JP3223734B2 - ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

ブレーキ液圧制御装置

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JP3223734B2
JP3223734B2 JP32606494A JP32606494A JP3223734B2 JP 3223734 B2 JP3223734 B2 JP 3223734B2 JP 32606494 A JP32606494 A JP 32606494A JP 32606494 A JP32606494 A JP 32606494A JP 3223734 B2 JP3223734 B2 JP 3223734B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のブレーキ液圧制
御装置、特にアンチスキッド制御との組み合わせに係る
改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両のブレーキ液圧制御をするアンチス
キッドシステム(ABS)は、低μ路等での制動時の車
輪ロックを回避するのに効果を発揮するものであるが、
このようなシステムにおけるアクチュエータ及び制御と
して、1チャンネル当たり2個の電磁弁構成のアクチュ
エータによるもの(減圧、保持、増圧の各モードが弁開
閉の組み合わせでなされる、いわゆる3モードABS)
は、既知である。また、3位置弁を電磁弁として1チャ
ンネル当たり1個設けるものもある。ABSの装置構成
は、このように数々のものが提案されているが、アンチ
スキッド装置の普及に伴い、より廉価なシステムが望ま
れている。
【0003】このような状況から、従来の1チャンネル
当たり2個の2位置弁を持つタイプのアンチスキッド制
御装置(3位置弁の場合は1チャンネル当たり1個でよ
い)に対し、1チャンネル当たり1個の2位置弁を持つ
タイプも提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかして、アンチスキ
ッド制御装置では、制動時、アンチスキッド作動領域に
おいて、車輪のスリップに応じてブレーキ液圧の増減を
行って、上記の効果を発揮させることができるが、例え
ば、高横gでの限界旋回付近からの緩制動の場合のよう
に、制動による荷重移動の影響により、前後のグリップ
バランスが崩れ、車両が旋回内側に巻込むような挙動
(オーバーステア(OS)挙動)を示しても、後輪スリ
ップはなかなかアンチスキッド制御が作動するようなス
リップにならない場合には、アンチスキッド制御による
ブレーキ液圧制御のままでは、車両の安定性が確保しに
くくなり、このような旋回制動時にドライバーが操縦し
づらくなる場合がある。
【0005】一方、このような旋回緩制動時の車両安定
性をアンチスキッド制御により維持しようとすると、制
御を開始するスリップしきい値を浅くする必要がある
が、そうした場合には、他の走行条件、例えば直進制動
時など早効きしてしまうこととなる。
【0006】本発明は、上述のような点に鑑みてなされ
たもので、旋回制動時にドライバーが操縦しにくくなる
ような車両のヨーイング発生を抑制し、車両の安定性を
向上させることのできるブレーキ液圧制御を実現しよう
というものである。他の目的は、アンチスキッド制御の
実効性等を確保しつつ、上記をより廉価なシステムを用
いて実現することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によって、下記の
ブレーキ液圧制御装置が提供される。即ち、各車輪毎に
配設した電磁弁に駆動パルスを出力しホイールシリンダ
圧の減圧及び緩増圧制御を行う制御系を、少なくとも後
輪ブレーキ系統に有するアンチスキッド装置と、車両の
旋回状態を判断する旋回状態判断手段と、該旋回状態判
断手段の判断に応じて制動時に後輪の前記電磁弁へ駆動
パルスを出力し、後輪液圧を緩増圧する旋回制動安定性
維持手段とを備えることを特徴とするブレーキ液圧制御
装置である。
【0008】また、上記において、前記旋回状態判断手
段は、左右輪の車輪速差と車速より旋回状態を判断する
ことを特徴とするブレーキ液圧制御装置、及び前記旋回
制動安定性維持手段は、旋回状態判断手段により制動時
に車両が不安定になると判断される場合には、後輪のス
リップがアンチスキッド制御作動しきい値より浅く設定
された設定値より深くなったか否かに応じて、後輪の電
磁弁駆動パルスを出力し、後輪液圧を緩増圧することを
特徴とするブレーキ液圧制御装置である。
【0009】また、前記電磁弁は、2位置弁である、こ
とを特徴とするブレーキ液圧制御装置、及び前記電磁弁
が、アンチスキッド制御時、その開弁位置ではホイール
シリンダのブレーキ液を抜き、その閉弁位置では該ブレ
ーキ液の抜きを遮断するよう、供給されるパルス信号に
より駆動制御されるソレノイドバルブであるとともに、
マスターシリンダからホイールシリンダへ至る経路に
は、上流側と下流側との差圧により駆動されるバルブで
あって、絞りにより緩増圧を行うバルブを有する、こと
を特徴とするブレーキ液圧制御装置である。
【0010】また、アンチスキッド制御による増減圧指
令に対し、増圧時または減圧時の増圧量または減圧量の
推定とその後の減圧時または増圧時の減圧量または増圧
量の推定を行うことで、各周期ごとの液圧を推定しなが
ら電磁弁駆動パルスのデューティ比を演算する駆動パル
ス・デューティ比演算手段を備えることを特徴とするブ
レーキ液圧制御装置である。
【0011】
【作用】上述した構成により、旋回制動時に車両が不安
定になる前、かつ、後輪にアンチスキッド制御が作動す
る前に、適切に後輪を緩増圧モードとし得て、ドライバ
ーが操縦しにくくなるような車両のヨーイング発生を抑
制し、車両の安定性を向上させることが可能で、しか
も、そのようにして車両の安定性を維持することがより
廉価なシステム構成を用いて実現することを可能ならし
める。
【0012】また、旋回状態判断手段は、これを、左右
輪の車輪速差と車速より旋回状態を判断するものとし
て、本発明制御装置は実施でき、同様に上記のことを実
現することを可能ならしめる。この場合は、アンチスキ
ッド制御で使用する制御パラメータが利用可能で、旋回
状態判断のために別途格別のセンサを導入しないでも済
み、より効果的なものとすることが可能である。また、
旋回制動安定性維持手段は、旋回状態判断手段により制
動時に車両が不安定になると判断される場合には、後輪
のスリップがアンチスキッド制御作動しきい値より浅く
設定された設定値より深くなったか否かに応じて、後輪
の電磁弁駆動パルスを出力し、後輪液圧を緩増圧するも
のとして、本発明制御装置は実施でき、同様に上記のこ
とを実現することを可能ならしめる。この場合は、アン
チスキッド制御作動前の、制動初期のブレーキ液圧の上
昇中に、必要なタイミングで適切にかかる後輪緩制動を
行わせることを可能で、より効果的なものとなる。
【0013】また、電磁弁を2位置弁とする構成とし
て、本発明制御装置は実施でき、同様に上記のことを実
