JPH0948858A - 二軸延伸フィルム - Google Patents

二軸延伸フィルム

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JPH0948858A
JPH0948858A JP21958995A JP21958995A JPH0948858A JP H0948858 A JPH0948858 A JP H0948858A JP 21958995 A JP21958995 A JP 21958995A JP 21958995 A JP21958995 A JP 21958995A JP H0948858 A JPH0948858 A JP H0948858A
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純 齋藤
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尚史 川本
Akiko Kageyama
明子 影山
Koichi Hatada
浩一 畑田
Yoshiyuki Oki
義之 大木
Shinji Nakada
伸二 中田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アイソタクチックポリプロピレンからなる極
めて高い光沢と剛性を有する二軸延伸フィルムを提供す
ること。 【解決手段】 特定の触媒系を用いて得られた、特定の
アイソタクチックポリプロピレンから実質的になる、光
沢度が120%以上、およびヤング率が1900N/m
2以上である二軸延伸フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二軸延伸フィルム
に関する。さらに詳しくは、メタロセン触媒を用いてプ
ロピレンを重合して得られた、アイソタクチックポリプ
ロピレンから実質的に成る剛性、光沢性に優れた二軸延
伸フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のチーグラー・ナッタ触媒を用いて
製造されたアイソタクチックポリプロピレンは、機械的
性質、耐薬品性等に優れ、また経済性とのバランスにお
いて極めて有用なため二軸延伸フィルム等の各成形分野
に広く用いられている。しかしながら、こうした公知の
通常のポリプロピレンから成る二軸延伸フィルムでは性
能の限界が見られ、その解決に向けてフィルム性能の向
上、特に光沢、剛性の向上が強く望まれている。剛性向
上のため分子量分布の広いポリプロピレンを用いる方法
もあるが、この場合、剛性は向上するものの、光沢や延
伸性が低下する問題が新たに生じる。
【0003】一方、近年では従来の触媒系とは異なるメ
タロセンとアルミノキサンを組み合わせてなる触媒を用
いてプロピレンを重合してアイソタクチックポリプロピ
レンが得られることが公知となっている。
【0004】例えば特定の構造からなるケイ素架橋型メ
タロセンとアルミノキサンからなる触媒を用いてプロピ
レンを重合し、分子量分布の狭い高立体規則性ポリプロ
ピレンが得られている(特開平3−12406号公報、
特開平3−12407号公報、CHEMISTRY LETTERS,pp.
1853-1856, 1989)。該方法で得られるポリプロピレン
は分子量分布も狭く、立体規則性も高く従来のメタロセ
ン触媒から得られるポリプロピレンに比較して、高融点
を有しており、剛性の高いものであったが、プロピレン
の重合を水素不存在下において実施しているため、ポリ
マーの片末端には2重結合が存在しており、使用条件に
よっては化学的安定性を損なう場合もあり、改良が望ま
れていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
の方法で得られたポリプロピレンからなる二軸延伸フィ
ルムは、光沢、および剛性の向上が課題であった。
【0006】本発明者等は、上記公知技術の有する課題
を解決し、光沢、および剛性の向上した二軸延伸フィル
ムの発明について鋭意研究した。その結果、メタロセン
触媒を用いて得られた特定のポリプロピレンを二軸延伸
フィルムとした際には、狭い分子量分布のポリプロピレ
ンでありながら、極めて高い光沢、および高い剛性を併
有する二軸延伸フィルムが得られることを知って本発明
に至った。
【0007】上記の説明から明らかなように本発明の目
的は、特定の製造方法で得られた特定のポリプロピレン
から成る、極めて高い光沢、および高い剛性を有する二
軸延伸フィルムを提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の(1)お
よび(2)の構成を有する。 (1)下記化合物(A)および(B)または下記化合物
(A)、(B)および(C)からなる触媒を用いて、プ
ロピレンを重合またはプロピレンおよび炭素数2〜12
のプロピレン以外のα−オレフィンを共重合して得られ
た、重量平均分子量(Mw)の数平均分子量(Mn)に
対する比(Mw/Mn)が1.5〜3.8、かつ融点が
150〜168℃であるアイソタクチックポリプロピレ
ンから実質的に成る、光沢度が120%以上および
ヤング率が1900N/mm2以上である、二軸延伸フ
ィルム。 化合物(A):π電子共役配位子を少なくとも1個有す
る遷移金属化合物 化合物(B):(B−1)アルミノキサン、(B−2)
前記遷移金属化合物(A)と反応してイオン性錯体を形
成するイオン性化合物、および(B−3)ルイス酸から
選択される1種以上の化合物 化合物(C):有機アルミニウム化合物 (2)化合物(A)が、一般式Q(C54-m1 m)(C
54-n2 n)MXYで表される遷移金属化合物、[式
中、(C54-m1 m)および(C54-n2 n)は置換シ
クロペンタジエニル基を示し、mおよびnは1〜3の整
数である。R1およびR2は炭素数1〜20の炭化水素
基、ケイ素含有炭化水素基、またはシクロペンタジエニ
ル環上の2個の炭素原子と結合して炭化水素で置換され
ていてもよい1つ以上の炭化水素環を形成している炭化
水素基であって、同一または異なっていてもよい。Qは
(C54-m1 m)および(C54-n2 n)を架橋するい
ずれも2価の、炭化水素基、非置換シリレン基、または
