JPH10179038A - 筋肉源から蛋白質組成物を分離するプロセス及び蛋白質組成物 - Google Patents

筋肉源から蛋白質組成物を分離するプロセス及び蛋白質組成物

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JPH10179038A
JPH10179038A JP9306535A JP30653597A JPH10179038A JP H10179038 A JPH10179038 A JP H10179038A JP 9306535 A JP9306535 A JP 9306535A JP 30653597 A JP30653597 A JP 30653597A JP H10179038 A JPH10179038 A JP H10179038A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低品質の動物筋肉組織を使用しても高収率で高
品質の膜脂質を含まない蛋白質製品を作り得るプロセス
を提供する。 【解決手段】蛋白質に富む溶液を作るために、約3.5
以下のpHを有する酸性水溶液と動物筋肉組織の粒状形
式物と混合することにより、動物筋肉組織蛋白質に富む
水溶液が固体及び膜脂質を含む脂質から分離され、蛋白
質に富む水溶液はpHを上げることにより蛋白質沈降処
理を受け、次いで、蛋白質が回収される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、動物の筋肉源から蛋白
質を回収するプロセス及び、それにより得られた蛋白質
に関連する。特に、本発明は動物の筋肉源から筋肉蛋白
質を回収するプロセス及びそれにより得られた蛋白質に
関係する。
【0002】
【従来の技術】現在、機能的及び栄養的性質の故に、食
品として筋肉蛋白質を使用することを拡大することに関
心がある。これらの物質をより良く利用することは、食
品用途としての効用が小さいか、また効用のない低価値
の原材料について特に重要である。これらの原材料に
は、脂肪分の外洋性魚及び骨を外された魚の筋肉質組織
及び飼鳥類の処理物がある。しかし、これらの物質の使
用は、処理中の蛋白質の機能喪失、脂肪酸化による産生
品の不安定さ、及び、暗色、強いにおい、外観の悪さ及
び組織感の悪さ等により、妨げられる。
【0003】食品科学者に大きな関心のある蛋白質の機
能は溶解度、水保持能力、ゲル化力、脂肪バインド能
力、泡安定性及び乳化性である。まだ利用されていない
魚類から蛋白質濃縮物を作る為にかなりの努力が払われ
た。この努力は限定的な成功しか納めていない。ある一
例では、製品を安定化するために、有機溶媒抽出プロセ
スにより脂質を除去することが必要であると考えられて
いた。この作業は高価であり、溶媒のリサイクルを必要
とするのみならず、蛋白質の機能的性質を破壊するとい
う深刻な問題がある。栄養補助食品として、この製品は
大豆蛋白質にコスト面で対抗できないし、その小さな溶
解度及び水保持力により、ほとんどの製品中に機能要素
として添加されることが困難となる。
【0004】もう一つの代替的アプローチとして、筋肉
細胞、ことに魚から蛋白質濃縮物が加水分解により作ら
れた。このアプローチで、いくつかの機能的性質、こと
に溶解度が向上し、調理済スープ中で使用することを可
能とする。これらの製品中で使用し得る原料は、望まし
くない脂質酸化を起こし易いことにより制約される。し
かし、このアプローチは、ゲル化能力の如きその他の機
能的性質を破壊する。それ故、現在では、動物蛋白質の
源としては、比較的高価な、脂肪の少ない白身の新鮮な
魚についてのみ、そこそこに成功しているだけである。
【0005】蛋白食品を安定化する方法で幾らかの成功
を納めたプロセスは「スリミ」を作るプロセスである。
スリミは主に魚について作られるが、骨を取った飼鳥類
のミンチの如き他の原材料からスリミ様製品を作る試み
も幾つか為されている。スリミを作る際、筋肉はすりつ
ぶされ、適当な量の水で適当な回数、洗浄される。使用
する水の量及び洗浄回数は、工場の位置及び特定の種類
から欲せられる製品により決定される。
【0006】水は魚1部に対して約2部の割合から魚1
部に対して約5部の割合で使用できる。典型的には魚1
部に対して、約3部の水が使用される。洗浄回数は変更
できるが、一般的には2〜5回であるが、洗浄回数は原
材料、作る製品、及び水の入手容易性により変更され
る。魚の筋肉蛋白質の20〜30%は、すりつぶされた
筋肉が水で洗浄されると溶解する。これらの溶解性蛋白
質(筋漿蛋白質として知られる)は、一般的に洗浄水か
ら回収できない。この損失は、筋漿蛋白質が食品として
有用であるので、好ましくない。
【0007】固体の蛋白質を含む洗浄されたミンチ化さ
れた製品は、次いで、蛋白質ゲルを作るために使用され
る。もともと、これは日本でかまぼこを作るために使用
された。かまぼこは、人気のある魚ソーセージであり、
洗浄されたミンチ化された魚がゲル化するまで加熱され
ている。
【0008】現在、洗浄されたミンチ化された魚には、
蛋白質変性を防止する為に、冷凍前に冷凍保護材を加え
る必要があると信じられている。典型的な冷凍保護混合
剤は、約4%のサッカロース、約4%のソルビトール及
び約0.2%のソディウム・トリホスフェートを含有す
る。これらの成分は冷凍処理、冷凍保存、及び解凍の間
の蛋白質の変性を遅らせる。高品質のスリミは、一般的
に脂肪の少ない白身魚からのみ作られた。暗色の身の、
遠洋の脂肪の多い魚種から高品質の製品をいかに作るか
について多くの努力が払われた。上述したように、蛋白
源としてのこれらの魚種は、脂質の耐酸化性、色、弱い
ゲル化能力、低収率、並びに非常に新鮮な原材料を必要
とすることの限界を有する。暗色の身の魚からスリミを
作るための、最も成功を納めている日本のプロセスは筋
肉組織の全蛋白質の約50から60%を喪失する。
【0009】1995年のJournal of Fo
od Scienceの1369〜1374ページにお
いて、Cuq等は魚のミクロフィブリル蛋白質により食
用の包装フィルムを作る方法を提案する。このフィルム
を作る方法では、水で洗浄された魚ミンチの蛋白質がp
H3の酢酸水溶液に、2%の蛋白質の最終濃度にまで溶
解される。この組成物は酢酸の使用により充分なる高粘
度となり、本発明の手順では膜の分離ができない。これ
らの溶液の粘度は、更に、フィルムを形成しうるだけ充
分に高い溶液粘度とするために、100gの乾燥物につ
いて35gのグリセロールを添加することにより上昇さ
せる。これらの組成物は、高粘度の溶液又はゲルを防止
すべく、不充分な濃度の水を含有する。それ故、製品品
質に影響する膜脂質を含有する望ましくない非蛋白質の
分取物は、蛋白質分取物から除去されない。更に、酢酸
の使用は、強い臭いを産出物に付与して、食品製品中で
使用することをかなり制約する。
【0010】1995年のFood Chemistr
yの53巻、51〜54ページにおいてShahidi
とOnodenaloreは、骨を取ったシシャモの全
てを水中で洗浄し、次いで、0.5%塩化ナトリウム中
で洗浄し、次いで重炭酸ナトリウム中で洗浄することを
提案する。炭酸ナトリウムを使用する洗浄を含む一連の
洗浄は、筋肉蛋白質の50%超を除去するであろう。本
質的には筋漿蛋白質の全てが除去されるであろう。最終
の残査は、残査の重炭酸ナトリウムを除去するため、更
に洗浄される。洗浄された肉は次いで冷水中に入れ、7
0℃で15分間加熱する。この加熱処理は、魚蛋白質を
「調理」するのに充分であり肉の変性をして、その機能
的性質を減じ又は除去する。分散液は、2675Xgで
15分間遠心分離をし、上澄液中の蛋白質は、pH3.
