JP2000230086A - ポリプロピレンシート - Google Patents
ポリプロピレンシートInfo
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- JP2000230086A JP2000230086A JP11031580A JP3158099A JP2000230086A JP 2000230086 A JP2000230086 A JP 2000230086A JP 11031580 A JP11031580 A JP 11031580A JP 3158099 A JP3158099 A JP 3158099A JP 2000230086 A JP2000230086 A JP 2000230086A
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- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
Abstract
ートを提供すること。 【解決手段】ポリプロピレンとして、メタロセン触媒を
用いて製造されたポリプロピレン、好ましくは、下記特
性化要件ないしを満たすポリプロピレンを用いて製
造されたポリプロピレンシート。 重量平均分子量(Mw)が30,000ないし1,0
00,000、アイソタクチックペンタッド分率(m
mmm)が、0.900ないし0.949、2,1挿
入反応および1,3−挿入反応に起因する異種結合が、
0ないし1mol%、重量平均分子量(Mw)の数平
均分子量(Mn)に対する比(Mw/Mn)が1.5な
いし3.8、ならびにオルトジクロロベンゼンの温度
を連続的にまたは段階的に昇温して各温度におけるオル
トジクロロベンゼンへのポリプロピレンの溶出成分量を
測定したときの、主溶出ピークの位置が95℃以上で、
かつ、その主溶出ピークを中心とする±10℃の温度範
囲で溶出する成分量が、0℃より高い温度で溶出する全
溶出成分量の90%以上であること。
Description
用、ファイルなどの文房具、各種パッケージ用ケース、
各種工業用途などに好適なポリプロピレンシートに関す
る。
性、耐油性、防湿性などの物性に優れている他、廃棄時
の無公害性に優れているものの、塩化ビニルやアモルフ
ァスポリエチレンテレフタレートなどの他の素材に比べ
てシートやシート成型容器とした際に、透明性が劣るた
めに使用する用途が限られていた。
シート内部を透明化する方法と透明化するシートの両表
面に光沢を付与して透明化する方法とがある。シートの
内部を透明化する方法としては(1)造核剤などを利用
し可視光線波長以下の径の微細な結晶を形成させる方
法、(2)急冷により結晶化を阻害する方法、(3)延
伸、配向により結晶を破壊させる方法などが知られてい
る。
が各種提案されている。例えば、ポリプロピレンに造核
剤を添加した組成物を用い、一対のロール鏡面の転写に
より、シート両面に光沢の付与と同時に内部を透明化す
る方法が提案されているが、薄肉シートを製造する事が
難しく、透明性も不十分である。また、ポリプロピレン
に造核剤を添加した組成物を冷水に直接接触させ急冷し
透明化する方法が提案されているが、急冷による応力歪
みが発生しやすいために、厚みの精度や熱成形時に失透
するという問題がある。さらに、ロール圧延による延伸
配向の方法も提案されているが、方向性や熱成形性に劣
るという問題がある。
に透明性の向上が求められている。しかし、従来の方法
で、シート肉厚0.5mm以下の薄肉シートにおいて表
面平滑性に優れた透明シートを得ようとしても、ロール
鏡面の転写が不十分であるために、充分な透明性が得ら
れなかった。また、シート肉厚0.6mm以上の厚肉シ
ートにおいても透明性の向上が求められているが、シー
トの厚みが増すと厚み方向への熱伝導と冷却効率のバラ
ンス限界から急激な透明性低下が発生するため、充分に
透明性の良いシートが得られていないのが実状であっ
た。。
シートを達成するために提案されたものであって、端的
に言えば、メタロセン触媒系を用いて製造されたポリプ
ロピレンを用いることに重要な特徴がある。すなわち、
本発明者らは、前述した従来技術を踏まえて、生産性と
透明性に優れたポリプロピレンシートを達成すべく鋭意
研究した結果、メタロセン触媒系を用いて製造されたポ
リプロピレンを用いることによって従来技術の問題点を
克服することができるという知見を得、本発明を完成す
るに至った。
は、メタロセン触媒から製造されたポリプロピレンを用
いることを特徴とする。
ピレン単独重合体またはプロピレン重合単位を50重量
%以上含有するプロピレンとオレフィンとのランダムも
しくはブロック共重合体である。(但し、ここでオレフ
ィンとは、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−
ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンな
どの直鎖モノオレフィン;3−メチル−1−ブテン、4
−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ペンテンな
どの分岐鎖モノオレフィン;シクロペンテン、シクロヘ
キセン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネ
ン、5−エチル−2−ノルボルネン、フェニルノルボル
ネン、インダニルノルボルネンなどの環状オレフィン;
1,3−ブタジエン、イソプレン、1,4−ヘキサジエ
ン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、4−メ
チル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキ
サジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンなどの鎖
状ポリエン;ジシクロペンタジエン、5−メチレン−2
−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネンな
