JPH10203022A - 感熱記録体 - Google Patents

感熱記録体

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JPH10203022A
JPH10203022A JP9015347A JP1534797A JPH10203022A JP H10203022 A JPH10203022 A JP H10203022A JP 9015347 A JP9015347 A JP 9015347A JP 1534797 A JP1534797 A JP 1534797A JP H10203022 A JPH10203022 A JP H10203022A
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貴子 瀬川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感熱記録体の発色画像の耐油性、耐可塑剤性
を向上させ、それによって発色画像の長期安定性を高め
る。 【解決手段】 感熱記録体の感熱発色層に染料前駆体と
共に含まれる顕色剤が、下記一般式(I): 【化1】 (ただし、上記式R1、R2は無置換または低級アルキル
基、ハロゲン原子から選ばれた少なくとも一員により置
換されたベンゼン環およびナフタレン環から選ばれた一
員を示し、R3は水素原子、ハロゲン原子から選ばれた
一員を示す。)で表わされる有機化合物を少なくとも一
種含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱によって発色
画像を形成する感熱記録体、特に一旦発色した画像の消
失の無い、記録の保存安定性に優れた感熱記録体に関す
るものである。さらに詳しくは、記録の長期保存性が良
好であって、同時に記録画像の耐湿性、耐熱性などの耐
環境性、さらに耐油性、耐可塑剤性に優れ、画像記録
紙、ファクシミリ用紙、キャッシュディスペンサー用
紙、乗車券、定期券、POSラベル等のラベル、プリペ
イドカード等のカードおよび通行券などに有用な感熱記
録体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】感熱記録体は、一般に紙、合成紙、プラ
スチックフィルム等の支持体上に、電子供与性ロイコ染
料のような発色性物質と、電子受容性のフェノール性化
合物等の有機酸性物質のような顕色性物質を主成分とす
る感熱発色層を設けたものであり、それらの発色成分を
熱エネルギーによって反応させて記録画像を得ることが
できる。このような感熱記録体は特公昭43−4160
号、特公昭45−14039号、及び特公昭48−27
736号などに開示されており、広く実用化されてい
る。感熱記録体は、記録装置がコンパクトで安価でかつ
保守が容易であることから、電子計算機のアウトプッ
ト、ファクシミリ、自動券売機、科学計測器のプリンタ
ー、あるいはCRT医療計測用のプリンター等に広範囲
に使用されている。しかし、支持体上に発色性染料物
質、顕色性物質および結着剤を有効成分とする感熱発色
層を塗工した従来のいわゆる染料型感熱記録体にあって
は、発色反応が可逆的であるため、発色画像が経時的に
消色することが知られている。この消色は曝光、高湿、
高温雰囲気下(耐環境性)に加速され、さらに可塑剤お
よび油等の接触によって速やかに進行し、画像は読み取
り不可能なレベルまで消色してしまう。
【0003】通常無色ないし淡色のラクトン環化合物を
主とする染料を使用する発色系を用いつつ、この消色現
象を抑制するために数多くの技術が開示されてきた。例
えば特開昭60−78782号、特開昭59−1672
92号、特開昭59−114096号、特開昭59−9
3387号に見られるようなフェノール系酸化防止剤を
感熱発色層中に配合したもの、また、特開昭56−14
6796号に見られるような疎水性高分子化合物エマル
ジョン等を保護層に使用したもの、あるいは、特開昭5
8−199189号に見られるように感熱発色層上に水
溶性高分子化合物または、疎水性高分子化合物エマルジ
ョンを中間層として設け、その上に疎水性高分子化合物
を樹脂成分とする油性塗料による表面層を設けたもの、
また特開昭62−164579号に見られるようなエポ
キシ化合物を含有させたもの、さらには特開昭62−1
69681号に見られる特定のサリチル酸誘導体の金属
塩を顕色剤として用いるもの等が知られている。
【0004】前述のフェノール系酸化防止剤を配合した
感熱発色層においては、それがない場合の画像に比べ、
耐環境性は多少改良されるが、耐油性(例えばサラダオ
イルを発色面に接触させた場合の一定時間後の画像濃度
の保存率)、耐可塑剤性(可塑剤を含有したラップフィ
ルム等を発色面に接触させた場合の一定時間後の画像濃
度の保存率)などについては改良が認められない。一
