JPH10202801A - 多層シート及び易開封容器 - Google Patents

多層シート及び易開封容器

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JPH10202801A
JPH10202801A JP9011245A JP1124597A JPH10202801A JP H10202801 A JPH10202801 A JP H10202801A JP 9011245 A JP9011245 A JP 9011245A JP 1124597 A JP1124597 A JP 1124597A JP H10202801 A JPH10202801 A JP H10202801A
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JP
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layer
adhesive
container
adhesive layer
sealing
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JP9011245A
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English (en)
Inventor
Shigenori Shiromizu
重憲 白水
Hiroyuki Takahashi
博幸 高橋
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ポリエチレン系易剥離層付きの透明ポリスチ
レン系樹脂シートと、このシートを成形し、安価な通常
の蓋材を使用し、密封に十分なシール強度を持つように
シールしてもイージーピール性を得る。 【解決手段】 低密度ポリエチレンからなる剥離層
(A)、剥離層(A)に接し、接着剤層(B)、及び、
接着剤層(B)に接し、ポリスチレン系樹脂層(C)を
含み、剥離層(A)と接着剤層(B)との接着強度が
2.0kg/25mm以上であり、接着剤層(B)とポ
リスチレン系樹脂層(C)との接着強度が0.8〜1.
2kg/25mmである多層シートと、この多層シート
の多層構造を有し、開口を有する凹部と、蓋材を環状に
シールするための開口周縁部を有し、周縁部におけるシ
ール面を剥離層(A)とする易開封容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、包装分野、特に易
開封容器の製造に好適に用いられる透明な多層シート
と、食品、薬品、化粧剤等の収納、包装に適した密封性
及び開封性に優れる透明な易開封容器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の消費者の生活の質的向上とPL法
施行に伴い、透明で開封性に優れるイージーピール容器
が望まれるようになってきた。容器の透明性は、内容物
が要求に合致したものであるかどうか、或は、内容物の
異常の有無を確認するために必要とされる。また、イー
ジーピール性は、子供でも、身体障害者でも蓋材を容易
に剥がして安全に開封できるようにするため必要とされ
る。蓋材の剥離が困難な場合には、内容物をこぼしてし
まったり、歯を使って開けようとして歯を痛めたり、刃
物を使って怪我をすることもある。
【0003】透明な密封容器としては、透明性に優れる
ポリスチレン系容器を容器本体とするものが現在多用さ
れている。また、ポリスチレン系透明容器のイージーオ
ープン化の方法としては、(1)蓋材として容器本体と
同種の材料からなるものを用い、十分な密封性が得られ
ると同時に蓋材と容器本体との界面剥離による開封も容
易に行うことができるようにシール条件を最適化する方
法、又は、(2)蓋材としてシール部に特殊シーラン
ト、即ち、凝集破壊を起こしやすくした低密度ポリエチ
レンからなるシーラントを施したイージーピール性の蓋
材を用いる方法などが採用されている。
【0004】しかし、シール条件の最適化による方法
(1)では、十分なシール強度と易開封性との両立が難
しく、最適条件はピンポイント的となり、シール不良等
が発生しやすい。また、イージーピール性の蓋材を使用
