JP4096386B2 - プロピレン(共)重合体パウダーの製造方法 - Google Patents

プロピレン(共)重合体パウダーの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロピレン(共)重合体の製造方法に関し、さらに詳しくは、微粒子状担体に有機遷移金属化合物、いわゆるメタロセン化合物とアルミノキサンとを担持させたメタロセン担持型触媒を使用する触媒系においてプロピレンの(共)重合を実施して、粒子性状に優れたプロピレン(共)重合体パウダーを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機基を有する第IVB族遷移金属化合物、たとえば、ジルコノセンなどのメタロセン化合物と、アルミノキサンなどの有機金属化合物とからなるオレフィン(共)重合用触媒系、およびこれらの触媒系を用いるオレフィン(共)重合体の製造方法が、特開昭58−19309号公報他に多数提案され、これらの触媒系はオレフィンの高い重合活性を有することが知られている。
【0003】
また、メタロセン化合物およびアルミノキサンの少なくとも一方の成分をシリカ、アルミナ、シリカ・アルミナなどの多孔性無機酸化物担体に担持させた種々の担持型触媒、およびそれらを使用した懸濁重合系または気相重合系におけるオレフィンの重合方法が、特開昭60−35005号公報他に多数提案されている。特開昭61−108610号公報および特開昭61−296008号公報は、メタロセン化合物とアルミノキサンとを無機酸化物等の担体に担持させた触媒の存在下に、オレフィンを重合する方法を開示している。
【0004】
さらに、ジルコノセン化合物、アルミノキサン、有機アルミニウム化合物およびシリカなどの担体の存在下にオレフィンを予備重合する方法が特開昭63−280703号公報に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記したようなメタロセン化合物とアルミノキサンと担体とからなるオレフィン重合用触媒系を用いてプロピレンの(共)重合を実施する場合には、生成するプロピレン(共)重合体パウダーに良好な粒子性状が要求される。特に気相重合を行う場合には、生成するプロピレン(共)重合体パウダーの粒子性状が不良であると、重合器内のパウダーの分散状態が悪化し、塊状物の生成および重合器の内壁や攪拌器へのパウダーの付着が発生し、安定的にポリマーを製造することが困難となる。
本発明は、優れたパウダー粒子性状を有するプロピレン(共)重合体パウダーの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
本発明者等は、前記目的を達成すべく鋭意研究した結果、前記したメタロセン担持型触媒とスキャベンジャーとして用いる有機アルミニウム化合物とを予め接触処理させた触媒系においてプロピレンを気相(共)重合することにより、生成するプロピレン(共)重合体パウダーの粒子性状が著しく改善されることを見出し本発明を完成した。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、メタロセン担持型触媒系におけるプロピレンの(共)重合に先立って、下記一般式で表されるメタロセン化合物を担持させたメタロセン担持型触媒と、メタロセン担持型触媒中のメタロセン化合物に対する反応モル比が1〜100の有機アルミニウム化合物とを予め1分〜168時間接触させ、その後、該予備接触させたメタロセン担持型触媒の存在下に、プロピレンまたはプロピレンとその他のオレフィンとを導入してプロピレンの単独重合またはプロピレンとその他のオレフィンとの共重合を実施することを特徴とするプロピレン(共)重合体パウダーの製造方法である。
【0008】
【発明実施の形態】
本明細書中において使用される「プロピレンの(共)重合」の用語は、プロピレンの単独重合、ならびにプロピレンとプロピレンと共重合可能なコモノマーとのランダム共重合およびブロック共重合のいずれかを意味する。また「プロピレン(共)重合体」の用語は、プロピレン単独重合体、ならびにプロピレンとプロピレンと共重合可能なコモノマーとのランダム共重合体およびブロック共重合体のいずれかを意味する。
【0009】
プロピレンと共重合可能なコモノマーには特に制限はないが、たとえば、炭素数2〜12のオレフィン、たとえば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン等、およびそれらの2種以上の混合物が挙げられる。好ましいコモノマーは、エチレンおよび1−ブテンである。また、所望により上記のコモノマーに加えて少量の1,5−ヘキサジエン、1,9−デカジエン等のα,ω−ジエンを共重合させてもよい。