方、保護層、表面層を設けた感熱記録体は、耐環境性は
やや改良されるが、長時間の試験では消色は避けられな
い。また耐油性に関しても、オイルと接触させた直後の
画像保存性は改良されるが、オイルの浸透にしたがって
画像はほぼ完全に消失してしまい、上記問題点に対する
本質的な解決策とはいえない。また、エポキシ化合物を
含有させたものでは、加熱発色操作をしてから発色画像
が安定化されるまでに比較的長い時間が必要であり、例
えば発色直後に発色画像にサラダオイルを塗布したり、
可塑剤と接触させると発色画像はそのかなりの部分が消
色してしまう。さらに、特定のサリチル酸金属塩を用い
たものは、耐油性や耐可塑剤性は改良されるが、耐熱試
験において白紙部の発色が認められ、又、有効な特定の
サリチル酸の化学構造が複雑で高価であるという欠点を
有する。さらに、スルホニルアミド基を有する特定の顕
色剤を用いることが提案されたが(特開昭62−194
85号)、得られる感熱記録材料の発色能力が、従来の
フェノール性材料と比べても同等またはそれ以下であ
り、優れた発色能が得られなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこれらの問題
点を解決し、耐油性、耐可塑剤性、耐湿性、耐熱性等の
発色画像の長期保存性に優れた感熱記録体を提供しよう
とするものである。本発明は、例えば自動券売機用感熱
記録型の乗車券として使用できるのみならず、保存性を
必要とする回数券や定期券などへの使用、可塑剤、油脂
類との接触が避けられないポリ塩化ビニルフィルムで包
装した食品の包装面に貼付けるPOS用バーコードシス
テム用のラベルとして適するばかりでなく、長期保存用
のファクシミリ用紙やワープロ用紙、また、CRT用画
像プリンター用紙としても利用できる感熱記録体を提供
しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の感熱記録体は、
シート状基体と、このシート状基体の少なくとも一面に
形成され、かつ、無色又は淡色の染料前駆体と、加熱下
に反応してこれを発色させる顕色剤を含む感熱発色層を
有し、前記顕色剤が下記一般式(I):
【化2】 (ただし、上記式R1 、R2 はそれぞれ独立に無置換ま
たは低級アルキル基、ハロゲン原子から選ばれた少なく
とも一員により置換されたベンゼン環およびナフタレン
環から選ばれた一員を示し、R3 は水素原子、ハロゲン
原子から選ばれた一員を示す。)で表わされる有機化合
物を少なくとも一種含むことを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明にかかわる顕色剤の具体的
な化合物としては、以下のようなものをあげることがで
きる。1−(フェニルアミノカルボニルアミノスルホニ
ル)−4−(p−トルエンスルホニルアミノカルボニル
アミノ)ベンゼン、1−(ナフチルアミノカルボニルア
ミノスルホニル)−4−(p−トルエンスルホニルアミ
ノカルボニルアミノ)ベンゼン、1−(m−クロロフェ
ニルアミノカルボニルアミノスルホニル)−4−(p−
トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ベンゼ
ン、1−(フェニルアミノカルボニルアミノスルホニ
ル)−3−(p−トルエンスルホニルアミノカルボニル
アミノ)ベンゼン、4−(ベンゼンスルホニルアミノカ
ルボニルアミノ)−1−(フェニルアミノカルボニルア
ミノスルホニル)ベンゼン、4−(p−クロロベンゼン
スルホニルアミノカルボニルアミノ)−1−(フェニル
アミノカルボニルアミノスルホニル)ベンゼン、1−
(フェニルアミノカルボニルアミノスルホニル)−4−
(o−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ベ
ンゼン、1−(p−メチルフェニルアミノカルボニルア
ミノスルホニル)−4−(p−トルエンスルホニルアミ
ノカルボニルアミノ)ベンゼン、6−クロロ−1−(フ
ェニルアミノカルボニルアミノスルホニル)−3−(p
−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ベンゼ
ン、4−(2−ナフタレンスルホニルアミノカルボニル
アミノ)−1−(フェニルアミノカルボニルアミノスル
ホニル)ベンゼン。これらの化合物は単独で用いられて
も良く、あるいはその2種以上を混合して用いてもよ
い。
【0008】本発明において用いられる式(I)で表わ
される有機化合物は、顕色剤として作用するものであ
る。すなわち式(I)に含まれる官能基は、フェノール
性の水酸基あるいはカルボキシル基などの酸性官能基を
有しないが、塩基性のロイコ染料に対し、強い顕色能力
を有するのである。そして、さらに、一旦発色させた染
