JP2020506672A - 脂質及びタンパク質含有バイオマスからの脂質画分及びタンパク質画分の分画方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、脂質及びタンパク質含有バイオマスから、脂質画分及びタンパク質画分を水性媒体中で同時に回収する方法に関し、この方法は、バイオマスから脂質及びタンパク質画分を抽出するための抽出工程を含み、精製工程は、バイオマスを、少なくとも1種の有機酸のpH1〜6の水中溶液と接触させることからなることを特徴とし、有機酸の濃度は少なくとも0.1Mであり、かつ、本方法は、このように処理したバイオマスを相分離に供し、含まれる脂質の総重量に対して少なくとも65%を含む第1の脂質相及び1種又は複数種の沈殿したタンパク質を含有する第2の相を回収することを更に含むことを特徴とする。
Description
本発明は、脂質及びタンパク質含有バイオマスから、脂質画分及びタンパク質画分を水性媒体中で同時に回収する方法に関し、本方法は、請求項1のプレアンブルに従ってバイオマスから脂質及びタンパク質画分を抽出するための精製工程を含む。
昆虫は、潜在的に栄養価が高く、タンパク質、脂質、ミネラル及びビタミンが豊富な興味深い食物源を形成する。それらが高い栄養価を有しているという事実にもかかわらず、人間の人口の大多数は昆虫の消費を嫌っている。食品成分としてのそれらの許容性を改善するための手段は、昆虫タンパク質及び脂質の抽出並びにそれらの抽出物の食品成分としての使用を含み得る。昆虫に由来するタンパク質、脂質、ミネラル及びビタミンの考えられ得る他の用途には、木材産業における接着剤中の構造要素としてのそれらの使用、及び一般的な技術的用途のための配合調合物におけるそれらの使用が含まれる。
動物の残留物、例えば動物の組織からの脂肪の分離は、しばしば乾式レンダリングと呼ばれるプロセスによって行われる。脂肪は、組織を沸騰させて遊離脂肪を排出することによって取り出される(Verhe等、2004年)。魚油も同様にして製造することができる。しかしながら、レンダリングのプロセスは、比較的高い温度で実施する必要があり、その結果として、動物の組織に含まれるタンパク質が変性し、それらの機能の一部又は全部を失うという欠点を提示する。その結果、栄養価はあるが機能性が全くないか又は制限されたタンパク質加水分解画分が得られる。バイオマスからの脂質の分離はまた、乾燥及び加圧によっても行われ得る(Hu等、2010年)。また、高温で行われる乾燥工程はタンパク質変性を引き起こす。脂質分離後に得られたプレスケーキは、例えば動物飼料中のタンパク質源として使用することができる(Kroeckel等、2012年)。別の方法によれば、脂質は乾燥及び溶媒抽出を介してバイオマスから抽出することができる(Herrera、2012年;Tzompa-Soza等、2014年)。残りのプレスケーキは化学廃棄物として処理される。
タンパク質は多種多様な機能を有し得る。その例は、細胞の形状を維持するのに介在する構造タンパク質、脊椎動物の軟骨及び骨のような結合組織の構造要素を構成する構造タンパク質、細胞内の生化学反応を触媒する酵素、代謝又は外部シグナルに反応してその形状及び活性が変化する、モニターとして機能するタンパク質であり、細胞は、細胞外マトリックスの一部となるか又は細胞間伝達に関与する、様々なタンパク質を分泌し得る。タンパク質の化学組成及び構造は通常、その機能の性質によって異なる。更に、ゲル化、発泡、乳化等の技術的なタンパク質の機能性は、食品、飼料、化粧品、消費財及び化学工業にとって重要である。抗菌性、抗酸化性、防汚性、降圧性、飽和性等の生物活性機能性も、タンパク質及びペプチドの特徴となる。
Yi等(2013年)は、昆虫が将来の食品中のタンパク質源として使用できるかどうか調査して、昆虫タンパク質の特性と機能性を評価した。そのために、凍結乾燥昆虫(外骨格を含む)を、1200mlの脱塩水中の2gのアスコルビン酸の溶液と混合したところ、これは約0.01M溶液である。分離脂質相の形成が観察された。昆虫懸濁液をふるい分けし、遠心分離にかけて3つの画分:上澄み、残滓及びペレットを得た。各画分を凍結乾燥し、ゲル電気泳動を用いて、タンパク質の機能性を代表するパラメータとして、タンパク質画分の分子量分布並びにそれらの発泡特性及びゲル形成特性に関して更に分析した。脂肪抽出はヘキサンを用いて行った。添加量から、アスコルビン酸が抗酸化剤として添加されたこと、及び添加量がタンパク質と脂質との間の相分離を増強するのに不十分であったことが推測され得る。
米国特許第4455302号は、未成熟動物のタンパク質の可溶性ポリペプチドを含む、中間タンパク質加水分解物の製造方法を開示している。その方法によれば、原料を洗浄し、粉砕し、撹拌しながら70〜90F(21〜32℃)の温度で一晩希酢酸溶液と接触させる。その後、第2の酢酸溶液を3.6〜6.5のpHで生成し、その中で原料を130〜140F(54〜60℃)の温度に30〜40分間加熱する。可溶化混合物をデカントし、遠心分離機にかけて脂肪及び粒状物質の大部分を除去する。タンパク質相を、ポンプ輸送できるように100〜120F(38〜49℃)に再び加熱する。その後、創傷治癒用の乾燥タンパク質粉末を製造するために溶液を噴霧乾燥し得る。
米国特許出願公開第20110020864号によれば、乳酸及び有機酸をコラーゲン抽出のための膨潤剤として使用することができ、このコラーゲン抽出は機能性タンパク質の抽出、したがって最小限の加水分解を意味する。
Ullah等、2010年は、主に分析目的のための、残留バイオマスからの脂質の相分離を容易にするための高濃度の強酸としてのHClの使用を開示している。分離は、それらの乳化特性を排除するためのタンパク質の変性によって促進される。
米国特許第3,941,764号は、油糧種子からタンパク質及び油を製造する方法を開示しており、それによると、粉砕した1gの油糧種子を室温で3〜12mlのヘキサン及び酢酸の混合物と混合し、2〜4分間撹拌し、それにより、油含有単相ミセラ中の絞りかす(marc)の懸濁液を形成し、絞りかすからミセラを分離してタンパク質性絞りかす及びミセラ含有油を得ることができる。しかしながら、ヘキサンとの接触はタンパク質の変性を引き起こす。
