JPH10177967A - 電界効果トランジスタ - Google Patents
電界効果トランジスタInfo
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- JPH10177967A JPH10177967A JP35357496A JP35357496A JPH10177967A JP H10177967 A JPH10177967 A JP H10177967A JP 35357496 A JP35357496 A JP 35357496A JP 35357496 A JP35357496 A JP 35357496A JP H10177967 A JPH10177967 A JP H10177967A
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- gate electrode
- thickness
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 Pt埋め込み型のゲート電極において、拡散
バリア層の工夫によって、素子特性の劣化や信頼性の低
下を防止する。 【解決手段】 能動層13の上にPt層、Mo層、Ti
層、Pt層、Au層を積層し、熱処理を施すことによっ
てPt埋め込み型のゲート電極22を形成する。Mo層
及びTi層は拡散バリア層として働き、最下層のPt層
とAu層などとの相互拡散を防止する。また、Mo層は
反応しやすいTi層とPt層との合金化を防ぎ、Ti層
は成膜が困難で密着性の悪いMo層の厚みを薄くできる
ようにすると共にMo層との密着性を向上させる。
バリア層の工夫によって、素子特性の劣化や信頼性の低
下を防止する。 【解決手段】 能動層13の上にPt層、Mo層、Ti
層、Pt層、Au層を積層し、熱処理を施すことによっ
てPt埋め込み型のゲート電極22を形成する。Mo層
及びTi層は拡散バリア層として働き、最下層のPt層
とAu層などとの相互拡散を防止する。また、Mo層は
反応しやすいTi層とPt層との合金化を防ぎ、Ti層
は成膜が困難で密着性の悪いMo層の厚みを薄くできる
ようにすると共にMo層との密着性を向上させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電界効果トランジス
タに関する。特に、高出力用のGaAsMESFET等
の電界効果トランジスタに関する。
タに関する。特に、高出力用のGaAsMESFET等
の電界効果トランジスタに関する。
【0002】
【従来の技術】III−V族化合物半導体のGaAsとの
ショットキー接合を利用したショットキーバリアダイオ
ード(SBD)やショットキー接合型電界効果トランジ
スタ(MESFET)では、高いショットキー障壁と欠
陥のない接合界面(理想係数=1)が望ましいとされて
いる。このような高いショットキー障壁と低い理想係数
を有するショットキー接合は、PtとGaAsとを固相
反応(合金反応)させることで実現されることが報告さ
れている[A. K. Shinha et.al. Appl. Phys. Lett. 2
3, 666(1973)]。
ショットキー接合を利用したショットキーバリアダイオ
ード(SBD)やショットキー接合型電界効果トランジ
スタ(MESFET)では、高いショットキー障壁と欠
陥のない接合界面(理想係数=1)が望ましいとされて
いる。このような高いショットキー障壁と低い理想係数
を有するショットキー接合は、PtとGaAsとを固相
反応(合金反応)させることで実現されることが報告さ
れている[A. K. Shinha et.al. Appl. Phys. Lett. 2
3, 666(1973)]。
【0003】図1は従来のPt埋め込み型のGaAsM
ESFET(以下、PtゲートFETという)9の製造
工程を示す断面図である。図1(a)はゲート電極及び
ソース、ドレイン電極を形成する前の半絶縁性GaAs
基板1を示す図であって、GaAs基板1の表面にはn
型イオン注入層からなる能動層2が形成され、その下に
はp層3が形成されている。また、能動層2及びp層3
の両側には、それぞれn型イオンを高濃度に注入された
n+領域4(ソース領域、ドレイン領域)が形成されて
いる。
ESFET(以下、PtゲートFETという)9の製造
工程を示す断面図である。図1(a)はゲート電極及び
ソース、ドレイン電極を形成する前の半絶縁性GaAs
基板1を示す図であって、GaAs基板1の表面にはn
型イオン注入層からなる能動層2が形成され、その下に
はp層3が形成されている。また、能動層2及びp層3
の両側には、それぞれn型イオンを高濃度に注入された
n+領域4(ソース領域、ドレイン領域)が形成されて
いる。
【0004】まず、このGaAs基板1のn+領域4の
上には、フォトリソグラフィ法により、図1(b)に示
すように、n+領域とオーミック接合するソース電極5
とドレイン電極6が形成される。ついで、能動層2の上
面にゲート電極7となるPtが真空蒸着法などによって
堆積される。この後、H2ガス中において約400℃で
熱処理を施すと、Ptが能動層に拡散してPtとGaA
sが固相反応し、PtAsやPtGa等を主とする金属
化合物を形成する。このPtAsやPtGa等からなる
反応層8は良好なショットキー接合となり、固相反応の
進行に伴って接合位置はGaAs中へ移動してゆき、図
1(d)のような埋め込み型Ptゲート電極7を備えた
PtゲートFET9が形成される。
上には、フォトリソグラフィ法により、図1(b)に示
すように、n+領域とオーミック接合するソース電極5