5とpH10.0の間で決定される。分散液は、その粘
度を低下させるため100℃で加熱することを必要とす
る。しかし、低下された粘度でも、本発明のプロセスに
より実現される粘度より、依然かなり大きい。Shah
idiとOnodenaloreの方法で作られる懸濁
液は、充分に濃縮され、遠心分離では蛋白質から、膜脂
質を分離することは不可能である。
【0011】1994年のJournal of Ag
ricultural and Food Chemi
stry42巻、1440〜1448ページにおいてS
hahidiとVenugopolは大西洋のにしんを
水中で洗浄し、次いで、重炭酸ナトリウム水で洗浄する
プロセスを開示する。このプロセスも、また、筋漿蛋白
質を含む筋肉蛋白質の50%超を除去する。洗浄された
肉は均質化され、pHを酢酸により3.5から4.0の
間に変化させる。上述の如く、酢酸は、これらの条件下
で高粘度の懸濁液を生み出し、遠心分離では蛋白質から
膜脂質を分離できない。
【0012】1994年のJournal of Fo
od Science 59.2の265〜268ペー
ジにおいてVenugopalとShahidiは、p
H3.5の水と氷酢酸の中に懸濁した太平洋さばのミン
チを処理するプロセスを開示する。このプロセスは、ま
た遠心分離により蛋白質から膜脂質を分離できないほど
の高粘度の物質とする。また、酢酸による臭いの問題も
ある。
【0013】1993年10月号のMeat Focu
s Internationalの443〜445ペー
ジにおいてShahidiとVenugopalは約
3.0のpHを有する水溶液中で均質化されたにしん、
さば又は、ししゃもを作るプロセスを開示する。このレ
ポートでは酢酸はにしんの分散液の粘度を下げ、さばの
分散液の粘度を上げてゲルを形成し、そして、ししゃも
の分散液を沈降させると報告する。これら全ての調整物
は最初に重炭酸ナトリウムで洗浄されるが、これによ
り、筋漿蛋白質を含む蛋白質のかなりの部分を除去して
しまう。膜脂質から蛋白質を分離することができる工程
は開示されていない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従って、動物源から利
用できる蛋白質の高割合を回収するプロセスを提供する
ことが望まれる。また、高脂肪又はオイルを含む魚の如
く、現在、食料源としてあまり使用されていない筋肉蛋
白源を使用できるようなプロセスも望まれる。更に、供
される原料のほぼ全ての蛋白含有分を回収するようなプ
ロセスも望まれる。更に人間の消費に特に有用な安定か
つ機能的な蛋白製品を作るプロセスを提供することも望
まれる。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の改題を解決する
手段として、本発明では「実質的に膜脂質を含まない、
動物筋肉組織の蛋白質に富む成分を形成するプロセスに
して、該組織の粒状物と蛋白質に富む成分の蛋白質を実
質的に分解しない約3.5より小さいpHを有する水性
組成物とを含む組成物から、蛋白質に富む溶液を形成
し、該蛋白質に富む成分から膜脂質を分離し、該蛋白質
に富む成分を回収する工程とを含むプロセス」を発明し
た。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は、約3.5未満の低pH
で処理することの可能な筋肉組織のミクロフィブリル蛋
白質の我々が新たに発明した性質に基づくものである。
筋肉組織(魚又は肉)は、粉砕され、又は、十分な水で
均質化され、破砕して粉状にし、その大部分、好ましく
は利用可能なほぼ全ての蛋白質が溶解するpHにて、溶
解した組成物から不溶性の物質を簡単に分離できるよう
に粘度を低下させる。溶解は、約3.5未満の低pHで
あるが、蛋白質の分解をさせるほどは低くないpH、好
ましくは約2.5と約3.5の間で起る。従来のプロセ
スではミクロフィブリル蛋白質の過半部分が決して溶解
しないので、この点において新プロセスは異なる。従来
のプロセスでは、ミクロフィブリル蛋白質は、品質の低
下につながる水溶性物質を除去するため、水中又はわず
かにアルカリ性にされた水中で単に洗浄される。残念な
がら、此の従来プロセスも水溶性の筋漿蛋白質を除去す
る。
【0017】本発明の一実施態様においては、破砕され
た筋肉組織は、かなり低い粘度の溶液、つまり非ゲルを
作るために、以降の低pH処理工程中で蛋白質を溶解す
ることが容易になるよう、約5.0と約5.5の間のp
Hを与えるために、水溶液と混合でき、筋肉粒子の漿濁
液を作る。この任意の予備工程を約5.0と5.5の間
のpHで行うことにより、均質化されたゲルが得られ、
このゲルの中では蛋白質は過剰の水で膨潤していない。
それ故、より少量の水が処理され、以降の溶解工程での
所望する低pHを実現するように処理されることが必要
である。
【0018】本発明のプロセスにおいて、所望されるな
ら、暗色の筋肉を事前に除去する任意の工程を行っても
よい。もう一つの代替的な任意の工程は、水と酸を加え
る前に、粉砕された筋肉を遠心分離又はプレスすること
によって過剰のオイルを先ず除去することである。筋肉
蛋白質が溶解された後で、適当な力で遠心分離し組織の
膜部分を沈降させ、非膜の脂質を先成産生物の上部に浮
遊させて層を作らせる。これらの膜質は除かれて、溶解
した上澄液である蛋白質に富む画分は、デカンテーショ
ンのような方法で回収する。
【0019】回収された上澄液は、次いで、pHを約
5.0と約5.5との間に、例えば塩を添加して、上げ
ることにより、蛋白質の沈降処理をする。塩添加の組み
合わせでpHが上昇する。例えば、多糖類又は同様物と
の共沈により、供給原料の筋肉細胞中の筋肉組織の大部
分の筋漿蛋白質とミクロフィブリル蛋白質を含む蛋白質
製品が回収できる。この蛋白質製品は、供給原料の動物
細胞中に存在した膜蛋白質をほとんど含まない。これら
の膜蛋白質は上記の遠心分離工程から生ずる沈降物中に
回収される。本発明の製品中に膜蛋白質が存在しない点
が、現在利用されている従来プロセスにおいては供給原
料の動物細胞中の膜蛋白質のかなりの部分を産生物が含
んでいる点が区別されるところである。
【0020】代替的なプロセスにおいては、この沈降工
程は蛋白質製品を回収するために行う必要がない。蛋白
質製品は、そのpHを上昇させることなく、例えば塩に
よる沈降や、例えば酸性食品中にスプレー乾燥で直接処
理できる。或いは、低pHの蛋白質に富む溶液はその機
能的性質を向上させるために、例えば酸性の蛋白質分解
酵素組成物又は蛋白質の分取により処理される。
【0021】高pH条件で回収された沈降した蛋白質産
生物は、更に、食品製品を作るために更に処理可能であ
る。これらの処理には、親水化、冷凍保護剤を加えるか
加えないか、pHを上げるか上げないで冷凍する、又は
pHを上げてゲル化することなどがある。
【0022】本発明は、粉砕、均質化その他の方法によ
り粒子化することにより、動物の筋肉組織蛋白質源が粉
砕され、水溶液の容積と組織の重量の比を、水性組成物
が望ましくないほど高粘度化して蛋白質からの膜成分を
分離するのが困難とならないような比率にてpH約3.