どの環状ポリエン;スチレン、ビニルナフタレン、α−
メチルスチレンなどのスチレン類;4−トリメチルシロ
キシ−1,6−ヘプタジエン、5−(N,N−ジイソプロ
ピルアミノ)−1−ペンテンなどの誘導体およびビニル
シクロヘキサン、塩化ビニル、メチルメタクリレート、
エチルアクリレートなどビニル化合物等を包含する。ま
た、これらのオレフィンとしては複数のオレフィンを一
度に用いることもできる。)その中でも、好ましいのは
プロピレン単独重合体であり、さらに好ましくは、以下
のないしの特性化要件を満たすことを特徴とするプ
ロピレン単独重合体である。
特性化要件を満たすポリプロピレンが好ましく用いられ
る。すなわち、使用されるポリプロピレンが、 重量平均分子量(Mw)が30,000ないし1,0
00,000、アイソタクチックペンタッド分率(m
mmm)が、0.900ないし0.949、2,1挿
入反応および1,3−挿入反応に起因する異種結合が、
0ないし1mol%、重量平均分子量(Mw)の数平
均分子量(Mn)に対する比(Mw/Mn)が1.5な
いし3.8、ならびにオルトジクロロベンゼンの温度
を連続的にまたは段階的に昇温して各温度に対するオル
トジクロロベンゼンへのポリプロピレンの溶出成分量を
測定したときの、主溶出ピークの位置が95℃以上で、
かつ、その主溶出ピークを中心とする±10℃の温度範
囲で溶出する成分量が、0℃より高い温度で溶出する全
溶出成分量の90%以上である。
を中心とする±10℃の温度範囲で溶出する成分量が、
0℃で溶出する全溶出成分量の95%以上である上記ポ
リプロピレンも好ましく用いられる。
ないし160℃である上記ポリプロピレンも好ましく用
いられる。
して、メタロセン化合物およびアルミノキサンまたはそ
れらの反応生成物が微粒子状担体に担持されたメタロセ
ン担持型触媒を用いて製造された上記ポリプロピレンも
好ましく用いられる。
として、下記一般式(1)で表される遷移金属化合物を
用いて製造された上記ポリプロピレンも好ましく用いら
れる。
5 H4 −n R2 n)は置換シクロペンタジエニル基を示
し、mおよびnは1ないし3の整数である。R1 および
R2 は、炭素数1ないし20の炭化水素基、ケイ素含有
炭化水素基、またはシクロペンタジエニル環上の2個の
炭素原子と結合して炭化水素で置換されていてもよい1
つ以上の炭化水素環を形成している炭化水素基であっ
て、同一または異なっていてもよいが、R1 およびR2
のシクロペンタジエニル環上の位置および種類は、Mを
含む対称面が存在しない位置をとるものとする。また、
少なくとも片方のシクロペンタジエニル環にはQに結合
している炭素の隣の少なくとも片方の炭素にはR1 若し
くはR2 が存在するものとする。Qは(C5 H4 −m R
1 m)および(C 5 H4 −n R2 n)を架橋するいずれも2
価の、炭化水素基、非置換シリレン基、または炭化水素
置換シリレン基、非置換ゲルミレン基、または炭化水素
置換ゲルミレン基である。Mはチタン、ジルコニウムま
たはハフニウムである遷移金属を示し、XおよびYは同
一または異なっていてもよく水素、ハロゲンまたは炭化
水素基を示す。〕
として、ジメチルシリレン(2,3,5−トリメチルシク
ロペンタジエニル)(2′,4′,5′−トリメチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチル
シリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)
ジルコニウムジクロリドから選択される遷移金属化合物
を用いて製造された上記ポリプロピレンも好ましく用い
られる。
適に有している特性化要件ないしについて説明す
る。
w)、重量平均分子量(Mw)の数平均分子量(M
n)に対する比(Mw/Mn)は次のような方法に従っ
たゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)
の測定結果に基づき算出する。すなわち、ポリマー濃度
0.05重量%のo−ジクロロベンゼン溶液を用い、カ
ラムは混合ポリスチレンゲルカラム(例えば東ソー
(株)社製PSKgelGMH6−HT)を使用し、1
35℃にて測定することによって求める。測定装置とし
ては、例えばウォーターズ社製GPC−150Cが用い
られる。
いし1,000,000、好ましくは40,000ない
し1,000,000であり、さらに好ましくは10
0,000ないし1,000,000である。重量平均
分子量(Mw)の数平均分子量(Mn)に対する比(M
w/Mn)は1.5ないし3.8が好ましい。
C核磁気共鳴スペクトルの測定結果に基づき算出され
る。すなわち、ポリマー濃度20重量%のo−ジクロロ
ベンゼン/臭化ベンゼン=8/2重量比の混合溶液を用
い、67.20MHz,130℃で測定することによっ
て求める。測定装置としては、例えば日本電子(株)社
製JEOL−GX270NMR測定装置が用いられる。
mm)」とは、エイ・ザンベリ(A.Zambell
i)等の「Macromolecules6,925
(1973)」で提案された13C核磁気共鳴スペクトル
により測定されるオレフィン(共)重合体分子鎖中のペ
ンタッド単位での、アイソタクチック分率を意味する。
本 13C核磁気共鳴スペクトルの測定におけるピークの帰
属決定法はエイ・ザンベリ(A.Zambelli)等
の「Macromolecules8,687(197
5)」で提案された帰属に従った。
ド分率(mmmm)は、上記したように、ポリプロピレ
ン分子中の全プロピレンモノマー単位に対する、5個連
続してメソ結合をしているプロピレンモノマー単位の割
合である。従ってアイソタクチックペンタッド分率(m
mmm)が高いほどアイソタクチック性が高いことを示
す。本発明で使用するポリプロピレンは、アイソタクチ
ックペンタッド分率(mmmm)は、0.900ないし
0.949であり、好ましくは、0.920ないし0.
949、特に好ましくは、0.930ないし0.949
である。
1,3挿入反応に起因する異種結合」とは、筒井(T.
