JPH11217065A - 車両挙動制御装置の挙動センサ異常対策装置 - Google Patents

車両挙動制御装置の挙動センサ異常対策装置

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JPH11217065A
JPH11217065A JP10020649A JP2064998A JPH11217065A JP H11217065 A JPH11217065 A JP H11217065A JP 10020649 A JP10020649 A JP 10020649A JP 2064998 A JP2064998 A JP 2064998A JP H11217065 A JPH11217065 A JP H11217065A
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JP
Japan
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behavior
vehicle
sensor
yaw rate
control
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JP10020649A
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Hisahiro Kanetaka
寿裕 金高
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Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 挙動センサの異常時も急な挙動変化が起きな
いようにして異常対策を行い、異常自体を検出する場合
の問題を生ずることなく、対処可能にする。 【解決手段】 ステップ58のように挙動センサ出力γ
をノイズ除去のために時定数Tでフィルタリング処理し
て挙動検出値γS を求めるに際し、時定数Tを、挙動制
御中で(ステップ52)、更にセンサ出力変化率(d/dt)
γが挙動の減少中を示す時で(ステップ54)、且つ、
目標挙動および挙動検出値γS 間の偏差|Δγ|が設定
値Δγr 以上である間(ステップ55)に、従来のτ1
よりも大きなτ2にセットし(ステップ57)、それ以
外で時定数Tを従来の小さなτ1にセットする(ステッ
プ56)。故に上記の3条件が揃うような挙動センサの
異常が発生しても、大きなτ2で急な挙動変化が起きる
のを防止することができ、センサ異常自体を検出する場
合の問題を生ずることなく対処可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動ブレー
キにより車両水平面挙動を制御するようにした車両挙動
制御装置に関し、特に、該装置に用いた挙動センサの異
常時における対策をなすための装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】車両の挙動制御装置としては、例えば特
開平7−89427号公報に記載されているように、各
輪個別の自動ブレーキにより車両水平面挙動(例えばヨ
ーレート)を目標通りのものとなるよう制御するように
した構成のものが知られている。かかる挙動制御装置に
より車両挙動を制御するに際しては、車両挙動を検出す
る挙動センサからの出力を、ノイズ成分の除去のために
フィルタリング処理して挙動検出値を求め、この挙動検
出値と、車速および操舵角から求めた挙動目標値との間
の偏差が減少するよう、つまり実挙動が挙動目標値に一
致するよう、左右輪制動力差により車両を挙動制御する
ことが考えられる。
【0003】ところで、この挙動制御に当たり挙動セン
サが例えば、通常なら発生ヨーレートγに対して図3に
実線で示すようなセンサ出力電圧V(左右方向一方のヨ
ーレートに対して正の電圧値、逆方向のヨーレートを負
の電圧値とする)を発生するところながら、何らかの異
常により同図に破線で示す程度の電圧しか発生すること
ができなくなった場合に、以下のような問題を生ずる。
【0004】図4は、挙動センサ出力が図3に実線で示
すように正常な場合における挙動制御中のヨーレート偏
差Δγ(ヨーレート目標値γ0 から上記フィルタリング
処理後のヨーレート検出値γS を差し引いた差値)の時
系列変化を実線で例示し、挙動センサ出力が図3に破線
で示すように異常な場合における同様な挙動制御中のヨ
ーレート偏差Δγの時系列変化を破線で例示する。なお
図4において、ヨーレート偏差Δγが正の所定値ΔγU
よりも大きな領域はアンダーステア(U/S)防止のた
めの挙動制御を行う領域とし、ヨーレート偏差Δγが負
の所定値ΔγL よりも小さな領域はスピン(オーバース
テア)防止のための挙動制御を行う領域とし、ヨーレー
ト偏差ΔγがΔγL 〜ΔγU の範囲内にある領域を非制
御域とする。
【0005】図4の瞬時t1 において挙動センサの出力
特性が図3に実線から破線のごときものとなるような異
常を発生した場合につき述べると、当該瞬時に挙動セン
サ出力が急変するのにともなってヨーレート偏差Δγが
急変することから、上記の挙動制御はこの急変したヨー
レート偏差Δγに呼応して、瞬時t1 以後ヨーレート偏
