JP2002173012A - 車輌の挙動制御装置 - Google Patents
車輌の挙動制御装置Info
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- JP2002173012A JP2002173012A JP2000370164A JP2000370164A JP2002173012A JP 2002173012 A JP2002173012 A JP 2002173012A JP 2000370164 A JP2000370164 A JP 2000370164A JP 2000370164 A JP2000370164 A JP 2000370164A JP 2002173012 A JP2002173012 A JP 2002173012A
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- target yaw
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- Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
- Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
- Regulating Braking Force (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 車輌がグリップ状態にある場合及び非グリッ
プ状態にある場合の何れについても車輌の挙動を適切に
制御する。 【解決手段】 車輌の横加速度Gy、車速V、単位当り
の横加速度により発生する後輪のスリップ角の比Grに
基づき車輌の目標ヨーレートγtが演算され(S2
0)、車輌の目標ヨーレートγtと実ヨーレートγとの
偏差Δγが演算され(S30)、ヨーレート偏差Δγの
大きさが基準値γoを越えている旨の判別が行われたと
きには(S40)、ヨーレート偏差Δγを低減して車輌
の挙動を安定化させるための目標ヨーモーメントMt及
び目標減速度Gxtが演算され(S50、60)、目標ヨ
ーモーメントMt及び車輌の目標減速度Gxtが達成され
るよう各車輪の制動力が制御され、これによりヨーレー
ト偏差が低減されるよう車輌にヨーモーメントが付与さ
れる(S70)。
プ状態にある場合の何れについても車輌の挙動を適切に
制御する。 【解決手段】 車輌の横加速度Gy、車速V、単位当り
の横加速度により発生する後輪のスリップ角の比Grに
基づき車輌の目標ヨーレートγtが演算され(S2
0)、車輌の目標ヨーレートγtと実ヨーレートγとの
偏差Δγが演算され(S30)、ヨーレート偏差Δγの
大きさが基準値γoを越えている旨の判別が行われたと
きには(S40)、ヨーレート偏差Δγを低減して車輌
の挙動を安定化させるための目標ヨーモーメントMt及
び目標減速度Gxtが演算され(S50、60)、目標ヨ
ーモーメントMt及び車輌の目標減速度Gxtが達成され
るよう各車輪の制動力が制御され、これによりヨーレー
ト偏差が低減されるよう車輌にヨーモーメントが付与さ
れる(S70)。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車輌の
挙動制御装置に係り、更に詳細には車輌の実ヨーレート
が目標ヨーレートになるよう車輌のヨーモーメントを制
御する挙動制御装置に係る。
挙動制御装置に係り、更に詳細には車輌の実ヨーレート
が目標ヨーレートになるよう車輌のヨーモーメントを制
御する挙動制御装置に係る。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車輌の挙動制御装置の一つと
して、例えば特開2000−71961号公報に記載さ
れている如く、種々の車輌データに基づき演算される車
輌の目標ヨーレートと車輌の実ヨーレートとの偏差を演
算し、該偏差が小さくなるよう各車輪の制駆動力を制御
するよう構成された車輌の挙動制御装置が従来より知ら
れている。
して、例えば特開2000−71961号公報に記載さ
れている如く、種々の車輌データに基づき演算される車
輌の目標ヨーレートと車輌の実ヨーレートとの偏差を演
算し、該偏差が小さくなるよう各車輪の制駆動力を制御
するよう構成された車輌の挙動制御装置が従来より知ら
れている。
【0003】また上記公開公報には、上記挙動制御を実
行するに当り、車輌の目標ヨーレートが操舵角、車速、
車輌のスタビリティファクタに基づき演算されることが
記載されており、また車輌の目標ヨーレートが車輌の横
加速度を車速にて除算することにより演算されることが