する方法(2)には、特殊な蓋材を製造する必要があ
り、コスト高となるという問題がある。また、蓋材のイ
ージーピール機能を発現させるためには、やはりシール
条件の最適化に注意する必要がある。更に、蓋材のイー
ジーピール機能を発現させるためには、蓋材側のシーラ
ントとポリスチレン系容器本体との接着強度が高く、か
つ容器本体が層間剥離しにくいことが必要である。蓋材
側のシーラントと容器本体との接着強度を高くするため
にはポリスチレン系容器本体にもポリエチレン系のシー
ラントを設けることが必要であるが、ポリスチレン系樹
脂とポリエチレン系樹脂シーラントからなりしかも層間
剥離しにくいような多層シートは共押出では製造でき
ず、ポリエチレン系樹脂シーラントを薬品を用いてポリ
スチレン樹脂層にラミネートする方法により製造されて
いる。しかし、このようなラミネートの工程を経ること
は、コスト高を招くのみではなく、薬品の使用による環
境汚染の問題もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、共押出によ
る製造と容器への成形が可能なポリエチレン系易剥離層
付きの透明ポリスチレン系樹脂シートと、この透明ポリ
スチレン系樹脂シートを成形して製造することができ、
安価な通常の蓋材を使用し、密封に十分なシール強度を
持つようにシールしてもイージーピール性を得ることの
できる透明な易開封容器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、メルトインデ
ックス値が7〜15g/10分、破断強度が15MPa
以下である低密度ポリエチレンからなる厚さ5〜20μ
mの剥離層(A)、剥離層(A)に接し、メルトインデ
ックス値が3〜7g/10分、破断強度が15MPa以
下である接着剤からなる厚さ5〜20μmの接着剤層
(B)、及び、接着剤層(B)に接し、ポリスチレン系
樹脂からなるポリスチレン系樹脂層(C)を含み、剥離
層(A)と接着剤層(B)との接着強度が2.0kg/
25mm以上であり、接着剤層(B)とポリスチレン系
樹脂層(C)との接着強度が0.8〜1.2kg/25
mmである多層シートを提供するものである。
【0007】本発明は、また、上記の剥離層(A)、接
着剤層(B)及びポリスチレン系樹脂層(C)の少なく
とも3層からなる多層構造を有し、開口を有する凹部
と、蓋材を環状にシールするための開口周縁部を有し、
周縁部におけるシール面を剥離層(A)とする易開封容
器を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明の多層シートの一態
様の部分断面図であり、図1に示す本発明の多層シート
は、低密度ポリエチレンからなる剥離層(A)、剥離層
(A)に接する接着剤層(B)、及び、接着剤層(B)
に接するポリスチレン系樹脂層の3層からなる。ただ
し、本発明の多層シートの層構成は図1に示されるもの
に限られず、ポリスチレン系樹脂層(C)の外側に更に
1又は2以上の層を有していてもよい。
【0009】本発明の多層シート中、剥離層(A)と接
着剤層(B)との接着強度が接着剤層(B)とポリスチ
レン系樹脂層(C)との接着強度より大きいために、密
封容器を作製した後の開封時の剥離は接着剤層(B)と
ポリスチレン系樹脂層(C)の界面で進行し、実際には
剥離層(A)と接着剤層(B)の張合わさった層が易剥
離層となる。
【0010】なお、本発明において剥離層(A)を形成
する低密度ポリエチレン(LDPE)とは、密度が0.
910〜0.930g/ccのポリエチレンを意味し、
特に0.925〜0.930g/ccの密度の低密度ポ
リエチレン及び線状低密度ポリエチレン(LLDPE)
が好ましい。
【0011】接着剤層(B)を形成する接着剤として
は、例えば、低密度ポリエチレンとの接着強度の高い超
低分子量ポリエチレン系接着剤、即ち、重量平均分子量
が14万〜15万の超低分子量ポリエチレン(VLDP
E)を主成分とし、接着剤総量中、テルペン樹脂等の粘
着剤を20〜40重量%、その他、ワックス、可塑剤、
充填剤等の添加剤を20〜40重量%配合した接着剤が
好適に用いられる。
【0012】ポリスチレン系樹脂層(C)を形成するポ
