JP2001064329A - プロピレン系共重合体およびその製造方法 - Google Patents
プロピレン系共重合体およびその製造方法Info
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Abstract
ロピレン系共重合体を得ること。 【解決手段】(a):π電子共役配位子を少なくとも1
個有する有機遷移金属化合物とアルミノキサンとを不活
性溶媒中で反応させて反応生成物−aを製造する工程、 (b):(a)工程で得られた反応生成物−aと無機微
粒子状担体とを、不活性溶媒の存在下、85〜150℃
の温度で接触させて固体生成物−bを製造する工程、お
よび (c):(b)工程で得られた固体生成物−bを、−5
0〜50℃の温度で脂肪族炭化水素を使用して少なくと
も2回洗浄する工程、を順次実施して、π電子共役配位
子を少なくとも1個有する有機遷移金属化合物とアルミ
ノキサンとの反応生成物を、無機微粒子状担体上に担持
させた固体生成物−cを製造し、この固体生成物−cを
プロピレン(共)重合用のメタロセン担持型触媒として用
い、プロピレンとα,ω−ジエンもしくはプロピレンと
α、ω−ジエンと第二の共重合成分であるオレフィン類
を共重合し、0.01重量%未満含有するプロピレン系
(共)重合体を製造する。
Description
含有するプロピレン系共重合体およびその製造方法に関
する。さらに詳しくは、特定の製造方法により製造され
たメタロセン担持型触媒を用いて製造された、剛性、耐
熱性および透明性に優れ、臭気の少ないプロピレン系共
重合体およびその製造方法に関する。
耐薬品性などに優れ、またそれらの特性と経済性とのバ
ランスが極めて優れていることにより各種の成形品分野
に広く使用されている。これらのプロピレン系共重合体
は、従来、主として三塩化チタンや四塩化チタンもしく
はこれらを塩化マグネシウムなどの担体に担持させた無
機遷移金属触媒と有機アルミニウム化合物とを組み合わ
せた、いわゆるチーグラー・ナッタ系触媒を用いて、プ
ロピレンとその他のオレフィンとを共重合させることに
より製造されてきた。
キサンとを組み合わせた、いわゆるメタロセン系触媒を
用いてプロピレンの単独重合もしくはプロピレンと他の
オレフィンを共重合させて、プロピレン系(共)重合体
を製造する方法が提案されている。たとえば、特開昭6
1−130314号公報、特開平3−12406号公
報、特開平3−12407号公報、特開平6−1005
79号公報、米国特許5,296,434号明細書、オ−
ガノメタリックス(Organometallics )13, 957(199
4)等には、アイソタクチックプロピレン重合体を与え
るメタロセン系触媒が記載されている。
たオレフィン共重合体は、分子量分布が狭く、またコモ
ノマーが均一に共重合されていることから、チーグラー
・ナッタ系触媒を用いた場合よりも均質なオレフィン共
重合体が得られることが知られている。また、一般に、
プロピレン系共重合体の物性、特に剛性および耐熱性と
融点との間には相関があり、高融点である方が、剛性お
よび耐熱性も高い。
リシス A:ケミカル(Journal ofMolecular Catalysi
s A:Chemical) 102, 59-65(1995)には、アイソタク
チックポリプロピレンを与える触媒を用いた場合の重合
温度とポリプロピレンの融点との関係について、たとえ
ば、0℃では高融点のポリプロピレンが得られるが、工
業的な実施に好適な重合温度、たとえば70℃では、得
られるポリプロピレンの融点が極端に低くなることが記
載されている。オ−ガノメタリックス(Organometallic
s )13, 957(1994)には、メタロセン化合物の種類を選
択することによって、重合温度70℃においても高融点
のポリプロピレンが得られることが記載されているが、
触媒が担体に担持されていない状態の、いわゆる均一系
触媒についての記載のみである。
重合体を工業的に製造するためには、担体にメタロセン
化合物を担持させた、いわゆるメタロセン担持型触媒を
用いる必要がある。国際公開WO94/28034号公
報には、前記の均一系メタロセン触媒では高温反応でも
高融点のプロピレン系共重合体を与えるメタロセン化合
物であっても、これを担持させた担持型触媒として用い
た場合、均一系触媒で得られるポリプロピレンと比較し
て、融点の低いポリプロピレンが得られることが記載さ
れている。したがって、メタロセン担持型触媒を用いて
高剛性および耐熱性を有する、すなわち、高融点のアイ
ソタクチックプロピレン系共重合体を工業的に製造する
ことは困難であった。
開平7−165814号公報、特開平8−92317号
公報、特開平8−92308号公報、WO97/082
16号公報、WO99/11680号公報には、プロピ
レンとα,ω−ジエンを共重合させることにより、プロ
ピレン系共重合体の溶融張力が向上することが記載され
ている。しかし、α,ω−ジエン化合物は一般に臭いが
強く、コモノマーとして比較的多くのα,ω−ジエンを
用いる場合には、得られる共重合体も臭気を発するとい
う問題がある。
担持型触媒を用いてプロピレンと極少量のα,ω−ジエ
ンを共重合させることにより、高剛性で耐熱性に優れ、
かつ臭気の無いプロピレン系共重合体を提供するもので
ある。
題を解決するために鋭意研究した。その結果、特定の製
造方法で製造されたメタロセン担持型触媒を用いて、極
端に少量のα,ω−ジエンをプロピレンと共重合させる
ことにより、得られるプロピレン系共重合体が高剛性で
耐熱性に優れ、かつ臭気の無いプロピレン系共重合体に
なることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成し
た。
る有機遷移金属化合物とアルミノキサンとを不活性溶媒
中で反応させて反応生成物−aを製造する工程、 (b):(a)工程で得られた反応生成物−aと無機微粒
子状担体とを、不活性溶媒の存在下、85〜150℃の
温度で接触させて固体生成物−bを製造する工程、およ
び (c):(b)工程で得られた固体生成物−bを、−5
0〜50℃の温度で脂肪族炭化水素を使用して少なくと
も2回洗浄して固体生成物−cを製造する工程、の3工
程を(a)から(c)と順次実施し、得られた固体生成
物−cのメタロセン担持型触媒を用いて、プロピレンと
α、ω−ジエンとから製造された、α,ω−ジエンを
0.01重量%未満含有することを特徴とするプロピレ
ン系共重合体。
程で得られた固体生成物−cに、(d)工程として、少
なくとも1種のオレフィンを接触、予備重合させて、π
電子共役配位子を少なくとも1個有する有機遷移金属化
合物とアルミノキサンとの反応生成物およびオレフィン
