JPH10181659A - 自動２輪車等の車両における走行風整流装置 - Google Patents

自動２輪車等の車両における走行風整流装置

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JPH10181659A
JPH10181659A JP8341854A JP34185496A JPH10181659A JP H10181659 A JPH10181659 A JP H10181659A JP 8341854 A JP8341854 A JP 8341854A JP 34185496 A JP34185496 A JP 34185496A JP H10181659 A JPH10181659 A JP H10181659A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行抵抗の少ないアイシング防止構造の提
供。 【解決手段】エンジン２０と、その上方に配設された燃
料タンク３４と、エンジンのシリンダ部６１後方に配設
された気化器２１とを備えた自動２輪車等において、シ
リンダ部６１上部と燃料タンク底部６０の間に形成され
るエンジン上方空間６２の前部を塞ぐ位置に、ステイフ
ナープレート６５と整流板６６を配設し、左右のダウン
フレーム１１間に支持させる。整流板６６はホーン５６
と共締めするとともに、ルーバーを設けてシリンダ部６
１へ走行風Ｗを整流して導く。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動２輪車等の
車両における走行風整流装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】特開平７−２４６９７３号には、エンジ
ンと燃料タンクとの間に形成されるエンジン上方空間に
走行風の通り抜けを阻止する吸気カバーを設けることに
より、シリンダ後方に配設されている気化器へ、冷たい
走行風が直接接触してアイシングを生じないようにした
構造が示されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記構造の
場合は、エンジン上方空間内において、後方へ通り抜け
ようとする走行風を吸気カバーが壁となって受けとめる
ため、走行抵抗が大きくなることがある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本願発明に係わる自動２輪車等の車両における走行風
整流装置は、車体フレームに支持されたエンジンと、そ
の上方に配設された燃料タンクと、エンジンのシリンダ
部後方に配設された気化器とを備えるとともに、エンジ
ンと燃料タンクとの間に車体の前部から気化器方向へ延
びるエンジン上方空間が形成されている自動２輪車等の
車両において、前記エンジン上方空間の前部にルーバー
を形成した整流板を配設し、この整流板により走行風を
エンジンの前面側へ導くようにしたことを特徴とする。
【０００５】このとき、前記整流板をエンジン前方に配
設されるホーンと一緒に車体フレーム側へ共締めするこ
とができ、さらに、前記整流板をエンジン前方へ上下方
向に配設されるダウンフレームへ仮止めすることもでき
る。
【０００６】また、前記ホーンを共締めする場合、位置
決め手段によりホーンの車体フレーム側に対する取付位
置を定めることもできる。
【０００７】
【発明の効果】本願発明は、エンジン上方空間の前部に
整流板を配設したので、走行風は整流板のルーバーに導
かれて斜め下向きに方向を変えてエンジンの前面側へ向
かう。
【０００８】このため、走行風によるエンジンの冷却効
率が向上するとともに、走行風がエンジン上部を後方へ
通り抜けて気化器まで到達しにくくなるので、気化器の
アイシングを防止できる。しかも、走行風を整流して流
すため、走行抵抗を可能な限り低減できる。
【０００９】このとき、整流板をホーンと車体フレーム
へ共締めすれば、取付構造を簡略化できる。
【００１０】さらに、仮止め手段により整流板を車体フ
レーム側へ仮止めすれば、前記共締作業が容易になる。
【００１１】また、位置決め手段によりホーンを車体フ
レーム側へ位置決めすれば、ホーンの取付がさらに容易
かつ正確になる。
【００１２】
【発明の実施の形態】図面に基づいてカスタムバイクと
して構成された本願発明の一実施形態を説明する。図１
は車体前部の拡大側面図、図２は自動２輪車全体の左側
面図、図３は同右側面図、図４は要部を図２のＺ矢示方
向から示す図、図５は図４の５−５線に沿う拡大断面
図、図６は後述するステイフナープレートのＺ矢示方向