リスチレン系樹脂としては、透明性に優れたものであれ
ば特に制限はなく、例えば、(1)一般用ポリスチレン
(GPPS)、(2)GPPSとスチレンブタジエン共
重合体との混合物であって、ブタジエン成分の含量が5
〜50重量%である混合物、(3)透明耐衝撃性ポリス
チレン(透明HIPS)、(4)メチルアクリレート成
分及びメチルメタクリレート成分含有透明HIPS)、
(5)メチルアクリレート成分、メチルメタクリレート
成分及びテルペン含有透明HIPS等が好適である。
【0013】本発明者らは、密封容器の開封時の応力シ
ミュレーションを種々行った結果、小さな開封応力で接
着剤層(B)とポリスチレン系樹脂層(C)との間の剥
離を進行させ、かつ、シール部末端での剥離層(A)及
び接着剤層(B)のエッジ切れを起こさせるためには、
剥離層(A)及び接着剤層(B)の厚さをそれぞれ5〜
20μmにする必要があることを見出した。
【0014】この結果をもとに、各種の低密度ポリエチ
レン、接着剤及びポリスチレン系樹脂を用いて共押出に
よる多層シートの成形実験を行ったところ、メルトイン
デックス値が7〜15g/10分の低密度ポリエチレン
と、メルトインデックス値が3〜7g/10分の接着剤
を用いることにより、上記の厚さの剥離層(A)及び接
着剤層(B)を有する層構成を共押出により実現するこ
とができることを見出した。
【0015】ここで、低密度ポリエチレンのメルトイン
デックス値はJIS K 6760に、接着剤のメルト
インデックス値はASTM O 1238に準拠して測
定した値である。
【0016】更に、剥離層(A)と接着剤層(B)との
接着強度が2.0kg/25mm以上であり、接着剤層
(B)とポリスチレン系樹脂層(C)の接着強度が0.
8〜1.2kg/25mmであり、剥離層(A)及び接
着剤層(B)の破断強度が15MPa以下となるような
接着剤と低密度ポリエチレンを用いることにより、良好
な開封感が得られることを見出した。
【0017】なお、剥離層(A)と接着剤層(B)との
剥離強度は、厚さ50μmの保護用低密度ポリエチレン
樹脂層、厚さ50μmの接着剤層(B)及び厚さ400
μmの剥離層(A)からなる共押出シートを25mm幅
に切り出し、プッシュプルゲージを用いて、手で容器を
開封する速度とほぼ同じ速度である200mm/分で9
0°方向に剥離して測定したものであり、接着剤層
(B)とポリスチレン系樹脂層(C)との接着強度は、
厚さ50μmの保護用低密度ポリエチレン樹脂層、厚さ
50μmの接着剤層(B)及び厚さ400μmのポリス
チレン系樹脂層(C)からなる共押出シートを25mm
幅に切り出し、上記と同様にして測定したものである。
【0018】また、剥離層(A)及び接着剤層(B)の
破断強度は、各々、JIS K 6304に準拠して測
定した値である。
【0019】即ち、本発明の多層シートにおいて、剥離
層(A)を形成する低密度ポリエチレンはメルトインデ
ックス値が7〜15g/10分、好ましくは8〜12g
/10分であり、破断強度が15MPa以下、好ましく
は10〜13MPaであるものである。メルトインデッ
クス値が7g/10分未満であると、共押出により成形
される層が厚くなる傾向があり、5〜20μmの厚みの
剥離層(A)を形成することが困難となり、エッジ切れ
が困難となる。また、15g/10分を超えると製膜時
の樹脂流れのコントロールができなくなる場合がある。
また、破断強度が15MPaを超えると、厚さが5〜2
0μmの範囲内にあっても開封時のシール部末端でのエ
ッジ切れが困難となる。
【0020】接着剤層(B)を形成する接着剤はメルト
インデックス値が3〜7g/10分、好ましくは4〜7
g/10分であり、破断強度が15MPa以下、好まし
くは10〜13MPaであるものである。メルトインデ
ックス値が3g/10分未満であると、共押出により成
形される層が厚くなる傾向があり、5〜20μmの厚み
の接着剤層(B)を形成することが困難となり、エッジ
切れが困難となる。また、7g/10分を超えると、製
膜時にシートの端部に接着剤が集まり、ロール等への付
着を起こす。また、破断強度が15MPaを超えると、
開封時のシール部末端でのエッジ切れが困難となる。
【0021】剥離層(A)及び接着剤層(B)の各々の