5以下で水性液と混合される。典型的には、水性液の容
積と組織の重量との比率は約7:1より大きく、好まし
くは約9:1より大きい。このようなpH及び水性液の
容積と組織の重量比の条件を使用することにより、この
工程中又はそれ以降の工程中での組成物のゲル化を防止
しつつ、組織の蛋白質成分が水性液中に溶解する。pH
は、蛋白質が溶液中に存在する間、蛋白質のかなりの部
分が破壊されることがないようにあまり低く、つまりp
Hが約1にしてはならない。
【0023】蛋白質変性及び蛋白質の加水分解もまた、
溶液温度と溶液中に滞在する時間に作用される。温度が
高くまた滞在時間が長い程、蛋白質の変性と蛋白質の加
水分解とが促進される。それ故、溶液温度と溶液中での
滞在時間を下げることが望ましいが、特に蛋白質溶液の
低pH、例えば約2又はそれ以下の場合が、特に望まし
い。水性組成物は、塩、例えば食塩又は同様物のよう
に、溶液中の蛋白質を分解又は加水分解しない成分を含
有することができる。溶液のイオン強度は蛋白質沈降を
防止するため、約200mM以下に保持すべきである。
【0024】低pHの蛋白質溶液は、次いで、脂質、脂
肪、オイル、骨、皮、膜細胞及びその他の不溶物を例え
ば遠心分離で分離して、低pHの蛋白質水溶液を作る処
理を行う。この分離処理は、特に膜脂質が含まれていな
いので回収された蛋白質の安定性を増す。この低pH蛋
白質溶液は、従来技術での低pH蛋白質組成物と、蛋白
質のほとんど大部分が溶液中に残存していること、遠心
分離の間でもゲルを形成せず蛋白質から不溶性の不純物
が分離できる点において異なる。
【0025】これらの不溶性不純物はそれ自身分解して
製品を不安定にする膜脂質を含む。分離手段として遠心
分離を利用するとき、及び、細胞の重量と水性溶液の容
積との比率を約1:20以下にする時は、遠心分離され
た組成物は一般的に、中性脂肪を含む軽い層を含む最上
相、蛋白質のほとんど大部分を含む水性液層、骨、皮、
細胞膜及び膜脂質を含む沈降又はペレット相、水性液相
とペレット相の間に位置する第四相は、トラップされた
蛋白質の形式の蛋白質をほんの少し含む。
【0026】このゲル状相は、このトラップされた蛋白
質を回収するプロセスの前又は後で回収及びリサイクル
が可能である。組織の重量と水性液の容積との比率が約
1:20を越えると、蛋白質組成物を利用した場合に、
このゲル状層が形成されず、全ての蛋白質が水性液相中
に存在する。
【0027】任意の予備工程の中で、粉砕された動物の
筋肉組織が酸性水溶液と混合され、約5.0から約5.
5のpHとされる。その後で、混合物のpHは蛋白質を
安定化させるために上記の酸で下げられる。この予備的
混合工程は、上記の低pH処理工程において低粘度の蛋
白質溶液を作り、それ故、溶解された蛋白質から不溶物
を分離するのを容易化する。
【0028】低粘度の溶液中に物質が溶けているので、
溶解された組成物は特定の所望する蛋白質画分、又は望
むなら、その他の製品画分を得るために、サイズ押出ク
ロマトグラフィー又は分子サイズ以外の蛋白質の性質に
基づくその他の手段で分取可能となる。又は、溶液中の
蛋白質は、例えばスプレー乾燥で脱水し、酸性食品、例
えばサラダドレッシング、マヨネーズ、ゲル又はフルー
ツジュースの栄養補助品、ソーダ又はその他の類似物中
で使用する機能性蛋白質を作る。
【0029】本プロセスのこの時点は、もし蛋白質を変
化させて所望の機能から性質を向上することが望まれる
ならば、溶解された蛋白質を酸性蛋白質分解酵素で処理
するのに都合がよい。限定的な蛋白質の分解が低pHで
起こり得る。この蛋白質の分解は時間、温度、及びpH
値に関係する。
【0030】回収された蛋白質に富む上澄液が、次い
で、ほとんど全ての蛋白質が沈降するpH値に調節され
る。このpH値は、蛋白質源である動物の種類により変
わるが、一般的には約5.0と約5.5との間の値であ
り、より一般的には、約5.3と約5.5との間の値で
ある。この蛋白質は再度、遠心分離又は、例えば、多糖
類又はその組み合わせ等の高分子沈降剤で回収される。
全てのミクロフィブリル及び 細胞骨格の蛋白質が回収
されるだけでなく、約3.5未満の低pHで、前工程で
溶解された溶解性の筋漿蛋白質画分も、pHを約5.0
と約5.5との間に上げることにより沈降する。
【0031】この筋漿蛋白質の回収はサンプルを直接約
5.5にして遠心分離した場合には観察されない。蛋白
質の損失を防止するため、低pH条件を先ず実現し、次
に蛋白質の沈降が起るpH条件にもどすことが必要であ
る。低pH条件に予備的にしない場合は、蛋白質の損失
は一般に供給蛋白質量の約20%から約30%の間であ
り、これは主に筋漿蛋白質の損失による。
【0032】沈降された蛋白質は、低分子量の代謝産
物、糖、ホスフェート及び/又はヌクレオチドのような
溶解性不純物を含む水性液組成物から分離される。ある
いは、蛋白質沈降は多糖類、電荷ポリマー、アルギネー
ト又はカラギーナンその他の類似物、単独又は組み合せ
の海洋性ハイドロコロイドを使用した遠心分離によって
も行うことが可能である。出願人は、未解明のこの蛋白
質回収をサポートする理論について拘束されるものでは
ないが、筋漿蛋白質の分子変化により、そのpHで不溶
性になるのか、又は、筋漿蛋白質がミクロフィブリル及
び細胞骨格蛋白質の分子変化によりミクロフィブリル及
び細胞骨格蛋白質に容易に結合するのかもしれない。も
しくは、ミクロフィブリル及び細胞骨格蛋白質が開裂し
て、筋漿蛋白質のためのより多くの結合サイトを提供す
るのかもしれない。
【0033】最適の沈降が実現される場合は、回収され
た蛋白質の係合の性質に影響する。塩基の直接添加によ
るpHの急激な変化は、蛋白質の凝集物を作るが、例え
ば透析によるpHの緩やかな変化は通常はフィブリル中
で係合する蛋白質と蛋白質を係合させることが可能であ
る。
【0034】クエン酸、リンゴ酸、酒石酸又はその類似
酸のような有機酸、塩酸、硫酸、その類似酸のような鉱
物酸、若しくはその混合物のような、最終製品を好まし
くないように汚染しない酸がpHを下げるのに使用でき
る。好ましいpHの値を有するクエン酸が本プロセスに
好ましい酸である。充分なクエン酸はpH3とpH5
で、充分な干渉力を有し、そして次いで塩酸のpHを所
望値に下げるのに使用される。酢酸や酪酸のように揮発
性が強く、望ましくない臭いを与える酸は好ましくな
い。更に、蛋白質から膜成分を分離できるようにするた
め、酸は蛋白質含有製品の粘度を下げるものであるべき
である。同様に、pHを上げるためにいくつかの塩基が
使用できる。ポリ燐酸塩は抗酸化剤として機能し、筋肉
蛋白質の機能的性質を向上させるので、これを加えるの
が好ましい。
【0035】沈降した蛋白質は、多くの方法で任意に処
理可能である。例えば、そのpHを上げて中性とし、冷
凍保護剤を添加し、冷凍して典型的なスリミを作る。こ
のプロセスにより作られたスリミは、優れた品質を有
し、脂質の酸化臭もない。蛋白質の品質の一基準である
「真歪(true strain)」は、たらで2.
8、さばの白い筋肉で2.6であり、動物の蛋白質源と
同じ大きさであった。製品は、ほんの少ししか又は全
く、脂質を有さなかった。驚くべき発見はさばの製品の
色がまたとても良くて、白身の魚から作られたスリミと
同じ程度良かったことである。少なくとも白色インデッ
クスで約75を有していた。例えば、さばの白い筋肉か
ら作られたスリミは78.3の白色インデックスを有
し、等級AAの範囲内によく入っている。
【0036】あるいは、現在スリミ処理で使用されてい
る蛋白質の凝集を防止するための澱粉のような剤や、ゲ
ル、乳化剤及び増粘剤のような製品の生産に使用され
る、負に荷電した製品のようだが、これに限定されない
剤を添加した後、沈降した蛋白質は脱水できる。沈降し
た蛋白質は、また、それ以前に含んでいたより少量の液
体を使用して脱水前より蛋白質を濃縮するため、約2.