差Δγを、前記ノイズ除去用フィルタリング処理のため
の時定数で決まる図4の時系列変化αで実線上から破線
上へと移行させる。当該ノイズ除去用フィルタリング処
理のための時定数で決まるヨーレート偏差Δγの時系列
変化αは、車両ヨーレートの急変を惹起して乗員に少な
からず違和感を与える。
【0006】この問題解決のために従来は、挙動センサ
の異常を検出して異常対策を行う考え方が一般的で、種
々の挙動センサ異常検出装置が提案された。挙動センサ
異常検出装置としては、例えば特開平6−336173
号公報に記載されているように、操舵角および車速から
車両の発生ヨーレートを推定すると共に、当該推定ヨー
レートの変化率を求め、この推定ヨーレートの変化率
と、センサによる検出ヨーレートの変化率との偏差をも
とにヨーレートセンサの異常を判定するようにしたもの
や、その他、複数のヨーレートセンサを並置して、これ
らセンサからの出力を相互比較することにより、ヨーレ
ートセンサの異常を検出するようにしたものが知られて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかして、前者の挙動
センサ異常検出装置では、車両の挙動制御中において挙
動特性が非線形となり、この間は車両挙動を推定するこ
とが困難であることを主たる原因として、常時完全に挙
動センサの異常を検出することができないという問題が
あり、また、後者の挙動センサ異常検出装置では、高価
な挙動センサが複数個必要になって装置が冗長になり、
コスト上不利になるのを免れないという問題があった。
【0008】本発明は、挙動センサの異常を検出して対
策する限りにおいて上記のように、挙動センサ異常検出
装置が抱える何らかの問題の発生を避けられないとの観
点から、敢えて、挙動センサの異常を検出して対策する
という従来の考え方の発想を転換し、挙動センサの異常
自体を検出するのではなく、挙動センサが異常を生じて
も車両挙動が急変するという前記の問題が起きないよう
な挙動制御装置にすることで対処しようとするものであ
る。
【0009】これがため、請求項1に記載の第1発明
は、挙動センサが異常を生じた時の前記問題が挙動制御
中に起きるとの事実認識にもとづき、当該挙動制御中に
おいて前記フィルタリング処理の時定数を変更すること
により当該問題を解消することを目的とする。
【0010】請求項2に記載の第2発明は、第1発明に
おける時定数の変更を必要最小限にして、当該時定数の
変更による挙動制御への悪影響を回避することを目的と
する。
【0011】請求項3に記載の第3発明は、時定数の変
更終了を最適に行い得るようにすることを目的とする。
【0012】請求項4に記載の第4発明は、第1発明に
おけると同様の狙いを、フィルタリング処理の時定数変
更によらず、フィルタリング処理後における挙動検出値
の時間変化率を制限することにより達成し得るようにす
ることを目的とする。
【0013】請求項5に記載の第5発明は、第4発明に
おける挙動検出値の時間変化率に関する制限を必要最小
限にして、当該制限による挙動制御への悪影響を回避す
ることを目的とする。
【0014】請求項6に記載の第6発明は、挙動検出値
の時間変化率に関する制限の解除を最適に行い得るよう
にすることを目的とする。
【0015】請求項7に記載の第7発明は、制御する車
両挙動の種類を特定することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】これらの目的のため、先
ず第1発明による車両挙動制御装置の挙動センサ異常対
策装置は、車両挙動を検出する挙動センサを具え、該セ
ンサからの出力をフィルタリング処理して求めた挙動検
出値と挙動目標値との間の偏差が減少するよう車両の挙
動制御を行うようにした装置において、前記フィルタリ
ング処理の時定数を車両挙動制御中は、非制御中よりも
大きくするよう構成したことを特徴とするものである。
【0017】第2発明による車両挙動制御装置の挙動セ
ンサ異常対策装置は、第1発明において、前記フィルタ
リング処理の時定数を車両挙動制御中でも、前記挙動セ
ンサからの出力が車両挙動の減少中を示すような変化を
生ずる間のみ大きくするよう構成したことを特徴とする
ものである。
【0018】第3発明による車両挙動制御装置の挙動セ
ンサ異常対策装置は、第1発明または第2発明におい
て、前記フィルタリング処理の時定数を車両挙動制御中
でも、前記挙動検出値と挙動目標値との間の偏差が設定
値未満になったところで小さな時定数に戻すよう構成し
たことを特徴とするものである。
【0019】第4発明による車両挙動制御装置の挙動セ
ンサ異常対策装置は、車両挙動を検出する挙動センサを
具え、該センサからの出力をフィルタリング処理して求
めた挙動検出値と挙動目標値との間の偏差が減少するよ
う車両の挙動制御を行うようにした装置において、前記
フィルタリング処理後における挙動検出値の時間変化率
に、車両挙動制御中は上限を設定するよう構成したこと
を特徴とするものである。
【0020】第5発明による車両挙動制御装置の挙動セ
ンサ異常対策装置は、第4発明において、前記挙動検出
値の時間変化率に関する上限を車両挙動制御中でも、前
記挙動センサからの出力が車両挙動の減少中を示すよう
な変化を生ずる間のみ設定するよう構成したことを特徴