厚さは5〜20μm、好ましくは5〜15μmである。
厚さが5μm未満であると、容器にした場合に十分な密
閉性が得られず、20μmを超えると、シール部末端で
のエッジ切れが困難になる。
【0022】ポリスチレン系樹脂層(C)を形成するポ
リスチレン系樹脂のメルトインデックス値には、特に制
限はない。
【0023】ポリスチレン系樹脂層(C)の厚みは特に
制限はないが、通常、200〜2000μmであること
が好ましく、300〜1500μmであることがより好
ましい。200μm未満であると安定した製膜が困難と
なることがあり、20000μmを超えると透明性が悪
くなり、また、巻き取り等のハンドリングが困難となる
ことがある。
【0024】本発明の多層シートは、上記の各樹脂材料
を用いる共押出により好適に製造することができる。ま
た、ラミネート加工によって製造することも可能であ
る。
【0025】共押出成形法としては、例えば、各層の材
料をそれぞれ異なった押出機を用いて溶融押出し、これ
をフィードブロックにて積層しフラットダイにて製膜す
る方法や、多層ダイを用いてダイ内にて製膜する方法が
挙げられる。ラミネート加工としては、例えばエキスト
ルージョンラミネート、ホットメルトラミネート、ドラ
イラミネート、ウェットラミネートなどの方法を用いる
ことができる。
【0026】図1には、剥離層(A)、接着剤層(B)
及びポリスチレン系樹脂層(C)の3層からなる層構成
の多層シートを示したが、本発明の多層シートはこれら
に限定されるものではない。ポリスチレン系樹脂層
(C)の外側に、ガスバリヤー性の向上や、容器とした
場合の変形を少なくする目的で、更に他の材料からなる
層を設けてもよい。他の材料からなる層としては、例え
ば、透明なエチレン−ビニルアルコール共重合体(EV
OH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)などのガスバ
リヤー性に優れた樹脂層が挙げられる。これら他の層を
設ける場合、接着剤層で層を接着してもよい。その他、
透明性を必要とされない用途においては、アルミ蒸着
層、アルミ箔等、ガスバリヤー性に優れたものなどの層
を設けてもよい。これら他の材料からなる層は1層のみ
であってもよいし、2層以上からなる多層体であっても
よく、また、透明性を必要とされない用途においては、
無機充填材10〜80重量%を含有する樹脂層であって
もよい。
【0027】本発明の易開封容器は、上記の剥離層
(A)、接着剤層(B)及びポリスチレン系樹脂層
(C)の少なくとも3層からなる多層構造を有するもの
であり、その一態様の断面図を図2に示す。図2に示す
易開封容器1は、開口を有する凹部2と、蓋材を環状に
シールするための開口周縁部3を有し、周縁部3におけ
るシール面を剥離層(A)とする。
【0028】本発明の易開封容器は、本発明の多層シー
トを加熱溶融し、所望の形状の賦形することにより製造
することができ、通常の真空成形、圧空成形等で好適に
製造することができる。また、各層の樹脂材料を用いて
射出成形、射出ブロー成形、ブロー成形などによって成
形して製造することもできる。
【0029】易開封容器の凹部は、収容物を収容できる
形状であればその形状に特に制限はなく、例えばカップ
状であってもトレー状であってもよい。また、その開口
周縁部の形状も特に限定されるものではないが、通常、
円、四角などであり、この周縁部上で蓋材が環状にヒー
トシールされる。
【0030】図3は、図2の易開封容器1に、つまみ部
6を有する蓋材4をヒートシールしたものを示す断面図
である。易開封容器1はその開口周縁部3上の環状シー
ル部5において、蓋材4とヒートシールされ、密封容器
を形成している。
【0031】蓋材としては、易開封容器の開口周縁部の
剥離層(A)との熱接着性に優れた同種又は類似樹脂、
例えば、ポリエチレン系樹脂等をシーラント層とするも
のであれば特に制限はなく、1層構造のものであっても
多層構造のものであってもよい。蓋材のシーラント層と
易開封容器の剥離層(A)とは、両者の接着強度が通
常、3.0kg/25mm以上になるようにヒートシー
ルすることが好ましい。通常は、シーラント層の外側に
アルミ箔、耐熱フィルム等を有するものが用いられる。
