JP4538768B2 - ポリオレフィン組成物およびその製造方法。 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、新規なポリオレフィン組成物に関する。さらに詳しくは、ポリプロピレンと新規なプロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体とからなる組成物であり、本組成物は、特にフィルム用途において優れた低温ヒートシール性と、広い温度領域でホットタック強度が強いという特性を有する。
また、本発明を構成するプロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体は、特定の担持型触媒系を使用する気相重合を含むプロセスで製造することによって、好ましい粒子形状の共重合体として得ることができる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ポリプロピレンは、剛性、耐熱性、透明性などに優れた熱可塑性成形材料として広く利用されている。このポリプロピレンは、柔軟性および耐衝撃性には劣るので、柔軟性および耐衝撃性が要求される分野では通常、ポリプロピレンに軟質ゴム成分を配合して使用されている。特に、ファイル分野では、加工時の生産性の向上、具体的には高速加工性を改善する目的から、低温ヒートシール性の向上が要求されている。
【0003】
特開平8−208909号公報には、ポリプロピレン5〜95重量%と、1−ブテン単位を5〜50モル%で含有するプロピレン/1−ブテン系エラストマー5〜95重量%とからなるポリプロピレン組成物が、柔軟性および耐衝撃性に優れるとともに、耐熱性およびヒートシール性にも優れることが開示されている。
【0004】
特開平9−268241号公報には、ポリプロピレン40〜95重量%と、1−ブテン単位を5〜40モル%と、エチレン単位を5〜40モル%含有し、かつ1−ブテン単位の量が、エチレン単位の量よりも多いプロピレン/エチレン/1−ブテン系エラストマー5〜60重量%とからなる組成物から得られる成形品は、透明性に優れるともに柔軟性に優れることが記載されている。
【0005】
このように、ポリプロピレンに軟質ゴム成分を配合すると、柔軟性および耐衝撃性が改善されたポリプロピレン組成物が得られるが、ファイル分野で要求される低温ヒートシール性能を充分満足するものではなかった。また、従来技術で製造されるプロピレン/1−ブテン系エラストマー、プロピレン/エチレン/1−ブテン系エラストマーは、特に、柔軟性、耐衝撃性を改善する目的で使用される低融点のエラストマー、あるいはアモルファスのエラストマーでは、粒子状のポリマーとして得ることが困難であり、製造は溶液重合によるのが一般的で、気相重合法を含むプロセスでの製造は一般的には困難とされてきた。
【0006】
このため、ポリプロピレンにブレンドすることで、これを加工して得られるフィルムの低温ヒートシール性能を改善しうるエラストマーを、気相重合を含むプロセスで粒子形状で製造可能な、ポリプロピレン組成物の開発が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ブレンドするエラストマーが粒状であり、優れた低温ヒートシール性能を奏するフィルムを得ることのできる、ポリオレフィン組成物、およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【発明を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、ポリプロピレンに特定のプロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体をブレンドして得られたポリオレフィン組成物が、これを用いたときに非常に低温ヒートシール性の優れたフィルムを得ることができること、および前記ブロック共重合体が、特定の触媒系を用いて気相重合法を含むプロセスによって粒子形状で製造することができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明は、プロピレン主体の重合体からなるAセグメントとプロピレン/オレフィン・ランダム共重合体からなるBセグメントとからなるプロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体であって、該Aセグメントをブロック共重合体の重量基準で20〜95重量%、Bセグメントをブロック共重合体の重量基準で80〜5重量%の範囲で含むプロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体95〜5重量%と、ポリプロピレン5〜95重量%からなり、前記プロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体が、
(1)下記(a)〜(c)の工程を実施して得られたメタロセン担持型触媒(I)または下記(a)〜(d)の工程を実施して得られたメタロセン担持型触媒(II)と、有機アルミニウム化合物とからなるオレフィン重合用触媒系の存在下に、プロピレンの単独またはプロピレン以外のオレフィンとプロピレンとの混合物を重合させ、重合体鎖中のプロピレン以外のオレフィン単位/プロピレン単位の重量比が0/100〜30/70であるプロピレン主体の重合体からなるAセグメントを生成させる第1重合工程と、
(2)第1重合工程からのオレフィン重合用触媒系を含むプロピレン主体の重合体の存在下に、プロピレン以外のオレフィンとプロピレンとの混合物を共重合させ、重合体鎖中のプロピレン単位/プロピレン以外のオレフィン単位の重量比が5/95〜95/5のプロピレン/オレフィン・ランダム共重合体からなるBセグメントを生成させる第2重合工程、を順次実施して得られたブロック共重合体である、ポリオレフィン組成物である。
(a)2個の架橋したπ電子共役配位子を有する有機遷移金属化合物とアルミノキサンとを不活性溶媒中で反応させる工程
(b)(a)工程で生成した反応生成物と無機微粒子状担体とを、不活性溶媒の存在下、85〜150℃の温度で接触させる工程
(c)(b)工程で生成した固体生成物を含むスラリーを−50〜50℃の温度で脂肪族炭化水素を用いて少なくとも2回洗浄する工程
(d) (c)工程で得られたメタロセン担持型触媒とオレフィンとを接触させてオレフィンを予備重合させ、メタロセン担持型触媒1kg当たり0.01〜100kgのオレフィン予備重合体を担持させる工程
【0010】
また、別の本発明は、プロピレン主体の重合体からなるAセグメントとプロピレン/オレフィン・ランダム共重合体からなるBセグメントとからなるプロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体であって、該Aセグメントをブロック共重合体の重量基準で20〜95重量%とBセグメントをブロック共重合体の重量基準で80〜5重量%の範囲で含むプロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体95〜5重量%と、ポリプロピレン5〜95重量%とからなる、ポリオレフィン組成物の製造方法であって、
(1)下記(a)〜(c)の工程を実施して得られたメタロセン担持型触媒(I)または下記(a)〜(d)の工程を実施して得られたメタロセン担持型触媒(II)、と有機アルミニウム化合物とからなるオレフィン重合用触媒系の存在下に、プロピレンの単独またはプロピレン以外のオレフィンとプロピレンとの混合物を重合させ、重合体鎖中のプロピレン以外のオレフィン単位/プロピレン単位の重量比が0/100〜30/70であるプロピレン主体の重合体からなるAセグメントを生成させる第1重合工程と、
(2)第1重合工程からのオレフィン重合用触媒系を含むプロピレン主体の重合体の存在下に、プロピレン以外のオレフィンとプロピレンとの混合物を共重合させ、重合体鎖中のプロピレン単位/プロピレン以外のオレフィン単位の重量比が5/95〜95/5のプロピレン/オレフィン・ランダム共重合体からなるBセグメントを生成させる第2重合工程を順次実施して、プロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体を製造し、
該プロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体5〜95重量%と、ポリプロピレン95〜5重量%とをブレンドする、ポリオレフィン組成物の製造方法である。
(a)2個の架橋したπ電子共役配位子を有する有機遷移金属化合物とアルミノキサンとを不活性溶媒中で反応させる工程
(b)(a)工程で生成した反応生成物と無機微粒子状担体とを、不活性溶媒の存在下、85〜150℃の温度で接触させる工程
(c)(b)工程で生成した固体生成物を含むスラリーを−50〜50℃の温度で脂肪族炭化水素を用いて少なくとも2回洗浄する工程
(d) (c)工程で得られたメタロセン担持型触媒とオレフィンとを接触させてオレフィンを予備重合させ、メタロセン担持型触媒1kg当たり0.01〜100kgのオレフィン予備重合体を担持させる工程