【0010】
本発明において、メタロセン担持型触媒は、微粒子状担体にπ電子配位子を少なくとも1個有する有機遷移金属化合物、いわゆるメタロセン化合物(以下「メタロセン化合物」と称する)およびアルミノキサン、またはそれらの間の反応生成物を担持させた、遷移金属0.01〜5重量%とアルミニウム0.1〜50重量%とを含有する担持型触媒、およびこの担持型触媒1kg当たり、さらにオレフィン(共)重合体を0.01〜100kgを担持させた予備活性化触媒を包含する。
【0011】
上記のメタロセン担持型触媒に担持させるメタロセン化合物として、公知のメタロセン化合物を特に制限なく使用できる。たとえば、下記一般式:
【化2】
Figure 0004096386
(式中、Mはチタン、ジルコニウムまたはハフニウムである遷移金属原子を表し、XおよびYは、同一または異なる、水素、ハロゲンまたは炭化水素基を表し、(C54-m1 m)および(C54-n2 n)は、置換シクロペンタジエニル基を表し、式中、mおよびnは1〜3の整数であり、R1およびR2は、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基を表わし、同一でも異なっていてもよいが、それらのシクロペンタジエニル環上の位置および種類は、Mを含む対称面が存在しない位置をとり、かつ少なくとも一方のシクロペンタジエニル環にはQに結合している炭素の隣接炭素の少なくとも一方にR1またはR2が存在する、ならびにQは、(C54-m1 m)および(C54-n2 n)を架橋するいずれも2価の、炭化水素基、非置換シリレン基、または炭化水素置換シリレン基を表わす)で表わされるメタロセン化合物が好適に使用される。
【0012】
上記一般式に包含されるメタロセン化合物として、ジメチルシリレン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,4′,5′−トリメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,4′,5′−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,4′,5′−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,4′,5′−トリメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,4′,5′−トリメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2−メチル、4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−エチル、4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−メチル、4−ナフチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−メチル、4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド等が挙げられる。特に、ジメチルシリレン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,4′,5′−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−メチル、4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−メチル、4−ナフチルインデニル)ジルコニウムジクロリドが好ましく使用され、特に好ましくは、ジメチルシリレン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,4′,5′−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドを使用する。
【0013】
メタロセン担持型触媒に、上記メタロセン化合物と共に担持させるアルミノキサンは、下記の一般式(1)または(2)で表される。
【化3】
Figure 0004096386
式中、R3は、炭素数が1〜6、好ましくは1〜4の炭化水素基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、アリル基、2−メチルアリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、およびアリール基等が挙げられる。これらのうち、特に好ましいのはアルキル基であり、各R3は同一でも異なっていてもよい。