とドレイン電極6が形成される。ついで、能動層2の上
面にゲート電極7となるPtが真空蒸着法などによって
堆積される。この後、H2ガス中において約400℃で
熱処理を施すと、Ptが能動層に拡散してPtとGaA
sが固相反応し、PtAsやPtGa等を主とする金属
化合物を形成する。このPtAsやPtGa等からなる
反応層8は良好なショットキー接合となり、固相反応の
進行に伴って接合位置はGaAs中へ移動してゆき、図
1(d)のような埋め込み型Ptゲート電極7を備えた
PtゲートFET9が形成される。
【0005】このようにゲート金属としてPtを用いた
PtゲートFETでは、熱処理によりGaAsとの合金
を形成させ、ショットキー障壁高さを高くし、しきい値
電圧の制御などを行い、エンハンスメントタイプのME
SFETを簡便に製造できる特徴を有する。また、ゲー
ト金属としてPtを用いたPtゲートFETは、耐熱ゲ
ートによるセルフアライメント法に用いることができる
[特公昭63−12391号公報]。
PtゲートFETでは、熱処理によりGaAsとの合金
を形成させ、ショットキー障壁高さを高くし、しきい値
電圧の制御などを行い、エンハンスメントタイプのME
SFETを簡便に製造できる特徴を有する。また、ゲー
ト金属としてPtを用いたPtゲートFETは、耐熱ゲ
ートによるセルフアライメント法に用いることができる
[特公昭63−12391号公報]。
【0006】しかし、このようなPt単体のゲート電極
では、PtがAuやAlに比べて比抵抗が高いため、ゲ
ート抵抗が大きくなるという問題がある。つまり、Pt
をリフトオフ法でサブミクロンの微細な線幅に形成でき
る最大膜厚は、1000Åまでであるため、AuやAl
に比べて比抵抗の高いPtでは、ゲート抵抗が大きくな
る。特に、パワーFETなどのように単位ゲート巾が大
きい場合、大きなゲート抵抗は入力損失を招き、出力低
下や効率悪化を招く。
では、PtがAuやAlに比べて比抵抗が高いため、ゲ
ート抵抗が大きくなるという問題がある。つまり、Pt
をリフトオフ法でサブミクロンの微細な線幅に形成でき
る最大膜厚は、1000Åまでであるため、AuやAl
に比べて比抵抗の高いPtでは、ゲート抵抗が大きくな
る。特に、パワーFETなどのように単位ゲート巾が大
きい場合、大きなゲート抵抗は入力損失を招き、出力低
下や効率悪化を招く。
【0007】そこで、Pt層の上に比抵抗の小さなAu
層やAl層を積層し、熱処理を施してPt層をGaAs
に拡散させてPtとGaAsを反応させる方法が用いら
れている。このようなPt/Au又はPt/Alからな
るゲート電極では、ゲート抵抗を小さくできるが、Pt
層の上にAu層やAl層を積層して熱処理を施すと、下
のPt層と上のAu層やAl層が相互拡散し、AuやA
lまでもがGaAs中に拡散する。その結果、ピンチオ
フ電圧Vpのばらつきが大きくなり、目標とする素子特
性を得ることが困難である。
層やAl層を積層し、熱処理を施してPt層をGaAs
に拡散させてPtとGaAsを反応させる方法が用いら
れている。このようなPt/Au又はPt/Alからな
るゲート電極では、ゲート抵抗を小さくできるが、Pt
層の上にAu層やAl層を積層して熱処理を施すと、下
のPt層と上のAu層やAl層が相互拡散し、AuやA
lまでもがGaAs中に拡散する。その結果、ピンチオ
フ電圧Vpのばらつきが大きくなり、目標とする素子特
性を得ることが困難である。
【0008】そのため、Pt層とAu層やAl層との中
間に、拡散バリア層としてMo層やTi層を介在させる
ことにより、Au層やAl層とPt層との相互拡散を阻
止している。
間に、拡散バリア層としてMo層やTi層を介在させる
ことにより、Au層やAl層とPt層との相互拡散を阻
止している。
【0009】ところが、拡散バリア層としてMo層を用
いたPt/Mo/Au(又は、Al)からなるゲート電
極では、膜応力が大きいため一定の膜厚を超えるとレジ
スト剥がれや膜剥がれが起き、PtとAuとの相互拡散
を抑制することができるだけの膜厚を得た場合には、レ
ジストの変形や膜剥がれなどが発生する。電界効果トラ
ンジスタのように線幅の制御性が厳しい素子では、この
ようなレジストの変形や膜剥がれは致命的な問題とな
る。逆に、Mo層が薄い場合には、Au層とPt層やG
aAsとの相互拡散を抑制しきれず、信頼性に乏しくな
るという問題があった。
いたPt/Mo/Au(又は、Al)からなるゲート電
極では、膜応力が大きいため一定の膜厚を超えるとレジ
スト剥がれや膜剥がれが起き、PtとAuとの相互拡散
を抑制することができるだけの膜厚を得た場合には、レ
ジストの変形や膜剥がれなどが発生する。電界効果トラ
ンジスタのように線幅の制御性が厳しい素子では、この
ようなレジストの変形や膜剥がれは致命的な問題とな
る。逆に、Mo層が薄い場合には、Au層とPt層やG
aAsとの相互拡散を抑制しきれず、信頼性に乏しくな
るという問題があった。
【0010】一方、Tiでは応力は小さいが、拡散バリ
ア層としてTi層を用いたPt/Ti/Au(又は、A
l)からなるゲート電極では、TiがPtと反応し易い
ため、一部のPtとTiが合金反応を起こし、GaAs
との反応に寄与するPt量が減る。その結果、ピンチオ
フ電圧を設計通りに制御することが困難となり、ピンチ
オフ電圧のばらつきが大きくなるという問題があった。
従って、実用上、TiをPt層の上に形成することはで
きなかった。
ア層としてTi層を用いたPt/Ti/Au(又は、A
l)からなるゲート電極では、TiがPtと反応し易い
ため、一部のPtとTiが合金反応を起こし、GaAs
との反応に寄与するPt量が減る。その結果、ピンチオ