料を強固に保持し、消色反応を抑制するのである。これ
ら優れた性質のうち、まず強い顕色能力については式
(I)中に含まれるスルホニルウレア基が、染料と強い
相互作用をすることによると考えられ、さらにこの官能
基を一分子中に2つ有していることにより強い保存性を
発現していると考えている。
【0009】上記のような式(I)で表される有機化合
物は従来報告されていない新規化合物であって、その合
成は、例えば下記の反応により行なうことができる。
【化3】 (ただし上記式中R1 、R2 、R3 は前記と同様であ
る。)
【0010】本発明で染料前駆体として使用されるロイ
コ染料はトリフェニルメタン系、フルオラン系、ジフェ
ニルメタン系化合物等が例示できる。たとえば、3−
(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−
(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4
−アザフタリド、クリスタルバイオレットラクトン、3
−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−6−メチル−7−(o、p−ジメチルアニリノ)フ
ルオラン、3−(N−エチル−N−p−トルイジノ)−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチル
アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−
(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルア
ミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラ
ン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラ
ン、3−(N−エチル−N−ヘキシルアミノ)−6−メ
チル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、および
2−クロロ−3−メチル−6−(N,N−ジエチルアミ
ノアニリノフルオラン、3−(p−アニリノアニリノ)
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,6−ビス
(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−
(6’−ジメチルアミノフタリド)、3,3−ビス(2
−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキ
シフェニル)エテニル)−4,5,6,7−テトラクロ
ロフタリド、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−p
−トルエンスルホニルメタン等を例示できる。これらは
単独で、または2種以上を併用することもできる。
【0011】又、本発明においては、所望の効果を疎外
しない範囲で、N−アリールスルホニル尿素誘導体ある
いはフェノール類、または、有機酸等の従来公知の顕色
剤を本発明の式(I)で表わされる官能基を有する化合
物と併用することもできる。これら顕色剤は、例えば、
N−(p−トルエンスルホニル)−N’−フェニル尿
素、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(p−メ
トキシフェニル)尿素、N−(p−トルエンスルホニ
ル)−N’−(o−トリル)尿素、N−(p−トルエン
スルホニル)−N’−(m−トリル)尿素、N−(p−
トルエンスルホニル)−N’−(p―トリル)尿素、N
−(p−クロロベンゼンスルホニル)−N’−フェニル
尿素、N−(p−トルエンスルホニル)−N―(o−ク
ロロフェニル)尿素、N−(ベンゼンスルホニル)−
N’−フェニル尿素、4,4’−ビス(p−トルエンス
ルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビ
スフェノールA)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス(1−メチ
ル−1−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル)ベンゼ
ン、1,3−ビス(1−メチル−1−(4’−ヒドロキ
シフェニル)エチル)ベンゼン、ジヒドロキシジフェニ
ルエーテル(特開平1−180382号)、p−ヒドロ
キシ安息香酸ベンジル(特開昭52−140483
号)、ビスフェノールS、4−ヒドロキシ―4’−イソ
プロピルオキシジフェニルスルホン(特開昭60−13
852号)、1、1−ジ(4−ヒドロキシフェニル)シ
クロヘキサン、1、7−ジ(4−ヒドロキシフェニルチ