現することを可能ならしめる。また、電磁弁が、アンチ
スキッド制御時、その開弁位置ではホイールシリンダの
ブレーキ液を抜き、その閉弁位置では該ブレーキ液の抜
きを遮断するよう、供給されるパルス信号により駆動制
御されるソレノイドバルブであり、マスターシリンダか
ら該ホイールシリンダへ至る経路には、上流側と下流側
との差圧により駆動されるバルブであって、絞りにより
緩増圧を行うバルブを有する構成として、本発明制御装
置は実施でき、同様に上記のことを実現することを可能
ならしめる。
【0014】また、アンチスキッド制御による増減圧指
令に対し、増圧時または減圧時の増圧量または減圧量の
推定とその後の減圧時または増圧時の減圧量または増圧
量の推定を行うことで、各周期ごとの液圧を推定しなが
ら電磁弁駆動パルスのデューティを演算する駆動パルス
・デューティ演算手段を更に備える構成として、本発明
制御装置は実施でき、同様に上記のことを実現すること
を可能ならしめる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図1は、本発明の一実施例の構成を示す図である。
本実施例では、適用する車両は、前後輪とも左右のブレ
ーキ液圧(制動液圧)を独立に制御可能なもので、ここ
では4チャンネルアンチスキッドシステム(4chAB
S)のものとする。
【0016】図中、1はブレーキペダル、2はブレーキ
の倍力装置としてのブースタ、3はリザーバ、4はマス
ターシリンダ(M/C)をそれぞれ示し、また10,2
0は車両の左右前輪、30,40は左右後輪をそれぞれ
示す。各車輪10,20,30,40は、ホイールシリ
ンダ(W/C)11,21,31,41を備え、マスタ
ーシリンダ4とそれらホイールシリンダとの間には、ブ
レーキ液圧制御のためのアクチュエータが設けられる。
【0017】図示例では、各輪ごとのチャンネルにイン
レットバルブ12,22,32,42及びアウトレット
バルブ13,23,33,43を有し、また、リザーバ
8,9と、モータ5駆動のポンプ6,7とを要素として
含み、これらを図示のように配管、接続してABS油圧
回路を構成するアンチスキッド装置が備わっている。こ
れは、後述の緩増圧、減圧によるアンチスキッド制御の
用に供するものであるとともに、後輪ブレーキ系統に係
わる系は、旋回制動時の後輪液圧の緩増圧制御による、
後輪側のみの緩制動に用にも使用する。マスターシリン
ダ4からこれらホイールシリンダ11〜41へ至るブレ
ーキ液圧系において、前輪(フロント)ブレーキ系で
は、マスターシリンダ液路は、これをインレットバルブ
12,22個々に接続し、それらインレットバルブ1
2,22からは各ホイールシリンダ側の液路を経て前輪
10,20の各ホイールシリンダ11,21に至らしめ
る。後輪(リア)ブレーキ系も、同様に、マスターシリ
ンダ液路は、これをインレットバルブ32,42個々に
接続し、それらインレットバルブ32,42からは各ホ
イールシリンダ側の液路を経て後輪30,40の各ホイ
ールシリンダ31,41に至らしめる。
【0018】前輪の各ホイールシリンダ11,21に接
続の各ホイールシリンダ液路は、それぞれ途中から分岐
し、それら分岐液路をアウトレットバルブ13,23を
介して前輪用リサーバ8に接続するとともに、前輪用ポ
ンプ6を通して、上流側のマスターシリンダ液路へ接続
する。また、後輪の各ホイールシリンダ31,41に接
続のホイールシリンダ液路も同様、それぞれ途中から分
岐し、それら分岐液路をアウトレットバルブ33,43
を介して後輪用リサーバ9に接続するとともに、後輪用
ポンプ7を通して、上流側のマスターシリンダ液路へ接
続する。
【0019】各インレットバルブ12,22,32,4
2は、ここでは、上流側(マスターシリンダ側)と下流
側(各ホイールシリンダ側)の差圧により駆動されるイ
ンレットバルブであり絞りによる緩増圧をつくる。ま
た、アウトレットバルブ13,23,33,43のそれ
ぞれは、ここでは、ON・OFF制御の2位置電磁弁で
ある。かかるアウトレットバルブは、1チャンネル当た
り1個設けられるもので、常態(そのソレノイドへの非
通電状態)で図示の第1の位置にあってそのバルブ入出
力ポート間の接続、従って対応リザーバ8,9との接続
を断ち、その切り換え時、該入出力ポート間を接続する
第2の位置、従ってホイールシリンダを対応リザーバ
8,9へ接続させる位置をとる、2ポート2位置の電磁
弁である。これは、アンチスキッド制御時、対応ホイー
ルシリンダのブレーキ液をリザーバに導いてホイールシ
リンダ圧を減圧するのに用いられる。また、後輪側のア
ウトレットバルブ33,43は、旋回制御時の後輪液圧
の緩増圧制御の際の減圧のためのもの(減圧弁)として
も使用する。本実施例制御では、かかるインレットバル
ブ(メカ式)12,22,32,42をマスターシリン
ダ4とホイールシリンダ11,21,31,41間の経
路に介挿するとともに、上記アウトレットバルブ13,
23,33,43に対する駆動制御として後述のデュー
ティ制御を行うことにより、該当チャンネルにおいて、
それぞれ対応車輪のホイールシリンダ11,21,3
1,41につき、そのブレーキ液圧(制動液圧P)を個
々に制御することができる。
【0020】図示例の場合、インレットバルブ12,2
2,32,42は、上流側と下流側に差圧を生じない状
態では絞りを作用させない位置をとる。また、アウトレ
ットバルブ13,23,33,43はOFF時図示の閉
位置を維持する。かかる状態では、ブレーキぺダル1の
踏み込みにより各ホイールシリンダにマスターシリンダ
4からの液圧を供給される時、そのマスターシリンダ圧
はマスターシリンダ液路、各インレットバルブ、及びホ
イールシリンダ液路を通してそのまま伝わり、よって、
ブレーキ液圧を元圧であるマスターシリンダ液圧に向け
増圧でき、各車輪は個々に制動されて、通常のブレーキ
ングが行える。
【0021】このような制動時、前後輪左右の各チャン
ネルのアウトレットバルブ13,23,33,43は、
それを開閉するよう作動させると、その開弁位置では対
応リザーバ8,9への分岐液路を開通させ、対応ホイー
ルシリンダのブレーキ液は該リザーバへ導かれて抜かれ
る。また、その閉弁位置をとる期間は該リザーバとの連
通を断って上記のブレーキ液圧の抜きを遮断する。かく
して、こうしたアウトレットバルブの開閉駆動制御で、
ブレーキ液圧を対応リザーバへ逃がして低下させる減圧
状態となる。
【0022】減圧によってリザーバ8,9に溜まったブ
レーキ液は、モータ5によって駆動されるポンプ6,7
によってインレットバルブ12,22,32,42の上
流に戻される。そして、戻されたブレーキ液は、増圧の
用に供される。アウトレットバルブの13,23,3
3,43の作動による減圧によって対応ホイールシリン
ダ側液路の圧がマスターシリンダ側液路より低下する
と、インレットバルブ12,22,32,42はその上
流側と下流側に差圧が生じて作動し、これによりマスタ
ーシリンダ4と対応ホイールシリンダとの連通は絞り
(オリフィス)がついた連通に切り替わり、ホイールシ
リンダ圧は徐々に増圧されるものとなる。上記では、前