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のポリオレフィン組成物は、ポリプロピレン5〜95重量%と、プロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体95〜5重量%からなるポリオレフィン組成物であり、好ましくは、ポリプロピレン10〜90重量%と、プロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体90〜10重量%からなるポリオレフィン組成物であり、特に好ましくは、ポリプロピレン30〜70重量%と、プロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体70〜30重量%からなるポリオレフィン組成物である。
【0012】
本発明のポリオレフィン組成物を構成するポリプロピレンとしては、従来公知のポリプロピレンが広く用いられる。このポリプロピレンは、プロピレンの単独重合体であっても、あるいは、他のオレフィン単位を50重量%以下の量含有するプロピレンと他のオレフィンとのランダム共重合体もしくはブロック共重合体であってもよい。これらのうち、プロピレンと他のオレフィンとのランダム共重合体が好ましく用いられる。
【0013】
プロピレンと他のオレフィンとのランダム共重合体もしくはブロック共重合体を形成する他のオレフィンとしては、具体的に、プロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンが挙げられ、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサデセン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。また、これらのオレフィンを同時に2種以上使用しても良い。
【0014】
本発明で好適に用いられるポリプロピレンは、その融点が100〜165℃、特に好ましくは120〜165℃である。このような融点のポリプロピレンのうちでも、後述するプロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体を構成するAセグメントの融点よりも高い融点を有するポリプロピレンであることが望ましい。前記Aセグメントの融点より30〜0.1℃高い融点を有するものが好ましく、10〜0.1℃高い融点を有するものが特に好ましい。
【0015】
またこのポリプロピレンは、230℃、荷重21.8Nの条件で測定したときのMFRが、好適には0.1〜400g/10分、特に好ましくは、1〜100g/10分であり、分子量分布(Mw/Mn)は、好適には1.5〜15、特に好ましくは、4〜10の範囲である。
【0016】
本発明で用いられるポリプロピレンとしては、従来公知の固体状チタン触媒成分を用いて、公知の方法により製造されたポリプロピレンが好適である。また、メタロセン化合物触媒成分を用いて得られるポリプロピレンも使用することもできる。
【0017】
本発明で用いるプロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体は、重合体鎖中のプロピレン以外のオレフィン単位/プロピレン単位の重量比が0/100〜30/70のプロピレン単独重合体またはプロピレン/オレフィン・ランダム共重合体であるプロピレン主体の重合体からなるAセグメントと、重合体鎖中のプロピレン単位/プロピレン以外のオレフィン単位の重量比が5/95〜95/5のプロピレン/オレフィン・ランダム共重合体からなるBセグメントとからなり、Aセグメント/Bセグメントの重量比は20/80〜95/5の範囲にあるものである。135℃テトラリン中でのその固有粘度が0.1〜12dl/gにあるのが好ましい。
【0018】
このブロック共重合体は、AセグメントとBセグメントとが共有結合によって結合したAB型ブロック共重合体、両セグメント間に化学的な結合が存在していないAセグメントとBセグメントとのポリマー混合物、およびそれらの混合物のいずれであってもよい。
【0019】
上記AセグメントおよびBセグメントを構成するプロピレン以外のオレフィンとしては、それぞれ独立して、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどの直鎖モノオレフィン類、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ペンテンなどの枝鎖モノオレフィン類、シクロペンテン、シクロヘキセン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、フェニルノルボルネン、インダニルノルボルネンなどの環状オレフィン類、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンなどの鎖状ポリエン類、ジシクロペンタジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネンなどの環状ポリエン類、スチレン、ビニルナフタレン、α−メチルスチレンなどのスチレン類、5−(N,N−ジイソプロピルアミノ)−1−ペンテン、4−トリメチルシロキシ−1,6−ヘプタジエンなどの置換オレフィン類およびポリエン誘導体類があり、さらに、ビニルシクロヘキサン、塩化ビニル、メチルメタクリレート、エチルアクリレートなどのオレフィンと共重合可能なビニル化合物類などを例示することができ、これらを2種以上併用して用いることもできる。これらの中でも特に、エチレンおよび/または1−ブテンの使用が好ましい。
【0020】
上記のプロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体のAセグメントとしては、プロピレン単独重合体、プロピレン/エチレン・ランダム共重合体、プロピレン/1−ブテン・ランダム共重合体、またはプロピレン/エチレン/1−ブテン・三元ランダム共重合体が好適に用いられる。また、好適には、融点が100℃〜165℃、更に好ましくは、110℃〜155℃、特に好ましくは、110℃〜140℃の範囲にあるプロピレン主体の重合体が用いられる。
【0021】
上記のプロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体のBセグメントとしては、プロピレン/1−ブテンランダム共重合体、もしくは2.9重量%以下のエチレン単位を含有するプロピレン/エチレン/1−ブテン・ランダム共重合体が好適に用いられ、後者としては、具体的には、プロピレン単位が37.1〜84.9重量%、エチレン単位が0.1〜2.9重量%、1−ブテン単位が15〜60重量%の割合で含むプロピレン/エチレン/1−ブテン・ランダム共重合体が好適に用いられる。
【0022】
Aセグメントがプロピレンとオレフィンとの共重合体である場合、Aセグメントを構成するオレフィンと、Bセグメントを構成するオレフィンとは、互いに同じでも異なっていてもよいが、AセグメントとBセグメントが、共に、プロピレン/1−ブテン・ランダム共重合体である場合が好ましく、特にBセグメントのプロピレン/1−ブテン・ランダム共重合体が更にエチレン単位を2.9重量%を越えない範囲で含有するものが好ましい。
【0023】
本発明で使用するプロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体の好ましい製造方法として以下の方法を示すことができる。
すなわち、(A)工程と(B)工程からなる製造方法であって、(A)工程は、メタロセン担持型触媒と有機アルミニウム化合物とからなるオレフィン重合用触媒系の存在下に、または、メタロセン担持型触媒1kg当たり0.01〜100kgのオレフィン予備重合体が前記メタロセン担持型触媒に担持された粒状物からなる予備活性化触媒と有機アルミニウム化合物とからなるオレフィン重合用触媒系の存在下に、プロピレンを単独で重合させて、またはプロピレンとプロピレン以外のオレフィンとの混合物を重合させて、プロピレン主体の重合体からなるAセグメントを生成させる第1重合工程であり、引き続く(B)工程は、第1重合工程からのオレフィン重合用触媒系を含むプロピレン主体の重合体の存在下に、プロピレンとプロピレン以外のオレフィンとを共重合させて、前記プロピレン/オレフィン・ランダム共重合体からなるBセグメントを生成させる第2重合工程である。
【0024】
本明細書において、触媒に関して使用される「予備活性化」の用語は、プロピレンの重合を含むオレフィンの重合に関する触媒の各種の活性、たとえば触媒の有効成分の単位重量当たりのオレフィン重合量で表される重合活性、生成するオレフィン重合体の立体規則性や結晶性などに作用する活性を、オレフィンの本重合に先立って予め活性化することを意味する。
【0025】
またオレフィンの「予備重合」の用語は、触媒を予備活性化するために、オレフィンの本重合に先立って触媒の存在下に少量のオレフィンを予め重合させることを、そして「オレフィン予備重合体」の用語は、オレフィンの本重合に先立って予備重合されたオレフィン重合体を意味する。
【0026】
本発明において使用するメタロセン担持型触媒とは、互いに架橋したπ電子共役配位子2個を有する有機遷移金属化合物、いわゆる架橋メタロセン化合物(以下、「架橋メタロセン化合物」と称する)とアルミノキサンとの反応生成物が無機微粒子状担体に担持された固体生成物からなり、架橋メタロセン化合物由来の遷移金属0.01〜5重量%とアルミノキサン由来のアルミニウム0.1〜50重量%とを含有し、かつメタロセン担持型触媒中のアルミニウム/遷移金属のモル比が1〜1,000の範囲にある固体粒子である。
