JPH10168965A - 防水パン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗面台使用時や洗濯の際の水垂れ及び水跳ね
などを気にすることなく使用できるとともに床面全体に
水を流しての清掃も可能とし、床下配管設備の接続点検
作業もできるようにした外観の良好な防水パンを提供す
る。 【解決手段】 平面視が方形状をなす床面１ａの外周縁
に立設して形成した壁載置面１ｅに壁体及びドアが立設
される合成樹脂からなる防水パン１であって、方形状の
床面１ａの一隅付近に、周囲に前記床面１ａより立設さ
れた立ち上げ部１ｂを備えた開口部１ｃを設けて、この
開口部１ｃを覆って着脱自在に且つ防水パッキン９を介
して水密に蓋体８を取付ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば洗濯機が設
置される洗面室などの床に使用して好適な防水パンに関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来より浴室と洗面室とは隣接して配置
されることが多く、このうち浴室はユニット化が進んで
いるため床を防水パンで形成することが多いものの、一
方、洗面室においてはユニット化されておらず床は在来
工法で床板を貼って形成する場合が殆どであり、従っ
て、洗濯機や洗面台が設置される洗面室床面の防水性及
び床下に配設される配管設備などの点検に不都合を生じ
ていた。

【０００３】このため、従来においては、図５に示すよ
うに洗面室６内に設置される洗濯機５からの水漏れや結
露などで床１１が腐食するのを防止するために、一般的
に洗濯機パン１０を床面１１ａに設置することが多い。

【０００４】一方、洗面室における床下の配管設備を点
検できるようにするための方法としては図６（ａ）及び
（ｂ）に示すように、木質系の床パネルなどから構成さ
れた洗面室６の床面１１ａの一部に開閉可能な点検口用
の開口部１１ｃを設けるようにした構造が知られている
（例えば、特開平６−１０５２１号公報参照）。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術で述べたもののうち図５に示したように洗濯機パン
１０を床面１１ａに設置する方法においては、洗面室６
内に設置された洗面台４の使用や洗濯の際、あるいは浴
室から洗面室６に出る際などに、洗面室６の床面１１ａ
に水が垂れたり跳ねたりしないように注意して使用しな
ければならず、また、洗面室の床面が汚れた場合でも床
面に水を流しての清掃ができない問題点を有していた。

【０００６】さらに、洗濯機パン１０には外周に立ち上
がりが設けられている上に、洗濯機５と洗濯機パン１０
の設置面との隙間が小さいため洗濯機の下及び洗濯機周
囲の清掃が容易ではなく、加えて、洗濯機パン１０と洗
面室床面１１ａとの材質・柄・色相などが異なるため外
観的にも見苦しく、また、一般に洗濯機パンは洗濯機よ
りも大きく形成されているため邪魔となる問題点も有し
ていた。

【０００７】一方、後者の図６に示した床面１１ａの一
部に点検口用の開口部１１ｃを設けるようにしたものに
おいては床下の配管設備の点検が容易となる効果はある
ものの、前記と同様に洗面室の床面が汚れた場合に床面
に水を流しての清掃ができないという問題点を有してい
た。また、図６（ｂ）に示すように開口部１１ｃの蓋１
２と床パネルとの境界を床面材の模様１１ｄと一致させ
ることにより蓋１２が目立たないように図られてはいて
も、蓋１２が洗面室床面の中央部分に位置する場合には
目について違和感を伴う問題点があった。

【０００８】本発明は従来の技術の有するこのような問
題点に鑑みてなされたもので、洗面台使用時や洗濯の際
の水垂れ及び水跳ねなどを気にすることなく使用できる
とともに床面全体に水を流しての清掃も可能で、さら
に、床下配管設備の接続点検作業もできるようにした外
観の良好な防水パンを提供しようとするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１記載の発明は、平面視が方形状をなす床面
の外周縁に立設して壁載置面が形成され、該壁載置面の
一部又は全体に壁体及びドアが立設される合成樹脂から
なる防水パンであって、前記方形状の床面の一隅付近
に、周囲に前記床面より立設された立ち上げ部を備えた
開口部を設け、該開口部を覆って着脱自在且つ水密に蓋
体を取付けてなることを特徴とする特徴とする。

