JPH10168130A - エチレン−α−オレフィン共重合体 - Google Patents

エチレン−α−オレフィン共重合体

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JPH10168130A
JPH10168130A JP33571496A JP33571496A JPH10168130A JP H10168130 A JPH10168130 A JP H10168130A JP 33571496 A JP33571496 A JP 33571496A JP 33571496 A JP33571496 A JP 33571496A JP H10168130 A JPH10168130 A JP H10168130A
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ethylene
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Yoshiyuki Ishihama
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Tsutomu Mori
勉 森
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治 赤池
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 フィルムに成形した場合、成形安定性に優
れ、透明性、光沢、腰に優れ、べたつきの少ないフィル
ムを得ることができる、エチレン−α−オレフィン共重
合体の提供。 【解決手段】 エチレンと炭素数3〜20のα−オレフ
ィンとの共重合体であって、下記条件(a)〜(e)を
満たすエチレン−α−オレフィン共重合体。 (a)メルトフローレート(MFR)が0.1以上50
g/10分以下 (b)密度(d)が0.850以上0.950g/cm
3 以下 (c)2.0≦Mw/Mn≦5.0 (d)190℃、周波数6.31×10-3rad/se
cでの、貯蔵弾性率(G’)が下記式を満足すること G’≧4.0×10-1 (e)同じく貯蔵弾性率(G’)及び損失弾性率
(G”)が下記式を満足すること G’/[(G”)2]≧4.0×10-4

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエチレン−α−オレ
フィン共重合体に関するものである。更に詳しくは、本
発明は、特定のMFR、分子量分布、溶融粘弾性測定に
おける極低周波数域の貯蔵弾性率、損失弾性率、また、
それら弾性率から算出される特定の値を有するエチレン
−α−オレフィン共重合体に関するものであり、本発明
の共重合体をフィルムに成形した場合、成形安定性に優
れ、透明性、光沢、腰に優れたフィルムを得ることがで
きる。
【0002】
【従来の技術】従来から、エチレンとα−オレフィンと
の共重合体は、それをインフレーションフィルム成形し
て得られるフィルムが、引張強度および衝撃強度等の機
械的特性に優れているために、袋用途を中心に様々な用
途に大量に使用されている。しかし、エチレンとα−オ
レフィンとの共重合体のみをインフレーション成形して
得られるフィルムは、多くの用途で透明性が十分でない
という問題点があった。
【0003】一方、近年メタロセン触媒を用いて製造さ
れたエチレン−α−オレフィン共重合体が提案されてい
るが、従来のエチレン−α−オレフィン共重合体よりも
透明性はいくらか改良されるものの十分でなく、また、
分子量分布が狭いが故に溶融樹脂の粘度のせん断速度依
存性が小さく、成型時の流動性が優れないため、メルト
フラクチャーなどを起こしやすく、更には溶融弾性も低
く、成形時のバブル安定性は必ずしも好ましいものでは
ない。
【0004】そこで、重合を多段で行ったり(特開平3
−23717号公報参照)、メタロセン化合物を2種類
以上併用して重合を行ったり(特開平5−155932
号、及び、特開平昭60−35006号公報参照)する
方法によって、分子量分布を広げ、ポリエチレンの成形
特性を改良しようとする提案や、メタロセン触媒を用い
て製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体に、高
圧法で製造されたポリエチレンを混合する方法等が提案
されている。
【0005】また、分子量分布が狭いにも関わらず、流
動性に優れることが特徴である、とうたわれている出願
(国際特許出願公開WO93/08221号公報)があ
るが、この出願に記載の樹脂であっても、流動性、成形
性が若干前者の提案よりも優れているものの、透明性が
充分ではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そのため、エチレン−
α−オレフィン共重合体の持つ優れた機械的特性と加工
適性を損なうことなく、フィルムにした際に十分な透明
性を持つエチレン−α−オレフィン共重合体の開発が待
たれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決すべく、種々検討を行った結果、分子量分布が
比較的狭く、極低周波数域の貯蔵弾性率が十分大きく、
また、該貯蔵弾性率と損失弾性率から算出される値が特
定の条件を有するものが、上記の課題を解決することを
見い出し、本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明によるエチレン−α−オ
レフィン共重合体は、エチレンと炭素数3〜20のα−
オレフィンとの共重合体であって、下記条件(a)〜
(e)を満たすことを特徴とするエチレン−α−オレフ
ィン共重合体である。 (a)メルトフローレート(MFR)が0.1以上50
g/10分以下 (b)密度(d)が0.850以上0.950g/cm
3 以下 (c)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)
の比が下記式を満足すること
【0009】
【数7】2.0≦Mw/Mn≦5.0 …(1)
【0010】(d)190℃、周波数6.31×10-3
rad/secでの、貯蔵弾性率(G’)が下記式を満
足すること
【0011】
【数8】G’≧4.0×10-1 …(2)
【0012】(e)190℃、周波数6.31×10-3
rad/secでの、貯蔵弾性率(G’)及び損失弾性
率(G”)との関係が下記式を満足すること
【0013】
【数9】 G’/[(G”)2 ]≧4.0×10-4 …(3)
【0014】前記条件(a)〜(c)が、下記の通りで
ある、エチレン−α−オレフィン共重合体が好ましい。 (a)メルトフローレート(MFR)が0.1以上20
g/10分以下 (b)密度(d)が0.900以上0.935g/cm
3 以下 (c)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)
の比が下記式を満足すること
【0015】
【数10】 2.0≦Mw/Mn≦3.4 …(1’)
【0016】更に、前記好ましい(a)〜(C)の条件
に加えて、前記条件(d)及び(e)が、下記の通りで
ある、エチレン−α−オレフィン共重合体が好ましい。 (d)190℃、周波数6.31×10-3rad/se
cでの、貯蔵弾性率(G’)が下記式を満足すること
【0017】
【数11】G’≧6.0×10-1 …(2’)
【0018】(e)190℃、周波数6.31×10-3
rad/secでの、貯蔵弾性率(G’)及び損失弾性
率(G”)との関係が下記式を満足すること
【0019】
【数12】 G’/[(G”)2 ]≧5.0×10-4 …(3’)
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の共重合体は、メルトフロ
ーレート(MFR)が0.1以上50g/10分以下、
好ましくは0.1以上20g/10分以下であることが
必要である(条件(a))。MFRが小さすぎると、溶
融時の流動性が不充分となり、成形品の表面肌荒れを引
き起こす。また大きすぎると、成形品の強度が低下す
る。
【0021】尚、MFRはJIS K6760に準拠
し、190℃、2.16kg荷重で測定したものをい
う。また、本発明の共重合体は、密度が0.850以上
0.950g/cm3 以下、好ましくは0.900g/
cm3 以上0.935g/cm3 以下である(条件
(b))。密度が小さすぎると、フィルム表面のべとつ
きが発生し、またフィルム成形品の腰が充分でなく、製
袋機等における加工適正が劣り好ましくない。逆に大き
すぎると、フィルムの透明性が充分でなくなり、衝撃強
度も弱くなる。
【0022】尚、密度はメルトインデックス測定時に得
られるストランドを100℃で1時間熱処理し、さらに
室温で1時間放冷した後に密度勾配管法で測定したもの
をいう。本発明の共重合体は、重量平均分子量(Mw)
と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが、2.0以上
5.0以下、好ましくは2.0以上3.4以下であるこ
とが必要である(条件(c))。この範囲よりも小さす
ぎると、溶融加工時に十分な流動性が確保できず、比較
的小さい押出し速度においても、メルトフラクチャーに
よる表面荒れをもたらすので、透明性に優れるフィルム
が得られないという問題が、また大きすぎると、結晶サ
イズが大きくなるため、フィルムの透明性が悪化し、更
には、フィルム表面のべとつきの原因となる低分子量成
分が増加するため、フィルム用途に適さないという問題
が生じる。
【0023】尚、重量平均分子量(Mw)及び数平均分
子量(Mn)はゲルパーミエーション・クロマトグラフ
ィー(GPC)法で測定したものを言う。即ち、分子量
既知の標準ポリスチレンを使用し、ユニバーサル法によ
り、数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)
に換算し、Mw/Mnを求めたものを言う。測定はウオ
ーターズ社製IOSC−ALC/GPCを用い、カラム
は昭和電工社製AD80−M/Sを3本使用し、試料は
o−ジクロロベンゼンに溶解させて0.2重量%溶液と
して、200μlを使用し、140℃、流速1ml/分
で実施した。
【0024】本発明の共重合体は、190℃、周波数
6.31×10-3rad/secでの、貯蔵弾性率
(G’)が下記式を満足することが必要である(条件
(d))
【0025】
【数13】G’≧4.0×10-1 …(2)
【0026】更には、下記式を満足するのが好ましい。
【0027】
【数14】G’≧6.0×10-1 …(2’)
【0028】また、通常貯蔵弾性率は、5.0×102
以下、好ましくは2.0×102 以下である。このG’
が小さすぎると、インフレーションフィルム成形時のバ
ブル安定性が確保されず、また大きすぎると、ダイ出口
での表面荒れ(表面凹凸)が発生し、フィルムの透明性
が悪化する傾向がある。
【0029】また、本発明の共重合体は、190℃、周
波数6.31×10-3rad/secでの、貯蔵弾性率
(G’)及び損失弾性率(G”)との関係が下記式を満
足することが必要である(条件(e))。(尚、以下、
この貯蔵弾性率と損失弾性率との関係から得られる値を
J値と呼ぶことがある。)
【0030】
【数15】 G’/[(G”)2 ]≧4.0×10-4 …(3)
【0031】更には、下記式を満足するのが好ましい。
【0032】
【数16】 G’/[(G”)2 ]≧5.0×10-4 …(3’)
【0033】また、通常このJ値は、1.0×10-1
下、好ましくは5.0×10-1以下である。
【0034】
【数17】 G’/[(G”)2 ]≧4.0×10-4 …(3)
【0035】G’が同じ大きさの場合、J値が小さすぎ
ると、結晶サイズが大きくなり、フィルムの透明性が悪
化するという問題が生じ、また大きすぎると、ダイ出口
での表面荒れ(表面凹凸)が発生し、フィルムの透明性
が悪化する傾向がある。
【0036】尚、貯蔵弾性率(G’)及び損失弾性率
(G”)は、応力制御式溶融粘弾性測定装置(レオメト
リックス社製、DSR)を用い、同装置操作マニュアル
「controled stress test Guid」に記載されている、Dy
namic Frequency Sweepモード測定法に従って測定され
る値である。即ち、窒素ガス雰囲気下190℃、負荷応
力10Paで、周波数1.0×100rad/secか
ら測定を開始し、周波数一桁あたり5点の測定数で、
3.98×10-3rad/secまで測定を行った時
の、周波数6.31×10-3rad/secでのG’及
びG”の値である。
【0037】DSRの測定に用いる試料は、熱安定剤と
して、n−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジ−t−ブチル−フェノール)プロピオネ
ート0.05重量%、テトラキス(2,4−ジ−t−ブ
チルフェニル)4,4’−ビフェニレンジフォスファイ
ト0.05重量%、及び、ステアリン酸カルシウム0.
