JPH1016744A - 車輌の挙動制御装置 - Google Patents

車輌の挙動制御装置

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JPH1016744A
JPH1016744A JP19536796A JP19536796A JPH1016744A JP H1016744 A JPH1016744 A JP H1016744A JP 19536796 A JP19536796 A JP 19536796A JP 19536796 A JP19536796 A JP 19536796A JP H1016744 A JPH1016744 A JP H1016744A
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yaw rate
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turning
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Yoshiki Fukada
善樹 深田
Shirou Kadosaki
司朗 門崎
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智 大場
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 センサに故障の虞れがある場合にも車輌の旋
回挙動をできるだけ安定化させつつ、センサの故障時に
於ける旋回挙動の急変を確実に防止する。 【解決手段】 ヨーレートセンサ等により検出された車
輌の状態量に基づき旋回時の車輌の挙動制御の必要度合
としてのオーバステア状態量SS及びアンダステア状態
量DSを求め、挙動制御の必要度合が高いときには車輌
の旋回挙動を安定化するよう制御する車輌の挙動制御装
置。ヨーレートセンサの故障の虞れを検出し(ステップ
320〜420)、ヨーレートセンサの故障の虞れがあ
り旋回挙動の安定化の制御量であるデューティ比Driが
基準値Dumを越えているときにはデューティ比を基準値
に制限し(ステップ170〜190)、制御量の変化を
制限する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車輌の
旋回時に於ける挙動を制御する挙動制御装置に係る。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車輌の挙動制御装置の一つと
して、例えば本願出願人の出願にかかる特願平7−11
3743号明細書及び図面に記載されている如く、ヨー
レートセンサにより検出された車輌のヨーレート等に基
づき旋回時の車輌の挙動制御の必要度合を求め、挙動制
御の必要度合が基準値を越えるときには挙動制御の必要
度合に応じた制御量にて車輌の旋回挙動を安定化するよ
う制御する挙動制御装置であって、ヨーレートセンサの
故障が検出されたときには挙動制御を禁止するよう構成
された挙動制御装置が既に提案されている。
【0003】かかる挙動制御装置によれば、ヨーレート
センサの故障が検出されたときには挙動制御が禁止され
ることにより、誤ったヨーレートに基づき求められた挙
動制御の必要度合に応じた不適切な制御量にて挙動制御
が行われることが防止されるので、ヨーレートセンサが
故障した場合に車輌の旋回挙動が不適切に制御されるこ
とを確実に防止することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記先の提案に
かかる挙動制御装置に於いては、ヨーレートセンサの故
障が検出されると挙動制御が禁止されるので、挙動制御
中にヨーレートセンサが故障すると車輌の旋回挙動が急
変する虞れがある。またヨーレートセンサの故障が確か
である場合には挙動制御が禁止されることが好ましい
が、ヨーレートセンサの故障が不確実である場合にはで
きるだけ車輌の挙動制御が継続されることが好ましい。
かかる問題はセンサがヨーレートセンサである場合に限
られるものではなく、旋回時の車輌の挙動制御の必要度
合を求めるための車輌の状態量を検出する全てのセンサ
に共通の問題である。
【0005】本発明は、従来の挙動制御装置に於ける上
述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主
要な課題は、状態量検出手段の故障の虞れを検出し、故
障の虞れに応じて挙動制御を最適化することにより、状
態量検出手段に故障の虞れがある場合にも車輌の旋回挙