欧州特許第0848911号は、動物供給源から筋肉タンパク質を回収するための方法を開示しており、それによれば、魚や肉の筋肉組織を粉砕し、十分な水で洗い、その後、不溶性画分を水及びクエン酸と共に粉砕して、pH5.3〜5.5の水溶液中の小粒子の均質懸濁液を形成する。次の工程でpHを更に下げ、こうして処理した筋肉組織をpH3.5未満の水性液体と、水性液体の体積と組織の重量との比が少なくとも7:1で混合する。このさらなるpHの低下は、組成物のゲル化を回避しながら、タンパク質成分を水性液体に溶解させるという目的に役立つ。タンパク質の大部分を溶解状態に保つためには、特に、タンパク質溶液のpHが2.0以下のより低いpHに達するとき、溶液の温度及びタンパク質が溶解状態にある時間を低減すべきである。大部分のタンパク質は溶液中に残ると言われており、一方、脂質、脂肪、油、骨、皮膚、膜組織等は不溶性又は分離相を形成し、これらは低pHタンパク質水溶液から容易に分離して廃棄することができる。したがって、欧州特許第0849911号に開示されている方法は、筋肉組織からの単離された脂質画分を回収又は最大化しようとはしていない。
先行技術の文献のいずれも、一方の脂質画分及び他方のタンパク質画分が後の付加価値を得るのに適しているような、脂質画分及びタンパク質画分の同時抽出及び単離をもたらす、バイオマスのための処理を開示していない。
したがって、本発明は、さらなる付加価値化に適した脂質画分及びタンパク質画分を同時にバイオマスから単離することを、脂質画分又はタンパク質画分又はそれらの一部若しくは両方をさらなる使用に適するようにするために除去する必要がある有機溶媒によるバイオマスの処理を必要とせずに、可能にする方法を提供しようとするものである。
これは、請求項1の特徴部分の技術的特徴を示す方法により本発明に従って達成される。
そのために、本発明は、脂質及びタンパク質含有バイオマスから脂質画分及びタンパク質画分を水性媒体中で同時に回収する方法であって、バイオマスから脂質及びタンパク質画分を抽出するための精製工程を含む方法に関する。本発明の方法は、精製工程が、バイオマスを、少なくとも1種の有機酸のpH1〜6の水中溶液と接触させることからなることを特徴とし、かつ、本方法は、このように処理したバイオマスを相分離し、その相分離から、バイオマスに含まれる脂質の総重量に対して少なくとも65%を含有する第1の脂質相、並びに上澄みに溶解したタンパク質、1種又は複数種の沈殿したタンパク質及び/又は不溶性物質を含有する第2のタンパク質相とを回収することを更に含む。
本発明者等は、バイオマスを、少なくとも1種の有機酸の水中溶液と接触させ、溶液がpH1〜6である場合、バイオマスに含まれるタンパク質及び脂質の定量的抽出が、比較的短時間内に得られ得ることを観察した。すなわち、バイオマスと有機酸水溶液との接触は、バイオマスからの脂質及びタンパク質の両方のほぼ瞬間的な放出を達成するのに十分であり、さらなる混合又は撹拌の目的で費やす時間は不要であり得ることが観察された。それによって相分離の間に少なくとも第1の画分が形成され、これは通常、分離相中に抽出された脂質を含有することになる。この第1の画分は、温度に応じて、液相、高粘性相又は固相のいずれかの形態をとり得る。この第1の画分は、第2の液相の第2の画分に対して分離相を形成し、それから容易に分離できる。第2の画分は通常、溶解した有機酸の残り及びバイオマスに含まれる可能性のある他の溶解した物質、中でもバイオマスに含まれるタンパク質の一部を伴う、上澄みの液相を含む。更に、通常底部に沈殿する第3の相が形成され、これは1種又は複数種の沈殿したタンパク質を含む。タンパク質及び脂質画分は、当業者によって適切であると考えられる任意の技術を使用して、例えば、沈殿又は遠心分離によって相互に分離できるが、任意の他の適切な技術も同様に使用することができる。脂質画分は、通常、有機酸処理バイオマスの上相を形成し、タンパク質含有画分は、通常、有機酸処理バイオマスの下相を形成する。
先行技術の方法と比較して、本発明は、ヘキサンのような有機溶媒を使用せずに、これまで達成し得たよりも大きな部分の脂質をバイオマスから単離又は回収することを可能にするという利点を、本発明の方法は提示する。特に、脂質画分は通常、重量ベースでバイオマス中に存在する脂質の総量の少なくとも65%、しばしば少なくとも70%、好ましくは少なくとも72.5%、より好ましくは少なくとも75%、しばしば少なくとも80%以上を含有することになる。特定の場合には、重量ベースで、バイオマスに含まれる脂質の少なくとも90%、更には少なくとも95%の抽出物を抽出できた。それによって、脂質を、しばしば85%以上の高純度で得ることができる。本発明は、上記のように高収率で脂質の抽出物を得ることを可能にし、更に本発明の方法は高純度で脂質を得ることを可能にする。特に、脂質画分は、脂質画分の重量に基づいて少なくとも70.0%、好ましくは少なくとも75.0重量%の脂質純度を有することが見出された。
本発明は更に、先行技術の方法と比較して、タンパク質がそれらの機能性を維持したままで、これまでに達成し得たよりも大きな割合のタンパク質をバイオマスから回収し得ることを達成可能にする。特に、第2のタンパク質画分は、重量ベースで、バイオマス中に存在するタンパク質の総量の少なくとも25重量%、好ましくは少なくとも30重量%を含有する。これを達成するために、第2の液相に溶解したタンパク質を更に処理してタンパク質の沈殿を引き起こすことが望ましい場合がある。上記のようにバイオマスを有機酸での処理に供したときに得られる第2の相は、通常、沈殿した状態のタンパク質と、溶解した状態の1種又は複数種のタンパク質を含む液相とを含むことになる。