【0027】
メタロセン担持型触媒中の遷移金属の含有量及びアルミニウム/遷移金属のモル比はいずれもオレフィンの重合活性に作用する。遷移金属の含有量が過小な場合には実用的なオレフィンの重合活性が得られず、また必要以上に大きくしてもそれに見合う重合活性が得られない。メタロセン担持型触媒中の遷移金属の含有量は、0.01〜5重量%の範囲であれば、実用上十分なオレフィン重合活性が得られるが、0.03〜2重量%の範囲であることが好ましい。一方、アルミニウムの含有量は0.1〜50重量%、好ましくは1〜40重量%であり、アルミニウム/遷移金属のモル比は1〜1,000、好ましくは5〜700、さらに好ましくは10〜500の範囲に調整される。
【0028】
上記メタロセン担持型触媒は、その赤外線吸収スペクトルが、1426cm-1の位置に特異なピークを有している。この特異なピークが存在し、かつそのピーク強度が高い触媒は、オレフィンの重合活性が高い。上記メタロセン担持型触媒の赤外線吸収スペクトルは、分解能4cm-1以上のFTIR装置(例:Nicolet社製 60SXR型)を用い、拡散反射法により測定することができる。
【0029】
上記メタロセン担持型触媒は、
(a) 架橋メタロセン化合物とアルミノキサンとを不活性溶媒中で反応させる工程、
(b) (a)工程で生成した反応生成物と無機微粒子状担体とを、不活性溶媒の存在下、85〜150℃の温度で接触させる工程、および
(c) (b)工程で生成した固体生成物を含むスラリーを−50〜50℃の温度で脂肪族炭化水素を用いて少なくとも2回洗浄する工程、
を順次実施して製造することができる。
【0030】
また、本発明において、メタロセン担持型触媒の予備活性化は、上記(c)工程に続いて、(d)工程として、(c)工程で得られたメタロセン担持型触媒とオレフィンとを接触させてオレフィンを予備重合させ、メタロセン担持型触媒1kg当たり0.01〜100kgのオレフィン予備重合体をさらに担持させる工程、を実施して行われる。このようにして予備活性化された触媒を、予備活性化触媒と称する。
【0031】
メタロセン担持型触媒および予備活性化触媒に使用されるメタロセン化合物は、下記の一般式(1)で表される。
【化1】
式中、Mは遷移金属を表し、pは遷移金属の原子価を表し、Xは同一でも異なっていてもよく、それぞれは水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を表し、R1およびR2は同一でも異なっていてもよく、それぞれMに配位したπ電子共役配位子を表し、そして、Qは2個のπ電子共役配位子R1とR2とを架橋する2価の基を表す。
【0032】
一般式(1)中、Mで表される遷移金属として、たとえば、Y、Sm、Zr、Ti、Hf、V、Nb、TaおよびCrが挙げられ、好ましい遷移金属はY、Sm、Zr、TiまたはHfであり、さらに好ましくはZrまたはHfである。
一般式(1)中、R1およびR2で表されるπ電子共役配位子として、η−シクロペンタジエニル構造、η−ベンゼン構造、η−シクロヘプタトリエニル構造、およびη−シクロオクタテトラエン構造を有する配位子が挙げられ、特に好ましい配位子はη−シクロペンタジエニル構造を有する配位子である。
【0033】
η−シクロペンタジエニル構造を有する配位子として、たとえば、シクロペンタジエニル基、インデニル基、水素化インデニル基、フルオレニル基などが挙げられる。これらの基は、ハロゲン原子、アルキル、アリール、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシなどの炭化水素基、トリアルキルシリル基などの炭化水素基含有シリル基、鎖状または環状アルキレン基などでさらに置換されていてもよい。
【0034】
一般式(1)中、Qで表されるR1とR2とを架橋する基は、2価の基であれば特に限定されないが、たとえば、直鎖または分枝鎖のアルキレン基、非置換または置換されたシクロアルキレン基、アルキリデン基、非置換または置換されたシクロアルキリデン基、非置換または置換されたフェニレン基、シリレン基、ジアルキル置換シリレン基、ゲルミル基、ジアルキル置換ゲルミル基などが挙げられる。
【0035】
上記の架橋メタロセン化合物として、たとえば、ジメチルシリレン(3−t−ブチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(3−t−ブチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリド、rac−エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、rac−エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、rac−ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルゲルミルビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、rac−ジメチルゲルミルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
【0036】
rac−エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジメチル、rac−エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジメチル、rac−ジメチルシリレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルゲルミルビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジメチル、rac−ジメチルゲルミルビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジメチル、rac−ジメチルゲルミルビス(2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルゲルミルビス(2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジメチル、rac−エチレンビス(2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロリド、
【0037】
rac−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジメチル、rac−ジメチルゲルミルビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルゲルミルビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジメチル、rac−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ハフニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−ナフチルインデニル)ジルコニウムジメチル、rac−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−ナフチルインデニル)ハフニウムジクロリド、rac−ジメチルゲルミルビス(2−メチル−4−ナフチルインデニル)ジルコニウムジメチル、rac−ジメチルゲルミルビス(2−メチル−4−ナフチルインデニル)ハフニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジメチル、rac−ジメチルゲルミルビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルゲルミルビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジメチル、rac−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ハフニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジメチル、rac−ジメチルゲルミルビス(2−エチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−フェニルインデニル)ハフニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジルコニウムジメチル、rac−ジメチルゲルミルビス(2−メチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ハフニウムジクロリド、
【0038】