動をできるだけ安定化させつつ、状態量検出手段の故障
時に於ける車輌の旋回挙動の急変を確実に防止すること
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の主要な課題は、本
発明によれば、請求項1の構成、即ち状態量検出手段に
より検出された車輌の状態量に基づき旋回時の車輌の挙
動制御の必要度合を求め、挙動制御の必要度合が高いと
きには車輌の旋回挙動を安定化するよう制御する車輌の
挙動制御装置に於いて、前記状態量検出手段の故障の虞
れを検出し、前記故障の虞れがあるときには前記旋回挙
動の安定化の制御量の変化率を制限することを特徴とす
る車輌の挙動制御装置によって達成される。
【0007】また本発明によれば、上述の課題を効果的
に達成すべく、請求項1の構成に於て、前記状態量検出
手段の故障の虞れが高いほど前記制御量の変化率の制限
度合が高いよう構成される(請求項2の構成)。
【0008】
【課題解決手段の好ましい態様】本発明の一つの好まし
い態様によれば、上述の請求項1の構成に於て、状態量
検出手段の故障の虞れを連続して検出した回数が基準値
になると状態量検出手段の故障の虞れがあると判定する
よう構成される(好ましい態様1)。
【0009】また本発明の他の一つの好ましい態様によ
れば、上述の請求項2の構成に於て、状態量検出手段の
故障の虞れを連続して検出した回数が第一の基準値にな
ると状態量検出手段の故障の虞れがあると判定し、第一
の基準値を越える回数が高いほど状態量検出手段の故障
の虞れが高いと判定するよう構成される(好ましい態様
2)。
【0010】また本発明の他の一つの好ましい態様によ
れば、上述の好ましい態様2の構成に於て、状態量検出
手段の故障の虞れを連続して検出した回数が第一の基準
値よりも大きい第二の基準値になると状態量検出手段が
故障であると判定し、車輌の挙動制御を禁止するよう構
成される(好ましい態様3)。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照しつつ、本
発明を幾つかの実施形態について詳細に説明する。
【0012】本発明による挙動制御装置の第一の実施形
態を示す図1に於いて、10FL及び10FRはそれぞれ左
右の前輪を示し、10RL及び10RRはそれぞれ左右の後
輪を示している。操舵輪である左右の前輪10FL及び1
0FRは運転者によるステアリングホイール12の転舵に
応答して駆動されるラック・アンド・ピニオン式のパワ
ーステアリング装置14によりタイロッド16FL及び1
6FRを介して操舵される。
【0013】各輪の制動力はアクティブブレーキ装置1
8の油圧回路20によりホイールシリンダ22FL、22
FR、22RL、22RRの制動圧が制御されることによって
制御される。図1には示されていないが、油圧回路20
はリザーバ、オイルポンプ、種々の弁装置を含み、油圧
回路20による各ホイールシリンダの制動圧の制御はブ
レーキペダル24の踏み込み操作に応じて駆動されるマ
スタシリンダ26により制御され、また必要に応じて左
右後輪のホイールシリンダの制動圧の制御は後に詳細に
説明する如く電気式制御装置28のマイクロコンピュー
タ30により制御される。
【0014】また図1には示されていないが、電気式制
御装置28はマイクロコンピュータ30と駆動回路とよ
りなっており、マイクロコンピュータ30は例えばCP
UとROMとRAMと入出力ポート装置とを有し、これ
らが双方向性のコモンバスにより互いに接続された一般
的な構成のものであってよい。
【0015】マイクロコンピュータ30にはヨーレート
センサ32より車輌の実ヨーレートγを示す信号、車速
センサ34より車速Vを示す信号、操舵角センサ36よ
り操舵角θを示す信号、横加速度センサ38より車輌の
横加速度Gy を示す信号、前後加速度センサ40より車
輌の前後加速度Gx を示す信号が入力されるようになっ
ている。尚ヨーレートセンサ32、操舵角センサ50、
横加速度センサ38は車輌の左旋回方向を正としてそれ
ぞれヨーレート等を検出する。
【0016】電気式制御装置28は上述の種々のセンサ
により検出されたパラメータに基づき後述の如く種々の
演算を行い、車輌の旋回挙動を判定するためのオーバス
テア状態量SS及びアンダステア状態量DSを求め、こ
れらの状態量に基づき車輌の旋回挙動を推定し、その推
定結果に基づき各輪の制動力を制御して旋回挙動を制御
すると共に、ヨーレートセンサ32の故障を判定し、そ
の判定結果に応じて各輪の制動力を補正するようになっ
ている。
【0017】次に図2及び図3に示されたフローチャー
トを参照して車輌の挙動制御ルーチンについて説明す