オ)−3、5−ジオキサヘプタン(特開昭59−526
94号)、3、3’−ジアリル−4、4’−ジヒドロキ
シジフェニルスルホン(特開昭60−208286号)
などが例示できる。
【0012】本発明においては、熱可融性物質(いわゆ
る増感剤)を併用することが好ましい。増感剤として
は、例えば、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル
エステル(特開昭57−191089号)、p−ベンジ
ルビフェニル(特開昭60−82382号)、ベンジル
ナフチルエーテル(特開昭58−87094号)、ジベ
ンジルテレフタレート(特開昭58−98285号)、
p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル(特開昭57−2
01691号)、炭酸ジフェニル、炭酸ジトリル(特開
昭58−136489号)、m−ターフェニル(特開昭
57−89994号)、1,2−ビス(m−トリルオキ
シ)エタン(特開昭60−56588号)、1,5−ビ
ス(p−メトキシフェノキシ)−3−オキサペンタン
(特開昭62−181183号)、シュウ酸ジエステル
類(特開昭64−1583号、特公平5−62597
号)、1,4−ビス(pートリルオキシ)ベンゼン(特
開平2−153783号)、ジフェニルスルホン(融点
124℃)、p−トルエンスルホン酸フェニルエステル
(融点96℃)、メシチレンスルホン酸p−トリルエス
テル(融点100−102℃)、4,4’−ジアリルオ
キシジフェニルスルホン(融点145℃)、4−エトキ
シフェニルメチルスルホン(融点91℃)、4,4’−
ジイソペンチルオキシジフェニルスルホン(融点100
℃)、4,4’−ジメトキシジフェニルスルホン(融点
130℃)、2,2−ビス(4−ベンゼンスルホニルオ
キシフェニル)プロパン(融点114℃)、2,2−ビ
ス(4−メタンスルホニルオキシフェニル)プロパン
(融点101℃)、N−フェニル−4−メチルフェニル
スルホンアミド(融点102℃)、o−クロロアセトア
セトアニリド(融点103℃)、p−メトキシベンゼン
アセトアセトアニリド、N−ベンジル−o−スルホフタ
ルイミドなどが例示できる。
【0013】又、本発明の感熱層には、さらにヒンダー
ドフェノール化合物又は紫外線吸収剤等を添加できる。
それらは例えば特開昭57−151394号、特開昭5
8−160191号、特開昭58−69096号、特開
昭59−2884号、特開昭59−95190号、特開
昭60−22288号、特開昭60−255485号、
特開昭61−44686号、特開昭62−169683
号、特開昭63−17081号、特開平1−24938
5号、特開平2−266645号等に挙げられた化合物
などである。具体的には2−(2’−ヒドロキシ−5’
−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,4−ジヒ
ドロキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−
3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5
−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ
−3’、5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−
クロロベンゾトリアゾール等を例示できる。
【0014】本発明の感熱記録体の感熱発色層は、おも
にロイコ染料と、本発明の式(I)で表わされる芳香族
有機化合物(顕色剤)および増感剤からなる。さらに、
感熱発色層は、必要に応じて、従来公知のフェノール系
あるいは有機酸系顕色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
またはワックス類を含むことができる。また、有機又は
無機顔料類を含んでいることが好ましい。更に、これら
の成分を支持体に固着するためのバインダーを含むもの
である。
【0015】感熱発色層における上記ロイコ染料の感熱
発色層中の含有率は、一般に感熱発色層の乾燥重量の5
〜20重量%であることが好ましく、本発明の式(I)
で表される芳香族有機化合物である顕色剤の含有率も特
に限定しないが、一般に10〜50重量%であることが
好ましい。含有率が10重量%未満では顕色能力に不足
をきたす恐れがあり、50重量%を越えて入れても顕色
能力が飽和して格別の改善は見られず、経済的に不利と
なることがある。
【0016】感熱発色層に酸化防止剤又は紫外線吸収剤
が含まれる場合、その含有率は1〜10重量%であるこ
とが好ましい。従来公知のフェノール系あるいは有機酸
系顕色剤を併用する場合、その含有率は、5〜40重量
