JPH10231438A - モノアゾレーキ顔料およびその製造法 - Google Patents

モノアゾレーキ顔料およびその製造法

Info

Publication number
JPH10231438A
JPH10231438A JP3371897A JP3371897A JPH10231438A JP H10231438 A JPH10231438 A JP H10231438A JP 3371897 A JP3371897 A JP 3371897A JP 3371897 A JP3371897 A JP 3371897A JP H10231438 A JPH10231438 A JP H10231438A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pigment
amino
sulfonic acid
parts
dye
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3371897A
Other languages
English (en)
Inventor
Masao Shukutani
正夫 宿谷
Shinichi Sunochi
伸一 須之内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP3371897A priority Critical patent/JPH10231438A/ja
Publication of JPH10231438A publication Critical patent/JPH10231438A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 C.I.ピグメント レッド53:1に近似
した色相を有し、毒性を示すバリウム金属が含まれてお
らず、かつ鮮明性および光沢に優れた実用性の高い新規
な結晶型を有するモノアゾレーキ顔料を提供すること。 【解決手段】 X線回折角度(2θ±0.2゜;Cu
−Kα)5.2゜に強い回折強度を有し、9.2゜、1
0.3゜、18.5゜および25.1゜に弱い回折強度
を有するモノアゾレーキ顔料、および、1−アミノ−4
−クロロ−5−メチルベンゼン−2−スルホン酸のジア
ゾ化物と1−アミノ−4−メチル−5−クロロベンゼン
−2−スルホン酸のジアゾ化物とをジアゾ成分とし、β
−ナフトールをカップリング成分として混合カップリン
グにより得られる染料を、カルシウムでレーキ化した
後、非イオン性界面活性剤の存在下で熱処理するモノア
ゾレーキ顔料の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な結晶型を有
するモノアゾレーキ顔料、詳しくは鮮明性および光沢に
優れ、印刷インキ、塗料、プラスチック着色剤、文具用
等に賞用される黄味赤色系のモノアゾレーキ顔料、およ
びその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、可溶性基を有する芳香族アミンと
β−ナフトール或いはβ−オキシナフトエ酸からなるモ
ノアゾレーキ顔料は、印刷インキ、塗料、プラスチッ
ク、文具等の着色に使用されている。例えば、C.I.
ピグメント レッド53:1は、1−アミノ−4−クロ
ロ−5−メチルベンゼン−2−スルホン酸のジアゾ化物
をジアゾ成分とし、β−ナフトールをカップリング成分
として得られたモノアゾ染料を75〜85℃に加熱し、
塩化バリウムでレーキすることにより得られているし、
C.I.ピグメント レッド48:1は、1−アミノ−
4−メチル−5−クロロベンゼン−2−スルホン酸のジ
アゾ化物をジアゾ成分とし、β−オキシナフトエ酸をカ
ップリング成分として得られたモノアゾ染料を75〜8
5℃に加熱し、塩化バリウムでレーキすることにより得
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらのバリウムレー
キ顔料の中で、C.I.ピグメント レッド53:1は
大量に使用されてきたが、毒性を示すバリウム金属が含