05重量%を添加した後、200℃の熱プレスにて、直
径25mm、厚さ2mmのディスク状試験片としたもの
である。
【0038】本発明の共重合体は、通常の重合体よりも
低めであるが、この大きめのG’値及びJ値は、長時間
緩和成分量と間時間分布な場に起因しており、この長時
間緩和成分の存在がインフレーションフィルム成形時に
おけるフィルムの結晶化挙動に影響を与え、微結晶サイ
ズを小さくしてフィルム透明性を向上させると考えられ
る。
【0039】更にまた、本発明の共重合体は、Mw/M
n値と、MFR測定と同一装置を用いて190℃におい
て測定される2.16kg荷重および10kg荷重の条
件下で測定した流出量比(FR)、すなわちFR=(1
0kg荷重時の流出量)/(2.16kg荷重時の流出
量)が、下記式(1)
【0040】
【数18】 0.38Mw/Mn+5.0≦FR≦2.80Mw/Mn+3.20 …(1)
【0041】を満たすことが好ましい。Mw/MnとF
Rの関係において、FRが上式範囲より大きい場合、溶
融時の流動性に優れるものの、フィルム成形時のダイ出
口での樹脂流動に相当するせん断速度域における溶融弾
性が大きすぎるために、インフレーションフィルム成形
時にダイ出口での表面荒れ(表面凹凸)が発生し、フィ
ルムの透明性は悪くなる傾向がある。またFRが上式範
囲より小さい場合、溶融加工時に十分な流動性が確保で
きず、比較的低い押出速度においてもメルトフラクチャ
ーによる表面荒れをもたらし、透明性に優れるフィルム
が得られないことはもちろん、最悪の場合インフレーシ
ョンフィルム成形時のバブルの安定性が確保できないた
め成形が困難となる傾向がある。より優れた成形性及び
透明性を有する共重合体のFR値の範囲は下記式(2)
【0042】
【数19】 0.38Mw/Mn+5.0≦FR≦Mw/Mn+4.63 …(2)
【0043】を満たす範囲である。上記した本発明の共
重合体を得るためには、例えば、いわゆるメタロセン触
媒によって別々に製造したエチレン−α−オレフィン共
重合体を混練によってブレンドする方法、重合を設定密
度条件の異なる一連の多段の工程で行う方法、あるい
は、2種類のメタロセン化合物を併用して密度の異なる
共重合体を得る方法など、種々の方法があり、上記
(a)〜(e)の特性を満足するものであれば特に限定
されないが、下記〔A〕〜〔C〕からなる触媒成分を用
いて重合させて得られた共重合体が好ましい。
【0044】〔A〕メタロセン系遷移金属化合物 〔B〕イオン交換性層状化合物又は非層状構造無機珪酸
塩、及び、必要に応じて、 〔C〕有機アルミニウム化合物 前記〔A〕成分であるメタロセン系遷移金属化合物は、
置換されていてもよい1個もしくは2個のシクロペンタ
ジエニル系配位子あるいは置換基が結合して縮合環を形
成していてもよい1個から2個のシクロペンタジエニル
環含有配位子と長周期表(1989年にIUPACによ
り推奨された18族方式に基づくものである。以下同
様)の3、4、5、6族の遷移金属とからなる有機金属
化合物、あるいはそれらのカチオン型錯体である。かか
るメタロセン系遷移金属化合物として好ましいものは、
下記一般式〔1〕もしくは〔2〕で表される化合物であ
る。
【0045】
【化1】 (CpR4 a 5-a p (CpR5 b 5-b q MR6 r …〔1〕 〔(CpR4 a 5-a p (CpR5 b 5-b q MR6 r m n+〔R7 n- …〔2〕
【0046】ここで、CpR4 a 5-a およびCpR5
b 5-b は、シクロペンタジエニル(Cp)基の誘導体
を示す。
【0047】〔1〕、〔2〕式中、R4 、R5 は、炭素
数1から20の置換されていてもよい炭化水素基、ケイ
素含有置換基、リン含有置換基、窒素含有置換基、酸素
含有置換基であり各々同一でも異なっていてもよい。具
体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペン
チル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オ
クチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニ
ル基、p−トリル基、o−トリル基、m−トリル基等の
アリール基、フルオロメチル基、フルオロエチル基、フ
ルオロフェニル基、クロロメチル基、クロロエチル基、
クロロフェニル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基、
ブロモフェニル基、ヨードメチル基、ヨードエチル基、
ヨードフェニル基等のハロ置換炭化水素基、トリメチル
シリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基
等のケイ素含有置換基、メトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキ
シ基、t−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ
基、メチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキシ基、
p−トリルオキシ基、o−トリルオキシ基、m−トリル
オキシ基等のアリールオキシ基等が挙げられる。これら
のうち好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、
イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル
基等の炭素数1〜4のアルキル基、トリメチルシリル
基、メトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のア
リールオキシ基等である。
【0048】また、R4 とR5 は、互いに結合して架橋
基を形成してもよい。具体的には、メチレン基、エチレ
ン基のようなアルキレン基、エチリデン基、プロピリデ
ン基、イソプロピリデン基、フェニルメチリデン基、ジ
フェニルメチリデン基のようなアルキリデン基、ジメチ
ルシリレン基、ジエチルシリレン基、ジプロピルシリレ
ン基、ジイソプロピルシリレン基、ジフェニルシリレン
基、メチルエチルシリレン基、メチルフェニルシリレン
基、メチルイソプロピルシリレン基、メチル−t−ブチ
ルシリレン基のようなケイ素含有架橋基、ジメチルゲル
ミレン基、ジエチルゲルミレン基、ジプロピルゲルミレ
ン基、ジイソプロピルゲルミレン基、ジフェニルゲルミ
レン基、メチルエチルゲルミレン基、メチルフェニルゲ
ルミレン基、メチルイソプロピルゲルミレン基、メチル
−t−ブチルゲルミレン基のようなゲルマニウム含有架
橋基等、アミノ基等、ホスフィニル基等が挙げられる。
【0049】さらにR4 同士、またはR5 同士で互いに
結合して環を形成していてもよい。具体的には、インデ
ニル基、テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基、
オクタヒドロフルオレニル基等が好ましく挙げられ、こ
れらは置換されていてもよい。
【0050】R6 は炭素数1から20の置換されていて
もよい炭化水素基、水素、ハロゲン、ケイ素含有置換
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、また
はチオアルコキシ基であり、具体的には、メチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソ
ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、
デシル基等のアルキル基、フェニル基、p−トリル基、
o−トリル基、m−トリル基等のアリール基、フルオロ
メチル基、フルオロエチル基、フルオロフェニル基、ク
ロロメチル基、クロロエチル基、クロロフェニル基、ブ
ロモメチル基、ブロモエチル基、ブロモフェニル基、ヨ
ードメチル基、ヨードエチル基、ヨードフェニル基等の
ハロ置換炭化水素基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等の
ハロゲン、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、
トリフェニルシリル基等のケイ素含有置換基、メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブ
トキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基等のアルコ
キシ基、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ペンタメ
チルフェノキシ基、p−トリルオキシ基、m−トリルオ
キシ基、o−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、ジ
メチルアミド基、ジエチルアミド基、ジプロピルアミド
基、ジイソプロピルアミド基、エチル−t−ブチルアミ
ド基、ビス(トリメチルシリル)アミド基等のアミド
基、メチルチオアルコキシ基、エチルチオアルコキシ
基、プロピルチオアルコキシ基、ブチルチオアルコキシ
基、t−ブチルチオアルコキシ基、フェニルチオアルコ
キシ基等のチオアルコキシ基が挙げられる。これらの内
好ましくは、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、
イソプロピル基、ブチル基、フェニル基、塩素等のハロ
ゲン、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプ
ロポキシ基、ジメチルアミド基、メチルチオアルコキシ
基が挙げられ、水素、メチル基、塩素が特に好ましい。
【0051】またR6 は、R4 もしくはR5 もしくはC
pと結合していてもよく、このような配位子の具体例と
して、CpH4 (CH2 n O−(1≦n≦5)、Cp
Me 4 (CH2 n O−(1≦n≦5)、CpH4 (M
2 Si)(t−Bu)N−、CpMe4 (Me2
i)(t−Bu)N−等(Cpはシクロペンタジエニル
基、Meはメチル基、Buはブチル基を示す)が挙げら
れる。更に、R6 が相互に結合して二座配位子を形成し
てもよい。このようなR6 の具体例としては、−OCH
2 O−、−OCH2 CH2 O−、−O(o−C6 4
O−等が挙げられる。
【0052】Mは周期律表第3、4、5、6族の原子で
あり、具体的には、スカンジウム、イットリウム、ラン
タン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウ
ム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプ
ロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテ
ルビウム、ルテチウム、アクチニウム、トリウム、プロ
トアクチニウム、ウラン、チタニウム、ジルコニウム、
ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、
モリブデン、タングステンが挙げられる。これらのう
ち、4族のチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムが好
ましく用いられる。また、これらは混合して用いてもよ
い。
【0053】Lは電気的に中性な配位子、mはその個数
で0以上の整数を示し、具体的にはジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類、
アセトニトリルのようなニトリル類、ジメチルホルムア
ミドのようなアミド類、トリメチルホスフィンのような
ホスフィン類、トリメチルアミンのようなアミン類を挙
げることができる。好ましくはテトラヒドロフラン、ト
リメチルホスフィン、トリメチルアミンである。
【0054】〔R7 n-はカチオンを中和する1個また
は2個以上のアニオンであり、具体的には、テトラフェ
ニルボレート、テトラ(p−トリル)ボレート、カルバ
