によって発生する摩擦(ヒステリシス
トルク)は第2摩擦ワッシャー72で発生する摩擦より
大幅に小さくなっている。
【0042】クラッチプレート21の内周部とフランジ
54及び中間プレート11の内周部との間には第3摩擦
ワッシャー85と第4摩擦ワッシャー86が配置されて
いる。第3摩擦ワッシャー85及び第4摩擦ワッシャー
86は樹脂製の環状部材である。第3摩擦ワッシャー8
5はクラッチプレート21の内周縁に相対回転不能に係
合し、その内周面はボス52の外周面に摺動可能に当接
している。すなわち、クラッチプレート21は第3摩擦
ワッシャー85を介してボス3に半径方向の位置決めを
されている。第3摩擦ワッシャー85はフランジ54に
対して軸方向エンジン側から当接している。第4摩擦ワ
ッシャー86は第3摩擦ワッシャー85の外周側に配置
されている。第4摩擦ワッシャー86は環状の本体87
と、環状の本体87から軸方向エンジン側に延びる複数
の係合部88を有している。本体87は軸方向エンジン
側の中間プレート11に当接する摩擦面を有している。
係合部88はクラッチプレート21に形成された孔内に
相対回転不能に係合している。また、係合部88はクラ
ッチプレート21の軸方向エンジン側面に当接する爪部
を有している。第3摩擦ワッシャー85と第4摩擦ワッ
シャー86は互いに相対回転不能に係合している。な
お、第3摩擦ワッシャー85と第4摩擦ワッシャー86
は別体の部材であり、第4摩擦ワッシャー86は第3摩
擦ワッシャー85に対して摩擦係数が高い材料から構成
されている。
【0043】以上に述べた摩擦機構において、第2摩擦
ワッシャー72及び第4摩擦ワッシャー86と中間プレ
ート11との間に比較的高いヒステリシストルクを発生
させる大摩擦機構13(摩擦機構)が形成されているこ
とになる。さらに、第1摩擦ワッシャー79及び第3摩
擦ワッシャー85と、フランジ54との間に低ヒステリ
シストルクを発生する小摩擦機構15を形成している。
【0044】次に第2バネ8と第2ストッパー10にお
ける各構造の角度及びその関係について詳細に説明す
る。なお、以下に述べる「円周方向角度」とは、ある位
置から他の位置までのクラッチディスク組立体1の回転
軸O−Oを中心とした円周方向(クラッチディスク組立
体1の回転方向)角度のことである。以下の説明で用い
る角度の絶対値は図面に記載された本願発明の一例とし
てのクラッチディスク組立体1のものであり、本願発明
はそれらの数値に限定されない。θAとθCとの関係 各突起49の円周方向角度θA(図6)は、回転方向に
隣接する突起49の隣接する円周方向端部間(すなわち
回転方向に向き合うストッパー面50間)の円周方向角
度θC(図5)より小さい。θAとθCは一方が大きく
なれば他方が小さくなる関係にある。ここではθAをθ
Cに対して大幅に小さくすることでθCを従来より大き
く確保している。このように各突起49間の円周方向角
度θCが広くなることにより、分離フランジ6とプレー
ト21, 22との間の第4隙間角度θ4(θ4p+θ4
n)を広くすることが可能となっている。
【0045】θCは、40゜以上あれば従来にない充分
に優れた効果が得られ、50〜80゜の範囲にある場合
はさらに優れた効果が得られ、60〜80゜の範囲にあ
る場合はさらに優れた効果が得られ65〜75゜の範囲
にある場合は最も優れた効果が得られる。
【0046】θAはθCの2分の1以下であれば充分に
優れた効果が得られる。θAはθCの3分の1以下であ
ればさらに優れた効果が得られる。θCとθDとの関係 各板状連結部31(ストッパー部32)の円周方向角度
θDは、前述の角度θCより遙かに小さくなっている。
θCからθDを引いたものが、分離フランジ6とプレー
ト21, 22との間の最大隙間角度θ4(θ4p+θ4
n,ダンパー機構のストッパー角度)になっている。す
なわち、このダンパー機構では最大隙間角度θ4が従来
より広くなっている。図から明らかなように、θ4を広
くするためには、θCを大きくし、θDを小さくするこ
とが必要であることがわかる。この実施形態においては
θDは18゜になっている。θDは20゜以下であるの
が好ましく、10〜20゜の範囲にあるのがさらに好ま
しい。
【0047】θDがθCの2分の1以下であれば、θD
は充分に広く確保され、3分の1であればさらにθ4は
広くなり、4分の1以下であればθ4を最も広くでき
る。この実施形態ではθ4は58.5゜である。θEは
20゜以上であるのが好ましい。θEは30゜以上であ
るのが好ましい。特に40〜60゜の範囲にあれば従来
にない充分な広角化が達成されており、55〜60゜の
範囲にあればさらに好ましい。
【0048】最大捩じり角度θ4が増大することにより
以下の効果が得られる。広捩じり角が達成されると、ス