後輪ブレーキ系統を各チャンネルすべてを対象に説明し
たが、後輪ブレーキ系統のみ対象に作動させる場合も、
上述したところと同様である。
【0023】アンチスキッド装置の各アウトレットバル
ブ13,23,33,43、及びポンプ駆動用モータ5
は、コントローラ50の出力信号によって制御し、コン
トローラ50には、各輪10,20,30,40に配し
た車輪速検出用の車輪速センサ51,52,53,54
からの信号をそれぞれ入力する。また、コントローラ5
0には、本実施例では、ブレーキスイッチ(SW)55
の信号も入力される。
【0024】上記コントローラ50は、入力検出回路
と、演算処理回路と、該演算処理回路で実行されるアン
チスキッド制御等の制御プログラム、及び演算結果等を
格納する記憶回路と、アウトレットバルブ13,23,
33,43及びモータ5に制御信号を供給する出力回路
等とを含んでなる。
【0025】本実施例では、このように、差圧駆動のメ
カ式のバルブ機構である各チャンネルごとのインレット
バルブ12,22,32,42での絞りによる緩増圧効
果を利用し、また、1チャンネル当たり1個の電磁弁で
あるアウトレットバルブ13,23,33,43によっ
て制御対象車輪の液圧が制御されるアンチスキッド装置
であり、制動時、コントローラ50は、入力情報を基
に、車輪の制動ロックを防止すべく上記のアウトレット
バルブ13,23,33,43に対する駆動制御をもっ
てアンチスキッド制御を実行する。本例の如き4チャン
ネル4センサ方式のABS制御の場合、基本的には、前
後左右4輪の各チャンネルごとの車輪速情報を得、車輪
速より車体速度を推定し、車輪加速度を用いる場合にあ
っては更に各輪ごと車輪速より車輪加速度をも算出し、
かかる車輪速、車輪加速度、車体速度より目標の増減圧
量を求め、対応車輪のホイールシリンダ液圧を制御する
ことで、制動時の車輪ロックを回避する制御を行うこと
ができる。
【0026】更には、コントローラ50は、好ましく
は、上記のように、アクチュエータが電磁弁として1チ
ャンネル当たり1個の2位置弁のアウトレットバルブ1
3,23,33,43を使用する構成であり、緩増圧モ
ードと減圧モードのみを有して電磁弁をパルス信号に基
づき制御するABSであっても、減圧、及び増圧のみな
らずブレーキ液圧を所望の液圧に保持する保持モードも
達成できるABS制御としうるように、その演算処理回
路においてアウトレットバルブ13,23,33,43
に対する駆動パルスのデューティを演算する処理をも実
行し、それらの駆動制御を行うようにする。
【0027】更にまた、コントローラ50は、かかるA
BS制御系における後輪側に係る制御系の構成を有効に
活用し、旋回制動時の車両安定性も容易に達成しうるよ
う、旋回制動時に車両が不安定になる前、かつ、後輪に
アンチスキッド制御が作動する前に、後輪ブレーキ液圧
につき、後輪はこれを緩増圧モードとするべく、前後輪
側のうち後輪側のみ、そのアウトレットバルブ33,4
3を対象として駆動制御を行うようにする制御をも実行
する。
【0028】図2に示すものは、そのようなブレーキ液
圧制御のための図1に示した実施例システムでの機能の
概要の一例をブロックとして表したものである。図示の
如く、制御対象車輪ごと設けられる車輪速センサからの
出力より車輪速を演算する車輪速演算手段a、車輪速よ
り車体速を推定する車体速推定手段b、同じく車輪速よ
り車輪加速度を演算する車輪加速度演算手段c、車輪速
と車輪加速度と推定された車体速より増減圧量を演算す
る増減圧量演算手段d、及び駆動パルスを出力する駆動
パルス出力手段fを備えるとともに、駆動パルス・デュ
ーティ演算手段eを備えるアンチスキッド装置であっ
て、車両の旋回状態を判断する旋回状態判断手段sと、
旋回状態判断手段に応じて制動時に後輪の電磁弁駆動パ
ルスを出力し、後輪液圧を緩増圧する旋回制動安定性維
持手段tとを備えている。
【0029】駆動パルス・デューティ演算手段eは、好
ましくは、増減圧指令に対し、電磁弁駆動パルスのオフ
/オン(またはオン/オフ)に応じた増圧(または減
圧)時の増圧(または減圧)量の推定とその後の減圧
(または増圧)時の減圧(または増圧)量の推定を行う
ことで、各周期ごとの液圧を推定しながら電磁弁駆動パ
ルスのデューティを演算する演算手段である。
【0030】ここに、車輪速演算手段a、車体速推定手
段b、車輪加速度演算手段c、増減圧量演算手段dの部
分、及び駆動パルス出力手段fは、これらによって既知
の通常のアンチスキッド制御系を構成するが、ここで
は、そのアンチスキッド制御系に対し、更に上記駆動パ
ルス・デューティ演算手段eが具備せしめられた構成と
してある。本実施例は、更には、このような改良された
アンチスキッド制御装置に対し、上記旋回状態判断手段
s、及び旋回制動安定性維持手段tが具備せしめられた
構成となっており、かつ、1ch1電磁弁のアンチスキ
ッド・アクチュエータgが組み合わされる構成である。
駆動パルス・デューティ演算手段eは、増圧量推定部、
減圧量推定部を含む構成とされ、駆動パルス出力手段f
は、ABS作動時(ABSon)は、その駆動パルス・
デューティ演算手段eにより得られるデューティに従う
駆動パルスを該アンチスキッド・アクチュエータgへ出
力し、これにより対応車輪の制動液圧Pが制御される一
方、旋回制動時は、上記旋回状態判断手段s及び旋回制
動安定性維持手段tに基づき後輪側のみ緩制動となるよ
う後輪側電磁弁へ駆動パルスが出力され、後輪30,4
0の制動液圧P、従って後輪ホイールシリンダ圧が制御
される。
【0031】好ましくは、旋回状態判断手段sは、左右
輪の車輪速差と車速より旋回状態を判断する。好ましく
は、旋回制動安定性維持手段tは、旋回状態判断手段s
により制動時に車両が不安定になると判断される場合
は、後輪のスリップがアンチスキッド制御作動しきい値
より浅く設定された設定値より深くなったか否かに応じ
て、後輪の電磁弁駆動パルスを出力し、後輪制動液圧を
緩増圧するものとすることができる。
【0032】上記車輪速演算手段a、車体速推定手段
b、車輪加速度演算手段c、増減圧量演算手段dは、本
実施例においては、図1の車輪速センサ51〜54及び
コントローラ50の一部を含んで構成される。コントロ
ーラ50はまた、駆動パルス・デューティ演算手段e、
旋回状態判断手段s、旋回制動安定性維持手段t、及び
駆動パルス出力手段fを構成し、更にアンチスキッド・
アクチュエータgは、ソレノイドバルブとしてのアウト
レットバルブ13,23,33,34を含む、マスター
シリンダ4とホイールシリンダ11,21,31,41
の間の図1図示の油圧回路によって構成される。
【0033】図3乃至図6、図9は、コントローラ50
により実行される、上記のABS制御、及び旋回制動時
ので旋回制動安定性維持制御のための処理を含むブレー
キ液圧制御プログラムの一例のフローチャートである。
この処理は、図示せざるオペレーティングシステムで一
定時間毎の定時割り込みによって遂行される。また、図
7,8は、それぞれ減圧量推定、増圧量推定のため用い
るアクチュエータモデルの一例を示す特性図であり、そ
の特性データについては、コントローラ50の記憶回路
