JPH09301147A - 車両の運動制御装置 - Google Patents
車両の運動制御装置Info
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- JPH09301147A JPH09301147A JP11490596A JP11490596A JPH09301147A JP H09301147 A JPH09301147 A JP H09301147A JP 11490596 A JP11490596 A JP 11490596A JP 11490596 A JP11490596 A JP 11490596A JP H09301147 A JPH09301147 A JP H09301147A
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Abstract
に、高μ時に不必要に制御が開始されるのを低減するこ
と。 【解決手段】 車両の各車輪に対し少なくともブレーキ
ペダルの操作に応じて制動力を付与するブレーキ液圧制
御装置と、旋回時における車両の運動状態量を推定する
車両状態量推定手段と、車両状態量推定手段により推定
された車両運動状態量が制御開始閾値を越えた場合に、
制御開始要と判定する開始判定手段と、開始判定手段が
制御開始要と判定した時に、車両のヨーモーメントを安
定側に修正するようにブレーキ液圧制御装置を制御し、
車両の各車輪に制動力を付与する運動制御手段とを備え
た車両の運動制御装置において、路面の摩擦係数を推定
する路面摩擦係数推定手段と、路面摩擦係数推定手段に
より推定された路面摩擦係数が低い程小さくするように
制御開始閾値を設定する開始閾値設定手段とを備えたこ
と。
Description
て、ブレーキペダルの操作に起因した制動状態にあるか
否かに拘らず各車輪に対して制動力を付与することによ
り、車両の運動状態を安定させる車両の運動制御装置に
関する。
平4−372446号公報に示されるものが知られてい
る。このものは、車両の各車輪に対し少なくともブレー
キペダルの操作に応じて制動力を付与するブレーキ液圧
制御装置と、車両の運動状態量を推定する車両状態量推
定手段と、車両状態量推定手段により推定された車両運
動状態量が所定の閾値よりも大きい場合に、制御開始要
と判定する開始判定手段と、開始判定手段が制御開始要
と判定した時に、車両のヨーモーメントを安定側に修正
するようにブレーキ液圧制御装置を制御する運動制御手
段とを備えたものである。
検出する車速センサ、車両の旋回状態を検出するヨーレ
ートセンサ及び車両の横加速度を検出する横加速度セン
サが設けられている。上記車両状態量推定手段は、車速
センサ及び横加速度センサからの情報に基づき理論上の
ヨーレートを演算し、ヨーレートセンサからの情報に基
づく実際のヨーレートと理論上のヨーレートとの偏差を
演算する。
は、制御を開始するための車両運動状態量の閾値が一定
であるので、以下のような問題点が発生する。
路を走行している時に比べて、より小さい車両運動状態
量(ヨーレート偏差)で不安定になる。従って、車両運
動状態量の閾値を大きい値に設定したのでは、制御開始
の応答性が悪くなる。逆に、閾値を小さい値に設定した
場合、車両が高μ路面を走行している際に、本来制御を
開始する必要のない時でも、制御を開始する恐れがあ
り、信頼性が悪くなる。
状態量における制御開始領域を変えることを、その技術
的課題とする。
るため、本発明の請求項1の車両の運動制御装置は、図
1の実線で示すように、車両の各車輪に対し少なくとも
ブレーキペダルの操作に応じて制動力を付与するブレー
キ液圧制御装置と、前記車両の運動状態量を推定する車
両状態量推定手段と、前記車両状態量推定手段により推
定された車両運動状態量が制御開始閾値を越えた場合
に、制御開始要と判定する開始判定手段と、前記開始判
定手段が制御開始要と判定した時に、前記車両のヨーモ
ーメントを安定側に修正するように前記ブレーキ液圧制
御装置を制御し、前記車両の各車輪に制動力を付与する
運動制御手段とを備えた車両の運動制御装置において、
路面の摩擦係数を推定する路面摩擦係数推定手段と、前
記路面摩擦係数推定手段により推定された路面摩擦係数
が低い程小さくするように前記制御開始閾値を設定する
開始閾値設定手段とを備えたものである。
越えた場合とは、車両運動状態量の絶対値が制御開始閾
値の絶対値を越えた場合を意味する。また、車両運動状
態量としては、車体横すべり角,車体横すべり角速度等
を用いることができる。
小さくするように車両運動状態における制御開始領域を
設定するので、路面摩擦係数が低い場合に、制御開始の
応答性が向上するとともに、路面摩擦係数が高い場合
に、不必要に制御が開始されるのを低減できる。
の点線で示すように、前記路面摩擦係数推定手段により
推定された路面摩擦係数が高い程制御開始閾値との間の
差を大きくするように車両運動状態量における制御終了
閾値を設定する終了閾値設定手段と、前記運動制御手段
による制御中に、前記車両状態量推定手段により推定さ
れた車両運動状態量が前記終了閾値設定手段により設定
された制御終了閾値よりも下回った場合に、制御終了要
と判定する終了判定手段とを更に備え、前記運動制御手
段が、前記終了判定手段が制御終了要と判定した時に、
前記ブレーキ液圧制御装置の制御を終了するようにする
と、好ましい。ここで、車両運動状態量が制御終了閾値
よりも下回った場合とは、車両運動状態量の絶対値が制
御終了閾値の絶対値よりも下回った場合を意味する。
場合に比べて、車輪のロック圧は高くなるため、運動制
御により車輪に付与される制動力も大きくなるのが一般
的である。従って、この場合早い時期に制御を終了させ
る(急激に制御を終了させる)と、車両のヨーモーメン
トが急変する恐れがある。ところが、請求項2によれ