【００１０】請求項２記載の発明は、防水パン床面の水
洗い時における水の排水を容易とするために、請求項１
記載の発明において、床面に排水口が設けられ、該排水
口に向けて前記床面を下り勾配に形成したことを特徴と
する。

【００１１】本発明における防水パンの床面に設けられ
る開口部は、この開口部を着脱自在に覆う蓋体の上に主
として洗濯機を設置することを想定するとともに蓋体自
体がより目立たないように、方形状の床面の一隅付近に
位置して設けられるものである。また、合成樹脂からな
る防水パンに設けた開口部を覆う蓋体は、防水パンと違
和感が生じないように防水パンと同一の合成樹脂で形成
するのが好ましい。さらに、蓋体は、この上に設置され
る洗濯機の設置面積と略同じ程度の大きさに形成するの
が好ましく、この程度の大きさであれば蓋体を取り外し
て開口部から人が入ることができて、防水パン設置時の
レベル調整、配管接続作業及び設置後の床下点検などが
可能となる。

【００１２】本発明は、上記の構成によって、洗面台使
用時や洗濯の際の水垂れや水跳ねなどを気にすることな
く使用することができるとともに床面に水を流しての清
掃も可能で、さらに、蓋体を取り外すことにより開口部
を配管設備などの点検口として利用できる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係る防水パンの実
施形態について、図１乃至図４を参照しながら詳細に説
明する。

【００１４】図１は本発明による防水パンの第１実施例
を示し、（ａ）は防水パンの平面図、（ｂ）は（ａ）中
のＡ−Ａ拡大断面図、（ｃ）は（ｂ）中の開口部を覆っ
て蓋体を取付けた状態を示す断面図、図２は図１の防水
パンを洗面室の床パンとして使用した状態を示す斜視図
である。

【００１５】図１おいて、洗面室などの床面積に相当す
る大きさに形成される平面視が方形状の防水パン１はガ
ラス繊維などを補強材としたＦＲＰで形成され、方形状
をなす床面１ａの外周縁に立設して略平坦な壁載置面１
ｃが形成され、この壁載置面１ｃの部分には後述する図
２に示す壁体２及びドア３を立設して取付けることによ
り洗面室６などとしての部屋が構成される。

【００１６】防水パン１における方形状の床面１ａの一
隅部分には、図１（ｂ）に示すように周囲に床面１ａか
ら立設された立ち上げ部１ｄを備えた開口部１ｃを設け
る。開口部１ｃは、この開口部１ｃから人が入ることが
でき、又図１（ｃ）に示すように開口部１ｃを覆う蓋体
８の上に洗濯機が載置できる程度の大きさに形成され
る。図１（ｃ）に示すように上記蓋体８は、防水パン１
と同様にガラス繊維などを補強材としたＦＲＰを用いて
外周に垂下縁８ａを有する形状に形成され、前記開口部
１ｃ周囲の立ち上げ部１ｂ上面に装着された防水パッキ
ン９を介して、水密且つ着脱自在に開口部１ｃを覆って
取付けられている。なお、蓋体８は自重により防水パッ
キン９が多少つぶれて水密となる程度の重量とされ、必
要に応じてねじ止め固定するようにしてもよい。

【００１７】図１（ａ）に示すように、防水パン１の床
面１ａに水を流して清掃の際の水の排水性を配慮して、
床面１ａには排水口１ｄを設け、この排水口１ｄに向け
て水が流れるように床面１ａを下り勾配に形成する。

【００１８】なお、防水パン１と蓋体８とは意匠上から
材質を同じとするともに同一の外観意匠とするのが好ま
しい。

【００１９】上記の防水パン１は図２に示すように、床
面１ａの外周縁に立設して形成した図１に示した壁載置
面１ｅの部分に壁体２及びドア３が立設して取付けられ
るとともに、図示は省略したが天井パネルも取付けて部
屋が構成されることになり、この部屋に洗面台４、収納
７、及び前記の蓋体８上に設置して洗濯機５を組み込む
ことにより洗面室６が構成される。なお、防水パン１の
床面１ａ全面の水洗いが行いやすいようにするために、
洗面台４及び収納７などは防水パン１の床面１ａから離
して取付けるようにするのが好ましい。