炭化水素置換シリレン基である。Mはチタン、ジルコニ
ウムまたはハフニウムである遷移金属を示し、Xおよび
Yは同一または異なっていてもよく水素、ハロゲンまた
は炭化水素基を示す。]である、前記(1)記載の二軸
延伸フィルム。
【0009】本発明の構成と効果について以下に詳述す
る。本発明においてポリプロピレンとは、プロピレン単
独重合体、若しくはプロピレンとプロピレン以外の炭素
数2〜12のα−オレフィン、例えば、エチレン、プロ
ピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、4−
メチル−1−ペンテン等の1種以上とのランダム共重合
体、またはブロック共重合体であって、プロピレン重合
単位が50重量%以上のものを意味している。次に、上
記の本発明の二軸延伸フィルムに用いるポリプロピレン
を製造する方法について説明する。本発明の二軸延伸フ
ィルムに用いるポリプロピレンの製造において使用する
特定のメタロセン触媒とは、下記化合物(A)および
(B)、または(A)、(B)および(C)からなる触
媒である。(以下、下記化合物(A)および(B)、ま
たは(A)、(B)および(C)からなる触媒を本発明
に用いるメタロセン触媒と略称することがある。) 化合物(A):π電子共役配位子を少なくとも1個有す
る遷移金属化合物 化合物(B):(B−1)アルミノキサン、(B−2)
前記遷移金属化合物(A)と反応してイオン性錯体を形
成するイオン性化合物、および(B−3)ルイス酸から
選択される1種以上の化合物 化合物(C):有機アルミニウム化合物
【0010】化合物(A)は通常メタロセンと称されて
おり、π電子共役配位子、すなわちη−シクロペンタジ
エニル構造、η−ベンゼン構造、η−シクロヘプタトリ
エニル構造、またはη−シクロオクタテトラエン構造を
有する配位子が少なくとも1個以上、遷移金属に配位し
た遷移金属錯体である。
【0011】後述する要件を有するアイソタクチックポ
リプロピレンが得られればどのようなメタロセンも本発
明においては使用可能であるが、好ましいメタロセンと
しては、一般式Q(C54-m1 m)(C54-n2 n)M
XYで表される遷移金属化合物、[式中、(C54-m
1 m)および(C54-n2 n)は置換シクロペンタジエニ
ル基を示し、mおよびnは1〜3の整数である。R1
よびR2は炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有炭
化水素基、またはシクロペンタジエニル環上の2個の炭
素原子と結合して炭化水素で置換されていてもよい1つ
以上の炭化水素環を形成している炭化水素基であって、
同一または異なっていてもよい。Qは(C54-m1 m
および(C54-n2 n)を架橋するいずれも2価の、炭
化水素基、非置換シリレン基、または炭化水素置換シリ
レン基である。Mはチタン、ジルコニウムまたはハフニ
ウムである遷移金属を示し、XおよびYは同一または異
なっていてもよく水素、ハロゲンまたは炭化水素基を示
す。]が挙げられる。
【0012】更に好ましくは上記の一般式において、R
1およびR2が炭素数1〜20のアルキル基であって、同
一または異なっていてもよく、Qがジアルキルシリレン
基で、Mはジルコニウムまたはハフニウムである遷移金
属を示し、XおよびYは同一または異なっていてもよく
ハロゲンまたは炭化水素基であるキラルな遷移金属化合
物が用いられる。
【0013】このような化合物(A)は、具体的にはジ
メチルシリレン(3−t−ブチルシクロペンタジエニ
ル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメ
チルシリレン(3−t−ブチルシクロペンタジエニル)
(フルオレニル)ハフニウムジクロライド、rac−エ
チレンビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、ra
c−エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロラ
イド、rac−ジメチルシリレンビス(インデニル)ジ
ルコニウムジメチル、rac−ジメチルシリレンビス
(インデニル)ジルコニウムジクロライド、rac−エ
チレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジ
メチル、rac−エチレンビス(テトラヒドロインデニ
ル)ジルコニウムジクロライド、rac−ジメチルシリ
レンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジメ
チル、rac−ジメチルシリレンビス(テトラヒドロイ
ンデニル)ジルコニウムジクロライド、rac−ジメチ
ルシリレンビス(2−メチル−4,5,6,7−テトラ
ヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、rac
−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5,6,7
−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジメチル、r
ac−エチレンビス(2−メチル−4,5,6,7−テ
トラヒドロインデニル)ハフニウムジクロライド、ra
c−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル
インデニル)ジルコニウムジクロライド、rac−ジメ
チルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニ
ル)ジルコニウムジメチル、rac−ジメチルシリレン
ビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ハフニウ
ムジクロライド、ジメチルシリレン(2,4−ジメチル
シクロペンタジエニル)(3’,5’−ジメチルシクロ
ペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシ
リレン(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)