【0032】図4に、図3の密封容器を開封する様子を
示す。まず、蓋材4のつまみ部6を上方に持ちあげる。
すると易開封容器1が接着剤層(B)とポリスチレン系
樹脂層(C)の間で剥離し、シール部末端まで剥離が進
行し、剥離層(A)と接着剤層(B)とが蓋材4と共に
剥がされる。次いで、シール部末端で剥離層(A)及び
接着剤層(B)がヒートシール時のエッジ効果によりエ
ッジ切れし、密封容器が開封される。このような開封機
構により、蓋材4と剥離層(A)とが強固にヒートシー
ルされていても容易に開封することができる。また、図
4に示される密封容器は、接着強度の弱い接着剤層
(B)とポリスチレン系樹脂層(C)との界面が内圧に
さらされることがないため、レトルトやボイル処理にも
耐える優れた密封性も有する。
【0033】剥離層(A)及び接着剤層(B)のエッジ
切れを更に容易にするために、シール面内縁部に環状の
突起を有するヒートシールリングを用いてヒートシール
を行い、環状のシール部内縁部において剥離層(A)及
び接着剤層(B)に環状の弱め線を設けてもよい。この
ようなヒートシールリングを用いてヒートシールを行う
ことにより、ヒートシールリングの突起により蓋材4を
介して剥離層(A)及び接着剤層(B)に環状の弱め線
が形成され、剥離層(A)及び接着剤層(B)はこの弱
め線により更に容易に破断し、開封がより容易となる。
また、易開封容器の開口周縁部に、あらかじめ、環状の
ノッチ等の弱め線を形成しておいてもよい。弱め線の深
さは特に制限はないが、通常、接着剤層(B)の厚みの
50〜100%まで達する深さとすることが好ましい。
環状シール部の内周端と、易開封容器の開口周縁部に形
成される弱め線との間隔は、通常、0.2〜10mmと
することが好ましい。このように環状シールの内周端と
弱め線との間に間隔を設けることにより、内容物のレト
ルト、ボイル処理時等の内圧にも耐える密封性を得るこ
とができる。
【0034】また、本発明の多層シートは、容器ばかり
でなく、袋状の包装体、蓋材の層間剥離を利用して開封
を行う易開封容器の蓋材としても用いることができる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例及びその比較例によっ
て本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの
実施例に限定されるものではない。
【0036】実施例1〜3及び比較例1、2 多層押出機により、表1記載の主層及び剥離層の材料樹
脂を同時に押出、フィードブロック、フラットダイを使
用して、各種の3層シートを得た。表1に実施例及び比
較例で用いた剥離層(A)の材料樹脂の物性を、表2に
実施例及び比較例で用いた接着剤層(B)の材料樹脂の
物性を示し、得られた3層シートの各層の厚み、材料樹
脂間の接着強度を表3に示す。
【0037】上記で得られた各3層シートを用いて、真
空成形によって図2に示すような開口径100mm、絞
り比3、深さ50mm、開口周縁部幅10mmの丸型容
器を成形した。得られた容器に蓋材として基材層(樹
脂:ナイロン66、厚み:80μm)及びシーラント層
(樹脂:低密度ポリエチレン、厚み:20μm)の2層
からなるシートを用いて平坦なシール面を有するヒート
シールリングを用いてヒートシールした。ヒートシール
条件は、シール幅5mm、ヒートシールリング温度12
0℃、圧力2kgf/cm2、シール時間2秒間とし
た。得られた密封容器の開封性を表3に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】 10P:商品名、三井石油化学工業(株)製、低密度ポ
リエチレン Q0144:商品名、旭化成工業(株)製、低密度ポリ
エチレン 1014G:商品名、出光石油化学(株)製、線状低密
度ポリエチレン A215J:商品名、昭和電工(株)製、線状低密度ポ
リエチレン AT2003:商品名、三井石油化学(株)製、超低分
子量ポリエチレン系接着剤(VLDPE:重量平均分子
量14万:70重量%、粘着剤:10重量%、ワック
ス、可塑剤、充填剤等からなる添加剤:20重量%) AT767:商品名、三井石油化学(株)製、超低分子
量ポリエチレン系接着剤(VLDPE:重量平均分子量