Tsutsui)等によって提案(Polymer,3
0,1350(1989))された方法に基づき、13C
核磁気共鳴スペクトルにより測定されるオレフィン
(共)重合体分子鎖中の2,1挿入反応および1,3挿
入反応に起因する異種結合の存在割合である。
反応および1,3−挿入反応に起因する異種結合は、0
ないし1mol%であり、好ましくは、0.1ないし
0.7mol%であり、特に好ましくは、0.2ないし
0.5mol%である。
特性化要件、で特定される1次構造が極めて高度に
制御されたポリプロピレンを使用することによって好ま
しい効果を奏することができる。
は、上記特性化要件、の特徴を有することに起因し
て、ポリプロピレンの融点は147℃ないし160℃、
好ましくは、150℃ないし158℃、さらに好ましく
は152℃ないし158℃となる。
計(パーキン・エルマー社製)を用いてオレフィン
(共)重合体を室温から30℃/分の昇温条件下230
℃まで昇温し、同温度にて10分間保持後、−20℃/
分にて−20℃まで降温し、同温度にて10分間保持し
た後、20℃/分の昇温条件下で測定した融解時のピー
クを示す温度である。
の温度を連続的にまたは段階的に昇温して、各温度にお
けるオルトジクロロベンゼンへのポリプロピレンの溶出
成分量を測定したときの、主溶出ピークの位置が95℃
以上、より好ましくは100℃以上であり、かつ、その
主溶出ピークを中心とする±10℃の温度範囲で溶出す
る成分量が、0℃より高い温度で溶出する全溶出成分量
の90%以上、より好ましくは95%以上であることを
特徴とする。
である。長さ15cm、内径0.46cmのステンレス
鋼製の管に0.1mm径のガラスビーズを充填(15c
mの管全体に充填)した分別カラムを用い、該分別カラ
ムを140℃に保持し、オルトジクロロベンゼンに約1
40℃の温度でポリプロピレンを溶解させて2mg/m
lの濃度の溶液となし、この溶液0.5mlを試料とし
て前記分別カラムに供給し滞留させる。次いで、この分
別カラムの温度を1℃/分の降温速度で0℃まで下げて
試料中の重合体をカラム内のガラスビーズ表面上に析出
させる。次いで分別カラムの温度を0℃に保持したま
ま、オルトジクロロベンゼン(0℃)を1ml/分の流
速で2分間分別カラム内に流し、0℃のオルトジクロロ
ベンゼンへのポリプロピレンの溶出成分をその抽出液と
して得る。次いで、赤外検出器(波長3.42μm)に
てその抽出液中のポリプロピレン溶出成分の溶出量を測
定する。その後、温度0ないし50℃の領域では10℃
ずつ、50ないし90℃の領域では5℃ずつ、90ない
し140℃では3℃ずつ、カラム温度を段階的に昇温さ
せ、上記の抽出操作を繰り返して行い、各温度における
ポリプロピレンの溶出成分量を測定し、各フラクション
の重量分率と分子量および分子量分布を測定した。
(℃)と溶出量(重量%)の関係を示す溶出曲線におい
て溶出量が最大となるピーク位置(温度)を表す。主溶
出ピークを中心とする±10℃の温度範囲で溶出する成
分量が、0℃より高い温度で溶出する全溶出成分量の9
0%以上、より好ましくは95%以上であるという特徴
は、本発明で好適に使用されるポリプロピレンの結晶性
分布が狭いという特徴を表すものである。尚、上記分別
の詳細については、TAKAO USAMI らによって、Journal
of AppliedPolymerScience:Applied Polymer Symposium
52,145-158(1993)に記載されている。
ン触媒を用いて製造されたものであり、好適にはメタロ
セン化合物およびアルミノキサンまたはそれらの反応生
成物が微粒子状担体に担持されたメタロセン担持型触媒
を用いて製造されたものである。
上にメタロセン化合物およびアルミノキサンまたはそれ
らの反応生成物が担持された固体微粒子からなるもので
あればよく、公知のメタロセン担持型触媒のいずれをも
使用することができる。
タロセン化合物、アルミノキサンの順に、あるいはその
逆の順に添加して接触させて得られたシリカ上にメタロ
セン化合物およびアルミノキサンが担持された固体微粒
子、シリカ/トルエンスラリーにメタロセン化合物とア
ルミノキサンとの混合溶液を加えて接触させて得られた
シリカ上にメタロセン化合物およびアルミノキサンが担
持された固体微粒子、無機金属酸化物微粒子の存在下に
メタロセン化合物とアルミノキサンとを反応させて得ら
れた無機金属酸化物微粒子上にメタロセン化合物とアル
ミノキサンとの反応生成物が担持された固体微粒子、不
活性溶媒中でメタロセン化合物とアルミノキサンとを反
応させた中に無機金属酸化物微粒子を添加して接触さ
せ、次いで不活性溶媒を蒸発除去して得られた無機金属
酸化物微粒子上にメタロセン化合物とアルミノキサンと
の反応生成物が担持された固体微粒子などのメタロセン
担持型触媒が挙げられる。
媒の存在下に少量のオレフィンを予備重合させることに
より予備活性化されたメタロセン担持型触媒が使用され
る。予備重合されるオレフィンは、前記例示したオレフ
ィンのいずれでもよいが、好ましくはエチレン、プロピ
レン、1−ブテンおよびそれらの2種以上の混合オレフ
ィンである。
子状担体は、粒子径が1ないし500μm、好ましくは
5ないし300μmの顆粒状ないしは球状の無機または
有機微粒子である。これらの微粒子状担体は、比表面積
が50ないし1,000m2/g、好ましくは100ない
し700m2/gの範囲にあり、かつ細孔容積が0.3な
いし2.5m3/gの範囲にある多孔性微粒子であること
が好ましい。
物、たとえばSiO2、Al2O3、MgO、ZrO2、T
iO2、これらの複合酸化物またはこれらの混合物、た
とえば、SiO2−Al2O3、SiO2−MgO、SiO
2−TiO2、SiO2−Al2O 3−MgO等の微粒子が
挙げられる。好ましい担体は、SiO2、Al2O3およ
びMgOからなる群から選ばれた少なくとも1種を主成
分として含有する微粒子、さらに好ましくはSiO2ま
たはAl2O3を主成分とする微粒子である。特にシリカ
(SiO2)が好ましい。
て、通常100ないし1,000℃、好ましくは300
ないし900℃、特に好ましくは400ないし900℃
で1ないし40時間焼成される。焼成後の無機微粒子担
体は、表面吸着水量が0.1重量%以下、好ましくは0.