更に、本発明により、バイオマスから抽出される1種又は複数種のタンパク質の変性の危険性を最小限に抑えることができ、更にそのタンパク質がそれらの機能性を維持できることが見出された。このことは図2から観察することができ、図2は、pH約4〜6の水溶液を用いて、バイオマスに含まれるタンパク質の総重量に基づいて、少なくとも20%のタンパク質を抽出することができ、pH7において少なくとも25%、pH8で少なくとも40%、pH10で少なくとも60%、pH2で少なくとも45%を抽出することができることを示している。タンパク質抽出法としてのレンダリングと比較した場合、レンダリングから生じる変性したタンパク質は、全pH範囲にわたって10%しか溶解しない。それにより、タンパク質の総重量に対して少なくとも20重量%のタンパク質がpH約4〜6の水溶液に可溶性であるタンパク質画分を得ることができ、ここで、タンパク質の総重量に対して少なくとも25重量%のタンパク質が、pH7の水溶液に可溶性であり、少なくとも40重量%のタンパク質がpH8の水溶液に可溶性であり、少なくとも60重量%のタンパク質がpH10の水溶液に可溶性であり、少なくとも45重量%のタンパク質がpH2の水溶液に可溶性である。
バイオマスに添加される有機酸の水溶液の量は広い範囲内で変わり得、当業者は、バイオマス中に存在するタンパク質からバイオマス中に存在する脂質の単離が最大化され得るように添加する量を選択できる。有機酸として乳酸を0.1M未満の濃度で使用した場合、バイオマスからの相分離並びに/又は脂質及び/若しくはタンパク質抽出はほとんど得られなかった。いくらか過剰の有機酸の添加は許容され得、一般にタンパク質の構造及び機能性に悪影響を及ぼさないが、大幅に過剰する有機酸はプロセスの経済的実現可能性を危うくする危険性がある。それ故、水性有機酸の体積対バイオマスの重量の比は、少なくとも3.0、好ましくは少なくとも5.0、より好ましくは少なくとも6.0、最も好ましくは少なくとも10.0又は少なくとも11.0であり得る。実用上の理由から、大きすぎる体積の水性有機酸は避けなければならず、それ故、バイオマスの重量に対する水性有機酸の体積の比は通常最大15であるが、より低くてもよい。
少なくとも1種の有機酸の添加は一般にタンパク質の少なくとも一部の沈殿を引き起こすが、異なる等電点を有するタンパク質は液体水性上澄み中に溶解したままであり得る。しかしながら、これらのタンパク質の単離又は回収、及びプロセス収率の増加は、タンパク質沈殿を達成するために当業者に周知の技術を使用して、例えばpHをタンパク質の等電点に対応する値に変えることによって達成され得るが、他の技術も同様に使用できる。
少なくとも1種のタンパク質の機能性が影響を受ける危険性は、1.0〜6.0のpKa、好ましくは1.5〜6.0のpKa、より好ましくは2.0〜6.0の間のpKa又は2.5〜6.0のpKa、特に2.5〜5.0、好ましくは2.5〜4.5、とりわけ3.25〜4.5のpKaを有する弱有機酸の使用によって最小化され得る。
好ましい実施形態では、少なくとも1種の有機酸の水溶液は、1.0〜6.0、好ましくは1.5〜6.0、より好ましくは2.0〜6.0、最も好ましくは2.5〜6.0、特に2.5〜5.0、好ましくは2.5〜4.5、とりわけ3.25〜4.5のpHを有する。バイオマスを少なくとも1種の有機酸の水溶液と接触させると、有機酸の水溶液のpHは上昇し、バイオマスと有機酸の水溶液との混合液が3.0〜6.0、好ましくは3.3〜5.0のpHで得られる。
少なくとも1種の有機酸は、モノカルボン酸又はジカルボン酸、ポリカルボン酸のいずれかであり得る。好ましくは、有機酸はモノ-又はポリカルボン酸有機ブレンステッド酸、より好ましくはα-ヒドロキシル酸、又はそのような酸の2種以上の混合物である。本発明と共に使用するための好ましい有機酸は、置換基を含まないか、或いは、特にカルボン酸基に対してα位に1個若しくは複数個の置換基、例えば1個若しくは複数個のOH基、又は1個若しくは複数個の-COOH基、又は1個若しくは複数個のNH2基若しくは任意の他の適切な置換基を含み得る有機酸を含む。それらの適合性、及びタンパク質抽出を改善し得るバイオマスとの相互作用の容易さ、及び抽出されるべきタンパク質とのそれらの適合性のために、少なくとも2個の炭素原子を含有する有機酸の使用が好ましい。
特に、本発明の方法で使用される有機酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、乳酸、グリコール酸、リンゴ酸、マンデル酸、アスコルビン酸、コハク酸、アゼライン酸、バルビツール酸、ベンジル酸、ケイ皮酸、グルタル酸、グルコン酸、リンゴ酸、葉酸、プロピオル酸、タンニン酸、尿酸、没食子酸、アセチルサリチル酸、C8〜C12脂肪酸、又は前述の酸の2種以上の混合物の群から選択される1種又は複数種の有機酸を含む。しかしながら、安息香酸、アジピン酸、トリメリット酸の使用も、唯一の有機酸成分としての溶液中で、又は1種若しくは複数種の前述の有機酸との混合物中で、同様に考慮され得る。グリコール酸、乳酸、クエン酸及びマンデル酸の群から選択されるα-ヒドロキシル酸、又はこれらの酸のうちの2種以上の混合物が特に好ましい。本発明において使用され得る他の有機酸は、特に好ましいというわけではないが、シュウ酸、クエン酸、マロン酸、酒石酸、グルタミン酸、フタル酸、フマル酸及びサリチル酸を含む。抽出されるタンパク質の性質に応じて、2種類以上の有機酸の混合物を使用して、多種多様なタンパク質の沈殿を促進するか、又は選択されたタンパク質の群のみの選択的沈殿を促進することができる。有機酸混合物の組成は、バイオマスから抽出され相互に分離される脂質及びタンパク質の性質を考慮して、当業者によって、混合物中に含まれる有機酸の性質及び組成物中の各有機酸の濃度を変えることによって調整し得る。
本発明の方法が実施される温度、特にバイオマスが少なくとも1種の有機酸溶液と接触する温度、及び本発明の好ましい実施形態による他の処理が行われる温度は、好ましくは、バイオマスに含まれるタンパク質の構造及び機能性に悪影響を及ぼす危険性が最小であり、かつ、脂質の酸化又は加水分解に対する危険性が最小であるように選択される。他方、温度は、バイオマスに含まれる脂肪の性質を考慮に入れるように選択され得る。それによって、バイオマスに含まれる脂肪の大部分が流動状態にあるように選択されることが好ましい。したがって、不飽和脂肪の濃度が高ければ高いほど、処理温度はより低くなり得る。そのために、バイオマスの温度は、好ましくは0〜50℃、特に5〜40℃、更に好ましくは10〜30℃、最も好ましくは20〜25℃の温度又は室温に維持される。