%であることが好ましい。また増感剤の含有率は10〜
40重量%が好ましい。ワックス類、顔料が感熱発色層
に含まれる場合、その含有率はそれぞれ5〜20重量
%、10〜50重量%であることが好ましく、またバイ
ンダーの含有率は一般に5〜20重量%である。
【0017】上記の有機又は無機の顔料としては、例え
ば炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水
酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレ
ー、焼成クレー、タルク、および表面処理された炭酸カ
ルシウムやシリカ等の無機系微粉末の他、並びに、尿素
−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、
およびポリスチレン樹脂等の有機系の微粉末などの白色
顔料を例示することができるが、炭酸カルシウムのよう
なアルカリ土類金属の塩は多用すると感度の低下を引き
起こす場合があるのでその使用量は感熱発色層の乾燥重
量の20重量%以下であることが好ましい。
【0018】またワックス類としては、例えば、パラフ
ィン、アミド系ワックス、ビスイミド系ワックス、高級
脂肪酸の金属塩など公知のものを用いることができる。
前記バインダーついては、種々の分子量のポリビニルア
ルコール、デンプン及びその誘導体、メトキシセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、
エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル
酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド/
アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アク
リル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン
/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルア
ミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、およびカゼインな
どの水溶性高分子材料、並びに、ポリ酢酸ビニル、ポリ
ウレタン、スチレン/ブタジエン共重合体、ポリアクリ
ル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニ
ル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン/酢
酸ビニル共重合体、およびスチレン/ブタジエン/アク
リル系共重合体等の各々のラテックスを例示できる。
【0019】本発明の感熱記録体に用いられるシート状
基体は、紙(酸性紙や中性紙を含む)、表面に顔料、ラ
テックスなどを塗工したコーテッド紙、ラミネート紙、
ポリオレフィン系樹脂から作られた合成紙、プラスチッ
クフィルムなどから選ぶことができる。このようなシー
ト状基体の少なくとも一面上に、上記所要成分の混合物
を含む塗布液を塗布し、乾燥して感熱記録体を製造す
る。塗布量は特に限定しないが、塗布液層が乾燥した状
態で1〜15g/m2 が好ましく、2〜10g/m2
特に好ましい。本発明の感熱記録体においてその感熱発
色層上に更に保護層、印刷層などのような被覆層を形成
することもできる。また支持体上に顔料(好ましくは吸
油性顔料)と接着剤を含有する下塗り層を設けることも
できる。
【0020】本発明においては、感熱記録体の付加価値
を高めるためにさらに加工を施し、より高い機能を付与
した感熱記録体とすることができる。例えば、裏面に粘
着剤、再湿接着剤、ディレードタック型接着剤による加
工を施すことで粘着紙、再湿接着紙、ディレードタック
紙としたり、磁気加工することで裏面に磁気記録可能な
感熱記録材料とすることができる。また裏面を利用して
熱転写用紙、インクジェット用紙、ノーカーボン用紙、
静電記録紙、ゼログラフィ用紙としての機能をもたせ、
両面への記録が可能な記録紙とすることもできる。もち
ろん両面感熱記録体とすることもできる。
【0021】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明
する。特に断らない限り「部」および「%」は、それぞ
れ「重量部」および「重量%」をあらわす。
【0022】合成例1 1−(フェニルアミノカルボニ
ルアミノスルホニル)−4−(p−トルエンスルホニル
アミノカルボニルアミノ)ベンゼンの合成 温度計、還流器、滴下ロートをつけた三口フラスコに
6.9gのメチル(N−4−アミノベンゼンスルホニ
ル)カーバメートと、60mlのトルエンを入れ、この