5から約3.5のpHまで再び酸性化できる。これは脱
水工程の使用エネルギーを低減する。更に、回収された
蛋白質組成物は、蛋白質成分を回収するため分画でき
る。生成した製品は上記したような製品中で成分として
使用するのに有用である。
【0037】本発明は、従来技術に対して次の改良点を
有する。 1.ほぼ全ての脂質を除去するので、製品の耐酸化性が
高まる。これによって、脂肪の多い遠洋性の魚や、骨を
とった家禽類肉のような典型的に安価な原料である脂肪
の多い筋肉組織に特に有用である。
【0038】2.本発明のプロセスは蛋白質の収率を向
上する。約90%以上の蛋白質が、本発明のプロセスで
白い筋肉組織から得られる。他方、従来技術のプロセス
では約60%の蛋白質しか回収できない。いくつかのケ
ースでは、本発明のプロセスで蛋白質の回収率は約95
%にもなる。
【0039】3.製品としての蛋白質の回収率が向上す
ることは、廃水中の回収/除去すべき蛋白質が少ないこ
とを意味し、副生物の汚染が少なくなる。
【0040】4.本発明のプロセスでは、原料として遠
洋性の魚が使われた場合でも、出発原料として特に新鮮
な製品を必要としない。1年以上冷凍保存された遠洋性
魚のような冷凍された遠洋性魚で、酸化の典型的な結果
である150TBARSで示される酸化度を示す場合で
も、良い結果が得られた。例えば、出発原料として約−
20℃で約一年間冷凍保存されていた頭と内臓を取った
ししゃもから応力一歪値が2.37で45kPaを有す
る製品を作ることが可能である。新鮮でなく、冷凍すら
された魚を使用する本発明のプロセスの能力は、現在利
用できるプロセスが新鮮な魚のフ切り身を原料として使
用しなければならないという要件をなくしてしまうの
で、魚を捕獲して海岸沿いの工場で処理する際にとても
重要である。
【0041】5.本発明の製品の色は、従来技術での製
品の色よりかなり向上される。遠洋性魚で現に利用でき
る従来技術で作ったスリミの色は典型的には灰色で、高
いハンター”b”値を有する。白身の新鮮な魚から現に
利用できる従来技術で作られる最上級のスリミと同じか
それ以上に良いスリミが出発原料としてさばの白い筋肉
を使用して本発明のプロセスにより作られる。出発原料
として、氷の上で2〜3日間貯蔵されたさばの白い筋肉
を使用した場合、L、a、b値として各々78.4、−
0.89、及び、2.0を有し、白色インデックスは7
8.3より良かった。
【0042】6.従来技術のプロセスでは筋肉蛋白質の
過半部は全プロセスを通じて不溶である。本発明のプロ
セスは、筋肉蛋白質の約98%を溶解し、そして、従来
の骨から肉を外す機械により作られる製品を含有する原
料に直ちに適用できる。蛋白質を溶解できることによ
り、現在利用できるスリミ製品の主欠点である骨や皮の
断片を望ましい蛋白質画分から完全に除去又は分離でき
る。この利点は切り身よりも魚全体の処理を可能とし、
回収率の増加につながる。
【0043】7.本発明により、脂質に溶解する魚の中
の有毒成分を減少させることが可能となる。これらの有
毒成分には、PCB(ポリ塩化ビフェニル)のようなも
のがある。
【0044】本発明のプロセスの明白な用途は、その不
安定性と好ましくない感覚を有するが故に人用食材とし
て利用されていない原料に対して使用することである。
良い使用例として、現在使用されていないか、産業用で
人消費用ではない小型の遠洋魚種であるにしん、さば、
メンヘイデン、ししゃも、アンチョビ、サーディンなど
を出発原料として使用することである。世界中で捕れる
魚の約半分が人食用としては使用されていない。人消費
用に安定な蛋白質濃縮物を作るプロセスは、この原料の
付加価値を高め、世界の栄養事情に対する重要な貢献で
ある。
【0045】例えば、米国の大西洋沿岸外でさば、メン
ヘイデン、及びにしんの年間産出量は2268万トン
(5 bilion pounds)である。本発明の
プロセスは、切り身が除去された養殖魚から回収された
肉を処理するためにも使用可能である。この原料は現在
人の食品用には使用されていない。本発明のプロセスの
動物蛋白質源として好適な代表的な原料には、魚の切り
身、頭を取り内臓を取った魚(遠洋性魚を含む)、甲殻
類(例えばクリル)、軟体動物(例えばイカ)、チキ
ン、ビーフ、ラム、羊又は類似動物である。
【0046】例えば、機械的にチキンの骨からそいだ肉
の大半は、小売りのためにチキンの主要パーツを除去し
た後の残りの骨格から現在作られているが、この原料は
ほとんど用途がない。本発明のプロセスは、かかるチキ
ンの肉を人間食用として有用な蛋白質に富む製品を作る
ために利用できる。本発明のプロセスが利用できる他の
筋肉源には、大西洋のクリルがあるが、これは大量に入
手できるがそのサイズの小ささ故に人間食用として転換
することが困難である。本発明のプロセスは、また、本
当に不安定な又は低価値の筋肉組織にも利用できる。
【0047】本発明のプロセスの一実施例は、任意の工
程を含む複数の工程からなる。第一工程では、動物蛋白
質源が粉砕されて、以降の処理を促進する大きな表面積
を有する粒状組成物を作る。任意の工程である第二工程
では、粉砕された蛋白質源は、典型的には粉砕された蛋
白質源の重量に対し、約1:9又はそれ以上の比率の容
積の水で洗浄される。洗浄は単一工程又は複数工程で実
現される。
【0048】任意の洗浄工程を利用する際、液状の溶解
画分は不溶画分から遠心分離のような方法で分離され、
不溶画分は以下に記す処理を行う。液状溶解画分は、溶
解した蛋白質と脂質を含有する。この洗浄工程は、望ま
しくない脂質の一部分を除去するが、また蛋白質、特に
筋漿蛋白質をも除くという問題がある。それ故、任意の
工程において、液状溶解画分は、蛋白質に富む水画分か
ら脂質を分離するために、遠心分離のような分離工程に
かけることもできる。回収された蛋白質に富む水画分
は、次いで、蛋白質が回収できるように、洗浄工程から
の不溶画分の処理のため、洗浄液状溶解画分のプロセス
の下流側に組み込むことも可能である。粉砕された動物
蛋白質源を含む不溶画分は、水で微粉砕される。この水
には組成物のpHが下げられるそれ以上の工程での溶解
を促進するために小さな粒子を作るため、約5.3から
約5.5のpHを得るため、クエン酸のような酸を含み
得る。この工程を約5.3と約5.5のpHで実行する
時、組成物の望ましくない膨潤が回避又は最小化され
る。
【0049】微粒子化された蛋白質に富む組成物は、次
いで、pHを約3.5未満であるが蛋白質をかなり破壊
するほどは低くない約2.0又は約1.0まで下げるた
め、酸組成物と混合される。適切な酸は蛋白質をかなり
破壊せず、最終製品を有毒にしないものである。代表的
な好ましい酸には、塩酸、硫酸、又は類似物を含む。こ
の処理工程は、低pHで行われるが、これは従来技術の
プロセスが中性に近い高いpHを使用するのと対照的で
ある。発生する組成物は、低粘度の溶液からなり、その
中で動物蛋白質源からのほとんど全ての蛋白質が溶解性
である。
【0050】水性画分からの膜脂質を含む脂質を分離す
るため、低pH溶液は次いで遠心分離のような方法で分
画される。遠心分離をする時、遠心分離された製品は、
典型的には4層になる。最上層は、魚の場合、トリグリ
セリドのようなオメガ−3脂質を含む白色の脂質であ
り、スキミング又はデカンテーションのような方法で容
易に回収できる。最下層は、膜脂質や骨のような固体
(存在するとき)と係合するため水より重いホスホリピ
ッド、コレステロール及びステロールに富む膜脂質を含
む。脂質画分は、また、高脂肪又はオイルを含む魚の中
でよく発見されるPCBのような脂質に可溶の毒素を含
むこともある。中間の二つのレベルは、上部の蛋白質に
富む低粘度水性層と、下部の蛋白質に富むゲル層を含
む。蛋白質に富む水性層は回収され、下記の処理を更に
行う。蛋白質に富むゲル層はまた、回収可能であり、
水、酸性水溶液、又は蛋白質に富む水性液状層を添加
し、それを蛋白質を回収するプロセスにリサイクルする
ことにより、ゲルを低粘度の溶液に転化する。
【0051】低粘度溶液中の蛋白質は、蛋白質を沈降す
る処理を受ける。この沈降工程の前に、ゲルを低粘度溶
液に転換された蛋白質に富むゲル層が、低粘度水性溶液
と混合され、また、更に別に処理される。溶液中の蛋白
質は、次いで、溶液のpHを約5.0超、好ましくは約
5.5に上げるような方法で沈降させる。あるいは、塩
又は沈降用ポリマーが沈降を起こさせるために使用され
る。上記の初めに粉砕された組織の洗浄工程が省かれる
