JP2769564B2 - 多層構造物及び易開封性容器 - Google Patents

多層構造物及び易開封性容器

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JP2769564B2
JP2769564B2 JP2004518A JP451890A JP2769564B2 JP 2769564 B2 JP2769564 B2 JP 2769564B2 JP 2004518 A JP2004518 A JP 2004518A JP 451890 A JP451890 A JP 451890A JP 2769564 B2 JP2769564 B2 JP 2769564B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、包装分野、特に容器の製造に好適に用いら
れる多層構造物と、これを用いて製造した食品、薬品、
化粧剤等を収納、包装するための密封性及び開封性に優
れた易開封性容器に関する。
〔従来の技術〕
デザート食品や乳製品等を収納、包装するための密封
容器として、ポリスチレン系密封容器が多く使用されて
いる。
ポリスチレン系密封容器では密封性を良くすると開封
性が悪くなる。そこで、開封性を良くするため、一般に
ホットメルト系接着剤やラッカー型接着剤を塗布したア
ルミ箔やプラスチックフィルムが蓋材として使用されて
いる。しかし、このような容器では開封性が十分でな
く、幼児、少年少女にとっては開封しにくいものが大半
である。特に、豆腐容器はポリスチレンにCPPフィルム
をラミネートし蓋材を熱シールして密封したものである
が、この容器の開封は困難で、家庭の主婦は包丁を利用
してフィルムを切断し容器を開封して、豆腐を取り出し
ている。
これらの容器はいずれも開封性に難があり、また開封
性を改善するために特殊シーラントを施した蓋材を用い
るとコストが高くなるという難点があるため、密封性が
ありかつ易開封性の容器が待望されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、ヒートシール層と開封剥離層とを別
にするスチレン系樹脂を基材とした易開封性容器の製造
に好適に用いられる多層構造物を提供するものである。
本発明の他の目的は、上記多層構造物を用いてヒート
シール性、密封性及び開封性に優れ、スチレン系樹脂を
基材とする易開封性容器を提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者は上記目的を達成するために鋭意検討を行っ
た結果、易開封性容器の製造に用いられる多層構造物を
特定な層構成とすることにより前記課題を解決できるこ
とを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至
った。
すなわち本発明は、スチレン系樹脂よりなる基材層
(C)にスチレン−イソプレン共重合体を主体とする熱
可塑性エラストマーを5〜40重量%含有するスチレン系
樹脂層よりなる中間層(B)を介してポリオレフィン樹
脂よりなる表面層(A)を形成してなり、(B)(C)
間の層間剥離強度が(A)(B)間の層間剥離強度より
大きい多層構造物を提供するものである。
本発明の多層構造物を第1図を用いて説明する。
第1図は本発明の多層構造物の一例を説明する略示図
である。
この多層構造物は(A)の表面層、(B)の中間層及
び(C)の基材層からなる。
(A)の表面層は、容器に成形されたとき易剥離層と
なる層であり、ポリオレフィン樹脂よりなる。ポリオレ
フィン樹脂としては、高密度ポリエチレン、線状低密度
ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン又
はこれらの混合物が好ましい。これらのポリオレフィン
樹脂には、必要に応じて酸化チタン等の白色顔料や、そ
の他着色顔料を必要量添加してもよい。また、ポリスチ
レンを15重量%以下添加してもよい。15重量%を超えた
量のポリスチレンを添加すると、前記のポリオレフィン
樹脂との混和不良により、得られる多層構造物の外観不
良が引き起こされたり、(B)との接着強度が大きくな
りすぎ(A)(B)間が易剥離性を示さなくなったりす
る場合がある。
(B)の中間層は、剥離強度調節層であり、スチレン
−イソプレン共重合体(以下SISと略す。)を主体とす
る熱可塑性エラストマーを5〜40重量%含有するスチレ
ン系樹脂層よりなる。配合される熱可塑性エラストマー
が5重量%より少ないと、(A)との剥離強度が小さく
なりすぎ得られる容器の密封性が不足する。また40重量
%より多いと(A)との剥離強度が大きくなりすぎ
(A)(B)間が易剥離性を示さなくなる。
(C)の基材層は、スチレン系樹脂よりなる。スチレ