トッパートルクを低下させることなく、捩じり特性の2
段目のバネ(第2バネ8)の剛性を低くできる。この実
施形態では従来に比べて第2バネ8の剛性を約50%程
度まで低くしている。この結果、2段目から2段目に移
行するときのショック(アクセル踏み込み時、最初の突
き上げ感)が減少する。
【0049】θBとθDとの関係 分離フランジ6に形成された窓孔41は合計4つであ
り、各窓孔41の円周方向角度θBは50゜以上ある。
θBは当接部44の半径方向中間部同士間で測定されて
いる。図面におけるθBは59゜である。この結果、回
転方向に充分に長いつまり広角化したバネを用いること
ができる。θBは50〜70゜の範囲にあるのが好まし
く、55〜65゜の範囲にあればさらに好ましい。
【0050】各突起49の円周方向角度θDは各窓孔4
1の円周方向角度θBより小さい。これはθ4のθBに
対する比が十分に大きいことを意味している。すなわち
広角化した窓孔41及び第2バネ8に対してダンパー機
構の最大捩り角度を充分に広くすることによって、バネ
の機能を有効に利用し、さらに広捩り角度・低捩り剛性
の特性を得られる。
【0051】θDがθBの2分の1以下である場合は充
分に優れた効果が得られ、3分の1以下である場合はさ
らに優れた効果が得られる。θAとθBとの関係 突起49の円周方向角度θAは各窓孔41の円周方向角
度θBより小さい。θAのθBに対する比が従来より小
さいということは、θCのθBに対する比が従来より大
きいことを示す。言い換えると、広角化した窓孔41に
対して最大隙間角度θ4を広く確保する前提となるθC
のθBに対する比が充分に大きい。各突起49の円周方
向角度θAは窓孔41の円周方向角度θBの2/3以下
であればよく、1/2以下であればより好ましく、1/
3以下であればさらに好ましい。
【0052】θBとθ4との関係 θ4とθBは共に従来に比べて大きくなっており、これ
によりダンパー機構の最大捩り角度が大きくなると共に
第2バネ8の捩り角度が広くなっている。第2バネ8は
大型化されることによって設計が容易になり、高性能
(広捩り角・低剛性)になっている。
【0053】θBとθ4を比較すると、両者はほとんど
実質的な差がない。すなわち、θBのθ4に対する比が
充分に大きくなっている。これにより窓孔41すなわち
第2バネ8の円周方向角度を広くした場合においで、そ
の広角度を充分に生かせる最大隙間角度θ4が確保され
ている。窓孔41の半径方向長さ このダンパー機構では、窓孔41の半径方向長さが分離
フランジ6の半径方向長さ(外径)に比べて充分に大き
くなっている。この結果、窓孔41に収容する第2バネ
8の大型化が可能となっている。窓孔41の半径方向長
さは分離フランジ6の外径の35%以上である。この割
合が35〜55%の範囲にある場合は充分に優れた効果
を得ることができ、40〜50%の範囲にある場合はさ
らに優れた効果を得ることができる。
【0054】次に、図10を用いてクラッチディスク組
立体1の構成についてさらに説明する。図10はクラッ
チディスク組立体1のダンパー機構の機械回路図であ
る。この機械回路図は、ダンパー機構における各部材の
回転方向の関係を模式的に描いたものである。したがっ
て一体回転する部材は同一の部材として取り扱ってい
る。
【0055】図10から明らかなように、入力回転体2
と出力回転体3との間にはダンパー機構を構成するため
の複数の部材が配置されている。分離フランジ6は入力
回転体2と出力回転体3との回転方向間に配置されてい
る。分離フランジ6は出力回転体3に第1バネ7を介し
て回転方向に弾性的に連結されている。また、分離フラ
ンジ6と出力回転体3との間には第1ストッパー9が形
成されている。第1ストッパー9における第1隙間角度
θ1pの間で第1バネ7は圧縮可能である。分離フラン
ジ6は入力回転体2に対して第2バネ8を介して回転方
向に弾性的に連結されている。また、分離フランジ6と
入力回転体2との間には第2ストッパー10が形成され
ている。第2ストッパー10における第4隙間角度θ4
pの間で第2バネ8は圧縮可能となっている。以上に述
べたように、入力回転体2と出力回転体3と直列に配置
された第1バネ7と第2バネ8とにより回転方向に弾性
的に連結されている。ここでは、分離フランジ6は2種
類のバネの間に配置された中間部材として機能してい
る。また、以上に述べた構造は、並列に配置された第1
バネ7及び第1ストッパー9からなる第1ダンパーと、
並列に配置された第2バネ8と第2ストッパー10から
なる第2ダンパーとが、直列に配置された構造として見
ることもできる。また、以上に述べた構造を入力回転体
2と出力回転体3とを回転方向に弾性的に連結するダン
パー機構4として考えることができる。第1バネ7全体