ば、路面摩擦係数が高い程制御開始閾値と制御終了閾値
との間の差を大きく設定しているので、路面摩擦係数が
高い程制御の終了を遅らせることができ(緩やかに制御
を終了させることができ)、結果、車両のヨーモーメン
トの急変を回避することができる。
の点線で示すように、車両の横加速度を検出する横加速
度センサと、車輪の操舵角を検出する操舵角センサとを
更に備え、前記路面摩擦係数推定手段が、制御開始前で
且つ前記操舵角センサにより検出された車輪の操舵角が
所定値以上の場合に、前記横加速度センサにより検出さ
れた車両の横加速度に定数を乗算した値を路面摩擦係数
と設定すると、好ましい。
角センサにより検出された車輪の操舵角が所定値以上の
場合には、路面摩擦係数を車両の横加速度よりも少し高
めに設定するので、車両の横加速度が限界状態まで到達
せずに増加している途中でも、過小に路面摩擦係数が推
定されることを回避でき、結果、不必要に制御が開始さ
れるのを極力回避できる。
の点線で示すように、前記路面摩擦係数推定手段により
推定された路面摩擦係数が低い程小さくするように車両
運動状態量におけるプレ制御開始閾値を設定するプレ制
御開始閾値設定手段と、前記車両状態量推定手段により
推定された車両運動状態量が前記プレ制御開始閾値設定
手段により設定されたプレ制御開始閾値を越えた場合
に、プレ制御開始要と判定するプレ制御開始判定手段
と、前記プレ制御開始判定手段がプレ制御開始要と判定
した時に、前記ブレーキ液圧制御装置のプレ制御を開始
するプレ運動制御手段とを更に備えると、好ましい。こ
こで、車両運動状態量がプレ制御開始閾値を越えた場合
とは、車両運動状態量の絶対値がプレ制御開始閾値の絶
対値を越えた場合を意味する。
小さくするように車両運動状態量におけるプレ制御開始
閾値を設定するので、路面摩擦係数が低い場合に、プレ
制御開始の応答性が向上するとともに、路面摩擦係数が
高い場合に、不必要にプレ制御が開始されるのを低減で
きる。
態を図面を参照して説明する。
を示すもので、本実施形態のエンジンEGはスロットル
制御装置TH及び燃料噴射装置FIを備えた内燃機関
で、スロットル制御装置THにおいてはアクセルペダル
APの操作に応じてメインスロットルバルブMTのメイ
ンスロットル開度が制御される。また、電子制御装置E
CUの出力に応じて、スロットル制御装置THのサブス
ロットルバルブSTが駆動されサブスロットル開度が制
御されると共に、燃料噴射装置FIが駆動され燃料噴射
量が制御されるように構成されている。本実施形態のエ
ンジンEGは変速制御装置GS及びディファレンシャル
ギヤDFを介して車両後方の車輪DL,DRに連結され
ており、所謂後輪駆動方式が構成されているが、本発明
における駆動方式をこれに限定するものではない。
R,DL,DRに夫々ホイールシリンダWfl,Wf
r,Wrl,Wrrが装着されており、これらのホイー
ルシリンダWfl等にブレーキ液圧制御装置PCが接続
されている。尚、車輪NLは運転席からみて前方左側の
従動輪、車輪NRは前方右側の従動輪を示し、車輪DL
は後方左側の駆動側、車輪DRは後方右側の駆動輪を示
している。本実施形態のブレーキ液圧制御装置PCは図
3に示すように構成されており、これについては後述す
る。
センサWSl乃至WS4が配設され、これらが電子制御
装置ECUに接続されており、各車輪の回転速度、即ち
車輪速度に比例するパルス数のパルス信号が電子制御装
置ECUに入力されるように構成されている。更に、ブ
レーキペダルBPが踏み込まれたときオンとなるブレー
キスイッチBS、車両前方の車輪NL,NRの舵角δf
を検出する前輪舵角センサSSf、車両の横加速度Gy
を検出する横加速度センサYG及び車両ヨーレイトγを
検出するヨーレイトセンサYS等が電子制御装置ECU
に接続されている。ヨーレイトセンサYSにおいては、
車両重心を通る鉛直軸回りの車両回転角(ヨー角)の変
化速度、即ちヨー角速度(ヨーレイト)が検出され、実
ヨーレイトγとして電子制御装置ECUに出力される。
輪速度差Vfd(=Vwfr −Vwf1 )に基づき実ヨーレイ
トγを推定することができるので、車輪速度センサWS
l及びWS2の検出出力を利用することとすればヨーレ
イトセンサYSを省略することができる。更に、車両後
方の車輪DL,DR間に舵角制御装置(図示せず)を設
けることとしてもよく、これによれば電子制御装置EC
Uの出力に応じてモータ(図示せず)によって車輪D
L,DRの舵角を制御することもできる。
に示すように、バスを介して相互に接続されたプロセシ
ングユニットCPU、メモリROM、RAM、入力ポー
トIPT及び出力ポートOPT等から成るマイクロコン
ピュータMCPを備えている。上記車輪速度センサWS
l乃至WS4、ブレーキスイッチBS、前輪舵角センサ
SSf、ヨーレイトセンサYS、横加速度センサYG等
の出力信号は増幅回路AMPを介して夫々入力ポートI
PTからプロセシングユニットCPUに入力されるよう
に構成されている。また、出力ポートOPTからは駆動
回路ACTを介してスロットル制御装置TH及びブレー
キ液圧制御装置PCに夫々制御信号が出力されるように
構成されている。マイクロコンピュータMCPにおいて
は、メモリROMは図4乃至図10に示したフローチャ
ートを含む種々の処理に供するプログラムを記憶し、プ
ロセシングユニットCPUは図示しないイグニッション
スイッチが閉成されている間当該プログラムを実行し、
メモリRAMは当該プログラムの実行に必要な変数デー
タを一時的に記憶する。尚、スロットル制御等の各制御
毎に、もしくは関連する制御を適宜組合せて複数のマイ
クロコンピュータを構成し、相互間を電気的に接続する
こととしてもよい。
御装置PCの一例を示すもので、マスタシリンダMC及
び液圧ブースタHBがブレーキペダルBPの操作に応じ