まれているため、人の健康を損なうおそれがあり、規制
が強化され、用途によっては、使用が制限されつつあ
る。この様な状況から、バリウム金属を含まない新しい
C.I.ピグメントレッド53:1に近似した色相の顔
料の出現が望まれていた。
【0004】本発明が解決しようとする課題は、印刷イ
ンキ、塗料、プラスチック等の着色剤として、鮮明性お
よび光沢に優れた実用性の高い新規な結晶型を有するモ
ノアゾレーキ顔料を提供することにある。更に、毒性を
示すバリウム金属が含まれていないC.I.ピグメント
レッド53:1に近似した色相の顔料を提供し、労働
衛生上、環境問題等から懸念される危険性を回避するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、非イオン界面活性
剤の存在下、1−アミノ−4−クロロ−5−メチルベン
ゼン−2−スルホン酸のジアゾ化物と1−アミノ−4−
メチル−5−クロロベンゼン−2−スルホン酸のジアゾ
化物とをジアゾ成分とし、β−ナフトールをカップリン
グ成分として混合カップリングにより得られる染料を、
カルシウムでレーキ化し、熱処理してなるモノアゾレー
キ顔料は、バリウム金属を含んでいないにもかかわらず
C.I.ピグメント レッド53:1に近似した色相を
有し、鮮明性および光沢に優れていること、更にこの顔
料は、X線回折角度(2θ±0.2゜;Cu−Kα)
5.2゜に強い回折強度を有し、9.2゜、10.3
゜、18.5゜および25.1゜に弱い回折強度を有し
ており、上記両ジアゾ成分を単独で用いて得られる顔
料、またはそれらの物理的混合物に対して、X線回折パ
ターンを異にした、新規結晶型のモノアゾレーキ顔料で
あること等を見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、(1) X線回折角度
(2θ±0.2゜;Cu−Kα)5.2゜に強い回折強
度を有し、9.2゜、10.3゜、18.5゜および2
5.1゜に弱い回折強度を有することを特徴とするモノ
アゾレーキ顔料、(2) 1−アミノ−4−クロロ−5
−メチルベンゼン−2−スルホン酸のジアゾ化物と1−
アミノ−4−メチル−5−クロロベンゼン−2−スルホ
ン酸のジアゾ化物とをジアゾ成分とし、β−ナフトール
をカップリング成分として混合カップリングにより得ら
れる染料を、カルシウムでレーキ化した後、非イオン性
界面活性剤の存在下で熱処理してなるものである上記
(1)記載のモノアゾレーキ顔料、
【0007】(3) 染料が、1−アミノ−4−クロロ
−5−メチルベンゼン−2−スルホン酸のジアゾ化物4
5〜80モル%と1−アミノ−4−メチル−5−クロロ
ベンゼン−2−スルホン酸のジアゾ化物20〜55モル
%とをジアゾ成分とし、β−ナフトールをカップリング
成分として混合カップリングして得られる染料である上
記(2)記載のモノアゾレーキ顔料、(4) 染料をカ
ルシウムでレーキ化した後、非イオン性界面活性剤の存
在下、75〜95℃で0.5〜10.0時間熱処理して
なるものである上記(2)または(3)記載のモノアゾ
レーキ顔料、
【0008】(5) 1−アミノ−4−クロロ−5−メ
チルベンゼン−2−スルホン酸のジアゾ化物と1−アミ
ノ−4−メチル−5−クロロベンゼン−2−スルホン酸
のジアゾ化物とをジアゾ成分とし、β−ナフトールをカ
ップリング成分として混合カップリングにより得られる
染料を、カルシウムでレーキ化した後、非イオン性界面
活性剤の存在下で熱処理することを特徴とするモノアゾ
レーキ顔料の製造法、(6) 染料が、1−アミノ−4
−クロロ−5−メチルベンゼン−2−スルホン酸のジア
ゾ化物45〜80モル%と1−アミノ−4−メチル−5
−クロロベンゼン−2−スルホン酸のジアゾ化物20〜
55モル%とをジアゾ成分とし、β−ナフトールをカッ
プリング成分として混合カップリングして得られる染料
である上記(5)記載のモノアゾレーキ顔料の製造法、
および(7) 染料をカルシウムでレーキ化した後、非
イオン性界面活性剤の存在下、75〜95℃で0.5〜
10.0時間熱処理する上記(5)または(6)記載の