に予め格納しておくことができる。また、図10及び図
11は、本制御内容の説明に供する図である。
【0034】以下、これらの図も参照して説明するに、
図3及び図4のこのプログラム例では、制御プログラム
は、車輪速の読込み、車輪加速度の算出、疑似車体速の
算出、目標増減圧量演算、ソレノイドバルブ・駆動パル
ス・デューティ演算ルーチン、アンチスキッド制御が作
動(ABSon)か否かの判別、車両旋回状態判断ルー
チン、安定性維持制御するか否かの判別、後輪ソレノイ
ドバルブ・駆動パルス出力判断、旋回フラグOFF、及
び駆動パルス出力の各処理(ステップS100〜S11
0)からなる。
【0035】ここに、ステップS100からS104ま
でとステップS110は、本例制御に従う場合での、駆
動パルス・デューティ演算処理を含むABS制御に係わ
る基本的な部分であり、本プログラムは、これに更にス
テップS105〜S109の処理を組み込んである。本
実施例では、車輪速のF/BによるPD制御にてABS
制御するものとしている。
【0036】図3において、まず、ステップS100で
は、車輪速センサ51〜54からの信号に基づき、各車
輪速Vwi(i=1〜4(1;左前輪側、2;右前輪
側、3;左後輪側、4;右後輪側))を読み込む。次
に、ステップS101において車輪速Vwiより車輪加
速度Vwdを算出する。本実施例では、例えば30ms
ec間の速度差から求めることにする。
【0037】続くステップS102では、疑似車体速V
iを算出する。本実施例では、通常のABSで用いられ
る方法でViを算出することにする。即ち、ここでは、
各輪の車輪速Vwにフィルタをかけ、より車体速度に近
い値Vwfi(i=1〜4)を各輪で算出し、制動時/
非制動時などの条件により、各Vwfiから最も大きい
ものを選択するなどして最も車体速度に近いVwf(車
体速中間値と呼ぶ)を算出し、更にこのVwfをもとに
疑似車体速度Viを求めこととする。
【0038】次に、ステップS103にて、各輪ごと、
目標増減圧量ΔP* を算出する。本実施例では、アンチ
スキッド制御は、上述のように例えばPD制御とする。
簡単に説明すると、上記ステップS100〜S103で
得られた各輪の車輪速Vwと疑似車体速Viと車輪加速
度Vwdより、次式1に従って目標増減圧量ΔP* を算
出する。
【数1】 ΔP* =kp×(Vw* −Vw)+kd×(Vwd* −Vwd) ・・・1
【0039】ここに、kp,kdは、それぞれ制御ゲイ
ン(比例制御ゲイン,微分制御ゲイン)であり、走行状
態に応じて変更される。また、Vw* は、車輪速の目標
値であり、例えばVw* =Vi×α(αは目標スリップ
率)などで求める。また、Vwd* は、車輪加速度の目
標値であり、例えばVwd* =1.2g+β(βは路面
μ判断により変更される)などとして求める。
【0040】そして、上述の如くに目標増減圧量ΔP*
を演算したら、本プログラム例では、ここで、該算出値
ΔP* を用い(図5ステップS309参照)、次のステ
ップS104(図4)において、アウトレットバルブ1
3〜43として各チャンネルに設けられている電磁弁へ
の駆動パルス出力処理(ステップS110)のため、A
BS制御で適用するソレノイドバルブ駆動パルス・デュ
ーティを演算する。
【0041】上記ソレノイドバルブ駆動パルス・デュー
ティ演算ルーチンの一例を示したものが、図5,6であ
る。本実施例では、常に減圧後に増圧することで該当チ
ャンネルのW/C圧を制御する場合の駆動パルス・デュ
ーティを算出する。
【0042】図5において、まず、ステップS300に
てマスターシリンダ圧を推定する。本実施例では、ブレ
ーキSW55のon信号にて、或る傾きでM/C圧を立
ち上げ、例えば最大M/C圧を16MPaとし、最大M
/C圧まで上昇するものとする。ここで、更に精度を向
上させるために、ABS作動中は、その減速度などに応
じてM/C圧を修正するなどとしてもよい。次に、ステ
ップS301にてW/C圧(Pw/ci)の推定を行
う。本実施例では、後述する方法で算出された前回のパ
ルスデューティより、W/C圧を推定するものとする
(次のステップ以降参照)。
【0043】そして、ステップS302以降でソレノイ
ドバルブ駆動パルス・デューティを算出する。詳しく説
明すると、まず、ステップS302でパルス・デューテ
ィDTDの初期値を設定する。本プログラム例では、D
TD=0とする。なお、DTDは、パルス出力周期T、
例えばT=50msec中のアウトレットバルブを開け
ている時間を表し、例えば、DTD=10msecなど
として定義する。よって、この場合は、上記初期値のと
き、つまり、DTD=0の場合はフル増圧(T=50m
secの全期間、閉位置をとる)ということになる。ま
た、DTD≠0のとき、例えばDTD=10msecの
場合なら、これは、上記周期T=50msec中、10
msecの間はアウトレットバルブは開位置をとり、4
0msecの間は閉位置をとることを意味することにな
る。
【0044】次に、ステップS303では、値DTDが
0か否かを判断する。ここで、DTD=0の場合は、上
記のようにフル増圧なので、ステップS304に進み、
減圧量ゼロ、即ちΔPdec=0とする。しかして、ス
テップS306へ処理を進める。これに対し、DT≠0
の場合は、減圧も行うのでステップS305に進み、減
圧量の推定を行う。
【0045】この処理内容は、次のようである。即ち、
ステップS305では、例えば図7のようなアクチュエ
ータモデル(特性)により、現在のW/C圧とデューテ
ィDTDより減圧量ΔPdecを算出する。かかる値Δ
Pdecは、次のステップS306、及び後述のステッ
プS309での演算に適用されるものであるが、本例で
は、例えばDTD=5msecの時の特性を基本とし
て、そのアクチュエータモデル(特性)を持ち、現在の
W/C圧よりDTD=5msecの時の減圧量ΔPde
cを算出し、例えばDTD=10msecの時は、その
2倍とするなどしてモデルの簡略化を行っている。
【0046】次にステップS306では、W/C圧Pw
/ciとステップS305にて推定された減圧量ΔPd
ecとから減圧後のW/C圧Pw/ciM(推定中間値
と呼ぶ)を推定する。つまり、
【数2】 減圧後のW/C圧Pw/ciM=Pw/ci−ΔPdec ・・・2 より減圧後のW/C圧を算出する。
【0047】次に、ステップS307では、次式3よ
り、パルス出力周期TからデューティDTDを減算する
ことにより、増圧時間DTを算出する。
【数3】DT=T−DTD ・・・3
【0048】そして、ステップS308にて増圧量の推
定を行う。本実施例では、例えば図8のようなアクチュ
エータモデル(特性)により、ステップS306で推定
した推定中間値Pw/ciMと上記で求めた増圧時間D
Tより増圧量ΔPincを算出する。算出値ΔPinc
は、前記減圧量ΔPdecとともに、次のステップS3
09での演算に適用される。ここに、図8の如く、増圧
側も減圧側(ステップS305,図7)と同じく、例え
ば増圧時間DT=5msecの時の特性を基本として、
例えばDT=10msecの時は、その2倍とするなど
してモデルの簡略化を行っている。