(共)重合体を、無機微粒子状担体上に担持させてなる、
予備活性化メタロセン担持型触媒である前記第1項記載
のプロピレン系共重合体。
触媒もしくは前記第2項記載の予備活性化メタロセン担
持型触媒を用いてプロピレンとα、ω−ジエンもしくは
プロピレン、α、ω−ジエンおよび第二共重合成分とを
加熱して共重合させることを特徴とするα、ω−ジエン
を0.01重量%未満含有するプロピレン系共重合体の
製造方法。
造方法により製造したメタロセン担持型触媒を用いて、
プロピレンと極端に少量のα,ω−ジエンとを共重合さ
せる点にある。
合成分のα,ω−ジエンを0.01重量%未満含有する
他、第2共重合成分としてプロピレン以外のα−オレフ
ィンおよびエチレンから選ばれる1種以上の化合物を0
〜70重量%含有することができる。
は、共重合成分のα.ω−ジエンを0.01重量%未満
含有する他、プロピレン以外のα−オレフィンおよびエ
チレンから選ばれる少なくとも1種以上の化合物を0〜
50重量%含有することができる。
は、α位とω位にビニル基を有するジエン化合物であ
り、直鎖構造でも分岐した構造でもよく、酸素、硫黄、
硼素等のヘテロ原子や原子団を含んでいてもよい。具体
的には、1,3−ブタジエン、1,4−ペンタジエン、
1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7
−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジ
エン、1,10−ウンデカジエン、1,11−ドデカジ
エン、1,13−テトラデカジエン、ジビニルベンゼン
等が例示され、好ましくは、1,5−ヘキサジエン、
1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、1,13
−テトラデカジエン、最も好ましくは1,9−デカジエ
ンが用いられる。
れるα,ω−ジエンの量は、0.01重量%未満であ
り、好ましくは、0.00001重量%以上、0.01
重量%未満、より好ましくは、0.0001重量%以上
0.01重量%未満、特に好ましくは、0.001重量
%以上、0.01重量%未満である。該α,ω−ジエン
の含有量が、0.00001重量%以下の場合、もしく
は、0.01重量%以上と多い場合には、本発明の効
果、すなわち高剛性で耐熱性に優れ、臭気のないプロピ
レン系共重合体は得られない。
ω−ジエンの含有量は、特開平7−138327号公報
および特開平8−92317号公報に記載されているよ
うに、13C−NMRを利用して求めたり、重合時に供給
したジエンモノマーの量と重合終了後に回収した未反応
のジエンモノマーの量との差から計算によって求めるこ
とができる。
ン系共重合体の製造に使用することができる第二の共重
合成分としては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メ
チル−1−ペンテン、スチレン等が例示でき、特に好ま
しくは、エチレン、1−ブテンが用いられる。該第二の
共重合成分のプロピレン系(共)重合体中の含有量は、
0〜70重量%、好ましくは、0〜50重量%である。
いられるメタロセン担持型触媒としては以下の(1)ま
たは(2)の態様を示すことができる。 (1)(a):π電子共役配位子を少なくとも1個有す
る有機遷移金属化合物(以下単にメタロセン化合物と略
称することがある)とアルミノキサンとを不活性溶媒中
で反応させて反応生成物−aを製造する工程、 (b):(a)工程で得られた反応生成物−aと無機微粒
子状担体とを、不活性溶媒の存在下、85〜150℃の
温度で接触させて固体生成物−bを製造する工程、およ
び (c):(b)工程で得られた固体生成物−bを、−5
0〜50℃の温度で脂肪族炭化水素を使用して少なくと
も2回洗浄する工程、の3工程を(a)から(c)と順
次実施して、メタロセン化合物とアルミノキサンとの反
応生成物を、無機微粒子状担体上に担持させてなる固体
生成物−cをメタロセン担持型触媒として用いる態様。
た固体生成物−cに少なくとも1種のオレフィンを接触
させて予備重合させる(d)工程を実施して、メタロセ
ン化合物とアルミノキサンとの反応生成物およびオレフ
ィン(共)重合体を、無機微粒子状担体上に担持させて、
予備活性化メタロセン担持型触媒として用いる態様。
なわち、メタロセン化合物とアルミノキサンとの反応生
成物を無機微粒子状担体に担持させた固体生成物−c
は、メタロセン化合物に由来する遷移金属を0.01〜
5重量%、好ましくは0.03〜2重量%、およびアル
ミノキサンに由来するアルミニウムを0.1〜50重量
%、好ましくは1〜40重量%含有する。
ミニウムの含有量の比率がプロピレンとα、ω−ジエン
との共重合時の重合活性に影響し、遷移金属の含有量が
過小な場合には実用的な重合活性が得られず、また過大
な場合もそれに見合う重合活性の増加は得られない。該
遷移金属に対するアルミニウムの比率は、遷移金属1モ
ルに対して1〜200モル、好ましくは5〜150モ
ル、より好ましくは10〜100モルの範囲である。上
記(a)工程にて用いるメタロセン化合物としては、下
記の一般式(A)で表される化合物を示すことができ
る。
4-nR2 n)は、置換シクロペンタジエニル基を示し、m
およびnは1〜3の整数である。R1およびR2は、炭素
数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基、酸素
またはイオウまたはチッソ含有炭化水素基、またはシク
ロペンタジエニル環上の2個の炭素原子と結合して、炭
化水素、または、酸素またはイオウまたはチッソ含有炭
化水素で置換されていてもよい1つ以上の炭化水素環を
形成している炭化水素基であって、同一または異なって
いても良いが、シクロペンタジエニル環上におけるR1
およびR2の位置および種類は、Mを含む対称面が存在
しない位置をとるものとする。また、少なくとも片方の
シクロペンタジエニル環にはQに結合している炭素の隣
の炭素の少なくとも片方にはR1 若しくはR2 が存在す
るものとする。Qは(C5H4-mR1 m)および(C5H4-n
R2 n)を架橋するいずれも2価の、炭化水素基、非置換
シリレン基、または炭化水素置換シリレン基である。M
はチタン、ジルコニウムまたはハフニウムである遷移金
属を示し、XおよびYは同一または異なっていてもよく
水素、ハロゲンまたは炭化水素基を示す。〕
的な例としては、rac−ジメチルシリレンビス(2,
3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロライド、rac−ジメチルシリレンビス(2−
メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロ
ライド、rac−ジメチルシリレンビス(2−メチル−
4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロライ
ド、rac−ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−
フェニルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ra
c−ジメチルシリレンビス(2−メチル−インデニル)
ジルコニウムジクロライド、rac−ジメチルシリレン
ビス(2−(2−フリル−インデニル)ジルコニウムジ
クロライド、rac−ジメチルシリレンビス(3−(2
−フリル)−2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロライド、rac−ジメチルシリレン
ビス(2−(2−フリル)−3,5−ジメチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、rac−ジ
メチルシリレンビス(2−(2−フリル)−4,5−ジ
メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライ
ド、rac−ジメチルシリレンビス(3−(2−チエニ
ル)−2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロライド、が挙げられる。
ンビス(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロライド、rac−ジメチルシリ
レンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジル
コニウムジクロライドが、好ましく用いられ、より好ま
しくは、rac−ジメチルシリレンビス(2,3,5−
トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
ライドが用いられる。
しくは[2]で表される有機アルミニウム化合物であ
る。
1〜4の炭化水素基であり、具体的には、メチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチ
ル基、ヘキシル基等のアルキル基、アリル基、2−メチ
ルアリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、2−メ
チル−1−プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル
基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、および
アリール基等が挙げられる。これらのうち、特に好まし
いのはアルキル基であり、各R3は同一でも異なってい
てもよい。qは4〜30の整数であり、好ましくは6〜
30、特に好ましくは8〜30である。
下に調製することが可能である。具体的には、以下の方
法を例示できる。 トルエン、エーテル等の有機溶剤中で、トリアルキル
アルミニウムと水とを直接反応させる方法。 トリアルキルアルミニウムと、硫酸銅水和物、硫酸ア
ルミニウム水和物等の結晶水を有する塩類とを反応させ
る方法。 トリアルキルアルミニウムと、シリカゲル等に含浸さ
せた水分とを反応させる方法。 トルエン、エーテル等の有機溶剤中で、トリメチルア
ルミニウムとトリイソブチルアルミニウムとの混合物
を、水と直接反応させる方法。 トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウ
ムとの混合物を、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和
物等の結晶水を有する塩類と反応させる方法。 シリカゲル等含浸させた水分と、トリイソブチルアル
ミニウムとを反応させた後、トリメチルアルミニウムを
更に反応させる方法。
は、粒子径が5〜300μm、好ましくは10〜200
μmの、顆粒状ないしは球状の無機固体微粒子であり、
比表面積が50〜1,000m2/g、好ましくは100
〜700m2/gの範囲にあり、細孔容積が0.3〜2.
5m3/gの範囲にある多孔質の微粒子であることが好
ましい。
物、たとえばSiO2、Al2O3、MgO、TiO2、Z
nOまたはこれらの混合物が好ましく、主成分としてS
iO2、またはAl2O3を含有する担体が特に好まし
い。より具体的な無機化合物としては、SiO2、Al2
O3、MgO、SiO2−Al2O3、SiO2−MgO、
SiO2−TiO2、SiO2−Al2O3−MgO等が挙
げられ、特にSiO2が好ましい。
タロセン担持型触媒の製造に際して、前記無機微粒子状
担体は、使用に先立って、通常、100〜1,000
℃、好ましくは300〜900℃、特に好ましくは40
0〜900℃で焼成される。焼成後の無機微粒子状担体
の表面吸着水量が、0.1重量%以下、好ましくは0.0
1重量%以下であり、また表面水酸基含量が1.0重量
%以上、好ましくは1.5〜4.0重量%、さらに好まし
くは2.0〜3.5重量%の範囲にあることが好ましい。
また、これらの無機微粒子状担体は、使用に先だって、
予め有機アルミニウム化合物および/またはハロゲン含
有ケイ素化合物との接触処理が施されていてもよい。
ルミノキサンとの反応に用いる不活性溶媒としては、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の芳香族炭化水
素;ブタン、テトラメチルブタン、ペンタン、エチルペ
ンタン、トリメチルペンタン、ヘキサン、メチルヘキサ
ン、エチルヘキサン、ジメチルヘキサン、ヘプタン、メ
チルヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ヘキサデカ
ン、オクタデカン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタ
ン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオ
クタン等の脂環族炭化水素;上記芳香族炭化水素、脂肪
族炭化水素、あるいは脂環族炭化水素がハロゲンで置換
されたハロゲン化炭化水素;エチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン等のエーテル類;およびこれらの混合溶媒を
例示することができる。好ましい不活性溶媒は芳香族炭
化水素であり、また、市販のアルミノキサン溶液の溶媒
をそのまま、もしくはそれにさらにその他の芳香族炭化
水素などを追加して使用してもよい。