【００２０】図３（ａ）及び（ｂ）は蓋体８で方形状の
床面１ａの隅まで覆うような大きさに形成した場合の第
２実施例を示す。

【００２１】図４（ａ）及び（ｂ）は、開口部１ｃの周
囲に立設した立ち上げ部１ｂの外周と蓋体８外周の垂下
縁８ａが略面一となる寸法に形成して、床面１ａに水が
流れた場合における開口部１ｃ部分への水の侵入をより
防止する場合の第３実施例を示す。

【００２２】なお、上記いずれの実施例においても開口
部１ｃ及び蓋体８の形状を方形状としたが、これに限ら
ず、円形やコーナーを隅切りして多角形状としてもよ
い。

【００２３】

【発明の効果】以上説明した通り本発明は、平面視が方
形状をなす床面の外周縁に立設して壁載置面が形成さ
れ、この壁載置面の一部又は全体に壁体及びドアが立設
される合成樹脂からなる防水パンの床面の一隅付近に、
周囲に床面より立設された立ち上げ部を備えた開口部を
設け、この開口部を覆って着脱自在且つ水密に蓋体を取
付けた防水パンであり、この防水パンを洗面室などの床
パンとして使用することにより洗面台使用時や洗濯の際
の水垂れ及び水跳ねなどを気にすることなく使用できる
ともに床面全体に水を流しての清掃も可能となり、さら
に、通常は蓋体上を洗濯機の設置場所として利用し、必
要に応じて蓋体を取り外せば開口部を床下配管設備の接
続点検作業の点検口としても利用できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例を示し、（ａ）は防水パン
の平面図、（ｂ）は（ａ）中のＡ−Ａ断面図、（ｃ）は
（ｂ）に蓋体に取付けた状態の断面図である。

【図２】図１に示した防水パンを洗面室に使用した状態
の斜視図である。

【図３】本発明の第２実施例を示し、（ａ）は防水パン
の平面図、（ｂ）は（ａ）中のＢ−Ｂ断面図である。

【図４】本発明の第３実施例を示し、（ａ）は防水パン
の平面図、（ｂ）は（ａ）中のＣ−Ｃ断面図である。

【図５】従来例による洗面室を示す斜視図である。

【図６】図５とは別の従来例を示し、（ａ）は床に点検
用の開口部を設けた洗面室の斜視図、（ｂ）は（ａ）の
開口部への蓋体の取付けを示す説明斜視図である。

【符号の説明】

１…防水パン １ａ…床面 １ｂ…立ち上げ部 １ｃ…開
口部 １ｄ…排水口 １ｅ…壁
載置面 ２…壁体 ３…ドア ４…洗面台 ５…洗濯
機 ６…洗面室 ７…収納 ８…蓋体 ８ａ…垂下
縁 ９…防水パッキン １０…洗濯
機パン １１…床 １１ａ…床
面 １１ｃ…開口部 １１ｄ…
模様 １２…蓋体

フロントページの続き (72)発明者 鈴木 明彦 東京都板橋区板橋三丁目９番７号 日立化 成工業株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 平面視が方形状をなす床面の外周縁に立
   設して壁載置面が形成され、該壁載置面の一部又は全体
   に壁体及びドアが立設される合成樹脂からなる防水パン
   であって、前記方形状の床面の一隅付近に、周囲に前記
   床面より立設された立ち上げ部を備えた開口部を設け、
   該開口部を覆って着脱自在且つ水密に蓋体を取付けてな
   ることを特徴とする防水パン。
2. 【請求項２】 床面に排水口が設けられ、該排水口に向
   けて前記床面を下り勾配に形成したことを特徴とする請
   求項１記載の防水パン。