て駆動される。液圧ブースタHBには補助液圧源APが
接続されており、これらはマスタシリンダMCと共に低
圧リザーバRSに接続されている。
キュムレータAccを有する。液圧ポンプHPは電動モー
タMによって駆動され、低圧リザーバRSのブレーキ液
を昇圧して出力し、このブレーキ液が逆止弁CV6を介
してアキュムレータAccに供給され、蓄圧される。電動
モータMは、アキュムレータAcc内の液圧が所定の下限
値を下回ることに応答して駆動され、またアキュムレー
タAcc内の液圧が所定の上限値を上回ることに応答して
停止する。尚、アキュムレータAccと低圧リザーバRS
との間にはリリーフバルブRVが介装されている。而し
て、アキュムレータAccから所謂パワー液圧が適宜液圧
ブースタHBに供給される。液圧ブースタHBは、補助
液圧源APの出力液圧を入力し、マスタシリンダMCの
出力液圧をパイロット圧として、これに比例したブース
タ液圧に調圧するもので、これによってマスタシリンダ
MCが倍力駆動される。
シリンダWfr,Wflの各々を接続する前輪側の液圧
路には、電磁切換弁SA1及びSA2が介装されてお
り、これらは制御通路Pfr及びPflを介して夫々電
磁開閉弁PC1,PC5及び電磁開閉弁PC2,PC6
に接続されている。また、液圧ブースタHBとホイール
シリンダWfr等の各々を接続する液圧路には電磁開閉
弁SA3,給排制御用の電磁開閉弁PC1乃至PC8が
介装されており、後輪側には比例減圧弁PVが介装され
ている。そして、電磁開閉弁STRを介して補助液圧源
APが電磁開閉弁SA3の下流側に接続されている。図
3では前輪の液圧制御系と後輪の液圧制御系に区分され
た前後配管が構成されているが、所謂X配管としてもよ
い。
及びPC2は電磁開閉弁STRに接続されている。電磁
開閉弁STRは2ポート2位置の電磁開閉弁であり、非
作動時の閉位置では遮断状態で、作動時の開位置では電
磁開閉弁PC1及びPC2を直接アキュムレータAccに
連通する。電磁切換弁SA1及び電磁切換弁SA2は3
ポート2位置の電磁切換弁で、非作動時は図3に示す第
1位置にあってホイールシリンダWfr,Wflは何れ
もマスタシリンダMCに連通接続されているが、ソレノ
イドコイルが励磁され第2位置に切換わると、ホイール
シリンダWfr,Wflは何れもマスタシリンダMCと
の連通が遮断され、夫々電磁開閉弁PC1及びPC5、
電磁開閉弁PC2及びPC6と連通する。
て並列に逆止弁CV1及びCV2が接続されており、逆
止弁CV1の流入側が制御通路Pfrに、逆止弁CV2
の流入側が制御通路Pf1に夫々接続されている。逆止
弁CV1は、電磁切換弁SA1が作動位置(第2位置)
にある場合において、ブレーキペダルBPが開放された
ときには、ホイールシリンダWfrのブレーキ液圧を液
圧ブースタHBの出力へのブレーキ液の流れは許容され
るが逆方向の流れは阻止される。尚、逆止弁CV2につ
いても同様である。
電磁開放弁SA3は2ポート2位置の電磁開閉弁で、非
作動時には図3に示す開位置にあって、電磁開閉弁PC
3,PC4は比例減圧弁PVを介して液圧ブースタHB
と連通する。このとき、電磁開閉弁STRは閉位置とさ
れ、アキュムレータAccとの連通が遮断される。電磁開
閉弁SA3が作動時の閉位置に切換えられると、電磁開
閉弁PC3,PC4は液圧ブースタHBとの連通が遮断
され、比例減圧弁PVを介して電磁開閉弁STRに接続
され、この電磁開閉弁STRが作動時にアキュムレータ
Accと連通する。
て並列に逆止弁CV3及びCV4が接続されており、逆
止弁CV3の流入側がホイールシリンダWrrに、逆止
弁CV4の流入側がホイールシリンダWrlに夫々接続
されている。これらの逆止弁CV3,CV4は、ブレー
キペダルBPが開放されたときには、ホイールシリンダ
Wrr,Wrlのブレーキ液圧を液圧ブースタHBの出
力液圧の低下に迅速に追従させるために設けられたもの
で、電磁開閉弁SA3方向へのブレーキ液の流れが許容
され逆方向の流れは阻止される。更に、逆止弁CV5が
電磁開閉弁SA3に並列に設けられており、電磁開閉弁
SA3が閉位置にあるときにも、ブレーキペダルBPに
よる踏み増しが可能とされている。
閉弁SA3,STR並びに電磁開閉弁PC1乃至PC8
は前述の電磁制御装置ECUにらって駆動制御され、前
述の制動操舵制御を初めとする各種制御が行なわれる。
例えば、ブレーキペダルBPが操作されていない状態で
行なわれる制動操舵制御時には、液圧ブースタHB及び
マスタシリンダMCからはブレーキ液圧が出力されない
ので、電磁開閉弁SA1,SA2が第2位置とされ、電
磁開閉弁SA3が閉位置とされ、そして電磁開閉弁ST
Rが開位置とされる。これにより、補助液圧源APの出
力パワー液圧が電磁開閉弁STR並びに開状態の電磁開
閉弁PC1乃至PC8を介してホイールシリンダWfr
等に供給され得る状態となる。而して、電磁開閉弁PC
1乃至PC8が適宜開閉駆動されることによって各ホイ
ールシリンダ内のブレーキ液圧が急増圧、パルス増圧
(緩増圧)、パルス減圧(緩減圧)、急減圧、及び保持
状態とされ、前述のようにオーバーステアの抑制制御及
び/又はアンダーステア抑制制御が行なわれる。
ては、電子制御装置ECUにより制動操舵制御、アンチ
スキッド制御等の一連の処理が行なわれ、イグニッショ
ンスイッチ(図示せず)が開成されると図4乃至図9等
のフローチャートに対応したプログラムの実行が開始す
る。図4は車両の運動制御作動を示すもので、先ずステ
ップ101にてマイクロコンピュータMCPが初期化さ
れ、各種の演算値がクリアされる。次にステップ102
において、車輪速度センサWS1乃至WS4の検出信号
が読み込まれると共に、前輪舵角センサSSfの検出信
号(舵角δf)、ヨーレイトセンサYSの検出信号(実
ヨーレイトγ)及び横加速度センサYGの検出信号(即