フ電圧を設計通りに制御することが困難となり、ピンチ
オフ電圧のばらつきが大きくなるという問題があった。
従って、実用上、TiをPt層の上に形成することはで
きなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、叙上の従来
例の欠点に鑑みてなされたものであって、その目的とす
るところは、ゲート電極における最下層のPt層とその
上方の金属層との相互拡散を阻止することができ、しか
も素子特性や信頼性を低下させにくい拡散バリア層を備
えた電界効果トランジスタを提供することにある。
例の欠点に鑑みてなされたものであって、その目的とす
るところは、ゲート電極における最下層のPt層とその
上方の金属層との相互拡散を阻止することができ、しか
も素子特性や信頼性を低下させにくい拡散バリア層を備
えた電界効果トランジスタを提供することにある。
【0012】
【発明の開示】本発明による電界効果トランジスタは、
半導体基板に形成された能動層の上に、Pt層を最下層
とするゲート電極を形成し、当該ゲート電極を熱処理す
ることによってゲート電極と能動層をショットキー接合
させた電界効果トランジスタにおいて、熱処理前の前記
ゲート電極は、最下層のPt層の上面にMo層が形成さ
れ、当該Mo層の上面にTi層が形成され、当該Ti層
の上方に低抵抗金属層が形成されたものであることを特
徴としている。
半導体基板に形成された能動層の上に、Pt層を最下層
とするゲート電極を形成し、当該ゲート電極を熱処理す
ることによってゲート電極と能動層をショットキー接合
させた電界効果トランジスタにおいて、熱処理前の前記
ゲート電極は、最下層のPt層の上面にMo層が形成さ
れ、当該Mo層の上面にTi層が形成され、当該Ti層
の上方に低抵抗金属層が形成されたものであることを特
徴としている。
【0013】本発明の電界効果トランジスタは、ゲート
電極の拡散バリア層がMo層とTi層によって構成され
ており、互いに合金化し易いPtとTiの間にMoが介
在しているので、Pt層はTi層と反応することなくG
aAsと反応することができる。従って、ピンチオフ電
圧Vpの制御が容易になり、ピンチオフ電圧Vpのばらつ
きも小さくなる。また、Mo層を薄くしてもTi層を厚
くすることにより、低抵抗金属層などの上層の金属がG
aAsに拡散してGaAs層と反応するのを防止でき、
逆に、GaとAsがTi層の上層側へ拡散するのも防止
でき、素子特性を安定化できる。さらに、Mo層を薄く
することができるので、ゲート電極に膜剥がれが生じた
り、ピンチオフ電圧Vpのばらつきが大きくなったりす
ることがない。
電極の拡散バリア層がMo層とTi層によって構成され
ており、互いに合金化し易いPtとTiの間にMoが介
在しているので、Pt層はTi層と反応することなくG
aAsと反応することができる。従って、ピンチオフ電
圧Vpの制御が容易になり、ピンチオフ電圧Vpのばらつ
きも小さくなる。また、Mo層を薄くしてもTi層を厚
くすることにより、低抵抗金属層などの上層の金属がG
aAsに拡散してGaAs層と反応するのを防止でき、
逆に、GaとAsがTi層の上層側へ拡散するのも防止
でき、素子特性を安定化できる。さらに、Mo層を薄く
することができるので、ゲート電極に膜剥がれが生じた
り、ピンチオフ電圧Vpのばらつきが大きくなったりす
ることがない。
【0014】よって、本発明の電界効果トランジスタに
よれば、拡散バリア層を構成するMo層とTi層の各膜
厚の最適化を行なったPt/Mo/Ti/…からなる多
層ゲート構造を電界効果トランジスタのゲート電極に採
用することで、良好なPt埋め込み型ゲート電極を形成
することができ、電界効果トランジスタのピンチオフ電
圧Vpを再現性よく制御でき、ゲート抵抗の低減も図れ
る。特に、高い信頼性が要求される高出力パワー用の電
界効果トランジスタへの応用も可能になる。
よれば、拡散バリア層を構成するMo層とTi層の各膜
厚の最適化を行なったPt/Mo/Ti/…からなる多
層ゲート構造を電界効果トランジスタのゲート電極に採
用することで、良好なPt埋め込み型ゲート電極を形成
することができ、電界効果トランジスタのピンチオフ電
圧Vpを再現性よく制御でき、ゲート抵抗の低減も図れ
る。特に、高い信頼性が要求される高出力パワー用の電
界効果トランジスタへの応用も可能になる。
【0015】さらに、このような電界効果トランジスタ
においては、Mo層の膜厚に対する、最下層のPt層の
膜厚の比が0.5以上であることが好ましい。この膜厚
比が0.5よりも小さくなると、Mo層の応力がPt層
を変形させるに足る値になったとき膜剥がれが発生す
る。また、この膜厚比が0.5未満で急激にピンチオフ
電圧Vpのばらつきが増大するからである。
においては、Mo層の膜厚に対する、最下層のPt層の
膜厚の比が0.5以上であることが好ましい。この膜厚
比が0.5よりも小さくなると、Mo層の応力がPt層
を変形させるに足る値になったとき膜剥がれが発生す
る。また、この膜厚比が0.5未満で急激にピンチオフ
電圧Vpのばらつきが増大するからである。
【0016】また、Mo層の膜厚は、50Å以上500
Å以下であることが好ましい。Mo層は膜応力が大きい
ため、膜厚が500Å以上になると、成膜中や膜形成後
に膜剥がれが生じ易い。一方、Mo層の膜厚を50Å以
下にすると、拡散バリア層としての機能を充分に果たさ
なくなり、Mo層の上下の金属層間で相互拡散が発生
し、特性の劣化につながるからである。
Å以下であることが好ましい。Mo層は膜応力が大きい
ため、膜厚が500Å以上になると、成膜中や膜形成後
に膜剥がれが生じ易い。一方、Mo層の膜厚を50Å以