(3’,5’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロライド、ジメチルシリレン(2,4−ジメ
チルシクロペンタジエニル)(3’,5’−ジメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ジメチル
シリレン(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)
(3’,5’−ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニ
ウムジクロライド、ジメチルシリレン(2,4−ジメチ
ルシクロペンタジエニル)(3’,5’−ジメチルシク
ロペンタジエニル)ハフニウムジメチル、ジメチルシリ
レン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)
(2’,4’,5’−トリメチルシクロペンタジエニ
ル)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(2,
3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2’,
4’,5’−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロライド、ジメチルシリレン(2,3,5−
トリメチルシクロペンタジエニル)(2’,4’,5’
−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメ
チル、ジメチルシリレン(2,3,5−トリメチルシク
ロペンタジエニル)(2’,4’,5’−トリメチルシ
クロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチ
ルシリレン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエ
ニル)(2’,4’,5’−トリメチルシクロペンタジ
エニル)ハフニウムジメチルが挙げられる。
【0014】これらの化合物(A)のうち特に好ましい
のは、ジメチルシリレン(2,4−ジメチルシクロペン
タジエニル)(3’,5’−ジメチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン
(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,
5’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
メチル、ジメチルシリレン(2,4−ジメチルシクロペ
ンタジエニル)(3’,5’−ジメチルシクロペンタジ
エニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシリレン
(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,
5’−ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジメ
チル、ジメチルシリレン(2,3,5−トリメチルシク
ロペンタジエニル)(2’,4’,5’−トリメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメ
チルシリレン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジ
エニル)(2’,4’,5’−トリメチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレン
(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)
(2’,4’,5’−トリメチルシクロペンタジエニ
ル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシリレン(2,
3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2’,
4’,5’−トリメチルシクロペンタジエニル)ハフニ
ウムジメチルである。
【0015】なお、上記の化合物(A)の中で、キラル
なメタロセンの合成時には非キラルな構造のメソ体な化
合物(A)が副生する場合があるが、実際の使用に当た
っては全てがキラルなメタロセンである必要はなくメソ
体が混合していても差し支えない。ただし、メソ体との
混合物を使用する際には、メソ体の混合量とプロピレン
重合活性にもよるが、得られるポリプロピレンが既述の
必須要件を満たすように、メソ体から重合するアタクチ
ックポリプロピレンを例えば溶媒抽出等の公知の方法に
より除去する必要が生じる場合もある。
【0016】また、これらの遷移金属化合物(A)はそ
のまま化合物(B)と、また必要に応じて更に化合物
(C)と組み合わせて触媒とすることも可能であるが、
微粒子状担体に担時させて用いることも可能である。こ
のような微粒子状担体としては、無機あるいは有機化合
物であって、粒子径が5〜300μm、好ましくは10
〜200μmの顆粒状ないしは球状の微粒子固体が使用
される。
【0017】このうち、担体に使用する無機化合物とし
ては、SiO2、Al23、MgO、TiO2、ZnO等
またはこれらの混合物、たとえば、SiO2−Al
23、SiO2−MgO、SiO2−TiO2、SiO2
Al23−MgO等が挙げられる。これらの中では、S
iO2またはAl23を主成分とするものが好ましい。
【0018】また、担体に使用する有機化合物として
は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−
1−ペンテン等の炭素数2〜12のα−オレフィンの重
合体または共重合体、さらにはスチレンまたはスチレン
誘導体の重合体または共重合体が挙げられる。
【0019】本発明の二軸延伸フィルムに用いるポリプ
ロピレンの製造において使用する触媒成分としてメタロ
センである遷移金属化合物(A)と組み合わせる化合物