の剛性は第2バネ8全体の剛性よりはるかに小さく設定
されている。そのため、第1隙間角度θ1までの捩り角
度の範囲で第2バネ8はほとんど回転方向に圧縮されな
い。
【0056】中間プレート11は、入力回転体2と出力
回転体3との回転方向間に配置されている。中間プレー
ト11は、出力回転体3と分離フランジ6との間で相対
回転するように配置されている。中間プレート11は、
出力回転体3との間に第3ストッパー12を構成し、分
離フランジ6との間に第4ストッパー14を構成してい
る。さらに、中間プレート11は、大摩擦機構13を介
して入力回転体2に回転方向に摩擦係合している。以上
に述べた中間プレート11は、入力回転体2,出力回転
体3及び分離フランジ6の間に配置されることで摩擦連
結機構5を構成している。
【0057】次に、図10におけるダンパー機構の各隙
間角度θ1p〜θ4pの関係について説明する。ここで
説明する隙間角度は、出力回転体3から入力回転体2を
R2側に見た各角度である。第1ストッパー9における
第1隙間角度θ1pは第1バネ7が円周方向に圧縮され
る角度範囲となっており、第2ストッパー10における
第4隙間角度θ4pは第2バネ8が回転方向に圧縮され
る角度範囲となっている。第1隙間角度θ1pと第4隙
間角度θ4pとの合計がクラッチディスク組立体1全体
としてのダンパー機構の正側最大捩り角度である。第1
隙間角度θ1pから第2隙間角度θ2pを引いた差をさ
らに第3隙間角度θ3pから引いたものが、捩り特性の
正側2段目において微小捩り振動が入力された時に大摩
擦機構13を作動させないための正側2段目隙間角度θ
ACp(第1摩擦抑制機構、第1円周方向隙間)となっ
ている。正側2段目隙間角度θACpの大きさ(第1角
度範囲)はこの実施形態では0.4゜と従来に比べて大
幅に小さくなっており、0.3〜0.5゜の範囲にある
ことが好ましい。
【0058】次に、図20におけるダンパー機構の各隙
間角度θ1n〜θ4nの関係について説明する。ここで
説明する隙間角度は、出力回転体3から入力回転体2を
R1側に見た各角度である。第1ストッパー9における
第1隙間角度θ1nは第1バネ7が円周方向に圧縮され
る角度範囲を示しており、第2ストッパー10における
第4隙間角度θ4nは第2バネ8が回転方向に圧縮され
る角度範囲を示している。第1隙間角度θ1nと第4隙
間角度θ4nとの合計がクラッチディスク組立体1全体
としてのダンパー機構の負側最大捩り角度である。第1
隙間角度θ1nから第2隙間角度θ2nを引いた差をさ
らに第3隙間角度θ3nから引いたものが、捩り特性の
負側2段目において微小捩り振動が入力された時に大摩
擦機構13を作動させないための負側2段目隙間角度θ
ACn(第2摩擦抑制機構,第2円周方向隙間)となっ
ている。負側2段目隙間角度θACnの大きさ(第2角
度範囲)はこの実施形態では0.2゜と従来に比べて大
幅に小さくなっており、0.15〜0.25゜の範囲に
あることが好ましい。
【0059】正側2段目隙間角度θACpと負側2段目
隙間角度θACnについてさらに詳細に説明する。θA
Cpは、図8に示すように、ピン62のR2側部と孔6
9ののR2側部との間に形成されている。θACnは、
図9に示すように、ピン62のR1側部と孔69のR1
側部との間に形成されている。このようにθACpとθ
ACnは独立で、別個に設けられた構造である。すなわ
ち従来のように単一の隙間を正側2段目と負側2段目で
共通に使う構造ではない。このため、θACpとθAC
nとを異ならせることが可能となる。したがってθAC
pとθACnを各々適切な大きさに設定できる。
【0060】ここでは、θACnは、θACpに比べて
小さく、具体的にはθACpの約1/2になっている。
このため、θACpは通常走行時にエンジンの燃焼変動
に起因する微小振動を減衰するための低ヒステリシスト
ルク領域を十分に確保できる。また、θACnはθAC
pに合わせて大きくする必要がないため、減速時共振周
波数において十分に両側の高ヒステリシストルクを発生
させることができる。この結果、減速時共振周波数にお
いて振動のピークを減らすことができる。
【0061】θACnを極端に小さく、ほとんどゼロ又
は完全にゼロにすることもできる。その場合は減速時共
振周波数の振動レベルを極端に小さくできる。逆にθA
CnをθACpより大きくしてもよい場合がある。これ
は負側作動時においてはエンジントルク変動を減衰する
ためにθACnを大きくし、正側作動時には加速時共振
周波数での両側で発生する高ヒステリシストルクを発生
しやすくすためにθACpを小さくしたいという要望が
あるときに採用される。
【0062】次にθACnとθACpを形成する具体的
な構造について説明する。すでに説明したように、θA