ドデカボレート、ジカルバウンデカボレート、テトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラフルオ
ロボレート、ヘキサフルオロフォスフェート等を挙げる
ことが出来る。好ましくは、テトラフェニルボレート、
テトラ(p−トリル)ボレート、テトラフルオロボレー
ト、ヘキサフルオロフォスフェートである。a、bは0
〜5の整数である。またp、q、rはMの価数をVとし
た時に、メタロセン系遷移金属化合物が式〔1〕の場合
には、p+q+r=Vを満たす0または正の整数であ
り、メタロセン系遷移金属化合物が式〔2〕の場合には
p+q+r=V−nを満たす0または正の整数である。
通常p、qは0〜3の整数で、好ましくは0又は1であ
る。rは0〜3の整数で好ましくは1又は2である。n
は0≦n≦Vを満たす整数である。
【0055】上記した触媒は、アイソタクチック重合
体、シンジオタクチック重合体およびアタクチック重合
体のいずれをも製造することが出来る。上述のメタロセ
ン系遷移金属化合物は、具体的には、ジルコニウムを例
に取れば、式〔1〕に相当するものとしては、ビス(メ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジメチル、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジメチル、ビス(メチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウム二水素化物、ビス(エチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウム二水素化物、ビス(ジメチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ビス(エチルテトラメチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ジメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(ト
リメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチ
ル、ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジメチル、ビス(エチルテトラメチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(インデニ
ル)ジルコニウムジメチル、ビス(ジメチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウム二水素化物、ビス(トリメチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウム二水素化物、ビ
ス(エチルテトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウム二水素化物、ビス(トリメチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジメチル、ビス(トリメチルシリル
シクロペンタジエニル)ジルコニウム二水素化物、ビス
(トリフルオロメチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ビス(トリフルオロメチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(トリフルオ
ロメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム二水素化
物、イソプロピリデン−ビス(インデニル)ジルコニウ
ムジクロライド、イソプロピリデン−ビス(インデニ
ル)ジルコニウムジメチル、イソプロピリデン−ビス
(インデニル)ジルコニウム二水素化物、ペンタメチル
シクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ペンタメチルシクロペンタジエニル
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ペン
タメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウム二水素化物、エチルテトラメチルシク
ロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウ
ム二水素化物、イソプロピリデン(シクロペンタジエニ
ル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプ
ロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)
ジルコニウムジメチル、ジメチルシリル(シクロペンタ
ジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジメチル、イ
ソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニ
ル)ジルコニウム二水素化物、ビス(シクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジメチル、ビス(シクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジメチル、ビス(シクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジプロピル、ビス(シクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジフェニル、メチルシクロペン
タジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、エチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、メチルシクロペンタ
ジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチ
ル、エチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジメチル、メチルシクロペンタジエニ
ル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム二水素化物、
エチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)
ジルコニウム二水素化物、ジメチルシクロペンタジエニ
ル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
トリメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、テトラメチルシクロペン
タジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、テトラメチルシクロペンタジエ
ニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、インデニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、ジメチルシクロペンタジエニル(シクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジメチル、トリメチルシク
ロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジメチル、テトラメチルシクロペンタジエニル(シク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(ペン
タメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチ
ル、エチルテトラメチルシクロペンタジエニル(シクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、インデニル
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ジメ
チルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジ
ルコニウム二水素化物、トリメチルシクロペンタジエニ
ル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム二水素化物、
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ム二水素化物、インデニル(シクロペンタジエニル)ジ
ルコニウム二水素化物、トリメチルシリルシクロペンタ
ジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチ
ル、トリメチルシリルシクロペンタジエニル(シクロペ
ンタジエニル)ジルコニウム二水素化物、トリフルオロ
メチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、トリフルオロメチルシクロペ
ンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
メチル、トリフルオロメチルペンタジエニル(シクロペ
ンタジエニル)ジルコニウム二水素化物、ビス(シクロ
ペンタジエニル)(トリメチルシリル)(メチル)ジル
コニウム、ビス(シクロペンタジエニル)(トリフェニ
ルシリル)(メチル)ジルコニウム、ビス(シクロペン
タジエニル)〔トリス(トリメチルシリル)シリル〕
(メチル)ジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニ
ル)〔ビス(メチルシリル)シリル〕(メチル)ジルコ
ニウム、ビス(シクロペンタジエニル)(トリメチルシ
リル)(トリメチルシリルメチル)ジルコニウム、ビス
(シクロペンタジエニル)(トリメチルシリル)(ベン
ジル)ジルコニウム、メチレン−ビス(シクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン−ビス(シ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプ
ロピリデン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ジメチルシリル−ビス(シクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、メチレン−ビス(シ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、エチレン
−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチ
ル、イソプロピリデン−ビス(シクロペンタジエニル)
ジルコニウムジメチル、ジメチルシリル−ビス(シクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、メチレン−ビ
ス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム二水素化物、
エチレン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム
二水素化物、イソプロピリデン−ビス(シクロペンタジ
エニル)ジルコニウム二水素化物、ジメチルシリル−ビ
ス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム二水素化物、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(メタ
ンスルホナト)、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムビス(p−トルエンスルホナト)、ビス(シクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタ
ンスルホナト)、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムトリフルオロメタンスルホナトクロリド、ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(ベンゼン
スルホナト)、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムビス(ペンタフルオロベンゼンスルホナト)、ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムベンゼンスルホ
ナトクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウム(エトキシ)トリフルオロメタンスルホナト、ビス
(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビ
ス(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス(インデニ
ル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナ
ト)、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビス
(トリフルオロメタンスルホナト)、イソプロピリデン
−ビス(インデニル)ジルコニウムビス(トリフルオロ
メタンスルホナト)、(第3級ブチルアミド)ジメチル
(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランジベンジ
ルジルコニウム、(第3級ブチルアミド)ジメチル
(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニ
ル)シランジベンジルジルコニウム、インデニルジルコ
ニウムトリス(ジメチルアミド)、インデニルジルコニ
ウムトリス(ジエチルアミド)、インデニルジルコニウ
ムトリス(ジ−n−プロピルアミド)、シクロペンタジ
エニルジルコニウムトリス(ジメチルアミド)、メチル
シクロペンタジエニルジルコニウムトリス(ジメチルア
ミド)、(第3級ブチルアミド)(テトラメチルシクロ
ペンタジエニル)−1,2−エタンジイルジルコニウム
ジクロリド、(メチルアミド)−(テトラメチルシクロ
ペンタジエニル)−1,2−エタンジイルジルコニウム
ジクロリド、(エチルアミド)(テトラメチルシクロペ
ンタジエニル)メチレンジルコニウムジクロリド、(第
3級ブチルアミド)ジメチル−(テトラメチルシクロペ
ンタジエニル)シランジルコニウムジクロリド、(ベン
ジルアミド)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエ
ニル)シランジルコニウムジクロリド、(フェニルホス
フィド)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニ
ル)シランジルコニウムジベンジル、(フェニルアミ
ド)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニル)シ
ランジルコニウムジクロリド、(2−メトキシフェニル
アミド)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニ
ル)シランジルコニウムジクロリド、(4−フルオロフ
ェニルアミド)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジ
エニル)シランジルコニウムジクロリド、((2,6−
ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)ジメチル
(テトラメチルシクロペンタジエニル)アミドジルコニ
ウムジクロリド等である。
【0056】また、一般式〔2〕に相当するものとして
は、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
(クロリド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロ
フラン錯体、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウム(クロリド)(テトラフェニルボレート)テト
ラヒドロフラン錯体、ビス(メチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレー
ト)テトラヒドロフラン錯体、ビス(エチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニル
ボレート)テトラヒドロフラン錯体、ビス(メチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラ
フェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、ビス(エ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(ヒドリド)
(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
(クロリド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロ
フラン錯体、ビス(トリメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウム(クロリド)(テトラフェニルボレート)
テトラヒドロフラン錯体、ビス(テトラメチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウム(クロリド)(テトラフェ
ニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、ビス(エチル
テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(ク
ロリド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラ
ン錯体、ビス(インデニル)ジルコニウム(クロリド)
(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフ
ラン錯体、ビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テト
ラヒドロフラン錯体、ビス(テトラメチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボ
レート)テトラヒドロフラン錯体、ビス(エチルテトラ
メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(メチル)
(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
ビス(インデニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフ
ェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、ビス(ジメ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(ヒドリド)
(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
ビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロ
フラン錯体、ビス(エチルテトラメチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボ
レート)テトラヒドロフラン錯体、ビス(トリメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウム(メチル)(テトラ
フェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、ビス(ト
リメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロ
フラン錯体、ビス(トリフルオロメチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレ
ート)テトラヒドロフラン、ビス(トリフルオロメチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テ
トラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、イソ
プロピリデン−ビス(インデニル)ジルコニウム(クロ
ライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラ
ン錯体、イソプロピリデン−ビス(インデニル)ジルコ
ニウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒ
ドロフラン錯体、イソプロピリデン−ビス(インデニ
ル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレー
ト)テトラヒドロフラン錯体、ペンタメチルシクロペン
タジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(ク
ロリド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラ
ン錯体、エチルテトラメチルシクロペンタジエニル(シ
クロペンタジエニル)ジルコニウム(クロリド)(テト
ラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、ペンタ
メチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)
ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テ
トラヒドロフラン錯体、エチルテトラメチルシクロペン
タジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(メ
チル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン
錯体、ペンタメチルシクロペンタジエニル(シクロペン
タジエニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニ
ルボレート)テトラヒドロフラン錯体、エチルテトラメ
チルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジ
ルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)テ
トラヒドロフラン錯体、イソプロピリデン(シクロペン
タジエニル)(フルオレニル)ジルコニウム(クロリ
ド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯
体、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フル
オレニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボ
レート)テトラヒドロフラン錯体、イソプロピリデン
(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウ
ム(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)テトラヒド
ロフラン錯体、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウム(クロリド)(テトラフェニルボレート)テトラヒ