【0049】しかして、上述のようにして推定減圧量と
推定増圧量を得たら、次のステップS309以降(図
6)では、現在のデューティDTDが適切かどうかを判
断する。まず、ステップS309では、前記ステップS
103(図3)で算出の目標増減圧量ΔP* と、上記ス
テップS305,S308でそれぞれ求めた推定増圧量
ΔPincと推定減圧量ΔPdecとのトータルの変化
量(つまりΔPinc−ΔPdec)との差であるΔP
nを、
【数4】 ΔPn=ΔP* −(ΔPinc−ΔPdec) ・・・4 により計算する。
【0050】次いでステップS310では、この差値Δ
Pnの正負を判断する。かかる判断の結果、ΔPn≧0
が成立しないとき、つまり、ΔPnが負の場合は、現在
のデューティでは目標の増減圧量まで増減圧されていな
い(増圧分が多い)ことになるため、ステップS311
に進み、更に、DTD<Tか否かをチェックする。その
結果、DTD<Tであったなら、つまり、減圧時間がパ
ルス出力周期Tに達しておらず、まだ減圧分を増やせる
状態ならば、ステップS312に進み、デューティをイ
ンクリメントして前記ステップS303(図5)の上流
に戻し、こうしてインクリメントした後の当該デューテ
ィを適用して、前述した処理に従い、もう一度推定し直
す。この場合、ステップS303→S305→S306
→S307→S308→S309という処理が繰り返え
され、その過程で、ステップS310、及び該当すると
きは更にステップS311の判別が行われることとな
る。
【0051】なお、ここで、ステップS312では、1
だけインクリメント(DTD=DTD+1)している
が、ステップS305で適用するアクチュエータモデル
(特性)の基本をDTD=5msec(図7)とした場
合には、当該インクリメント処理では5インクリメント
するようにする(この点については、後述のステップS
314でデクリメント処理の場合に関しても同様であ
る)。
【0052】こうして、DTD<TならばDTDのイン
クリメントをする。DTD=Tならば、これ以上DTD
は大きくできないので、DTD=T(フル減圧、即ちD
T=0)に決定される。このようにして本演算ルーチン
を終了し、図4のステップS105以降の処理へ進む場
合においてこの結果が適用されることとなるときは、ス
テップS110では、これに従い、周期T=50mse
cの全期間にわたりアウトレットバルブが開位置をとる
よう、その駆動パルス出力の態様で出力処理が実行され
ることになる。
【0053】ステップS309で前記差値ΔPnが演算
されてステップS310へと進む場合において、逆にΔ
Pnが正またはゼロの場合は、現在のデューティで十分
に目標の増減圧量が可能であると判断できるために、ス
テップS313以下へ処理を進めて本演算ルーチンを終
了するものである。
【0054】本プログラム例では、一つ前のΔPn−1
値(目標増減圧量ΔP* と上で求めた推定増圧量ΔPi
ncと推定減圧量ΔPdecとのトータル変化量との
差)と、現在のΔPn(今回値)を比較して、小さいほ
うを選択する。つまり、ステップS313で|ΔPn|
≧|ΔPn−1|の場合は、前回のデューティを選択す
るように、ステップS314にて値DTDをデクリメン
トする。このようにすると、アンチスキッド制御に必要
な目標量ΔP* (ステップS103)に対し、前記式4
による差値として、|ΔPn|≧|ΔPn−1|となる
ために一つ前のデューティを選択した方が、目標量ΔP
* に近い値に制御できるからである。よって、こうして
デューティDTDが設定されるときは、デクリメント処
理が行われることから、一つ前のデューティに相当する
パルスデューティDTDがステップS110(図4)の
処理に適用されると、結果、それに従った駆動パルスが
出力されてデューティ制御が実行されることとなり、ア
ンチスキッド制御において目標量ΔP* に合わせた液圧
制御が行われる。
【0055】逆に、|ΔPn|<|ΔPn−1|の場合
(これは、上記とは逆に、式4により演算される差値
は、今回演算値の方が小さくなることを意味する)は、
パルスデューティDTDとしては、一つ前の前回デュー
ティ相当にものに設定するよりも、今回のデューティで
デューティ制御した方が、目標量ΔP* に近い値に制御
できることから、今回デューティを選択するためにステ
ップS314のデクリメントは行わずに、本ルーチンを
終了し、ステップS105(図4)以降へ進み、旋回制
動安定性維持制御を行うか否かを判断するものである。
この場合も、上記のようにして、目標により近い値に制
御できるパルスデューティが設定され、これが駆動パル
ス出力処理(ステップS110)に適用されることとな
るときは、適切なアウトレットバルブデューティ制御が
実行されることとなり、アンチスキッド制御において目
標量ΔP* に合わせた液圧制御を行うことができる。
【0056】図4に戻り、ステップS104の処理後
は、まず、ステップS105にてABSが作動中か否か
を判断する。ここでは、その判断に関し、例えば上記に
示したABS制御ルーチンを通して、車輪ロックがない
場合(ΔP* が負でない場合)が一定期間続いている場
合は、ABSが作動していないとする手法を採用するも
のとする。しかして、上記ステップS105の判断の結
果、ABSが作動中と判断した場合には、ステップS1
09に進み、旋回フラグをOFFして、これにより旋回
制動安定性維持制御が非作動中であることを示す。その
後、ステップS110の出力処理に進む。
【0057】こうして、ABSonでアンチスキッド作
動領域の場面では、ステップS106〜S108の処理
はスキップされ、駆動パルス出力処理が実行され、前述
のステップS104の駆動パルスデューティ演算ルーチ
ンで得られているパルスデューティをもって、前後輪左
右の各該当チャンネルのアウトレットバルブの駆動で対
応前後輪左右のブレーキ液圧が制御される。
【0058】このようなABS制御によれば、車輪ロッ
ク回避のブレーキ液圧制御を実現する場合において装置
構成及び制御の改善を図ることができる。本ABS制御
は、基本的には、緩増圧モードと減圧モードの2モード
でありながら、常に液圧を推定しながら任意の液圧に制
御可能で、よって、液圧保持に際しても、ハード的に保
持するためのスイッチ手段を付加しないでも、それ故サ
イズアップ/コストアップ等をも招かずに、かつまた電
磁弁であるアウトレットバルブは1チャンネル当たり1
個でも足りて、任意の液圧での保持も可能な保持モード
も達成することができる。従って、荷重移動に伴うロッ
ク液圧の緩やかな変動等に対しても、液圧を緩やかに変
化させることや保持することが要求されても、これに容
易に応え得て、実質的に、1チャンネル当たり1個の電
磁弁に対する上記駆動パルスのデューティ制御をもっ
て、保持モードも含むいわゆる3モードABS制御も可
能となり、効果的なABS制御が実現される。
【0059】具体的には、本プログラム例によるとき
は、図5,6に示したように、絞りによる緩増圧効果を
利用した1チャンネル当たり1電磁弁により制御される
アンチスキッド制御系において、アンチスキッド制御に