下にすると、拡散バリア層としての機能を充分に果たさ
なくなり、Mo層の上下の金属層間で相互拡散が発生
し、特性の劣化につながるからである。
【0017】このような電界効果トランジスタとして
は、化合物半導体を用いたものに適用することができ、
なかでもGaAsMESFETに用いることができる。
特に、最下層のPt層と能動層を反応させてショットキ
ー接合を形成するPt埋め込み型の電界効果トランジス
タに用いることによって高い効果を納めることができ
る。しかも、その場合、熱処理によって最下層のPt層
を能動層と完全に反応させておけば、素子特性のばらつ
きを小さくして素子特性を安定させることができ、ま
た、最下層のPt層の膜厚制御によって素子特性を容易
に管理することができる。
は、化合物半導体を用いたものに適用することができ、
なかでもGaAsMESFETに用いることができる。
特に、最下層のPt層と能動層を反応させてショットキ
ー接合を形成するPt埋め込み型の電界効果トランジス
タに用いることによって高い効果を納めることができ
る。しかも、その場合、熱処理によって最下層のPt層
を能動層と完全に反応させておけば、素子特性のばらつ
きを小さくして素子特性を安定させることができ、ま
た、最下層のPt層の膜厚制御によって素子特性を容易
に管理することができる。
【0018】
(実施例)図2(a)〜(h)は本発明の一実施例によ
るPt埋め込み型のGaAsMESFET(Ptゲート
FET)の製造工程を示す概略断面図である。以下、図
2に従って本発明の実施例を説明する。まず、図2
(a)に示すように、半絶縁性GaAs基板11の表面
にp型イオン、例えばBe、Mgを加速エネルギー20
0keV、注入イオン密度2×1012/cm2で注入して
p層12を形成する。ついで、図2(b)に示すよう
に、n型イオン、例えばSiを加速エネルギー100k
eV、注入イオン密度5×1012/cm2で注入してn型
能動層13を形成する。
るPt埋め込み型のGaAsMESFET(Ptゲート
FET)の製造工程を示す概略断面図である。以下、図
2に従って本発明の実施例を説明する。まず、図2
(a)に示すように、半絶縁性GaAs基板11の表面
にp型イオン、例えばBe、Mgを加速エネルギー20
0keV、注入イオン密度2×1012/cm2で注入して
p層12を形成する。ついで、図2(b)に示すよう
に、n型イオン、例えばSiを加速エネルギー100k
eV、注入イオン密度5×1012/cm2で注入してn型
能動層13を形成する。
【0019】つぎに、図2(c)に示すように、GaA
s基板11の表面をフォトレジスト14により覆い、フ
ォトリソグラフィによりソース領域及びドレイン領域を
形成しようとする領域においてフォトレジスト14を開
口し、このフォトレジスト14をマスクとし、マスク開
口を通して選択的にn型イオン、例えばSiを加速エネ
ルギー180keV、注入イオン密度1×1013/cm2
で注入し、n+領域(ソース領域、ドレイン領域)15
を形成する。その後、図2(d)に示すように、n+領
域15の上にAu−Ge系からなる金属を用いてソース
電極16及びドレイン電極17を形成し、両電極16,
17を熱処理によって合金化してn+領域15にオーミ
ック接合させる。
s基板11の表面をフォトレジスト14により覆い、フ
ォトリソグラフィによりソース領域及びドレイン領域を
形成しようとする領域においてフォトレジスト14を開
口し、このフォトレジスト14をマスクとし、マスク開
口を通して選択的にn型イオン、例えばSiを加速エネ
ルギー180keV、注入イオン密度1×1013/cm2
で注入し、n+領域(ソース領域、ドレイン領域)15
を形成する。その後、図2(d)に示すように、n+領
域15の上にAu−Ge系からなる金属を用いてソース
電極16及びドレイン電極17を形成し、両電極16,
17を熱処理によって合金化してn+領域15にオーミ
ック接合させる。
【0020】ついで、GaAs基板11の表面にレジス
ト膜19を形成し、フォトリソグラフィを行ない、図2
(e)に示すように、ゲート長に等しい幅を有し、逆テ
ーパ状をした開口20をレジスト膜19にあける。つい
で、リン酸系のエッチング液に浸漬してリセス18を形
成する。
ト膜19を形成し、フォトリソグラフィを行ない、図2
(e)に示すように、ゲート長に等しい幅を有し、逆テ
ーパ状をした開口20をレジスト膜19にあける。つい
で、リン酸系のエッチング液に浸漬してリセス18を形
成する。
【0021】この後、図2(f)に示すように、蒸着法
により、レジスト膜19の開口20を通して能動層13
の上に、膜厚250ÅのPt、膜厚200ÅのMo、膜
厚500ÅのTi、膜厚500ÅのPt、膜厚3500
ÅのAuからなるゲート電極用金属層21を順次堆積さ
せ、レジスト膜19の上に堆積したPt/Mo/Ti/
Pt/Auからなるゲート電極用金属層21をレジスト
膜19とともに剥離(リフトオフ)し、図2(g)及び
図3に示すような、Pt/Mo/Ti/Pt/Auから
なるゲート電極22を形成する。
により、レジスト膜19の開口20を通して能動層13
の上に、膜厚250ÅのPt、膜厚200ÅのMo、膜
厚500ÅのTi、膜厚500ÅのPt、膜厚3500
ÅのAuからなるゲート電極用金属層21を順次堆積さ
せ、レジスト膜19の上に堆積したPt/Mo/Ti/
Pt/Auからなるゲート電極用金属層21をレジスト
膜19とともに剥離(リフトオフ)し、図2(g)及び
図3に示すような、Pt/Mo/Ti/Pt/Auから
なるゲート電極22を形成する。
【0022】この後、GaAs基板22を約350℃で
