JP4213174B2 - 包装容器、その製造方法および製造装置 - Google Patents
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Description
また、内容物の乾燥防止や漏洩防止のために、一度開封した容器を再封することが望まれている。
例えば、ヒートシール層/粘着層/基材層の多層シートで形成された容器と、蓋材とのヒートシールにより密封され、これを開封すると、粘着層が露出して再密封できる形態が特許文献1に記載されている。
そこで、開封されているかどうかを示す開封視認性を向上させるために、粘着樹脂層に着色剤を含有させた形態が、特許文献2に記載されている。この発明は、粘着層に着色剤を含有させると、開封前と開封後とでは、色調が全く同じにならないということで開封視認を行うものである。
また、剥離表示を基材層に印刷し、開封後にはこの剥離表示を露出させる技術が特許文献3に記載されている。
また、特許文献3では、印刷という作業が発生し、製造工程が煩雑となってしまう。
したがって、一度開封すると蓋材か容器本体が変形して孔などが形成されるので、包装容器を再封した場合でも、開封していることを容易に確認できる。また、一般消費者にとって、孔があいた状態というのは、すでに開封済みであることを認識しやすい。
この発明によれば、蓋材フィルムが切断された切断部と切断されていない接続部を有するので、包装容器を開封するときは、接続部のみを切断すればよい。したがって、包装容器を開封する力で開封視認部周辺を破断でき、易開封性を実現できる。
この発明によれば、中央部の外周に沿って切断部が向き合うように形成され、切断部の端部と端部との間が接続部となっている。たとえば、中央部が丸形である場合には、平面略半円弧状の切断部が互いに向き合うように形成され、切断部の端部と端部との間が接続部となり、中央部の外周の対向する位置に形成されることになる。
したがって、包装容器を開封するときは、対向する接続部のみを切断すればよいので、包装容器を開封する力で容易に切断することができる。
この発明によれば、開封視認部は、対向する接続部を結ぶ直線が、包装容器を開封する方向と交差する方向に配置されるので、包装容器を開封したときに、接続部に力がかかりやすく、接続部を容易に切断することができる。
この発明によれば、切欠部は、容器本体と蓋材とがシールされた中央部の外周に沿って薄肉状に形成されているので、切欠部が切断されやすい。したがって、薄肉とされた切欠部から切断が開始され、開封視認部周辺を容易に切断することができる。なお、よりよい易開封性のためには、中央部の全周にわたって薄肉状に形成するのがよい。
この発明によれば、開封視認部を形成するためには、蓋材と容器本体を重ね合わせ、蓋材の上からシートヒール歯を押圧するだけでよいので、特別な工程を必要とせず、容易にかつ安価に製造することができる。
この発明によれば、開封視認部を形成するためのヒートシール歯を備えた製造装置を使用するので、容易に開封視認部を形成することができる。
この発明によれば、ヒートシール歯の外周部が部分的に尖った形状であるので、このヒートシール歯でシールすると、外周部の尖った部分に当たる蓋材フィルムに圧力が集中し、蓋材フィルムが部分的に破断され、切欠部が形成される。一方、凹部により、蓋材と容器本体とがシールされ、開封視認部が形成される。
また、ヒートシール歯の外周部の形状が全周にわたって一体的に尖っている場合は、外周部に当たる部分に圧力が集中し、開封視認部の外周に沿って蓋材フィルムが薄くなった切欠部が形成される。
したがって、ヒートシール歯を押し当てるだけで、シール部分と切欠部とを形成することができ、一工程で開封視認部を形成することができる。
[第一実施形態]
図1は第一実施形態にかかる包装容器の概略図を示す。図1(A)は密閉された状態の包装容器を示す斜視図、図1(B)は一部が開封された状態の包装容器を示す斜視図である。
開封開始位置Sから張出部24の外周までの領域には、容器本体2と蓋材3が部分的にシールされた開封視認部4が形成される。
開封視認部4の形状は平面が丸形であって、張出部24の略中央に形成されている。開封視認部4の中央にある中央部41は容器本体2と蓋材3とがシールされており、また、中央部41の外周に沿って切欠部42が形成されている。