化合物とアルミノキサンとの反応生成物−aは、メタロ
セン化合物1モルに対してアルミノキサン中のアルミニ
ウム原子で10モル〜1,000モル、好ましくは20
モル〜500モルを、不活性溶媒中において−50℃〜
100℃、好ましくは0℃〜50℃の温度条件下に、1
分〜10時間、好ましくは3分〜5時間反応させること
により得られる。不活性溶媒の使用は反応を均一かつ効
率的に進める上で好ましい。不活性溶媒の使用量には特
に制限はないが、通常、メタロセン化合物1モルに対し
て、10リットル〜10,000リットル、好ましくは
10リットル〜1,000リットル程度である。
れた反応生成物−aと無機粒子状担体とを、通常、(a)
工程で反応溶媒として使用した不活性溶媒の存在下に接
触させることにより、反応生成物−aが無機微粒子状担
体上に担持され固体生成物−bが得られる。この接触反
応においては、不活性溶媒を必要に応じて追加してもよ
い。
率は、反応液中の遷移金属原子1モルに対して無機物粒
子状担体1〜1,000kg、好ましくは5〜500k
gである。不活性溶媒の使用量は、反応液中の遷移金属
原子1モルに対して10リットル〜10,000リット
ル、好ましくは10リットル〜1,000リットルが使
用される。
触条件は、85℃〜150℃、好ましくは90℃〜13
0℃、特に好ましくは95℃〜120℃の温度条件下
に、5分間〜100時間、好ましくは10分間〜50時
間接触させる。特に温度条件は重要な因子であり、上記
温度範囲内で接触させることにより、得られるメタロセ
ン担持型触媒の高い重合活性と、該担持型触媒を使用し
て得られるプロピレン系共重合体の高い嵩比重と良好な
粒子性状が達成される。
た固体生成物−bを脂肪族炭化水素を用いて少なくとも
2回洗浄することにより,メタロセン化合物とアルミノ
キサンとの反応生成物を無機物粒子状担体上に担持させ
た固体生成物−cからなる前記オレフィン類(共)重合用
のメタロセン担持型触媒が得られる。
脂肪族炭化水素として、ブタン、テトラメチルブタン、
ペンタン、エチルペンタン、トリメチルペンタン、ヘキ
サン、メチルヘキサン、エチルヘキサン、ジメチルヘキ
サン、ヘプタン、メチルヘプタン、オクタン、ノナン、
デカン、ヘキサデカン、オクタデカン、およびそれらの
混合溶媒が例示できる。好ましくはn−ヘキサン、イソ
ペンタンまたはそれらの混合物を使用する。
終了後、固体生成物−bを含む反応液スラリーから濾
過、遠心分離またはデカンテーション等により不活性溶
媒を分離した後、固体生成物−bを脂肪族炭化水素を用
いて洗浄する方法、(b)工程の終了後、固体生成物−
bを含む反応液スラリーから不活性溶媒を分離すること
なく,脂肪族炭化水素を添加し、不活性溶媒および脂肪
族炭化水素の混合溶媒を分離した後、固体生成物−bを
脂肪族炭化水素を用いて洗浄する方法などを採用するこ
とができる。
につき無機粒子状担体1kgに対し、脂肪族炭化水素1
〜500リットル、好ましくは10〜100リットルを
使用して、−50〜50℃、好ましくは−30〜40
℃、特に好ましくは−30〜30℃の温度条件下に、洗
浄後の脂肪族炭化水素中にメタロセン化合物が溶出しな
くなるまで洗浄を繰り返す。少なくとも2回、通常は4
回洗浄すれば充分であるがそれに限定されない。(c)工
程において、特に洗浄温度条件は重要な因子であり、上
記温度範囲内で洗浄することにより、得られるメタロセ
ン担持型触媒は高い重合活性を有し、該メタロセン担持
型触媒を使用することにより、得られるプロピレン共重
合体は高い嵩比重と良好な粒子性状を有する。
ミニウム化合物と組み合わせることにより、気相重合法
またはバルク重合法で実施されるプロピレンとα、ω−
ジエンとの共重合用の触媒として用いることができる。
のオレフィンを接触させて、重合活性をさらに活性化し
た予備活性化触媒と有機アルミニウム化合物とを組み合
わせることにより、溶媒を用いたスラリー重合法、気相
重合法およびバルク重合法などの各種の共重合法を実施
する場合に好ましい触媒として使用することができる。
は、前記メタロセン担持型触媒を用いたプロピレンと
α、ω−ジエンとの共重合反応時の触媒の重合活性を、
スラリー重合法、気相重合法、バルク重合法などのそれ
ぞれの条件に適するように、オレフィン類を(共)重合
させて予め活性化することを意味する。
は、前記担持型触媒、すなわちメタロセン化合物とアル
ミノキサンとの反応生成物を担持させた固体生成物−c
1kg当たり、予備活性化によるオレフィン(共)重合体
0.01〜100kg、好ましくは0.05〜50kgを
さらに担持させる。この予備活性化触媒は、該オレフィ
ン(共)重合体を担持させることにより、前記の各種の重
合法の条件下での使用に適するように、該担持型触媒の
重合活性を予め活性化することができる。
せるオレフィン(共)重合体用のオレフィン類としては、
炭素数2〜20の直鎖オレフィン類、たとえば、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチ
ル−1−ペンテン、2−メチル−1−ペンテン、1−ヘ
キセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等を
挙げることができ、これらの単独重合体もしくは2種以
上の共重合体が担持される。特に、エチレン単独重合
体、プロピレン単独重合体もしくはエチレンまたはプロ
ピレンを主体としたオレフィン共重合体が担持用のオレ
フィン(共)重合体として好適である。また、これらの
オレフィン(共)重合体は、135℃のデカリン中で測定
した極限粘度[η]が、0.1〜10dl/gの範囲に
あることが好ましく、更に好ましくは0.2〜7dl/
gの範囲である。
た固体生成物−cにオレフィンを接触させて予備(共)重
合させることにより、固体生成物−cにオレフィン共重
合体が被覆担持され、予備活性化される。好ましいオレ
フィンの予備(共)重合方法は、(c)工程で得られた固体
生成物−cを脂肪族炭化水素に分散したスラリー中にオ
レフィンを導入して予備(共)重合させる方法である。
たスラリーとしては、(c)工程の最終段階の洗浄で得ら
れた固体生成物−cを脂肪族炭化水素から分離すること
なく使用してもよく、また該固体生成物−cを分離後、
それを同様の脂肪族炭化水素に再分散して使用してもよ
い。
せるオレフィン自身を溶媒とした液相中や溶媒を使用せ
ずに気相中で行うことも可能であるが、少量のオレフィ
ンの(共)重合を制御し、かつ均一に進める上で脂肪族炭
化水素の存在下で実施するのが好ましい。
(共)重合は、固体生成物−c1kgに対して、脂肪族炭
化水素0.005〜5m3、好ましくは0.01〜1m3か
らなるスラリー中に、オレフィンを0.01〜1,000