ドロフラン錯体、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコ
ニウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒ
ドロフラン錯体、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコ
ニウム(エチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒ
ドロフラン錯体、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコ
ニウム(プロピル)(テトラフェニルボレート)テトラ
ヒドロフラン錯体、ビス(シクロペンタジエニル)ジル
コニウム(フェニル)(テトラフェニルボレート)テト
ラヒドロフラン錯体、メチルシクロペンタジエニル(シ
クロペンタジエニル)ジルコニウム(クロリド)(テト
ラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、エチル
シクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコ
ニウム(クロリド)(テトラフェニルボレート)テトラ
ヒドロフラン錯体、ビス(エチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウム(クロリド)(テトラフェニルボレー
ト)テトラヒドロフラン錯体、メチルシクロペンタジエ
ニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(メチル)
(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
エチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)
ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テ
トラヒドロフラン錯体、メチルシクロペンタジエニル
(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(ヒドリド)
(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
エチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)
ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)
テトラヒドロフラン錯体、ジメチルシクロペンタジエニ
ル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(クロリド)
(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
トリメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウム(クロリド)(テトラフェニルボレー
ト)テトラヒドロフラン錯体、テトラメチルシクロペン
タジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(ク
ロリド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラ
ン錯体、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウム(クロリド)(テトラフェニルボレート)テ
トラヒドロフラン錯体、インデニル(シクロペンタジエ
ニル)ジルコニウム(クロリド)(テトラフェニルボレ
ート)テトラヒドロフラン錯体、ジメチルシクロペンタ
ジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(メチ
ル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯
体、トリメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジ
エニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレ
ート)テトラヒドロフラン錯体、テトラメチルシクロペ
ンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム
(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフ
ラン錯体、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テ
トラヒドロフラン錯体、シクロペンタジエニル(インデ
ニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレー
ト)テトラヒドロフラン錯体、ジメチルシクロペンタジ
エニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(ヒドリ
ド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯
体、トリメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジ
エニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボ
レート)テトラヒドロフラン錯体、ビス(ペンタメチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テ
トラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、イン
デニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(ヒドリ
ド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯
体、トリメチルシリルシクロペンタジエニル(シクロペ
ンタジエニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニ
ルボレート)テトラヒドロフラン錯体、トリメチルシリ
ルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジル
コニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)テト
ラヒドロフラン錯体、トリフルオロメチルシクロペンタ
ジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(ヒド
リド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン
錯体、ビス(シクロペンタジエニル)(トリメチルシリ
ル)ジルコニウム(テトラフェニルボレート)テトラヒ
ドロフラン錯体、ビス(シクロペンタジエニル)(トリ
フェニルシリル)ジルコニウム(テトラフェニルボレー
ト)テトラヒドロフラン錯体、ビス(シクロペンタジエ
ニル)〔トリス(トリメチルシリル)シリル〕ジルコニ
ウム(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯
体、ビス(シクロペンタジエニル)(トリメチルシリル
メチル)ジルコニウム(テトラフェニルボレート)テト
ラヒドロフラン錯体、ビス(シクロペンタジエニル)
(ベンジル)ジルコニウム(テトラフェニルボレート)
テトラヒドロフラン錯体、メチレン−ビス(シクロペン
タジエニル)ジルコニウム(クロリド)(テトラフェニ
ルボレート)テトラヒドロフラン錯体、エチレン−ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(クロリド)
(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
イソプロピリデン−ビス(シクロペンタジエニル)ジル
コニウム(クロリド)(テトラフェニルボレート)テト
ラヒドロフラン錯体、ジメチルシリル−ビス(シクロペ
ンタジエニル)ジルコニウム(クロリド)(テトラフェ
ニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、メチレン−ビ
ス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(メチル)
(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
エチレン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム
(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフ
ラン錯体、イソプロピリデン−ビス(シクロペンタジエ
ニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレー
ト)テトラヒドロフラン錯体、ジメチルシリル−ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(メチル)(テ
トラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、メチ
レン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(ヒ
ドリド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラ
ン錯体、エチレン−ビス(シクロペンタジエニル)ジル
コニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)テト
ラヒドロフラン錯体、イソプロピリデン−ビス(シクロ
ペンタジエニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフ
ェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、ジメチルシ
リル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(ヒ
ドリド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラ
ン錯体、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム
(メタンスルホナト)(テトラフェニルボレート)テト
ラヒドロフラン錯体、ビス(シクロペンタジエニル)ジ
ルコニウム(p−トルエンスルホナト)(テトラフェニ
ルボレート)テトラヒドロフラン錯体、ビス(シクロペ
ンタジエニル)ジルコニウム(トリフルオロメタンスル
ホナト)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラ
ン錯体、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム
(ベンゼンスルホナト)(テトラフェニルボレート)テ
トラヒドロフラン錯体、ビス(シクロペンタジエニル)
ジルコニウム(ペンタフルオロベンゼンスルホナト)
(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ム(トリフルオロメタンスルホナト)(テトラフェニル
ボレート)テトラヒドロフラン錯体、ビス(インデニ
ル)ジルコニウム(トリフルオロメタンスルホナト)
(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
エチレンビス(インデニル)ジルコニウム(トリフルオ
ロメタンスルホナト)(テトラフェニルボレート)テト
ラヒドロフラン錯体、イソプロピリデン−ビス(インデ
ニル)ジルコニウム(トリフルオロメタンスルホナト)