モノアゾレーキ顔料の製造法、を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】X線回折角度(2θ±0.2゜;
Cu−Kα)5.2゜に強い回折強度を有し、9.2
゜、10.3゜、18.5゜および25.1゜に弱い回
折強度を有する、本発明のモノアゾレーキ顔料は、1−
アミノ−4−クロロ−5−メチルベンゼン−2−スルホ
ン酸のジアゾ化物と1−アミノ−4−メチル−5−クロ
ロベンゼン−2−スルホン酸のジアゾ化物とをジアゾ成
分とし、β−ナフトールをカップリング成分として混合
カップリングさせて得られた染料を、カルシウムでレー
キ化した後、非イオン性界面活性剤の存在下で熱処理す
ることにより得られる。
【0010】上記ジアゾ化物の調製は、通常1−アミノ
−4−クロロ−5−メチルベンゼン−2−スルホン酸と
1−アミノ−4−メチル−5−クロロベンゼン−2−ス
ルホン酸とを十分に混合した混合物をジアゾ化してもよ
いし、別々にジアゾ化した後、両者を混合してもよい。
一般的には、混合物をジアゾ化し、カップリングに供す
るのが有利である。ジアゾ化は、水中で−10〜20
℃、好ましくは0〜10℃で、亜硝酸ナトリウム、亜硝
酸カリウム等の亜硝酸塩、および塩酸、硫酸等の鉱酸を
用いて行うことができる。これら亜硝酸塩の使用にあた
っては、水溶液として用いることもできるし、粉末状で
も使用できる。
【0011】両ジアゾ成分の混合割合は、1−アミノ−
4−クロロ−5−メチルベンゼン−2−スルホン酸のジ
アゾ化物45〜80モル%と1−アミノ−4−メチル−
5−クロロベンゼン−2−スルホン酸のジアゾ化物20
〜55モル%が好ましく、1−アミノ−4−クロロ−5
−メチルベンゼン−2−スルホン酸のジアゾ化物55〜
65モル%と1−アミノ−4−メチル−5−クロロベン
ゼン−2−スルホン酸のジアゾ化物35〜45モル%が
更に好ましい。
【0012】カップリング成分の調製は、β−ナフトー
ルをアルカリ水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム等に溶解し、所望の温度に合わせて完了す
る。溶解は30〜50℃で行うのが有利であり、温度が
高すぎると色相不良の原因となるので好ましくないし、
低温では溶解速度が遅く工業的には不利である。カップ
リング成分を溶解するために用いられるアルカリ水酸化
物の量は、カップリング後のpHが7.0以上となるよ
うに選ぶのが適当である。カップリング成分とジアゾ成
分の所定の比率は、通常、モル比で、カップリング成分
/ジアゾ成分=1.00〜1.20、好ましくは1.0
2〜1.10の範囲である。
【0013】カップリング反応は、例えばβ−ナフトー
ルのアルカリ水酸化物水溶液中に、混合ジアゾ化合物を
注ぎ、進行させることができる。カップリング反応は混
合ジアゾ化合物を注ぎ終えた後、通常1時間以内で完了
する。温度は、0〜50℃が好ましく、0〜25℃が更
に好ましい。カップリング後のpHは通常7.0以上、
好ましくは9.0以上、更に好ましくは11.0〜1
3.0である。
【0014】レーキ化は、例えばpHを7.0〜10.
0、好ましくは8.5〜9.5に調整した後、カルシウ
ム塩水溶液を加えて、0〜50℃、好ましくは0〜30
℃で行うことができる。レーキ化後の熱処理は、75〜
95℃、好ましくは80〜90℃で0.5〜10.0時
間、好ましくは3.0〜7.0時間の範囲である。その
結果、レーキ化の完結と顔料適性の向上が計られる。レ
ーキ化用カルシウム塩としては、塩化カルシウム、酢酸
カルシウム、硝酸カルシウム等があるが、経済性を考慮
すれば塩化カルシウムが好ましい。
【0015】非イオン性界面活性剤は、通常、レーキ化
に引き続き添加するが、カップリング成分中や染料中に
加えても差し支えない。非イオン性界面活性剤として
は、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエ
チレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミ
ド等を挙げることができ、その使用量は、一般的に当該
モノアゾレーキ顔料100重量部に対して、3〜50重
量部の範囲が好ましく、使用時の品質等を考慮すれば、
3〜20重量部の範囲が特に好ましい。
【0016】このようにして得られた本発明のモノアゾ
レーキ顔料のX線回折図は、それぞれのジアゾ成分を単
独で用いた場合のX線回折図とは著しい相違を示す新規
結晶型の顔料であり、本発明のモノアゾレーキ顔料を用
いて印刷インキ、塗料、プラスチックの着色をした場合
は、両ジアゾ成分単独から得られる顔料を用いた場合よ
り、鮮明性および光沢に優れるものとなる。
【0017】本発明の新規結晶型モノアゾレーキ顔料
は、バリウムレーキ顔料のように毒性を示すバリウム金
属を含まないので、バリウムレーキ顔料の代替品として
環境・安全・健康という社会的要請を満足する極めて有
用な色材である。
【0018】
【実施例】以下、実施例、比較例及び試験例を用いて、
本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施
例により限定されるものではない。尚、例中の「部」お
よび「%」は、特に断りがない限り、重量基準である。
【0019】実施例1 1−アミノ−4−クロロ−5−メチルベンゼン−2−ス
ルホン酸10.6部と1−アミノ−4−メチル−5−ク
ロロベンゼン−2−スルホン酸7.1部を水250部の
中にミキサーを使用して強力に分散させた後、20%塩
酸水溶液16.8部を加え、室温で60分間攪拌し、0
〜5℃に冷却した。次いで、40%亜硝酸ソーダ水溶液
14.2部を滴下し、0〜5℃で60分間攪拌してジア
ゾ化物を得た。
【0020】これとは別にβ−ナフトール12.1部を
水400部、25%苛性ソーダ水溶液19.2部と共に
45℃で30分間攪拌し、溶解させてカップラー溶液を
得た。このカップラー溶液を10℃に冷却し、攪拌しな
がら上記ジアゾ化物を10分間を要して滴下し、10℃
で60分間攪拌を続けてカップリング反応を終了させ、
モノアゾ染料の懸濁液を得た。pHは、12.0〜1
3.0であった。
【0021】この懸濁液に、5%塩酸水溶液を滴下し、
pHを9.0に調整した後、10℃で塩化カルシウム2
水和物9.3部を水100部に溶解した液を加え、さら
にポリオキシエチレンアルキルエーテル(花王株式会社
製エマルゲン147)2.4部を水100部に溶解した
液を加え、80分間かけて90℃まで加熱し、240分
間90℃で攪拌してから熱時濾過し、得られた顔料を温
水で洗浄した。洗浄した顔料を90℃で一昼夜乾燥させ
た後、粉砕して黄味赤色のモノアゾレーキ顔料粉末3
2.2部を得た。
【0022】このようにして得た顔料について、理学電
機株式会社製のX線回折装置「RINT1100」を用
いて粉末X線回折法により、Cu−Kα線照射によるX
線回折状態を記録し、図1にその結果を示した。この顔
料は、図1のX線回折図において回折角度(2θ±0.
2゜;Cu−Kα)5.2゜に強い回折強度を有し、
9.2゜、10.3゜、18.5゜および25.1゜に
弱い回折強度を有していた。
【0023】なお、X線回折装置の設定は以下の通りと
した。 使用電力:40KV、30mA サンプリング角度:0.020゜ 発散・散乱スリット:1゜ 受光スリット:0.30mm スキャンスピード:8゜/分
【0024】実施例2 1−アミノ−4−クロロ−5−メチルベンゼン−2−ス
ルホン酸8.9部と1−アミノ−4−メチル−5−クロ
ロベンゼン−2−スルホン酸8.9部を水250部の中
にミキサーを使用して強力に分散させた後、20%塩酸
水溶液16.8部を加え、室温で60分間攪拌し、0〜
5℃に冷却した。次いで、40%亜硝酸ソーダ水溶液1
4.2部を滴下し、0〜5℃で60分間攪拌してジアゾ
化物を得た。
【0025】これとは別にβ−ナフトール12.1部を
水400部、25%苛性ソーダ水溶液19.2部と共に
45℃で30分間攪拌し、溶解させてカップラー溶液を
得た後、このカップラー溶液にポリオキシエチレンアル
キルエーテル(花王株式会社製エマルゲン120)4.