ジメチルシリレン(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3′,5′−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3′,5′−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3′,5′−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルゲルミル(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3′,5′−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミル(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3′,5′−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレン(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3′,5′−ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3′,5′−ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジメチル、ジメチルシリレン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,4′,5′−トリメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,4′,5′−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,4′,5′−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルゲルミル(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,4′,5′−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミル(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,4′,5′−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,4′,5′−トリメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,4′,5′−トリメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジメチル、rac−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルジヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−フェニルジヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリドが挙げられる。
【0039】
上記の架橋メタロセン化合物のうち、特に好ましい化合物は、ジメチルシリレン(3−t−ブチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルゲルミルビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルゲルミルビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジジクロリド、rac−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−ナフチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルゲルミルビス(2−メチル−4−ナフチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルゲルミルビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルゲルミルビス(2−エチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルゲルミルビス(2−メチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3′,5′−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3′,5′−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルゲルミル(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3′,5′−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミル(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3′,5′−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレン(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3′,5′−ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3′,5′−ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジメチル、ジメチルシリレン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,4′,5′−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,4′,5′−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルゲルミル(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,4′,5′−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミル(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,4′,5′−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,4′,5′−トリメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,4′,5′−トリメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジメチル、rac−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルジヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリドである。
【0040】
また、最も好ましい架橋メタロセン化合物は、ジメチルシリレン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,4′,5′−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミル(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,4′,5′−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,4′,5′−トリメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ならびにrac−ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリドである。
【0041】
なお、上記のラセミ化合物に対応したメソ化合物は、5モル%以下の少量であれば、そのラセミ化合物に含有された状態で、使用してもよい。
【0042】
前記(a)工程において、前記架橋メタロセン化合物と反応させるアルミノキサンは、下記の一般式[1]または[2]で表される。
【化2】
式中、各R3は同一でも異なっていてもよく、それぞれは炭素数が1〜6、好ましくは1〜4の炭化水素基を表し、qは4〜30の整数であり、好ましくは6〜30、特に好ましくは8〜30の整数である。一般式[1]及び[2]において、R3としては、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、アリル基、2−メチルアリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、アリール基等が挙げられ、これらのうち、アルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
【0043】
アルミノキサンとして、有機溶媒に溶解した市販のアルミノキサン溶液を使用することができる。また、アルミノキサンは、公知の様々な条件下に調製することもでき、以下の調製方法を具体的に例示することができる。
トリアルキルアルミニウム、たとえばトリメチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムまたはそれらの混合物をトルエン、エーテル等の有機溶剤中において直接、水と反応させる方法。