バイオマスに含まれるタンパク質の最大の抽出を達成するために、溶媒中の有機酸の濃度は通常少なくとも0.1モル/l、好ましくは少なくとも0.15モル/l、より好ましくは少なくとも0.20モル/l、最も好ましくは少なくとも0.25モル/l、特に少なくとも0.30モル/l、とりわけ少なくとも0.40モル/l又は少なくとも0.50モル/lである。0.25モル/l未満の場合、乳酸ではほとんど効果が見られなかった。下限及び上限は有機酸の性質に依存して変化し得、それは有機酸のpKa及びバイオマスの種類により決定され得る。過剰の有機酸を使用してもよいが、溶液のpHが低過ぎるという危険性を最小限にするためだけでなく、プロセスコストの観点から、かつ、有機酸を除去するための追加の精製工程のコストを最小にするためにも、過剰量を所望の限界内に維持することが好ましい。最適な有機酸濃度は、使用される有機酸の性質、並びにバイオマス中に存在するタンパク質及び脂質の性質及び濃度に依存し得、それらに応じて当業者によって容易に適合され得る。
バイオマスに含まれるタンパク質の最大の回収を確実にするために、バイオマスを、有機酸と接触させる前に機械的破壊処理に供することができる。機械的破壊処理の目的は多種多様であり、少なくともその中に含まれるタンパク質及び脂質を本発明に従って処理するため、又はバイオマス粒子のサイズを低減するために利用できるように、有機体の内容物を放出させるためにバイオマスに含まれる有機体の外骨格を破壊するのに役立ち得るものである。当業者に公知の多種多様な機械的処理、例えば、圧搾、マッシング、ミリング、破砕、微粉化等を使用することができる。このようにして機械的に処理されたバイオマスは、流体マス又はジュースと、バイオマスの外骨格、繊維又は固形分物質を含む固相とに分離することができる。或いは、換言すれば、このように機械的に処理されたバイオマスは、脂質及びタンパク質を含む画分と、わずかに可溶性又は不溶性の多糖類、例えば繊維又は外骨格の一部を含む固相とに分離することが好ましい。機械的処理は、好ましくは、バイオマスに含まれるタンパク質の変性の危険性、又は脂質の酸化若しくは加水分解の危険性を最小限に抑えることができるように実施される。それに加えて、機械的処理は、好ましくは、剪断力が最小限に抑えられ、かつ所望の温度を超えるバイオマスの加熱が最小限に抑えられるように、実施される。
バイオマスの性質に応じて、機械的処理は、バイオマスの細胞壁の破壊を達成するのに役立ち、細胞に含まれる機能性化合物を放出させる。
このようにして機械的に処理したバイオマスをその後、脂質及びタンパク質画分を含有する、有機酸で処理すべき第1のマスと、固形分残滓とに分離できる。固形分残滓はしばしば不溶性又はわずかに可溶性の多糖類を含むことになる。本発明の範囲内では、しかしながら、特に固相が高すぎる濃度の所望の成分を含有する場合には、機械的に処理されたバイオマス全体を少なくとも1種の有機酸による分別処理に供することも可能であり、それにより、多糖類の固形分残滓の分離を省くことができる。
好ましくは、機械的に処理されたバイオマスに含まれるあらゆる固形分残滓又はあらゆる固形分粒子を、非タンパク質化合物による流体相の汚染を最小限に抑え、タンパク質を可能な限り最高の純度で単離できるように流体相から分離する。固形分残滓の分離は、ふるい分け、遠心分離、ろ過及び他の任意の適切な技術等の当業者に知られている多くの技術によって達成することができる。バイオマスが昆虫又は外骨格を有する他の有機体から得られる場合、固形分残滓は通常キチンを含む。タンパク質の多くの用途において、キチンの存在は望ましくない。
本発明によって記載されるような有機酸でバイオマスを処理するとき、第2の液相が形成され得、これは一般に有機酸を含み、沈殿した又は溶解した状態のいずれかで1種又は複数種のタンパク質も含み得る。全タンパク質の最大回収率が想定される場合、少なくとも1種の有機酸を含みかつバイオマスを有機酸と接触させると形成されるこの第2の液相は、その中に溶解したタンパク質を回収するための別の手順に供し得る。例えば、沈殿により溶解したタンパク質の回収は、当業者に一般的に知られている方法を用いて、例えば塩析、等電沈殿、膜分離等を用いて達成することができる。
本発明の方法は、動物、植物、細菌若しくは真菌類起源、又はそれらの2つ以上の混合物であり得る多種多様なバイオマスで使用するのに適している。動物起源の適切なバイオマスは、昆虫、魚、家禽部分、哺乳動物部分等を含む。植物起源の適切なバイオマスには、藻類、ダイズ、エンドウ豆、ヒヨコマメ、豆、スプラウト、キノコ、ゴマ、亜麻仁(line seed)、チアシード、ヒマワリの種のような様々な種子、穀物、バナナ、アボカド等が含まれる。真菌類起源の適切なバイオマスには、真菌及び酵母が含まれる。しかしながら、前述のバイオマスを2種以上含む混合物も同様に本発明の方法に使用できる。生きているバイオマス、死んでいるバイオマス又はそれらの混合物を使用できる。本発明の方法は、湿潤させたバイオマス、すなわちバイオマス流体を含有するバイオマスと共に使用すること、並びに乾燥又は脱水、例えば凍結乾燥に供したバイオマスと共に使用するのに適している。好ましくは、バイオマスに含まれる脂質及びタンパク質の化学組成、構造及び機能性への悪影響が最小限に抑えられるように乾燥を行う。それに加えて、バイオマスを、部分的に脱水若しくは乾燥させてもよく、又は完全に脱水若しくは乾燥させてもよい。乾燥又は脱水バイオマスを出発生成物として使用する場合、本発明の方法に必須ではないが、本発明の方法に供する前にバイオマスを少なくとも部分的に再水和することができる。
本発明は、穏やかな分離技術が脂質及びタンパク質を分離するために提供されるという利点を提示し、これは室温で実行でき、ヘキサンのような有機溶媒の使用を必要としない。本発明の方法は、タンパク質の機能性を維持し、バイオマスに含まれるタンパク質の変性の危険性を最小にすることを可能にする。結果として、本発明の方法で得られたタンパク質は、それらのアミノ酸組成に基づいて食品及び飼料に極めて有用であるそれらの栄養価のために多種多様な用途に使用することができるが、重要な技術的機能性(発泡性、ゲル化特性、乳化性等)もあり、これらは食品原料として、又は化学工業にとって非常に有用である。タンパク質の他の特性、特にそれらの生物活性、例えばそれらの抗微生物活性、特に飼料中の抗生物質の使用の必要性を減らすそれらの能力、それらの降圧作用特性、それらの抗酸化特性等は、考えられる特定の用途においても同様に重要である。