15万:60重量%、粘着剤:20重量%、ワックス可
塑剤、充填剤等からなる添加剤:20重量%) AT442:商品名、三井石油化学(株)製、超低分子
量ポリエチレン系接着剤(VLDPE:重量平均分子量
14万:60重量%、粘着剤:10重量%、ワックス、
可塑剤、充填剤等からなる添加剤:20重量%) アサフレックス810:商品名、旭化成工業(株)製、
スチレンブタジエン共重合体 SC004:商品名、旭化成工業(株)製、変性GPP
S TPS125:商品名、旭化成工業(株)製、スチレン
ブタジエン共重合体 降伏強度:JIS K 6301に準拠して測定 破断伸び:JIS K 6301に準拠して測定
【0040】
【表3】 *1 接着剤層(B)とポリスチレン系樹脂層(C)と
の間で剥離が容易に進行し、シール部末端での剥離層
(A)及び接着剤層(B)のエッジ切れも良好であり、
開封が容易であった。 *2 接着剤層(B)とポリスチレン系樹脂層(C)と
の間の接着強度が大き過ぎ、剥離のために大きな応力を
必要とし、開封が困難であった。 *3 接着剤層(B)とポリスチレン系樹脂層(C)と
の間の剥離は容易に進行したが、接着剤層(B)の破断
強度が強いため、シール部末端での剥離層(A)及び接
着剤層(B)がエッジ切れせず、未シール域まで剥離が
進行し、開封不可能であった。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、共押出により製造する
ことのできるポリエチレン系易剥離層付きの透明ポリス
チレン系樹脂シートであって、容器に成形した場合、安
価な通常の蓋材を使用し、密封に十分なシール強度を持
つようにシールしてもイージーピール性を得ることので
きる透明な易開封容器を得ることのできる多層シートを
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層シートの一態様を示す部分断面
図。
【図2】本発明の易開封容器の一態様を示す断面図。
【図3】図2の易開封容器を蓋材で密封して得られる密
封容器の一態様を示す断面図。
【図4】図3の密封容器を開封した状態を示す断面図。
【符号の説明】
(A) 剥離層 (B) 接着剤層 (C) ポリスチレン系樹脂層 1 易開封容器 2 凹部 3 開口周縁部 4 蓋材 5 シール部 6 つまみ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B32B 27/32 B32B 27/32 E B65D 65/40 B65D 65/40 F

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メルトインデックス値が7〜15g/1
    0分、破断強度が15MPa以下である低密度ポリエチ
    レンからなる厚さ5〜20μmの剥離層(A)、剥離層
    (A)に接し、メルトインデックス値が3〜7g/10
    分、破断強度が15MPa以下である接着剤からなる厚
    さ5〜20μmの接着剤層(B)、及び、接着剤層
    (B)に接し、ポリスチレン系樹脂からなるポリスチレ
    ン系樹脂層(C)を含み、剥離層(A)と接着剤層
    (B)との接着強度が2.0kg/25mm以上であ
    り、接着剤層(B)とポリスチレン系樹脂層(C)との
    接着強度が0.8〜1.2kg/25mmである多層シ
    ート。
  2. 【請求項2】 接着剤層(B)を形成する接着剤が超低
    密度ポリエチレン系接着剤である請求項1記載の多層シ
    ート。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の剥離層(A)、接着剤層
    (B)及びポリスチレン系樹脂層(C)の少なくとも3
    層からなる多層構造を有し、開口を有する凹部と、蓋材
    を環状にシールするための開口周縁部を有し、周縁部に
    おけるシール面を剥離層(A)とする易開封容器。
JP9011245A 1997-01-24 1997-01-24 多層シート及び易開封容器 Pending JPH10202801A (ja)

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