ン系樹脂としては、耐衝撃性ポリスチレン、汎用ポリス
チレン、酸変性ポリスチレン、シンジオタクチックポリ
スチレン若しくはこれらの混合物又はこれらとスチレン
系エラストマーとの混合物が好ましい。スチレン系樹脂
を用いることにより、容器の剛性を向上させることがで
きる。さらに(B)との接着強度が十分な範囲内におい
て本発明の多層構造物製造時に発生するスクラップや容
器成形時に発生するスクラップを基材層中に含むことも
許され、コストダウンを図ることができる。
本発明の多層構造物は上記(A)、(B)及び(C)
の三層を有し、(B)(C)間の層間剥離強度が(A)
(B)間の層間剥離強度より大きいことが必要である。
(A)(B)間と(B)(C)間の層間剥離強度として
は、(A)(B)間の層間剥離強度が0.2〜1.5kg/15mm
(引張速度300mm/分)であり、かつ(B)(C)間の層
間剥離強度が(A)(B)間の層間剥離強度の1.1倍以
上であることが好ましい。(A)(B)間及び(B)
(C)間の層間剥離強度をこのように設定することによ
り、(A)の表面層と(B)の中間層との間を易剥離性
とし、(B)の中間層と(C)の基材層との間を難剥離
性とすることができる。その結果、この多層構造物を容
器とした場合、密封性と易開封性とが同時に得られるよ
うになる。
各層間剥離強度の制御は、前述したような樹脂材料の
樹脂の配合等を適宜選択することにより容易に行うこと
ができる。
各層の厚みは特に制限されないが、(A)の厚みは層
間剥離が可能な程度の厚みであり、通常2〜400μm、
好ましくは5〜200μmである。また(B)の厚みは製
膜性を考慮して多層構造物の全厚みの30%以下、好まし
くは20%以下とすることが好ましく、通常5〜300μm
である。また、(C)の厚みは特に制限はなく、通常10
〜3000μmである。各層の厚みの比も特に限定されるも
のではないが、耐熱性を考慮して(B)の厚みは(C)
の厚みよりも小さいことが好ましい。
第1図には(A)、(B)及び(C)の三層からなる
多層構造物を示したが、本発明はこれに限定されるもの
ではない。本発明の(C)の(B)と反対側には、酸素
ガスバリヤー性の向上や、容器とした場合の変形を少な
くする目的で、さらに他の材料からなる層を設けてもよ
い。他の材料からなる層としては、例えばエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン
(PVDC)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレートなど
の樹脂層やアルミ蒸着層、アルミ箔、アルミニウム、
鉄、銅などのガスバリヤー性に優れたものが挙げられ
る。ここで、EVOHとしてはエチレン単位の含有量が25〜
60モル%のものが好適に用いられる。また、PVDCとして
は塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデ
ン−メタアクリル酸共重合体が好適に用いられる。これ
ら他の材料からなる層は、1層のみであってもよいし、
2層以上からなる多層体であってもよく、また、無機充
填剤10〜80重量%を含有する樹脂層であってもよい。さ
らに金属、紙などとの複合材料であってもよい。また、
これらの層間には必要に応じて接着樹脂層を設けるとよ
い。
本発明の多層構造物の形状は任意であるが、易開性封
容器を製造する上で多層シート類が好適に用いられる。
本発明の(A)、(B)及び(C)からなる多層構造
を有している多層シート類は前記した樹脂を用いて共押
出又はラミネート加工等により得ることができる。共押
出成形法としては、例えば(A)、(B)及び(C)を
それぞれ異なった押出機を用いて溶融押出し、これをフ
ィードブロックにて積層しフラットダイにて製膜する方
法や、多層ダイを用いてダイ内にて積層し製膜する方法
が挙げられる。ラミネート加工としては、例えばエキス
トルージョンラミネート、ホットメルトラミネート、ド
ライラミネート、ウエットラミネートなどの方法を用い
ることができる。通常、(A)及び(B)からなる二層
構造物を共押出し、これと(C)をラミネートする共押
出ラミネート法が好適に用いられる。
本発明はまた、蓋材を環状にシールするための開口周
縁部を有し、周縁部がシール面を(A)とする上記のよ
うな(A)、(B)及び(C)からなる多層構造を有す
る易開封性容器を提供するものである。
この易開封性容器は上記の多層構造物を加熱溶融し、
所望の形状に賦形したものであり、通常の真空成形、圧
空成形等で好適に得られる。また、前記樹脂を用いて射
出成形、射出ブロー成形、ブロー成形などによって成形
して得ることもできる。
易開封性容器の開口周縁部の形状は特に限定されるも
のではないが、通常、円、四角などであり、この形状の