01重量%以下であり、表面水酸基含量が1.0重量%
以上、好ましくは1.5ないし4.0重量%、さらに好ま
しくは2.0ないし3.5重量%の範囲にある。また、焼
成する代わりに、たとえば、有機アルミニウム化合物、
SiCl4、クロロシラン等により化学的に処理して使
用してもよい。
粒子、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンなどの
ポリオレフィン微粒子およびポリスチレン微粒子などが
挙げられる。
ン化合物は、遷移金属、たとえばY、Sm、Ti、Z
r、Hf、V、Nb、Ta、Crなど、好ましくはT
i、Zr、Hfなどの第IVA族遷移金属に、π電子共
役配位子、たとえば非置換または置換シクロペンタジエ
ニル基、非置換または置換インデニル基、水素化インデ
ニル基、非置換または置換フルオレニル基などのη−シ
クロペンタジエニル構造を有する配位子などが結合した
有機錯体であり、かつオレフィン重合活性を示すもの
を、特に限定することなく使用することができる。
(1)で表される化合物の少なくとも1種である。
5 H4 −n R2 n)は置換シクロペンタジエニル基を示
し、mおよびnは1ないし3の整数である。R1 および
R2 は、炭素数1ないし20の炭化水素基、ケイ素含有
炭化水素基、またはシクロペンタジエニル環上の2個の
炭素原子と結合して炭化水素で置換されていてもよい1
つ以上の炭化水素環を形成している炭化水素基であっ
て、同一または異なっていてもよいが、R1 およびR2
のシクロペンタジエニル環上の位置および種類は、Mを
含む対称面が存在しない位置をとるものとする。また、
少なくとも片方のシクロペンタジエニル環にはQに結合
している炭素の隣の少なくとも片方の炭素にはR1 若し
くはR2 が存在するものとする。Qは(C5 H4 −m R
1 m)および(C 5 H4 −n R2 n)を架橋するいずれも2
価の、炭化水素基、非置換シリレン基、または炭化水素
置換シリレン基、非置換ゲルミレン基、または炭化水素
置換ゲルミレン基である。Mはチタン、ジルコニウムま
たはハフニウムである遷移金属を示し、XおよびYは同
一または異なっていてもよく水素、ハロゲンまたは炭化
水素基を示す。〕
前記一般式(1)において2個のシクロペンタジエニル環
上のR1およびR2の置換位置が、Mを含む対称面が存在
しない配置をとり、さらに好ましくはR1およびR2の少
なくとも1つがシクロペンタジエニル環のQに連結して
いる炭素に隣接する炭素上に存在しているキラルなメタ
ロセン化合物である。
物として、たとえば、ジメチルシリレン(3−t−ブチ
ルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ジメチルゲルミレン(3−t−ブチルシ
クロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジ
クロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジ
メチル、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニ
ウムジメチル、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミレンビス(イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(テト
ラヒドロインデニル)ジルコニウムジメチル、エチレン
ビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルシリレンビス(テトラヒドロインデニル)
ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(テトラ
ヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチル
ゲルミレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、エチレンビス(2−メチル−4,5,6,
7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5,6,7
−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジメチル、ジ
メチルシリレンビス(2−メチル−4,5,6,7−テト
ラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチ
ルゲルミレンビス(2−メチル−4,5,6,7−テトラ
ヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチル
シリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)
ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2−メ
チル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルゲルミレンビス(2−メチル−4−フェニ
ルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリ
レンビス(2−メチル−4−ナフチルインデニル)ジル
コニウムジメチル、ジメチルゲルミレンビス(2−メチ
ル−4−ナフチルインデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベン
ゾインデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレ
ンビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジル
コニウムジクロリド、ジメチルゲルミレンビス(2−メ
チル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロ
リド、ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−フェニ
ルインデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレ
ンビス(2−エチル−4−フェニルインデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ジメチルゲルミレンビス(2−エチ
ル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,6−ジイ
ソプロピルインデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチ
ルシリレンビス(2−メチル−4,6−ジイソプロピル
インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミ
レンビス(2−メチル−4,6−ジイソプロピルインデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン
(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3′,5′