Cp=θ3p−(θ1p−θ2p)であり、θACn=
θ3n−(θ1n−θ2n)である。θ1p−θ2p=
θ1n−θ2nなので、θACpとθACnの差は、θ
3pとθ3nとの差により実現されていることが分か
る。さらに、θ3pとθ3nとの差は、具体的には、孔
69に対してピン62がR2側に中心位置がずれている
ことにより生じている。ピン62と孔69との関係の調
整によってθACpとθACnの差は簡単に変更でき
る。
【0063】また、θACpとθACnは軸方向に伸び
る連結部材としてのピン62と分離フランジ6の孔69
との間に形成されるため、精度を高く保つことができ
る。この結果、1°未満の微小角度を実現できる。な
お、孔69は一部が開いた切り欠き形状であってもよ
い。また、θACpとθACnが中間プレート11と第
2バネ8との間に設けられている構造にも、本発明を採
用できる。
【0064】正負両側の第2隙間角度θ2p, θ2nの
合計が、捩り特性の正負2段目において微小捩り振動が
入力された時に大摩擦機構13を作動させないための1
段目隙間角度θACになる。この実施形態では2段目隙
間角度ACの大きさは9°になる。2段目隙間角度AC
は正側2段目隙間角度θACpや負側2段目隙間角度θ
ACnより大きいことが好ましく、2倍以上あるのが好
ましい。また、10倍以上、さらには20倍以上あって
も良い。
【0065】また、図10に示すように、入力回転体2
と出力回転体3との間には小摩擦機構15が設けられて
いる。小摩擦機構15は入力回転体2と出力回転体3が
相対回転する際には常に滑りが生じるようになってい
る。この実施形態では、小摩擦機構15は主に第2摩擦
ワッシャー79及び第3摩擦ワッシャー85によって構
成されているが、他の部材によって構成されていても良
い。また、小摩擦機構15で発生するヒステリシストル
クは場合によっては最大限低いことが望ましい。
【0066】次に、複数の機械回路図を用いてクラッチ
ディスク組立体1におけるダンパー機構の動作を詳細に
説明する。図10〜19は、出力回転体3が入力回転体
2に対してR2側に捩じれている状態での各部材の動作
や関係を説明するための図である。図20〜31は出力
回転体が入力回転体2に対してR1側に捩じれている状
態での各部材の動作や関係を説明するための図である。
【0067】なお、図10及び図20はクラッチディス
ク組立体1が中立状態にあるときを表している。図7に
は、中立状態における実際の出力回転体3,中間プレー
ト11及び分離フランジ6の隙間角度θ1〜θ3が表さ
れている。図10の中立状態から出力回転体3を入力回
転体2に対してR2側に捩っていく。このとき入力回転
体2は出力回転体3に対してR1側すなわち回転方向駆
動側に捩れていくことになる。図10の状態から出力回
転体3がR2側に3゜捩れると図11の状態に移行す
る。この動作時に、第1バネ7が出力回転体3と分離フ
ランジ6との間で回転方向に圧縮され、小摩擦機構15
で滑りが生じる。この結果、低剛性・低ヒステリシスト
ルクの特性が得られる。そして、第1ストッパー9と第
3ストッパー12とでそれぞれ隙間角度が3゜小さくな
る。図11の状態からさらに出力回転体3が4.5゜捩
れると図12の状態に移行する。この動作時にも第1バ
ネ7が出力回転体3と分離フランジ6との間で回転方向
に圧縮され、小摩擦機構15で滑りが生じる。図12で
は、第3ストッパー12において出力回転体3と中間プ
レート11とが当接し、第1ストッパー9において第1
ストッパー9の第1隙間角度θ1pから第3ストッパー
12の第2隙間角度θ2pを引いた隙間角度が確保され
ている。さらに図12の状態から出力回転体3がR2側
に0.5゜捩れると、図13の状態に移行する。この動
作時には、大摩擦機構13において滑りが生じ、高ヒス
テリシストルクが発生している(小摩擦機構15でも滑
りが生じている)。そのため、低剛性・高ヒステリシス
トルクの領域が低剛性・低ヒステリシストルクの端に形
成されている。図13では、第1ストッパー9において
出力回転体3と分離フランジ6とが互いに当接し、第4
ストッパー14において第1隙間角度θ1pから第2隙
間角度θ2pを引いた差をさらに第3隙間角度θ3pか
ら引いた差である正側2段目隙間角度θACp(0.4
°)が形成されている。図13では第1ストッパー9が
当接しているため、これ以上は第1バネ7が圧縮されな
い。図13の状態からさらに出力回転体3がR2側に捩
れると、図14の状態に移行する。この動作中に分離フ
ランジ6が第2バネ8を入力回転体2との間で圧縮して
いく。この時、中間プレート11と入力回転体2との間
で滑りが生じることで大摩擦機構13で摩擦が発生する
(小摩擦機構15でも滑りが生じている)。この結果、