切欠部42は、蓋材フィルムが切断された切断部421と、蓋材フィルムが切断されていない接続部422とからなり、切断部421は平面略半円弧状に形成され、接続部422は、切断部421の端部と端部との間の部分であり、中央部41の外周の対向する位置に形成される。また、開封視認部4は、対向する接続部422を結ぶ直線が、包装容器1を開封する方向と交差するように配置される。
図3は、第一実施形態にかかる包装容器の断面図を示している。
容器本体2は、ヒートシール層251、粘着層252および基材層253を積層した多層シート25から成形される。
ヒートシール層251には、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PET−G(ポリエチレンテレフタレート共重合体)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)などの材料を使用することができる。
スチレンブロックとジエンブロックとを含有するゴム質ブロック共重合体は、スチレンブロックとジエンブロックとを含有するゴム質ブロック共重合体水素添加物も含む。例えば、ポリスチレンブロックとビニル−ポリイソプレンブロックが結合したブロック共重合体、ポリスチレンブロックとエチレン−プロピレンブロックが結合したブロック共重合体、ポリスチレンブロックとエチレン−ブタジエンブロックが結合したブロック共重合体、ポリスチレンブロックとエチレン−エチレン−プロピレンブロックが結合したブロック共重合体等が挙げられる。
可塑剤としては、例えば、流動パラフィン、プロセスオイル(芳香族系又はナフテン系又はパラフィン系石油系炭化水素)、合成ワックス等が挙げられる。
可塑剤を一軸押出機の途中から注入すると、押出機のコストが安く、また、可塑剤の注入量を変えるだけで、接着強度の調節が容易になる。
粘着樹脂層は、その特性を損なわない範囲において、この他に、酸化防止剤、タルク、炭酸カルシウム等の無機質フィラー、発泡剤、酸化チタン等の着色剤等を含むことができる。
これらの積層シートの製造は、共押出し、熱ラミネーション、ドライラミネーション等で行うことができ、さらには、これらを段階的に組み合わせることでも行うことができる。
包装容器1は、張出部24の蓋材3を把持し、そのまま容器本体2と蓋材3が離れる方向に引っ張ることで開封することができる。
包装容器1を開封するとき、張出部24に形成された開封視認部4の中央部41は容器本体2とシールされているので、剥離しない。一方、中央部41の外周に沿って蓋材フィルムが切断された切断部421と切断されていない接続部422からなる切欠部42が形成されているので、開封するときには、接続部422のみを切断すればよい。
したがって、蓋材3を開封する力で、開封視認部4の外周に沿って容易に切断することができる。その結果、開封視認部4の中央部41はそのまま容器本体側に残り、蓋材3には中央部41と同じ形状の孔が形成されたり、変形したりする。
こうして再封された包装容器1の張出部24には、変形して孔があいた状態となった開封視認部4が形成される。
図4は、包装容器1の製造装置の一部を示す概略構成図である。
図4において、包装容器1の製造装置5は、フランジ部22の蓋材3とは反対側に配置される金型51と、この金型51のフランジ部22を挟んで反対側に配置されたフランジ押さえ52と、容器本体2の内容物を収納する開口部21を形成するプラグ53とを備えている。
金型51は容器本体2の開口部21を形成するための凹部51Aが中央部に形成されており、この凹部51Aの上端縁にはフランジ部22を形成するための平部51Bが形成され、平部51Bの面よりも低い位置に平部51Cが形成されている。
本実施形態では、プラグアシスト真空成形、プラグアシスト圧空成形等の熱成形を行うことで、平部51Bの形状に沿ったフランジ部22が形成される。
なお、本実施形態では、プラグ53やフランジ押さえ52を省略し、真空成形、圧空成形等で容器本体2を成形するものでもよいし、射出成形を行ってもよい。
射出成形の場合、基材層253として、PP、PE、PET等を用いることができ、これらを射出成形後、さらに粘着層252およびヒートシール層251を射出成形して、容器本体2を得ることができる。
ヒートシールの強度は、多層シートのヒートシール層251と粘着層252との接着強度より強いか、または、基材層253と粘着層252との接着強度よりも強い。ヒートシールの接着強度は、温度、圧力、時間等のヒートシール条件、各層の厚み、樹脂選定等により調節できる。