ち、実横加速度であり、Gyaで表す)が読み込まれる。
輪速度Vw** が演算され、これらの演算結果に基づきス
テップ104にて車体速度が推定され、各車輪毎に推定
車体速度Vso**が求められ、更に、必要に応じ、車両旋
回時の内外輪差等に基づく誤差を低減するため正規化が
行われる。即ち、正規化推定車体速度NVso**がNVso
**=Vso**(n)−ΔVr**(n)として演算される。ここ
で、ΔVr**(n)は旋回補正用の補正係数で、例えば以下
のように設定される。即ち、補正係数ΔVr**(**は各
車輪FR等を表し、特にFWは前二輪、RWは後二輪を表す)
は、車両の旋回半径R及びγ・VsoFW(=横加速度Gy
a) に基づき、基準とする車輪を除き各車輪毎のマップ
(図示省略)に従って設定される。例えば、ΔVrFLを
基準とすると、これは0とされるが、ΔVrFRは内外輪
差マップに従って設定され、ΔVrRLは内々輪差マップ
に従い、ΔVrRRは外々輪差マップ及び内外輪差マップ
に従って設定される。
テップ103及び104で求められた各車輪の車輪速度
Vw** と推定車体速度Vso(あるいは、正規化推定車体
速度NVso**)に基づき各車輪の実スリップ率Sa** が
Sa** =(Vso−Vw**)/Vsoとして求められる。
擦係数(以下路面μという)の推定処理が行われる。次
いで、ステップ107にて車体横すべり角速度がDβ=
Gy/Vso−γとして求められる。尚、Gyは車両の横
加速度、Vsoは推定車体速度、Gy/Vsoは理論上のヨ
ーレート、γは実ヨーレイトを表す。次いで、ステップ
108にて車体横すべり角βがβ=∫Dβdtとして求
められる。ここで、上記の車体横すべり角βは、車両の
進行方向に対する車体のすべりを角度で表したものであ
り、車体横すべり角速度Dβは車体横すべり角βの微分
値dβ/dtである。尚、車体横すべり角βは、進行方
向の車速Vx とこれに垂直な横方向の車速Vyの比に基
づき、β=tan-1(Vy/Vx)として求めることも
できる。
モードとされ、後述するように制動操舵制御の開始終了
判定が行われ、制動操舵制御に供する目標スリップ率が
設定され、次いで、後述のステップ117の液圧サーボ
制御により、車両の運動状態に応じてブレーキ液圧制御
装置PCが制御され各車輪に対する制動力が制御され
る。この制動操舵制御は、後述する全ての制御モードに
おける制御に対し重畳される。この後ステップ110に
進み、アンチスキッド制御開始条件を充足しているか否
かが判定され、開始条件を充足し制動操舵時にアンチス
キッド制御開始要と判定されると、ステップ111にて
制動操舵制御及びアンチスキッド制御の両制御を行なう
ための制御モードに設定される。
始条件を充足していないと判定されたときには、ステッ
プ112に進み前後制動力配分制御開始条件を充足して
いるか否かが判定され、制動操舵制御時に前後制動力配
分制御開始と判定されるとステップ113に進み、制動
操舵制御及び前後制動力配分制御の両制御を行なうため
の制御モードに設定され、充足していなければステップ
114に進みトラクション制御開始条件を充足している
か否かが判定される。制動操舵制御時にトラクション制
御開始と判定されるとステップ115にて制動操舵制御
及びトラクション制御の両制御を行なうための制御モー
ドに設定され、制動操舵制御時に何れの制御も開始と判
定されていないときには、ステップ116にて制動操舵
制御のみを行なう制御モードに設定される。そして、こ
れらの制御モードに基づきステップ117にて液圧サー
ボ制御が行なわれた後にステップ102に戻る。尚、ス
テップ111,113,115,116に基づき、必要
に応じ、車両の運動状態に応じてスロットル制御装置T
Hのサブスロットル開度が調整されエンジンECの出力
が低減され、駆動力が制限される。
ては、車両制動時に、車輪のロックを防止するように、
各車輪に付与する制動力が制御される。また、前後制動
力配分制御モードにおいては、車両の制動時に車両の安
定性を維持するように、後輪に付与する制動力の前輪に
付与する制動力に対する配分が制御される。そして、ト
クラション制御モードにおいては、車両駆動時に駆動輪
のスリップを防止するように、駆動輪に対し制動力が付
与されると共にスロットル制御が行なわれ、これらの制
御によって駆動輪に対する駆動力が制御される。
を図5及び図10を用いて説明する。
YGからの情報に基づき過去t1秒間の横加速度Gy の
絶対値の最大値Gypが求められる。次いで、ステップ2
02にて制動操舵制御中又は制御終了後t2秒以内か否
かが判定される。そうでなければ、ステップ203にて
前輪舵角δfの絶対値が所定値δk以下か否かが判定さ
れる。そうであれば、車両が略直進走行していると見な
し、ステップ204にて路面μをG0 (例えば1G)と
する。ステップ203にて前輪舵角δfの絶対値が所定
値δkよりも大きい(旋回時で且つ制御前)と判定され
ると、ステップ205にて路面μをk・Gyp(ここでは
kは1よりもやや大きい値)とする。一方、ステップ2
02にて制動操舵制御中又は制御終了後t2秒以内と判
定されれば、ステップ206にて路面μを制御開始瞬時
のGyp(Gyps )とする。尚、ステップ204,20
5,206は、夫々図10のA,B,Cで示す。
操舵制御モード処理の詳細を図6を用いて説明する。こ
こで、制動操舵制御にはオーバーステア抑制制御及びア
ンダーステア抑制制御が含まれ、各車輪に関しオーバー
ステア抑制制御及び/又はアンダーステア抑制制御に応
じた目標スリップ率が設定される。
制御基準直線が演算される。この制御基準直線は、オー
バーステア抑制制御の開始基準直線(以下制御開始基準
直線という;請求項1の制御開始閾値),オーバーステ
ア抑制制御の終了基準直線(以下制御終了基準直線とい
う;請求項2の制御終了閾値)及びオーバーステア抑制