0部を水200部に溶解した液を加えた。次いで、これ
を10℃に冷却し、攪拌しながら上記ジアゾ化物を10
分間を要して滴下し、10℃で60分間攪拌を続けてカ
ップリング反応を終了させ、モノアゾ染料の懸濁液を得
た。pHは、12.0〜13.0であった。
【0026】この懸濁液に、5%塩酸水溶液を滴下し、
pHを9.0に調整した後、10℃で塩化カルシウム2
水和物9.3部を水100部に溶解した液を加え、80
分間かけて90℃まで加熱し、300分間90℃で攪拌
してから熱時濾過し、得られた顔料を温水で洗浄した。
洗浄した顔料を90℃で一昼夜乾燥させた後、粉砕して
黄味赤色のモノアゾレーキ顔料粉末33.5部を得た。
【0027】このようにして得た顔料について、実施例
1と同様にしてCu−Kα線照射によるX線回折状態を
記録したところ、実施例1と同じく回折角度(2θ±
0.2゜;Cu−Kα)5.2゜に強い回折強度を有
し、9.2゜、10.3゜、18.5゜および25.1
゜に弱い回折強度を有していた。
【0028】実施例3 1−アミノ−4−クロロ−5−メチルベンゼン−2−ス
ルホン酸13.4部と1−アミノ−4−メチル−5−ク
ロロベンゼン−2−スルホン酸4.4部を水250部の
中にミキサーを使用して強力に分散させた後、20%塩
酸水溶液16.8部を加え、室温で60分間攪拌し、0
〜5℃に冷却した。次いで、40%亜硝酸ソーダ水溶液
14.2部を滴下し、0〜5℃で60分間攪拌してジア
ゾ化物を得た。
【0029】これとは別にβ−ナフトール12.1部を
水400部、25%苛性ソーダ水溶液19.2部と共に
45℃で30分間攪拌し、溶解させてカップラー溶液を
得た。このカップラー溶液を10℃に冷却し、攪拌しな
がら上記ジアゾ化物を10分間を要して滴下し、10℃
で60分間攪拌を続けてカップリング反応を終了させ、
モノアゾ染料の懸濁液を得た。pHは、12.0〜1
3.0であった。
【0030】この懸濁液に、ポリオキシエチレン脂肪酸
アミド(日光ケミカルズ株式会社製TAMDS−4)
1.8部を水200部に溶解した液を加え、次いで5%
塩酸水溶液を滴下し、pHを9.0に調整した後、10
℃で塩化カルシウム2水和物9.3部を水100部に溶
解した液を加え、80分間かけて90℃まで加熱し、1
80分間90℃で攪拌してから熱時濾過し、得られた顔
料を温水で洗浄した。洗浄した顔料を90℃で一昼夜乾
燥させた後、粉砕して黄味赤色のモノアゾレーキ顔料粉
末31.1部を得た。
【0031】このようにして得た顔料について、実施例
1と同様にしてCu−Kα線照射によるX線回折状態を
記録したところ、実施例1と同じく回折角度(2θ±
0.2゜;Cu−Kα)5.2゜に強い回折強度を有
し、9.2゜、10.3゜、18.5゜および25.1
゜に弱い回折強度を有していた。
【0032】比較例1 1−アミノ−4−クロロ−5−メチルベンゼン−2−ス
ルホン酸17.7部を水250部の中にミキサーを使用
して強力に分散させた後、20%塩酸水溶液16.8部
を加え、室温で60分間攪拌し、0〜5℃に冷却した。
次いで、40%亜硝酸ソーダ水溶液14.2部を滴下
し、0〜5℃で60分間攪拌してジアゾ化物を得た。
【0033】これとは別にβ−ナフトール12.1部を
水400部、25%苛性ソーダ水溶液19.2部と共に
45℃で30分間攪拌し、溶解させてカップラー溶液を