kg、好ましくは0.1〜500kgを導入して、−5
0〜100℃、好ましくは0〜50℃の温度条件下に、
1分間〜50時間、好ましくは3分間〜20時間、オレ
フィンの(共)重合反応を実施する。
て、固体生成物−cにはメタロセンとアルミノキサンの
反応生成物が担持されているので、新たにトリアルキル
アルミニウム等の有機アルミニウム化合物やアルミノキ
サンに代表される助触媒を添加する必要は特にないが、
所望により添加することもできる。これらの助触媒の添
加量は、固体生成物−c中の遷移金属原子1モルに対し
て、アルミニウム原子として1,000モル以下、好ま
しくは500モル以下の範囲に止めるのが好ましい。さ
らに、上記オレフィンの予備(共)重合を水素の存在下に
行い、生成するオレフィン(共)重合体の分子量を制御し
てもよい。
型触媒は、予備(共)重合が終了したスラリー状態のま
ま、またはオレフィンの予備(共)重合終了後、脂肪族炭
化水素により洗浄した後、脂肪族炭化水素中に再懸濁し
た状態で、もしくは脂肪族炭化水素を分離して乾燥した
状態で、保存できる。
は、前記のプロピレン系(共)重合用のメタロセン担持型
触媒と有機アルミニウム化合物とを組み合わせた触媒系
の存在下に、または予備活性化メタロセン担持型触媒と
有機アルミニウム化合物とを組み合わせた触媒系の存在
下に、プロピレンとα、ω−ジエンもしくはプロピレン
とα、ω−ジエンおよび第2の共重合成分を共重合させ
ることを特徴とする。
化合物は、一般式:AlR4 sR5 tX (3-s-t)で表される
化合物である。(式中、R4およびR5は、それぞれ独立
して炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、
アリール基等の炭化水素基、アルコキシ基、フッ素原
子、メチル基、トリフルオロフェニル基などの置換基を
有していてもよいフェニル基を示し、Xはハロゲン原子
を示し、sおよびtは、0<s+t≦3を満たす任意の
整数である)。
化合物として、トリメチルアルミニウム、トリエチルア
ルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソ
ブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、
トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチル
アルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジメチル
アルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムヒドリ
ド、ジイソプロピルアルミニウムヒドリド、ジイソブチ
ルアルミニウムヒドリド等のジアルキルアルミニウムヒ
ドリド;ジメチルアルミニウムクロリド、ジメチルアル
ミニウムブロミド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジ
イソプロピルアルミニウムクロリド等のジアルキルアル
ミニウムハライド;メチルアルミノウムセスキクロリ
ド、エチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミ
ニウムセスキブロミド、イソプロピルアルミニウムセス
キクロリド等のアルキルアルミニウムセスキハライド等
が例示できる。また、これらの化合物は2種以上の混合
物として使用してもよい。好ましい有機アルミニウム化
合物は、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアル
ミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−
ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウ
ムなどのトリアルキルアルミニウムであり、最も好まし
いのは、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアル
ミニウムである。
系中の遷移金属原子1モルに対し、有機アルミニウム化
合物中のAl原子として1〜5,000モル、好ましく
は5〜3,000モル、特に好ましくは10〜1,000
モルの範囲である。
たり、触媒系中の遷移金属原子に換算して、1×10
-10〜1×10-3モル、好ましくは1×10-9〜1×1
0-4モルである。触媒系の使用量を上記範囲とすること
により、プロピレン、α、ω−ジエン、第二の共重合成
分のオレフィン類の効率的かつ制御された共重合反応速
度を維持することができる。
場合の重合器内の液相部分の容積を、気相重合の場合の
重合器内の気相部分の容積を意味する。
重合プロセスが使用可能であり、ブタン、ペンタン、ヘ
キサン、ヘプタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素、
シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサ
ン等の脂環族炭化水素、トルエン、キシレン、エチルベ
ンゼン等の芳香族炭化水素、ガソリン留分や水素化ジー
ゼル油留分等の不活性溶媒中でオレフィン類を共重合さ
せるスラリー重合法、オレフィン類自身を溶媒として用
いるバルク重合法、オレフィン類の共重合を気相中で実
施する気相重合法、あるいはこれらのプロセスの2以上
を組み合わせた重合プロセスを使用することができる。
常、公知のチーグラー・ナッタ触媒系によるオレフィン
類の共重合反応と同様な重合条件が採用される。たとえ
ば、通常、分子量調節剤である水素の存在下に、重合温
度−50〜150℃、好ましくは−10〜100℃で、
特に好ましくは、45℃〜90℃で、重合圧力を大気圧
〜7MPa、好ましくは0.2〜5MPaに維持するよ
うにプロピレン、α、ω−ジエン、第二の共重合成分で
あるオレフィンを供給し、1分間〜20時間程度実施さ
れる。
媒失活処理工程、触媒残渣除去工程、乾燥工程等の後処
理工程を経た後、目的とするプロピレン系共重合体が得
られる。
必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、
造核剤、滑剤、難燃剤、アンチブロッキング剤、着色
剤、無機質または有機質の充填剤等の各種添加剤、更に
は種々の合成樹脂を配合した後、通常は加熱溶融混練さ
れ、更に粒状に切断されたペレット状態にて各種成形品
の製造用に供される。
さらに詳細に説明する。実施例および比較例において使
用する用語の定義および物性の測定方法は以下の通りで
ある。
IS K7210に準拠して、表1の条件14(21.