る。尚図2及び図3に示されたフローチャートによる制
御は図には示されていないイグニッションスイッチの閉
成により開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。
【0018】まずステップ10に於いては各信号を読込
み、ステップ20に於いてはフラグFf が1であるか否
か、即ちヨーレートセンサ32が故障しているか否かを
判別し、肯定判別のときにはステップ30に於いて各輪
の制動圧を漸減した後このルーチンによる挙動制御を終
了する。
【0019】ステップ40に於いては横加速度Gy と車
速V及び実ヨーレートγの積V*γとの偏差Gy −V*
γとして横加速度の偏差、即ち車輌の横すべり加速度V
ydを演算し、横すべり加速度Vydを積分することにより
車体の横すべり速度Vy を演算し、車体の前後速度Vx
(=車速V)に対する車体の横すべり速度Vy の比Vy
/Vx として車体のスリップ角βを演算し、K1 及びK
2 をそれぞれ正の定数として車体のスリップ角β及び横
すべり加速度Vydの線形和K1 *β+K2 *Vydとして
オーバステア量SVを演算する。
【0020】ステップ50に於いては実ヨーレートγの
符号に基づき車輌の旋回方向を判定し、オーバステア状
態量SSを車輌が左旋回のときにはSVとして、車輌が
右旋回のときには−SVとして演算し、演算結果が負の
値のときにはオーバステア状態量を0とする。尚オーバ
ステア量SVは車体のスリップ角β及びその微分値βd
の線形和として演算されてもよい。
【0021】ステップ60に於いてはKh をスタビリテ
ィファクタとしHを車輌のホイールベースとして下記の
数1に従って目標ヨーレートγc を演算すると共に、T
を時定数としsをラプラス演算子として下記の数2に従
って基準ヨーレートγt を演算する。尚目標ヨーレート
γc は動的なヨーレートを考慮すべく車輌の横加速度G
y を加味して演算されてもよい。
【0022】
【数1】γc =V*θ/(1+Kh *V2 )*H
【数2】γt =γc /(1+T*s)
【0023】ステップ70に於いては下記の数3に従っ
てアンダステア量DVを演算する。尚アンダステア量D
Vは下記の数4に従って演算されてもよい。
【0024】
【数3】DV=(γt −γ)
【数4】DV=H*(γt −γ)/V
【0025】ステップ80に於いては実ヨーレートγの
符号に基づき車輌の旋回方向を判定し、アンダステア状
態量DSを車輌が左旋回のときにはDVとして、車輌が
右旋回のときには−DVとして演算し、演算結果が負の
値のときにはアンダステア状態量を0とする。
【0026】ステップ90に於いてはオーバステア状態
量SSに基づき図5に示されたグラフに対応するマップ
より旋回外側前輪のスリップ率目標値Rssfoを演算し、
ステップ100に於いてはアンダステア状態量DSに基
づき図6に示されたグラフに対応するマップより車輌全
体の目標スリップ率Rsallを演算する。
【0027】ステップ110に於いてはKsri を旋回内
側後輪の分配率として下記の数5に従って旋回外側前
輪、旋回内側前輪、旋回外側後輪、旋回内側後輪の目標
スリップ率Rsfo 、Rsfi 、Rsro 、Rsri を演算す
る。
【数5】Rsfo =Rssfo Rsfi =0 Rsro =(Rsall−Rssfo)*(100−Ksri )/1
00 Rsri =(Rsall−Rssfo)*Ksri /100
【0028】ステップ120に於いては実ヨーレートγ
の符号に基づき車輌の旋回方向を判定することにより旋
回内外輪を特定し、その特定結果に基づき各輪の最終目
標スリップ率Rsi(i=fr、fl、rr、rl)を演算する。
即ち車輌の左旋回の場合及び右旋回の場合についてそれ
ぞれ下記の数6及び数7に従って最終目標スリップ率R
siを求める。
【0029】
【数6】Rsfr =Rsfo Rsfl =Rsfi Rsrr =Rsro Rsrl =Rsri
【数7】Rsfr =Rsfi Rsfl =Rsfo Rsrr =Rsri Rsrl =Rsro
【0030】ステップ130に於いては全ての最終目標
スリップ率Rsiが0であるか否か、即ち挙動制御が不要
であるか否かを判別し、肯定判別のときにはそのままス
テップ10へ戻り、否定判別のときにはステップ140
に於いてVb を基準車輪速度(例えば旋回内側前輪の車
輪速度)として下記の数8に従って各輪の目標車輪速度
Vwti を演算する。
【数8】Vwti =Vb *(100−Rsi)/100
【0031】ステップ150に於いてはVwid を各輪の
車輪加速度(Vwiの微分値)とし、Ks を正の一定の係