とするものである。
【0021】第6発明による車両挙動制御装置の挙動セ
ンサ異常対策装置は、第4発明または第5発明におい
て、前記挙動検出値の時間変化率に関する上限を車両挙
動制御中でも、前記挙動検出値と挙動目標値との間の偏
差が設定値未満になったところで無くすよう構成したこ
とを特徴とするものである。
【0022】第7発明による車両挙動制御装置の挙動セ
ンサ異常対策装置は、第1発明乃至第6発明のいずれか
において、前記車両の挙動がヨーレートであることを特
徴とするものでる。
【0023】
【発明の効果】車両挙動制御装置は、車両挙動を検出す
る挙動センサからの出力をフィルタリング処理して求め
た挙動検出値と挙動目標値との間の偏差が減少するよう
車両の挙動制御を行う。ところで第1発明は、上記フィ
ルタリング処理の時定数を車両挙動制御中において、非
制御中におけるよりも大きくする。
【0024】これがため、挙動センサが出力特性を変化
するような異常を生じたとしても、従って、これに伴う
上記挙動偏差の急変で挙動制御量が大きくなっても、挙
動制御変化が緩やかに行われることとなり、これが急峻
になって乗員に少なからず違和感を与えるといった、挙
動センサ異常時の問題を解消することができる。しか
も、この問題解決に当たって従来のように、挙動センサ
の異常を検出して対策するものでないから、センサ異常
検出装置が抱える前記の問題、つまり異常検出が完全で
はないという問題や、システムが冗長となってコスト上
の不利益を被るという問題を伴うことなしに上記の問題
解決を実現することができる。さらに車両挙動の非制御
中はフィルタリング処理の時定数を大きくしないことか
ら、挙動制御の感度に悪影響を与えることなく上記の作
用効果を達成することができる。
【0025】第2発明においては、フィルタリング処理
の時定数を車両挙動制御中でも、挙動センサからの出力
が車両挙動の減少中を示すような変化を生ずる間のみ大
きくする。ここで、挙動センサからの出力が車両挙動の
減少中を示すような異常時は挙動制御が車両挙動を誤っ
て増大させるよう機能し、制御する車両挙動が例えばヨ
ーレートである場合について述べると、車両を過度にオ
ーバーステア傾向にし、アンダーステア傾向を強める場
合よりも遙に問題が大きい。しかして第2発明によれ
ば、この時の問題を確実に解消することができて好都合
である。しかも、挙動センサからの出力が逆に車両挙動
の増大中を示すように変化している時にフィルタリング
処理の時定数を大きくすると、例えば直進走行から旋回
走行への移行や、ステアリングホイールの切り増し等で
挙動制御が開始される場合において当該開始が遅れる傾
向となり、挙動制御の応答遅れや挙動制御量不足による
問題を生ずるところながら、これらの問題を回避するこ
とができる。
【0026】第3発明においては、フィルタリング処理
の時定数を車両挙動制御中でも、前記挙動検出値と挙動
目標値との間の偏差が設定値未満になったところで小さ
な時定数に戻すため、実際の車両挙動が目標値に一致し
て挙動制御を終了すべきにもかかわらず、上記の大きく
された時定数により当該終了が遅れてその後も、自動ブ
レーキなどによる不要な挙動制御が継続されるといった
問題を回避することができる。
【0027】第4発明においても車両挙動制御装置は、
車両挙動を検出する挙動センサからの出力をフィルタリ
ング処理して求めた挙動検出値と挙動目標値との間の偏
差が減少するよう車両の挙動制御を行う。ところで第4
発明では、上記フィルタリング処理後における挙動検出
値の時間変化率に対して、車両挙動制御中に限り上限を
設定する。
【0028】これがため、挙動センサが出力特性を変化
するような異常を生じて、これに伴う上記挙動偏差の急
変で挙動制御量が大きくなっても、挙動制御変化が緩や
かに行われることとなり、これが急峻になって乗員に少
なからず違和感を与えるといった、挙動センサ異常時の
問題を第1発明と同様に解消することができる。そし
て、この問題解決に当たり従来のように、挙動センサの
異常自体を検出して対策するものでないから、センサ異
常検出装置が抱える前記の問題、つまり異常検出が完全
ではないという問題や、システムが冗長となってコスト
上の不利益を被るという問題を伴うことなしに上記の問
題解決を実現することができる作用効果も第1発明と同
様に奏し得る。さらに車両挙動の非制御中はフィルタリ
ング処理後における挙動検出値の時間変化率に上記の制
限を設定しないことから、挙動制御の感度に悪影響を与
えることなく上記の作用効果を達成することができる作
用効果も第1発明と同様に奏し得る。
【0029】第5発明においては、上記挙動検出値の時
間変化率に関する上限を車両挙動制御中でも、挙動セン
サからの出力が車両挙動の減少中を示すような変化を生
ずる間のみ設定する。ここで、挙動センサからの出力が
車両挙動の減少中を示すような異常時は挙動制御が車両
挙動を誤って増大させるよう機能し、制御する車両挙動
が例えばヨーレートである場合について述べると、車両
を過度にオーバーステア傾向にし、アンダーステア傾向
を強める場合よりも遙に問題が大きい。しかして第5発
明によれば、この時の問題を確実に解消することができ
て好都合である。しかも、挙動センサからの出力が逆に
車両挙動の増大中を示すように変化している時に上記挙