qは、4〜30の整数であり、好ましくは6〜30、特に好ましくは8〜30である。
【0014】
上記のアルミノキサンは公知の様々な条件下に調製することができ、いずれの方法で調製されたアルミンノキサンを使用してもよい。具体的には、以下の方法が例示される。
トリアルキルアルミニウム、たとえばトリメチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムまたはそれらの混合物を、トルエン、エーテル等の有機溶剤中において直接水と反応させる方法。
トリアルキルアルミニウム、たとえばトリメチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムまたはそれらの混合物を、結晶水を有する塩類、例えば硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物と反応させる方法。
シリカゲル等に含浸させた水分と、トリアルキルアルミニウムたとえばトリメチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムとを、それぞれ単独にまたは同時にあるいは逐次的に反応させる方法。
【0015】
メタロセン担持型触媒において、前記メタロセン化合物およびアルミノキサンまたはそれらの反応生成物を担持させる微粒子状担体として、粒子径が1〜500μm、好ましくは5〜300μmの顆粒状ないしは球状の無機または有機の固体微粒子が使用される。
【0016】
微粒子状無機担体としては、金属酸化物、たとえばSiO2、Al23、MgO、ZrO2、TiO2またはこれらの混合物が好ましく、主成分としてSiO2、Al23およびMgOからなる群から選ばれた少なくとも1種を含有する担体が特に好ましい。より具体的な無機化合物として、SiO2、Al23、MgO、SiO2−Al23、SiO2−MgO、SiO2−TiO2、SiO2−Al23−MgO等が挙げられる。これらの無機酸化物担体は、通常100〜1000℃で、1〜40時間焼成して使用する。
【0017】
さらに微粒子状有機担体としては、微粒子状有機重合体、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンなどのポリオレフィンの微粒子状重合体、ポリスチレンなどの微粒子状重合体などを例示することができる。
【0018】
メタロセン担持型触媒は、上記微粒子状担体に前記メタロセン化合物および前記アルミノキサン、またはそれらの間の反応生成物を担持させることによりを製造することができる。メタロセン担持型触媒の製造方法として、公知の方法、たとえば、適当な炭化水素溶媒に溶解させたメタロセン化合物を最初に担体に添加し、次いでアルミノキサンを添加する方法、アルミノキサンを最初に担体に添加し、次いでメタロセン化合物を加える方法、メタロセン化合物とアルミノキサンとを予め反応させた反応生成物に担体を添加する方法、担体の存在下にアルミノキサンとメタロセン化合物とを同時に添加して反応させる方法などのいずれをも採用することができる。
【0019】
好ましくは、不活性溶媒中でメタロセン化合物とアルミノキサンとを予め反応させた反応生成物に、担体を添加し85〜150℃の温度で接触させて担持させ、次いで脂肪族炭化水素溶媒を用いて−50〜50℃の温度で洗浄して不活性溶媒を脂肪族炭化水素溶媒と置換する方法を採用する。
メタロセン化合物とアルミノキサンとの反応温度は、通常、−20〜100℃、好ましくは0〜100℃であり、反応時間は、通常、0.1分以上、好ましくは1分〜200分の範囲である。
【0020】
予備活性化触媒は、上記メタロセン担持型触媒とオレフィンとを接触させることにより、オレフィンを予備(共)重合させてそれらにオレフィン(共)重合体をさらに担持させることにより製造することができる。これらのオレフィン(共)重合体として、炭素数2〜20のオレフィン、たとえば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等の単独重合体およびそれらの2種以上の共重合体が挙げられ、エチレンまたはプロピレンの単独重合体、もしくはエチレンまたはプロピレンを主体としたオレフィン共重合体が好適である。これらのオレフィンの予備(共)重合は、後記するメタロセン担持型触媒と有機アルミニウム化合物との予備接触前に実施してもよく、また後に実施してもよい。
【0021】
本発明において、上記メタロセン担持型触媒に担持させる有機アルミニウム化合物は、オレフィンの(共)重合において、スキャベンジャーとして使用される一般的な有機アルミニウム化合物を、特に制限なく使用することができる。