タンパク質の機能性を失うことなくバイオマスから脂質及びタンパク質を分画することは、本発明の技術を用いて達成され得る重要な利点である。本発明の方法で得られた機能性タンパク質は、広範囲の用途、例えば食品、飼料及び化学工業において使用するのに適している。したがって、本発明は、ヒト用食品、動物の飼料及び他の化学的用途における本発明の方法で得られた機能性タンパク質の使用にも関する。したがって、本発明は更に、本発明の方法で得られた1種又は複数種のタンパク質を含有するヒト用食品、及び本発明の方法で得られた1種又は複数種のタンパク質を含有する動物飼料に関する。本発明は、一般に、上記のような本発明の方法で得られるタンパク質画分、脂質画分又はタンパク質と脂質画分との混合物を含有する食品又は飼料組成物に関する。食品及び飼料産業の他に、本発明の方法で抽出することができるタンパク質はまた、工業的用途を有することができ、例えば、それらはフィルム形成性及び乳化性を有するタンパク質による可食性フィルム及びコーティングにおける使用に適している。本発明の方法で得られたタンパク質を含有するマイクロカプセルは、治療用及び他の高分子を固定化するための、制御された薬物放出デバイスとして製薬産業における用途が見出される。したがって、本発明はまた、本発明の方法で得られた1種又は複数種の機能性タンパク質を含有する放出制御製剤に関する。本発明は更に、本発明の方法で得られた1種若しくは複数種の脂質及び/又は1種若しくは複数種の機能性タンパク質を含む化粧品調合物に関する。本発明の方法で得られたタンパク質は更に、木材産業における接着剤及び他の技術的用途に用途がある。それらは、毛髪及び皮膚の治療又はケア用の化粧品のための有用な成分でもある。更に、脂質は栄養成分として食品及び飼料に使用されるが、油脂化学においても、例えば界面活性剤においても使用される。
以下の実施例において本発明を更に説明する。
(実施例1)
新鮮な幼虫を、幼虫ジュース及びキチンに富む画分に機械的に前処理した。
新鮮な幼虫を、幼虫ジュース及びキチンに富む画分に機械的に前処理した。
幼虫ジュースをレシピエントにおいて、0.5M及び1.8のpHの乳酸水溶液と混合した。液体対乾燥固形分比は重量ベースで13.5であった。混合物を200rpmの回転速度にて水平シェーカー上で30分間室温(21℃)で振とうした。その後、混合物を遠心分離(例えば、30分間4000g)又は沈殿に供することによって相分離を行った。相分離の結果として、3つの層が形成された:
1.主に脂質を含んでいた上層
2.続く、とりわけ溶解したタンパク質を含む上澄みの層
3.ペレット1と呼ぶ、沈殿したタンパク質を含んでいた最下層
1.主に脂質を含んでいた上層
2.続く、とりわけ溶解したタンパク質を含む上澄みの層
3.ペレット1と呼ぶ、沈殿したタンパク質を含んでいた最下層
以下に示すペレット及び上層の結果は、重量測定により、上層及び乾燥タンパク質の乾燥重量に基づいて測定した。
上層をピペッティングにより回収し、105℃で48時間乾燥した。脂質抽出収率を、重量測定法で測定した。
タンパク質ペレット(ペレット1)を安定な重量になるまで凍結乾燥し、抽出収率を重量測定法で測定した。
第2の層中の溶液に溶解したタンパク質を、4℃のpH4.5の1MのNaOHでpH沈殿させ、15分間4000gで遠心分離することにより回収した。沈殿したタンパク質(ペレット2)を安定した重量になるまで凍結乾燥し、抽出収率を重量測定法で測定した。
種々の画分のタンパク質及び脂質組成をTable 1(表1)に示す。Table 1(表1)から分かるように、上層は昆虫ジュースの乾燥重量の40重量%であった。ペレット1画分は昆虫ジュース乾燥重量の22重量%であり、ペレット2画分は12重量%であった。上層は、上層の重量に対して92重量%の脂質を含有していた。ペレット画分は、ペレット画分の重量に対して32〜38重量%の脂質を含んでいた。
ペレット1画分に含まれるタンパク質は、pH4〜6で最低の溶解度(ペレット1の総タンパク質重量に対して22〜23%)、及びpH10で重量ベースで63%の最高溶解度(ペレット1の総タンパク質重量に対して)を示した。
(実施例2)
4で「オプション2」と呼ぶ、解凍し粉砕し湿った幼虫を、液体対乾燥固形分比がそれぞれ3と11で、室温で1時間、0.5M乳酸塩で処理した。15分間遠心分離した後、以下のように4層を形成した:
1.主に脂質を含んでいた上層(1)
2.溶解したタンパク質を含む上澄みの第2の層(2)。これらの溶解したタンパク質は、「ペレット2」を得るための図4に記載されるようなpHを変えることによる後処理において沈殿しなかった。したがって、「ペレット2」のタンパク質は、これらの試験の上澄みタンパク質の一部である。
3.第2の層の下の層(3)は沈殿したタンパク質を含んでいた(ペレット1)。
4.底部層(4)は外骨格ペレットを含んでいた。
4で「オプション2」と呼ぶ、解凍し粉砕し湿った幼虫を、液体対乾燥固形分比がそれぞれ3と11で、室温で1時間、0.5M乳酸塩で処理した。15分間遠心分離した後、以下のように4層を形成した:
1.主に脂質を含んでいた上層(1)
2.溶解したタンパク質を含む上澄みの第2の層(2)。これらの溶解したタンパク質は、「ペレット2」を得るための図4に記載されるようなpHを変えることによる後処理において沈殿しなかった。したがって、「ペレット2」のタンパク質は、これらの試験の上澄みタンパク質の一部である。
3.第2の層の下の層(3)は沈殿したタンパク質を含んでいた(ペレット1)。
4.底部層(4)は外骨格ペレットを含んでいた。
上記のペレット及び上層の重量は、重量測定法によるものであり、画分の生化学的分析なしで、乾燥重量に基づくものであった。上澄みタンパク質の質量を、上澄みの全N分析によって測定した。脂質画分及び両方のペレットを、乾燥、秤量する前に洗浄して、あらゆる残留乳酸塩及び他の水溶性化合物を除去した。全画分の合計はマスバランスを表し、これは、洗浄手順に起因して、かつ画分中に存在する炭水化物及びミネラルの量を測定しなかったため、100%未満である。
この実施例は、液体の量を低減し、脂質を含有する上層の質量及び純度を高め、外骨格ペレットの質量を低減することを、目的とした。この実験はまた、沈殿したタンパク質を含んでいたペレット1の質量を増加させることを目的とした。