動検出値の時間変化率に上限を設定すると、例えば直進
走行から旋回走行への移行や、ステアリングホイールの
切り増し等で挙動制御が開始される場合において当該開
始が遅れる傾向となり、挙動制御の応答遅れや挙動制御
量不足による問題を生ずるところながら、これらの問題
を全て回避することができる。
【0030】第6発明においては、前記挙動検出値の時
間変化率に関する上限を車両挙動制御中でも、前記挙動
検出値と挙動目標値との間の偏差が設定値未満になった
ところで無くすため、実際の車両挙動が目標値に一致し
て挙動制御を終了すべきにもかかわらず、上記のごとく
上限を設定された挙動検出値の時間変化率により当該終
了が遅れてその後も、自動ブレーキなどによる不要な挙
動制御が継続されるといった問題を回避することができ
る。
【0031】なお上記いずれの発明においても、車両の
制御すべき挙動としては、第7発明におけるようにヨー
レートとするのが、乗員に対して最も効率的に効果を感
じさせ得る点で好ましい。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形
態になる挙動センサ異常対策装置を具えた車両の挙動制
御装置を示すシステム図で、本実施の形態において挙動
制御装置は、自動ブレーキによる左右制動力差で車両の
ヨーレートを制御するものとする。図1において1
FL,11FRはそれぞれ、挙動制御に際して自動ブレー
キにより制動すべき左右の車輪で、例えば左前輪および
右前輪を示す。
【0033】12はブレーキマスターシリンダで、ブレ
ーキペダル13の踏み込みにより、リザーバタンク14
内のブレーキ液をブレーキペダル踏力に応じたマスター
シリンダ液圧Pm にして出力するものとする。マスター
シリンダ液圧Pm はプリチャージシリンダ15のマスタ
ーシリンダ液圧ポート15aに供給し、当該プリチャー
ジシリンダ15はリターンスプリング15bにより弾支
されたピストン15cを有するもので、ピストン15c
の図示する常態位置でマスターシリンダ液圧ポート15
aをピストン連通孔15dにより出力ポート15eに通
じさせるよう構成する。
【0034】プリチャージシリンダ15には更に、ピス
トン連通孔15dが開口するシリンダ室とは反対側のシ
リンダ室に開口させてプリチャージ圧ポート15fを穿
設し、当該ポートからの後述するプリチャージ圧Ppr
ピストン15cがリターンスプリング15bに抗し左行
される時にピストン連通孔15dを塞ぐフリーピストン
15gをバネ15hにより浮動支持して設ける。
【0035】リザーバタンク14とプリチャージ圧ポー
ト15fと間に、プリチャージポンプ16、リリーフ弁
17およびオリフィス18の相互並列回路として構成し
たプリチャージ圧源を接続して設け、プリチャージポン
プ16を、後述のごとくにON,OFF制御されるモー
タ16aにより適宜駆動する。
【0036】プリチャージシリンダ15の出力ポート1
5eには、一方で常開の電磁式マスターシリンダ液圧選
択弁19を介して前輪ブレーキ液圧回路20を接続し、
他方で常閉の電磁式プリチャージ圧選択弁21を介して
挙動制御圧ポンプ22の吸入ポートを接続し、挙動制御
圧ポンプ22を、後述のごとくにON,OFF制御され
るモータ22aにより適宜駆動する。なお、挙動制御圧
ポンプ22の吐出ポートはリリーフ弁23を介してプリ
チャージシリンダ15の出力ポート15eに通じさせる
と共に、前輪ブレーキ液圧回路20に接続する。
【0037】前輪ブレーキ液圧回路20から左右前輪1
FL,11FRのホイールシリンダ24FL,24FRへ向か
う左右前輪ブレーキ液圧回路20FL,20FR中にはそれ
ぞれ、常開の電磁式増圧弁25FL,25FRを挿置し、こ
れら増圧弁25FL,25FRとホイールシリンダ24FL
24FRとの間において左右前輪ブレーキ液圧回路2
FL,20FRより分岐する減圧回路26FL,26FR中に
それぞれ、常閉の電磁式減圧弁27FL,27FRを挿置す
る。そして、減圧回路26FL,26FRはそれぞれ共通な
アキュムレータ28に接続すると共に、同じく共通な逆
止弁29を経て挙動制御圧ポンプ22の吸入ポートに接
続する。
【0038】マスターシリンダ液圧選択弁19に並列に
配して、ブレーキ液圧の抜け方向に対し逆止機能を果た
す逆止弁30を設けると共に、増圧弁25FL,25FR
並列に配して、ブレーキ液圧の入り方向に対し逆止機能
を果たす逆止弁31,32を設け、これらにより対応す
る弁が閉じたままの状態でスティックした場合における
安全保障を行う。
【0039】プリチャージポンプ16のモータ16a、
および挙動制御圧ポンプ22のモータ22a、またマス
ターシリンダ液圧選択弁19およびプリチャージ圧選択
弁21、更に増圧弁25FL,25FRおよび減圧弁2
FL,27FRのON,OFFは、コントローラ41によ
りこれらを制御して所定の挙動(ヨーレート)制御を行
うこととし、当該制御のためにコントローラ41には、
車両の発生ヨーレートγを検出するヨーレートセンサ
(挙動センサ)42からの信号(以下では、センサ出力
も便宜上、同じ符号γで表す)と、車速VSPを検出す
る車速センサ43からの信号と、エンジンスロットル開
度TVOを検出するスロットル開度センサ44からの信
号とをそれぞれ入力する。
【0040】上記した挙動(ヨーレート)制御装置の作