高剛性・高ヒステリシストルクの特性が得られる。な
お、この捩り角度2段目において中間プレート11と分
離フランジ6との間には正側2段目隙間角度θACpが
確保されている。すなわち図14に示す状態で微小捩り
振動が入力された場合には、第2バネ8が圧縮された状
態から伸縮する際に正側2段目隙間角度θACp内では
大摩擦機構13において滑りが生じない。すなわち正側
2段目隙間角度θACpは捩り特性正側2段目において
微小捩り振動(所定トルク以下であり、その結果捩じり
角の小さな振動)に対して大摩擦機構13で滑りを生じ
させない摩擦抑制機構として機能している。なお、図8
は機械回路図における図13,14に対応している。
【0068】次に、図20に示す中立状態から出力回転
体3が入力回転体2に対してR1側に捩れていくときの
動作を説明する。このときに入力回転体2は出力回転体
3に対してR2側にすなわち回転方向駆動側と反対側に
捩れていくことになる。図20に示す状態から出力回転
体3が入力回転体2に対してR1側に1°捩れると、図
21の状態に移行する。この動作時に出力回転体3と分
離フランジ6との間で第1バネ7が圧縮され、小摩擦機
構15において滑りが発生する。この結果、低剛性・低
ヒステリシストルクの特性が得られる。図21では、第
1ストッパー9と第3ストッパー12においてそれぞれ
隙間角度が1゜小さくなる。図21の状態から出力回転
体3がさらに入力回転体2に対してR1側に1゜捩れる
と、図22の状態に移行する。この動作時にも出力回転
体3と分離フランジ6との間で第1バネ7が圧縮され、
小摩擦機構15において滑りが発生する。図22では、
第3ストッパー12において出力回転体3と中間プレー
ト11とが互いに当接する。図22の状態から出力回転
体3が入力回転体2に対してR1側に0.5゜捩れる
と、図23の状態に移行する。この動作時には、大摩擦
機構13において滑りが生じ、高ヒステリシストルクが
発生している(小摩擦機構15でも滑りが生じてい
る)。そのため、低剛性・高ヒステリシストルクの領域
が低剛性・低ヒステリシストルクの端に形成されてい
る。図23では、第1ストッパー9において出力回転体
3と分離フランジ6とが互いに当接している。このた
め、これ以上は第1バネ7が圧縮されない。図23に示
す状態では、第4ストッパー14において第1隙間角度
θ1nからθ2nを引いたものをさらに第3隙間角度θ
3nから引いた負側2段目隙間角度θACn(0.2
°)が形成されている。図23の状態からさらに出力回
転体3が入力回転体2に対してR1側に捩れると、図2
4の状態に移行する。この動作時に、第2バネ8が回転
方向に圧縮され、同時に大摩擦機構13で滑りが生じる
(小摩擦機構15でも滑りが生じている)。この結果、
高剛性・高ヒステリシストルクの特性が得られる。図2
4の状態においても第4ストッパー14において負側2
段目隙間角度θACnが確保されている。図24の状態
から微小捩り振動が入力されると、第2バネ8は圧縮さ
れた状態から伸縮を繰り返す。このときθACnの範囲
内では大摩擦機構13で滑りが生じない。すなわち負側
2段目隙間角度θACnは、捩り特性負側2段目におい
て微小捩り振動に対して大摩擦機構13で滑りを生じさ
せない摩擦抑制機構として機能している。
【0069】なお、図9は機械回路図における図23,
24に対応している。次に、機械回路図と図32〜図3
3に示す捩じり特性線図を用いてクラッチディスク組立
体の動作について説明する。図32は、捩じり角度を正
側最大角度まで捩じった状態から負側最大角度まで捩じ
り、再び正側最大角度まで捩じったときの剛性及びヒス
テリシストルクの変化を示している。
【0070】初めに、出力回転体3が入力回転体2に対
してR2側すなわち負側に捩れることで第2バネ8が圧
縮された状態(図14)から、出力回転体3が元に戻っ
ていくときの動作を説明する。図14の状態から第2バ
ネ8が伸び、分離フランジ6及び出力回転体3をR1側
に押していき、図15の状態に移行する。この動作時
に、第4ストッパー14において分離フランジ6が中間
プレート11に当接するまでの正側2段目隙間角度θA
Cp内では大摩擦機構13は滑らず高ヒステリシストル
クは発生しない。このことから、図14の状態と図15
の状態との間で出力回転体3が入力回転体2に対して捩
じれるときには、第2バネ8が作用し、小摩擦機構15
で滑りが生じるが、大摩擦機構13では滑りが生じない
ことが分かる。すなわち、図33に示すように、正側2
段目隙間角度θACp内では、高剛性・低ヒステリシス
トルクの特性が得られる。この高剛性は2段目に比べれ
ば剛性は高いが、従来の2段目の剛性に比べれば大幅に
低くなっている。また、微小振動に対するヒステリシス