結果は、室温が脂質の単離、外骨格ペレットの浄化及びタンパク質の沈殿を達成するのを可能にするのに十分に高い温度であることを示す。図5に示した結果から、添加する溶媒の量を増加させることによって、それ故に液体:固形分比を3から11まで増加させることによって、前述の化合物の分離が改善され得ることが観察できる。
温度を室温超、この実施例では45℃に上昇させると、おそらく外骨格上に詰まるタンパク質の変性のために「汚れた」ペレットが得られた。
図5から分かるように、単離することができる脂質及びタンパク質の量に関して最適な結果が、室温及び液体対固形分比11で得られた。
比較実験A
実施例1の構成を用いたが、幼虫ジュースは有機酸を添加せずに水とだけ混合し、実験室規模でのレンダリングをシミュレートするために100℃において200rpmで18時間振とうした。結果を図1に示す。
実施例1の構成を用いたが、幼虫ジュースは有機酸を添加せずに水とだけ混合し、実験室規模でのレンダリングをシミュレートするために100℃において200rpmで18時間振とうした。結果を図1に示す。
種々の画分のタンパク質及び脂質の組成をTable 1(表1)に示す。Table 1(表1)の結果を図1に視覚化する。
レンダリングにより得られた上層は、バイオマスを乳酸での処理に供した場合の40重量%からなる上層と比較して、昆虫ジュース乾燥重量が10%であった。脂質相の脂肪酸への加水分解が、上部の脂質層の低減された収率をおそらく引き起こしている。レンダリングによって得られたペレット1画分はバイオマスの重量に対して57重量%であった。レンダリングを使用して得られたペレット2画分は、バイオマスの重量に対して1重量%であった。上層は96%の脂質を含んでいた。ペレット画分は、各ペレット画分の重量に対して39〜46重量%の脂質を含有していた。
実施例1と比較してペレット画分2の重量は低く、これはペレット画分2中の水溶性タンパク質の低含有量を示しており、おそらく100℃での温度処理の過程におけるタンパク質の変性による。この仮説は、図2に示されるように、異なるタンパク質画分の水溶性の測定によって更に調査した。
ペレット画分1の溶解度は、pH2〜10の範囲においてペレット画分1の重量に対して10〜11重量%であった。
比較実験Aと実施例1との比較から、レンダリングを使用したタンパク質の抽出物は、実施例1と比較してより低い水溶性を有するペレット画分1を生じたと結論づけることができ、これは、比較実験Aにおいて機能性の喪失を伴うタンパク質の変性を示している。
比較実験B
実施例2と同様に、図中の「オプション2」と呼ぶ、解凍し圧搾し湿潤させた幼虫を、pH2のHClで1時間処理した。pHは実施例2と同じであった。液体:固形分比3、6及び11のそれぞれを用い、実験を45℃で実施した。液体:固形分比3及び11のそれぞれを使用し、実験を室温で実施した。これらの実験のいずれにおいても、脂質層は形成されず、したがってHClを用いたバイオマスからの脂質の抽出は達成することができなかった。供給源として昆虫ジュースのみで、それゆえキチン画分なしで、少ない上部脂質層が形成されたので、圧搾した全幼虫の代わりに昆虫ジュースを用いて同じ実験を繰り返し、次の段落に記載した(pH2のHCl)。
実施例2と同様に、図中の「オプション2」と呼ぶ、解凍し圧搾し湿潤させた幼虫を、pH2のHClで1時間処理した。pHは実施例2と同じであった。液体:固形分比3、6及び11のそれぞれを用い、実験を45℃で実施した。液体:固形分比3及び11のそれぞれを使用し、実験を室温で実施した。これらの実験のいずれにおいても、脂質層は形成されず、したがってHClを用いたバイオマスからの脂質の抽出は達成することができなかった。供給源として昆虫ジュースのみで、それゆえキチン画分なしで、少ない上部脂質層が形成されたので、圧搾した全幼虫の代わりに昆虫ジュースを用いて同じ実験を繰り返し、次の段落に記載した(pH2のHCl)。
(実施例3〜6)
有機酸の性質の影響
実施例1に記載したように昆虫ジュースを製造し、このジュースを室温で、乳酸(実施例3)、酢酸(実施例4)、クエン酸(実施例5)で処理することにより分画した。更に、HClも添加することによりpHを2に保った乳酸を用いて実験を行った(実施例6)。結果を図3及びTable 2(表2)に示す。
有機酸の性質の影響
実施例1に記載したように昆虫ジュースを製造し、このジュースを室温で、乳酸(実施例3)、酢酸(実施例4)、クエン酸(実施例5)で処理することにより分画した。更に、HClも添加することによりpHを2に保った乳酸を用いて実験を行った(実施例6)。結果を図3及びTable 2(表2)に示す。
各画分に含まれる成分の純度を、タンパク質及び脂質の分析によって測定した。残り(「その他」)は、タンパク質及び脂質を差し引くことによって算出した。例えば、バイオマスの59重量%を構成する上層を、重量ベースで48%の脂質と12%のタンパク質とに分けた。全ての乾燥重量画分の合計は、分画を誘引するために添加された有機酸の乾燥重量の寄与のために100より高かった。Table 2(表2)には、「その他」が計算から除外されたマスバランスも示している。これはまた、単離された画分中の生成物収率及び脂質又はタンパク質の純度の計算を可能にした。
図3及びTable 2(表2)に示すデータは、全ての処理で、上層の重量が変動し、上層が比較的純粋な脂質画分を含有していたことを示している。しかしながら、タンパク質は全ての画分(上層、ペレット2、ペレット3及び上澄み)に見られる。特定の画分に含まれるタンパク質の性質及び量は、タンパク質の水溶性、タンパク質の沈殿挙動、及びタンパク質と脂質との相互作用に依存する。
処理の全体的な目標は、上層の脂質の収率及び純度を最大化し、ペレット1のタンパク質の収率及び純度を最大化することである。
更に、ペレット2は単離されたタンパク質の量又は収率を増加させる可能性がある。
Table 2(表2)において、上層の脂質の最大収率(バイオマスの重量に対する脂質画分の重量%)は、クエン酸(77.49%)、続いてpH2の乳酸(68.44%)及び乳酸そのもの(66.95%)を用いて得られた。しかしながら、上層の脂質の純度は、乳酸そのもの(89.63%)で最高であり、一方クエン酸は有意に低い純度(74.12%)を示した。pH2における乳酸処理からの上層の純度は中程度(80.52%)であった。