用を以下に説明する。コントローラ41は、センサ4
3,44で検出した車速VSPおよびスロットル開度T
VOから周知の方法で目標とすべきヨーレートγ0 を算
出し、当該目標ヨーレートγ0 と、センサ42の出力γ
をノイズ除去のために後述のごとくフィルタリング処理
して求めたヨーレート検出値γS とのヨーレート偏差Δ
γ(=γ 0 −γS )が図4のΔγL 〜ΔγU 間にあると
き、自動ブレーキによる挙動(ヨーレート)制御を行わ
ない。
【0041】この非制御域においてコントローラ41
は、プリチャージポンプ16のモータ16a、および挙
動制御圧ポンプ22のモータ22a、またマスターシリ
ンダ液圧選択弁19およびプリチャージ圧選択弁21、
更に増圧弁25FL,25FRおよび減圧弁27FL,27FR
を全てOFFする。よって、プリチャージポンプ16か
らのプリチャージ圧Pprが発生しないためにプリチャー
ジシリンダ15がピストン15cを図示位置にされてお
り、マスターシリンダ液圧ポート15aを出力ポート1
5eに通じさせ、プリチャージ圧選択弁21、および減
圧弁27FL,27FRが閉弁状態にされており、マスター
シリンダ液圧選択弁19および増圧弁25FL,25FR
開弁状態にされている。
【0042】ここで運転者がブレーキペダル13を踏み
込んでマスターシリンダ液圧Pm を発生させると、この
マスターシリンダ液圧Pm がプリチャージシリンダ15
のポート15a、ピストン連通孔15dおよび出力ポー
ト15eを順次経てマスターシリンダ液圧選択弁19に
至り、その後マスターシリンダ液圧Pm が、この弁19
から増圧弁25FL,25FRを経てホイールシリンダ24
FL,24FRに達することで、運転者による前2輪のブレ
ーキ操作を可能とする。
【0043】コントローラ41は、上記目標ヨーレート
γ0 と、ヨーレート検出値γS と間のヨーレート偏差Δ
γ(=γ0 −γS )が図4のΔγL 〜ΔγU における非
制御域を外れる場合、ヨーレート偏差Δγが当該ΔγL
〜ΔγU の範囲内に収まるよう、以下の挙動(ヨーレー
ト)制御を実行する。つまりこの場合コントローラ41
は、プリチャージポンプ16のモータ16a、および挙
動制御圧ポンプ22のモータ22aをONして対応する
ポンプを駆動すると共に、マスターシリンダ液圧選択弁
19およびプリチャージ圧選択弁21をONして、前者
の弁19を閉じると共に後者の弁21を開弁させる。
【0044】ポンプ16の駆動で発生したプリチャージ
圧Pprはプリチャージシリンダ15のピストン15cを
してこれを図中左行させ、ポート15aとピストン連通
孔15dとの間の連通を絶つと同時に、ピストン連通孔
15dをフリーピストン15hにより閉塞する。その
後、ピストン15cの更なる左行によりポート15eか
らプリチャージ圧Pprと同じ圧力(以下では便宜上、こ
れも同じプリチャージ圧Pprと称する)が出力され、こ
れがプリチャージ圧選択弁21を経て挙動制御圧ポンプ
22の吸入ポートに供給される。これにより、モータ2
2aの上記したONにより駆動される挙動制御圧ポンプ
22の吸入効率が高められ、ポンプ22は高応答で挙動
制御用の圧力を吐出することができ、以下に説明する挙
動制御の応答性を向上させることができる。従ってプリ
チャージ圧Pprは、挙動制御圧ポンプ22に要求される
吸入効率が達成されるのに必要な最小限の極く低い値と
する。
【0045】ポンプ22からの挙動制御圧は増圧弁25
FL,25FRに達し、コントローラ41は車両の挙動(ヨ
ーレート)制御に際して制動すべき一方側前輪の増圧弁
25 FLまたは25FRをOFFして開き、反対側前輪の増
圧弁25FRまたは25FLをONして閉じ、この間、制動
すべき一方側前輪の減圧弁27FLまたは27FRをOFF
して閉じ、反対側前輪の減圧弁27FRまたは27FLをO
Nして開く。これにより、制動すべき一方側前輪のホイ
ールシリンダ24FLまたは24FR内が挙動制御圧を供給
されて増圧されるも、反対側前輪のホイールシリンダ2
FRまたは24FLが無圧状態を維持される。
【0046】よって、車両は左右制動力差を付与されて
これに伴うヨーモーメントを与えられ、車両挙動(ヨー
レート)を目標値に近づけることができる。そしてコン
トローラ41は、車両挙動(ヨーレート)が目標値に近
づいて前記のヨーレート偏差Δγが非制御域に入ると、
制動されていた一方側前輪の増圧弁25FLまたは25FR
をONして閉じると同時に、当該一方側前輪の減圧弁2
FLまたは27FRをONして開くことにより、対応する
側の前輪ホイールシリンダ24FLまたは24FR内を排圧
して制動を解除し、ヨーレート偏差Δγを非制御域に維
持することができる。
【0047】上記の挙動制御に当たって使用するヨーレ
ート検出値γS を、本実施の形態においてはコントロー
ラ41が図2の制御プログラムにより以下のごとくにし
て求める。先ずステップ51において、ヨーレートセン
サ42のセンサ出力γを読み込み、次いでステップ52
において、前記の挙動制御が行われている最中か否かを
判定する。挙動制御が行われている最中でなければ、ヨ
ーレートセンサ42が異常により出力特性を急変させる
ことがあっても前記したような車両挙動の急変に関する
問題を生ずることがないことから、ステップ56におい