トルクHACは2段目通常捩じり動作によって発生する
ヒステリシストルクH2よりはるかに低い。以上の特性
により所定トルク以下でありその結果捩じり角度(振
幅)の小さい微小捩じり振動を効果的に吸収・減衰でき
る。
【0071】また、正側2段目隙間角度θACpは、加
速時共振周波数において両側のヒステリシストルクH2
が確実に発生するほど十分に小さく設定されている。図
15から第2バネ8はさらに1.2°伸び、図16の状
態に移行する。このとき大摩擦機構13で滑りが生じ、
高ヒステリシストルクが発生する。図16では、第2バ
ネ8は自由長となっており、これ以上伸びることはな
い。第3ストッパー12では0.4゜の隙間が形成され
ている。図16の状態からは第1バネ7が伸びし、出力
回転体3をR1側に3°押し、図17の状態に移行す
る。このとき、第1ストッパー9と第3ストッパー12
において隙間角度が大きくなっていく。第1バネがさら
に伸びると、図17から図18の状態に移行する。図1
8では第1バネ7が最大まで延び第1ストッパー9の隙
間角度が8゜になった状態を示している。すなわち捩り
特性線図における0゜の状態である。図18と図10を
比較すると、中間プレート11は第1隙間角度θ3p
(0.9°)だけR2側に捩れており、その結果第3ス
トッパー12ではθ2p+θ3p(8.4°)の隙間角
度が確保され、第4ストッパー14では中間プレート1
1と分離フランジ6とが当接している。
【0072】図18の状態は図25の状態に対応してい
る。すなわち図25では、中間プレート11は図20に
比較してR2側に第1隙間角度θ3p(0.9゜)捩れ
ている。図25から出力回転体3がR1側に0.6゜捩
れると、図26の状態に移行する。この動作時に、第1
バネ7が出力回転体3と分離フランジ6との間で圧縮さ
れ、小摩擦機構15で滑りが生じる。この結果、低剛性
・低ヒステリシストルクの特性が得られる。図26では
第3ストッパー12において出力回転体3と中間プレー
ト11とが当接している。図26から出力回転体3がさ
らにR1側に捩れていくと、図27の状態に移行する。
この動作時には、大摩擦機構13において滑りが生じ、
高ヒステリシストルクが発生している(小摩擦機構15
でも滑りが生じている)。そのため、低剛性・高ヒステ
リシストルクの領域が低剛性・低ヒステリシストルクの
端に形成されている。図27では、第1ストッパー9に
おいて出力回転体3と分離フランジ6とが互いに当接す
る。このため、これ以上は第1バネ7が圧縮されない。
この低剛性・高ヒステリシストルクの領域は、前述した
中間プレート11の変位により、中立状態から捩じって
いったときよりθ3p(0.9°)早く開始される。図
27に示す状態では、第4ストッパー14において負側
2段目隙間角度θACn(0.2°)が形成されてい
る。図27の状態からさらに出力回転体3が入力回転体
2に対してR1側に捩れると、図28の状態に移行す
る。この動作時に、第2バネ8が回転方向に圧縮され、
同時に大摩擦機構13で滑りが生じる(小摩擦機構15
でも滑りが生じている)。この結果、高剛性・高ヒステ
リシストルクの特性が得られる。図28の状態において
も第4ストッパー14において負側2段目隙間角度θA
Cnが確保されている。
【0073】次に、出力回転体3が入力回転体2に対し
てR1側すなわち正側に捩れることで第2バネ8が圧縮
された状態(図28)から、出力回転体3が元に戻って
いくときの動作を説明する。図28の状態から第2バネ
8が伸び、分離フランジ6及び出力回転体3をR2側に
押していき、図29の状態に移行する。このとき、第4
ストッパー14において分離フランジ6が中間プレート
11に当接するまでのθACp内では大摩擦機構13は
滑らず高ヒステリシストルクは発生しない。このことか
ら、図28の状態と図29の状態との間で出力回転体3
が入力回転体2に対して捩じれるときには、第2バネ8
が作用し、大摩擦機構13で滑りが生じるが、小摩擦機
構15では滑りが生じないことが分かる。すなわち、図
34に示すように、負側2段目隙間角度θACp内で
は、高剛性・低ヒステリシストルクの特性が得られる。
この高剛性は2段目に比べれば剛性は高いが、従来の2
段目の剛性に比べれば大幅に低くなっている。以上の特
性により所定トルク以下でありその結果捩じり角度(振
幅)の小さい微小捩じり振動を効果的に吸収・減衰でき
る。
【0074】負側2段目隙間角度θACnが正側2段目
隙間角度θACpより小さくなっているため、正側2段
目隙間角度θACpの大きさを十分に確保しつつ、負側
2段目隙間角度θACnの大きさを小さくすることで減
速時共振周波数における振動のピークを減らすことがで
きる。また、微小振動に対するヒステリシストルクHA
Cは2段目通常捩じり動作によって発生するヒステリシ