(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体等
である。
【0057】また、チタニウム化合物、ハフニウム化合
物などの他の第3、4、5、6族金属化合物について
も、上記と同様の化合物が挙げられる。更にこれらの化
合物の混合物を用いてもよい。前記〔B〕成分として
は、(1)イオン交換性層状化合物又は(2)層状構造
を有しない無機珪酸塩、即ち、非層状構造無機珪酸塩が
用いられる。
【0058】イオン交換性層状化合物は、イオン結合等
によって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み
重なった結晶構造をとる化合物であり、含有するイオン
が交換可能なものを言う。大部分の粘土はイオン交換性
層状化合物である。粘土は通常粘度鉱物を主成分とす
る。これら、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化
合物は天然産のものに限らず、人工合成物であってもよ
い。
【0059】粘土、粘土鉱物の具体例としては、アロフ
ェン等のアロフェン族、ディッカイト、ナクライト、カ
オリナイト、アノーキサイト等のカオリン族、メタハロ
イサイト、ハロイサイト等のハロイサイト族、クリソタ
イル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族、モ
ンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノント
ロナイト、サポナイト、ヘクトライト等のスメクタイ
ト、バーミキュライト等のバーミキュライト鉱物、イラ
イト、セリサイト、海緑石等の雲母鉱物、アタパルジャ
イト、セピオライト、パイゴルスカイト、ベントナイ
ト、木節粘土、ガイロメ粘土、ヒシンゲル石、パイロフ
ィライト、リョクデイ石群等が挙げられる。これらは混
合層を形成していてもよい。
【0060】これらの中では、モンモリロナイト、ザウ
コナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイ
ト、ヘクトライト、ベントナイト、テニオライト、雲母
等のスメクタイト族が好ましい。更にイオン交換性層状
化合物は、六方最密パッキング型、アンチモン型、Cd
Cl2 型、CdI2 型等の層状の結晶構造を有するイオ
ン結晶性化合物等を例示することができる。このような
結晶構造を有するイオン交換性層状化合物の具体例とし
ては、α−Zr(HAsO4 2 ・H2 O、α−Zr
(HPO4 2 、α−Zr(KPO4 2 ・3H2 O、
α−Ti(HPO4 2 、α−Ti(HAsO4 2
2 O、α−Sn(HPO4 2 ・H2 O、γ−Zr
(HPO4 2、γ−Ti(HPO4 2 、γ−Ti
(NH4 PO4 2 ・H2 O等の多価金属の結晶性酸性
塩があげられる。非層状構造無機珪酸塩としては、ゼオ
ライト、ケイソー土が挙げられる。
【0061】また、〔B〕成分は化学処理を施されるの
も好ましい。ここで化学処理とは、表面に付着している
不純物を除去する表面処理と粘土の結晶構造に影響を与
える処理のいずれをも用いることができる。具体的に
は、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理等が
挙げられる。酸処理は表面の不純物を取り除く他、結晶
構造中のAl、Fe、Mg等の陽イオンを溶出させるこ
とによって表面積を増大させる。アルカリ処理では粘土
の結晶構造が破壊され、粘土の構造の変化をもたらす。
また塩類処理、有機物処理では、イオン複合体、分子複
合体、有機誘導体等を形成し、表面積や層間距離を変え
ることが出来る。イオン交換性を利用し、層間の交換性
イオンを別の大きな嵩高いイオンと置換することによ
り、層間が拡大した状態の層状物質を得ることもでき
る。すなわち、嵩高いイオンが層状構造を支える支柱的
な役割を担っており、ピラーと呼ばれる。また層状物質
層間に別の物質を導入することをインターカレーション
という。
【0062】インターカレーションするゲスト化合物と
しては、TiCl4 、ZrCl4 等の陽イオン性無機化
合物、Ti(OR)4 、Zr(OR)4 、PO(OR)
3 、B(OR)3 〔Rはアルキル、アリール等〕等の金
属アルコラート、〔Al13 4 (OH)247+、〔Zr
4 (OH)142+、〔Fe3 O(OCOCH3 5 +
等の金属水酸化物イオン等が挙げられる。これらの化合
物は、単一で用いても、また2種類以上共存させて用い
てもよい。また、これらの化合物をインターカレーショ
ンする際に、Si(OR)4 、Al(OR)4 、Ge
(OR)4 等の金属アルコラート等を加水分解して得た
重合物、SiO2 等のコロイド状無機化合物等を共存さ
せることもできる。また、ピラーの例としては上記水酸
化物イオンを層間にインターカレーションした後に加熱
脱水することにより生成する酸化物等が挙げられる。
【0063】〔B〕成分は、単独で用いても、上記固体
の2種以上を混合して用いてもよい。また〔B〕成分
は、広い範囲の平均粒径を有するものの使用が可能であ
るが、特に気相重合、スラリー重合の場合には、平均粒
径が5μm以上の球状粒子を用いるのが好ましい。更に
好ましくは、平均粒径が10μm以上の球状粒子を用い
る。最も好ましくは平均粒径が10μm以上100μm
以下の球状粒子を用いる。ここでいう平均粒径は、SE
ISHIN社製レーザーミクロンナイザーLMS−24
を用いて、エタノール中で測定して得られたものであ
る。また〔B〕成分は、粒子状であれば天然物あるいは
市販品をそのまま使用してもよいし、造粒、分粒、分別
等により粒子の形状を例えば球状におよび粒径を制御し
たものを用いてもよい。
【0064】ここで用いられる造粒法は例えば攪拌造粒
法、噴霧造粒法、転動造粒法、プリケッティング、コン
パクティング、押出造粒法、流動層造粒法、乳化造粒
法、液中造粒法、圧縮成型造粒法等が挙げられるが
〔B〕成分を造粒する事が可能な方法であれば特に限定
されない。造粒法として好ましくは攪拌造粒法、噴霧造
粒法、転動造粒法、流動層造粒法が挙げられ、特に好ま
しくは攪拌造粒法、噴霧造粒法が挙げられ、噴霧造粒を
行う場合、原料スラリーの分散媒として水あるいはメタ
ノール、エタノール、クロロホルム、塩化メチレン、ペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の
有機溶媒を用いる。好ましくは水を分散媒として用い
る。球状粒子が得られる噴霧造粒の原料スラリー液の
〔B〕成分の濃度は0.1〜70%、好ましくは1〜5
0%、特に好ましくは5〜30%である。球状粒子が得
られる噴霧造粒の熱風の入り口温度は分散媒により異な
るが水を例にとると80〜260℃、好ましくは100
〜220℃で行う。
【0065】また造粒の際に有機物、無機溶媒、無機
塩、各種バインダーを用いてもよい。用いられるバイン
ダーとしては例えば砂糖、デキストローズ、コーンシロ
ップ、ゼラチン、グルー、カルボキシメチルセルロース
類、ポリビニルアルコール、水ガラス、塩化マグネシウ
ム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸マグネ
シウム、アルコール類、グリコール、澱粉、カゼイン、
ラテックス、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオ
キサイド、タール、ピッチ、アルミナゾル、シリカゲ
ル、アラビアゴム、アルギン酸ソーダ等が挙げられる。
【0066】〔B〕成分として、好ましいものは、塩類
処理および/または酸処理を行って得られた、水分含有
率が3重量%以下の、(1)イオン交換性層状化合物、
又は、(2)非層状構造無機珪酸塩からなる群より選ば
れた少なくとも一種の化合物である。これらは、イオン
交換性層状化合物又は非層状構造無機珪酸塩からなる群
より選ばれた少なくとも一種の化合物を塩類処理および
/または酸処理することによって得ることができる。塩
類処理および/または酸処理によって、固体の酸強度を
変えることが出来、詳しくは前述した通りである。
【0067】また、塩類で処理される前の、イオン交換
性層状化合物又は非層状構造無機珪酸塩からなる群より
選ばれた少なくとも一種の化合物の含有する交換可能な
1族金属の陽イオンの40%以上、好ましくは60%以
上を、下記に示す塩類より解離した陽イオンと、イオン
交換することが好ましい。
【0068】このようなイオン交換を目的とした塩類処
理で用いられる塩類は、2〜14族原子から成る群より
選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオンを含有す
る化合物であり、好ましくは、2〜14族原子から成る
群より選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオン
と、ハロゲン原子、無機酸及び有機酸から成る群より選
ばれた少なくとも一種の陰イオンとから成る化合物であ
り、更に好ましくは、4〜6族原子から成る群より選ば
れた少なくとも一種の原子を含む陽イオンと、Cl、B
r、I、F、PO4 、SO4 、NO3 、CO3 、C2
4 、ClO4 、OOCCH3 、CH3 COCHCOCH
3 、OCl2 、O(NO3 2 、O(ClO4 2 、O
(SO4 )、OH、O2 Cl2 、OCl3 、OOCH、
OOCCH 2 CH3 、C2 4 4 およびC6 5 7
から成る群から選ばれる少なくとも一種の陰イオンとか
ら成る化合物である。
【0069】具体的にはCaCl2 、CaSO4 、Ca
2 4 、Ca(NO3 2 、Ca 3 (C6 5 7
2 、MgCl2 、MgBr2 、MgSO4 、Mg(PO
4 2 、Mg(ClO4 2 、MgC2 4 、Mg(N
3 2 、Mg(OOCCH 3 2 、MgC4
4 4 、Sc(OOCCH3 2 、Sc2 (C
3 3 、Sc2 (C2 4 3 、Sc(NO3 3
Sc2 (SO4 3 、ScF3 、ScCl3 、ScBr
3 、ScI3 、Y(OOCCH3 3 、Y(CH3 CO
CHCOCH3 3 、Y2 (CO3 3 、Y2 (C2
4 3 、Y(NO3 3 、Y(ClO4 3 、YP
4 、Y2 (SO4 3 、YF3 、YCl3 、La(O
OCCH3 3 、La(CH3 COCHCOC
3 3 、La2 (CO3 3 、La(NO3 3 、L
a(ClO4 3 、La2 (C2 4 3 、LaP
4 、La 2 (SO4 3 、LaF3 、LaCl3 、L
aBr3 、LaI3 、Sm(OOCCH3 3 、Sm
(CH3 COCHCOCH3 3 、Sm2 (C
3 3 、Sm(NO3 3 、Sm(ClO4 3 、S
2 (C2 4 3 、Sm2 (SO4 3 、SmF3
SmCl3 、SmI3 、Yb(OOCCH3 3 、Yb
(NO33 、Yb(ClO4 3 、Yb(C2 4
3 、Yb2 (SO4 3 、YbF 3 、YbCl3 、Ti
(OOCCH3 4 、Ti(CO3 2 、Ti(N
3 4 、Ti(SO4 2 、TiF4 、TiCl4
TiBr4 、TiI4 、Zr(OOCCH3 4 、Zr
(CO3 2 、Zr(NO3 4 、Zr(SO4 2
ZrF4 、ZrCl4 、ZrBr4 、ZrI4 、ZrO
Cl2 、ZrO(NO32 、ZrO(ClO4 2
ZrO(SO4 )、Hf(OOCCH3 4 、Hf(C
3 2 、Hf(NO3 4 、Hf(SO4 2 、Hf
OCl2 、HfF 4 、HfCl4 、HfBr4 、HfI
4 、V(CH3 COCHCOCH3 3 、VOSO4
VOCl3 、VCl3 、VCl4 、VBr3 、Nb(C
3 COCHCOCH3 6 、Nb2 (CO3 6 、N
b(NO3 6 、Nb2 (SO4 6 、NbF6 、Nb
Cl6 、NbBr6 、NbI6 、Ta(OOCCH3
6 、Ta2 (CO3 6 、Ta(NO3 6 、Ta
2 (SO4 6 、TaF6 、TaCl6 、TaBr6
TaI6 、Cr(CH3 COCHCOCH3 3 、Cr
(OOCH)2 OH、Cr(NO3 3 、Cr(ClO