プレ制御の開始終了基準直線(以下プレ制御開始終了基
準直線という;請求項4のプレ制御開始閾値)である。
オーバーステア抑制制御の開始終了判定が行われる。こ
こでは、オーバーステア抑制プレ制御及びオーバーステ
ア抑制本制御の開始終了判定が行われる。そして、ステ
ップ303にてアンダーステア抑制制御の開始・終了判
定が行なわれる。ここで行なわれるアンダーステア抑制
制御の開始・終了判定は、図15に斜線で示す制御領域
にあるか否かに基づいて行なわれる。即ち、判定時にお
いて目標横加速度Gytに対する実横加速度Gyaの変化に
応じて、一点鎖線で示す理想状態から外れて制御領域に
入ればアンダーステア抑制制御が開始され、制御領域を
脱すればアンダーステア抑制制御が終了とされる。
ア抑制制御が制御中か否かが判定され、制御中でなけれ
ばステップ305にてアンダーステア抑制制御が制御中
か否かが判定され、これも制御中でなければそのまま図
4のメインルーチンに戻る。ステップ305にてアンダ
ーステア抑制制御と判定されたときにはステップ306
に進み、各車輪の目標スリップ率が後述するアンダース
テア抑制制御用に設定される。ステップ304にてオー
バーステア抑制制御と判定されると、ステップ307に
進みアンダーステア抑制制御か否かが判定され、アンダ
ーステア抑制制御でなければステップ308において各
車輪の目標スリップ率が後述するオーバーステア抑制制
御用に設定される。ステップ307でアンダーステア抑
制制御が制御中と判定されると、オーバーステア抑制制
御とアンダーステア抑制制御が同時に行なわれることに
なり、ステップ309にて同時制御用の目標スリップ率
が設定される。
リップ率の設定には、車体横すべり角βと車体横すべり
角速度Dβが用いられる。また、アンダーステア抑制制
御における目標ステップ率の設定には、目標横加速度G
ytと実横加速度Gyaとの差が用いられる。この目標横加
速度GytはGyt=γ(θf)・Vsoに基づいて求められ
る。ここで、γ(θf)はγ(θf)=(θf/N・
L)・Vso/(1+Kh・Vso2 )として求められ、Kh
はスタビリティファクタ、Nはステアリングギヤレシ
オ、Lはホイールベースを表す。
ップ率は、旋回外側の前輪がStufoに設定され、旋回外
側の後輪がSturoに設定され、旋回内側の後輪がSturi
に設定される。ここで示したスリップ率(S)の符号に
ついては"t" は「目標」を表し、後述の「実測」を表
す"a" と対比される。"u" は「アンダーステア抑制制
御」を表し、 "f"は「前輪」を表し、 "r"は「後輪」を
表し、 "o"は「外側」を、"i"は「内側」を夫々表す。
ップ率は、旋回外側の前輪がStefoに設定され、旋回外
側の後輪がSteroに設定される。ここで、 "e"は「オー
バーステア抑制制御」を表す。
輪の目標スリップ率は、旋回外側の前輪がStefoに設定
され、旋回外側の後輪がSturoに設定され、旋回内側の
後輪がSturiに夫々設定される。即ち、オーバーステア
抑制制御とアンダーステア抑制制御が同時に行なわれる
ときには、旋回外側の前輪はオーバーステア抑制制御の
目標スリップ率と同様に設定され、後輪は何れもアンダ
ーステア抑制制御の目標スリップ率と同様に設定され
る。尚、何れの場合も旋回内側の前輪(即ち、後輪駆動
車における従動輪)は推定車体速度設定用のため非制御
とされている。
前輪の目標スリップ率Stefoは、Stefo=K1 ・β**+
K2 ・Dβ**として設定され、旋回外側後輪の目標スリ
ップ率SteroはStero=K3 ・β**+K4 ・Dβ**とし
て設定される。ここで、K1乃至K4 は定数で、旋回
外側の車輪に対する目標スリップ率Stefo及びStero
は、加圧方向(制動力を増大する方向)の制御を行なう
値に設定される。
標スリップ率は、目標横加速度Gytと実横加速度Gyaの
偏差ΔGy に基づいて以下のように設定される。即ち、
旋回外側の前輪に対する目標スリップ率StufoはK7 ・
ΔGy と設定され、定数K7は加圧方向(もしくは減圧
方向)の制御を行なう値に設定される。また、後輪に対
する目標スリップ率Sturo及びSturiは夫々K8 ・ΔG
y 及びK9 ・ΔGy に設定され、定数K8 ,K9 は何れ
も加圧方向の制御を行なう値に設定される。
基準直線演算処理の詳細を図7を用いて説明する。ステ
ップ401〜403により制御開始基準直線A1,A2 が
演算され、ステップ404〜406により制御終了基準
直線B1,B2 が演算され、ステップ407〜409によ
りプレ制御開始終了基準直線C1,C2 が演算される。以
下各基準直線の演算処理について説明する。
路面μに基づき制御開始感度係数kS が演算される。即
ち、図11に示す路面μと制御開始感度係数kS との関
数に基づき、制御開始感度係数kS が演算され、路面μ
が低くなる程それが小さくなる。尚、路面μがμ1 以下
であれば制御開始感度係数kS が下限値kS1とされ、路
面μがμ2 以上であればそれが上限値kS2とされる。
角βをX軸(横軸),車体横すべり角速度DβをY軸
(縦軸)としたオーバーステア抑制制御マップ(図13
参照)における開始切片XS,YS がXS =kS ・XSk
(XS は正), YS =kS ・YSk(YS は正)として夫
々演算される。ここで、XS0,YS0は、開始切片基準値
であり、夫々定数とされる。
直線A1,A2 の方程式がA1 :Dβ11=(−YS /XS
)β+YS ,A2 :Dβ12=(−YS /XS )β−YS
として演算される。つまり、開始基準直線A1 は、ス
テップ402で求めた開始切片XS,YS 〔即ち(XS,
0)と(0,YS )〕を通るものであり、開始基準直線
A2 は、開始切片−XS,−YS 〔即ち(−XS,0)と
(0,−YS )〕を通るものである。低μ(例えば0.