−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチ
ル、ジメチルシリレン(2,4−ジメチルシクロペンタ
ジエニル)(3′,5′−ジメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミレン
(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3′,5′
−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチ
ル、ジメチルシリレン(2,3,5−トリメチルシクロペ
ンタジエニル)(2′,4′,5′−トリメチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレ
ン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)
(2′,4′,5′−トリメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミレン(2,3,
5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,4′,
5′−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド等、および前記例示化合物のジルコニウムを
チタニウムまたはハフニウムに置き換えた化合物が挙げ
られる。
0%のキラルな化合物であることが最も好ましいが、5
0%以下の範囲のmeso体を含むdl体とmeso体
との混合物もそれを使用して得られるポリプロピレンの
物性に大きな影響を及ぼさない限り使用することができ
る。
合物は、ジメチルシリレン(2,3,5−トリメチルシク
ロペンタジエニル)(2′,4′,5′−トリメチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドおよびジメ
チルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニ
ル)ジルコニウムジクロリドである。
キサンは、下記一般式(2)で表される有機アルミニウム
化合物ポリマーおよび/または下記一般式(3)で表され
る有機アルミニウム化合物ポリマーである。
しC6、好ましくはC1ないしC4の炭化水素基、たと
えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イ
ソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、
アリル基、2−メチルアリル基、プロペニル基、イソプ
ロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、ブテニル
基等のアルケニル基、シクロプロピル基、シクロブチル
基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロア
ルキル基およびフェニル等のアリール基などを表し、好
ましくはアルキル基、さらに好ましくはメチル基であ
る。qは、4ないし30の整数であり、好ましくは6な
いし30、さらに好ましくは8ないし30である。
でき、また公知の様々な条件下、たとえば下記の方法に
より調製して使用してもよい。 1) トリアルキルアルミニウム、たとえば、トリメチル
アルミニウム、トリイソブチルアルミニウムまたはそれ
らの混合物を、トルエン、エーテル等の有機溶剤中にお
いて、酸またはアルカリ触媒の存在下に直接水と反応さ
せる方法。 2) トリアルキルアルミニウム、たとえば、トリメチル
アルミニウム、トリイソブチルアルミニウムまたはそれ
らの混合物、と結晶水を有する塩類、例えば硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物と反応させる方法。 3) シリカゲル等に含浸させた水分と、トリアルキルア
ルミニウム、たとえばトリメチルアルミニウム、トリイ
ソブチルアルミニウムとを、それぞれ単独にまたは同時
にあるいは逐次的に反応させる方法。
適に製造できるメタロセン担持型触媒としては、(a)
メタロセン化合物とアルミノキサンとを芳香族炭化水素
溶媒中で反応させて反応生成物を生成させる工程、(b)
前記反応生成物と微粒子状担体とを、芳香族炭化水素
溶媒の存在下に85ないし150℃の温度で接触させ、
微粒子状担体上に前記反応生成物が担持された固体生成
物を生成させる工程、および(c) 前記固体生成物を−
50ないし+30℃の温度において脂肪族炭化水素溶媒
で洗浄する工程、を順次実施して得られる固体微粒子か
らなる、微粒子状担体上にメタロセン化合物とアルミノ
キサンとの反応生成物が担持されたメタロセン担持型触
媒が挙げられる。
(d) 前記固体微粒子が脂肪族炭化水素溶媒に分散され
たスラリー中にオレフィンを導入して予備重合させ、生
成したポリオレフィンを固体微粒子上に担持させる工
程、を実施することにより予備活性化されたメタロセン
担持型触媒が使用される。
ノキサンとの反応および(b)工程の反応生成物と無機微
粒子状担体との接触に使用される芳香族炭化水素溶媒
は、たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン
等であり、好ましくは市販のアルミノキサン溶媒として
使用されているトルエンなどをそのまま、もしくはそれ
にトルエンなどの芳香族炭化水素溶媒をさらに追加して
使用する。
メタロセン化合物、アルミノキサンおよびそれらの反応
生成物に不活性な溶媒、たとえばシクロペンタン、メチ
ルシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン等
の脂環族炭化水素、前記芳香族炭化水素および脂環族炭
化水素がハロゲンで置換されたハロゲン化芳香族炭化水
素、ハロゲン化脂環族炭化水素、それらの混合溶媒およ
びそれらと芳香族炭化水素との混合溶媒、エチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン等のエーテル類を使用すること
もできる。
よび(d)工程のオレフィンの予備重合に使用される脂肪
族炭化水素溶媒は、たとえばブタン、テトラメチルブタ
ン、ペンタン、エチルペンタン、トリメチルペンタン、
ヘキサン、メチルヘキサン、エチルヘキサン、ジメチル
ヘキサン、ヘプタン、メチルヘプタン、オクタン、ノナ
ン、デカン、ヘキサデカン、オクタデカン等およびそれ
らの混合溶媒などであり、好ましくはn−ペンタン、イ
ソペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタンおよびそれら
の混合溶媒である。
1モル(遷移金属1モル)当たりアルミニウム原子とし
て10ないし1,000モル、好ましくは20ないし5
00モルのアルミノキサンを、芳香族炭化水素溶媒中に
おいて−50ないし100℃、好ましくは0℃ないし5
0℃の温度条件下に、1分ないし10時間、好ましくは
3分ないし5時間撹拌保持して反応させることによりメ
タロセン化合物とアルミノキサンとの反応生成物が得ら
れる。芳香族炭化水素溶媒の使用は、反応を均一かつ効
率的に進める上で好ましい。芳香族炭化水素溶媒の使用
量には特に制限はないが、通常、メタロセン化合物1モ
ル当たり10ないし10,000リットル、好ましくは