ヒートシールはシールバー8が蓋材3の上からフランジ部22に押し当てられて行われ、ヒートシールされた容器本体2と蓋材3との間には環状のシール部23が形成されることになる。また、これと同時か、または次の工程にて、ヒートシール歯6を用いて開封視認部4を形成することができる。
なお、第一実施形態においては、外周部62上の対向する2箇所に切欠63を有している。切欠63の幅は、開封性を損なわない任意の長さでよいが、例えば、それぞれ1mmとすることができる。
また、このヒートシール歯6を押し当てるだけの一工程で開封視認部4を形成できるので、包装容器1の製造工程に簡単に組み込むことができる。例えば、容器本体2と蓋材3とを密封するためのシール部23を形成したシールバー8に、このヒートシール歯6を組み込むと、本実施形態のように、シール部23と開封視認部4とを同時に形成することができる。
(1)開封視認部4は、容器本体2と蓋材3とが部分的にシールされているので、包装容器1を開封するとき、開封視認部4の蓋材フィルムは、剥離しない。また、開封視認部4の外周に沿って切欠部42が形成されているので、切欠部42を容易に切断することができる。こうして、開封視認部4の蓋材フィルムは容器本体2に残り、蓋材3には開封視認部4の蓋材フィルムと同じ形状の孔が形成されるか、変形したりする。
したがって、包装容器1を開封した後に再封したとき、蓋材3に孔があいた状態であることを確認でき、一度開封されたものであることを認識できる。一般消費者にとって、孔があいた状態というのは、開封済みであることを容易に認識できるので、開封済みであることを知らせるための有効な手段となる。
開封するときに蓋材3を把持して容器本体2と離れる方向に引っ張ると、接続部422に力がかかりやすい。
したがって、包装容器1を開封する力で、切欠部42を容易に切断することができる。
また、このヒートシール歯6は、凹部61の平面部61Bによって中央部41を確実にシールするとともに、外周部62によって切欠部42の切断部421を形成し、切欠63によって切欠部42の接続部422を確実に形成することができる。
このように、一工程で簡単に開封視認部4を形成できるので、包装容器1を製造する工程の中に簡単に組み込むことができる。したがって、開封視認が簡単に行える再封可能な包装容器を、容易かつ安価に製造できる。
第二実施形態では、開封視認部4の切欠部42の形状が異なる以外は、第一実施形態と同様の構成である。
図7(A)は、第二実施形態の開封視認部4周辺の拡大図、(B)は、(A)のB−B断面図である。
開封視認部4の中央部41の外周に沿って切欠部42が形成され、切欠部42の蓋材フィルムは、中央部41の全周にわたって薄肉状となっている。したがって、開封する際には、薄肉状となった切欠部42が破断されやすい。
このような形状の開封視認部4を形成するには、図8に示すヒートシール歯7を用いる。図8は、ヒートシール歯7の正面図と底面図である。ヒートシール歯7は、ヒートシール歯6の外周部62の形状が異なる以外は、ヒートシール歯6と同様の構成である。
外周部72は、全周にわたって一体的に尖った形状となっており、このヒートシール歯7でシールすると、外周部72が当たる部分に圧力が集中し、蓋材フィルムが薄くなり、薄肉状となった切欠部42が形成される。一方、平面部71Bが当たる部分は確実にシールされる。
このような構成のヒートシール歯7を用いると、押し当てるだけの一工程でよいので、包装容器1の製造工程に簡単に組み込むことができる。
したがって、第一実施形態の(1)、(3)および以下の作用効果を奏することができる。
したがって、ヒートシール歯7によって、凹部71の平面部71Bによって中央部41を確実にシールするとともに、外周部72によって切欠部42を確実に形成することができる。このように、一工程で簡単に開封視認部4を形成できるので、包装容器1を製造する工程の中に簡単に組み込むことができる。したがって、開封視認が簡単に行える再封可能な包装容器を、容易かつ安価に製造できる。
例えば、前記実施形態では、包装容器1の形状を平面矩形状としたが、これに限られず、平面円形状やその他の形状でもよい。
また、図9(B)のように開封視認部4を2つ設けてもよい。開封性が損なわれない範囲で任意に決めることができる。
開封視認部4の位置は、張出部24の外周からシール部23上へおよぶ任意の箇所であれば、どこに形成してもよく、図9(B)や図9(C)の例のように、シール部23上に形成してもよい。
[容器本体の製造]