よる増減圧指令である目標増減圧量ΔP* に対し、アウ
トレットバルブ駆動パルスのオン/オフに応じた減圧時
の減圧量ΔPdecの推定とその後の増圧時の増圧量Δ
Pincの推定を行うことで、各周期Tごとの液圧を推
定しながら駆動パルスデューティを演算する処理を行う
ことができ、常に液圧を推定しながら任意の液圧に制御
可能となるため、例えば図10のように任意の液圧での
保持が可能となり、滑らかなABS制御が行える。図
中、Isolは、アウトレットバルブ駆動パルスを示
す。また、新たなハードの追加等もなく、これを実現す
ることができる。つまり、サイズアップ/コストアップ
なく、保持モードが達成できる。従ってまた、所望の液
圧に保持されずに目標とする液圧よりも低圧あるいは高
圧側になるなどといった問題が生じたり、ハードとして
新たにスイッチ手段を付け加える場合、その新たに付け
加える部分のフェールセーフについても問題となるなど
するのに対し、本ABS制御の場合、そのようなスイッ
チ手段の付加に起因するフェールセーフ対策を施す必要
がない分でも、有利である。
【0060】また、パルス出力周期T等の調整によって
は、よりリニアな液圧制御が行え、1チャンネル当たり
1電磁弁という安価なアンチスキッドシステムにおいて
より高度な制御が可能ともなる。
【0061】一方、図4のステップS105において、
ABSが非作動中と判断した場合には、ステップS10
6に進み、旋回状態を判断するルーチンに進む。図9
は、かかる旋回状態判断ルーチンの一例を示すフローチ
ャートである。同図において、まず、ステップS401
にて、左右輪の車輪速の差を求める。本実施例では、非
駆動輪である前左右輪を対象とし、ΔVw=|Vw1−
Vw2|としてその差ΔVw値を求め、その後、弱いフ
ィルタを通すようにする。
【0062】次に、ステップS402において、旋回横
gの領域を判断する。本実施例では、ステップS401
で求めた値ΔVw、及び前記ステップS102で得られ
ている疑似車体速値Viを用い、図9中に示すような左
右の車輪の回転差(縦軸)と車速(横軸)の関係より横
gの大きい旋回状態であることを判断する。ここでは、
非制動時には非駆動輪の回転差と車速によりほぼ旋回半
径(R)が求められることを利用するもので、横gセン
サ等は用いないで行えるものである。
【0063】そして、ステップS403に進み、旋回制
動安定性維持制御を行う状態にあるか否かの判断を行
う。本実施例では、上記ステップS402にて高横g旋
回と判断され、かつ、車速が(Vi)或る設定値Voよ
り大きい高車速の場合には、旋回制動安定性維持制御を
行う状態にあるものとしてステップS404に進み、旋
回フラグをONする。逆に、高横g旋回でないか、また
は、低速(設定値Vo未満の車速)の場合には、旋回制
動安定性維持制御を行う必要がないものとしてステップ
S405に進み、旋回フラグをOFFする。
【0064】図4に再び戻り、ステップS106の後の
ステップS107では、その旋回状態判断ルーチンの結
果に従い、制動時の後輪30,40側のみ緩制動状態と
することで安定性維持制御をするようにするかしないか
について、チェックする。具体的には、前述の旋回フラ
グのON,OFFの状態を監視し、旋回制動安定性維持
制御を行わない時(旋回フラグOFF)には、ステップ
S107からは直接にステップS110に進む一方、旋
回制動安定性維持制御を行う状態にある時(旋回フラグ
ON)は、ステップS108による後輪ソレノイドバル
ブ駆動パルス出力判断処理を経てステップS110の駆
動パルス出力へ処理を進める。ここに、ABS非作動
で、非高横g旋回あるいはVi<Voなら、かかるステ
ップS108の処理はスキップされるため、かかる領域
では、本ステップに基づく後輪側アウトレットバルブ駆
動パルスの出力は行われない。
【0065】上記ステップS107でステップS108
側が選択されるときは、前述した車輪速差と車速に基づ
く車両旋回状態判断で、旋回制動安定性維持制御を行う
必要があると判断された場合であり、このときは、本ス
テップS108では、後輪30,40のソレノイドバル
ブ駆動パルス出力判断を行う。本実施例では、これを例
えば次のようにして行う。即ち、まず、前述のステップ
S103でのΔP* 値算出処理で示したABS制御での
手法の場合と同様に、下式に従い、PD制御により後輪
のΔP* sを求める。
【0066】
【数5】 ΔP* s=kp×(Vw* s−Vw)+kd×(Vwd* s−Vwd) ・・・5 ここで、このときの値ΔP* sの計算では、勿論、前述
のABS制御と同じ目標値ではなく、例えば、車輪速の
目標値であるVw* sは、Vw* s=Vi* ×αs( α
s≧α) などとし、車輪加速度の目標値であるVwd*
sは、Vwd*=1.2g+βs(βs≦β)などとし
て、ΔP* s値を求める。そして、上式5で得られる値
ΔP* sの正負をチェックし、ΔP* s値が負になった
場合に、減圧弁、即ち後輪アウトレットバルブ33,3
4へ駆動パルスを出力するものと判断する。
【0067】しかして、ステップS108の処理、ステ
ップS110に進み、上記後輪ソレノイドバルブ駆動パ
ルス出力判断に基づき該当するときは当該アウトレット
バルブ33,34に対し駆動パルスを出力し、ステップ
S100〜S110の制御を終了するものである。ここ
に、図1に示したアクチュエータは、一度、減圧弁(ア
ウトレットバルブ)が作動して増圧弁(インレントバル
ブ)の上下流に差圧が発生すると、その後は緩増圧を行
うので、この時、上記後輪アウトレットバルブ33,3
4に対し供給すべく発生させるパルスは、その差圧を発
生させうる最短のパルスでよい(例えば、図10での緩
増圧部分参照)。この点でも、制御内容は、簡便なもの
となる。
【0068】以上のようにして、本実施例によれば、絞
りによる緩増圧効果を利用した1チャンネル当たり1電
磁弁により制御されるアンチスキッド装置と組み合わさ
れた適切な後輪緩制動制御が実現でき、上記ステップS
105→S106→S107→S108→S110のル
ープで本プログラムが実行されていくときは、車両の旋
回状態が判断され、その旋回状態判断に応じて制動時に
後輪30,40のアウトレットバルブ駆動パルスを出力
し、後輪ホイールシリンダ圧を緩増圧する制御を行え、
旋回制動時に車両が不安定になる前、かつ、後輪30,
40にABS制御が作動する前に、後輪側を緩増圧モー
ドとすることにより、車両の安定性を維持することがで
きるとともに、これをより廉価なシステムを用いて達成
することができる。
【0069】図11は、本プログラム例に従い上記のル
ープで後輪液圧制御を実行した場合における、旋回制動
時ので車両の発生ヨーレイト、M/C圧、後輪W/C圧
の変化、推移の一例を示すものであり、また、図12は
これと対比して示すための比較例での同様のタイミング
チャートである。図12をみるに、従来制御によると、
比較例のように、旋回制御時(時刻t1以降)には、A
BS制御が作動(時刻t10)する前に、発生ヨーレイ
トが実線図示のような変化(OS化)を示すものとなれ
ば、車両が安定しづらい挙動のものになってしまう場合
があるが、本実施例制御による場合は、これに対し、同