1分間の熱処理を行う。熱処理を行なうと、図4(a)
(b)に模式的に示すように、最下層のPtがGaAs
中へすべて拡散し、GaAsと反応して合金化し、Pt
AsやPtGa等の化合物を生成する。この熱処理工程
においては、Ptが能動層中へ約500Å拡散し、Ga
Asと固相反応してPtAsやPtGa等を含む反応層
23を生成し、ゲート電極22を能動層13とショット
キー接合させる。その結果、図2(h)に示すように、
反応層(PtAs、PtGa)/Mo/Ti/Pt/A
uからなる、良好なショットキー接合のPt埋め込み型
のゲート電極22を備えたPtゲートFET24が形成
される。
1分間の熱処理を行う。熱処理を行なうと、図4(a)
(b)に模式的に示すように、最下層のPtがGaAs
中へすべて拡散し、GaAsと反応して合金化し、Pt
AsやPtGa等の化合物を生成する。この熱処理工程
においては、Ptが能動層中へ約500Å拡散し、Ga
Asと固相反応してPtAsやPtGa等を含む反応層
23を生成し、ゲート電極22を能動層13とショット
キー接合させる。その結果、図2(h)に示すように、
反応層(PtAs、PtGa)/Mo/Ti/Pt/A
uからなる、良好なショットキー接合のPt埋め込み型
のゲート電極22を備えたPtゲートFET24が形成
される。
【0023】(Pt層)この実施例においては、ゲート
電極は、Pt(又は、反応層)/Mo/Ti/Pt/A
uからなっている。このうち、最下層のPt層は上記の
ように能動層と反応し、PtAsやPtGa等からなる
反応層を生成して埋め込み型のゲート電極を形成し、良
好なショットキー接合を実現する。
電極は、Pt(又は、反応層)/Mo/Ti/Pt/A
uからなっている。このうち、最下層のPt層は上記の
ように能動層と反応し、PtAsやPtGa等からなる
反応層を生成して埋め込み型のゲート電極を形成し、良
好なショットキー接合を実現する。
【0024】GaAsと反応していないPt層が残って
いたり、Pt以外の金属がGaAs中に拡散してGaA
sと反応したりすると、熱処理工程における熱や素子動
作時の熱によって反応層が変化し、素子特性がばらつい
たり、不安定になったり、劣化したりする。これに対
し、本発明のPtゲートFETは、能動層の上に形成さ
れたPt層をGaAsと完全に反応させて反応層を形成
している点に特徴がある。Pt層が能動層と完全に反応
しているので、ゲート電極形成後の後工程において、ゲ
ート電極の熱処理温度と同程度もしくはそれ以上の熱処
理温度におかれても、Pt層とGaAsとの反応はそれ
以上進むことがなく、素子特性が変化することがない。
特に、素子のピンチオフ電圧が変動することがない。同
じように、素子動作時の発熱によっても、ピンチオフ電
圧等の素子特性が変化して不安定になる恐れがない。
いたり、Pt以外の金属がGaAs中に拡散してGaA
sと反応したりすると、熱処理工程における熱や素子動
作時の熱によって反応層が変化し、素子特性がばらつい
たり、不安定になったり、劣化したりする。これに対
し、本発明のPtゲートFETは、能動層の上に形成さ
れたPt層をGaAsと完全に反応させて反応層を形成
している点に特徴がある。Pt層が能動層と完全に反応
しているので、ゲート電極形成後の後工程において、ゲ
ート電極の熱処理温度と同程度もしくはそれ以上の熱処
理温度におかれても、Pt層とGaAsとの反応はそれ
以上進むことがなく、素子特性が変化することがない。
特に、素子のピンチオフ電圧が変動することがない。同
じように、素子動作時の発熱によっても、ピンチオフ電
圧等の素子特性が変化して不安定になる恐れがない。
【0025】(熱処理温度)Pt層をGaAsと反応さ
せてショットキー接合させるための、ゲート電極の熱処
理温度は、250〜400℃が好ましい。250℃以下
の熱処理温度では、Pt層の拡散が十分でなく、理想係
数もショットキー障壁高さも共に大幅に劣化する。ま
た、熱処理温度400℃以上では、ショットキー障壁高
さが劣化し、また、熱処理温度が400℃以上になる
と、前工程で形成されているオーミック電極が劣化し、
デバイス特性に悪影響を与える。
せてショットキー接合させるための、ゲート電極の熱処
理温度は、250〜400℃が好ましい。250℃以下
の熱処理温度では、Pt層の拡散が十分でなく、理想係
数もショットキー障壁高さも共に大幅に劣化する。ま
た、熱処理温度400℃以上では、ショットキー障壁高
さが劣化し、また、熱処理温度が400℃以上になる
と、前工程で形成されているオーミック電極が劣化し、
デバイス特性に悪影響を与える。
【0026】(Pt層の膜厚)ここで、Pt層は熱処理
によって能動層と完全に反応させる必要があるので、P
t層の厚みは薄くする必要がある。試作によれば、Pt
層の厚みは、500Å以下にすることが好ましい。Pt
層の厚みが大きくなると、Pt層を能動層と完全に反応
させるための熱処理時間が長くなるばかりでなく、Pt
層の厚みが大きくなるに従って同じピンチオフ電圧を実
現する時、相互コンダクタンスgmの立ち上がり急峻性
も低下し、また膜厚が大きくなるとPt層の膜ストレス
が増大してGaAs基板との密着性も悪くなる。
によって能動層と完全に反応させる必要があるので、P
t層の厚みは薄くする必要がある。試作によれば、Pt
層の厚みは、500Å以下にすることが好ましい。Pt
層の厚みが大きくなると、Pt層を能動層と完全に反応
させるための熱処理時間が長くなるばかりでなく、Pt
層の厚みが大きくなるに従って同じピンチオフ電圧を実
現する時、相互コンダクタンスgmの立ち上がり急峻性
も低下し、また膜厚が大きくなるとPt層の膜ストレス