ストルクH2よりはるかに低い。以上の特性により所定
トルク以下でありその結果捩じり角度(振幅)の小さい
微小捩じり振動を効果的に吸収・減衰できる。
【0075】図29の状態からさらに第2バネ8が延
び、図30の状態に移行する。図30では第2バネ8は
自由長になっており、それ以上伸びることはない。図3
0の状態から第1バネ7が延び、図31の状態に移行す
る。この動作時に第1バネ7は出力回転体3をR2側に
押していく。図31では第1バネ7は自由長になってお
り、捩り特性線図における0゜の状態を示している。図
31を図20に比較すると、中間プレート11は他の部
材に対して第3隙間角度θ3n(0.7°)だけR1側
に捩れている。その結果第3ストッパー12ではθ2n
+θ3n(2.2°)の隙間角度が確保され、第4スト
ッパー14では中間プレート11と分離フランジ6とが
当接している。
【0076】図31の状態(捩り特性線図の0゜におい
て中間プレート11がR1側に第3隙間角度θ3n
(0.7゜)捩れた状態)が図19に対応している。こ
のため、図19から出力回転体3が入力回転体2に対し
てR1側に捩じれていくとき、低剛性・高ヒステリシス
トルクの領域が中立状態から捩じれていくときよりもθ
3n早く始まる。
【0077】次に、具体的にクラッチディスク組立体1
に各種捩り振動が入力された時の捩り特性の変化につい
て説明する。車両の前後振動のように振幅の大きな捩り
振動が発生すると、捩り特性は正負の2段目間で変動を
繰り返す。この時2段目の高ヒステリシストルクによっ
て車両の前後振動は速やかに減衰される。
【0078】次に、例えば通常走行時においてエンジン
の燃焼変動に起因する微小捩り振動がクラッチディスク
組立体1に入力されたとする。この時、出力回転体3と
入力回転体2とは正側2段目隙間角度θACpの範囲内
で大摩擦機構13を作用させず相対回転可能である。す
なわち捩り特性線図において隙間角度θACp範囲内で
は第2バネ8が作動するが、大摩擦機構13では滑りが
生じない。この結果、走行時ラトル、こもり音の原因と
なる微小捩り振動を効果的に吸収できる。
【0079】次に、アイドル時振動等の微小捩り振動が
クラッチディスク組立体1に入力された場合の動作につ
いて説明する。図35に示すように、2段目隙間角度θ
AC(θ2p+θ2n)内でダンパー機構が作動する。
この時、第1バネ7が作動し、大摩擦機構13では滑り
が生じない。このように2段目範囲で低剛性・低ヒステ
リシストルクを実現することで定常歯打ち音レベルが向
上している。2段目範囲で低剛性・低ヒステリシストル
クを実現すると、ジャンピング現象が生じることが考え
られるものの、このクラッチディスク組立体1では、2
段目範囲の両側に低剛性・高ヒステリシストルクの領域
を設けることでジャンピング現象を抑制している。ここ
で言うジャンピング現象とは、2段目の壁に正負とも跳
ね返され、2段目全体に渡る振動に発展する現象であ
り、定常の歯打ち音よりレベルの高い音が発生する現象
をいう。
【0080】本発明に係るダンパー機構は、クラッチデ
ィスク組立体以外にも採用可能である。例えば、2つの
フライホイールを回転方向に弾性的に連結するダンパー
機構等である。
【0081】
【発明の効果】本発明に記載のダンパー機構では、正側
2段目で摩擦抑制機構が摩擦機構を作動させない第1角
度範囲と、負側2段目で摩擦抑制機構が摩擦機構を作動
させない第2角度範囲との大きさが異なるため、それぞ
れの領域において適切な大きさの低ヒステリシストルク
角度を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クラッチディスク組立体の縦断面概略図。
【図2】クラッチディスク組立体の平面図。
【図3】図1の部分拡大図。
【図4】図1の部分拡大図。
【図5】各部分の捩り角度を説明するための平面図。
【図6】各部分の捩り角度を説明するための平面図。
【図7】各部分の捩り角度を説明するための平面図。
【図8】各部分の捩り角度を説明するための平面図。
【図9】各部分の捩り角度を説明するための平面図。
【図10】クラッチディスク組立体のダンパー機構の機
械回路図。
【図11】クラッチディスク組立体のダンパー機構の機
械回路図。
【図12】クラッチディスク組立体のダンパー機構の機
械回路図。
【図13】クラッチディスク組立体のダンパー機構の機
械回路図。
【図14】クラッチディスク組立体のダンパー機構の機
械回路図。
【図15】クラッチディスク組立体のダンパー機構の機
械回路図。
【図16】クラッチディスク組立体のダンパー機構の機
械回路図。
【図17】クラッチディスク組立体のダンパー機構の機
械回路図。
【図18】クラッチディスク組立体のダンパー機構の機