周縁部で環状にヒートシールされる。また容器形状はカ
ップ状であってもトレー状であってもよい。
本発明の易開封性容器は、その開口周縁部で蓋材がシ
ールされて密封容器となる。
蓋材としては、易開封性容器の開口周縁部の(A)の
表面層との熱接着性に優れた同種又は類似樹脂をシーラ
ント層とするものが使用される。特に、(A)がポリエ
チレンの場合においては、同一ポリエチレンを主体とす
るシーラント層を有する蓋材を用いるのが一般的に好ま
しい。ただし、線状低密度ポリエチレンは異種のポリエ
チレンに対しても良好な接着性を有しており、同種及び
異種のポリエチレンに対し共通して使用可能である。
(A)がポリプロピレンの場合には同一ポリプロピレン
を用いてもよいが、シール条件の広いポリプロピレンラ
ンダムコポリマーを用いた方が好ましい。
第2図は、本発明の易開封性容器の一例を示す断面説
明図である。
1は表面層、2は中間層、3は基材層である。1、
2、3は前記(A)、(B)及び(C)からなる多層構
造をとっており、容器開口周縁部4を形成している。5
は蓋材で容器開口周縁部の上面と環状にヒートシールさ
れて密封容器となっている。8は蓋材の引き剥がしを容
易にするために設けられたつまみ部である。
易開封性容器の表面層1の厚みを10μm以下とする場
合には、第2図に示すように蓋材とヒートシールされた
容器は開封時に易開封性を有している。すなわち、第2
図において、易開封性容器の開封時につまみ部8を上方
に持ち上げる。すると多層容器の表面層1と中間層2の
間で剥離し、シールエンドのところまで表面層が剥離
し、蓋材とともに剥がされる。次いで、シールエンド部
で表面層1が切断され容器の開封が行われる。従って、
蓋材と多層容器の表面層が難剥離ヒートシールされてい
ても容易に開封できる。
また、易開封性容器の表面層の厚みが10μmを超える
場合には、容器の表面層の環状シール部の内側に弱め線
を設けることにより、同様な易開封性が得られる。弱め
線としては、表面層の厚み以上の深さの連続的なハーフ
ノッチが好ましい。
第3図は、本発明の易開封性容器の表面層に弱め線を
設けた場合の一例を示した部分断面図である。
1は表面層、2は中間層、3は基材層である。1、
2、3は前記(A)、(B)及び(C)からなる多層構
造をとっており、容器開口周縁部4を形成している。5
は蓋材で容器開口周縁部の上面と環状にヒートシールさ
れて包装される。表面層1の環状シール部6の内側には
弱め線7が設けられている。弱め線は蓋材を開封して表
面層を剥離したときに容器開口周縁部の内側で表面層を
切断するためのもので、通常環状のノッチとして設けら
れているが、その他蓋材を剥がすときに表面層を容易に
切断できるものであればどのようなものでもよい。な
お、ヒートシール内周端と弱め線間tは10mm以下、特に
0.2mm以下10mm以下とすることが好ましい。8は蓋材の
引き剥がしを容易にするために設けられたつまみ部であ
る。
この易開封性容器の開封は、第3図において、つまみ
部8を上方に持ち上げる。すると多層容器の表面層1と
中間層2の間が剥離し、弱め線7のところまで表面層が
剥離し、蓋材とともに剥がされる。次いで、弱め線のと
ころで表面層が切断され容器の開封が行われる。従っ
て、蓋材と多層容器の表面層が難剥離ヒートシールされ
ていても容易に開封できる。
容器の開封を行うために上記の弱め線の代わりに、容
器本体の側壁から周縁部へかけての容器内面の変曲点部
で表面層に薄肉部を設けて、表面層の破断をその部分で
行ってもよい。すなわち、周縁部の蓋材とのシール部の
表面層厚みをSμm、容器本体の側壁から周縁部へかけ
ての容器内面の変曲点部の表面層の厚みをTμm、表面
層材料の破断強度をUkg/cm2としたとき、S≧1.1×T、
T≦(1.33/U)×104であり、かつ該変曲点部の表面層
の破断強度が表面層と中間層の剥離強度より小さくなる
ようにする。
第4図は、容器本体の側壁から周縁部へかけての容器
内面の変曲点部で表面層に薄肉部を設けた易開封性容器
の一例を表した部分断面図である。この易開封性容器は
第3図の弱め線の代わりに、容器本体の側壁から周縁部
へかけての容器内面の変曲点部9に表面層の薄肉部を有
する。この薄肉部の厚みはTμmである。また周縁部の
蓋材5とのシール部6の表面層厚みはSμmである。周
縁部にシールされた蓋材を開封する場合は、この変曲点
部9で表面層を破断して蓋材とともに剥離する。
ここで、周縁部と容器本体の側壁間に周縁段落とし部
がある場合には、容器本体の側壁から周縁段落とし部に
かけての容器内面の変曲点部の表面層に薄肉部(厚み
T′μm)を設けるとよい。また、周縁部がリム部又は
リムロール部を有する場合には、周縁部からリム部又は
リムロール部にかけての変曲点部の表面層にも薄肉部
(厚みT″μm)を設けて、この薄肉部でも表面層を破