トリアルキルアルミニウム、たとえばトリメチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムまたはそれらの混合物を結晶水を有する塩類、例えば硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物と反応させる方法。
シリカゲル等に含浸させた水分と、トリアルキルアルミニウム、たとえばトリメチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムとを、それぞれ単独にまたは同時にあるいは逐次的に反応させる方法。
また、これらの方法で得られたアルミノキサン中には未反応のトリアルキルアルミニウムが残存していても、特に支障はない。
【0044】
(a)工程では、不活性溶媒中で、−50〜100℃、好ましくは0〜50℃の温度条件下に、前記架橋メタロセン化合物1モルに対してアルミニウム原子として10〜1,000モル、好ましくは20〜500モルのアルミノキサンを、1分〜10時間、好ましくは3分〜5時間反応させ、反応生成物を得る。
【0045】
不活性溶媒の使用は、反応を均一かつ効率的に進める上で好ましい。不活性溶媒の使用量には特に制限はないが、通常、メタロセン化合物1モルに対して、10〜10,000リットル、好ましくは10〜1,000リットル程度である。
上記の反応に用いる不活性溶媒として、たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の芳香族炭化水素、ブタン、テトラメチルブタン、ペンタン、エチルペンタン、トリメチルペンタン、ヘキサン、メチルヘキサン、エチルヘキサン、ジメチルヘキサン、ヘプタン、メチルヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ヘキサデカン、オクタデカン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン等の脂環族炭化水素、あるいは上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素をハロゲンで置換したハロゲン化炭化水素およびそれらの混合溶媒が挙げられる。また、エチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類を使用することもできる。好ましい不活性溶媒は芳香族炭化水素であり、また、市販のアルミノキサン溶液の溶媒をそのまま、もしくはそれにさらにその他の芳香族炭化水素などを追加して反応に使用してもよい。
【0046】
上記(a)工程に続く(b)工程において、(a)工程で得られた反応生成物と無機微粒子状担体とを、(a)工程において使用した不活性溶媒の存在下に、85〜150℃の温度で接触させることにより、前記反応生成物が無機微粒子状担体上に担持された固体生成物が得られる。この接触反応においては、必要に応じて不活性溶媒を追加することができる。
【0047】
(a)工程で得られた反応生成物と接触させる無機微粒子状担体は、無機化合物またはそれらの混合物であって、粒子径が5〜300μm、好ましくは10〜200μmの顆粒状ないしは球状の固体微粒子である。これらの無機微粒子状担体は、比表面積が50〜1,000m2/g、好ましくは100〜700m2/gの範囲にあり、細孔容積が0.3〜2.5m3/gの範囲にあることが好ましい。
【0048】
無機微粒子状担体として、金属酸化物、たとえばSiO2、Al2O3、MgO、TiO2、ZnO、それらの混合物またはそれらの複合酸化物が好ましく、主成分としてSiO2またはAl2O3を含有する担体が特に好ましい。より具体的な無機化合物として、SiO2、Al2O3、MgO、SiO2−Al2O3、SiO2−MgO、SiO2−TiO2、SiO2−Al2O3−MgO等が挙げられ、特にSiO2が好ましい。
【0049】
上記無機微粒子状担体は、使用に先立って、通常、100〜1,000℃、好ましくは300〜900℃、特に好ましくは400〜900℃で焼成したものを使用する。焼成後の無機微粒子状担体の表面吸着水量は0.1重量%以下、好ましくは0.01重量%以下であり、また表面水酸基含量は1.0重量%以上、好ましくは1.5〜4.0重量%、さらに好ましくは2.0〜3.5重量%の範囲である。また、これらの無機微粒子状担体は、使用に先だって、予め有機アルミニウム化合物および/またはハロゲン含有ケイ素化合物との接触処理が施されていてもよい。
【0050】
(a)工程で得られた反応生成物と無機微粒子状担体との比率は、反応生成物中の遷移金属原子1モル当たり無機微粒子状担体1〜1,000kg、好ましくは5〜500kgである。不活性溶媒の使用量は、反応生成物中の遷移金属原子1モル当たり10〜10,000リットル、好ましくは10〜1,000リットルである。
【0051】
(a)工程で得られた反応生成物と無機微粒子状担体との接触条件は、85〜150℃、好ましくは90〜130℃、特に好ましくは95〜120℃の温度条件下に、5分間〜100時間、好ましくは10分間〜50時間である。特に温度条件は重要な因子であり、上記温度範囲内で接触させることにより、重合活性の高いオレフィン重合用触媒が得られ、この触媒を用いることにより高い嵩密度と良好な粒子性状を有するプロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体を得ることができる。
【0052】
続く(c)工程において、(b)工程で得られた不活性溶媒を含む固体生成物を、−50〜50℃の温度で、脂肪族炭化水素を用いて少なくとも2回洗浄することにより、架橋メタロセン化合物とアルミノキサンとの反応生成物が無機微粒子状担体に担持された固体生成物からなるメタロセン担持型触媒が得られる。洗浄に用いる脂肪族炭化水素として、前記不活性溶媒として例示した脂肪族炭化水素およびそれらの混合溶媒が挙げられる。好ましくはn−ヘキサン、イソペンタンまたはそれらの混合物を使用する。
【0053】
(b)工程で得られた固体生成物の洗浄方法として、たとえば、(b)工程の終了後、不活性溶媒と固体生成物とからなるスラリーから濾過、遠心分離またはデカンテーション等により不活性溶媒を分離し、得られた固体生成物を脂肪族炭化水素を用いて洗浄する方法、(b)工程の終了後、不活性溶媒と固体生成物とからなるスラリーに脂肪族炭化水素を添加した後、不活性溶媒および脂肪族炭化水素からなる混合溶媒を上記と同様の手段で分離し、得られた固体生成物を脂肪族炭化水素を用いて洗浄する方法などを採用することができる。ここでは、後者がより好ましい方法である。
【0054】
固体生成物の洗浄条件は、1回の洗浄につき無機粒子状担体1kgに対し、脂肪族炭化水素1〜500リットル、好ましくは10〜100リットルを使用して、−50〜50℃、好ましくは−30〜40℃、特に好ましくは−30〜30℃の温度条件下に、洗浄後の脂肪族炭化水素中にメタロセン化合物が溶出しなくなるまで洗浄を繰り返す。少なくとも2回、通常、4回以上洗浄すれば充分であるがそれに限定されない。洗浄温度条件は重要な因子であり、上記温度範囲内で洗浄することにより、重合活性の高いオレフィン重合用触媒が得られ、この触媒を用いることにより高い嵩比重と良好な粒子性状のプロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体が得られる。
【0055】
上記の方法で調製されたメタロセン担持型触媒は、気相重合法またはバルク重合法で実施される通常のオレフィン重合用触媒として使用することができるが、有機アルミニウム化合物と組み合わせることによりオレフィン重合用触媒として、本発明のプロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体の製造に好適に使用される。
【0056】
上記の(c)工程に引き続いて、(d)工程として、(c)工程で得られたメタロセン担持型触媒とオレフィンとを接触させてオレフィンを予備重合させ、メタロセン担持型触媒1kg当たり0.01〜100kgのオレフィン予備重合体をさらに担持させる工程を実施することにより、メタロセン担持型触媒がオレフィン予備重合体で被覆された粒子状の予備活性化触媒を調製することができる。
【0057】
予備活性化触媒に担持されるオレフィン予備重合体として、炭素数2〜20のオレフィン、たとえば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等の単独重合体およびそれらの共重合体が挙げられ、特にエチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、もしくはエチレンまたはプロピレンを主体としたオレフィン共重合体が好適である。また、これらのオレフィン予備重合体は135℃のデカリン中で測定した固有粘度[η]が0.1〜10dl/gの範囲にあることが好ましく、さらに好ましい範囲は0.2〜7dl/gである。
【0058】
オレフィンの予備重合は、好適には、(c)工程で得られたメタロセン担持型触媒が脂肪族炭化水素中に分散されているスラリー中にオレフィンを導入して行う。メタロセン担持型触媒が脂肪族炭化水素に分散されたスラリーとして、(c)工程の最終段階の洗浄で得られた固体生成物を脂肪族炭化水素から分離することなく使用してもよく、また、いったん脂肪族炭化水素から分離した固体生成物を同様の脂肪族炭化水素中に再度分散して使用してもよい。オレフィンの予備重合は、重合させるオレフィン自身を溶媒とした液相中、あるいは溶媒を使用せずに気相中で行うことも可能であるが、少量のオレフィンの重合を制御し、かつ均一に重合を進めるには、脂肪族炭化水素の存在下で実施することが好ましい。