混合物をマグネティックスターラーで撹拌しつつ、室温
において滴下ロートにより4.2gのアニリンを加え
た。この反応懸濁液を室温にて攪拌後、15時間加熱還
流すると、白色固体が析出したので、冷ました後濾過を
行ない、8.2gのN−(4−アミノベンゼンスルホニ
ル)−N’−フェニルウレア(化合物A)の薄い桃白色
固体を得た(NMR測定により、同定した)。
【0023】次に温度計、還流器、滴下ロートをつけた
三口フラスコに得られた化合物N−(4−アミノベンゼ
ンスルホニル)−N’−フェニルウレア7.3gをアセ
トニトリル150mlに溶解し、この溶液をマグネティ
ックスターラーで撹拌しつつ、室温において滴下ロート
により5.2gのp−トルエンスルホニルイソシアナー
トを加えた。この反応溶液を2時間加熱還流後、冷ま
し、析出した白色固体を濾過した。7gの1−(フェニ
ルアミノカルボニルアミノスルホニル)−4−(p−ト
ルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ベンゼンが
得られた。
【0024】NMR測定により、得られた化合物が目的
物であることを同定した。NMR測定(重DMSO中)
結果は、以下の通り。 δ=2.40(s,3H),7.01(t,1H),
7.24(t,2H),7.30(d,2H),7.4
2(d,2H),7.55(d,2H)、7.85
(d,4H)。 その他N−Hに起因すると思われるピークがδ=8.7
7と9.29と10.75付近に現われる。本結晶をD
SC(示差走査熱量計)により分析すると185℃に化
合物の融点によると思われる吸熱ピークが現われた。
【0025】合成例2 4−(ベンゼンスルホニルアミ
ノカルボニルアミノ)−1−(フェニルアミノカルボニ
ルアミノスルホニル)ベンゼンの合成 上記合成例1と同様にN−(4−アミノベンゼンスルホ
ニル)−N’−フェニルウレア(化合物A)を合成し
た。次に温度計、還流器、滴下ロートをつけた三口フラ
スコに得られた化合物N−(4−アミノベンゼンスルホ
ニル)−N’−フェニルウレア7.3gをアセトニトリ
ル150mlに溶解し、この溶液をマグネティックスタ
ーラーで撹拌しつつ、室温において滴下ロートにより
4.8gのベンゼンスルホニルイソシアナートを加え
た。この反応溶液を2時間加熱還流後、冷まし、析出し
た白色固体を濾過した。9gの4−(ベンゼンスルホニ
ルアミノカルボニルアミノ)−1−(フェニルアミノカ
ルボニルアミノスルホニル)ベンゼンが得られた。
【0026】NMR測定により、得られた化合物が目的
物であることを同定した。NMR測定(重DMSO中)
結果は、以下の通り。 δ=7.00(t,1H),7.24(t,2H),
7.30(d,2H),7.55(d,2H),7.6
3(t,2H),7.71(t,1H),7.85
(d,2H),7.97(d,2H)、 その他N−Hに起因すると思われるピークがδ=8.7
7と9.37と10.6付近に現われる。本結晶をDS
C(示差走査熱量計)により分析すると191℃に化合
物の融点によると思われる吸熱ピークが現われた。
【0027】実施例1 下記操作により感熱記録紙を作製した。 (1)分散液A調製 成 分 量(部) 3−ジ(n−ブチル)アミノ− 6−メチル−7−アニリノフルオラン 20 ポリビニルアルコ―ル 10%液 10 水 70 上記組成物をペイントシェーカーをもちい、平均粒径が
1μm以下になるまで粉砕した。
【0028】 (2)分散液B調製 成 分 量(部) 1−(フェニルアミノカルボニルアミノスルホニル)−4−(p −トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ベンゼン 10 ジフェニルスルホン 10 ポリビニルアルコ―ル 10%液 10 水 70 上記組成物をペイントシェーカーをもちい、平均粒径が
1μm以下になるまで粉砕した。
【0029】(3)顔料下塗り紙の調製 焼成クレー(商品名アンシレックス、エンゲルハート社
製)85部を水320部に分散して得られた分散物に、
スチレン〜ブタジエン共重合物エマルジョン(固形分5
0%)を40部、10%酸化でんぷん水溶液を50部混
合して得た塗液を48g/m2 の原紙の上に乾燥後の塗
布量が7.0g/m2 になるように塗工して、顔料下塗
り層を有する支持体を得た。
【0030】(4)感熱発色層の形成 上記分散液A50部、分散液B200部、クレー顔料
(商品名:HGクレー,ヒューバー社)30部、25%
ステアリン酸亜鉛分散液20部、30%パラフィン分散
液15部、および10%ポリビニルアルコ―ル水溶液1
00部を混合、撹拌し、塗布液とした。この塗布液を、
上記顔料下塗り層を有する支持体の下塗り層上に、乾燥
後の塗布量が5.0g/m2 となるように塗布乾燥して
感熱発色層を形成し、感熱記録紙を作成した。