10ないし1,000リットル程度である。
た反応生成物と無機物粒子状担体とを、通常、(a)工程
で反応溶媒として使用した芳香族炭化水素溶媒の存在下
に、85ないし150℃、好ましくは90ないし130
℃、さらに好ましくは95ないし120℃の温度条件下
に、5分間ないし100時間、好ましくは10分間ない
し50時間接触させることにより、無機微粒子状担体上
に前記反応生成物が担持され固体生成物が得られる。こ
の接触反応においては、芳香族炭化水素溶媒を必要に応
じて追加してもよい。
触比率は、(a)工程で得られた反応液中の遷移金属1モ
ルに対して無機物粒子状担体1ないし1,000kg、好
ましくは5ないし500kgである。芳香族炭化水素溶媒
の使用量は、前記反応液中の遷移金属1モル当たり10
ないし10,000リットル、好ましくは10ないし1,
000リットルである。
触温度条件は重要な因子であり、前記温度範囲内で接触
させることにより、得られるメタロセン担持型触媒の高
いプロピレン重合活性と、このメタロセン担持型触媒を
プロピレンの重合に使用して得られるポリプロピレン重
合体の高い嵩比重と良好な粒子性状が達成される。
た固体生成物を脂肪族炭化水素溶媒を用いて、−50な
いし+30℃、好ましくは−30ないし0℃、さらに好
ましくは−20ないし0℃の温度条件下に洗浄すること
により、前記反応生成物が無機物粒子状担体上に担持さ
れた固体微粒子からなる前記プロピレン重合用の主成分
として好適なメタロセン担持型触媒が得られる。
後、固体生成物を含む反応液スラリーから芳香族炭化水
素溶媒を、濾過、遠心分離またはデカンテーション等に
より分離した後、固体生成物を脂肪族炭化水素を用いて
洗浄する方法、(b)工程の終了後、固体生成物を含む反
応液スラリーから芳香族炭化水素溶媒を分離することな
く脂肪族炭化水素を添加し、芳香族炭化水素溶媒と脂肪
族炭化水素との混合溶媒を分離した後、固体生成物を脂
肪族炭化水素を用いて洗浄する方法などを採用すること
ができる。
き無機粒子状担体1kg当たり脂肪族炭化水素1ないし5
00リットル、好ましくは10ないし100リットルを
使用して、洗浄後の脂肪族炭化水素中にメタロセン化合
物が溶出しなくなるまで洗浄を繰り返す。少なくとも2
回、通常、4回以上洗浄すれば充分であるがそれに限定
されない。
応生成物と無機微粒子状担体との接触温度条件と同様に
重要な因子であり、上記温度範囲内で洗浄することによ
り、得られるメタロセン担持型触媒の高いプロピレン重
合活性と、このメタロセン担持型触媒をプロピレンの重
合に使用して得られるポリプロピレンの高い嵩比重と良
好な粒子性状が達成される。
程を経たメタロセン担持型触媒をプロピレン重合用触媒
の主成分として使用してもよいが、(c)工程に続いて前
記(d)工程をさらに実施して予備活性化されたメタロセ
ン担持型触媒を使用するのが好ましい。
族炭化水素に分散されたスラリーとして、前記(c)工程
の最終段階の洗浄で得られた固体微粒子を脂肪族炭化水
素から分離することなく使用してもよく、また固体微粒
子を分離後、それを同様の脂肪族炭化水素に再分散して
使用してもよい。前記オレフィンの予備重合は、予備重
合させるオレフィン自身を溶媒とした液相中、あるいは
溶媒を使用せずに気相中で行うことも可能であるが、こ
れら少量のオレフィンの重合を制御し、かつ均一に進め
る上で脂肪族炭化水素の存在下で実施するのが好まし
い。
り、脂肪族炭化水素0.005ないし5m3、好ましくは
0.01ないし1m3を使用した固体微粒子が脂肪族炭化
水素に分散されたスラリー中に、オレフィンとを0.0
1ないし1,000kg、好ましくは0.1ないし500k
g導入して、−50ないし100℃、好ましくは0ない
し50℃の温度条件下に、1分間ないし50時間、好ま
しくは3分間ないし20時間に渡って、これらの予備重
合反応が実施される。
はメタロセン化合物とアルミノキサンとの反応生成物が
担持されているので、新たにトリアルキルアルミニウム
等の有機アルミニウム化合物やアルミノキサンに代表さ
れる助触媒を添加する必要は特にないが、所望により添
加してもよい。これらの助触媒の添加量は、固体微粒子
中の遷移金属1モル当たり、アルミノキサン由来のアル
ミニウムとの合計でアルミニウム原子として1,000
モル以下、好ましくは500モル以下の範囲に留めるの
が好ましい。
い、生成するオレフィン重合体の分子量を、予備重合中
に担持型触媒が凝集することを防止することを目的とし
て、その135℃のデカリン中で測定した極限粘度
[η]が0.1ないし10dl/g、好ましくは0.2な
いし7dl/gであるように制御してもよい。
は、予備重合が終了したスラリー状態のまま、または予
備重合終了後、脂肪族炭化水素で洗浄して脂肪族炭化水
素中に再懸濁した状態で、もしくは脂肪族炭化水素を分
離して乾燥した状態で、本発明で使用する好適なプロピ
レンを重合するための触媒して使用される。
るために用いられるメタロセン触媒は、スキャベンジャ
ーとしての有機アルミニウム化合物、たとえばトリメチ
ルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプ
ロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ト
リブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、ト
リオクチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウ
ム、ジメチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニ
ウムヒドリド、ジイソプロピルアルミニウムヒドリド、
ジイソブチルアルミニウムヒドリドなどのジアルキルア
ルミニウムヒドリド、ジメチルアルミニウムクロリド、
ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミ
ニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリドな
どのジアルキルアルミニウムクロリド、メチルアルミニ
ウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリ
ド、エチルアルミニウムセスキブロミド、イソプロピル
アルミニウムセスキクロリドなどのアルキルアルミニウ
ムセスキハライド、およびそれらの2種以上の混合物な
どと組み合わせて用いられる。
エチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ト
リブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、ト
リオクチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウ
ムおよびジイソブチルアルミニウムヒドリドなどのジア
ルキルアルミニウムヒドリドであり、特に、トリエチル
アルミニウムおよびトリブチルアルミニウムがメタロセ
ン担持型触媒のオレフィン重合活性をさらに向上させ、
かつ得られるポリプロピレンをより高分子量化する効果
が顕著であるので好ましい。
メタロセン触媒中の遷移金属1モル当たり有機アルミニ
ウム化合物中のAlとして1ないし5,000モル、好
ましくは5ないし3,000モル、特に好ましくは10