有機アルミニウム化合物として、たとえば、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウムヒドリド等、およびそれらの2種以上の混合物が挙げられ、トリエチルアルミニウムおよびトリイソブチルアルミニウムが特に好ましく使用される。
【0022】
有機アルミニウム化合物のメタロセン担持型触媒への担持は、プロピレンの(共)重合に先立って、有機アルミニウム化合物とメタロセン担持型触媒とを予め接触させることにより実施される。
【0023】
メタロセン担持型触媒と有機アルミニウム化合物との接触は、有機アルミニウム化合物のメタロセン担持型触媒中のメタロセン化合物に対する反応モル比を、1〜100、好ましくは1.5〜75の範囲とし、通常炭化水素溶媒中において10〜50℃、好ましくは15〜35℃の温度で、1分ないし168時間、好ましくは5分ないし72時間実施される。
有機アルミニウム化合物のメタロセン担持型触媒中のメタロセン化合物に対する反応モル比が過小であるか、またはそれらの接触時間が不足する場合、目的とする作用効果、すなわちこの触媒系を用いて得られるプロピレン(共)重合体パウダー特性の改善効果が不十分となり、一方、反応モル比が過大であるか、または接触時間が長すぎると、触媒活性が低下する。
【0024】
メタロセン担持型触媒と有機アルミニウム化合物との接触時の炭化水素溶媒中のメタロセン担持型触媒の濃度は0.1〜10重量%であり、好ましくは0.2〜5重量%である。接触反応に用いる炭化水素溶媒として、たとえば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、イソペンタン、イソブタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素、またはミネラルオイル等が挙げられ、これらの中でヘキサンが最も好ましく用いられる。
【0025】
本発明において、プロピレンの(共)重合は、上記メタロセン担持型触媒に有機アルミニウム化合物を担持させた触媒系の存在下に、プロピレンまたはプロピレンとその他のオレフィンとを導入して(共)重合させることにより、パウダー性状の改善されたプロピレン(共)重合体を製造することができる。
【0026】
上記の触媒系は、通常、スラリー状態で重合反応系に導入されるが、これらの触媒系に加え、さらにスキャベンジャーとしての有機アルミニウム化合物を添加してもよい。この有機アルミニウム化合物は、前記メタロセン担持型触媒との接触反応に用いた有機アルミニウム化合物と同一であっても異なっていてもよいが、好ましくは同一のものを用いる。有機アルミニウム化合物の使用量は、メタロセン担持型触媒に接触させた有機アルミニウム化合物との合計で、メタロセン担持型触媒中のメタロセン化合物1モルに対して1〜5,000モル、好ましくは5〜3,000モル、特に好ましくは10〜1,000モルの範囲である。
【0027】
触媒系の使用量は、重合容積1リットル当たり、触媒系中の遷移金属原子として1×10-10〜1×10-3モル、好ましくは1×10-9〜1×10-4モルの範囲である。触媒系の使用量を上記範囲とすることにより、プロピレンの効率的かつ制御された(共)重合反応速度を維持することができる。
なお、本明細書中において「重合容積」の用語は、液相重合の場合の重合器内の液相部分の容積、または気相重合の場合の重合器内の気相部分の容積を意味する。
【0028】
本発明において、プロピレンの(共)重合方法として、公知の方法、たとえば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ガソリン留分、水素化ジーゼル油などの不活性溶媒中でプロピレンを(共)重合させるスラリー重合法、プロピレンモノマー自身を溶媒として使用するバルク重合法、プロピレンを気相中で(共)重合させる気相重合法、生成するプロピレン(共)重合体が液状である溶液重合法、およびこれらの2以上を組み合わせた重合法のいずれでも採用することができる。
【0029】
好ましい重合法は、気相重合法であり、特に好ましくは、内部に水平軸回りに回転する攪拌機を有する横型反応器内で、生成ポリマーと触媒粒子とよりなる粒子層を攪拌している中に原料ガスを導入し、原料ガスと粒子層とを接触させて重合反応を行わせると共に、反応熱を液体冷却剤の気化熱により除去する気相重合法が採用される。
【0030】
重合条件として、一般的なチーグラー・ナッタ系触媒を用いるプロピレンの(共)重合条件と同様の条件が採用される。具体的には、重合温度が−50〜150℃、好ましくは−10〜100℃、特に好ましくは40〜80℃、重合圧力が大気圧〜7MPa、好ましくは0.2〜5MPa、および重合時間が通常1分〜20時間である。また、上記に加え、水素を重合系に導入して生成するプロピレン(共)重合体の分子量を調整することができる。