【0059】
脂肪族炭化水素中で行うオレフィンの予備重合は、メタロセン担持型触媒1kgに対して、脂肪族炭化水素0.005〜5m3、好ましくは0.01〜1m3からなるスラリー中に、オレフィンを0.01〜1,000kg、好ましくは0.1〜500kg導入して、−50〜100℃、好ましくは0〜50℃の温度条件下に、1分間〜50時間、好ましくは3分間〜20時間に渡って重合させる。
【0060】
上記のオレフィンの予備重合において、メタロセン担持型触媒には架橋メタロセン化合物とアルミノキサンとの反応生成物が担持されているので、新たにトリアルキルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物やアルミノキサンに代表される助触媒を添加する必要は特にないが、所望により添加することもできる。これらの助触媒の添加量は、メタロセン担持型触媒中の遷移金属原子1モル当たり、アルミニウム原子として1,000モル以下、好ましくは500モル以下の範囲に留めるのが好ましい。上記オレフィンの予備重合は、水素の存在下に行い、生成するオレフィン予備重合体の分子量を制御することもできる。
【0061】
上記で得られた予備活性化触媒は、オレフィンの予備重合が終了したスラリー状態のまま、またはオレフィンの予備重合終了後、脂肪族炭化水素により洗浄した後、脂肪族炭化水素中に再懸濁した状態で、もしくは脂肪族炭化水素を分離して乾燥した状態で、スラリー重合法、気相重合法、およびバルク重合法による一般的なオレフィン重合に使用することができるが、有機アルミニウム化合物と組み合わせてオレフィン重合用触媒系として、本発明のプロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体の製造に好適に使用される。
【0062】
本発明を構成するプロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体は、まず、第1重合工程で、前記メタロセン担持型触媒と有機アルミニウム化合物とを組合せたオレフィン重合用触媒、または前記予備活性化触媒と有機アルミニウム化合物とを組合せたオレフィン重合用触媒の存在下に、プロピレンを単独で、または、プロピレンとプロピレン以外のオレフィンとの混合物を重合させて、プロピレン主体の重合体からなるAセグメントを生成させる。このとき、Aセグメントの割合が、プロピレン//プロピレン/オレフィン・ランダム共重合体の重量基準で、20〜95重量%となるように重合量を調節する。
【0063】
オレフィン重合用触媒系を構成する有機アルミニウム化合物は、下記の一般式で表される化合物である。
AlR4 sR5 tX3-(s+t)
式中、R4およびR5は、それぞれ独立して炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基等の炭化水素基、アルコキシ基、フッ素原子、メチル基、トリフルオロフェニル基などの置換基を有していてもよいフェニル基を表し、Xはハロゲン原子を表し、sおよびtは、0<s+t≦3を満たす任意の整数である。
【0064】
上記の一般式で表される有機アルミニウム化合物として、たとえば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムブロミド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド等のジアルキルアルミニウムハライド;メチルアルミノウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミド、イソプロピルアルミニウムセスキクロリド等のアルキルアルミニウムセスキハライド等およびそれらの2種以上の混合物が挙げられる。好ましい有機アルミニウム化合物は、トリアルキルアルミニウムである。
【0065】
有機アルミニウム化合物の使用量は、触媒系中の遷移金属原子1モル当たり、有機アルミニウム化合物中のAl原子として1〜5,000モル、好ましくは5〜3,000モル、特に好ましくは10〜1,000モルの範囲である。
【0066】
メタロセン担持型触媒または予備活性化触媒の使用量は、重合容積1リットルあたり、触媒系中の遷移金属原子に換算して、1×10-10〜1×10-3モル、好ましくは1×10-9〜1×10-4モルである。触媒の使用量を上記範囲とすることにより、オレフィンの効率的かつ制御された重合反応速度を維持することができる。
【0067】
なお、「重合容積」の用語は、液相法による重合の場合は重合容器内の液相部分の容積を、気相法による重合の場合は重合器内の気相部分の容積を意味する。
【0068】
第1重合工程における重合条件は、前記のオレフィン重合触媒の存在下に、重合温度は20〜120℃、好ましくは40から100℃の範囲、重合圧力は大気圧〜9.9MPa、好ましくは0.59〜5.0MPaの範囲である。また、必要に応じ水素のような分子量調節剤を使用して、Aセグメントの固有粘度[η]Aを所望の値に調節することができる。
【0069】
前記の第1重合工程に引き続き、第2重合工程において、第1重合工程からのオレフィン重合用触媒系を含むプロピレン主体の重合体の存在下に、プロピレンとプロピレン以外のオレフィンとを共重合させて、前記プロピレン/オレフィン・ランダム共重合体からなるBセグメントを生成させる。このとき、Bセグメントの割合が、プロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体の重量基準で、80〜5重量%となるように重合量を調節する。
【0070】
第2重合工程における重合条件は、重合温度は20〜120℃、好ましくは40から100℃の範囲、重合圧力は大気圧〜9.9MPa、好ましくは0.59〜5.0MPaの範囲である。また、第1重合工程と同様に、必要に応じた水素のような分子量調節剤を使用して、Bセグメントの固有粘度[η]Bを所望の値に調節することができる。
【0071】
プロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体中のAセグメントとBセグメントの比率(重量)は、第1重合工程及び第2重合工程のそれぞれの重合時間、重合圧力、あるいは重合温度を調節することにより、さらには、第2重合工程において一酸化炭素法あるいは硫化水素等の触媒の重合活性調節剤を使用する、等の公知の方法により調節することができる。
【0072】
上記のように第1重合工程及び第2重合工程を実施した後、重合系から未反応単量体、分子量調節剤及び重合活性調節剤を分離し、触媒の失活処理及び必要に応じて溶媒の分離をすることにより、粒子状のプロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体が得られる。
【0073】
上記の第1重合工程及び第2重合工程には、気相法を含む公知のオレフィン重合プロセスを使用できる。例えば、第1重合工程をプロピレンなどのオレフィン自身を溶媒として用いるバルク重合法とし、第2重合工程を気相のオレフィン中で実施する気相法とするプロセス、あるいは、第1重合工程及び第2重合工程を共に気相法で実施するプロセスが挙げられる。特に、第1重合工程及び第2重合工程に共に気相法を採用することにより、目的とするプロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体をより効率的に製造できると共に、良好な粒子特性と物性を併せ持つ優れた共重合体を得ることができる。第1重合工程及び第2重合工程は共通の1槽の重合器を使用して実施してもよく、また、それぞれに1槽以上の重合器を使用して実施してもよい。さらに、回分式、半連続式あるいは連続式のいずれの重合方式を採用してもよい。
【0074】
このようにして得られたプロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体は、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、造核剤、滑剤、難燃剤、アンチブロッキング剤、着色剤、有機充填剤、無機充填剤等の各種添加剤、更には種々の合成樹脂を配合し、溶融混練した後、ペレット状に成形して、本発明のポリオレフィン組成物の原料に使用される。
【0075】
別の本発明は、プロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体を上記のようにして製造し、これを、組成物の重量基準で95〜5重量%と、ポリプロピレンを5〜95重量%の範囲でブレンドする、ポリオレフィン組成物の製造方法である。
【0076】
ポリプロピレンとプロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体とをブレンドする方法としては、
(1)粉体のポリプロピレンと粒子状のプロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体とをドライブレンドする方法、