とき、水溶性蛋白質、粉砕された組織からの特に筋漿蛋
白質は、この工程で回収される。典型的には、筋漿蛋白
質はもともとの組織中の全蛋白質の約20〜30%を占
める。従来技術のプロセスはこの蛋白質を回収しない。
最初の洗浄工程は、この蛋白質を処理中の組織より除去
するが、上記の本発明のプロセス中で回収可能である。
この洗浄工程が本発明のプロセス中に含まれて蛋白質は
回収されない場合でも、本発明のプロセスは、現在利用
できるプロセスでは人間用の食品を経済的に作ることが
できない高脂肪及び高オイル含量の蛋白質源を処理でき
るので、かなりの利点がある。
【0052】本発明の製品は、従来技術の製品とは、上
記の最下層の脂質画分と分離される膜脂質をほとんど含
んでいない。対照的に、従来技術の製品は、製品の全重
量に対して約1から約2%の間の膜蛋白質を含む。更
に、主にミクロフィブリル蛋白質を含む本発明の製品
は、また、かなりの筋漿蛋白質を含有する。蛋白質製品
中の筋漿蛋白質は、製品中の全蛋白質の重量に対して、
典型的には、約8重量%超、好ましくは約15重量%
超、特に好ましくは約18重量%超の筋漿蛋白質を含
む。
【0053】沈降製品は、食品源として直接使用可能で
ある。或いは、沈降製品は、凍結乾燥冷凍、又は熱乾燥
により、製品中の水を除去するような処理を更に行うこ
とが可能である。生じた製品は、溶液のゲル又は乾燥粒
状品の形式をとり得る。この製品は、人間用の食品グレ
ード組成物として有用であり、広範な用途を有する。こ
の製品は、例えば、人工のカニ肉の主要部分として、又
は、結合剤のような食品添加物として使用し得る。更
に、この製品は、特に食品中で乳化剤、増粘剤、発泡
剤、ゲル化剤、水保持剤、その他に使用できる。
【0054】図1は幾つかの任意のプロセス工程を含む
本発明の一般的プロセスを示すものである。任意の第一
工程において、動物の筋肉蛋白質源が、通常のコールド
・プレス又は遠心分離又は類似の機械に導入され(工程
12)、粉末状の魚のような供給物が、圧力をかけら
れ、脂肪やオイル13を含む水性液が動物固体状組織1
5から分離される。水性液は次いで、溶解した蛋白質を
含む水性の流れ18から脂肪やオイルに富む流れ16を
分離するため、分離工程14中で遠心分離のような方法
で処理される。固体状の動物組織15は、次いで、その
表面積を増すため、工程20で粉砕される。或いは、工
程12と20は反転できる。粉末組織22は、液体流れ
26と固体流れ28を作るために、工程24中で水洗す
ることも可能である。液体流れ26は脂肪及び/又はオ
イルに富む流れ30と溶解した蛋白質に富む流れ32を
作るために、更に遠心分離のような方法で分離できる。
【0055】固体流れ28は、工程34で微粉化され、
そのpHは水性酸性溶液で約5.0から約5.5まで低
下させる。固体含量の少ない水性組成物36は、次い
で、工程38で酸によりそのpHを約3.0と約3.5
の間に低下させる。任意の水性の蛋白質を多く含む流れ
18と32は工程38で処理するため添加可能である。
生成された低pH組成物40は、遠心分離又は濾過のよ
うな分離工程42にかけられ、骨、皮、膜等を含む重い
流れ46から、脂質の軽い流れ44及びミクロフィブリ
ル蛋白質及び筋漿蛋白質を含むが膜脂肪を含まない水性
の蛋白質に富む画分50を分離する。蛋白質に富む画分
50は、工程52中で回収され、そして工程58でその
pHを約5.0と約5.5の間に上げて、溶液中のほぼ
全ての蛋白質を沈降させる。任意の処理として、流れ5
6は工程58中で沈降させるよりも、イオン強度約20
0mM超で沈降ポリマー又はその組み合せでの塩折のよ
うな方法で沈降させることも可能である。沈降された蛋
白質60は更に、工程62中で、コロイド化し、冷凍保
存剤の存在化で冷凍するか、ゲル化するような方法で処
理される。
【0056】以下の実施例は本発明を説明するもので、
本発明を限定するものではない。
【実施例1】この実施例は、本発明のプロセスを、現に
利用されている従来技術の二つのプロセスと比較するも
のである。以下のプロセスは筋肉源からの蛋白質がその
機能性(つまり、ゲル化性、乳化性、その他)をプロセ
スを全体を通じて保持され貯蔵できるような態様で、蛋
白質を濃縮し、抽出するために開発されたプロセスの記
載である。
【0057】本発明の新しい酸溶解/沈降(ASP)プ
ロセスを、スリミ製造の標準的な在来のプロセスのみな
らず最近の改良在来プロセスと比較する。改良された在
来プロセスは、白色のより良いゲルを作り、そして在来
プロセスを使用する場合より多くの脂質を除去するため
に設計された方法である。三つのプロセスのフロー図が
図2、3及び4中に示される。それら三つの全てのプロ
セスにおいて、初期の工程として、頭を取ること、内蔵
を取ること、必要なら切り身にすること、リンスするこ
と、及び、ミンチ化が標準的な魚処理装置により実行さ
れる。これらの初期の工程の後からが、本発明のASP
プロセスが他の二つのプロセスとかなり変わる。
【0058】従来技術のプロセス及び従来技術改良型の
プロセスの目標は、望ましくない溶解成分を洗浄除去又
は除去しながら、その不溶性を促進する条件下で蛋白質
を保持することである。しかしながら、蛋白質収率上の
大きな損失があるので好ましくない。ASPプロセスを
使用する際、全ての筋肉蛋白質の溶解性を促進するよう
調整する。この条件は、約3.5未満であるが、蛋白質
を破壊する程は低くはないpHで、イオン強度は約20
0mM以下とする。
【0059】1.従来技術のプロセス 従来技術のプロセスの基本工程は、図2中に示される。
洗浄工程の回数又は洗浄水容積は変化できる。粉末化又
はミンチ化された魚が、望ましくない成分を除去するた
め充分に長く、かつ、多量の容積の冷却水(約6℃)で
洗浄する。洗浄しすぎると、蛋白質の膨潤が起こり、脱
水を妨げ、ゲル化に悪影響を与える。水溶性成分の大部
分は第一回目の洗浄で除去され、その後の洗浄では比較
的少ない。また、水洗時間又は水中の滞在時間は、洗浄
効率を決定する。一回あたりの洗浄について、9〜12
分の有効滞在時間が充分であることが判った。
【0060】各洗浄後の脱水は、回転スクリーンを使用
して実現される。この装置は、部分的脱水をするため約
1mmの孔のあけられた連続式の回転スクリーンであ
る。塩を最終の洗浄工程に、脱水を容易化するために、
添加しても良い。最終の部分的脱水の後、洗浄されたミ
ンチは精製器を通過させる。精製器において洗浄された
ミンチは同心状オーガーの高圧下で0.5mmの孔を有
するスクリーンを通過させる。精製は「仕上げ」工程と
呼ばれ、細かくミンチ化された筋肉のみが孔を通過する
ことが可能である。
【0061】しかしながら、分離は完全ではなく、この
工程中で幾つかの製品が喪失する。位置によって異なる
が、精製器からの流出物は0.5mmより大きな粒子を
形成しやすい小さな骨及び皮の断片並びに暗色の筋肉か
ら成る。精製器は、望ましくない非食用の断片を除去す
るのに効果的であるが、100%有効でなく、ミンチに
幾つかの粒子が混入する。この生産ステージの湿度含量
は約90%である。高湿度にすると精製プロセスをより
効果的にする。湿度含量を所望の80%まで低下させる
ため、精製されたミンチは、スクリュー・プレスに入れ
る。精製器のように、スクリュー・プレスはオーガー式
移転器で、ミンチを0.5mmの孔を有するスクリーン
に押しつけるが、違いはスクリュー・プレスがより高圧
下となることである。冷凍保存剤の典型的な混合物は、
4%サッカロース、4%ソルビトール及び2%ソディウ
ム・フォスフェートである。最終工程において製品は、
遅い冷凍では起こる蛋白質変性を起こさないように、急
速に冷凍する板状冷凍機中で冷凍される。
【0062】2.従来技術改良型プロセス 改良型プロセス(図3)は、高脂肪含量の魚を使用する
ためにデザインされた。この三つの主要点がこのプロセ
スを従来技術のプロセスと区別する。第一に、微小化工
程を使用することにより、1−2ミクロンまで粒径を下
げて産物の色を向上(白色化)させる。これは、大きな
表面積により組織から望ましくなく成分を浸出させるの
に非常に効果的である。第二に、このプロセスは、真空
下(10mmHg)で組織をミンチ化又は微小化する
が、これは脂質の酸化を少なくするのに効果的であるこ
とが判明した。真空条件下の低蒸気圧により、臭い又は
酸敗臭の原因である低分子量化合物が大部分除去され
る。第三に、製品の向上に最も劇的な効果を与えるこの
プロセスの工程は、第一回の洗浄に重炭酸ソーダ(0.