様の旋回制動場面でも、図11に示すように、旋回制動
初期に(時刻t1後、間もない時刻t2)後輪にわずか
にスリップが発生した時に、後輪の液圧が緩増圧になる
ことにより、後輪の横力を確保して図示の点線から実線
状態の如くに車両のヨーイング発生を抑え、安定性を向
上させ、たとえ高横gでの限界旋回付近からの緩制動の
ような場面でも、安定性を維持することができる。
【0070】つまり、制動した場合に車両が不安定にな
るような旋回状態の場合には、制動するとABSの作動
前に後輪側のみ緩制動モードとすることで、ブレーキ液
圧の上昇中は前後制動力配分を見かけ上、後輪配分を小
さくしたのと同じになり、車両の安定性が向上する。
【0071】また、次のような面からみても、それらと
の両立を図ることができる等、有利である。即ち、旋回
緩制動時の車両安定性をアンチスキッド制御により維持
しようとすると、制御を開始するスリップしきい値を浅
くする必要があり、その場合は他の走行条件、例えば直
進制動時など早効きしてしまう等の状況が生ずるが、本
実施例によれば、このようなことも解消しつつ、上述の
旋回制動安定性維持制御が実現できる。
【0072】また、もし、前後制動力配分を後輪配分を
小さくしたまま固定すると、旋回制動時の安定性は向上
するものの、直進制動で減速度が小さくなったり、前輪
ブレーキの負担が増し、耐久性からみて好ましくない状
態となることとなるところ、本実施例制御の場合には、
図11にみられるように、制動初期のブレーキ液圧の上
昇中に限られるものであるため、そのようなことも生じ
させないでよい。
【0073】また、限界旋回走行からの制動の面では、
急制動した場合には、緩制動した場合のようなOS傾向
(オーバーステア傾向)ではなく、車両は、逆のアンダ
ーステア(US)傾向を示す(図12)。ここで、この
場合、後輪配分が小さいとそのUS傾向が更に強くなる
方向であるため、本発明に従う制御によったとすると、
一見、挙動がそのUS化する傾向になるやに考えられる
かもしれないが、しかし、この制動場面は、急制動なの
であり、急制動の場合には、通常設定されるべきABS
制御作動しきい値に基づきすぐにABSの作動領域にな
ることから、本発明に従う後輪側液圧制御(例えば図1
1のタイミングチャート上での時刻t2以後の後輪緩制
御)は、ほとんど作その作動時間がないものといえ、従
って、そのような影響もほとんどないということができ
るものである。
【0074】かつまた、急制動の場合ならば、それだけ
マスタシリンダ圧(M/C圧)も大きくなる。このた
め、本発明に従う制御により、上記の後輪緩増圧モード
に入ることとなった場合にでも、実際の増圧速度は、緩
制動時より大きくなる(オリフィスにより緩増圧する場
合は、上流側の圧(マスタシリンダ圧)と下流側の圧
(ホイルシリンダ圧)の差圧が大きいほど、増圧速度も
大きくなる)ため、本発明に従う制御の方の制御効果は
小さく(事実上、制御効果は薄められ)、よって、この
点からも、上述のUS化傾向に与える影響も小さて済む
ものになるといえる。つまり、急制動時でも旋回制動安
定性維持制御が確保される。従って、以上のような点で
も、両立が図られるものである。
【0075】また、従来から、ABS制御でのABS作
動中の緩増圧を急増圧、保持の繰り返しによるものとす
るアクチュエータは既知であるが、本発明に従う装置で
は、上述の後輪液圧制御の場合も含めて、そのような急
増圧、保持の繰り返しによる緩増圧ではなく、従来のA
BSアクチュエータ作動中のような音振が大きいといっ
た問題もない。前述もしたとおり、旋回制動初期におい
て、後輪アウトレットバルブ33,34を一度減圧弁と
して作動させる場合でも、本実施例では、そのため発生
させるパルスは一発の最短の駆動パルスでよいのであり
(図10)、それで既述の如くの差圧が発生すれば、イ
ンレットバルブ32,42により必要な緩増圧は実現で
き、従って、音振的にも有利なものとなる利点がある。
【0076】また、本実施例では、旋回判断を前述の左
右輪の車輪速差ΔVwより判断したが、横gセンサやヨ
ーレイトセンサを用いる構成としてもよい。もっとも、
前者の実施例の場合は、そのようなセンサを用いること
によるコストアップなく実施できる点でより有利なもの
であるが、これに限らず、そのようなセンサを使用する
方式として実施してもよいことはいうまでもない。
【0077】また、旋回制動安定性維持制御を行うと判
断する基準に段階を設けて、それに応じて後輪30,4
0の緩増圧に切り替えるタイミングを変更するようにし
て、よりきめ細かい制御としてもよい。更にまた、旋回
制動安定性維持制御を行うと判断した場合には、後輪ス
リップの状態に関わらず、ブレーキスイッチ55がオン
した時点((ブレーキペダル1が踏まれた時点)もしく
は、その直後のタイマ計時による一定時間後))に必要
な減圧用のパルスを発生し緩増圧に切り替えるようにし
てもよい。本発明は、このようにして、実施することも
できる。
【0078】なお、本発明は、以上の実施例等に限定さ
れるものではない。例えば、上記では4チャンネルAB
Sを例としたが、そのほか3チャンネルABS等でも同
様に本発明は適用できることは勿論である。また、例え
ば、インレットバルブとアウトレットバルブによるAB
Sアクチュエータの好適例を図1に示したが、それは、
図示のものに限られるものではない。また、図5,6の
場合の演算では、電磁弁駆動パルスのオン/オフに応じ
た減圧時の減圧量の推定とその後の増圧時の増圧量の推
定を行うものであったが、例えば電磁弁駆動パルスのオ
フ/オンに応じた増圧時の増圧量の推定とその後の減圧
時の減圧量の推定を行う態様でもよい。
【0079】以上の実施例等に述べられた内容は、以下
のような発明として捉えることもできる。 〔1〕 絞りによる緩増圧効果を利用した1チャンネル
当たり1電磁弁により制御されるアンチスキッド装置に
おいて、車両の旋回状態を判断する旋回状態判断手段
と、旋回状態判断手段に応じて制動時に後輪の電磁弁駆
動パルス出力し、後輪液圧を緩増圧する旋回制動安定性
維持手段とを備えたことを特徴とするアンチスキッド制
御装置。 〔2〕 前記旋回状態判断手段は、左右輪の車輪速差と
車速より旋回状態を判断することとした上記〔1〕記載
のアンチスキッド制御装置。 〔3〕 前記旋回制動安定性維持手段は、旋回状態判断
手段により制動時に車両が不安定になると判断された場
合には、後輪のスリップがアンチスキッド制御作動しき
い値より浅く設定された設定値より深くなったか否かに
応じて、後輪の電磁弁駆動パルスを出力し、後輪液圧を
緩増圧するものとした上記〔1〕、または〔2〕記載の
アンチスキッド制御装置。
【0080】
【発明の効果】本発明によれば、絞りによる緩増圧効果
を利用し1チャンネル当たり1電磁弁という安価なアン
チスキッドシステムとの組み合せになる、改良されたブ
レーキ液圧制御が実現でき、旋回制動時に車両が不安定
になる前、かつ、後輪にアンチスキッド制御が作動する
前に、適切に後輪を緩増圧モードとし得て、ドライバー
が操縦しにくくなるような車両のヨーイング発生を抑制
し、車両の安定性を向上させることが可能で、しかも、