18N荷重下、230℃条件下)で測定した値(単位:
g/10分) (2)曲げ弾性率:JIS K7203に準拠して測定
した。
7207記載の方法に準拠して、荷重0.451MPa
にて測定した。 (4)ヘイズ(Haze):JIS K7105記載の
方法に準拠し、厚さ1mmの試験片を用いて測定した。
(パーキン・エルマー社製、DSC7型)を用いてオレ
フィン(共)重合体組成物を室温から30℃/分の昇温
条件下230℃まで昇温し、同温度にて10分間保持
後、−20℃/分にて−20℃まで降温し、同温度にて
10分間保持した後、20℃/分の昇温条件下で融解時
のピークを示す温度を融点とした。
Mn、Mw/Mnはそれぞれ次のような方法に従ったゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測
定結果に基づき算出する。即ち、ポリマー濃度0.05
重量%のo−ジクロロベンゼン溶液を用い、カラムは混
合ポリスチレンゲルカラム(東ソー(株)社製、PSK
gel GMH6−HT)を使用し、135℃にて測定
することによって求めた。測定装置としてウォーターズ
社製GPC−150Cを用いた。
置換された5リットルのフラスコに、ジメチルシリレン
(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)
(2′,4′,5′−トリメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド6.1g(14.1mmol)、
およびメチルアルミノキサンのトルエン希釈品をAl換
算で4,160mmol仕込み、10分間撹拌保持して
反応させた。次いで、反応生成物を含む溶液に800℃
で8時間焼成したシリカ(グレース・デビソン)100
gを添加し、100℃で1時間攪拌保持して接触させ、
固体生成物−bを含むスラリーを生成させた。
分間かけて0℃に冷却し、n−ヘキサンを2,800ml
添加して10分間撹拌保持して洗浄した後、静置して分
離した上澄み液(溶媒)をデカンテーションにより除去
した。同様の洗浄、および溶媒分離操作を3回繰り返し
た後、n−ヘキサンを2,800ml添加して固体生成
物−cの微粒子がn−ヘキサンに分散されたスラリーを
得た。
−c微粒子/n−ヘキサンスラリーに、0℃においてプ
ロピレンを4,500ml/minの流量で50分間連
続的に加えて予備重合することにより、予備活性化し
た。静置後上澄み液(溶媒)をデカンテーションにより
除去し、さらに2,800mlのn−ヘキサンで洗浄
し、溶媒を分離する操作を5回繰り返し、室温下で2時
間真空乾燥して360gの予備活性化されたメタロセン
担持型触媒を得た。得られた予備活性化されたメタロセ
ン担持型触媒の組成分析結果は、予備活性化されたメタ
ロセン担持型触媒中にZrが0.22重量%存在してい
た。
体の製造および物性評価〕十分に窒素置換された内容積
50リットルのオートクレーブ反応器に、n−ヘキサン
26.4ロットル、トリエチルアルミニウム16.5m
mol、1,9−デカジエン33mmolを順次加え、
5分間攪拌した。その後、上記にて調製されたメタロセ
ン担持型触媒を3.3g加えた。反応器内の温度を50
℃に昇温し、反応器内の圧力を1MPaGの一定圧力と
なるようにプロピレンを供給して、2時間反応させた。
反応時間終了後、メタノール500mlを投入して反応
を停止させ、未反応のプロピレンを除去し、ヘキサンス
ラリーを濾過することにより、プロピレン/1,9−デ
カジエン共重合体のパウダーを得た。得られたパウダー
を60℃で8時間乾燥して、プロピレン/1,9−デカ
ジエン共重合体7kgを得た。分析の結果、共重合体中
の1,9−デカジエンの含有量は、0.005重量%で
あった。
共重合体100重量部に対し、テトラキス〔メチレン
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシル・ハイド
ロシンナメート)〕メタンを0.05重量部、トリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトを
0.1重量部およびステアリン酸カルシウムを0.05
重量部の割合で添加し、押出温度を230℃に設定した
スクリュ−径40mmの単軸押出造粒機を使用してペレ
ットとした。得られたペレットを用いて物性測定用の所
定の試験片を作製し、物性の測定を行った。その結果を
表1に示した。また、本共重合体を取り扱う際に、臭い
は全く気にならなかった。
び物性評価〕1,9−デカジエンの使用量を26.4m
molとした以外は、実施例1に準拠してプロピレン/
1,9−デカジエン共重合体パウダ−を製造した。得ら
れたパウダーは7.2kgであり、共重合体中の1,9
−デカジエンの含有量は、0.004重量%であった。
実施例1に準拠してペレットを製造し、該ペレットを用
いて所定の試験片を作製し、物性測定を行った。その結
果を表1に示した。また、本共重合体を取り扱う際に
も、臭いは全く気にならなかった。
−デカジエンを加えない以外は実施例1に準拠して、M
FR10g/10minのプロピレン単独重合体を製造
した。実施例1に準拠してペレットを作製し、該ペレッ
トを用いて所定の試験片を作製し、物性測定を行った。
その結果を表1に示した。
換した500mlの内容積のフラスコに、ジメチルシリ
レン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)
(2’,4’,5’−トリメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムクロライドを0.39g(0.889
mmol)、メチルアルミノキサンのトルエン希釈品を
Al原子換算で267mmol加え、10分間反応させ
た。その後、800℃で8時間焼成したシリカ(グレ−
ス・デビソン社製)を10gを加え、10分間攪拌し
た。その後、容器の頂部から真空を適用しながら、N2
のわずかな流れを底部から加えた。9時間の間、溶媒を
蒸発させながらその混合物を70℃に加熱し、乾燥した
固体を得た。その乾燥した固体を室温下で一晩冷却し
た。十分に乾燥し、N2置換した500mlの内容積の
フラスコに、上記で得られた固体およびイソペンタンを
250ml加え、0℃に冷却した。その後エチレンを8
0ml/min.の流量で4時間連続的に加えて予備重
合を行った。その後、上澄み液をデカントし、さらに1