1%)及びソディウム・ピロフォスフェート(0.05
−0.1%)を添加することである。これらの化合物
は、第一洗浄のpHを約7.2−7.5に上昇させ、最
終的にゲル弾性を上げ、脂質含量を約1%に下げる。こ
のプロセスは、しかしながら、浸出工程の間に喪失され
る蛋白質量を増加させる。微粉末化工程により、製品は
微小な洗浄された組織粒子を回収できる遠心分離を使用
して回収しなければならなかった。冷凍保存工程及び冷
凍工程は従来技術のプロセスと同じである。
【0063】3.本発明のASPプロセス 上記の如く、好ましいASPプロセスは、組織の粉砕工
程の後から従来プロセス及び改良プロセスと大きく異な
る。全組織が稀釈媒中で均質化される。均質化工程は、
魚組織(粉末又は全体)を1mMのクエン酸でpH3の
溶液中に、好ましくは一部の組織に9又はそれより大部
の溶液の比率で入れる。使用できる均質化装置は、76
(1−2分)のスピードのPolytron Kine
maticのホモジナイザである。この手順はUrsh
el Commitrol Model 1700又は
代替装置によりスケール・アップ可能である。
【0064】均質化の後で、精製した溶液のpHは約
5.3から約5.5である。このpHでは、多くの筋肉
蛋白質の等電点に近いが、蛋白質による溶液の取り込み
は極小となる。これにより蛋白質の水和を防止し、粘度
を低く保持する。均質物のpHは次いで、約3.5又は
それ未満に、これに限らないが、塩酸を使用して低下さ
れる。1モルの塩酸が通常使用されたが、他の鉱物酸又
は有機酸も同様に良好に働く。この溶液は次いで遠心分
離され、溶液は4相に分離される。上部(軽い)相は脂
質を含むが、蛋白質はまったく検出されなかった(Bi
uret)。この理由により、この相は中性脂質を含ん
でいると信じられている。大西洋たらのような白身魚
(中性脂質の極めて低い)が出発の筋肉源として使用さ
れる場合に、この中性脂質がほとんど存在していない。
【0065】沈降物又はペレットには、幾つかの不完全
に調整したサンプルではスキン及び骨並びに膜脂質を含
むことが判った。脂質の画分は蛋白質を含む。脂質の両
画分はおだやかな条件下で分離される。膜脂質は、中性
脂質よりより不飽和で、エイコサペンタノイック・アシ
ッド(EPA)とドコサヘキサノイック・アシッド(D
HA)がより高く、ニュートラスーティカルのようなD
HA/EPA製品中の優れた原料として使用できる。A
SPプロセスにおいて、脂質、特に膜脂質を除去する主
たる理由は、これらの脂質は反応性が高く、蛋白質製品
の貯蔵安定性を低下させるからである。脂肪の多い魚か
らスリミ形式の製品を作るこれまでの試みにおいては、
脂質の分解から発生する不快な酸化臭の問題があり、限
定的な成功しか上げられていなかった。不快な臭いと褐
色化の進行は、脱水された蛋白質製品中で非常に強くな
る。
【0066】第三相は水性蛋白質源(H3.5以下)を
含有する。組織:溶液が1:9の比率の時、生成した蛋
白質の濃度は、魚について約16mg/ml、チキンに
ついては22mg/mlである。これらの溶液の粘度
は、蛋白質濃度によって、約5から30mPasに変化
しうる。この低pH(及びイオン強度)を使用して検査
したほとんど全ての筋肉組織において、蛋白質の溶解性
は90〜100%である。
【0067】「ソフト・ゲル」と呼ばれた条件は、粘度
(35mPas以上)又は蛋白質含量(12mg/ml
以上)のいずれかが高い場合、遠心分離の間、第4相と
して実現する。遠心力の下で、水を含む蛋白質は、膜脂
質と共に沈降するソフトなかたまりを形成する。このプ
ロセスの間の蛋白質の喪失は、20%にもなりうる。蛋
白質喪失は、ゲル内でトラップされている溶解蛋白質が
主な原因である。遠心分離工程の完了後に、大気圧に戻
すと、ソフト・ゲルは時間が経つと沈降物中に膜脂質の
み残して液体にもどる。溶解蛋白質はゲル中にトラップ
され、再処理可能である。84%の蛋白質回収を示すチ
キンの胸肉のサンプルにおいて、ソフト・ゲル中で8%
の蛋白質が追加回収された。ソフト・ゲルをフロー図の
上流又は下流にリサイクルすること、又は、その形成を
防止することは、蛋白質回収率を90%又はそれより大
きくする方法である。
【0068】このプロセスの、大部分の蛋白質が溶液中
に存する段階において、加熱(存在しうる病原体又は酵
素を破壊するため)添加剤の添加(酸化防止剤、高分子
成分、又は蛋白質架橋剤)及び/又は、サイズ排出クロ
マトグラフィー又は限外濾過による蛋白質の分取を為し
うる。また、液媒は固体より扱いがずっと簡単なので、
産生物のポンプによる移送はこの時点に為される。
【0069】次の工程において、蛋白質が少ししか溶解
せず、沈降する点まで、数多くのタイプのアルカリ化合
物を使用してpHを上昇させることが可能である。約
5.3と5.5のpHが最も効果的であることが判明し
た。
【0070】pHが約5.3より小さく、約5.5より
大きいと、溶解性及びその後の蛋白質が増す。1MのN
aOHを使用してpHの大まかな調整をし、100mM
のNaOHを使用してpHの微調整を行う。溶液が約
5.5のpHに調整されると、蛋白質は溶液中で白い
「糸」として観察される。糸はpH3.8で出現し始
め、その濃度はpHが5.5に増加するまで確実に増加
する。pH5.5より大きいpHで、溶液は粘り始め、
光沢を帯びる。これらの高pHで遠心分離を行うと、上
澄液中で多量(40%の高さ)の蛋白質が滞留し、それ
故、回収されない。この蛋白質の回収は、遠心分離で行
われるが、しかしながら、蛋白質は、濾過によっても得
られる。沈降する蛋白質の湿度含量は遠心機によって幾
分かは調整できる。34,000×重力の遠心機は、大
西洋のたら蛋白質で78%の湿度となり、2575×重
力(テーブル表面遠心機)では84%の湿度含量となっ
た。塩又は荷電ポリマーも沈降を起こすのに使用しう
る。
【0071】回収された蛋白質は、4%サクロース、4
%ソルビトール及び1.3%のソディウム・トリフォス
フェートのような冷凍保存剤の添加により標準のスリミ
製品を作りうる。このサンプルの組成は、より多くのト
リフォスフェートが使用された点を除いて、実生産で使
用されるものと同じである。これはpHを5.5から約