(2)ポリプロピレンとプロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体とを、押出機、ニーダー等を用いて溶融混練する方法、
がいずれも好適に用いられる。
【0077】
本発明のポリオレフォン組成物は、低温ヒートシール性に優れ、かつホットタック温度幅は広いので、特にキャストフィルムあるいは二軸延伸フィルムのシーラントして好適に用いることができ、加工性に優れたフィルムを得ることができる。
【0078】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例によりさらに具体的に説明する。
実施例、比較例で行った評価方法および測定条件を下記に示す。
(1)ZY:触媒の重合活性(単位:g・ポリマー/g・Zr) 使用したメタロセン担持型触媒または予備活性化触媒の量と生成した重合体の量とから、架橋メタロセン化合物中のZr原子1g当たりの生成重合体の量(g)を算出した。
(2)BD:生成重合体の嵩密度(単位:kg/m3)
(3)[η]:固有粘度(単位:dl/g) 自動粘度測定装置(AVS2型、三井東圧(株)製)を使用し、テトラリンを溶媒として、135℃で測定した。
(4)MFR:メルトフローレート(単位:g/10分) JIS K7210に準拠し、表1の条件14(21.8N、230℃)で測定した。
(5)1−ブテン含量:13C−NMRで測定した。
(6)Bセグメント含量:o−ジクロルベンゼンを溶媒とする温度上昇溶離分別法(TREF)による50℃以下溶出部分をBセグメントと見なして算出した。
(7)Tm:融点(単位:℃) 示差走査型熱量計(Du‘Pont社製DSC−220型)を用い、アルミニウムパンに詰めた試料(10mg)を230℃に昇温し、230℃で10分間保持した後、20℃/分の速度で−60℃まで冷却し、−60℃で10分間保持し、ついで、20℃/分の速度で昇温する際に得られる吸熱曲線のピーク値を求めた。
(8)分子量分布(Mw/Mn):ゲルパーミエイションクロマトグラフ(Waters社製、GPC−150型)を用い、o−ジクロロベンゼンを溶媒とし、135℃で測定した。
(9)ヒートシール温度:シーラント層同士が対面するように幅5mmのフィルム2枚を重ね合わせ、シール圧力0.1MPa、シール時間1sec、シール幅10mmの条件で、種々のレベルのシール温度でヒートシールした。得られた試験片の90゜剥離強度(単位:N/15mm)を引張試験器を用いて測定した。
3N/15mm以上の剥離強度が得られる最低のシール温度を、その試料のヒートシール温度とした。
(10)172gfホットタック温度幅:幅75mm、復元力がそれぞれ111、172、273及び317gf/inchである各スプリング板を、その幅方向の両端が接するようにU字型に手で曲げ、その周りに長さ270mm、幅75mmのフィルムをシーラント面が内側になるように覆い、スプリングからはみ出たフィルム端部10mm同士を重ねあわせた。この重ね合わされた部分を、所定の温度に調整されたシールバーにより、0.1MPaの圧力で0.8秒間シールしたのち、スプリングを曲げていた力を解き放ち、スプリングの復元力を前記シール部に負荷した。この復元力に抗して、依然として7mm以上の幅でシール部が保たれている場合に、ホットタック性は合格と判断し、合格と判断されたもののうち最も高い復元力を有するスプリング板の復元力を、そのシール温度におけるそのフィルムのホットタック強度として示した。以上の操作をシールバーの温度を変更して行った(単位:gf/inch)。ホットタック強度が、172gf/inch以上を示す温度幅を、172gfホットタック温度幅とした。この温度幅が広いほど加工温度幅が広く、好適なフィルムとなる。
【0079】
<製造例>
(1)メタロセン担持型触媒の製造
窒素ガスで置換した内容積2リットルの攪拌機付きガラス製反応器に、メチルアルミノキサンのトルエン溶液(濃度:3モル/リットル、商品名:PMAO、東ソーアクゾ社製)を0.58リットル(Al原子換算で1.74モル)、および架橋メタロセン化合物としてキラルなジメチルシリレン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2',4',5'−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドとそのメソ体であるジメチルシリレン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2',3',5'−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドとの混合物(メソ体含有率:1モル%)6.89ミリモルを投入し、25℃で30分間攪拌保持して反応させ、メタロセン化合物とアルミノキサンとの反応生成物を得た。引き続き、反応器に、予め減圧下、750℃で8時間焼成した、平均粒径51μmのシリカ(商品名:SYLOPOL(R)948、グレース・デビソン社製)50gを投入し、110℃で90分間攪拌保持して、前記の反応生成物とシリカとの接触反応を行い、前記の反応生成物がシリカに担持された固体生成物を含むスラリーを得た。反応器を−20℃に冷却し、n−ヘキサン1リットルを投入し、10分間攪拌した後静置し、デカンテーションにより溶媒を分離除去した。引き続き、反応器を−20℃に維持したまま、n−ヘキサン1リットルを投入し、10分間攪拌した後静置し、デカンテーションにより溶媒を分離除去する洗浄操作を4回繰り返して、メタロセン化合物とアルミノキサンとの反応生成物がシリカに担持された固体生成物(メタロセン担持型触媒)を得た。さらに、反応器にn−ヘキサン1リットルを投入し、メタロセン担持型触媒をn−ヘキサン中に分散させてスラリーとした。
このメタロセン担持型触媒/n−ヘキサンスラリーの一部を採取し、溶媒を除去した後、減圧乾燥して得られたメタロセン担持型触媒を分析した結果、架橋メタロセン化合物由来のZrを0.40重量%と、メチルアルミノキサン由来のAlを13.9重量%含有していた。メタロセン担持型触媒中の遷移金属に対するアルミニウムのモル比は、117であった。また、粒径が350μm以上の塊状の触媒は観測されなかった。
【0080】
(2)予備活性化触媒の製造
窒素ガスで置換した内容積2リットルの攪拌機付きガラス製反応器に、(1)で得たメタロセン担持型触媒/n−ヘキサンスラリーを移送し、反応器の温度を0℃に調節した。攪拌下、同温度を維持しながら、53.2ミリモル/分の供給速度でプロピレンガスを60分間供給して予備重合させ、生成したプロピレン単独重合体を(1)で得たメタロセン担持型触媒に担持させた。この予備重合の間、未反応のプロピレンガスは反応器外に放出した。予定の反応時間を経過後、プロピレンガスの供給を停止し、反応器の温度を25℃に昇温させながら、反応器の気相部を窒素ガスで置換した。デカンテーションにより反応混合物から溶媒を分離除去した後、n−ヘキサン1リットルを加えて5分間攪拌し、デカンテーションによりn−ヘキサンを除去する洗浄操作を5回繰り返した。さらに、n−ヘキサン1リットルを投入し、予備活性化触媒をn−ヘキサン中に分散させてスラリーとした。この予備活性化触媒/n−ヘキサンスラリーを濾過し、溶媒を除去した後、25℃で減圧乾燥して、固体粒子からなる予備活性化触媒得た。得られた予備活性化触媒を分析した結果、メタロセン担持型触媒1gあたり、固有粘度が1.2dl/gのポリプロピレンが0.74g担持されていた。
【0081】
(3)プロピレン/1−ブテン//プロピレン/1−ブテン・ブロック共重合体の製造
攪拌機を備えた内容積50リットルのステンレス製重合器を窒素置換した後、液化プロピレン11.8kg、液化1−ブテン2.5kg、およびトリエチルアルミニウム27.0ミリモルを投入し、50℃で10分間攪拌した。次いで、(2)で得た予備活性化触媒2.2782gを加え、重合器の内温を40℃に保って40分間重合反応を行った。重合時間経過後、未反応の混合モノマーを系外に放出すると共に、重合器の温度を25℃に冷却した後、反応生成物の一部(210.1g)を抜き出してAセグメントに相当するプロピレン/1−ブテン共重合体の試料とした。引き続き、反応生成物を器内に有する重合器に、トリエチルアルミニウム13.5ミリモルを加え、内温を50℃に昇温すると共に、重合器の内圧を0.6MPaに保つようにプロピレン/1−ブテン混合ガス(モル比:プロピレン/1−ブテン=27/73)を供給して、プロピレン/1−ブテンの気相重合を75分間実施した。重合時間経過後、プロピレン/1−ブテン混合ガスの供給を停止し、未反応ガスを系外に放出すると共に、重合器の温度を25℃に冷却した後、粒状の反応生成物(プロピレン/1−ブテン//プロピレン/1−ブテン・ブロック共重合体:YB−1)5431gを得た。重合終了後、開放した重合器内を観察した結果、塊状重合体の存在および重合器壁への重合物の付着はいずれも認められなかった。
得られたプロピレン/1−ブテン//プロピレン/1−ブテン・ブロック共重合体(YB−1)は、1−ブテン含有量が47.8重量%、BDが440kg/m3、固有粘度([η]W)が1.60dl/g、Tmが122.8℃および66.9℃、であった。また、TREF測定の結果、得られたプロピレン/1−ブテン//プロピレン/1−ブテン・ブロック共重合体は、Aセグメントが46.5重量%、Bセグメントが53.5重量%であった。Aセグメント中の1−ブテン含有量は14.1重量%であった。また、Bセグメント中の1−ブテン含有量は77.1重量%と算出された。さらに、触媒の重合活性(YZ)は、1.1×106g・ポリマー/g・Zrであった。