図、図７は整流板の正面図、図８はその側面図、図９は
底面図、図１０は図２の１０−１０線に沿う概略断面図
である。
【００１３】まず、図２及び図３に示すように、この自
動２輪車は、前輪１を支持するフロントフォーク２の上
部がボトムブリッジ３及びトップブリッジ４を介してヘ
ッドパイプ５へ回動自在に支持され、トップブリッジ４
からはハンドルバー６が取付けられ、そのグリップ７の
位置は後方へ配置されている。
【００１４】ヘッドパイプ５が前端部に取付けられた主
フレーム１０は、車体中心に沿って前後方向へ延び、ヘ
ッドパイプ５の下部左右からはダウンフレーム１１が左
右一対で斜め下方へ延び、その下端部は略水平に前後方
向へ延びるロアフレーム１２へ連続している。
【００１５】主フレーム１０の後端部からは、左右一対
のピボットフレーム１３がダウンフレーム１１と側面視
で略平行に下方へ延び、その下端部は、ロアフレーム１
２の後端部から斜め上方かつ後方へ連続して延びるリヤ
ステイ１４の下部と接続されている。
【００１６】さらに、主フレーム１０の後端部からは、
左右一対のシートレール１５が略水平に後方へ延び、そ
の後部は、左右一対のリヤステイ１４の上部と接続され
ている。
【００１７】リヤステイ１４はシートレール１５の接続
部近傍で屈曲して略水平に後方へ延び、その外側面は取
付部１７で取付けられたグラブレール１６で覆われ、後
端部にその延長方向後方へ延びる左右一対のサブフレー
ム１８へ接続されるとともに、リヤウインカ１９が支持
されている。
【００１８】主フレーム１０、ダウンフレーム１１、ロ
アフレーム１２、ピボットフレーム１３、シートレール
１５及びリヤステイ１４は車体フレームを構成し、この
うち車体前部側となる、主フレーム１０、ダウンフレー
ム１１、ロアフレーム１２及びシートレール１５により
クレドール型のフレーム構造をなし、ここにエンジン２
０が支持されている。
【００１９】エンジン２０は、気化器２１を介してサイ
ドカバー２２内のエアクリーナから吸気され、排気管２
３、マフラー２４から排気される。
【００２０】符号２５はクランク、２６はセルモータで
あり、ドライブギヤ２７からチエーン２８を介して後輪
２９と同軸のスプロケット３０が駆動される。
【００２１】後輪２９は、リヤアーム３１の後端部へ支
持され、リヤアーム３１は前端部をピボットフレーム１
３の中間部に設けられたピボット部３２において上下方
向へ揺動自在に軸着され、このリヤアーム３１の後部と
リヤステイ１４の上部間に緩衝器３３が取付けられてい
る。
【００２２】主フレーム１０上には燃料タンク３４が支
持され、その上面前部には各種のインジケータやメータ
類の表示部３５が設けられ、燃料タンク３４の後方には
シートレール１５上に運転者用シート３６が支持されて
いる。
【００２３】運転者用シート３６の後方には同乗者用シ
ート３７がリヤカウル３８上に支持され、同乗者用シー
ト３７の後部には背もたれ３９が配設され、その背もた
れ支持部材４０の下端部がグラブレール１６へ支持され
ている。
【００２４】リヤカウル３８の下部にはリヤフェンダ４
１が取付けられ、その後端部にテールライト４２、マッ
ドガード４３が取付けられ、サブフレーム１８で支持さ
れている。
【００２５】符号４５はフロントステップ、４６はブレ
ーキペダル、４７はシフトペダルであり、これらは、エ
ンジン２０の下部前方に相当する位置に設けられ、運転
者が足を前方へ投げ出すカスタムバイク風の乗車姿勢を
とれるようになっている。
【００２６】符号４８はサイドスタンド、４９はリヤス
テップである。さらに、５０は、軽合金等製のホイー
ル、５１はブレーキデイスク、５２はブレーキキャリ
パ、５３はフロントフェンダ、５４はヘッドライト、５
５はフロントウインカ、５６はホーン、５７はエンジン
２０のシリンダ上部を側方から覆うフロントサイドカバ
ーである。
【００２７】ヘッドパイプ５、主フレーム１０及びダウ
ンフレーム１１で囲まれる空間の左右は、側面ガセット
プレート５８で覆われ、その後部は燃料タンク３４及び
フロントサイドカバー５７の各前部内側へ重なってい
る。符号５９は補強パイプである。
【００２８】図１０に示すように、燃料タンク３４の底
部６０とエンジン２０のシリンダ上部６１との間には、
エンジン上方空間６２が形成され、このエンジン上方空
間６２内は隔壁板６３により前後に分断されている。
【００２９】エンジン上方空間６２は、ダウンフレーム
１１近傍の前部からシリンダ部６１の後方に位置する気
化器２１の周囲まで前後方向へ長く延びる空間である。
【００３０】なお、エンジン上方空間６２の左右は、燃