7.0まで上昇するために為される。冷凍保存剤と蛋白
質は実生産で標準的に使用されるプレイト式冷凍機で冷
凍される。約3.0のpHを有する蛋白質粉末はフルー
ツ又はスポーツ飲料のような蛋白質増量飲料の生産に有
用である。湿度含量を低下させる為に、蛋白質をpH
5.5で沈降させ、次いで、元々の容積のせいぜい約1
/10でpH3.0に再酸性化することが可能である。
この工程は大西洋たら蛋白質を使用して為されたが、乾
燥に先立ち、溶液中の蛋白質は、1%から6.1%に増
加した。この粉末はマヨネーズ又はサラダ・ドレッシン
グのような製品中の乳化剤としても使用可能である。
【0072】真空下で、大西洋たらからの沈降蛋白質に
冷凍保存剤が添加されたものを、真空下で乾燥して別の
製品が作られた。粉末は水和され、歪み1.1、応力2
6.6KPa、及び白色インデックス61.2のゲルを
作った。このゲルは蛋白質がお互いに高度に相互干渉し
ている領域である小粒状の強い組織を含んでいることが
観察された。負に荷電したでん粉、又は砂糖のような低
分子量又は高分子量の剤の導入は、蛋白質−蛋白質の相
互作用を妨害することにより製品を改良することが可能
である。これらの化合物は沈降前に低pHで、溶液に添
加することが可能である。
【0073】
【本発明の効果】
1.収率 従来技術のプロセスを使うと、魚のミンチを出発材料と
して使用すると、通常、55−65%の蛋白質回収率で
あることが判明する。ミクロフィブリル及び筋漿蛋白質
が洗浄工程の間で除去された(大部分が筋漿蛋白質であ
った)。これらの蛋白質の大部分が第1洗浄工程中で除
去された。改良型プロセスでは、第1洗浄工程中で上昇
したpHにより、さらに蛋白質を喪失する。31%と低
い収率が報告されている。本発明のASPプロセスで
は、蛋白質のより高い回収量が報告された。ASPプロ
セスを使用した典型的な蛋白質回収結果は表1に示され
る。
【0074】
【表1】
【0075】2.脂質転化 魚組織中の脂質は、脂肪とオイル(非極性)並びに膜脂
質の二つの主グループに分割される。膜脂質は、極性脂
質(例えばフォスホリビット)と自由脂肪酸、コレステ
ロール、ビタミンE、その類似物のような非極性脂質を
含有する。従来技術のプロセスでの洗浄の使用は典型的
には、膜脂質に比較して、非極性脂質をより多い割合で
除去する。menhaden(にしん科の魚)を使用し
た以前の検討では、非極性脂質と極性脂質との比率は切
り身の7.3から最終のスリミ中の2.4まで変化する
ことが判明した。この検討は、洗浄で流し出される脂質
は、中性脂質中が大きいことを立証した。従来のスリミ
製造プロセスを使用すると、出発原料の脂質含量にかか
わらず、約3−3.5%の脂質含量を有する製品を一貫
して生産した。
【0076】Zapata−Haynie Corpo
rationによる研究において、従来技術の改良型プ
ロセスで洗浄水中で重炭酸ソーダを使用すると、最終の
「低脂肪」スリミは1.1%の脂質の含量であった。こ
の結果は他の者が、改良型プロセスで行った実験結果と
調和する。この「低脂肪」スリミが検査された時、非極
性と極性の比率は、1.2であることが判った。これら
の結果は洗浄を増やすと、最も不安定な脂質(膜脂質)
が除去できないことを示す。この結果は、最終のスリミ
の重量の約0.5%が膜脂質であることを示唆する。上
記の如く、この脂質は不飽和度が高いので中性脂質より
反応性が高い傾向がある。本発明のASPプロセスを使
用すると、従来技術のプロセス及び改良型のプロセスと
比較して、最終製品中の脂質含量がかなり低くなること
が判った。本発明のプロセスを、異なる原料に使用した
場合の脂質の含量は、表2に示される。
【0077】
【表2】
【0078】表2中で、遠心分離により沈降した全ての
サンプルは、クロロホルム・メタノール溶媒で蛋白質製
品を溶媒抽出して決定したとき、膜脂質をほとんど含ん
でいなかった。pH5.5で沈降した蛋白質から脂質は
抽出された。膜の付いた、又は付いていない大西洋さば
を使って、冷凍保存中の酸化臭の発生を検査した。膜の
付いたサンプルを、約3日間貯蔵した後で酸化臭を発生
したが、膜の付いていないサンプルはこれら酸化臭を決
して発生しなかったが、約8日後にバクテリアの腐敗臭
により廃棄された。脂質の除去は貯蔵安定性及び最終製
品の品質について決定的であると思われる。乾燥製品の
生産において、膜脂質の除去が製品の安定性にとって決
定的である。表3中において、室温で6ヶ月間貯蔵した
大西洋たらの乾燥蛋白質粉末の色値が示されている。得
られたより高い白色インデックスに基づき、かなり良い
色が乾燥前に蛋白質サンプルから膜の除去した場合に観
察された。
【0079】
【表3】
【0080】蛋白質から脂質を除去する一つの利点は、
脂質に溶解する有害毒素を除去することである。魚につ
いては、そのオイル中のポリ塩化ビフィニル(PCB)
とポリ芳香族炭化水素(PAH)の蓄積について大きな
懸念がある。他の同様なる化合物のみならず、これらの
化合物は人類に対しての主要な有毒物である。これらの
化合物の除去又は低減は本発明のプロセスの積極的貢献
と解される。
【0081】3.ゲル値 AA等級のゲルと解される歪み値1.9はゲルを得るた
めに必要な最小値であると理解されている。歪み値は、
凝集性又は弾性の基準であり、優れたゲルの望ましい特
性の一つである。表4はASPプロセスを使用して作っ
たサンプルについての歪みと応力を記載する。比較のた
め、従来技術のプロセスにより、準商業規模で、ミシシ
ッピー州のPascagouraにあるNOAA/Mi
ssissipi State Univ.のシーフー
ド・プラントで生産した太平洋さばのスリミを用いて得
た歪み値1.12が得られた。
【0082】
【表4】
【0083】4.原料の魚の品質 従来技術のプロセスを使用したスリミからゲルを作る
際、特に高品質の魚のみを使用すべきであると広く理解
されている。しかしながら、ASPプロセスを使用する
と、歪み2.6、応力31.1kPaのゲルがふつうの
品質のさばの白身筋肉から得られた。冷凍された、非常
に酸敗している(4年超、14度(華氏)で冷凍保存)
さばの白身筋肉を使用した一実験において、歪み1.