数として下記の数9に従って各輪の目標スリップ量SP
i を演算し、ステップ160に於いては図7に示された
グラフに対応するマップより各輪のデューティ比Driを
演算する。尚図7に於いて、+及び−はそれぞれ増圧及
び減圧を意味する。
【数9】 SPi =Vwi −Vwti +Ks *(Vwid −Gx )
【0032】ステップ170に於いてはフラグFd が1
であるか否か、即ちヨーレートセンサ32が故障してい
る虞れがあるか否かを判別し、肯定判別のときにはステ
ップ180に於いて各輪のデューティ比Driが補正の基
準値Dum(正の定数)を越えているか否かを判別し、肯
定判別のときにはステップ190に於いて各輪のデュー
ティ比Driを基準値Dumに設定する。尚ステップ180
及び190は各輪毎に実行される。
【0033】更にステップ200に於いては最終目標ス
リップRsiが0でない車輪に対応する弁装置に対し制御
信号を出力することにより、デューティ比Driに対応す
る増減圧速度にてホイールシリンダ22FR〜22RLに対
するオイルの給排を制御し、これにより各輪の制動圧を
制御する。
【0034】次に図4に示されたフローチャートを参照
して図示の実施形態に於けるヨーレートセンサの故障判
定ルーチンについて説明する。尚図4に示されたフロー
チャートによる制御は所定時間毎の割り込みにより実行
される。
【0035】まずステップ310に於いては基準ヨーレ
ートγt を示す信号等を読み込み、ステップ320に於
いてはアクティブブレーキ装置18による制動が行われ
ているか否かを判別し、肯定判別のときにはそのままス
テップ310へ戻り、否定判別のときにはステップ33
0に於いてγd を前回の実ヨーレートγとして下記の数
10に従って実ヨーレートの変化率Rγを演算し、ステ
ップ340に於いてはγttを前回の基準ヨーレートγt
として下記の数11に従って基準ヨーレートの変化率R
γt を演算する。
【0036】
【数10】Rγ=γ−γd
【数11】Rγt =γt −γtt
【0037】ステップ350に於いてはヨーレート変化
率の偏差Rγ−Rγt の絶対値が基準値R1 (正の定
数)を越えているか否かを判別し、肯定判別のときには
ステップ360に於いて実ヨーレートの変化率Rγの絶
対値が基準値R2 (正の定数)より大きく基準値R3
(正の定数)より小さいか否かを判別する。肯定判別の
ときにはステップ370に於いて基準ヨーレートの変化
率Rγt の絶対値が基準値R4 (正の定数)より小さい
か否かを判別し、否定判別のときにはステップ380に
於いて基準ヨーレートの変化率Rγt の絶対値が基準値
R5 (正の定数)より大きいか否かを判別する。
【0038】かくしてステップ350〜380に於いて
ヨーレートセンサ32の故障の虞れがあるか否かを判別
し、ステップ370又は380に於ける判別が肯定判別
のときにはステップ390に於いてカウンタのカウント
値Ct を1インクリメントし、ステップ350、360
又は380に於ける判別が否定判別のときにはステップ
400に於いてカウンタのカウント値Ct を0にリセッ
トすると共に、フラグFd 及びFt を0にリセットす
る。
【0039】ステップ410に於いてはカウント値Ct
が第一の基準値Ct1(正の一定の整数)であるか否か、
即ちステップ350〜380に於けるヨーレートセンサ
の故障の虞れがある旨の判別がCt1回数連続して繰返し
行われたか否かを判別し、否定判別のときにはステップ
310へ戻り、肯定判別のときにはステップ420に於
いてヨーレートセンサ32が故障している虞れがあるこ
とを示すフラグFd を1にセットする。
【0040】ステップ430に於いてはカウント値Ct
が第二の基準値Ct2(Ct1よりも大きい正の一定の整
数)であるか否か、即ちステップ350〜380に於け
るヨーレートセンサの故障の虞れがある旨の判別がCt2
回数連続して繰返し行われたか否かを判別し、否定判別
のときにはステップ10へ戻り、肯定判別のときにはス
テップ440に於いてヨーレートセンサ32が故障して
いることを示すフラグFf を1にセットする。
【0041】かくしてこの第一の実施形態によれば、ヨ
ーレートセンサの故障判定ルーチンのステップ330〜
380に於いて実ヨーレートγ及び基準ヨーレートγt
に基づきヨーレートセンサ32の故障の虞れがあるか否
かが判別され、ヨーレートセンサの故障の虞れがないと
きにはステップ400に於いてフラグFd 及びフラグF
f が0にリセットされる。これに対しヨーレートセンサ
の故障の虞れがある旨の判別がCt1回数連続して繰返し