得た。このカップラー溶液を10℃に冷却し、攪拌しな
がら上記ジアゾ化物を10分間を要して滴下し、10℃
で60分間攪拌を続けてカップリング反応を終了させ、
モノアゾ染料の懸濁液を得た。pHは、12.0〜1
3.0であった。
【0034】この懸濁液に、5%塩酸水溶液を滴下し、
pHを9.0に調整した後、10℃で塩化カルシウム2
水和物9.3部を水100部に溶解した液を加え、80
分間かけて90℃まで加熱し、240分間90℃で攪拌
してから熱時濾過し、得られた顔料を温水で洗浄した。
洗浄した顔料を90℃で一昼夜乾燥させた後、粉砕して
黄味赤色のモノアゾレーキ顔料粉末31.5部を得た。
【0035】このようにして得た顔料について、実施例
1と同様にしてCu−Kα線照射によるX線回折状態を
記録し、図2にその結果を示した。この顔料は、図2の
X線回折図において回折角度(2θ±0.2゜;Cu−
Kα)5.0゜に強い回折強度を有し、10.1゜、1
3.8゜、14.4゜、20.4゜および25.8゜に
比較的弱い回折強度を有していた。
【0036】比較例2 1−アミノ−4−クロロ−5−メチルベンゼン−2−ス
ルホン酸17.7部の代わりに、1−アミノ−4−メチ
ル−5−クロロベンゼン−2−スルホン酸17.7部を
用いた以外は比較例1と同様にして、黄味赤色のモノア
ゾレーキ顔料粉末32.1部を得た。
【0037】このようにして得た顔料について、実施例
1と同様にしてCu−Kα線照射によるX線回折状態を
記録し、図3にその結果を示した。この顔料は、図3の
X線回折図において回折角度(2θ±0.2゜;Cu−
Kα)4.7゜に強い回折強度を有し、15.2゜およ
び24.0゜に比較的弱い回折強度を有していた。
【0038】比較例3 比較例1で得た顔料6部と比較例2で得た顔料4部を十
分に混合して、混合顔料10部を得た。
【0039】このようにして得た混合顔料について、実
施例1と同様にしてCu−Kα線照射によるX線回折状
態を記録し、図4にその結果を示した。この顔料は、図
4のX線回折図において回折角度(2θ±0.2゜;C
u−Kα)4.7゜および5.0゜に強い回折強度を有
し、10.1゜、13.8゜および25.8゜に比較的
弱い回折強度を有していた。
【0040】試験例1 実施例1〜3および比較例1〜3で得た、いずれかの顔
料0.5部とインキワニス(大日本インキ化学工業株式
会社製「MG−63ワニス」)1.5部を、オートマチ
ックフーバーマーラーで150ポンドの荷重をかけ、1
00回転で3回練肉してインキを調製した。このインキ
を、小型輪転印刷機(プルフバウ印刷機)でアート紙に
展色した。
【0041】得られた展色紙の彩度(C*)を分光光度
計〔アプライドカラー・システム・インコーポレーテッ
ド(Appliedcolor Systems Inc. )製ACS−1400
STC〕により、また光沢(60゜)をヘイズグロスメ
ーター〔ビー・ワイ・ケイ・ガードナー・インコーポレ
ーテッド(BYK-Gardner Inc.)製〕により、それぞれ測
定し、その結果を表1に示した。
【0042】
【表1】
【0043】表1に示した結果から、実施例1〜3で得
た顔料を用いたインキは、比較例1〜3で得た顔料を用
いたインキと比較して、彩度、光沢が高く、優れている
ことが明らかである
【0044】試験例2 実施例1〜3、比較例1〜3で得た顔料およびC.I.