が増大してGaAs基板との密着性も悪くなる。
【0027】(Au層及び中間のPt層)最上層のAu
層はゲート電極の抵抗を小さくするための層であって、
最も大きな膜厚を有している。すなわち、上記実施例で
は、3500Åの膜厚としている。従って、このAu層
の代りに、同じように比抵抗の小さなAlなどを用いて
もよい。
層はゲート電極の抵抗を小さくするための層であって、
最も大きな膜厚を有している。すなわち、上記実施例で
は、3500Åの膜厚としている。従って、このAu層
の代りに、同じように比抵抗の小さなAlなどを用いて
もよい。
【0028】Ti層の上の中間Pt層は、TiとAuの
反応を防ぎ、拡散バリアの働きをしている。Ptの代り
にCrを用いてもよい。
反応を防ぎ、拡散バリアの働きをしている。Ptの代り
にCrを用いてもよい。
【0029】(拡散バリア層の働き)Mo層は、拡散バ
リア層として働くものであって、Pt層を能動層と完全
に反応させることを確実ならしめ、かつ、他の金属と能
動層との反応を阻止する。
リア層として働くものであって、Pt層を能動層と完全
に反応させることを確実ならしめ、かつ、他の金属と能
動層との反応を阻止する。
【0030】製造ばらつきが小さく、安定したPtゲー
トFETを作製するためには、Pt層が能動層に完全に
拡散して反応層を形成した時点でゲート電極の能動層へ
の拡散を停止させ、Pt以外の金属が能動層に拡散しな
いようにする必要がある。まず、MoはGaAsと反応
しにくいので、図4(b)に示すように、Pt層が能動
層と反応し、その反応層とMo層とが接触した時点でゲ
ート電極と能動層との反応が停止する。また、Mo層は
他の金属の拡散を阻止する拡散バリア層として働くの
で、TiやAu等が能動層ないし反応層へ拡散してピン
チオフ電圧Vp等の素子特性を変化させるのを防止す
る。さらに、Mo層は最下層のPtがTi層へ拡散する
のも防止するので、Pt層がTi層へ拡散してGaAs
に拡散する量が変動し、反応層の深さにばらつきが生じ
るのを防止できる。従って、Pt層の上に一定の厚さを
有するMo層を形成しておくことにより、Pt層のみを
能動層と完全に反応させるための工程制御や処理時間管
理などの要求精度も緩和される。
トFETを作製するためには、Pt層が能動層に完全に
拡散して反応層を形成した時点でゲート電極の能動層へ
の拡散を停止させ、Pt以外の金属が能動層に拡散しな
いようにする必要がある。まず、MoはGaAsと反応
しにくいので、図4(b)に示すように、Pt層が能動
層と反応し、その反応層とMo層とが接触した時点でゲ
ート電極と能動層との反応が停止する。また、Mo層は
他の金属の拡散を阻止する拡散バリア層として働くの
で、TiやAu等が能動層ないし反応層へ拡散してピン
チオフ電圧Vp等の素子特性を変化させるのを防止す
る。さらに、Mo層は最下層のPtがTi層へ拡散する
のも防止するので、Pt層がTi層へ拡散してGaAs
に拡散する量が変動し、反応層の深さにばらつきが生じ
るのを防止できる。従って、Pt層の上に一定の厚さを
有するMo層を形成しておくことにより、Pt層のみを
能動層と完全に反応させるための工程制御や処理時間管
理などの要求精度も緩和される。
【0031】Mo層は、膜ストレスが大きいためゲート
長が短い場合、厚い膜を作製すると密着性が悪くなる。
そのため、Mo層の膜厚は、Pt層と同様、薄く形成さ
れている。Mo層の膜厚は、50〜500Åが好まし
い。
長が短い場合、厚い膜を作製すると密着性が悪くなる。
そのため、Mo層の膜厚は、Pt層と同様、薄く形成さ
れている。Mo層の膜厚は、50〜500Åが好まし
い。
【0032】ここでPt、Mo及び一般的にショットキ
ー電極として用いられているAl、Tiの沸点、ヤング
率、線熱膨張係数を下記の表1に示す。金属の膜応力
(ストレス)は、概略的には、上記3つのパラメータの
積で表わされるので、これも表1に表わしている。
ー電極として用いられているAl、Tiの沸点、ヤング
率、線熱膨張係数を下記の表1に示す。金属の膜応力
(ストレス)は、概略的には、上記3つのパラメータの
積で表わされるので、これも表1に表わしている。
【0033】
【表1】
【0034】表1から分かるように、PtやMoは、A
lやTiに比べて膜応力(3つのパラメータの積)が大
きく、Moに至ってはAlやTiの膜応力の倍程度の応
力が発生することが分かる。このため、Mo層の膜厚を
500Å以上にすると、蒸着等によって成膜中や膜形成
後に膜剥がれが生じ、歩留りの低下につながる。
lやTiに比べて膜応力(3つのパラメータの積)が大
きく、Moに至ってはAlやTiの膜応力の倍程度の応
力が発生することが分かる。このため、Mo層の膜厚を
500Å以上にすると、蒸着等によって成膜中や膜形成
後に膜剥がれが生じ、歩留りの低下につながる。
【0035】一方、Mo層の膜厚を50Å以下にする
と、拡散バリア層としての機能を充分に果たさなくな
り、Mo層の上下の金属層間(上記実施例の場合はPt
とTi)で相互拡散が発生し、特性の劣化につながる。
従って、Mo層の膜厚としては、上記のように50〜5
00Åが好ましい。
と、拡散バリア層としての機能を充分に果たさなくな
り、Mo層の上下の金属層間(上記実施例の場合はPt
とTi)で相互拡散が発生し、特性の劣化につながる。
従って、Mo層の膜厚としては、上記のように50〜5
00Åが好ましい。
【0036】また、Mo層の膜厚を500Å以下にして
も、その下層のPt層の膜厚/Mo層の膜厚[Pt/M
o膜厚比]が0.5以下になると、最下層のPt層を変
形させるに値する応力をMo層が持ち得たとき、Pt層