(B)とは、(B−1)アルミノキサン、(B−2)前
記遷移金属化合物(A)と反応してイオン性錯体を形成
するイオン性化合物、および(B−3)ルイス酸から選
択される1種以上の化合物である。
【0020】この内、(B−1)アルミノキサンとは、
下記の一般式[1]または、[2]で表される有機アル
ミニウム化合物である。
【化1】
【化2】 ここでR3は炭素数が1〜6、好ましくは1〜4の炭化
水素基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシ
ル基等のアルキル基、アリル基、2−メチルアリル基、
プロペニル基、イソプロペニル基、2−メチル−1−プ
ロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基、シクロプロ
ピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘ
キシル基等のシクロアルキル基、およびアリール基等が
挙げられる。これらのうち、特に好ましいのはアルキル
基であり、各R3は同一でも異なっていてもよい。ま
た、pは4〜30の整数であり、好ましくは6〜30、
特に好ましくは8〜30である。
【0021】上記のアルミノキサンは公知の様々な条件
下に調整することが可能である。具体的には、以下の方
法が例示できる。 (1)トリアルキルアルミニウムをトルエン、エーテル等
の有機溶剤を使用して直接水と反応させる方法。 (2)トリアルキルアルミニウムと結晶水を有する塩類、
例えば硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物と反応さ
せる方法。 (3)トリアルキルアルミニウムとシリカゲル等に含浸さ
せた水分と反応させる方法。(4)トリメチルアルミニウ
ムとトリイソブチルアルミニウムを混合し、トルエン、
エーテル等の有機溶剤を使用して直接水と反応させる方
法。 (5)トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニ
ウムを混合し、結晶水を有する塩類、例えば硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物と反応させる方法。 (6)シリカゲル等に水分を含浸させ、トリイソブチルア
ルミニウムを反応させた後、トリメチルアルミニウムを
更に反応させる方法。
【0022】また、(B−2)前記遷移金属化合物
(A)と反応してイオン性錯体を形成するイオン性化合
物(以下「化合物(B−2)」と記載することがあ
る。)、および(B−3)ルイス酸としては、特表平1
−501950号公報、特表平1−502036号公
報、特開平3−179005号公報、特開平3−179
006号公報、特開平3−207703号公報、特開平
3−207704号公報等に記載された、イオン性化合
物、およびルイス酸が挙げられる。
【0023】本発明に使用可能なイオン性化合物(B−
2)とは、カチオン性化合物とアニオン性化合物の塩で
ある。アニオンは前記遷移金属化合物(A)と反応する
ことにより、遷移金属化合物(A)をカチオン化し、イ
オン対を形成することにより遷移金属カチオン種を安定
化させる作用がある。そのようなアニオンとしては、有
機硼素化合物アニオン、有機アルミニウム化合物アニオ
ン等が挙げられる。また、カチオンとしては、金属カチ
オン、有機金属カチオン、カルボニウムカチオン、トリ
ピウムカチオン、オキソニウムカチオン、スルホニウム
カチオン、ホスホニウムカチオン、アンモニウムカチオ
ン等が挙げられる。
【0024】これらの内、アニオンとして硼素原子を含
むイオン性化合物が好ましく、具体的には、テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリエチルアンモニウ
ム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリ−
n−ブチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)硼酸トリフェニルアンモニウム、テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルアニリウム、テ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルアニ
リウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ト
リメチルアニリウム等が挙げられる。
【0025】また(B−3)ルイス酸としては、硼素原
子含有ルイス酸が好ましく、下記一般式で表される化合
物が使用可能である。 BR456 (式中、R4、R5、R6は、それぞれ独立して、フッ素
原子、メチル基、トリフルオロフェニル基などの置換基
を有していてもよいフェニル基、またはフッ素原子を示
す。)
【0026】上記一般式で表される化合物として具体的
には、トリ(n−ブチル)硼素、トリフェニル硼素、ト
リス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]
硼素、トリス[(4−フルオロメチル)フェニル]硼
素、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)硼素、トリ
ス(2,4,6−トリフルオロフェニル)硼素、トリス
(ペンタフルオロフェニル)硼素等が挙げられ、トリス
(ペンタフルオロフェニル)硼素が特に好ましい。
【0027】ここで、遷移金属化合物(A)と化合物
(B)との使用割合は、化合物(B)として(B−1)
アルミノキサンを用いる場合には、遷移金属化合物
(A)中の遷移金属原子1モルに対し(B−1)アルミ
ノキサン中のAl原子が1〜50,000モル、、好ま
しくは10〜30,000モル、特に好ましくは50〜
20,000モルとなる範囲である。
【0028】また、化合物(B)として化合物(B−
2)または(B−3)ルイス酸を用いる場合には、遷移
金属化合物(A)中の遷移金属原子1モルに対し化合物
(B−2)または(B−3)ルイス酸を0.01〜2,
000モル、好ましくは0.1〜500モル、となる範