ピグメント レッド53:1(大日本インキ化学工業株
式会社製SYMULER LAKE REDC CON
C)のいずれか0.5部とインキワニス(大日本インキ
化学工業株式会社製「MG−63ワニス」)1.5部
を、オートマチックフーバーマーラーで150ポンドの
荷重をかけ、100回転で3回練肉してインキを調製
し、得られたインキを小型輪転印刷機(プルフバウ印刷
機)でアート紙に展色した。
【0045】得られた展色紙の色相(a*、b*)を分
光光度計〔アプライドカラー・システム・インコーポレ
ーテッド(Appliedcolor Systems Inc. )製ACS−1
400STC〕により測定し、その結果を表2に示し
た。
【0046】
【表2】
【0047】表2に示した結果から、実施例1〜3で得
た顔料を用いたインキの色相は、C.I.ピグメント
レッド53:1に近似した色相を有していることが明ら
かである。これに対して比較例1〜3で得た顔料を用い
たインキの色相は、C.I.ピグメント レッド53:
1と近似した色相を有していないことが明らかである。
【0048】
【発明の効果】本発明のモノアゾレーキ顔料は、バリウ
ムレーキ顔料であるC.I.ピグメント レッド53:
1に近似した色相を有し、鮮明性および光沢に優れてお
り、しかも毒性を示すバリウム金属を含まないので、
C.I.ピグメント レッド53:1の代替品として、
印刷インキ、プラスチックの着色や塗料等に使用でき、
有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得た本発明のモノアゾレーキ顔料の
X線回折図(2θ±0.2゜;Cu−Kα)である。
【図2】比較例1で得たモノアゾレーキ顔料のX線回折
図(2θ±0.2゜;Cu−Kα)である。
【図3】比較例2で得たモノアゾレーキ顔料のX線回折
図(2θ±0.2゜;Cu−Kα)である。
【図4】比較例3で得たモノアゾレーキ顔料のX線回折
図(2θ±0.2゜;Cu−Kα)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09B 67/22 C09B 67/22 B 67/48 67/48 B

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線回折角度(2θ±0.2゜;Cu−
    Kα)5.2゜に強い回折強度を有し、9.2゜、1
    0.3゜、18.5゜および25.1゜に弱い回折強度
    を有することを特徴とするモノアゾレーキ顔料。
  2. 【請求項2】 1−アミノ−4−クロロ−5−メチルベ
    ンゼン−2−スルホン酸のジアゾ化物と1−アミノ−4
    −メチル−5−クロロベンゼン−2−スルホン酸のジア
    ゾ化物とをジアゾ成分とし、β−ナフトールをカップリ
    ング成分として混合カップリングにより得られる染料
    を、カルシウムでレーキ化した後、非イオン性界面活性
    剤の存在下で熱処理してなるものである請求項1記載の
    モノアゾレーキ顔料。
  3. 【請求項3】 染料が、1−アミノ−4−クロロ−5−
    メチルベンゼン−2−スルホン酸のジアゾ化物45〜8
    0モル%と1−アミノ−4−メチル−5−クロロベンゼ
    ン−2−スルホン酸のジアゾ化物20〜55モル%とを
    ジアゾ成分とし、β−ナフトールをカップリング成分と
    して混合カップリングして得られる染料である請求項2
    記載のモノアゾレーキ顔料。
  4. 【請求項4】 染料をカルシウムでレーキ化した後、非
    イオン性界面活性剤の存在下、75〜95℃で0.5〜
    10.0時間熱処理してなるものである請求項2または
    3記載のモノアゾレーキ顔料。
  5. 【請求項5】 1−アミノ−4−クロロ−5−メチルベ
    ンゼン−2−スルホン酸のジアゾ化物と1−アミノ−4
    −メチル−5−クロロベンゼン−2−スルホン酸のジア
    ゾ化物とをジアゾ成分とし、β−ナフトールをカップリ
    ング成分として混合カップリングにより得られる染料
    を、カルシウムでレーキ化した後、非イオン性界面活性
    剤の存在下で熱処理することを特徴とするモノアゾレー
    キ顔料の製造法。
  6. 【請求項6】 染料が、1−アミノ−4−クロロ−5−
    メチルベンゼン−2−スルホン酸のジアゾ化物45〜8
    0モル%と1−アミノ−4−メチル−5−クロロベンゼ
    ン−2−スルホン酸のジアゾ化物20〜55モル%とを
    ジアゾ成分とし、β−ナフトールをカップリング成分と
    して混合カップリングして得られる染料である請求項5
    記載のモノアゾレーキ顔料の製造法。
  7. 【請求項7】 染料をカルシウムでレーキ化した後、非
    イオン性界面活性剤の存在下、75〜95℃で0.5〜
    10.0時間熱処理する請求項5または6記載のモノア
    ゾレーキ顔料の製造法。
JP3371897A 1997-02-18 1997-02-18 モノアゾレーキ顔料およびその製造法 Pending JPH10231438A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3371897A JPH10231438A (ja) 1997-02-18 1997-02-18 モノアゾレーキ顔料およびその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3371897A JPH10231438A (ja) 1997-02-18 1997-02-18 モノアゾレーキ顔料およびその製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10231438A true JPH10231438A (ja) 1998-09-02