2G)の場合の開始基準直線A1,A2 を図13、高μ
(例えば0.8G)の場合の開始基準直線A1,A2 を図
14に示す。図13,14から明らかなように、低μの
開始基準直線巾は、高μのそれに比べて小さくなってい
る。これは低μ程制御開始が早まることを意味してい
る。
路面μに基づき制御終了ヒステリシス係数kH が演算さ
れる。即ち、図12に示す路面μと終了ヒステリシス係
数kH の関数に基づき、終了ヒステリシス係数kH が演
算され、路面μが高くなる程それが大きくなる。尚、路
面μがμ1 以下であれば終了ヒステリシス係数kH が下
限値kH1とされ、路面μがμ2 以上であればそれが上限
値kH2とされる。
バーステア抑制制御マップにおける終了切片YE がYE
=(1−kH )YS (YE は正)として演算される。続
いて、ステップ406にて制御終了基準直線B1,B2 の
方程式がB1 :Dβ21=(−YS /XS )β+YE ,B
2 :Dβ22=(−YS /XS )β−YE として演算され
る。つまり、終了基準直線B1 は、傾きがA1 と等し
く、切片がYE の直線であり、終了基準直線B2 は、傾
きがA2 と等しく、切片が−YE の直線である。低μ
(例えば0.2G)の場合の終了基準直線B1,B2 を図
13、高μ(例えば0.8G)の場合の終了基準直線B
1,B2 を図14に示す。図13,14から明らかなよう
に、高μの開始基準直線と終了基準直線との間の巾は、
低μのそれに比べて大きくなっている。これは高μ程制
御を緩やかに終了させることを意味している。
ーステア抑制制御マップにおけるプレ制御用開始終了切
片YP がYP =(1−kP )YS (YP は正)として演
算される。ここで、kP はプレ制御開始終了感度係数で
あり、定数とされる。尚、kP は路面μに応じて変化す
る変数としてもよい。続いて、ステップ408にてプレ
制御開始終了基準直線C1,C2 の方程式がC1 :Dβ31
=MAX〔(−YS /XS )β+YP ,Dβ0 〕,C2
:Dβ32=MIN〔(−YS /XS )β−YP,−Dβ
0 〕として演算される。ここで、Dβ0 は、定数とされ
る。このように、基準直線C1 は、図13,14に示す
ように、傾きがA1 と等しく且つ切片がYP の直線とX
軸に平行な直線Y=Dβ0 との大きい方となる。また、
基準直線C2 は、図13,14に示すように、傾きがA
2 と等しく且つ切片が−YP の直線とX軸に平行な直線
Y=−Dβ0 との小さい方となる。
C1,C2 を図13、高μ(例えば0.8G)の場合の基
準直線C1,C2 を図14に示す。図13,14から明ら
かなように、低μの基準直線巾は、高μのそれに比べて
小さくなっている。これは低μ程プレ制御の開始を早め
ることを意味している。また、−Dβ0 ≦Dβ≦Dβ0
の領域では、プレ制御を開始しない。これは、車体横す
べり角が緩やかに変化する場合にはプレ制御を行わない
ことを意味し、不要なプレ制御の開始が回避される。
バーステア抑制制御開始終了判定処理の詳細を図8を用
いて説明する。
制御中(以下本制御中という)か否かが判定される。本
制御中でなければ、ステップ502にて図4のステップ
108で演算された車体横すべり角βに対するステップ
107で演算された車体横すべり角速度Dβ(以下演算
車体横すべり角速度Dβという)が、開始基準直線A1
の方程式に前記演算車体横すべり角βを代入した値Dβ
11以上(Dβ≧Dβ11)か否かが判定される。つまり、
演算した車体横すべり角β,車体横すべり角速度Dβの
座標(β,Dβ)が開始基準直線A1 よりも上方の領域
か否かが判定される。Dβ≧Dβ11であれば、ステップ
503に進み、本制御開始要と判定される。
ば、ステップ504に進み、演算車体横すべり角速度D
βが開始基準直線A2 の方程式に前記演算車体横すべり
角βを代入した値Dβ12以下(Dβ≦Dβ12)か否かが
判定される。つまり、演算した座標(β,Dβ)が開始
基準直線A2 よりも下方の領域か否かが判定される。D
β≦Dβ12であれば、ステップ503に進み、本制御開
始要と判定され、Dβ≦Dβ12でなければ、後述するス
テップ507に進む。
れると、ステップ505にて演算車体横すべり角速度D
βが終了基準直線B2 の方程式に前記演算車体横すべり
角βを代入した値Dβ22以上で且つ演算車体横すべり角
速度Dβが終了基準直線B1の方程式に前記演算車体横
すべり角βを代入した値Dβ21以下(Dβ22≦Dβ≦D
β21)か否かが判定される。つまり、演算した座標
(β,Dβ)が終了基準直線B2 よりも上方の領域で且
つ終了基準直線B1 よりも下方の領域にあるか否かが判
定される。Dβ22≦Dβ≦Dβ21であれば、ステップ5
06に進み、本制御終了要と判定され、Dβ22≦Dβ≦
Dβ21でなければ、ステップ507に進む。以上示した
ように、本制御の開始終了要否の判定が行われる。
には、本制御はD−E間及びF−G間で行われ、図14
に示すように、高μの場合には、本制御はH−I間で行
われる。尚、制御開始基準直線から制御領域側に外れる
に従って制御量が大となるように各車輪の制動力が制御
される。
と判定されている(ステップ503を通過している)か
否かが判定され、本制御開始要と判定されてなければ、
ステップ508に進み、オーバーステア抑制プレ制御中
(以下プレ制御中という)か否かが判定される。プレ制
御中でなければ、ステップ509にて演算車体横すべり
角速度Dβがプレ制御開始基準直線C1 の方程式に前記