囲で使用する。
【0029】上記した化合物(B)はいずれも1種以上
を使用することが可能である。
【0030】更に、本発明に係る重合触媒の一成分とし
て、必要に応じて使用される化合物(C)である有機ア
ルミニウム化合物は、下記一般式で表される化合物が使
用可能である。 AlR7 t8 t'3-(t+t') (式中、R7、R8、R6は炭素数1〜10のアルキル
基、シクロアルキル基、アリール基等の炭化水素基また
はアルコキシ基を、Xはハロゲン原子を、またtおよび
t’は0<t+t’≦3の任意の数を表す。)、それぞ
れ独立して、フッ素原子、メチル基、トリフルオロフェ
ニル基などの置換基を有していてもよいフェニル基、ま
たはフッ素原子を示す。)
【0031】上記一般式で表される化合物として具体的
には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム等のトリア
ルキルアルミニウムや、ジメチルアルミニウムクロライ
ド、ジメチルアルミニウムブロマイド、ジエチルアルミ
ニウムクロライド、ジイソプロピルアルミニウムクロラ
イド等のジアルキルアルミニウムハライドや、メチルア
ルミノウムセスキクロライド、エチルアルミニウムセス
キクロライド、エチルアルミニウムセスキブロマイド、
イソプロピルアルミニウムセスキクロライド等のアルキ
ルアルミニウムセスキハライド等が挙げられ、1種以上
を使用することが可能である。
【0032】ここで、化合物(C)である有機アルミニ
ウム化合物の使用量は、遷移金属化合物(A)中の遷移
金属原子1モルに対し(C)有機アルミニウム化合物中
のAl原子が0〜10,000モル、、好ましくは0〜
5,000モル、特に好ましくは0〜3,000モルと
なる範囲である。
【0033】かくして組み合わされた、化合物(A)、
化合物(B)、および必要に応じて化合物(C)からな
る特定の触媒を用い、プロピレンを重合することにより
本発明の二軸延伸フィルムに用いるポリプロピレンが得
られるが、プロピレンの重合方法としては公知のプロピ
レン重合プロセスが使用可能であり、ブタン、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、イソオクタン等の脂肪族炭化
水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロ
ヘキサン等の脂環族炭化水素、トルエン、キシレン、エ
チルベンゼン等の芳香族炭化水素、更に、ガソリン留分
や水素化ジーゼル油留分等の不活性溶媒中でプロピレン
を重合するスラリー重合法、プロピレン自身を溶媒とし
て用いるバルク重合、そしてプロピレンの重合を気相中
で実施する気相重合法が使用可能である。
【0034】プロピレンの重合に際して、既述の特定の
触媒は、化合物(A)、化合物(B)、および化合物
(C)を予め不活性溶媒中で混合したものを重合反応系
に供給してもよく、また重合反応系に化合物(A)、化
合物(B)、および化合物(C)をそれぞれ別々に供給
してもよい。更にまた、プロピレンの本重合に先だっ
て、化合物(A)、化合物(B)、および必要に応じて
化合物(C)を組み合わせた触媒に不活性溶媒中で少量
のα−オレフィン、具体的には化合物(A)中の遷移金
属1モル当たり、α−オレフィンを1g〜10kg程度
重合反応させ、予備活性化した触媒としてから、プロピ
レンの本重合を実施することも、最終のポリプロピレン
が良好な粒子形状で得られることに効果的であり、本発
明の範囲内である。
【0035】上記の予備活性化に使用可能なα−オレフ
ィンとしては、炭素数2〜12のα−オレフィンが好ま
しく用いられ、具体的にはエチレン、プロピレン、ブテ
ン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、4−メチル−1−
ペンテン等が挙げられ、特にエチレン、プロピレン、4
−メチル−1−ペンテンが好ましく用いられる。
【0036】かくして、調製された本発明に使用する特
定の触媒、若しくは予備活性化された特定の触媒は既述
の重合法によってプロピレン若しくはプロピレンと炭素
数2〜12のプロピレン以外のα−オレフィンの重合に
使用されるが、該プロピレン重合における重合条件は通
常公知のチーグラー系触媒によるプロピレン重合と同様
な重合条件が採用される。すなわち、重合温度は−50
〜150℃、好ましくは−10〜100℃の温度にて、
重合圧力は大気圧〜7MPa、好ましくは0.2MPa
〜5MPaで、水素存在下において、通常1分〜20時
間程度実施される。なお、水素量としては、重合器内の
気相部における水素分圧で0.1kPa〜5MPa、好
ましくは1kPa〜3MPaが適量である。
【0037】プロピレンの重合終了後は、必要に応じて
公知の触媒失活処理工程、触媒残さ除去工程、乾燥工程
等の後処理工程を経た後、本発明に係るポリプロピレン
が得られるが、該ポリプロピレンは、以下に記述する二
つの要件を有していなければならない。これらの要件を
満たさないと本発明の目的を達成することができない。
【0038】該要件とは、重量平均分子量(Mw)の数
平均分子量(Mn)に対する比(Mw/Mn)が1.5
〜3.8、かつ融点が150〜168℃との2要件であ
る。
【0039】上記要件の該重量平均分子量(Mw)の数
平均分子量(Mn)に対する比(Mw/Mn)について
は次のような方法に従ったゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー(GPC)の測定結果に基づき算出する。
即ち、ポリマー濃度0.05重量%のo−ジクロロベン
ゼン溶液を用い、カラムは混合ポリスチレンゲルカラム
(たとえば東ソー(株)社製PSKgel GMH6−
HT)を使用し、135℃にて測定することによって求
める。測定装置としては、たとえば 上記の重量平均分
子量(Mw)の数平均分子量(Mn)に対する比(Mw
/Mn)は分子量分布の尺度であり、該比(Mw/M
n)が大きいと分子量分布が広く、小さいと分子量分布
が狭い。
【0040】上記の、該重量平均分子量(Mw)の数平
均分子量(Mn)に対する比(Mw/Mn)の本発明に
おける範囲は1.5〜3.8、好ましくは1.5〜3.