種々の酸処理の性能を評価するためのもう1つの識別因子は、ペレット1中のタンパク質の抽出収率及び純度である。最高のタンパク質収率(バイオマスの重量に対する重量%)は、pH2(52.22重量%)のHClで得られたが、脂質収率が不十分(35.20重量%)であり、タンパク質変性が高いタンパク質収率を引き起こした可能性があるので、この処理は却下することができる。2番目に高いタンパク質収率は、酢酸(39.21%)、続く乳酸そのもの(32.00重量%)で得られた。重量ベースでの乳酸ペレット1中のタンパク質の純度は、酢酸よりも高かった(31.43%対26.26%)。しかしながら、脂質収率は、乳酸と比べて酢酸の方が低く(53.95重量%対66.95重量%)、全体として乳酸処理が優れていると結論付けられた。pH2のクエン酸及び乳酸が最も高い脂質収率を得たので、タンパク質収率及び純度を評価する。クエン酸処理で得られたペレット1は、わずか21.41%のタンパク質純度を有する19.94重量%のタンパク質をもたらしただけであった。pHでの乳酸処理のペレット1は、24.81%のタンパク質純度を有する16.18重量%のタンパク質をもたらしたに過ぎなかった。これらの値は、乳酸処理で得られるタンパク質収率及び純度より劣っている(それぞれ32.00重量%及び31.43%)。
すべての観察及び目標、すなわちペレット1及び上層におけるタンパク質及び脂質それぞれの最大収率及び純度に基づいて、乳酸による処理は他のすべての処理よりも優れている。
(実施例7)
乳酸処理によるひき肉からの脂質とタンパク質の抽出
代替供給源としてのひき肉を、実施例1に記載の方法に従って乳酸で処理することによって分画した。ひき肉を乳酸で処理した結果をTable 3(表3)に示す。脂質の純度はより高かったが、上層の脂質収率は実施例1と比較して低かった。明らかに、多くの脂質が両方のペレットに存在するので、脂質の分離はこの供給源ではあまり効果的ではなかった。更に、ペレット1中のタンパク質の収率及び純度は、実施例1と比較してひき肉の方が高かった。この例は、分画する供給源に応じて処理を微調整する必要があることを示している。
乳酸処理によるひき肉からの脂質とタンパク質の抽出
代替供給源としてのひき肉を、実施例1に記載の方法に従って乳酸で処理することによって分画した。ひき肉を乳酸で処理した結果をTable 3(表3)に示す。脂質の純度はより高かったが、上層の脂質収率は実施例1と比較して低かった。明らかに、多くの脂質が両方のペレットに存在するので、脂質の分離はこの供給源ではあまり効果的ではなかった。更に、ペレット1中のタンパク質の収率及び純度は、実施例1と比較してひき肉の方が高かった。この例は、分画する供給源に応じて処理を微調整する必要があることを示している。
Claims (33)
- 脂質及びタンパク質含有バイオマスから、脂質画分及びタンパク質画分を水性媒体中で同時に回収する方法であって、方法が、バイオマスから脂質及びタンパク質画分を抽出するための精製工程を含み、精製工程が、バイオマスを、少なくとも1種の有機酸のpH1〜6の水中溶液と接触させることからなることを特徴とし、方法が、このように処理したバイオマスを相分離に供し、その相分離から、バイオマスに含まれる脂質の総重量に対して少なくとも65%を含有する第1の脂質相、並びに上澄みに溶解したタンパク質、1種又は複数種の沈殿したタンパク質及び/又は不溶性物質を含有する第2のタンパク質相を回収することを更に含むことを特徴とする、方法。
- 精製工程を、0〜50℃、好ましくは5〜40℃、より好ましくは10〜40℃、最も好ましくは20〜30℃の温度で行う、請求項1に記載の方法。
- 少なくとも1種の有機酸が、1.0〜6.0、好ましくは1.5〜6.0、好ましくは2.0〜6.0、より好ましくは2.0〜5.0、最も好ましくは2.5〜4.5、特に3.25〜4.5のpKaを有する弱モノ又はポリカルボン酸である、請求項1又は2に記載の方法。
- バイオマスと有機酸水溶液との混合物が、3.0〜6.0、好ましくは3.3〜5.0のpHを有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
- バイオマスの重量に対する有機酸水溶液の重量の比が、少なくとも3.0、好ましくは少なくとも5.0、より好ましくは少なくとも6.0、最も好ましくは少なくとも10.0、又は少なくとも11.0である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
- バイオマスの重量に対する有機酸水溶液の重量の比が最大15である、請求項5に記載の方法。
- 沈殿したタンパク質の第2の相が、バイオマスに含まれるタンパク質の総重量に対して少なくとも25%、好ましくは少なくとも30.0重量%のタンパク質を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
- 脂質画分が、脂質画分の重量に基づいて少なくとも70.0%、好ましくは少なくとも75.0重量%の脂質純度を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
- 第2の相の沈殿したタンパク質画分が、沈殿した画分の重量に基づいて少なくとも25.0%、好ましくは少なくとも30.0重量%の機能性タンパク質の純度を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
- 少なくとも1種の有機酸が、有機モノカルボン酸、有機ポリカルボン酸、好ましくはα-ヒドロキシル酸、又はそのような有機酸の2種以上の混合物を含む群から選択される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
- 有機酸が、式
R-COOH
(式中、Rは芳香族部分又は直鎖若しくは分岐アルカン部分であり得、これは飽和していてもよく又は1つ若しくは複数の不飽和結合を含んでいてもよく、好ましくは、Rは、1〜12個の炭素原子、好ましくは2〜12個の炭素原子を含むアルカン部分であり、
Rは1個又は複数個の置換基を含む。)