断できるようにすると、リム部やリムロール部があって
も容器を容易に開封することができる。
表面層の厚み(μm)S、Tと表面層の破断強度(kg
/cm2)Uの間には、前記関係式が成り立つことが必要で
ある。S、T′、Uの関係及びS、T″、Uの関係につ
いても同様である。Sの厚みが薄いとシーラントの密封
強度が小さくなり密封容器とはいえなくなる。また、
T、T′、T″の厚みが厚いと表面層を破断することが
できず、開封ができなくなる。
本発明の多層構造物は容器ばかりでなく、袋状の包装
体、蓋材の層間剥離を利用して開封を行う易開封性容器
の蓋材としても用いることができる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1〜15及び比較例1〜8 第1表は実施例1〜15において製造された本発明の多
層構造物、第2表は比較例1〜8において製造された比
較例の多層構造物の構成樹脂と層間の剥離強度、この多
層構造物を用いて易開封容器を製造し蓋材とヒートシー
ルした場合の易剥離性を示したものである。多層構造物
及び易開封容器の製造は以下のように行った。
なお、表中の記号は次のものを示している。
PE1 : 高密度ポリエチレン 出光石油化学(株)製、出光ポリエチレン110J(MI値
13g/10分) PE2 : 高密度ポリエチレン 出光石油化学(株)製、出光ポリエチレン210J(MI値
5.8g/10分) PE3 : 高密度ポリエチレン 出光石油化学(株)製、出光ポリエチレン440M(MI値
0.9g/10分) PE4 : 低密度ポリエチレン トーソー(株)製、ペトロセン205(MI値 3g/10分) PP : ポリプロピレン 出光石油化学(株)製、出光ポリプロF−744N(MI値
7g/10分) GPPS1 : 一般ポリスチレン 出光石油化学(株)製、出光スチロールHH30E(MI値 4
g/10分) GPPS2 : 酸変性ポリスチレン 出光石油化学(株)製、出光モアマックスUG830(MI値
2g/10分) HIPS1 : 耐衝撃ポリスチレン 出光石油化学(株)製、出光スチロールET−60(MI値
2g/10分) HIPS2 : 酸変性ポリスチレン 出光石油化学(株)製、出光モアマックスUH830(MI値
0.7g/10分) SIS : スチレン−イソプレン系エラストマー シェル化学(株)製、カリフレックスTR1107(MI値 9g
/10分) SBS : スチレン−ブタジエン系エラストマー 日本合成ゴム(株)製、JSR TR2000(MI値 3g/10分) 多層構造物 押出機A(スクリュー径50mm)、押出機B(スクリュ
ー径50mm)及び押出機C(スクリュー径65mm)の3台の
押出機により、(A)、(B)及び(C)の樹脂を同時
に押出し、フィードブロック、フラットダイを使用し
て、第1図に示した3種3層の多層シートを得た。得ら
れた多層シートの各層境界面における剥離強度を測定し
た。また(A)、(B)及び(C)の各層の厚みを測定
した。結果を第1表に示す。
ここで、層間の剥離強度は180°剥離における値を採
用し、このときのサンプル幅は15mm、剥離速度は300mm/
分とした。
易開封性容器 前記で得られた多層構造物を用いた真空成形によって
第2図に示すような口径72mmφ、絞り比0.3の丸型容器
を得た。容器にはフランジ周縁部に弱め線としてノッチ
を入れた。これらの容器に水を充填した後、容器表面層
(シール側)と同種の樹脂フィルム(80μm)を用い
て、ヒートシール内周端と弱め線間t=1.5mmとしてヒ
ートシールした後、剥離開封を行ったところ、本発明の
多層構造物を用いて得られた容器はいずれも優れた剥離
適性を示した。
ここで実施例6の(B)に含まれているSBSは強度調
節用エラストマーとしてはSIS同様に良好な素材ではあ
るが、熱履歴により架橋し、しばしばシート中にゲル状
物質が現れた。これに対し、SISは分解型であり、粘度
低下はみられるもののゲルとして現れないため、製品と
しても問題とはならなかった。よってSBSについては大
量に、例えば10〜30重量%添加することは好ましいこと
ではない場合がある。
また、実施例14、15に記載の酸変性ポリスチレンは耐
熱性に優れているため、食品等のホット充填適性に優れ
ていた。例えば実施例14はホット充填95℃が可能であ
り、実施例15はホット充填のみならず、95℃ボイル殺菌
も可能であった。実施例15以外は80〜83℃が限界であっ
た。
比較例においてSIS量が多くなりすぎると(A)のポ
リオレフィンとの接着力が増し、易剥離性が得られなか
った。また、少なくなりすぎると剥離強度が弱くなるた
め、密封性が十分に得られず実用に適さなかった。
実施例16 第1表に記載の実施例1の多層構造物を用いて、溶融
状態にまで加熱した多層構造物よりプラグアシストを行