5である。該比(Mw/Mn)が3.8を超えると、得
られる二軸延伸フィルムの光沢が低下する他、成形する
際の延伸性が低下し、また1.5未満のものは、通常の
重合条件下では得られていないので、本発明の範囲外で
ある。
【0041】またもう一つの要件である該融点は、パー
キン・エルマー社製のDSC7型示差走査熱量分析計を
用いてポリプロピレンを室温から30℃/分の昇温条件
下230℃まで昇温し、同温度にて10分間保持後、−
20℃/分にて−20℃まで降温し、同温度にて10分
間保持した後、20℃/分の昇温条件下で融解時のピー
クを示す温度を融点とした。
【0042】上記の、該融点の本発明における範囲は1
50〜168℃であり、好ましくは153〜168℃、
最も好ましくは155〜168℃である。融点が150
℃未満であると、得られる二軸延伸フィルムのヤング率
が低下し、また168℃を超えるものは、通常の重合条
件下では得られていないので、本発明の範囲外である。
【0043】かくして得られた本発明に用いるポリプロ
ピレンは、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯
電防止剤、造核剤、滑剤、難燃剤、アンチブロッキング
剤、着色剤、無機質または有機質の充填剤等の各種添加
剤、更には種々の合成樹脂を配合した後、通常は溶融混
練機を用いて190〜350℃にて20秒〜30分間程
度加熱溶融混練後、更に粒状に切断されたペレット状態
にて、二軸延伸フィルム成形材料として供される。
【0044】本発明の二軸延伸フィルムは上記の方法で
得られた特定のポリプロピレンを使用して、公知の二軸
延伸フィルム製造法によって得られる。但し、得られる
フィルム物性が下記の2要件を備えていないと本発明の
目的を達成しえない。該要件は光沢度が120%以
上、およびヤング率が1900N/mm2以上との2
要件である。
【0045】本発明の目的を達成する光沢度は120%
以上、特に好ましくは123%以上である。上限につい
ては特に規定されないが、現時点では、実質的に140
〜160%程度が本発明の限界と考えられる。なお、二
軸延伸フィルムの光沢度は製造法によっては、フィルム
の表および裏で異なる場合があるが、本発明においての
光沢度は低い方の値が120%以上であることを意味し
ている。
【0046】また本発明の目的を達成するヤング率は1
900N/mm2以上、特に好ましくは2000以上N
/mm2以上である。上限については特に規定されない
が、現時点では、実質的に6000〜7000N/mm
2程度が本発明の限界と考えられる。なお、二軸延伸フ
ィルムのヤング率は製造法によっては、フィルムの縦
(MD)および横(TD)方向で異なる場合があるが、
本発明においてのヤング率は低い方の値が1900N/
mm2以上であることを意味している。本発明の場合、
少なくとも縦および横方向に4倍以上延伸して該ヤング
率が達成される。
【0047】上記要件のである、二軸延伸フィルムの
光沢度はASTM D523記載の方法に準拠して測定
した。また上記要件のである、二軸延伸フィルムのヤ
ング率はASTM D882記載の方法に準拠して測定
した。
【0048】かくして得られた本発明の二軸延伸フィル
ムは、既述のように必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸
収剤、帯電防止剤、造核剤、滑剤、難燃剤、アンチブロ
ッキング剤、着色剤、無機質または有機質の充填剤等の
各種添加剤、更には種々の合成樹脂を配合される場合が
あるが、実質的には既述した本発明に用いる特定の触媒
を用いてプロピレン若しくはプロピレンとプロピレン以
外の炭素数2〜12のα−オレフィンを重合して得られ
た特定の物性を有するポリプロピレンから成っている。
「実質的に成る」との用語は必要に応じて添加配合され
た上記の物質を含むという意味で使用しており、成形品
中に少なくとも70重量%以上、好ましくは80重量%
以上、更に好ましくは90重量%以上の割合で既述の方
法で得られた、特定の要件を満足する本発明に用いる特
定のポリプロピレンを有していることを意味している。
【0049】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。実施例、比較例において用いられている用語の定
義および測定方法は以下の通りである。 (1)MFR:(メルトフローレート)、JIS K7
210表1の条件14による樹脂の溶融流れ性。(単
位:g/10分) (2)重量平均分子量の数平均分子量に対する比:(M
w/Mn)、既述の方法により測定した。 (3)融点:(Tm)、既述の方法により測定した。
(単位:℃) (4)光沢度:既述の方法により測定した。(単位:
%) (5)ヤング率:既述の方法により測定した。(単位:
N/mm2
【0050】実施例1 (1)ポリプロピレンの製造 傾斜羽根を備えた内容積100dm3の攪拌機付きステ
ンレス製重合器を窒素ガスで置換した後、該重合器内に
n−ヘキサン50dm、メチルアルミノキサンのトルエ
ン溶液(東ソーアクゾ社製、商品名:MMAO、濃度:
2mol/dm3)をAl原子換算で7.6mmol、
メタロセンとしてキラルなジメチルシリレン(2,3,
5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2’,4’,
5’−トリメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジ
クロライド1.48mmolとメソ体であるジメチルシ