料タンク３４の左右両側下部、フロントサイドカバー５
７及び側面ガセットプレート５８で覆われている。
【００３１】フロントサイドカバー５７は、シリンダ上
部６１の上部左右を覆って上方に延び、その上端が燃料
タンク３４の左右両側下部へ当接している。
【００３２】次に、エンジン２０の前方における走行風
整流構造の詳細について説明する。図１並びに図４乃至
図９に明らかなように、ヘッドパイプ５の下部から左右
一対のダウンフレーム１１が下方へ延びている。
【００３３】この、左右のダウンフレーム１１間は、上
からステイフナープレート６５及び整流板６６で覆われ
ている。なお、これらによって覆われる部分はエンジン
上方空間６２の前部に相当する。
【００３４】さらに、整流板６６上部のステイフナープ
レート６５の他端部に対する取付部は、ホーン５６を下
端部に取付けたホーンステー６７の上端部と、段付きボ
ルト６８及びナット６９（図５）で共締めされている。
【００３５】ステイフナープレート６５は図６に明らか
なように、鉄板のプレス成形等により得られる略三角形
状の部材であり、その下端部７０近傍の左右対称位置に
段付きボルト６８の小径部が通る通し穴７１と位置決め
突起７２が形成され、通し穴７１にはナット６９が溶接
されている。
【００３６】左右の側縁部７３はダウンフレーム１１の
外周へ当接して溶接され、上端部７４はヘッドパイプ５
の下部外周へ溶接されている。符号７５はハンドルロッ
ク用のロックプレートである。
【００３７】なお、図１に示すように、ステイフナープ
レート６５は、ヘッドパイプ５及びダウンフレーム１１
へ取付けた状態が、上端部側を前傾するような傾斜状態
になっており、この傾斜面により走行風Ｗを斜め下方へ
導く整流部材並びに導風部材の一種として機能してい
る。
【００３８】整流板６６は樹脂製の部材であり、図８に
示すように、前記エンジン上方空間６２の前部を覆うよ
うに取付けられ、その下部は前又は後方投影時にシリン
ダ部６１の上部と一部が重なる程度の高さになってい
る。
【００３９】整流板６６の上端部８０にはボス８１が設
けられ、ここに段付きボルト６８の大径部が通る通し穴
８２が形成され、その下方には複数段にルーバー８３が
設けられている。
【００４０】最上段のルーバー８３には、左右両側端部
８６から中央側へ切り込まれたスリット８４が形成さ
れ、ここから上端部を整流板６６の内側で共締めされて
いるホーンステー６７の下部が整流板６６の外側へ出る
ようになっている。
【００４１】各段のルーバー８３は、それぞれ所定間隔
のスリット幅８５をなすように平行し、かつ走行風Ｗを
シリンダ部６１を中心とするエンジン２０の前面側へ導
くように後方へ斜め下がりに傾斜している。
【００４２】さらに、整流板６６の左右両側端部８６に
は、その長さ方向に沿って適当間隔で前側爪８７と後側
爪８８が交互に側方へ突出している。
【００４３】前側爪８７は図９に示すように、ダウンフ
レーム１１の外周略１／４程度に相当する曲率と長さの
円弧状をなし、前方へ湾曲している。後側爪８８は後方
へ湾曲している点で相違するが同様の円弧状をなしてい
る。
【００４４】したがって、前側爪８７と後側爪８８を弾
性変形させて両方の爪８７、８８の間へダウンフレーム
１１を入れれば、整流板６６をダウンフレーム１１に対
して仮止めできる。
【００４５】ホーン５６のホーンステー６７は、帯板状
の金属又は樹脂製の部材であり、図４に示すように、左
右一対で使用され、下方を略八の字形に開いて取付けら
れ、図５に明らかなように上端部には、段付きボルト６
８の小径部が通る通し穴７６が形成され、その近傍に位
置決め突起７２が嵌合する位置決め穴７７が形成されて
いる。
【００４６】次に、本実施形態の作用を説明する。ま
ず、整流板６６を車体へ取付けるには、左右両側端部８
６の前側爪８７と後側爪８８を弾性変形させて両方の爪
８７、８８の間へダウンフレーム１１を入れることによ
り、整流板６６をダウンフレーム１１に対して仮止めす
る。
【００４７】続いて、ホーンステー６７の上部をスリッ
ト８４から整流板６６の内側へ入れて、各通し穴７１、
７６及び８２を一致させ、段付きボルト６８を差し込ん
でナット６９へ締結することにより、整流板６６とホー
ンステー６７を共締めする。
【００４８】したがって、整流板６６とホーン５６を共
通の段付きボルト６８で共締めにより取付けできるか
ら、これらの取付構造並びに作業が簡単になり、かつ部
品点数を削減できる。
【００４９】そのうえ、整流板６６をダウンフレーム１
１に対して仮止めするので、この共締作業中、整流板６