00mlのイソペンタンで4回デカント洗浄した。さら
に室温にて2時間真空乾燥して35gのメタロセン担持
型触媒を調製した。
2置換された15リットルの内容積のオ−トクレ−ブ
に、トリエチルアルミニウムを12mmol加え、1,
9−デカジエンを3.4g(24.6mmol)加え
た。その後、液化プロピレンを8リットル加え、50℃
にし、10分間攪拌した。ヘキサンスラリ−とした上記
で調製された2.1gのメタロセン担持型触媒を2リッ
トルの液化プロピレンで洗浄しながら圧入することによ
って重合を開始し、50℃で2時間重合した。得られた
共重合体は1.9kgであった。得られた該共重合体を
分析したところ、融点が156.6℃、結晶化温度が1
14.9℃、1,9−デカジエンの含有量が0.02重
量%、溶融張力が7.5cNであった。また、メルトフ
ロ−レ−ト(MFR)は1.0g/10min.で、M
w/Mnは2.6、かさ密度は0.43g/mlであっ
た。この共重合体は、実施各例で得られた共重合体に比
べて臭気が強かった。
耐熱性、透明性に優れ、かつ、臭気の少ないプロピレン
系共重合体であり、各種の成形品の製造に好適に使用す
ることができる。また、本発明の製造方法によれば剛
性、耐熱性、透明性に優れ、臭気の少ないプロピレン系
共重合体を効率良く製造することができる。
ロ−シ−ト。
Claims (21)
- 【請求項1】(a):π電子共役配位子を少なくとも1
個有する有機遷移金属化合物とアルミノキサンとを不活
性溶媒中で反応させて反応生成物−aを製造する工程、 (b):(a)工程で得られた反応生成物−aと無機微粒
子状担体とを、不活性溶媒の存在下、85〜150℃の
温度で接触させて固体生成物−bを製造する工程、およ
び (c):(b)工程で得られた固体生成物−bを、−5
0〜50℃の温度で脂肪族炭化水素を使用して少なくと
も2回洗浄して固体生成物−cを製造する工程、の3工
程を(a)から(c)と順次実施し、得られた固体生成
物−cのメタロセン担持型触媒を用いて、プロピレンと
α、ω−ジエンとから製造された、α,ω−ジエンを
0.01重量%未満含有することを特徴とするプロピレ
ン系共重合体。 - 【請求項2】 α,ω−ジエンの含有量が、0.000
01重量%以上、0.01重量%未満であることを特徴
とする請求項1記載のプロピレン系共重合体。 - 【請求項3】 α,ω−ジエンの含有量が、0.000
1重量%以上、0.01重量%未満であることを特徴と
する請求項1記載のプロピレン系共重合体。 - 【請求項4】 α,ω−ジエンの含有量が、0.001
重量%以上、0.01重量%未満であることを特徴とす
る請求項1記載のプロピレン系共重合体。 - 【請求項5】 α,ω−ジエンが、1,5−ヘキサジエ
ン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、1,
13−テトラデカジエンから選ばれる少なくとも1種の
化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
1項記載のプロピレン系共重合体。 - 【請求項6】 α,ω−ジエンが、1,7−オクタジエ
ン、1,9−デカジエン、1,13−テトラデカジエン
から選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴
とする請求項1〜4のいずれか1項記載のプロピレン系
共重合体。 - 【請求項7】 α,ω−ジエンが、1,9−デカジエ
ン、1,13−テトラデカジエンから選ばれる少なくと
も1種の化合物であることを特徴とする請求項1〜4の
いずれか1項記載のプロピレン系共重合体。 - 【請求項8】 α,ω−ジエンが、1,9−デカジエン
であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記
載のプロピレン系共重合体。 - 【請求項9】 プロピレン系共重合体が、α、ω−ジエ
ン以外に第二共重合成分として、プロピレン以外のα−
オレフィンおよびエチレンから選ばれる少なくとも1種
以上の化合物を70重量%以下含有するプロピレン系共
重合体である請求項1〜8のいずれか1項記載のプロピ
レン系共重合体。 - 【請求項10】 プロピレン系共重合体が、α、ω−ジ
エン以外に第二共重合成分として、プロピレン以外のα
−オレフィンおよびエチレンから選ばれる少なくとも1
種以上の化合物を50重量%以下含有するプロピレン系
共重合体である請求項1〜8のいずれか1項記載のプロ
ピレン系共重合体。 - 【請求項11】 第二共重合成分が、エチレンおよび1
−ブテンから選ばれる少なくとも1種以上である請求項
9〜10のいずれか1項記載のプロピレン系共重合体。 - 【請求項12】 メタロセン担持型触媒が、(c)工程
で得られた固体生成物−cに、(d)工程として、少な
くとも1種のオレフィンを接触、予備重合させて、π電
子共役配位子を少なくとも1個有する有機遷移金属化合
物とアルミノキサンとの反応生成物およびオレフィン
(共)重合体を、無機微粒子状担体上に担持させてなる、
予備活性化メタロセン担持型触媒である請求項1記載の
プロピレン系共重合体。 - 【請求項13】 (b)工程で用いる不活性溶媒が、芳
香族炭化水素である請求項1記載のプロピレン系共重合
体。 - 【請求項14】 (c)工程で用いる脂肪族炭化水素
が、n−ヘキサンまたはイソペンタンである請求項1記
載のプロピレン系共重合体。 - 【請求項15】(d)工程で用いるオレフィンが、エチ
レン、プロピレンおよびこれらの混合物のいずれか1種
である請求項12記載のプロピレン系共重合体。 - 【請求項16】 (a)工程で用いる、π電子共役配位
子を少なくとも1個有する有機遷移金属化合物が、下記
の一般式(A)で表される化合物である請求項1記載の
プロピレン系共重合体。 【化1】 Q(C5H4-mR1 m)(C5H4-nR2 n)MXY (A) 〔式中、(C5H4-mR1 m)および(C5H4-nR2 n)は、
置換シクロペンタジエニル基を示し、mおよびnは1〜
3の整数である。R1およびR2は、炭素数1〜20の炭
化水素基、ケイ素含有炭化水素基、酸素またはイオウま
たはチッソ含有炭化水素基、またはシクロペンタジエニ
ル環上の2個の炭素原子と結合して、炭化水素、また
は、酸素またはイオウまたはチッソ含有炭化水素で置換
されていてもよい1つ以上の炭化水素環を形成している
炭化水素基であって、同一または異なっていても良い