て、センサ出力からノイズを除去するために行うフィル
タリング処理のフィルタ時定数Tを従来通りの小さなτ
1にセットする。
【0048】ところで、ステップ52において挙動制御
中であると判定する場合は、先ずステップ53でヨーレ
ートセンサ出力γの時間変化率(d/dt)γを算出する。な
お当該ヨーレートセンサ出力変化率(d/dt)γの算出に際
しては、例えばセンサ出力γの前回値に対する今回値の
変化量をセンサ出力読み込み周期で除算することにより
求めることができる。
【0049】次のステップ54においては、ヨーレート
センサ出力変化率(d/dt)γが負値か否かを、つまりセン
サ出力変化率(d/dt)γがヨーレートの減少中を示すもの
であるか否かを判定する。ヨーレートセンサ出力変化率
(d/dt)γが負値でない場合、つまりセンサ出力変化率(d
/dt)γがヨーレートの減少中を示すものでない場合、制
御をステップ56に進めて、センサ出力からノイズを除
去するために行うフィルタリング処理のフィルタ時定数
Tを従来通りの小さなτ1にセットする。
【0050】ステップ54においてヨーレートセンサ出
力変化率(d/dt)γがヨーレートの減少中を示す負値であ
ると判定した場合、今度はステップ55において、前記
のヨーレート偏差Δγの絶対値|Δγ|が設定値Δγr
以上であるか未満であるかを判定する。ヨーレート偏差
Δγの絶対値|Δγ|が設定値Δγr 未満である場合、
制御をステップ56に進めて、センサ出力からノイズを
除去するために行うフィルタリング処理のフィルタ時定
数Tを小さなτ1にセットする。しかし、ヨーレート偏
差Δγの絶対値|Δγ|が設定値Δγr 以上である場
合、制御をステップ57に進めて、センサ出力からノイ
ズを除去するために行うフィルタリング処理のフィルタ
時定数Tを上記した従来のτ1よりも大きなτ2にセッ
トする。
【0051】なお、ステップ52で挙動制御中と判定す
る場合でも、ステップ54においてヨーレートセンサ出
力変化率(d/dt)γがヨーレートの減少中を示す負値であ
ると判定しない場合は、ステップ58でフィルタ時定数
Tを従来通りの小さなτ1にした理由は以下の通りであ
る。つまり、ヨーレートセンサ出力変化率(d/dt)γがヨ
ーレートの減少中を示すような異常時は、挙動制御がヨ
ーレートを誤って増大させるよう機能し、車両を過度に
オーバーステア(スピン)傾向にして問題が大きくなる
のに対し、ヨーレートセンサ出力変化率(d/dt)γがヨー
レートの増大中を示すような異常時は、挙動制御がアン
ダーステア傾向を強めるように誤作動するも、当該傾向
は左程大きな問題にならないためである。また、ヨーレ
ートセンサ出力変化率(d/dt)γがヨーレートの増大中を
示すような時にフィルタリング処理の時定数Tを大きく
すると、例えば直進走行から旋回走行への移行や、ステ
アリングホイールの切り増し等で挙動制御が開始される
場合において当該開始が遅れる傾向となり、挙動制御の
応答遅れや挙動制御量不足による問題を生ずるためであ
る。
【0052】更に、ステップ55においてヨーレート偏
差Δγの絶対値|Δγ|が設定値Δγr 未満になったと
判定したところで、ステップ56においてフィルタリン
グ処理の時定数Tを小さなτ1に戻す理由は以下の通り
である。つまり、ヨーレート偏差Δγの絶対値|Δγ|
が設定値Δγr 未満になった後もフィルタリング処理の
時定数Tを大きなτ2にしておくと、ヨーレートが目標
値に接近して非制御域に入った時に応答遅れで直ちに制
御を終了させることができず、挙動制御用の自動ブレー
キが継続されて引きずりを生ずるという問題が発生する
からである。従って設定値Δγr は、当該問題を生じな
い範囲でできるだけ小さな、例えば5deg/sec 程度に定
めるのが良いことを確かめた。
【0053】図2の最終ステップ58においては、ヨー
レートセンサ出力γを、ステップ56または57で設定
したフィルタ時定数Tによりフィルタリング処理するこ
とによりヨーレート検出値γS を求め、これを前記した
車両のヨーレート制御に資する。ここで微分演算子をS
とすると、ヨーレート検出値γS は次式で表される。 γS =〔1/(1+T・S)〕γ・・・(1)
【0054】ヨーレートセンサ出力γをノイズ除去のた
めにフィルタリング処理してヨーレート検出値γS を求
めるに際し、当該フィルタリング処理のフィルタ時定数
Tを上記のごとく挙動(ヨーレート)制御中で(ステッ
プ52)、更にヨーレートセンサ出力変化率(d/dt)γが
ヨーレートの減少中を示す時で(ステップ54)、且
つ、ヨーレート偏差Δγの絶対値|Δγ|が設定値Δγ
r 以上である間(ステップ55)に、従来のτ1よりも
大きなτ2にセットし(ステップ57)、それ以外でフ
ィルタ時定数Tを従来の小さなτ1にセットした(ステ
ップ56)から、以下の作用効果を達成することができ
る。
【0055】図4の瞬時t1 (ヨーレート制御中)にお
いてヨーレートセンサ42が出力特性を図3の実線特性
から破線特性へと変化するごとき異常、換言すれば、ヨ
ーレートセンサ出力がヨーレートの減少を示すような変
化を伴う異常を発生した場合につき述べると、ヨーレー
ト偏差Δγの絶対値|Δγ|が設定値Δγr 以上である
こともあって、当該瞬時t1 にノイズ除去用フィルタリ