4 3 、CrPO4 、Cr 2 (SO4 3 、CrO2
2 、CrF3 、CrCl3 、CrBr3 、CrI 3
CrO2 Cl2 、CrF3 、CrCl3 、CrBr3
CrI3 、MoOCl4 、MoCl3 、MoCl4 、M
oCl6 、MoF6 、MoI2 、WCl4 、WCl6
WF6 、WBr6 、Mn(OOCCH3 2 、Mn(C
3 COCHCOCH3 2 、MnCO3 、Mn(NO
3 2 、MnO、Mn(ClO4 2、MnF2 、Mn
Cl2 、MnBr2 、MnI2 、Fe(OOCCH3
2 、Fe(CH3 COCHCOCH3 3 、FeC
3 、Fe(NO3 3 、Fe(ClO4 3 、FeP
4 、FeSO4 、Fe2 (SO4 3 、FeF3 、F
eCl3 、FeBr3 、FeI2 、FeC6 5 7
Co(OOCCH3 2 、Co(CH3 COCHCOC
3 2 、CoCO3 、Co(NO3 2 、CoC2
4 、Co(ClO4 2 、Co3 (PO4 2 、CoS
4 、CoF2 、CoCl2 、CoBr2 、CoI2
NiCO3 、Ni(NO3 2 、NiC2 4、Ni
(ClO4 2 、NiSO4 、NiCl2 、NiB
2 、Pb(OOCCH3 2 、Fe(NO3 2 、P
bSO4 、PbCl2 、PbBr2 、CuCl 2 、Cu
Br2 、Cu(NO3 2 、CuC2 4 、Cu(Cl
4 2 、CuSO4 、Cu(OOCCH3 2 、Zn
(OOCCH3 2 、Zn(CH3 COCHCOC
3 2 、Zn(OOCH3 2 、ZnCO3 、Zn
(NO3 2 、Zn(ClO4 2 、Zn3 (PO4
2 、ZnSO4 、ZnF2 、ZnCl2、ZnBr2
ZnI2 、Cd(OOCCH3 2 、Cd(CH3 CO
CHCOCH3 2 、Cd(OCOCH2 CH3 2
Cd(NO3 2 、Cd(ClO 4 2 、CdSO4
CdF2 、CdCl2 、CdBr2 、CdI2 、AlF
3、AlCl3 、AlBr3 、AlI3 、Al2 (SO
4 3 、Al2 (C2 43 、Al(CH3 COCH
COCH3 3 、Al(NO3 3 、AlPO4 、Ge
Cl4 、GeBr4 、GeI4 、Sn(OOCCH3
4 、Sn(SO4 2 、SnF4 、SnCl4 、SnB
4 、SnI4 、Pb(OOCCH3 4 、PbC
3 、PbCO3 、Pb(NO3 2 、PbHPO4
Pb(ClO4 2 、PbSO4 、PbF2 、PbCl
2 、PbBr2 、PbI2 等が挙げられる。
【0070】酸処理で用いられる酸は、好ましくは塩
酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸から選択される。処理
に用いる塩類及び酸は、2種以上であってもよい。塩類
処理と酸処理を組み合わせる場合においては、塩類処理
を行った後、酸処理を行う方法、酸処理を行った後、塩
類処理を行う方法、及び塩類処理と酸処理を同時に行う
方法がある。
【0071】塩類及び酸による処理条件は、特には制限
されないが、通常、塩類および酸濃度は、0.1〜30
重量%、処理温度は室温〜沸点、処理時間は、5分〜2
4時間の条件を選択して、イオン交換性層状化合物及び
非層状構造無機珪酸塩から成る群より選ばれた少なくと
も一種の化合物を構成している物質の少なくとも一部を
溶出する条件で行うことが好ましい。また、塩類及び酸
は、一般的には水溶液で用いられる。
【0072】また、上記塩類処理および/または酸処理
を行う場合には、処理前、処理間、処理後に粉砕や造粒
等で形状制御を行ってもよい。また、アルカリ処理や有
機物処理などの化学処理を併用してもよい。このように
して得られる〔B〕成分としては、水銀圧入法で測定し
た半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/g以上、特
には、0.3〜5cc/gのものが好ましい。
【0073】また、水分含有率が3重量%以下の化合物
が好ましいというのは、これらイオン交換性層状化合物
又は非層状構造無機珪酸塩から成る群より選ばれた少な
くとも一種の化合物には、通常吸着水および層間水が含
まれており、これらの吸着水および層間水を加熱処理に
より除去することが好ましいことを意味する。ここで吸
着水とは、イオン交換性層状化合物又は非層状構造無機
珪酸塩粒子の表面あるいは結晶破面に吸着された水で、
層間水は結晶の層間に存在する水である。イオン交換性
層状化合物又は非層状構造無機珪酸塩の吸着水および層
間水の加熱処理方法は特に制限されないが、加熱脱水、
気体流通下の加熱脱水、減圧下の加熱脱水および有機溶
媒との共沸脱水等の方法が用いられる。加熱の際の温度
は、層間水が残存しないように、100℃以上、好まし
くは150℃以上であるが、構造破壊を生じるような高
温条件は好ましくない。また、空気流通下での加熱等の
架橋構造を形成させるような加熱脱水方法は、触媒の重
合活性が低下し、好ましくない。加熱時間は0.5時間
以上、好ましくは1時間以上である。尚、前記の水分含
有率は、温度200℃、圧力1mmHgの条件下で2時
間脱水した場合の水分含有率を0重量%として測定され
たものであり、前記した通り、3重量%以下、好ましく
は1重量%以下、下限は0重量%以上であることが好ま
しい。このようにして、脱水されて水分含有率が3重量
%以下に調整された〔B〕成分は、〔A〕成分及び必要
に応じて〔C〕成分と接触する際に、同様の水分含有率
を保つように取り扱われることが必要である。また、必
要に応じて、〔C〕成分として有機アルミニウム化合物
を用いてもよく、例えば
【0074】
【化2】AlR8 j 3-j
【0075】(式中、R8 はC1-20の炭化水素基、Xは
水素、ハロゲン、アルコキシ基、jは0<j≦3の数)
で示されるトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミ
ニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム等のトリアルキルアルミニウムまたはジエチ
ルアルミニウムモノクロライド、ジエチルアルミニウム
メトキシド等のハロゲンもしくはアルコキシ含有アルキ
ルアルミニウムである。またこの他、メチルアルミノキ
サン等のアルミノキサン等も使用できる。これらのうち
特にトリアルキルアルミニウムが好ましい。
【0076】〔A〕成分、〔B〕成分及び必要に応じて
〔C〕成分にエチレンを接触させて予備的に重合させて
触媒とするのが好ましい。〔A〕成分、〔B〕成分、必
要に応じて〔C〕成分の接触方法は特に限定されない
が、以下のような接触順序で接触させることが出来る。
【0077】〔A〕成分と〔B〕成分を接触させる。 〔A〕成分と〔B〕成分を接触させた後に〔C〕成分
を添加する。 〔A〕成分と〔C〕成分を接触させた後に〔B〕成分
を添加する。 〔B〕成分と〔C〕成分を接触させた後に〔A〕成分
を添加する。 その他、三成分を同時に接触してもよい。 触媒各成分の接触に際し、または接触の後にポリエチレ
ン、ポリプロピレン等の重合体、シリカ、アルミナ等の
無機酸化物の固体を共存させ、あるいは接触させてもよ
い。
【0078】接触は窒素等の不活性ガス中、ペンタン、
ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の不活性炭
化水素溶媒中で行ってもよい。接触温度は、−20℃〜
溶媒の沸点の間で行い、特に室温から溶媒の沸点の間で
行うのが好ましい。触媒各成分の使用量は、〔B〕成分
1g当たり〔A〕成分が0.0001〜10mmol、
好ましくは0.001〜5mmolであり、〔C〕成分
が0.01〜10000mmol、好ましくは0.1〜
100mmolである。また、〔A〕成分中の遷移金属
と〔C〕成分中のアルミニウムの原子比が1:0.01
〜1000000、好ましくは0.1〜100000で
ある。
【0079】エチレンによる予備的な重合は不活性溶媒
中、上記各成分の接触下にエチレンを供し、固体触媒成
分1g当たり0.01〜1000g、好ましくは0.1
〜100gの重合体が生成するように行うことが望まし
い。予備重合温度は−50〜100℃、好ましくは0〜
100℃であり、予備重合時間は0.1〜100時間、
好ましくは0.1〜20時間である。
【0080】このようにして得られた固体触媒成分は、
洗浄せずにそのまま重合反応に用いてもよく、また洗浄
した後に用いてもよい。更に不活性炭化水素等の溶媒中
で行われた場合はスラリーのまま使用してもよいし、溶
媒を留去乾燥して粉末状にしてから使用してもよい。上
記した様な固体触媒成分を必要に応じて有機アルミニウ
ム化合物を用いて、本発明の共重合体を得ることができ
る。この際、用いられる有機アルミニウム化合物として
は、前記〔C〕成分と同様な化合物が挙げられる。この
際に用いられる有機アルミニウム化合物の量は、触媒成
分〔A〕中の遷移金属対有機アルミニウム化合物中のア
ルミニウムのモル比が1:0〜10000になるように
選ばれる。
【0081】本発明のエチレン−α−オレフィン共重合
体は、上記したような触媒を用いてエチレンと、プロピ
レン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−
デセン、3−メチルブテン−1、4−メチルペンテン−
1等の炭素数3〜20、好ましくは炭素数3〜8の直鎖
状のα−オレフィンとを共重合させて得られる。特に限
定されるものではないが、α−オレフィンの割合は0.
5〜20%程度のものが、本発明の前記した各条件
(a)〜(c)を満足しやすいため、好ましい。
【0082】また、重合反応は、ブタン、ペンタン、ヘ
キサン、ヘプタン、トルエン、シクロヘキサン等の不活
性炭化水素や液化α−オレフィン等の溶媒存在下、ある
いは不存在下に行われる。温度は、−50〜250℃で
あり、圧力は特に制限されないが、好ましくは、常圧〜
約2000kgf/cm2 の範囲である。また、重合系
内に分子量調節剤として水素を存在させてもよい。
【0083】
【実施例】次に実施例によって本発明を具体的に説明す
るが、本発明はその要旨を逸脱しない限りこれらの実施
例の制約を受けるものではない。尚、以下の触媒合成工
程及び重合工程はすべて精製窒素雰囲気下で行った。ま
た、使用した溶媒はモレキュラーシーブ−13Xで脱水
精製したものを用いた。
【0084】実施例1 (1)粘土鉱物の化学処理 市販のモンモリロナイトを塩化マグネシウムで層間陽イ
オン交換した後、塩酸水溶液で処理した固体成分の水ス
ラリー液を噴霧造粒して、球状粒子を得た。この粒子を
更に200℃で2時間減圧乾燥した。
【0085】(2)触媒調製 容量10Lの誘導攪拌装置付き反応器にトルエン625
ml、上記(1)で得られた球状粒子150gを導入し
た。これに、温度を25℃に保持したままトリエチルア
ルミニウム450mmolとトルエン343mlの混合
溶液全量を添加し、そのまま1時間攪拌した。上澄みを
抜き出して、残った固体成分をトルエンで洗浄した。こ
れに、n−ヘプタンを加え、全量を4.4lとした後、
25℃にて600mlのトルエンに溶解したジメチルシ
リレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニ
ル)ジルコニウムジクロリド12.0mmolの溶液を
添加し、60分間攪拌した。
【0086】(3)予備重合 上記攪拌混合物に、引き続きトリエチルアルミニウム3
3.0mmolを添加し、系の温度を80℃とした。1
0分後エチレンガスを導入し、3時間反応を続けた。こ
の間に生成したポリエチレンは620gであった。
【0087】(4)エチレン−1−ブテン共重合(気相
重合) エチレンと1−ブテンとの混合ガス(1−ブテン/エチ
レン=5.9モル%)が循環する連続式気相重合反応器
に、固体触媒成分として上記にて得られたものを134
9mg/hr、トリエチルアルミニウムを628mg/
hrを間欠的に供給した。重合反応の条件は88℃、エ
チレン圧力18kg/cm2 −G、平均滞留時間5.5
時間であり、生成ポリエチレンの平均重合レートは8.