上記と同様の条件でプロピレン/1−ブテン//プロピレン/1−ブテン・ブロック共重合体の製造を3回繰り返し、得られた重合体を用いて、「ヒートシール温度」と「172gホットタック温度幅」を測定した。
【0082】
(4)添加剤の配合
上記の(3)で得られたプロピレン/1−ブテン//プロピレン/1−ブテン・ブロック共重合体(YB−1)100重量部に対し、ステアリン酸カルシウム0.05重量部、テトラキス(メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ハイドロシナメート))メタン0.05重量部、およびトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−フォスフェイト0.1重量%を配合し、スクリュー径20mmの2軸押出機を用い、溶融温度200℃で押し出してペレット状のプロピレン/1−ブテン//プロピレン/1−ブテン・ブロック共重合体組成物(YC−1)を得た。
【0083】
<比較製造例>
(1)プロピレン/1−ブテン・ランダム共重合体の製造
攪拌機を備えた内容積50リットルのステンレス製重合器を窒素置換した後、n−ヘキサン20リットル、および1−ブテン2.5kgを投入し、トリイソブチルアルミニウム25ミリモルを加えた後、内温を50℃に昇温すると共に、プロピレンガスを供給して重合器の内圧を0.6MPaに昇圧した。次いで、トリエチルアルミニウム25ミリモル、及び塩化マグネシウムに担持されたチタン触媒をTi原子に換算して0.125ミリモルを加えた後、重合器の内圧を0.6MPaに保つようにプロピレンガスを供給して、30分間重合を行った。重合時間経過後、未反応ガスを放出し、反応液を大量のメタノール中に投入して重合体を回収し、110℃で12時間減圧乾燥して、820gのプロピレン/1−ブテン・ランダム共重合体(YB−2)を得た。
得られたプロピレン/1−ブテン・ランダム共重合体(YB−2)は、1−ブテン含有量が31重量%、Tmが110℃であった。
上記と同様の条件でプロピレン/1−ブテン・ランダム共重合体の製造を5回繰り返し、得られた重合体を用いて、「ヒートシール温度」と「172gfホットタック温度幅」を測定した。
【0084】
また、上記の(1)で得られたプロピレン/1−ブテン・ランダム共重合体(YB−2)100重量部に対し、ステアリン酸カルシウム0.05重量部、テトラキス(メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ハイドロシナメート))メタン0.05重量部、およびトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−フォスフェイト0.1重量%を配合し、スクリュー径20mmの2軸押出機を用い、溶融温度200℃で押し出してペレット状のプロピレン/1−ブテン・ランダム共重合体組成物(YC−2)を得た。
【0085】
<実施例1>
〔ポリオレフィン組成物の調製〕
製造例1で得られたプロピレン/1−ブテン//プロピレン/1−ブテン・ブロック共重合体組成物(YC−1)30重量部と、結晶性ポリプロピレン(チッソ(株)製、グレード名:XPM7700、MFR=5.0、融点=125℃、Mw/Mn=4.0)70重量部とを、230℃で溶融混練して、ポリオレフィン組成物(YD−1)のペレットを得た。
〔二軸延伸多層フィルムの製造〕
Tダイ付き2層共押出シート成形機を用い、上記で調製したポリオレフィン組成物(YD−1)を表層用の押出機に供給し、結晶性ポリプロピレン(チッソ(株)製、グレード名:HF1170、融点:160℃)を基材層用の押出機に供給し、押出し温度250℃、冷却温度30℃での条件で共押出して、2層シートを成形した。この2層シートを、予熱温度115℃、延伸温度123℃のロール式延伸機装置を用いて、縦方向に5倍延伸し、次いで、予熱温度190℃、延伸温度160℃のテンター式延伸装置を用いて横方向に9倍延伸し、さらに、アニール温度170℃で8%の応力緩和を行って、二軸延伸2層フィルムを得た。得られた二軸延伸2層フィルムは表層(シーラント層)の厚さが1μm、基材層の厚さが24μmであった。この二軸延伸2層フィルムについて物性を測定し、測定結果を表1に示した。
【0086】
<比較例1>
〔ポリオレフィン組成物の調製〕
製造例で得られたプロピレン/1−ブテン//プロピレン/1−ブテン・ブロック共重合体組成物(YC−1)に代えて、比較製造例で得られたプロピレン/1−ブテン・ランダム共重合体組成物(YC−2)を30重量部と、結晶性ポリプロピレン(チッソ(株)製、グレード名:XPM7700、MFR=5.0、融点=125℃、Mw/Mn=4.0)70重量部とを、230℃で溶融混練して、ポリオレフィン組成物(YD−2)のペレットを得た。
〔二軸延伸多層フィルムの製造〕
実施例1で用いたポリオレフィン組成物(YD−1)に代えてポリオレフィン組成物(YD−2)を用いた以外は実施例1と同様にして、二軸延伸2層フィルムを作成し、フィルム物性を測定した。測定結果を表1に示した。
【0087】
<比較例2>
〔二軸延伸多層フィルムの製造〕
実施例1で用いたポリオレフィン組成物(YD−1)に代えて、結晶性ポリプロピレン(チッソ(株)製、グレード名:XPM7700、MFR=5.0、融点=125℃、Mw/Mn=4.0)のみを用いた以外は実施例1と同様にして、二軸延伸2層フィルムを作成し、フィルム物性を測定した。測定結果を表1に示した。
【0088】
【表1】
【0089】
【発明の効果】
本発明のポリオレフィン組成物は、低温ヒートシール性に優れ、かつホットタック温度幅は広いので、特にキャストフィルムあるいは二軸延伸フィルムのシーラントトして好適に用いることができ、加工性に優れたフィルムを得ることができる。また、本発明で用いるプロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体は、粒子状の重合体として得られるので、気相法を含む各種のプロセスで製造することができる。
Claims (4)
- プロピレン単独またはプロピレン/1−ブテンランダム共重合体からなるAセグメントとプロピレン/1−ブテン・ランダム共重合体からなるBセグメントとからなり、かつ、Bセグメントの1−ブテン含量がAセグメントの1−ブテン含量より多いプロピレン//プロピレン/1−ブテン・ブロック共重合体であって、該Aセグメントをブロック共重合体の重量基準で20〜95重量%、Bセグメントをブロック共重合体の重量基準で80〜5重量%の範囲で含むプロピレン//プロピレン/1−ブテン・ブロック共重合体95〜5重量%と、ポリプロピレン5〜95重量%からなるヒートシール材用ポリプロピレン系組成物であって、前記プロピレン//プロピレン/1−ブテン・ブロック共重合体が、(1)下記(a)〜(c)の工程を実施して得られたメタロセン担持型触媒(I)または下記(a)〜(d)の工程を実施して得られたメタロセン担持型触媒(II)と、有機アルミニウム化合物とからなるオレフィン重合用触媒系の存在下に、プロピレンの単独または1−ブテンとプロピレンとの混合物を重合させ、重合体鎖中の1−ブテン単位/プロピレン単位の重量比が0/100〜30/70であるプロピレン主体の重合体からなるAセグメントを生成させる第1重合工程と、(2)第1重合工程からのオレフィン重合用触媒系を含むプロピレン主体の重合体の存在下に、1−ブテンとプロピレンとの混合物を共重合させ、重合体鎖中のプロピレン単位/1−ブテン単位の重量比が5/95〜95/5のプロピレン/1−ブテン・ランダム共重合体からなるBセグメントを生成させる第2重合工程、を順次実施して得られたブロック共重合体である、ヒートシール材用ポリプロピレン系組成物。
(a)2個の架橋したη−シクロペンタジエニル構造を有する配位子を有し、遷移金属がジルコニウムまたはハフニウムである有機遷移金属化合物とアルミノキサンとを不活性溶媒中で反応させる工程(b)(a)工程で生成した反応生成物と無機微粒子状担体とを、不活性溶媒の存在下、85〜150℃の温度で接触させる工程(c)(b)工程で生成した固体生成物を含むスラリーを−50〜50℃の温度で脂肪族炭化水素を用いて少なくとも2回洗浄する工程(d) (c)工程で得られたメタロセン担持型触媒とオレフィンとを接触させてオレフィンを予備重合させ、メタロセン担持型触媒1kg当たり0.01〜100kgのオレフィン予備重合体を担持させる工程 - ポリプロピレン系組成物が、ポリプロピレン10〜90重量%とプロピレン//プロピレン/1−ブテン・ブロック共重合体90〜10重量%とからなることを特徴とする請求項1記載のポリプロピレン系組成物。
- ポリプロピレン系組成物が、ポリプロピレン30〜70重量%とプロピレン//プロピレン/1−ブテン・ブロック共重合体70〜30重量%とからなることを特徴とする請求項1記載のポリプロピレン系組成物。
- プロピレン//プロピレン/1−ブテン・ブロック共重合体のAセグメントの融点が110〜140℃の範囲にあることを特徴とする、請求項1記載のポリプロピレン系組成物。
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