やMo層の膜剥がれが発生する。また、Pt/Mo膜厚
比に対するピンチオフ電圧Vpのばらつきσを測定した
結果を図5に示す。この図5によれば、Pt/Mo膜厚
比が0.5未満で急激にピンチオフ電圧Vpのばらつきσ
が増大していることが分かる。このため、ピンチオフ電
圧Vpを制御するためには、Pt/Mo膜厚比を0.5以
上に確保する必要がある。したがって、Mo層の膜厚に
対するPt層の膜厚は、0.5以上にする必要がある。
も、その下層のPt層の膜厚/Mo層の膜厚[Pt/M
o膜厚比]が0.5以下になると、最下層のPt層を変
形させるに値する応力をMo層が持ち得たとき、Pt層
やMo層の膜剥がれが発生する。また、Pt/Mo膜厚
比に対するピンチオフ電圧Vpのばらつきσを測定した
結果を図5に示す。この図5によれば、Pt/Mo膜厚
比が0.5未満で急激にピンチオフ電圧Vpのばらつきσ
が増大していることが分かる。このため、ピンチオフ電
圧Vpを制御するためには、Pt/Mo膜厚比を0.5以
上に確保する必要がある。したがって、Mo層の膜厚に
対するPt層の膜厚は、0.5以上にする必要がある。
【0037】Ti層も拡散バリアとして働くものである
が、TiはPtと反応し易い半面、膜厚をMo層よりも
厚くすることができる。
が、TiはPtと反応し易い半面、膜厚をMo層よりも
厚くすることができる。
【0038】従って、本発明においては、ゲート電極の
拡散バリア層をMo層とTi層からなる2層構造とし、
互いの長所を生かすようにした。すなわち、合金化し易
いPtとTiの間にMoが介在しているので、PtはT
iと反応することなくGaAsと反応することができ
る。従って、ピンチオフ電圧Vpの制御が容易になり、
ピンチオフ電圧Vpのばらつきも小さくなる。また、M
o層を薄くしてもTi層を厚くすることにより、低抵抗
金属層などの上層の金属がGaAsに拡散してGaAs
層と反応するのを防止でき、逆に、GaとAsがTi層
の上層側へ拡散するのも防止でき、素子特性を安定化で
きる。さらに、Mo層を薄くすることができるので、M
o層の成膜が容易になり、Ti層によって密着性が高め
られるので、ゲート電極に膜剥がれが生じることが防止
され、ピンチオフ電圧Vpのばらつきを小さくできる。
拡散バリア層をMo層とTi層からなる2層構造とし、
互いの長所を生かすようにした。すなわち、合金化し易
いPtとTiの間にMoが介在しているので、PtはT
iと反応することなくGaAsと反応することができ
る。従って、ピンチオフ電圧Vpの制御が容易になり、
ピンチオフ電圧Vpのばらつきも小さくなる。また、M
o層を薄くしてもTi層を厚くすることにより、低抵抗
金属層などの上層の金属がGaAsに拡散してGaAs
層と反応するのを防止でき、逆に、GaとAsがTi層
の上層側へ拡散するのも防止でき、素子特性を安定化で
きる。さらに、Mo層を薄くすることができるので、M
o層の成膜が容易になり、Ti層によって密着性が高め
られるので、ゲート電極に膜剥がれが生じることが防止
され、ピンチオフ電圧Vpのばらつきを小さくできる。
【0039】図6は、Pt層の上に膜厚200ÅのMo
層と膜厚500ÅのTi層を形成し、さらにその上に上
層金属を形成しゲート電極を備えた本発明実施例(Pt
/Mo/Ti/+)のPtゲートFETと、Pt層の上
に膜厚200ÅのMo層を形成し、その上に上層金属を
形成した従来例(Pt/Mo/+)と、Pt層の上に膜
厚500ÅのTi層を形成し、その上に上層金属を形成
した従来例(Pt/Ti/+)について、Pt層の厚み
を変えて各々のピンチオフ電圧Vpのばらつきを調べた
ものである。この図6から明らかなように、本発明実施
例では、従来例に比較してピンチオフ電圧Vpのばらつ
きが非常に小さくなっている。
層と膜厚500ÅのTi層を形成し、さらにその上に上
層金属を形成しゲート電極を備えた本発明実施例(Pt
/Mo/Ti/+)のPtゲートFETと、Pt層の上
に膜厚200ÅのMo層を形成し、その上に上層金属を
形成した従来例(Pt/Mo/+)と、Pt層の上に膜
厚500ÅのTi層を形成し、その上に上層金属を形成
した従来例(Pt/Ti/+)について、Pt層の厚み
を変えて各々のピンチオフ電圧Vpのばらつきを調べた
ものである。この図6から明らかなように、本発明実施
例では、従来例に比較してピンチオフ電圧Vpのばらつ
きが非常に小さくなっている。
【0040】よって、本発明の電界効果トランジスタに
よれば、拡散バリア層を構成するMo層とTi層の各膜
厚の最適化を行なうことにより、Mo層とTi層を拡散
防止層として充分に働かせることができ、かつ膜剥がれ
が発生せず、高い良品率と信頼性の両立を実現できる。
よれば、拡散バリア層を構成するMo層とTi層の各膜
厚の最適化を行なうことにより、Mo層とTi層を拡散
防止層として充分に働かせることができ、かつ膜剥がれ
が発生せず、高い良品率と信頼性の両立を実現できる。
【図1】(a)〜(d)は、従来例のPtゲートFET
の製造工程を示す概略断面図である。
の製造工程を示す概略断面図である。
【図2】(a)〜(h)は、本発明の一実施例によるP
tゲートFETの製造工程を示す概略断面図である。
tゲートFETの製造工程を示す概略断面図である。
【図3】能動層の上に形成されたゲート電極を示す概略
拡大断面図である。
拡大断面図である。
【図4】(a)(b)は能動層の上のPt層がGaAs
中に拡散して合金化するようすを模式的に示す図であ
る。
中に拡散して合金化するようすを模式的に示す図であ
る。
【図5】Pt/Mo膜厚比に対するピンチオフ電圧Vp
のばらつきσの変化を示す図である。
のばらつきσの変化を示す図である。