行われたときには、ステップ430に於いてヨーレート
センサ32が故障している虞れが高い旨の判別が行われ
てフラグFd が1にセットされ、ヨーレートセンサの故
障の虞れがある旨の判別がCt2回数連続して繰返し行わ
れたときには、ステップ440に於いてヨーレートセン
サ32が故障している旨の判別が行われてフラグFf が
1にセットされる。
【0042】また挙動制御ルーチンのステップ40〜5
0に於いて車輌の旋回時の挙動制御の必要度合としての
オーバステア状態量SS及びアンダステア状態量DSが
演算され、ステップ90〜150に於いてこれらの状態
量に基づき車輌の旋回挙動を安定化させるための各輪の
目標スリップ量SPi が演算され、ステップ160に於
いて各輪のスリップ量を目標スリップ量SPi に制御す
るための油圧回路20の弁装置のデューティ比Driが演
算される。
【0043】そしてフラグFd が1でありヨーレートセ
ンサの故障の虞れが高い場合であって、デューティ比D
riが補正の基準値Dumを越えているときにはデューティ
比がDumに制限され、これにより車輌の旋回挙動を安定
化させるための制御量が低減補正される。
【0044】従ってヨーレートセンサ32が故障し、ヨ
ーレートセンサの出力が車輌の実際のヨーレートと異な
ることに起因してオーバステア状態量SS若しくはアン
ダステア状態量DSの大きさが大きくなり、これにより
デューティ比Driが高い値になっても、実際の制御のデ
ューティ比は基準値Dum以下に低減補正されることによ
り、各輪のスリップ量の増大率が低減されるので、各輪
のスリップ量が不適切に過度に制御されることを防止す
ることができ、また最終的にヨーレートセンサが故障で
あると判定され挙動制御が禁止される際に各輪のスリッ
プ量が大きい値より突然0になることを防止し、これに
より各輪のスリップ量の急変による車輌の挙動の急変を
確実に防止することができる。
【0045】またヨーレートセンサよりの出力に含まれ
るノイズ等に起因してヨーレートセンサの故障の虞れが
高いと判定されても、ステップ430に於いて肯定判別
が行われない限り挙動制御は低減補正された制御量にて
継続されるので、ヨーレートセンサが故障していないに
も拘らず故障の虞れが高いと判定された場合にも車輌の
挙動が過度にオーバステア状態又はアンダステア状態に
なることを防止することができる。尚ノイズ等に起因し
てヨーレートセンサの故障の虞れが高いと判定されて
も、一般にはステップ430に於いて肯定判別が行われ
る前にステップ350〜380に於いて否定判別、即ち
ヨーレートセンサは故障していない旨の判別が行われ
る。
【0046】図8は本発明による挙動制御装置の第二の
実施形態に於ける挙動制御ルーチンの後半を示すフロー
チャートである。尚図8に於いて図3に示されたステッ
プに対応するステップには図3に於いて付されたステッ
プ番号と同一のステップ番号が付されている。
【0047】この実施形態に於いては、ステップ170
に於ける判別が肯定判別のときにはステップ172に於
いて図9に示されたグラフに対応するマップより基準値
Dumが演算され、その基準値に基づきステップ180が
実行される。
【0048】この実施形態によれば、図9より解る如
く、基準値Dumはカウント値Ct が高いほど小さい値に
演算され、これによりヨーレートセンサの故障の虞れが
高いほど各輪のスリップ量の増大率の低減量が大きくな
るので、基準値Dumが一定である場合に比して、各輪の
スリップ量が不適切に過度に制御されることを確実に防
止することができ、また各輪のスリップ量の急変による
車輌の挙動の急変を更に一層確実に防止することができ
る。
【0049】尚図9に於いて破線にて示されている如
く、基準値Dumはカウント値Ct が第二の基準値Ct2で
あるときに0となるよう演算されることにより、最終的
にヨーレートセンサが故障であると判定され挙動制御が
禁止される際に於ける各輪のスリップ量が実質的に変化
しないよう設定されてもよい。
【0050】以上に於ては本発明を特定の実施形態につ
いて詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実
施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろ
う。
【0051】例えば上述の二つの実施形態に於いては、
ヨーレートセンサの故障の虞れが高いと判定されたとき
には、デューティ比Driが基準値Dumを越えている場合
にデューティ比がDumに制限され、これによりデューテ
ィ比の増大率が制限されるようになっているが、例えば