械回路図。
【図19】クラッチディスク組立体のダンパー機構の機
械回路図。
【図20】クラッチディスク組立体のダンパー機構の機
械回路図。
【図21】クラッチディスク組立体のダンパー機構の機
械回路図。
【図22】クラッチディスク組立体のダンパー機構の機
械回路図。
【図23】クラッチディスク組立体のダンパー機構の機
械回路図。
【図24】クラッチディスク組立体のダンパー機構の機
械回路図。
【図25】クラッチディスク組立体のダンパー機構の機
械回路図。
【図26】クラッチディスク組立体のダンパー機構の機
械回路図。
【図27】クラッチディスク組立体のダンパー機構の機
械回路図。
【図28】クラッチディスク組立体のダンパー機構の機
械回路図。
【図29】クラッチディスク組立体のダンパー機構の機
械回路図。
【図30】クラッチディスク組立体のダンパー機構の機
械回路図。
【図31】クラッチディスク組立体のダンパー機構の機
械回路図。
【図32】ダンパー機構の捩じり特性線図。
【図33】図32の部分拡大図。
【図34】図32の部分拡大図。
【図35】ダンパー機構の捩じり特性線図。
【符号の説明】
1 クラッチディスク組立体 2 入力回転体(第2回転体) 3 出力回転体(第1回転体) 4 ダンパー機構 5 摩擦連結機構 6 分離フランジ(第1中間体、第1中間部材) 7 第1バネ(第1弾性部材) 8 第2バネ(第2弾性部材) 9 第1ストッパー(第1ストッパー機構) 10 第2ストッパー 11 中間プレート(第2中間体、第2中間部材) 12 第3ストッパー(第2ストッパー機構) 13 大摩擦機構(摩擦機構) 14 第4ストッパー(第3ストッパー機構) 21 クラッチプレート(入力プレート) 22 リテーニングプレート(入力プレート) 62 ピン(連結部材) 69 孔 θACp 正側2段目隙間角度(第1円周方向隙間、第
1摩擦抑制機構) θACn 負側2段目隙間角度(第2円周方向隙間、第
2摩擦抑制機構)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1回転体と、 前記第1回転体と相対回転可能に配置され、トルクが入
    力される第2回転体と、 前記第1回転体と前記第2回転体とを回転方向に連結す
    るための機構であり、捩じり特性において1段目と前記
    1段目より剛性の高い2段目とを有し、前記1及び2段
    目は前記第2回転体が前記第1回転体に対して回転方向
    駆動側に捩じれた正側と前記第2回転体が前記第1回転
    体に対して回転方向駆動側と反対側に捩じれた負側とに
    それぞれ存在する、ダンパー機構と、 前記2段目において前記第1回転体と前記第2回転体が
    相対回転するときに摩擦を発生可能な摩擦機構と、 前記2段目において所定トルク以下の捩じり振動が入力
    されると、前記正側2段目では第1角度範囲内で前記摩
    擦機構を作動させず、前記負側2段目では前記第1角度
    範囲と大きさが異なる第2角度範囲内で前記摩擦機構を
    作動させない摩擦抑制機構と、を備えたダンパー機構。
  2. 【請求項2】第1回転体と、 前記第1回転体に相対回転可能に配置され、トルクが入
    力される第2回転体と、 前記第1回転体と前記第2回転体とを回転方向に連結す
    るための機構であり、捩じり特性において1段目と前記
    1段目より剛性の高い2段目とを有し、前記1及び2段
    目は前記第2回転体が前記第1回転体に対して回転方向
    駆動側に捩じれた正側と前記第2回転体が前記第1回転
    体に対して回転方向駆動側と反対側に捩じれた負側とに
    それぞれ存在する、ダンパー機構と、 前記2段目において前記第1回転体と前記第2回転体が
    相対回転するときに摩擦を発生可能な摩擦機構と、 前記正側2段目において所定トルク以下の捩じり振動が
    入力されると第1角度範囲内で前記摩擦機構を作動させ
    ない第1摩擦抑制機構と、 前記第1摩擦抑制機構とは独立して設けられ、前記負側
    2段目において所定以下のトルクが入力されると第2角
    度範囲内で前記摩擦機構を作動させない第2摩擦抑制機
    構と、を備えたダンパー機構。
  3. 【請求項3】前記第2角度範囲は前記第1角度範囲と大
    きさが異なる、請求項2に記載のダンパー機構。
  4. 【請求項4】前記第2角度範囲は前記第1角度範囲より
    小さい、請求項1〜3のいずれかに記載のダンパー機
    構。
  5. 【請求項5】前記第2角度範囲は前記第1角度範囲の約
    半分である、請求項4に記載のダパー機構。
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