まず、容器本体に使用するシートを製造した。シートは、ヒートシール層A/粘着層B/ポリオレフィン層Cからなる3層の多層フィルムである。
各層の厚さは、ヒートシール層Aが5μm、粘着層Bが15μm、ポリオレフィン層Cが30μmとした。
得られたシートは、ヒートシール層Aが内側面になるよう、一般的なプラグアシスト真空圧空成形を行い、外寸150mm×120mm、深さ24mmの長角容器を成形した。なお、ヒートシール可能なフランジ部の幅は、4辺とも20mmとした。
蓋材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET、12μm)/ナイロン(Ny、15μm)/ポリプロピレン(PP、50μm)からなるラミネートフィルムを使用した。
得られた容器本体のフランジ部に、上記ラミネートフィルムのPP面をあて、温度190℃、面圧2Mpa、時間1.5秒の条件で、PET面からヒートシール歯を押し当ててヒートシールを行い、接着した。
蓋材を容器本体にシールした後、開封視認部を形成した。
開封開始部上に、ヒートシール歯を押し当ててヒートシールした。
ここで用いたヒートシール歯は、断面形状が5mmφの第二実施形態で用いたヒートシール歯(図7)である。温度190℃、面圧2MPa、時間1秒の条件で蓋材のPET面からヒートシール歯を押し当てた。
上記のようにして得られた包装容器を開封したところ、5mmφに破断された開封視認部の蓋材フィルムが容器本体に残り、蓋材には孔があいた。さらに、包装容器を再封したところ、容器は密封されたが、開封視認部は容器に接着されることなく、孔があいた状態を容易に確認できた。
2…容器本体
24…張出部
25…多層シート
251…ヒートシール層
252…粘着層
253…基材層
3…蓋材
4…開封視認部
P…内容物
S…開封開始位置
Claims (8)
- 開口部の周縁にフランジ部が形成された容器本体と、前記開口部を塞ぐとともに前記フランジ部との間をシール部でシールされた蓋材とを備え、開封した前記蓋材が前記容器本体に再封するための粘着層が、前記フランジ部または前記蓋材のどちらかに設けられた包装容器において、
前記フランジ部の前記シール部の開封開始位置から外側に向けた領域の部分に、前記容器本体と前記蓋材とが部分的にシールされた中央部と、この中央部の外周に沿って形成された切欠部とを有する開封視認部が形成され、
この開封視認部は、開封時に前記切欠部が切断開始位置となり、前記容器本体と前記蓋材との少なくとも一方に孔が形成されることを特徴とする包装容器。 - 請求項1に記載された包装容器において、
前記切欠部は、蓋材フィルムが切断された切断部と、蓋材フィルムが切断されていない接続部とを有することを特徴とする包装容器。 - 請求項2に記載された包装容器において、
前記切断部は、前記中央部の外周に沿って向き合うように形成され、
前記接続部は、前記切断部の端部と端部の間にあって、前記中央部の外周の互いに対向する位置に形成されることを特徴とする包装容器。 - 請求項3に記載された包装容器において、
前記開封視認部は、前記対向する前記接続部を結ぶ直線が、前記包装容器を開封する方向と交差する方向に配置されていることを特徴とする包装容器。 - 請求項1に記載された包装容器において、
前記切欠部は、蓋材フィルムが薄肉状に形成されていることを特徴とする包装容器。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載された包装容器を製造する製造方法であって、
前記蓋材が前記フランジ部に重なった状態で、前記蓋材の上から先端の尖ったヒートシール歯を押圧することによって開封視認部が形成されることを特徴とする包装容器の製造方法。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載された包装容器を製造する製造装置であって、
前記蓋材が前記フランジ部に重なった状態で、前記蓋材の上から押圧することによって開封視認部を形成するヒートシール歯を備えていることを特徴とする包装容器の製造装置。 - 請求項7に記載された包装容器の製造装置において、
前記ヒートシール歯は、その押圧面に凹部が形成され、前記凹部を取り囲む外周部は全周に沿って部分的に尖った形状であるか、全周にわたって一体的に尖っている形状であることを特徴とする包装容器の製造装置。
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