デューティ比Driが基準値−Dum未満である場合にデュ
ーティ比が−Dumに制限され、これによりデューティ比
の減少率も制限されるよう構成されてもよい。
【0052】また上述の二つの実施形態に於いては、故
障の虞れが判定されるセンサはヨーレートセンサである
が、故障の虞れが判定されるセンサは車輌の旋回時の挙
動制御の必要度合としてのオーバステア状態量SS若し
くはアンダステア状態量DSを演算するための状態量を
検出する任意のセンサであってよい。
【0053】更に上述の二つの実施形態に於いては、挙
動制御の必要度合としてオーバステア状態量SS及びア
ンダステア状態量DSが演算され、これらに基づき挙動
制御が実行されるようになっているが、挙動制御自体は
本発明の要旨をなすものではなく、旋回挙動を安定化し
得る限り任意の要領にて行われてよい。同様に上述の二
つの実施形態に於いては、車輌の実ヨーレート及び基準
ヨーレートに基づきヨーレートセンサの故障の虞れが判
定されるようになっているが、状態量検出手段の故障の
虞れの判定も本発明の要旨をなすものではなく、状態量
検出手段の故障の虞れを判定し得る限り任意の要領にて
行われてよい。
【0054】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発
明の請求項1の構成によれば、状態量検出手段の故障の
虞れがあるときには旋回挙動の安定化の制御量の変化率
が制限されることにより、制御量が大きく変化すること
が制限されるので、状態量検出手段に故障の虞れがある
場合にも車輌の旋回挙動をできるだけ安定化することが
でき、また状態量検出手段が故障した場合に於ける不適
切な制御に起因する車輌の旋回挙動の急変を確実に防止
することができる。
【0055】特に請求項2の構成によれば、制御量の変
化率の制限度合は状態量検出手段の故障の虞れが高いほ
ど高くなり、これにより状態量検出手段の故障の虞れが
高くなるほど旋回挙動の安定化の制御量の変化率が低減
されるので、状態量検出手段に故障の虞れがある場合に
車輌の旋回挙動をできるだけ安定化すること、及び状態
量検出手段が故障した場合に於ける車輌の旋回挙動の急
変を防止することを更に一層良好に達成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による挙動制御装置の第一の実施形態を
示す概略構成図である。
【図2】第一の実施形態の挙動制御ルーチンの前半を示
すフローチャートである。
【図3】第一の実施形態の挙動制御ルーチンの後半を示
すフローチャートである。
【図4】第一の実施形態に於けるヨーレートセンサの故
障判別ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】オーバステア状態量SSと旋回外側前輪のスリ
ップ率目標値Rssfoとの間の関係を示すグラフである。
【図6】アンダステア状態量DSと車輌全体のスリップ
率目標値Rsallとの間の関係を示すグラフである。
【図7】各輪の目標スリップ量SPi とデューティ比D
riとの間の関係を示すグラフである。
【図8】第二の実施形態の挙動制御ルーチンの後半を示
すフローチャートである。
【図9】カウンタのカウント値Ct とデューティ比Dri
の補正の基準値Dumとの間の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
12…ステアリングホイール 18…アクティブブレーキ装置 26…マスタシリンダ 28…電気式制御装置 32…ヨーレートセンサ 34…車速センサ 36…操舵角センサ 38…横加速度センサ 40…前後加速度センサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】状態量検出手段により検出された車輌の状
    態量に基づき旋回時の車輌の挙動制御の必要度合を求
    め、挙動制御の必要度合が高いときには車輌の旋回挙動
    を安定化するよう制御する車輌の挙動制御装置に於い
    て、前記状態量検出手段の故障の虞れを検出し、前記故
    障の虞れがあるときには前記旋回挙動の安定化の制御量
    の変化率を制限することを特徴とする車輌の挙動制御装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1の車輌の挙動制御装置に於いて、
    前記状態量検出手段の故障の虞れが高いほど前記制御量
    の変化率の制限度合が高いことを特徴とする車輌の挙動
    制御装置。
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