演算車体横すべり角βを代入した値Dβ31以上(Dβ≧
Dβ31)か否かが判定される。つまり、演算した車体横
すべり角β,車体横すべり角速度Dβの座標(β,D
β)がプレ制御開始基準直線C1 よりも上方の領域か否
かが判定される。Dβ≧Dβ31であれば、ステップ51
0に進み、プレ制御開始要と判定される。
ば、ステップ511に進み、演算車体横すべり角速度D
βがプレ制御開始基準直線C2 の方程式に前記演算車体
横すべり角βを代入した値Dβ32以下(Dβ≦Dβ32)
か否かが判定される。つまり、演算した座標(β,D
β)が開始基準直線C2 よりも下方の領域か否かが判定
される。Dβ≦Dβ32であれば、ステップ510に進
み、プレ制御開始要と判定され、Dβ≦Dβ32でなけれ
ば、図6のルーチンに戻る。
されると、ステップ512にてDβ32<Dβ<Dβ31か
否かが判定される。つまり、演算した座標(β,Dβ)
がプレ制御終了基準直線C2 よりも上方の領域で且つプ
レ制御終了基準直線C1 よりも下方の領域にあるか否か
が判定される。Dβ32<Dβ<Dβ31であれば、ステッ
プ513に進み、プレ制御終了要と判定され、Dβ32<
Dβ<Dβ31でなければ、図6のルーチンに戻る。尚、
ステップ507で本制御開始要と判定されていると、プ
レ制御開始終了判定が行われずに、図6のルーチンに戻
る。以上示したように、プレ制御の開始終了要否の判定
も行われる。
理の詳細を図9を用いて説明するが、ここでは各車輪に
ついてホイールシリンダ液圧のスリップ率サーボ制御が
行なわれる。
309にて設定された目標スリップ率St** がステップ
601にて読み出され、これらがそのまま各車輪の目標
スリップ率St** として読み出される。このフローチャ
ートでは記載を省略したが、更に、各種制御モードに応
じて、目標スリップ率St** に例えばアンチスキッド制
御モード用のスリップ率補正量ΔSs** が加算されて目
標スリップ率St** が更新される。同様に、目標スリッ
プ率St** に、前後制動力配分制御モード用のスリップ
率補正量ΔSb** が加算され、あるいはトラクション制
御モード用のスリップ率補正量ΔSr** が加算されて目
標スリップ率St** が更新される。そして、ステップ6
02において各車輪毎にスリップ率偏差ΔSt** が演算
されると共に、ステップ603にて車体加速度偏差ΔD
Vso**が演算される。
スリップ率St** と実スリップ率Sa** の差が演算され
スリップ率偏差ΔSt** が求められる(ΔSt** =St*
* −Sa** )。また、ステップ603においては基準車
輪(非制御対象の車輪)と制御対象の車輪における車体
加速度DVso**の差が演算され、車体加速度偏差ΔDV
so**が求められる。このときの各車輪の実スリップ率S
a** 及び車体加速度偏差ΔDVso**はアンチスキッド制
御、トラクション制御等の制御モードに応じて演算が異
なるが、これらについては説明を省略する。
偏差ΔSt** が所定値Ka と比較され、所定値Ka 以上
であればステップ606にてスリップ率偏差ΔSt** の
積分値が更新される。即ち、今回のスリップ率偏差ΔS
t** にゲインGI** を乗じた値が前回のスリップ率偏差
積分値IΔSt** に加算され、今回のスリップ率偏差積
分値IΔSt** が求められる。スリップ率偏差|ΔSt*
* |が所定値Kaを下回るときにはステップ605にて
スリップ率偏差積分値IΔSt** はクリア(0)され
る。次に、ステップ607乃至610において、スリッ
プ率偏差積分値IΔSt** が上限値Kb 以下で下限値K
c 以上の値に制限され、上限値Kb を超えるときはKb
に設定され、下限値Kc を下回るときはKc に設定され
た後、ステップ611に進む。
におけるブレーキ液圧制御に供する一つのパラメータY
**がGs** ・(ΔSt** +IΔSt** )として演算され
る。ここでGs** はゲインであり、車体横すべり角βに
応じて図17の実線で示すように設定される。また、ス
テップ612において、ブレーキ液圧制御に供する別の
パラメーラX**がGd** ・ΔDVso**として演算され
る。このときのゲインGd** は図17の破線で示すよう
に一定の値である。
に、上記パラメータX**,Y**に基づき、図16に示す
制御マップに従って液圧制御モードが設定される。図1
6においては予め急減圧領域、パルス減圧領域、保持領
域、パルス増圧領域及び急増圧領域の各領域が設定され
ており、ステップ613にてパラメータX**及びY**の
値に応じて、何れの領域に該当するかが判定される。
尚、非制御状態では液圧制御モードは設定されない(ソ
レノイドオフ)。
が、前回判定された領域に対し、増圧から減圧もしくは
減圧から増圧に切換わる場合には、ブレーキ液圧の立下
りもしくは立上りを円滑にする必要があるので、ステッ
プ614において増減圧補償処理が行なわれる。例えば
急減圧モードからパルス増圧モードに切換るときには、
急増圧制御が行なわれ、その時間は直前の急減圧モード
の持続時間に基づいて決定される。そして、ステップ6
15にて上記液圧制御モード及び増減圧補償処理に応じ
て、ブレーキ液圧制御装置PCを構成する各電磁弁のソ
レノイドが駆動され、各車輪の制動力が制御される。
バーステア抑制本制御における開始基準直線,終了基準
直線及びオーバーステア抑制プレ制御における開始終了
基準直線を路面μに応じて変えているが、アンダーステ
ア抑制本制御における開始基準直線,終了基準直線及び