ングの時定数Tを大きなτ2にする。他方で上記の瞬時
1 に、センサ異常に起因してヨーレートセンサ出力γ
(ヨーレート検出値γS )が急変するのにともなってヨ
ーレート偏差Δγが急変することから、前記の挙動(ヨ
ーレート)制御はこの急変したヨーレート偏差Δγに呼
応して、瞬時t1 以後ヨーレート偏差Δγを、ノイズ除
去用フィルタリング処理のための時定数(T=τ2)で
決まる図4の時系列変化βで実線上から破線上へと移行
させるような制御を行う。ところで時定数(T=τ2)
が従来のそれよりも大きいことから、瞬時t1 以後にお
けるヨーレート偏差Δγの時系列変化βは従来の時系列
変化αよりもハッチング領域分だけ緩やかなものとな
り、上記のセンサ異常にもかかわらず乗員に違和感を与
えるようなヨーレートの急変を生ずることがない。
【0056】しかも、この問題解決に当たって従来のよ
うに、ヨーレートセンサ42の異常自体を検出して対策
するものでないから、センサ異常検出装置が抱える前記
の問題、つまり異常検出が完全ではないという問題や、
システムが冗長となってコスト上の不利益を被るという
問題を伴うことなしに上記の問題解決を実現することが
できる。さらにヨーレートの非制御中は(ステップ5
2)、フィルタリング処理のフィルタ時定数Tを従来の
小さなτ1のままにすることから(ステップ56)、ヨ
ーレート制御の感度に悪影響を与えることなく上記の作
用効果を達成することができる。
【0057】なお本実施の形態においては、フィルタリ
ング処理の時定数Tを同じヨーレート制御中でも、ヨー
レートセンサ42の出力変化率(d/dt)γがヨーレートの
減少中を示す(ステップ54)間のみ大きなτ2にし
(ステップ57)、逆にヨーレートの増大中を示す間は
従来通りの小さなτ1にする(ステップ56)ことか
ら、以下の作用効果を達成することができる。つまり、
ヨーレートセンサ42からの出力γがヨーレートの減少
中を示すような異常時は挙動制御がヨーレートを誤って
増大させるよう機能し、車両を過度にオーバーステア
(スピン)傾向にするが、この傾向は、センサ出力γが
ヨーレートの増大中を示すような異常時に行われる誤っ
た挙動制御でアンダーステア傾向を強められる場合より
も遙に問題が大きい。しかして本実施の形態において
は、センサ出力γがヨーレートの減少中を示すような時
にのみフィルタリング処理の時定数Tを大きなτ2にす
ることから、この時の大きな問題を確実に解消すること
ができる。しかも、センサ出力γがヨーレートの増大中
を示すように変化している時にフィルタリング処理の時
定数Tを大きくすると、例えば直進走行から旋回走行へ
の移行や、ステアリングホイールの切り増し等でヨーレ
ート制御が開始される場合において当該開始が遅れる傾
向となり、ヨーレート制御の応答遅れやヨーレート制御
量不足による問題を生ずるところながら、これらの問題
を回避することができる。
【0058】また本実施の形態においては、フィルタリ
ング処理の時定数Tを車両挙動制御中でも、ヨーレート
偏差Δγの絶対値|Δγ|が設定値Δγr 未満になった
ところで(ステップ55)、フィルタリング処理の時定
数Tを小さな時定数τ1に戻す(ステップ56)ため、
実際のヨーレートが目標値に接近して非制御域に入り、
ヨーレート制御を終了すべきにもかかわらず、上記の大
きくされた時定数(T=τ2)により当該終了が遅れて
その後も、自動ブレーキによる不要な挙動制御が継続さ
れるといった問題を回避することができる。
【0059】なお図示する実施の形態においては、フィ
ルタリング処理の時定数Tを変更することにより上記の
諸々の作用効果が奏し得られるようにしたが、この代わ
りに、従来通りの時定数τ1でヨーレートセンサ出力γ
をフィルタリング処理した後におけるヨーレート検出値
の時間変化率に適宜上限を設定することによっても同様
の作用効果を達成することができる。
【0060】ここで当該上限は、前記実施の形態と同様
の考え方によりヨーレート制御中に設定し、非制御中は
上限の設定を行わないこととする。これがため、ヨーレ
ート制御中にヨーレートセンサ42が出力特性を変化す
るような異常を生じて、これに伴うヨーレート偏差の急
変でヨーレート制御量が大きくなっても、ヨーレート制
御量変化が緩やかに行われることとなり、これが急峻に
なって乗員に少なからず違和感を与えるといった、セン
サ異常時の問題を前記実施の形態におけると同様に解消
することができる。そして、この問題解決に当たり従来
のように、ヨーレートセンサの異常自体を検出して対策
するものでないから、センサ異常検出装置が抱える前記
の問題、つまり異常検出が完全ではないという問題や、
システムが冗長となってコスト上の不利益を被るという
問題を伴うことなしに上記の問題解決を実現することが
できる。さらにヨーレートの非制御中はフィルタリング
処理後におけるヨーレート検出値の時間変化率に前記の
制限を設定しないことから、ヨーレート制御の感度に悪
影響を与えることなく上記の作用効果を達成することが
できる。
【0061】また、上記ヨーレート検出値の時間変化率
に関する上限を同じヨーレート制御中でも、ヨーレート
センサ42からの出力γがヨーレートの減少中を示すよ
うな変化を生ずる間のみ設定するのが良いのは、前記実