8、応力34.9kPaが得られた。表4中で記載され
たししゃももまた、かなりの長い期間(1年くらい)冷
凍保存された。保存されたししゃもはチオバルビツール
酸値(TBARS)が148.5μmol/kgでかな
りの酸化が起きており、人食物用としては利用不可とし
ていた。しかし、それでも優れた品質値を有するゲルを
生産することが可能であった。
【0084】5.色 ASPプロセスを使用してステージIIの大西洋さばか
ら得られたゲルはハンターL値、a値、b値は各々7
8.4、−0.89及び2.03であり、AA等級のス
リミの色の枠内にあった。生成したサンプルの白色イン
デックスは78.3であった。約75又はそれより大き
い値が優れたものと解される。ASPプロセスを使用し
て大西洋たらから作ったスリミは、さばから作ったゲル
より白く、L値は82.3、a値は−0.11、及び、
b値は2.88であった。このサンプルについて白色イ
ンデックスは82.1であった。
【0085】6.液状形式としての利点 ASPプロセスは、動物筋肉組織を固体からほとんど全
ての蛋白質が溶液中に溶解している低粘度溶液に転化す
る。処理の見地よりして、これは大きな利点となる。液
体は固体より取り扱いがより容易である。スリミ工業の
主問題は、骨、皮及び汚れが最終製品を汚染することで
ある。しかしながら、脂質としてASPプロセス中の蛋
白質は、最終製品に入る汚染物質を全く無くすため、遠
心分離又は濾過することが可能である。脂質蛋白質溶液
の使用は、装置からの金属断片のような汚染物質の除去
を同様に単純化する。これが食品生産における主要な懸
念事項である。液相は、また、病原体の除去のための殺
菌や急冷などの操作の温度管理が容易となる。液を移動
させる装置は、固体を移動させる装置よりずっと安価で
ある。液状形式の蛋白質であるので、特定の又は特定グ
ループの蛋白質を増加又は除去するために、蛋白質の分
取を容易化する。ASPプロセスは、従来技術のプロセ
スにおけるような3回又はそれより多い洗浄に必要な時
間を無くし、精製工程を除去できるので、処理時間を短
縮する。蛋白質の溶解工程はほとんど時間がかからず、
1パス・システム中で実現できる。
【0086】結局、ASPプロセスは様々な種類の動物
蛋白質を処理して冷凍又は乾燥された安定な蛋白質製品
を生産するのに有用である。ASPプロセスの主特性
は、筋肉蛋白質のほぼ全てを完全に溶解して低粘度の流
体にできることである。この流体は、次いで、両タイプ
の脂質(膜、脂質及びオイル)を除去するため、遠心分
離にかけられ、非常に安定な製品を生成できる。他のプ
ロセスも脂質含量を幾分かは低下させるが、ASPプロ
セスは、膜脂質をかなり低下し又は除去しうる唯一の方
法である。ASPプロセスは、また、蛋白質としての機
能性を依然保持している脂肪の低含量を有する製品を提
供する。ASPプロセスは、製品は蛋白質の機能を保持
しているので、得られた蛋白質を広範囲の食品グレイド
の製品及び製品強化剤の中で使用することを可能とす
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のプロセスを示す一般的なダイ
ヤグラムである。
【図2】図2は、従来技術の従来プロセスを示すダイヤ
グラムである。
【図3】図3は、従来技術の一改良プロセスを示すダイ
ヤグラムである。
【図4】図4は、本発明の好ましいプロセスを示すダイ
ヤグラムである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ステファン・ディ・ケラハー アメリカ合衆国、マサチューセッツ州 01880、ウェイクフィールド、メイン ス トリート 178

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質的に膜脂質を含まない、動物筋肉組織
    の蛋白質に富む成分を形成するプロセスにして、該組織
    の粒状物と蛋白質に富む成分の蛋白質を実質的に分解し
    ない約3.5より小さいpHを有する水性組成物とを含
    む組成物から、蛋白質に富む溶液を形成し、該蛋白質に
    富む成分から膜脂質を分離し、該蛋白質に富む成分を回
    収する工程とを含むプロセス。
  2. 【請求項2】組織の粒状物を含む組成物が約5.0と約
    5.5の間のpHを有する水溶液中の組織の粒状物の懸
    濁物を含む、請求項1に記載のプロセス。
  3. 【請求項3】蛋白質に富む成分が、筋肉組織から由来し
    た約3.5より低いpHを有する蛋白質の水溶液であ
    る、請求項1又は請求項2に記載のプロセス。
  4. 【請求項4】溶液中の蛋白質に富む成分が沈降される、
    請求項1又は請求項2に記載のプロセス。
  5. 【請求項5】蛋白質の沈降が蛋白質に富む成分のpHを
    約5.0と約5.5の間に上げることにより実行され
    る、請求項4に記載のプロセス。
  6. 【請求項6】沈降工程から回収された蛋白質の凍結乾燥
    工程を含む、請求項5に記載のプロセス。
  7. 【請求項7】沈降工程から回収された蛋白質の乾燥工程
    を含む、請求項5に記載のプロセス。
  8. 【請求項8】沈降工程から回収された蛋白質を分離する
    工程を含む、請求項5に記載のプロセス。
  9. 【請求項9】動物の膜脂質を実質的に含まないミクロフ
    ィブリル蛋白質を含有する動物筋肉組織から分離された
    蛋白質に富む固体組成物。
  10. 【請求項10】蛋白質の全重量に対し、少なくとも約8
    重量%から多くとも約30重量%の筋漿蛋白質を含有す
    る、請求項9に記載の組成物。
  11. 【請求項11】蛋白質の全重量に対し、少なくとも約1
    0重量%から多くとも約30重量%の筋漿蛋白質を含有
    する、請求項9に記載の組成物。
  12. 【請求項12】蛋白質の全重量に対し、少なくとも約1
    5重量%から多くとも約30重量%の筋漿蛋白質を含有
    する、請求項9に記載の組成物。
  13. 【請求項13】蛋白質の全重量に対し、少なくとも約1
    8重量%から多くとも約30重量%の筋漿蛋白質を含有
    する、請求項9に記載の組成物。
  14. 【請求項14】約3.5より低いpHを有する水溶液中
    のミクロフィブリル蛋白質と動物膜脂質を実質的に含ま
    ない筋漿蛋白質を含有する動物筋肉組織から分離され
    た、蛋白質に富む組成物。
  15. 【請求項15】ミクロフィブリルと筋漿蛋白質の全重量
    に対して、少なくとも約8重量%から多くとも約30重
    量%の筋漿蛋白質を含む、請求項14に記載の組成物。
  16. 【請求項16】ミクロフィブリルと筋漿蛋白質の全重量
    に対して、少なくとも約10重量%から多くとも約30
    重量%の筋漿蛋白質を含む、請求項14に記載の組成
    物。
  17. 【請求項17】ミクロフィブリルと筋漿蛋白質の全重量
    に対して、少なくとも約15重量%から多くとも約30
    重量%の筋漿蛋白質を含む、請求項14に記載の組成
    物。
  18. 【請求項18】ミクロフィブリルと筋漿蛋白質の全重量
    に対して、少なくとも約18重量%から多くとも約30
    重量%の筋漿蛋白質を含む、請求項14に記載の組成
    物。
  19. 【請求項19】pHが約2.5と約3.5との間であ
    る、請求項1に記載のプロセス。
  20. 【請求項20】pHが約2.5と約3.5との間であ
    る、請求項14に記載の組成物。
  21. 【請求項21】動物筋肉組織が魚組織である、請求項1
    又は請求項2に記載のプロセス。
  22. 【請求項22】魚組織が遠洋性魚組織である、請求項2
    1に記載のプロセス。
  23. 【請求項23】動物筋肉組織がチキン組織である、請求
    項1又は請求項2に記載のプロセス。
  24. 【請求項24】pHがポリフォスフェートを含む組成物
    で上げられる、請求項5に記載のプロセス。
  25. 【請求項25】約3.5より低いpHを有する水性組成
    物がクエン酸で形成される、請求項1又は請求項2に記
    載のプロセス。
  26. 【請求項26】実質的に膜脂質を含まない動物筋肉組織
    の蛋白質に富む成分を形成するプロセスにして、該組織
    の粒状物と該蛋白質に富む成分の蛋白質を実質的に分解
    しない、約3.5より低いpHを有する水性組成物から
    蛋白質に富む組成物を形成し、該蛋白質に富む組成物を
    遠心分離して、該組織からのほとんど全ての蛋白質を含
    む水性液相と、該膜脂質を含む第二相とを含む複数の相
    を形成し、該第二相から該水性液相を分離して、該水性
    液相を回収する工程とを含むプロセス。
  27. 【請求項27】該組織の粒状物を含む該組成物が、約
    5.0と約5.5の間のpHを有する水溶液中の該組織
    の粒状物の懸濁液を含む、請求項26に記載のプロセ
    ス。
  28. 【請求項28】蛋白質に富む成分が、約3.5より低い
    pHを有する筋肉組織から由来する蛋白質の水溶液であ
    る、請求項26又は請求項27に記載のプロセス。
  29. 【請求項29】溶液中の蛋白質に富む成分の蛋白質が沈
    降される、請求項26又は請求項27に記載のプロセ
    ス。
  30. 【請求項30】蛋白質の沈降が、蛋白質に富む成分のp
    Hを約5.0と約5.5の間のpHに上げることで実現
    される、請求項29に記載のプロセス。
  31. 【請求項31】沈降工程から回収された蛋白質の凍結乾
    燥工程を含む、請求項30に記載のプロセス。
  32. 【請求項32】沈降工程から回収された蛋白質の乾燥工
    程を含む、請求項30に記載のプロセス。
  33. 【請求項33】沈降工程から回収された蛋白質の分取工
    程を含む、請求項29に記載のプロセス。
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