った圧空成形によって第4図に示すような口径72mmφ、
絞り比0.5の丸型容器を得た。ここでプラグアシストを
行った圧空成形の際には、多層構造物をクランプと金型
により把持し、容器成形条件は第3表に示すとおりとし
た。得られた容器は第4図に示されるように薄肉部を変
曲点部9に有していた。本容器に水を充填した後、樹脂
フィルムを用いてヒートシールを行った。その後、剥離
適性を評価したところ、易剥離性を示し、最終的には容
器変曲点部において蓋材と容器本体は容易に分離され
て、いずれも優れた結果を示した。
〔発明の効果〕 本発明によると、スチレン系樹脂を基材として層間剥
離強度の制御された多層構造物を得ることができる。
本発明によるとまた、上記多層構造物を用いてヒート
シール性、密封性及び開封性に優れ、スチレン系樹脂を
基材とする易開封性容器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の多層構造物の一例を説明する略示図
である。第2図は、本発明の易開封性容器の一例を示す
断面説明図である。第3図は、本発明の易開封性容器の
表面層に弱め線を設けた場合の一例を示した部分断面図
である。第4図は、本発明の易開封性容器の表面層に薄
肉部を設けた場合の一例を表した部分断面図である。 符号の説明 (A)表面層、(B)中間層 (C)基材層 1……表面層、2……中間層 3……基材層、4……開口周縁部 5……蓋材、6……シール部 7……弱め線、8……つまみ部 9……変曲点部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B65D 77/20 B65D 77/38

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチレン系樹脂よりなる基材層(C)にス
    チレン−イソプレン共重合体を主体とする熱可塑性エラ
    ストマーを5〜40重量%含有するスチレン系樹脂層より
    なる中間層(B)を介してポリオレフィン樹脂よりなる
    表面層(A)を形成してなり、(B)(C)間の層間剥
    離強度が(A)(B)間の層間剥離強度より大きい多層
    構造物。
  2. 【請求項2】(A)(B)間の層間剥離強度が0.2〜1.5
    kg/15mm(引張強度300mm/分)であり、かつ(B)
    (C)間の層間剥離強度が(A)(B)間の層間剥離強
    度の1.1倍以上である請求項1記載の多層構造物。
  3. 【請求項3】スチレン系樹脂が耐衝撃性ポリスチレン、
    汎用ポリスチレン、酸変性ポリスチレン、シンジオタク
    チックポリスチレン若しくはこれらの混合物又はこれら
    とスチレン系エラストマーとの混合物である請求項1又
    は2記載の多層構造物。
  4. 【請求項4】ポリオレフィン樹脂が高密度ポリエチレ
    ン、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポ
    リプロピレン又はこれらの混合物である請求項1乃至3
    いずれか記載の多層構造物。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4いずれか記載の(A)、
    (B)及び(C)からなる多層構造を有している多層シ
    ート類。
  6. 【請求項6】蓋材を環状にシールするための開口周縁部
    を有し、周縁部がシール面を(A)とする請求項1乃至
    4いずれか記載の(A)、(B)及び(C)からなる多
    層構造を有する易開封性容器。
  7. 【請求項7】蓋材を環状にシールするための開口周縁部
    を有する容器であって、周縁部がシール面を(A)とす
    る請求項1乃至4いずれか記載の(A)、(B)及び
    (C)からなる多層構造を有しており、表面層(A)の
    環状シール部の内側に環状の弱め線が設けられている易
    開封性容器。
  8. 【請求項8】蓋材を環状にシールするための開口周縁部
    を有する容器であって、周縁部がシール面を(A)とす
    る請求項1乃至4いずれか記載の(A)、(B)及び
    (C)からなる多層構造を有しており、周縁部の蓋材と
    のシール部の表面層厚みをSμm、容器本体の側壁から
    周縁部へかけての容器内面の変曲点部の表面層の厚みを
    Tμm、表面層材料の破断強度をUkg/cm2としたとき、
    S≧1.1×T、T≦(1.33/U)×104であり、かつ該変曲
    点部の表面層の破断強度が表面層と中間層の剥離強度よ
    り小さい易開封性容器。
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