施の形態におけると同様である。更に、上記ヨーレート
検出値の時間変化率に関する上限を車両挙動制御中で
も、ヨーレート偏差Δγの絶対値|Δγ|が設定値Δγ
r 未満になったところで無くすのが良いのも、前記実施
の形態におけると同様である。
【0062】いずれにしても、車両の制御すべき挙動は
上記のようにヨーレートであるのが、乗員に対して最も
効率的に効果を感じさせ得る点で好ましいが、これに限
らず、車両横滑り角などの他の水平面運動を制御対象と
する場合においても本発明は同様の考え方により適用し
得るものであること勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態になる挙動センサ異常対
策装置を具えた車両挙動制御装置を例示する液圧ブレー
キシステム図である。
【図2】同実施の形態においてコントローラが、ヨーレ
ートセンサ出力をフィルタリング処理してヨーレート検
出値を求めるためのプログラムを示すフローチャートで
ある。
【図3】ヨーレートセンサが正常な場合と、異常を生じ
た場合とで、センサ出力特性を比較して示す出力特性線
図である。
【図4】ヨーレートセンサが異常を生じた場合における
ヨーレート偏差の変化具合を、本発明を適用した場合
と、適用しない場合とで比較して示すタイムチャートで
ある。
【符号の説明】
11FL 左前輪 11FR 右前輪 12 マスターシリンダ 13 ブレーキペダル 14 ブレーキ液リーザバタンク 15 プリチャージシリンダ 16 プリチャージポンプ 19 マスターシリンダ液圧選択弁 21 プリチャージ圧選択弁 22 挙動制御圧ポンプ 24FL 左前輪ホイールシリンダ 24FR 右前輪ホイールシリンダ 25FL 左前輪用増圧弁 25FR 右前輪用増圧弁 27FL 左前輪用減圧弁 27FR 右前輪用減圧弁 28 アキュムレータ 41 コントローラ 42 ヨーレート(挙動)センサ 43 車速センサ 44 スロットル開度センサ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両挙動を検出する挙動センサを具え、
    該センサからの出力をフィルタリング処理して求めた挙
    動検出値と挙動目標値との間の偏差が減少するよう車両
    の挙動制御を行うようにした装置において、 前記フィルタリング処理の時定数を車両挙動制御中は、
    非制御中よりも大きくするよう構成したことを特徴とす
    る車両挙動制御装置の挙動センサ異常対策装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記フィルタリング
    処理の時定数を車両挙動制御中でも、前記挙動センサか
    らの出力が車両挙動の減少中を示すような変化を生ずる
    間のみ大きくするよう構成したことを特徴とする車両挙
    動制御装置の挙動センサ異常対策装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記フィル
    タリング処理の時定数を車両挙動制御中でも、前記挙動
    検出値と挙動目標値との間の偏差が設定値未満になった
    ところで小さな時定数に戻すよう構成したことを特徴と
    する車両挙動制御装置の挙動センサ異常対策装置。
  4. 【請求項4】 車両挙動を検出する挙動センサを具え、
    該センサからの出力をフィルタリング処理して求めた挙
    動検出値と挙動目標値との間の偏差が減少するよう車両
    の挙動制御を行うようにした装置において、 前記フィルタリング処理後における挙動検出値の時間変
    化率に、車両挙動制御中は上限を設定するよう構成した
    ことを特徴とする車両挙動制御装置の挙動センサ異常対
    策装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記挙動検出値の時
    間変化率に関する上限を車両挙動制御中でも、前記挙動
    センサからの出力が車両挙動の減少中を示すような変化
    を生ずる間のみ設定するよう構成したことを特徴とする
    車両挙動制御装置の挙動センサ異常対策装置。
  6. 【請求項6】 請求項4または5において、前記挙動検
    出値の時間変化率に関する上限を車両挙動制御中でも、
    前記挙動検出値と挙動目標値との間の偏差が設定値未満
    になったところで無くすよう構成したことを特徴とする
    車両挙動制御装置の挙動センサ異常対策装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか1項におい
    て、前記車両の挙動がヨーレートであることを特徴とす
    る車両挙動制御装置の挙動センサ異常対策装置。
JP10020649A 1998-02-02 1998-02-02 車両挙動制御装置の挙動センサ異常対策装置 Pending JPH11217065A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007276538A (ja) * 2006-04-03 2007-10-25 Advics:Kk 車両用ブレーキ制御装置

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