【0031】
プロピレンの(共)重合終了後は、必要に応じて公知の触媒失活処理工程、触媒残さ除去工程、乾燥工程等の後処理工程を経た後、プロピレン(共)重合体がパウダーとして得られる。得られたプロピレン(共)重合体パウダーには、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、造核剤、滑剤、難燃剤、アンチブロッキング剤、着色剤、無機質または有機質の充填剤等の各種添加剤、更には種々の合成樹脂を配合した後、通常は加熱溶融混練され、更に粒状に切断されたペレットの形態で各種成形品の製造用に供される。
【0032】
【実施例】
以下に、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明する。
実施例および比較例において使用する用語の定義および測定方法は以下の通りである。
圧縮度:細川鉄工所パウダーテスターTYPE PT−Eを用いて、粉体物性測定法(発行所:株式会社朝倉書店、編集者:早川宗八郎)中の112頁に記載の方法に準拠して測定した。圧縮度が低い程、パウダーの流動性が良好である(パウダー性状が良好)ことを表す。
【0033】
実施例1
担持型触媒の調製
十分に乾燥し、N2置換した500mlのフラスコに、ジメチルシリレン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,4′,5′−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド0.61g(1.41mmol)、およびメチルアルミノキサンのトルエン希釈品をAl原子換算で416mmolを仕込み、10分間反応させた。次いで、800℃で8時間焼成したシリカ(グレース・デビソン)を10gを添加し、100℃で1時間攪拌しながら反応を行った。反応スラリーを10分間をかけて0℃に冷却し、n−ヘキサンを280ml添加して10分間撹拌しながら洗浄し、上澄み液をデカントした。同一の洗浄、デカント操作を3回繰り返した後にn−ヘキサンを280ml添加し、0℃下においてプロピレンを450ml/minの流量で50分間連続的に加え予備重合を行った。その後上澄み液をデカントしさらに280mlのn−ヘキサンで5回洗浄、デカントを繰り返し、室温下で2時間真空乾燥して36gのメタロセン担持型触媒を得た。触媒の組成分析を行った結果、メタロセン担持型触媒中にZrが0.36wt%含まれていた。
【0034】
有機アルミニウム化合物との予備接触
十分にN2置換された1Lのガラス製反応器内にn−ヘキサン400mlおよびトリエチルアルミニウム17mmol加え3分間撹拌した。次いで上記で得られた担持型触媒6gを添加し、室温下500rpmで撹拌しながら予備接触反応を24時間行った。予備接触時のメタロセン担持型触媒中のメタロセン化合物に対する有機アルミニウム化合物の反応モル比は72であった。
【0035】
プロピレンの気相重合
十分にN2置換された3Lの横型反応器内を70℃に加熱し、ポリプロピレン粗粒100gおよびトリエチルアルミニウム1.0mmolを加え5分間85rpmで撹拌した。次いで、プロピレンを供給して段階的に1.28MPaまで昇圧した後、上記調製した触媒系をZrに換算して0.14mmolおよび液化プロピレン100mlを反応器内に導入して重合反応を開始させた。続いて反応圧力を10分間をかけて最終圧力2.26MPaまで昇圧し、プロピレンを導入しながら自動圧力制御により内圧を2.26MPaに保って2時間重合反応を行った。反応終了後10分間で大気圧に下げ、さらに10分間をかけてN2流通下に得られたポリプロピレンパウダーを取り出した。同様の操作を3回繰り返し重合器内のポリプロピレンをすべて同一条件で重合したものとした。
得られたポリプロピレンパウダーの圧縮度の測定結果は1.97%であった。
【0036】
比較例1
プロピレンの気相重合
触媒系としてメタロセン担持型触媒と有機アルミニウム化合物との接触処理を行っていない乾燥メタロセン担持型触媒を用いた他はすべて実施例1と同様に重合反応を行った。得られたポリプロピレンパウダーの圧縮度の測定結果は6.2%であった。
【0037】
【発明の効果】
上記実施例において得られたポリプロピレンパウダーは、そのパウダー圧縮度が、従来法による比較例に比較して著しく改善されていることを示す。
本発明は、粒子性状に優れたプロピレン(共)重合体パウダーの製造方法を提供するものであり、その産業的意義は極めて大きい。

Claims (7)