アンダーステア抑制プレ制御における開始終了基準直線
を路面μに応じて変えることもできる。
制制御に用いる車両の運動状態量として、車体横すべり
角β及び車体横すべり角速度Dβを併用しているが、本
発明はこれに限定される必要はなく、車体横すべり角β
のみ又は車体横すべり角速度Dβを利用しても良い。
程小さくするように車両運動状態における制御開始領域
を設定するので、路面摩擦係数が低い場合に、制御開始
の応答性が向上するとともに、路面摩擦係数が高い場合
に、不必要に制御が開始されるのを低減できる。
制御開始閾値と制御終了閾値との間の差を大きく設定し
ているので、路面摩擦係数が高い程制御の終了を遅らせ
ることができ(緩やかに制御を終了させることがで
き)、結果、車両のヨーモーメントの急変を回避するこ
とができる。
角センサにより検出された車輪の操舵角が所定値以上の
場合には、路面摩擦係数を車両の横加速度よりも少し高
めに設定するので、車両の横加速度が限界状態まで到達
せずに増加している途中でも、過小に路面摩擦係数が推
定されることを回避でき、結果、不必要に制御が開始さ
れるのを極力回避できる。
小さくするように車両運動状態量におけるプレ制御開始
閾値を設定するので、路面摩擦係数が低い場合に、プレ
制御開始の応答性が向上するとともに、路面摩擦係数が
高い場合に、不必要にプレ制御が開始されるのを低減で
きる。
ック図である。
である。
図である。
体を示すフローチャートである。
ある。
チャートである。
ャートである。
処理を示すフローチャートである。
ートである。
チャートである。
数との関係を示すグラフである。
リシス係数との関係を示すグラフである。
抑制制御の制御基準直線を示すグラフである。
抑制制御の制御基準直線を示すグラフである。
領域を示すグラフである。
るパラメータと液圧制御モードとの関係を示すグラフで
ある。
ータ演算用のゲインとの関係を示すグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 車両の各車輪に対し少なくともブレーキ
ペダルの操作に応じて制動力を付与するブレーキ液圧制
御装置と、 旋回時における前記車両の運動状態量を推定する車両状
態量推定手段と、 前記車両状態量推定手段により推定された車両運動状態
量が制御開始閾値を越えた場合に、制御開始要と判定す
る開始判定手段と、 前記開始判定手段が制御開始要と判定した時に、前記車
両のヨーモーメントを安定側に修正するように前記ブレ
ーキ液圧制御装置を制御し、前記車両の各車輪に制動力
を付与する運動制御手段とを備えた車両の運動制御装置
において、 路面の摩擦係数を推定する路面摩擦係数推定手段と、 前記路面摩擦係数推定手段により推定された路面摩擦係
数が低い程小さくするように前記制御開始閾値を設定す
る開始閾値設定手段とを備えたことを特徴とする車両の
運動制御装置。 - 【請求項2】 請求項1において、 前記路面摩擦係数推定手段により推定された路面摩擦係
数が高い程制御開始閾値との間の差を大きくするように
車両運動状態量における制御終了閾値を設定する終了閾
値設定手段と、 前記運動制御手段による制御中に、前記車両状態量推定
手段により推定された車両運動状態量が前記終了閾値設
定手段により設定された制御終了閾値よりも下回った場
合に、制御終了要と判定する終了判定手段とを更に備
え、 前記運動制御手段は、前記終了判定手段が制御終了要と
判定した時に、前記ブレーキ液圧制御装置の制御を終了
することを特徴とする車両の運動制御装置。 - 【請求項3】 請求項1において、 車両の横加速度を検出する横加速度センサと、 車輪の操舵角を検出する操舵角センサとを更に備え、 前記路面摩擦係数推定手段は、制御開始前で且つ前記操
舵角センサにより検出された車輪の操舵角が所定値以上
の場合に、前記横加速度センサにより検出された車両の
横加速度に定数を乗算した値を路面摩擦係数とすること
を特徴とする車両の運動制御装置。 - 【請求項4】 請求項1において、 前記路面摩擦係数推定手段により推定された路面摩擦係
数が低い程小さくするように車両運動状態量におけるプ
レ制御開始閾値を設定するプレ制御開始閾値設定手段
と、 前記車両状態量推定手段により推定された車両運動状態
量が前記プレ制御開始閾値設定手段により設定されたプ
レ制御開始閾値を越えた場合に、プレ制御開始要と判定
するプレ制御開始判定手段と、 前記プレ制御開始判定手段がプレ制御開始要と判定した
時に、前記ブレーキ液圧制御装置のプレ制御を開始する
プレ運動制御手段とを更に備えたことを特徴とする車両
の運動制御装置。
Priority Applications (1)
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JP11490596A JP3412395B2 (ja) | 1996-05-09 | 1996-05-09 | 車両の運動制御装置 |
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ID=14649569
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- 1996-05-09 JP JP11490596A patent/JP3412395B2/ja not_active Expired - Fee Related
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