が、シクロペンタジエニル環上におけるR1およびR2の
位置および種類は、Mを含む対称面が存在しない位置を
とるものとする。また、少なくとも片方のシクロペンタ
ジエニル環には、Qに結合している炭素の隣の炭素の少
なくとも片方にR1若しくはR2が存在するものとする。
Qは(C5H4-mR1 m)および(C5H4-nR2 n)を架橋す
るいずれも2価の、炭化水素基、非置換シリレン基、ま
たは炭化水素置換シリレン基である。Mはチタン、ジル
コニウムまたはハフニウムである遷移金属を示し、Xお
よびYは同一または異なっていてもよく水素、ハロゲン
または炭化水素基を示す。〕 - 【請求項17】(a)工程で用いる、π電子共役配位子
を少なくとも1個有する有機遷移金属化合物が、rac
−ジメチルシリレンビス(2,3,5−トリメチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、rac
−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルイ
ンデニル)ジルコニウムジクロライド、rac−ジメチ
ルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニ
ル)ジルコニウムジクロライド、rac−ジメチルシリ
レンビス(2−エチル−4−フェニルインデニル)ジル
コニウムジクロライド、rac−ジメチルシリレンビス
(2−メチル−インデニル)ジルコニウムジクロライ
ド、rac−ジメチルシリレンビス(2−(2−フリル
−インデニル)ジルコニウムジクロライド、rac−ジ
メチルシリレンビス(3−(2−フリル)−2,5−ジ
メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライ
ド、rac−ジメチルシリレンビス(2−(2−フリ
ル)−3,5−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロライド、rac−ジメチルシリレンビス
(2−(2−フリル)−4,5−ジメチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロライド、rac−ジメチ
ルシリレンビス(3−(2−チエニル)−2,5−ジメ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド
から成る化合物群から選らばれた1種の化合物である請
求項1記載のプロピレン系(共)重合体。 - 【請求項18】(a)工程で用いる、π電子共役配位子
を少なくとも1個有する有機遷移金属化合物が、rac
−ジメチルシリレンビス(2,3,5−トリメチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、rac
−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルイ
ンデニル)ジルコニウムジクロライド、rac−ジメチ
ルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニ
ル)ジルコニウムジクロライド、rac−ジメチルシリ
レンビス(2−(2−フリル−インデニル)ジルコニウ
ムジクロライド、rac−ジメチルシリレンビス(3−
(2−フリル)−2,5−ジメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロライド、rac−ジメチルシリ
レンビス(2−(2−フリル)−3,5−ジメチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、rac
−ジメチルシリレンビス(2−(2−フリル)−4,5
−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
ライドからなる化合物群から選らばれた1種の化合物で
ある請求項1記載のプロピレン系共重合体。 - 【請求項19】(a)工程で用いる、π電子共役配位子
を少なくとも1個有する有機遷移金属化合物が、rac
−ジメチルシリレンビス(2,3,5−トリメチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドである請
求項1記載のプロピレン系共重合体。 - 【請求項20】請求項1記載のメタロセン担持型触媒も
しくは請求項12記載の予備活性化メタロセン担持型触
媒を用いてプロピレンとα、ω−ジエンもしくはプロピ
レン、α、ω−ジエンおよび第二共重合成分とを共重合
させることを特徴とするα、ω−ジエンを0.01重量
%未満含有するプロピレン系共重合体の製造方法。 - 【請求項21】共重合させる温度が45℃以上である請
求項20記載のプロピレン系共重合体の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003055407A (ja) * | 2001-08-17 | 2003-02-26 | Chisso Corp | プロピレン系重合体 |
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CN111635494A (zh) * | 2020-06-19 | 2020-09-08 | 浙江大学衢州研究院 | 一种梳状丙烯基烯烃聚合物的制备方法 |
CN111662417A (zh) * | 2020-06-19 | 2020-09-15 | 浙江大学衢州研究院 | 一种可交联的新型梳状丙烯基烯烃聚合物的制备方法 |
CN111704703A (zh) * | 2020-06-19 | 2020-09-25 | 浙江大学 | 一种可交联的梳状乙烯基烯烃聚合物的制备方法 |
-
1999
- 1999-08-30 JP JP24319699A patent/JP2001064329A/ja active Pending
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JP2008266654A (ja) * | 2001-08-06 | 2008-11-06 | Chisso Corp | メタロセン化合物、それを含む触媒を用いたオレフィン重合体の製造方法、および、該製造方法により製造されたオレフィン重合体 |
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