に対応する、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。 - 有機酸が、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、乳酸、マンデル酸、グリコール酸、リンゴ酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、アゼライン酸、バルビツール酸、ベンジル酸、ケイ皮酸、グルタル酸、グルコン酸、リンゴ酸、葉酸、プロピオル酸、タンニン酸、尿酸、没食子酸、アセチルサリチル酸、C8〜C12脂肪酸、安息香酸、アジピン酸、トリメリット酸、又は前述の酸の2種以上の混合物の群から選択される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
- α-ヒドロキシ酸が、グリコール酸、乳酸、クエン酸及びマンデル酸、又はこれらの酸のうちの2種以上の混合物の群から選択される、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。
- 水溶液中の乳酸の濃度が、少なくとも0.20モル/l、好ましくは少なくとも0.25モル/l、より好ましくは少なくとも0.30v、最も好ましくは少なくとも0.40モル/l、特に少なくとも0.50モル/lである、請求項12又は13に記載の方法。
- 第2の相が、沈殿した状態のタンパク質、及び溶解した状態の1種又は複数種のタンパク質を含む液相を含み、第2の液相に溶解したタンパク質を、その沈殿を引き起こすためのさらなる処理に供する、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
- 有機酸と接触させる前に、バイオマスを、バイオマスの細胞破壊を引き起こす機械的破壊処理に供する、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
- このように機械的に処理したバイオマスを、処理すべき流体マスと固形分残滓とに分離する、請求項16に記載の方法。
- 第1の脂質相、有機酸の水溶液に溶解したタンパク質を含む上澄みを含む層、及び沈殿したタンパク質を含む下層を回収する工程を更に含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
- 有機酸水溶液とバイオマスとの混合物を機械的分離、特に遠心分離に供し、第1の脂質相、有機酸の水溶液に溶解したタンパク質を含む上澄みの第2の層、沈殿したタンパク質の層及び/又は不溶性物質の層を回収する工程を更に含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
- 固形のバイオマス外骨格を含む層を回収する工程を追加的に含む、請求項16から19のいずれか一項に記載の方法。
- 脂質画分が、脂質画分の重量に対して、重量ベースでバイオマス中に存在する脂質の総量の少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも72.5%、最も好ましくは少なくとも75%、しばしば少なくとも80%、又は少なくとも90%含む、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
- タンパク質画分が、タンパク質画分の重量に対して、重量ベースでバイオマス中に存在するタンパク質の総量の少なくとも25重量%、好ましくは少なくとも30重量%、より好ましくは少なくとも50重量%、最も好ましくは少なくとも60重量%、しばしば少なくとも80%、又は少なくとも90%含む、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
- バイオマスが、動物、植物、細菌若しくは真菌類起源のもの、又は前述のバイオマスのうちの2種以上の混合物である、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
- バイオマスが動物起源のものであり、昆虫、魚、家禽部分、哺乳動物部分の群から選択される、請求項23に記載の方法。
- バイオマスが、藻類、ダイズ、エンドウ豆、ヒヨコマメ、豆、スプラウト、キノコ、ゴマ、亜麻仁、チアシード、ヒマワリの種等の様々な種子、穀物、バナナ、アボカド、又は真菌及び酵母の群から選択される真菌類起源、又は細菌起源の群から選択される植物性バイオマスである、請求項23に記載の方法。
- バイオマスが、生きているバイオマス、死んでいるバイオマス、又はそれらの混合物である、請求項1から25のいずれか一項に記載の方法。
- バイオマスが、新鮮なバイオマス、部分的に脱水したバイオマス、完全に脱水したバイオマスを含む群からの1種若しくは複数種又は2種以上の混合物からのものであるか、或いは少なくとも1種の有機酸の水中溶液と接触させる前に再水和したバイオマスである、請求項1から26のいずれか一項に記載の方法。
- 部分的又は完全に脱水したバイオマスが、凍結乾燥又は最大60℃の温度での乾燥方法によって製造される、請求項27に記載の方法。
- 有機酸と接触させる前に、バイオマスを水又は少なくとも1種の有機酸の水中溶液で湿潤させる、請求項27又は28に記載の方法。
- 請求項1から29のいずれか一項に記載の方法で得られるタンパク質画分、脂質画分又はそれらの組み合わせを含む食品又は飼料組成物。
- 請求項1から29のいずれか一項に記載の方法で得られるタンパク質画分、脂質画分又はそれらの組み合わせを含む、技術的用途に使用するための組成物、特に接着剤組成物。
- タンパク質の総重量に対して少なくとも20重量%のタンパク質が、pH約4〜6の水溶液に可溶性である、請求項30又は31に記載の組成物。
- タンパク質の総重量に対して少なくとも25重量%のタンパク質が、pH7の水溶液に可溶性であり、少なくとも40重量%のタンパク質が、pH8の水溶液に可溶性であり、少なくとも60重量%のタンパク質が、pH10の水溶液に可溶性であり、少なくとも45重量%のタンパク質が、pH2の水溶液に可溶性である、請求項32に記載の組成物。
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