そのようにして車両の安定性を維持することがより廉価
なシステム構成を用いて実現することのできるブレーキ
液圧制御装置を提供できる。
【0081】また、旋回状態判断手段は、これを、左右
輪の車輪速差と車速より旋回状態を判断するものとし
て、本発明は実施でき、同様に上記を実現することがで
きる。この場合は、アンチスキッド制御で使用する制御
パラメータが利用可能で、旋回状態判断のために別途格
別のセンサを導入しないでも済み、より効果的なものと
することが可能である。また、旋回制動安定性維持手段
は、旋回状態判断手段により制動時に車両が不安定にな
ると判断される場合には、後輪のスリップがアンチスキ
ッド制御作動しきい値より浅く設定された設定値より深
くなったか否かに応じて、後輪の電磁弁駆動パルスを出
力し、後輪液圧を緩増圧するものとして、本発明は実施
でき、同様に上記を実現することができる。この場合
は、アンチスキッド制御作動前の、制動初期のブレーキ
液圧の上昇中に、必要なタイミングで適切にかかる後輪
緩制動を行わせることを可能で、より効果的なものとな
る。
【0082】また、電磁弁を2位置弁とする構成とし
て、本発明は実施でき、同様に上記を実現することがで
きる。また、電磁弁が、アンチスキッド制御時、その開
弁位置ではホイールシリンダのブレーキ液を抜き、その
閉弁位置では該ブレーキ液の抜きを遮断するよう、供給
されるパルス信号により駆動制御されるソレノイドバル
ブであり、マスターシリンダからホイールシリンダへ至
る経路には、上流側と下流側との差圧により駆動される
バルブであって、絞りにより緩増圧を行うバルブを有す
る構成として、本発明は実施でき、同様に上記を実現す
ることができる。
【0083】また、アンチスキッド制御による増減圧指
令に対し、増圧時または減圧時の増圧量または減圧量の
推定とその後の減圧時または増圧時の減圧量または増圧
量の推定を行うことで、各周期ごとの液圧を推定しなが
ら電磁弁駆動パルスのデューティを演算する駆動パルス
・デューティ演算手段を更に備える構成として、本発明
は実施でき、同様に上記を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るブレーキ液圧制御装置
の構成を示すシステム図である。
【図2】同例での制御内容の基本構成の一例を表す機能
ブロック図である。
【図3】同例のコントローラにより実行される制御プロ
グラムの一例で、その一部を示すフローチャートであ
る。
【図4】同じく、他の一部を示すフローチャートであ
る。
【図5】 同プログラムにおけるソレノイド・バルブ駆
動パルス・デューティ演算ルーチンの一例にして、その
一部を示すフローチャートである。
【図6】同じく、他の一部を示すフローチャートであ
る。
【図7】同ルーチンに適用できる、減圧量推定のため用
いるアクチュエータモデルの一例を示す図である。
【図8】同じく、同ルーチンに適用できる、増圧量推定
のため用いるアクチュエータモデルの一例を示す図であ
る。
【図9】旋回状態判断ルーチンの一例を示すフローチャ
ートである。
【図10】制御内容の説明に供する図で、ABS制御で
の液圧保持の可能なホイールシリンダ圧制御の様子を例
示するタイミングチャートである。
【図11】同じく、旋回制動安定性維持制御の様子を示
す、諸量のタイミングチャートである。
【図12】図11と対比して示す、比較例での旋回制動
におけるタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 ブレーキペダル 2 ブースタ 3 リザーバ 4 マスターシリンダ 5 モータ 6,7 ポンプ 8,9 リザーバ 10,20 左右前輪 11,21,31,41 ホイールシリンダ 12,22,32,42 インレットバルブ(メカ式) 13,23,33,43 アウトレットバルブ(電磁
弁) 30,40 左右後輪 50 コントローラ 51,52,53,54 車輪速センサ 55 ブレーキスイッチ(SW)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−178464(JP,A) 特開 平3−279063(JP,A) 特開 平2−306862(JP,A) 特開 平5−246317(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 8/58 ZYW

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各車輪毎に配設した電磁弁に駆動パルス
    を出力しホイールシリンダ圧の減圧及び緩増圧制御を行
    う制御系を、少なくとも後輪ブレーキ系統に有するアン
    チスキッド装置と、 車両の旋回状態を判断する旋回状態判断手段と、 該旋回状態判断手段の判断に応じて制動時に後輪の前記
    電磁弁へ駆動パルスを出力し、後輪液圧を緩増圧する旋
    回制動安定性維持手段とを備えることを特徴とするブレ
    ーキ液圧制御装置。
  2. 【請求項2】 前記旋回状態判断手段は、左右輪の車輪
    速差と車速より旋回状態を判断することを特徴とする請
    求項1記載のブレーキ液圧制御装置。
  3. 【請求項3】 前記旋回制動安定性維持手段は、旋回状
    態判断手段により制動時に車両が不安定になると判断さ
    れる場合には、後輪のスリップがアンチスキッド制御作
    動しきい値より浅く設定された設定値より深くなったか
    否かに応じて、後輪の電磁弁駆動パルスを出力し、後輪
    液圧を緩増圧することを特徴とする請求項1、または請
    求項2記載のブレーキ液圧制御装置。
  4. 【請求項4】 前記電磁弁は、2位置弁である、 ことを特徴とする請求項1、請求項2、または請求項3
    記載のブレーキ液圧制御装置。
  5. 【請求項5】 前記電磁弁が、アンチスキッド制御時、
    その開弁位置ではホイールシリンダのブレーキ液を抜
    き、その閉弁位置では該ブレーキ液の抜きを遮断するよ
    う、供給されるパルス信号により駆動制御されるソレノ
    イドバルブであるとともに、 マスターシリンダからホイールシリンダへ至る経路に
    は、上流側と下流側との差圧により駆動されるバルブで
    あって、絞りにより緩増圧を行うバルブを有する、 ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、また
    は請求項4記載のブレーキ液圧制御装置。
  6. 【請求項6】 アンチスキッド制御による増減圧指令に
    対し、増圧時または減圧時の増圧量または減圧量の推定
    とその後の減圧時または増圧時の減圧量または増圧量の
    推定を行うことで、各周期ごとの液圧を推定しながら電
    磁弁駆動パルスのデューティを演算する駆動パルス・デ
    ューティ演算手段を備えることを特徴とする請求項1、
    請求項2、請求項3、請求項4、または請求項5記載の
    ブレーキ液圧制御装置。
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