リレン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニ
ル)(2’,3’,5’−トリメチルシクロペンタジエ
ニル)ハフニウムジクロライド0.05mmolの混合
物をトルエン1dm3と共に20℃にて投入した。続い
て、重合器内の温度を27℃にして、重合器内気相部の
水素分圧が0.01MPaとなるように水素を供給した
後、重合器内の圧力が0.4MPaを保つようにプロピ
レンを連続的に重合器内に4時間供給し、プロピレンの
重合を行った。なお、重合中は重合器内の温度を27℃
に保った。重合終了後は未反応プロピレンを重合器内か
ら放出後、2−プロパノール3dm3を重合器内に投入
し、10分間30℃にて攪拌し触媒を失活させた。引き
続いて塩化水素水溶液(濃度:12mol/dm3
0.2dm30およびメタノール8dm3を添加し、60
℃にて30分間処理した。処理後は攪拌を止めて重合器
下部から水相部分を除いた後、同量の塩化水素水溶液と
メタノールを添加し同様な操作を繰り返した。ついで、
水酸化ナトリウム水溶液(濃度:5mol/dm3
0.02dm3、水2dm3、およびメタノールを2dm
3添加し、30℃にて10分間攪拌処理をした。処理後
は攪拌を止めて重合器下部から水相部分を除いた後、更
に水8dm3を加え10分間30℃にて攪拌処理後、水
相部分を除く操作を2回繰り返した後、重合体スラリー
を重合器から抜き出し、濾過、乾燥して本発明に用いる
ポリプロピレン5.0kgを得た。
【0051】(2)二軸延伸フィルムの製造 得られた、ポリプロピレン100重量部に、テトラキス
[メチレン-3-(3’-5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート]メタン0.05重量
部、ステアリン酸カルシウム0.07重量部を混合し、
該混合物をスクリュー径40mmおよび押出温度230
℃に設定された単軸押出造粒機を用いてポリプロピレン
ペレットを得た。該ポリプロピレンペレットをスクリュ
ー径40mmのT−ダイ式製膜機を用い、250℃にて
押し出し、25℃の冷却ロールで厚さ820μmのシー
トを作成した。続いて得られたシートを158℃にて9
0秒間加熱し、バッチ式二軸延伸機を用いて延伸速度5
m/分にて縦方向に4.2倍、横方向に8.2倍延伸
し、厚さ23μmの2軸延伸フィルムを得た。既述の方
法に従って測定したフィルムの評価結果は表1の通りで
あった。
【0052】比較例1 (1)ポリプロピレンの製造 実施例1の(1)において、触媒としてメタロセンとメ
チルアルミノキサンに代えて、特開昭62−10481
2号公報における実施例1と同様な方法で得られた塩化
マグネシウム担時型チタン触媒成分をTi換算で3.3
mmol、トリエチルアルミニウムを100mmol、
および触媒の第三成分としてジイソプロピルジメトキシ
シラン10mmol組み合わせた触媒を用い、重合開始
前の水素分圧を0.02MPa、および重合温度を70
℃とすること以外は同様にプロピレンの重合を行い、ポ
リプロピレンを得た。
【0053】(2)二軸延伸フィルムの製造 上記(1)で得られたポリプロピレンについて、実施例
1の(2)と同様の方法で二軸延伸フィルムを得、評価
を行った。
【0054】比較例2 (1)ポリプロピレンの製造 比較例1の(1)において、水素圧力を0.002MP
aとすること以外は同様にしてポリプロピレンを得た。
【0055】(2)二軸延伸フィルムの製造 得られた、ポリプロピレン100重量部に、テトラキス
[メチレン-3-(3’-5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート]メタン0.05重量
部、ステアリン酸カルシウム0.07重量部、および有
機過酸化物である、1,3-ビス-(t-ブチルパーオキ
シ-イソプロピル)ベンゼン0.05重量部tを混合
し、該混合物をスクリュー径40mmおよび押出温度2
30℃に設定された単軸押出造粒機を用いてポリプロピ
レンペレットを得た。該ポリプロピレンペレットについ
て、実施例1の(2)と同様にして二軸延伸フィルムを
得、フィルム評価を行った。
【0056】比較例3 (1)ポリプロピレンの製造 実施例1の(1)において、メタロセンとしてキラルな
rac−エチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロ
ライド1.32mmolとメソ体であるmeso−エチ
レンビス(インデニル)ハフニウムジクロライド0.1
5mmolの混合物を用いること、および重合開始前の
水素分圧を0.04MPaとすること以外は同様にプロ
ピレンの重合および後処理を行い、ポリプロピレンを得
た。
【0057】(2)二軸延伸フィルムの製造 得られた、ポリプロピレンについて実施例1の(2)と
同様にしてポリプロピレンペレットを得た後、二軸延伸
フィルムの製造および評価を行った。得られたポリプロ
ピレンについて、実施例1と同様に物性測定を行った。
また実施例3と同様に二軸延伸フィルムの製造を行った
ところ、シートの加熱工程でシートが下方に垂れ下がっ
たため、延伸不可能となり、フィルムを成形することが
できなかった。
【0058】実施例2 (1)ポリプロピレンの製造 傾斜羽根を備えた内容積100dm3の攪拌機付きステ
ンレス製重合器を窒素ガスで置換した後、メチルアルミ
ノキサンのトルエン溶液(東ソーアクゾ社製、商品名:
MMAO、濃度:2mol/dm3)をAl原子換算で
11mol、20℃において重合器内の水素分圧が0.