６から手を離すことができ、両手を使ってホーンステー
６７の取付け作業ができるので作業も容易になる。
【００５０】また、この取付に際して、ホーンステー６
７の略八の字形に開く角度は、ステイフナープレート６
５の位置決め突起７２を位置決め穴７７へ嵌合すること
により正確に決定されるため、ホーン５６の位置決めが
容易かつ正確になる。
【００５１】このようにして整流板６６を取付けた自動
２輪車の走行時には、車体前方からフロントフェンダ５
３を越えてエンジン２０の前方側へ向かう走行風Ｗのう
ち、ステイフナープレート６５へ向かう部分は、エンジ
ン上方空間６２の前部上側がステイフナープレート６５
によって覆われているため同空間内へ入ることができ
ず、このステイフナープレート６５の傾斜に斜め下方へ
導かれる。
【００５２】また、エンジン上方空間６２の前部下側を
塞ぐように配設されているステイフナープレート６６へ
向かう部分は、そのルーバー８３により同様に斜め下向
きに方向を変えられて、シリンダ部６１を中心とするエ
ンジン２０の前面側へ導かれてここを冷却する。
【００５３】一方、エンジン上方空間６２の左右両側
は、燃料タンク３４、フロントサイドカバー５７及び側
面ガセットプレート５８で覆われているから、結局、走
行風Ｗはエンジン上方空間６２内へ侵入しにくくなる。
【００５４】仮に侵入しても、このエンジン上方空間６
２内に設けられている隔壁板６３により、後方への通り
抜けを阻止されるので、シリンダ部６１の上方を通って
後方の気化器２１へ到達することが殆どなくなる。
【００５５】その結果、気化器２１のアイシングを防止
できるとともに、走行風Ｗをステイフナープレート６５
及び整流板６６で整流することにより、走行抵抗を可能
な限り減少させることができ、しかもエンジンの冷却効
率を向上させることができる。
【００５６】なお、本願発明は上記実施形態に限定され
ず種々に変形可能である。例えば、ステイフナープレー
ト６５は必ずしも必要ではなく、エンジン上方空間６２
の前部開口面積に応じて整流板６６を単独使用すること
ができる。また、ダウンフレームは左右一対でなく、車
体中心にそって一本で設けられる形式のものでもよい。
さらに、自動２輪車に限らず自動３輪車等の類似車両に
も適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】 車体フレーム要部の側面図
【図２】 自動２輪車全体の左側面図
【図３】 同右側面図
【図４】 要部の図２におけるＺ矢示方向から示す図
【図５】 図４の５−５線に沿う拡大断面図
【図６】 はＺ矢示方向から後述するステイフナープレ
ートを示す図
【図７】 整流板の正面図
【図８】 その側面図
【図９】 その底面図
【図１０】図２の１０−１０線に沿う概略断面図
【符号の説明】
１０：主フレーム、１１：ダウンフレーム、２０：エン
ジン、２１：気化器、３４：燃料タンク、５６：ホー
ン、５７：フロントサイドカバー、６２：エンジン上方
空間、６５：ステイフナープレート、６６：整流板、６
７：ホーンステー

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】車体フレームに支持されたエンジンと、そ
    の上方に配設された燃料タンクと、エンジンのシリンダ
    部後方に配設された気化器とを備えるとともに、エンジ
    ンと燃料タンクとの間に車体の前部から気化器方向へ延
    びるエンジン上方空間が形成されている自動２輪車等の
    車両において、前記エンジン上方空間の前部にルーバー
    を形成した整流板を配設し、この整流板により走行風を
    エンジンの前面側へ導くようにしたことを特徴とする自
    動２輪車等の車両における走行風整流装置。
  2. 【請求項２】前記整流板はエンジン前方に配設されるホ
    ーンと一緒に車体フレーム側へ共締めされることを特徴
    とする請求項１に記載した自動２輪車等の車両における
    走行風整流装置。
  3. 【請求項３】前記整流板はエンジン前方に上下方向に配
    設されるダウンフレームへ仮止めする仮止め手段を備え
    ることを特徴とする請求項２に記載した自動２輪車等の
    車両における走行風整流装置。
  4. 【請求項４】前記ホーンの車体フレーム側に対する取付
    位置を定めるための位置決め手段を備えたことを特徴と
    する請求項２又は３に記載した自動２輪車等の車両にお
    ける走行風整流装置。
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