  1. メタロセン担持型触媒系におけるプロピレンの(共)重合に先立って、下記一般式で表されるメタロセン化合物を担持させたメタロセン担持型触媒と、有機アルミニウム化合物とを、炭化水素溶媒中、10〜50℃の温度で、メタロセン担持型触媒の濃度0.1〜10重量%、メタロセン担持型触媒中のメタロセン化合物に対する有機アルミニウム化合物の反応モル比が1〜100で、予め5分〜72時間接触させ、その後、該予備接触させたメタロセン担持型触媒の存在下に、プロピレンまたはプロピレンとその他のオレフィンとを導入してプロピレンの単独重合またはプロピレンとその他のオレフィンとの共重合を実施することを特徴とするプロピレン(共)重合体パウダーの製造方法。
    一般式:
    Figure 0004096386
    (式中、Mはチタン、ジルコニウムまたはハフニウムである遷移金属原子を表し、XおよびYは、同一または異なる、水素、ハロゲンまたは炭化水素基を表し、(C54-m1 m)および(C54-n2 n)は、置換シクロペンタジエニル基を表し、式中、mおよびnは1〜3の整数であり、R1およびR2は、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基を表わし、同一でも異なっていてもよいが、それらのシクロペンタジエニル環上の位置および種類は、Mを含む対称面が存在しない位置をとり、かつ少なくとも一方のシクロペンタジエニル環にはQに結合している炭素の隣接炭素の少なくとも一方にR1またはR2が存在する、ならびにQは、(C54-m1 m)および(C54-n2 n)を架橋するいずれも2価の、炭化水素基、非置換シリレン基、または炭化水素置換シリレン基を表わす。)
  2. メタロセン担持型触媒が、微粒子状担体にメタロセン化合物およびアルミノキサンまたはそれらの間の反応生成物を担持させた担持型触媒またはこの担持型触媒に少量のオレフィンをさらに担持させた予備活性化触媒である、請求項1記載の方法。
  3. メタロセン担持型触媒が、メタロセン化合物とアルミノキサンとの反応生成物を、不活性溶媒中において85〜150℃の温度で無機微粒子担体と接触させた後、不活性溶媒を−50〜50℃の温度で脂肪族炭化水素により洗浄置換して製造される請求項1または2に記載の方法。
  4. メタロセン化合物が、ジメチルシリレン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,4′,5′−トリメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,4′,5′−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,4′,5′−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,4′,5′−トリメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,4′,5′−トリメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2−メチル、4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−エチル、4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−メチル、4−ナフチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、およびジメチルシリレンビス(2−メチル、4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリドからなる群より選択される請求項1〜3いずれか1項に記載の方法。
  5. 前記メタロセン化合物が、ジメチルシリレン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,4′,5′−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドである請求項4記載の方法。
  6. プロピレン単独またはプロピレンとその他のオレフィンとの(共)重合法が、気相重合法である請求項1記載の方法。
  7. プロピレン単独またはプロピレンとその他のオレフィンとの気相(共)重合が、水平軸回りに回転可能な撹拌機を有する横型反応器内で、メタロセン担持型触媒に有機アルミニウム化合物をさらに担持させた触媒粒子および生成ポリマー粒子からなる粒子層の撹拌下に、プロピレンまたはプロピレンとその他のオレフィンとを導入して(共)重合させ、反応熱を液体冷却剤の気化により除去することにより実施される請求項6記載の方法。
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