6kg/hrであった。得られた重合体の基礎物性を表
1に示した。
【0088】(5)フィルム成形 得られたエチレン・1−ブテン共重合体をインフレーシ
ョンフィルム成形して厚さ30μmのフィルムを得た。
成形は40mmφ一軸押出機を用いて、温度180℃、
75mmφダイ、リップ幅3mm、押出量14kg、ブ
ロー比2.0の条件で行った。得られたフィルムのHa
ze(ヘイズ)値は4.6%と、密度見合いの透明性の
高いものであった。
【0089】尚、ヘイズ値(曇度)は、JIS K−7
105に従って測定し、溶融張力(MT)は、(株)東
洋精機製作所製のキャピログラフを使用し、ノズル径
2.095mmφ、ノズル長8mm、流入角180度、
190℃の温度下で、押出速度1.0cm/分、引き取
り速度4.0m/分、ダイ出口から張力検出器のVプー
リー下端までの距離40cmの条件で測定した。
【0090】実施例2 (1)粘土鉱物の化学処理 硝酸クロム(III)0.60kgを溶解させた脱塩水3.
4kgに合成雲母(コープケミカル社製ME−100)
1kgを分散させ、50℃で1時間攪拌処理し、濾過し
た。脱塩水で洗浄した後固形分濃度を20%に調整し、
該スラリーを噴霧造粒して球状粒子を得た。この粒子を
更に200℃で2時間減圧乾燥した。
【0091】(2)触媒調製 容量10Lの誘導攪拌装置付き反応器にn−ヘプタン
5.4L、上記(1)で得られた合成雲母の粒子50g
を導入した。これに600mlのトルエンに溶解したビ
ス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド4.0mmolの溶液を添加し、室温で10分
間攪拌した。
【0092】(3)予備重合 上記攪拌混合物に、引き続きトリエチルアルミニウム2
3.6mmolを添加し、系の温度を60℃とした。1
0分後エチレンガスを導入し、3時間反応を続けた。こ
の間に生成したポリエチレンは819gであった。
【0093】(4)エチレン−1−ブテン共重合および
フィルム成形 上記(3)の予備重合触媒を使用した以外は、実施例1
と同様にして、エチレンと1−ブテンの気相重合、及
び、フィルム成形を行った。即ち、エチレンと1−ブテ
ンとの混合ガス(1−ブテン/エチレン=4.4モル
%)が循環する連続式気相重合反応器に、固体触媒成分
として上記にて得られたものを233mg/hr、トリ
エチルアルミニウムを510mg/hrを間欠的に供給
した。重合反応の条件は83℃、エチレン圧力18kg
/cm2 −G、平均滞留時間10.7時間であり、生成
ポリエチレンの平均重合レートは5.6kg/hrであ
った。得られた重合体の基礎物性及びフィルムのヘイズ
値を表1に示した。
【0094】実施例3 (1)エチレン−1−ブテン共重合 実施例2(3)で得られた予備重合触媒を用いてスラリ
ー重合を行った。即ち、3Lオートクレーブにn−ヘプ
タン1.5L、トリエチルアルミニウム2.5mmo
l、および1−ブテン200mlを加え、65℃に昇温
した。ついで、上記予備重合触媒を、ウンモ成分として
100mgをエチレンとともに導入し、全圧を22kg
/cm2 −Gに保って、65℃で2時間重合を行った。
2時間後、エタノールを加えて重合を停止させた。得ら
れたエチレン−1−ブテン共重合体は263gであっ
た。得られた重合体の基礎物性を表1に示した。
【0095】(2)フィルム成形 得られたエチレン・1−ブテン共重合体をインフレーシ
ョンフィルム成形して厚さ30μmのフィルムを得た。
成形は20mmφ二軸押出機を用いて、温度180℃、
25mmφダイ、リップ幅3mm、押出量18g、ブロ
ー比2.0の条件で行った。得られたフィルムのヘイズ
値は5.1%と、密度見合いの透明性の高いものであっ
た。
【0096】実施例4 ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリドをビスシクロペンタジエニルジルコニウムジ
クロリドに代えて、実施例2 (1)(2)及び(3)と
同様にして予備重合触媒を製造した。得られた予備重合
触媒を用いて、実施例3( 1)(2)と同様にしてエチ
レン−1−ブテン共重合及びフィルム成形を行った。得
られた重合体の基礎物性、及びフィルムのヘイズ値を表
1に示した。
【0097】実施例5 ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリドをジメチルシリレンビス(4,5,6,7−
テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリドに代
えて、実施例4と同様にして予備重合触媒を製造し、同
様にしてエチレン−1−ブテン共重合及びフィルム成形
を行った。
【0098】但し、1−ブテンの供給は、重合開始時に
オートクレーブに100ml仕込んだ他に、エチレン消
費見合いでエチレンと1−ブテンの混合ガスを、1−ブ
テン/エチレンの比が7.0重量%になるように導入し
ながら行った。得られた重合体の基礎物性、およびフィ
ルムのヘイズ値を表1に示した。
【0099】比較例1 市販のメタロセン触媒重合品であるエクソンケミカル社
製EXACT3029を実施例1 (5)の条件でフィル
ム成形した。フィルムのヘイズ値は3.1%と密度見合
いの透明性は低かった。製品の基礎物性を表1に示し
た。
【0100】比較例2 市販のメタロセン触媒重合品であるダウケミカル社製A
ffinityPL1840を実施例1 (5)の条件で
フィルム成形した。フィルムのヘイズ値は6.2%と密
度見合いの透明性は低かった。製品の基礎物性を表1に
示した。
【0101】比較例3 市販の高圧法低密度ポリエチレンである三菱化学(株)
社製LF240を実施例1 (5)の条件でフィルム成形
した。フィルムのヘイズ値は8.0%と密度見合いの透
明性は低かった。製品の基礎物性を表1に示した。
【0102】比較例3 市販のクロム系触媒重合品である三菱化学(株)社製U
E320を実施例1 (5)の条件でフィルム成形した。
フィルムのヘイズ値は20%と密度見合いの透明性は非
常に低かった。製品の基礎物性を表1に示した。
【0103】
【表1】
【0104】表中○は各式を充足することを意味し、×
は各式を充足しないことを意味する。
【0105】
【発明の効果】本発明のエチレン−αオレフィン共重合
体は、フィルム成形性に優れ、また透明性・光沢・腰に
優れたフィルムを製造可能である。
フロントページの続き (72)発明者 赤池 治 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンと炭素数3〜20のα−オレフ
    ィンとの共重合体であって、下記条件(a)〜(e)を
    満たすことを特徴とするエチレン−α−オレフィン共重
    合体。 (a)メルトフローレート(MFR)が0.1以上50
    g/10分以下 (b)密度(d)が0.850以上0.950g/cm
    3 以下 (c)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)
    の比が下記式を満足すること 【数1】2.0≦Mw/Mn≦5.0 …(1) (d)190℃、周波数6.31×10-3rad/se
    cでの、貯蔵弾性率(G’)が下記式を満足すること 【数2】G’≧4.0×10-1 …(2) (e)190℃、周波数6.31×10-3rad/se
    cでの、貯蔵弾性率(G’)及び損失弾性率(G”)と
    の関係が下記式を満足すること 【数3】 G’/[(G”)2 ]≧4.0×10-4 …(3)
  2. 【請求項2】 前記条件(a)〜(c)が、下記の通り
    であることを特徴とする、請求項1記載のエチレン−α
    −オレフィン共重合体。 (a)メルトフローレート(MFR)が0.1以上20
    g/10分以下 (b)密度(d)が0.900以上0.935g/cm
    3 以下 (c)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)
    の比が下記式を満足すること 【数4】2.0≦Mw/Mn≦3.4 …(1’)
  3. 【請求項3】 前記条件(d)及び(e)が、下記の通
    りであることを特徴とする、請求項2記載のエチレン−
    α−オレフィン共重合体。 (d)190℃、周波数6.31×10-3rad/se
    cでの、貯蔵弾性率(G’)が下記式を満足すること 【数5】G’≧6.0×10-1 …(2’) (e)190℃、周波数6.31×10-3rad/se
    cでの、貯蔵弾性率(G’)及び損失弾性率(G”)と
    の関係が下記式を満足すること 【数6】 G’/[(G”)2 ]≧5.0×10-4 …(3’)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1097949A1 (en) * 1999-11-05 2001-05-09 Japan Polychem Corporation Ethylene/alpha-olefin copolymer and film made thereof

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