ないし1,000モルの範囲である。
常、公知のチーグラー・ナッタ触媒を使用するオレフィ
ンの重合条件と同様の条件下に製造することができる。
たとえば、通常、分子量調節剤である水素の存在下に、
重合温度−50ないし150℃、好ましくは−10ない
し100℃で重合圧力を大気圧ないし7MPa、好まし
くは0.2ないし5MPaを維持しながらプロピレンを
供給し、1分ないし20時間程度重合させる。
ットルあたり、触媒中の遷移金属に換算して1×10
-10ないし1×10-3モル、好ましくは1×10-9ない
し1×10-4モルである。メタロセン触媒の使用量を上
記範囲とすることにより、プロピレンの効率的かつ制御
された重合反応速度を維持することができる。なお、
「重合容積」の用語は、液相重合の場合は重合器内の液
相部分の容積を、気相重合の場合は重合器内の気相部分
の容積を意味する。
公知の触媒失活処理工程、触媒残渣除去工程、乾燥工程
等の後処理工程を経た後、目的とするポリプロピレンが
得られる。
メタロセン触媒を用いて製造したポリプロピレンを用い
て、エアナイフ法、ポリシング法、スチールベルト法な
どの従来公知のシート製造方法により製造される。
S K7210に準拠して、表1の条件14(21.1
8N荷重下、230℃条件下)で測定したMFRが、
0.3ないし10g/10分の範囲であることが好まし
い。更に好ましくは、エアーナイフ法で成形する場合
は、0.5ないし4g/10分、ポリシング法やスチー
ルベルト法で成形する場合には、2ないし6g/10分
の範囲である。
酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、難燃
剤、アンチブロッキング剤、着色剤、無機質または有機
質の充填剤等の各種添加剤、更には種々の合成樹脂を配
合した後、通常は加熱溶融混練され、更に粒状に切断さ
れたペレットとして使用することができる。また、本発
明の効果を損なわない範囲で造核剤を使用することもで
きる。
特に限定されない。好ましくは0.25ないし1.2m
mである。更に、好ましくは0.25ないし1.0m
m、更に好ましくは0.25ないし0.8mmである。
シートの厚みが、1.2mmより厚い時は、透明性の高
いシートが得られ難い。
さらに詳細に説明する。実施例および比較例において使
用する用語の定義および測定方法は以下の通りである。
表1の条件14(21.18N荷重下、230℃条件
下)で測定した値(単位:g/10分)
析計(パーキン・エルマー社製)を用いてオレフィン
(共)重合体組成物を室温から30℃/分の昇温条件下
230℃まで昇温し、同温度にて10分間保持後、−2
0℃/分にて−20℃まで降温し、同温度にて10分間
保持した後、20℃/分の昇温条件下で融解時のピーク
を示す温度を融点とした。
Mnはそれぞれ次のような方法に従ったゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(GPC)の測定結果に基づ
き算出する。即ち、ポリマー濃度0.05重量%のo−
ジクロロベンゼン溶液を用い、カラムは混合ポリスチレ
ンゲルカラム(たとえば東ソー(株)社製PSKgel
GMH6−HT)を使用し、135℃にて測定するこ
とによって求める。測定装置としては、例えばウォータ
ーズ社製GPC−150Cが用いられる。
測定した。
測定した。試料を、エタノールで洗浄して乾燥した後、
試料表面(両面)に流動パラフィンを塗布し、試料表面
での光の散乱を無くすようにして測定して得られたヘイ
ズ値を「ヘイズ(内部)」として表し、一方、流動パラ
フィンを塗布せずに測定して得られたヘイズ値を「ヘイ
ズ(トータル)」として表した。
のフラスコに、ジメチルシリレン(2,3,5−トリメチ
ルシクロペンタジエニル)(2′,4′,5′−トリメチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド6.
1g(14.1mmol)、およびメチルアルミノキサ
ンのトルエン希釈品をAl原子換算で4160mmol
を仕込み、10分間反応させた。次いで、800℃で8
時間焼成したシリカ(グレース・デビソン)を100g
を添加し、100℃で1時間攪拌しながら反応を行っ
た。反応スラリーを10分間をかけて0℃に冷却し、n
−ヘキサンを2800ml添加して10分間撹拌しなが
ら洗浄し、上澄み液をデカントした。同一の洗浄、デカ
ント操作を3回繰り返した後にn−ヘキサンを2800
ml添加し、0℃下においてプロピレンを4500ml
/分の流量で50分間連続的に加え予備重合を行った。
その後上澄み液をデカントしさらに2800mlのn−
ヘキサンで5回洗浄、デカントを繰り返し、室温下で2
時間真空乾燥して360gの予備活性化されたメタロセ
ン担持型触媒を得た。触媒の組成分析を行った結果、予
備活性化されたメタロセン担持型触媒中にZrが0.2
2wt%含まれていた。
続重合用リアクターを用いて、ポリマーを含んだ液容積
(重合容積)が140Lとなるように、液化プロピレン
を18L/hr、ヘキサンを8.2L/hr、上記にて
調整した担持型触媒を予備活性化前の担持型触媒当た
り、0.8g/hr、TEAを7mmol/hrのフィ
ード量にて常時供給しながら、リアクター内の条件が5
0℃および1.17MPaGの一定条件となるように、
内容物を連続的に抜き出す事により重合反応を連続的に
行った。その結果、パウダーの抜き出し量は3.2kg
/hrであった。上記のように連続運転しながら8時間
分抜き出し、予めヘキサン中に溶解しているプロピレン
分を落圧することによって除去したポリプロピレンのヘ
キサンスラリーに、50Lのメタノール、230Lのヘ
キサンを追加し、70℃で30分反応させた。その後、
20%NaOH水溶液を0.5L加え、70℃で20分
反応させた。その後、純水を70L加え、70℃で20
分反応させた後、冷却し、攪拌を止め、静置した後、水
相をデカンテーションにより抜き出した。その後、純水
を150L加え、30℃で20分反応させた後、攪拌を
止め、静置した後、水相をデカンテーションにより抜き
出した。その後、残ったヘキサン/パウダーは、遠心分
離により、パウダーを回収後、パウダーは直ちに60℃
の窒素気流下で3時間乾燥した。得られたパウダーを分
析したところ、MFR10.0g/10分.、融点15
6℃、Mw/Mn=2.4、またMwが2.31×10
5 であった。また、13C核磁気共鳴スペクトルにより測
定されたアイソタクチックペンタッド分率(mmmm)
が、0.940、2,1挿入反応および1,3−挿入反
応に起因する異種結合が、0.42mol%であった。
オルトジクロロベンゼンの温度を連続的にまたは段階的
に昇温して各温度に対するポリプロピレンの溶出量を測
定したときの、主溶出ピークの位置が108℃で、か
つ、その主溶出ピークを中心として±10℃以内に存在
する成分量が、0℃より高い温度で溶出する全溶出量の
96%であった。
られたポリプロピレンパウダー100重量部に、テトラ
キス〔メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシルーハイドロシンナメート)〕メタン0.05重量
部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォス
ファイト0.10重量部、ステアリン酸カルシウム0.