Family

ID=12394192

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3371897A Pending JPH10231438A (ja) 1997-02-18 1997-02-18 モノアゾレーキ顔料およびその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10231438A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0965617A1 (de) * 1998-06-19 1999-12-22 Clariant GmbH Neue Kristallmodifikation vom Pigment C.I. Pigment Red 53:2 (gamma-Phase)
EP0965616A1 (de) * 1998-06-19 1999-12-22 Clariant GmbH Neue Kristallmodifikation vom Pigment C.I. Pigment Red 53:2 (delta-Phase)
EP1010732A1 (de) * 1998-12-19 2000-06-21 Clariant GmbH Verfahren zur Herstellung neuer Kristallmodifikationen von C.I. Pigment Red 53:2
CN111434727A (zh) * 2019-01-11 2020-07-21 山阳色素株式会社 偶氮颜料组合物及其制造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0965617A1 (de) * 1998-06-19 1999-12-22 Clariant GmbH Neue Kristallmodifikation vom Pigment C.I. Pigment Red 53:2 (gamma-Phase)
EP0965616A1 (de) * 1998-06-19 1999-12-22 Clariant GmbH Neue Kristallmodifikation vom Pigment C.I. Pigment Red 53:2 (delta-Phase)
US6146455A (en) * 1998-06-19 2000-11-14 Clariant Gmbh Crystal modification of C.I. Pigment Red 53:2 (δ-phase)
EP1010732A1 (de) * 1998-12-19 2000-06-21 Clariant GmbH Verfahren zur Herstellung neuer Kristallmodifikationen von C.I. Pigment Red 53:2
CN111434727A (zh) * 2019-01-11 2020-07-21 山阳色素株式会社 偶氮颜料组合物及其制造方法
CN111434727B (zh) * 2019-01-11 2023-11-17 山阳色素株式会社 偶氮颜料组合物及其制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6254763A (ja) アゾレ−キ顔料の製造法
JPS5884873A (ja) シ−.アイ.ピグメント イエロ− 74の安定化不透明体、その製造方法および該安定化顔料を含有する水性顔料ペ−スト
JPH10231438A (ja) モノアゾレーキ顔料およびその製造法
JPH0749539B2 (ja) モノアゾレ−キ顔料
JPH115918A (ja) モノアゾレーキ顔料およびその製法
JPH10204313A (ja) モノアゾレーキ顔料およびその製造方法
GB2160212A (en) Azo pigment composition
JPS62205166A (ja) ベンズイソチアゾ−ルアゾ染料のγ−変態
JP4161238B2 (ja) 顔料組成物及び顔料分散体
JPH0662876B2 (ja) モノアゾレーキ顔料の製造方法
JPH11293138A (ja) モノアゾレーキ顔料およびその製法
JPH09268259A (ja) 新規結晶型モノアゾレーキ顔料
JPH09241524A (ja) 新規結晶型モノアゾレーキ顔料
JPH09227791A (ja) 新規結晶型モノアゾレーキ顔料
JPH09194752A (ja) 新規結晶型モノアゾレーキ顔料
JPS58183756A (ja) アゾ顔料の製造方法
JPH08302232A (ja) 新規結晶型モノアゾレーキ顔料
JP2762583B2 (ja) レーキ顔料の表面処理方法
JPS5821937B2 (ja) アゾレ−キ顔料の製造法
JPS63152670A (ja) アゾ顔料の製造法
JP2599657B2 (ja) 赤系アゾ顔料組成物及びその製造方法
JPH0526832B2 (ja)
JP2000044832A (ja) C.i.ピグメントレッド53:2の新規結晶変種(デルタ相)
JP2696060B2 (ja) オフセットインキ用顔料水ペーストの製造方法
JPH07113091B2 (ja) アゾレーキ顔料の製造方法