03MPaとなるように水素を重合器中に仕込、続いて
液化プロピレン30kgを供給した後、メチルアルミノ
キサンのトルエン溶液(東ソーアクゾ社製、商品名:M
MAO、濃度:2mol/dm3)をAl原子換算で1
1mol、メタロセンとしてキラルなジメチルシリレン
(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)
(2’,4’,5’−トリメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロライド0.033mmolとメ
ソ体であるジメチルシリレン(2,3,5−トリメチル
シクロペンタジエニル)(2’,3’,5’−トリメチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド
0.002mmolの混合物をトルエン0.1dm3
共に20℃にて窒素加圧により重合器内に圧入しプロピ
レンの重合を開始した。重合中は重合器内に連続的にエ
チレンを4g/Hrにて供給し、重合器内の温度を30
℃に保った。重合開始後、4時間経過してから2−プロ
パノール3dm3を重合器内に圧入し30℃にて5分間
重合停止操作を実施後、未反応プロピレンを重合器内か
ら系外に放出した。引き続いて重合器内にn−ヘキサン
50dm3投入し、以後は実施例1の(1)と同様な後
処理を行い、エチレン重合単位を0.2重量%含有する
ポリプロピレンを得た。
【0059】(2)二軸延伸フィルムの製造 得られた、ポリプロピレンについて実施例1の(2)と
同様にしてポリプロピレンペレットを得た後、二軸延伸
フィルムの製造および評価を行った。
【0060】以上の実施例1、2、および比較例1〜3
のポリプロピレン物性および二軸延伸フィルムの評価結
果を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
【発明の効果】前述した実施例からも明らかなように、
本発明の二軸延伸フィルムは光沢および剛性に優れてお
り、従来の方法で得られたポリプロピレンからなる二軸
延伸フィルムには無い性能を有しており、従来にはない
新たな分野に2軸延伸フィルムを用いることが可能であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00 C08L 23:00 (72)発明者 大木 義之 千葉県山武郡横芝町横芝2417番地の3 (72)発明者 中田 伸二 千葉県市原市辰巳台東3丁目27番2号

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化合物(A)および(B)または下
    記化合物(A)、(B)および(C)からなる触媒を用
    いて、プロピレンを重合またはプロピレンおよび炭素数
    2〜12のプロピレン以外のα−オレフィンを共重合し
    て得られた、重量平均分子量(Mw)の数平均分子量
    (Mn)に対する比(Mw/Mn)が1.5〜3.8、
    かつ融点が150〜168℃であるアイソタクチックポ
    リプロピレンから実質的に成る、光沢度が120%以
    上およびヤング率が1900N/mm2以上である、
    二軸延伸フィルム。 化合物(A):π電子共役配位子を少なくとも1個有す
    る遷移金属化合物 化合物(B):(B−1)アルミノキサン、(B−2)
    前記遷移金属化合物(A)と反応してイオン性錯体を形
    成するイオン性化合物、および(B−3)ルイス酸から
    選択される1種以上の化合物 化合物(C):有機アルミニウム化合物
  2. 【請求項2】 化合物(A)が、一般式Q(C54-m
    1 m)(C54-n2 n)MXYで表される遷移金属化合
    物、[式中、(C54-m1 m)および(C54-n2 n
    は置換シクロペンタジエニル基を示し、mおよびnは1
    〜3の整数である。R1およびR2は炭素数1〜20の炭
    化水素基、ケイ素含有炭化水素基、またはシクロペンタ
    ジエニル環上の2個の炭素原子と結合して炭化水素で置
    換されていてもよい1つ以上の炭化水素環を形成してい
    る炭化水素基であって、同一または異なっていてもよ
    い。Qは(C54-m1 m)および(C54-n2 n)を架
    橋するいずれも2価の、炭化水素基、非置換シリレン
    基、または炭化水素置換シリレン基である。Mはチタ
    ン、ジルコニウムまたはハフニウムである遷移金属を示
    し、XおよびYは同一または異なっていてもよく水素、
    ハロゲンまたは炭化水素基を示す。]である、請求項1
    記載の二軸延伸フィルム。
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JP2010159320A (ja) * 2009-01-06 2010-07-22 Mitsui Chemicals Inc ポリプロピレンシートおよび該シートから得られる成形体

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