【図6】本願発明の実施例と従来例において、Pt層の
種々の膜厚に対するピンチオフ電圧のばらつきを示す図
である。
種々の膜厚に対するピンチオフ電圧のばらつきを示す図
である。
11 半絶縁性GaAs基板 13 能動層 16 ソース電極 17 ドレイン電極 21 ゲート電極用金属層 22 ゲート電極 23 反応層
Claims (5)
- 【請求項1】 半導体基板に形成された能動層の上に、
Pt層を最下層とするゲート電極を形成し、当該ゲート
電極を熱処理することによってゲート電極と能動層をシ
ョットキー接合させた電界効果トランジスタにおいて、 熱処理前の前記ゲート電極は、最下層のPt層の上面に
Mo層が形成され、当該Mo層の上面にTi層が形成さ
れ、当該Ti層の上方に低抵抗金属層が形成されたもの
であることを特徴とする電界効果トランジスタ。 - 【請求項2】 熱処理前における最下層のPt層の膜厚
の、当該Pt層の上面のMo層の膜厚に対する比が、
0.5以上であることを特徴とする、請求項1に記載の
電界効果トランジスタ。 - 【請求項3】 前記Mo層の膜厚が、50Å以上500
Å以下であることを特徴とする、請求項1に記載の電界
効果トランジスタ。 - 【請求項4】 前記Pt層は熱処理によって能動層と完
全に反応していることを特徴とする、請求項1に記載の
電界効果トランジスタ。 - 【請求項5】 前記半導体基板が化合物半導体基板であ
ることを特徴とする、請求項1に記載の電界効果トラン
ジスタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35357496A JPH10177967A (ja) | 1996-12-16 | 1996-12-16 | 電界効果トランジスタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35357496A JPH10177967A (ja) | 1996-12-16 | 1996-12-16 | 電界効果トランジスタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10177967A true JPH10177967A (ja) | 1998-06-30 |
Family
ID=18431767
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35357496A Pending JPH10177967A (ja) | 1996-12-16 | 1996-12-16 | 電界効果トランジスタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10177967A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20000043197A (ko) * | 1998-12-28 | 2000-07-15 | 김영환 | 반도체소자의 게이트전극 형성방법 |
JP2006294700A (ja) * | 2005-04-06 | 2006-10-26 | Toshiba Corp | ヘテロ接合バイポーラトランジスタ |
WO2011115692A1 (en) * | 2010-03-17 | 2011-09-22 | Cree, Inc. | Multilayer diffusion barriers for wide bandgap schottky barrier devices |
JP6222408B1 (ja) * | 2017-02-27 | 2017-11-01 | 三菱電機株式会社 | 半導体装置及びその製造方法 |
-
1996
- 1996-12-16 JP JP35357496A patent/JPH10177967A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20000043197A (ko) * | 1998-12-28 | 2000-07-15 | 김영환 | 반도체소자의 게이트전극 형성방법 |
JP2006294700A (ja) * | 2005-04-06 | 2006-10-26 | Toshiba Corp | ヘテロ接合バイポーラトランジスタ |
WO2011115692A1 (en) * | 2010-03-17 | 2011-09-22 | Cree, Inc. | Multilayer diffusion barriers for wide bandgap schottky barrier devices |
US9142631B2 (en) | 2010-03-17 | 2015-09-22 | Cree, Inc. | Multilayer diffusion barriers for wide bandgap Schottky barrier devices |
JP6222408B1 (ja) * | 2017-02-27 | 2017-11-01 | 三菱電機株式会社 | 半導体装置及びその製造方法 |
WO2018154754A1 (ja) * | 2017-02-27 | 2018-08-30 | 三菱電機株式会社 | 半導体装置及びその製造方法 |
KR20190105641A (ko) * | 2017-02-27 | 2019-09-17 | 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 | 반도체 장치 및 그 제조 방법 |
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