05重量部を混合し、該混合物をスクリュー径40mm
および押し出し温度230℃に設定された単軸押し出し
造粒器を用いてポリプロピレンペレットを製造した。得
られたポリプロピレンペレットのMFRは10.4g/
10分.であった。
うにして得られたポリプロピレンペレットを用いてスク
リュー径65mmの多層押出機/エアナイフ法によりポ
リプロピレンシートを下記の条件にて作製した。得られ
たシートの性能を表1に示す。
=36、引取速度2m/分、エアナイフ法、スクリュー
回転数 35rpm/分 冷却ロール 50℃、ダイ幅 550mm (設定温度)C1 180℃、C2 190℃、C3ない
しC5 200℃ F,A,D 220℃
レンに変えて、Z−N触媒を用いて製造されたポリプロ
ピレン(チッソ株式会社製チッソポリプロ、グレード名
K1008、MFR10.4g/10分)を用い、得ら
れるシートの厚みを実施例1と同じ厚みにするためにス
クリュー回転数を38rpm/分に変更した以外は実施
例1と同様にしてポリプロピレンシートを作製した。用
いたポリプロピレンは、Mwが2.4×105、アイソ
タクチックペンタッド分率(mmmm)が0.930、
2,1挿入反応および1,3−挿入反応に起因する異種
結合が観察されず、Mw/Mnが4.3、オルトジクロ
ロベンゼンの温度を連続的にまたは段階的に昇温して各
温度におけるオルトジクロロベンゼンへのポリプロピレ
ンの溶出成分量を測定したときの、主溶出ピークの位置
が116℃、その主溶出ピークを中心とする±10℃の
温度範囲で溶出する成分量が、0℃より高い温度で溶出
する全溶出成分量の76%、融点が160℃、MFRが
10.4g/10分、であった。得られたシートの性能
を表1に示す。
下記に示すスクリュー径60mmのシート成形機を使っ
て、下記の条件でポリプロピレンシートを作製した。得
られたシートの性能を表2に示す。
作製) シート成形機:スクリュー径60mm(Tダイ押出、L
/D=28、ポリシング方式)、スクリュー回転数 7
0rpm/分 押出条件:シリンダー温度 210℃、ダイス温度 2
25℃、リップ開度 3.5mm、 引き取り条件:冷却ロール温度 85℃、バックアップ
ロール温度 38℃引き取り速度 2.9m/分、エア
ーギャップ 100mm
比較例1にて使用したポリプロピレンペレットを使用
し、シリンダー温度を220℃とした以外は実施例2と
同様にしてポリプロピレンシートを作製した。得られた
シートの性能を表2に示す。
レンシートは、Z−N触媒を用いて得られた比較例1及
び2の同様のシートに比べ、透明性に優れている。
て製造される特定のポリプロピレンを素材樹脂として用
いることによって、透明性に優れたポリプロピレンシー
トが提供される。
Claims (8)
- 【請求項1】 素材樹脂として、メタロセン触媒を用い
て製造されたポリプロピレンを使用して得られたポリプ
ロピレンシート。 - 【請求項2】 シートの厚みが、0.25ないし1.2
mmの範囲である、請求項1記載のポリプロピレンシー
ト。 - 【請求項3】 ポリプロピレンが、 重量平均分子量(Mw)が30,000ないし1,0
00,000、アイソタクチックペンタッド分率(m
mmm)が、0.900ないし0.949、2,1挿
入反応および1,3−挿入反応に起因する異種結合が、
0ないし1mol%、重量平均分子量(Mw)の数平
均分子量(Mn)に対する比(Mw/Mn)が1.5な
いし3.8、ならびにオルトジクロロベンゼンの温度
を連続的にまたは段階的に昇温して各温度におけるオル
トジクロロベンゼンへのポリプロピレンの溶出成分量を
測定したときの、主溶出ピークの位置が95℃以上で、
かつ、その主溶出ピークを中心とする±10℃の温度範
囲で溶出する成分量が、0℃より高い温度で溶出する全
溶出成分量の90%以上であることを特徴とする、請求
項1または2記載のポリプロピレンシート。 - 【請求項4】 ポリプロピレンが、オルトジクロロベン
ゼンの温度を連続的にまたは段階的に昇温して各温度に
おけるオルトジクロロベンゼンへのポリプロピレンの溶
出成分量を測定したときの、主溶出ピークの位置が95
℃以上で、かつ、その主溶出ピークを中心とする±10
℃の温度範囲で溶出する成分量が、0℃より高い温度で
溶出する全溶出成分量の95%以上であることを特徴と
する、請求項3記載のポリプロピレンシート。 - 【請求項5】 ポリプロピレンの融点が、147℃ない
し160℃であることを特徴とする請求項1ないし4の
いずれか1記載のポリプロピレンシート。 - 【請求項6】 ポリプロピレンが、メタロセン化合物お
よびアルミノキサンまたはそれらの反応生成物が微粒子
状担体に担持されたメタロセン担持型触媒によって製造
されるポリプロピレンであることを特徴とする請求項1
ないし5のいずれか1記載のポリプロピレンシート。 - 【請求項7】 メタロセン化合物が、下記一般式(1)
で表される遷移金属化合物であることを特徴とする請求
項6記載のポリプロピレンシート。 Q(C5 H4 −m R1 m)(C5 H4 −n R2 n)MXY (1) 〔式中、(C5 H4 −m R1 m)および(C5 H4 −n R
2 n)は置換シクロペンタジエニル基を示し、mおよびn
は1ないし3の整数である。R1 およびR2 は、炭素数
1ないし20の炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基、ま
たはシクロペンタジエニル環上の2個の炭素原子と結合
して炭化水素で置換されていてもよい1つ以上の炭化水
素環を形成している炭化水素基であって、同一または異
なっていてもよいが、R1 およびR2 のシクロペンタジ
エニル環上の位置および種類は、Mを含む対称面が存在
しない位置をとるものとする。また、少なくとも片方の
シクロペンタジエニル環にはQに結合している炭素の隣
の少なくとも片方の炭素にはR1 若しくはR2 が存在す
るものとする。Qは(C5 H4 −m R1 m)および(C 5
H4 −n R2 n)を架橋するいずれも2価の、炭化水素
基、非置換シリレン基、または炭化水素置換シリレン
基、非置換ゲルミレン基、または炭化水素置換ゲルミレ
ン基である。Mはチタン、ジルコニウムまたはハフニウ
ムである遷移金属を示し、XおよびYは同一または異な
っていてもよく水素、ハロゲンまたは炭化水素基を示
す。〕 - 【請求項8】 メタロセン化合物が、ジメチルシリレン
(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,
4′,5′−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−メチル
−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリドか
ら選択される遷移金属化合物であることを特徴とする請
求項6または7記載のポリプロピレンシート。
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