【0031】(5)スーパーカレンダー処理 上記の様にして得られた感熱記録紙をスーパーカレンダ
ーによって処理し、その表面のベック平滑度を1000
〜1400秒とした。
【0032】(6)発色試験 こうして得られた試料について、大倉電機製発色試験機
THPMDを用いて印字電圧21.7V、印字パルス
1.0msの条件で印字した。この印字発色した部分の
濃度をマクベス反射濃度計(型式:RD−914,マク
ベス社製)で測定した(これを元濃度と呼ぶ)。
【0033】(7)耐湿性試験 (6)の発色試料から所定の供試片を作成し、温度40
℃、相対湿度90%に調整した耐候性試験機に入れ、4
8時間後に取り出し、残存画像濃度をマクベス反射濃度
計で測定した。
【0034】(8)耐油性、耐可塑剤性試験 (6)の発色試料から所定の供試片を作成し、発色後3
0分以内に供試片に(耐油性試験の場合は)サラダオイ
ル、または可塑剤(ジオクチルテレフタレート)を塗布
し、室温で1時間放置後、過剰のオイルまたは可塑剤
(ジオクチルテレフタレート)を拭き取り、残存画像濃
度をマクベス反射濃度計で測定し、以下の式に従って画
像存率を算出した。 画像保存率(%)=[(耐油性または耐可塑剤性処理後の濃
度)/(元濃度)]×100 (6)、(7)および(8)の試験結果(画像保存率の
値)を表1に示す。
【0035】実施例2 実施例1と同様の操作を行なった。ただし、分散液Bの
調製にあたり、1−(フェニルアミノカルボニルアミノ
スルホニル)−4−(p−トルエンスルホニルアミノカ
ルボニルアミノ)ベンゼンのかわりに4−(ベンゼンス
ルホニルアミノカルボニルアミノ)−1−(フェニルア
ミノカルボニルアミノスルホニル)ベンゼンを用いた。
テスト結果を表1に示す。
【0036】実施例3 実施例1と同様の操作を行なった。ただし、分散液Bの
調製にあたり、1−(フェニルアミノカルボニルアミノ
スルホニル)−4−(p−トルエンスルホニルアミノカ
ルボニルアミノ)ベンゼンのかわりに1−(フェニルア
ミノカルボニルアミノスルホニル)−4−(o−トルエ
ンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ベンゼンを用い
た。テスト結果を表1に示す。
【0037】比較例1 実施例1と同様の操作を行なった。ただし、分散液Bの
調製にあたり、1−(フェニルアミノカルボニルアミノ
スルホニル)−4−(p−トルエンスルホニルアミノカ
ルボニルアミノ)ベンゼンのかわりに2,2−ビス(4
ーヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)
を用いた。テスト結果を表1に示す。
【0038】比較例2 実施例1と同様の操作を行なった。ただし、分散液Bの
調製にあたり、1−(フェニルアミノカルボニルアミノ
スルホニル)−4−(p−トルエンスルホニルアミノカ
ルボニルアミノ)ベンゼンのかわりにN−(p−ニトロ
ベンゾイル)−p−トルエンスルホンアミド(融点20
6度)を用いた。テスト結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】表1から明らかなように、本発明の顕色剤
は、良好な顕色能力を有し、かつその発色画像は、従来
顕色剤の代表であるビスフェノールAにくらべ格段に優
れた耐湿性、耐油性および耐可塑剤性を示す。
【0041】
【発明の効果】本発明の感熱記録体は、その感熱発色層
中に、顕色剤として、式(I)で表わされる芳香族化合
物を用いるため、得られる発色画像は、良好な発色濃度
と優れた耐湿性、耐油性および耐可塑剤性を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状基体と、このシート状基体の少
    なくとも一面に形成され、かつ、無色又は淡色の染料前
    駆体と、加熱下に反応してこれを発色させる顕色剤を含
    む感熱発色層を有し、前記顕色剤が下記一般式(I): 【化1】 (ただし、上記式R1 、R2 はそれぞれ独立に無置換ま
    たは低級アルキル基、ハロゲン原子から選ばれた少なく
    とも一員により置換されたベンゼン環およびナフタレン
    環から選ばれた一員を示し、R3 は水素原子、ハロゲン
    原子から選ばれた一員を示す。)で表わされる有機化合
    物を少なくとも一種含むことを特徴とする感熱記録体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002532441A (ja) * 1998-12-16 2002-10-02 チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド 熱感受性記録材料

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