記載されている。
行するに当り、車輌の目標ヨーレートが操舵角、車速、
車輌のスタビリティファクタに基づき演算されることが
記載されており、また車輌の目標ヨーレートが車輌の横
加速度を車速にて除算することにより演算されることが
記載されている。
【0004】かかる挙動制御装置によれば、車輌の実ヨ
ーレートが目標ヨーレートになるよう各車輪の制駆動力
が制御されるので、車輌の挙動がスピンやドリフトアウ
トの如く過剰に悪化することを防止することができる。
ーレートが目標ヨーレートになるよう各車輪の制駆動力
が制御されるので、車輌の挙動がスピンやドリフトアウ
トの如く過剰に悪化することを防止することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし上述の如き従来
の挙動制御装置に於いては、車輌の目標ヨーレートが操
舵角、車速、車輌のスタビリティファクタに基づき演算
される場合には、車輌の目標ヨーレートと車輌の実ヨー
レートとの偏差によっては四輪がドリフトするような状
況に於ける車輌のテールスライド現象を判定することが
できない。また車輌の目標ヨーレートが車輌の横加速度
を車速にて除算することにより演算される場合には、車
輌がグリップ状態にある場合にも発生する車輌のスリッ
プ角速度の影響を排除することができず、そのため車輌
がグリップ状態に回復している状況に於いてもヨーレー
ト偏差に基づく挙動制御量が発生し、不必要な挙動制御
が行われることがある。
の挙動制御装置に於いては、車輌の目標ヨーレートが操
舵角、車速、車輌のスタビリティファクタに基づき演算
される場合には、車輌の目標ヨーレートと車輌の実ヨー
レートとの偏差によっては四輪がドリフトするような状
況に於ける車輌のテールスライド現象を判定することが
できない。また車輌の目標ヨーレートが車輌の横加速度
を車速にて除算することにより演算される場合には、車
輌がグリップ状態にある場合にも発生する車輌のスリッ
プ角速度の影響を排除することができず、そのため車輌
がグリップ状態に回復している状況に於いてもヨーレー
ト偏差に基づく挙動制御量が発生し、不必要な挙動制御
が行われることがある。
【0006】特に目標ヨーレートが車輌の横加速度を車
速にて除算することにより演算される場合の上記問題
は、車輌がグリップ状態にある微低速域や高速域に於い
て例えば比較的急激な操舵操作が行われるような場合
に、演算される目標ヨーレートが本来の目標ヨーレート
より乖離するため、挙動制御は不要であるにも拘わらず
目標ヨーレートと実ヨーレートとの偏差が大きくなるこ
とが原因である。
速にて除算することにより演算される場合の上記問題
は、車輌がグリップ状態にある微低速域や高速域に於い
て例えば比較的急激な操舵操作が行われるような場合
に、演算される目標ヨーレートが本来の目標ヨーレート
より乖離するため、挙動制御は不要であるにも拘わらず
目標ヨーレートと実ヨーレートとの偏差が大きくなるこ
とが原因である。
【0007】本発明は、種々の車輌データに基づき演算
される車輌の目標ヨーレートと車輌の実ヨーレートとの
偏差を演算し、該偏差が小さくなるよう各車輪の制駆動
力を制御するよう構成された従来の挙動制御装置に於け
る上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明
の主要な課題は、車輌の横加速度を車速にて除算するこ
とにより目標ヨーレートを演算するに当り、車輌横力に
対する後輪のスリップ角の関係を考慮することにより、
本来の目標ヨーレートより乖離しないよう目標ヨーレー
トを演算し、これにより車輌がグリップ状態にある場合
及び非グリップ状態にある場合の何れについても車輌の
挙動を適切に制御することである。
される車輌の目標ヨーレートと車輌の実ヨーレートとの
偏差を演算し、該偏差が小さくなるよう各車輪の制駆動
力を制御するよう構成された従来の挙動制御装置に於け
る上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明
の主要な課題は、車輌の横加速度を車速にて除算するこ
とにより目標ヨーレートを演算するに当り、車輌横力に
対する後輪のスリップ角の関係を考慮することにより、
本来の目標ヨーレートより乖離しないよう目標ヨーレー
トを演算し、これにより車輌がグリップ状態にある場合
及び非グリップ状態にある場合の何れについても車輌の
挙動を適切に制御することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の主要な課題は、本
発明によれば、請求項1の構成、即ち車輌の実ヨーレー
トが目標ヨーレートになるよう車輌のヨーモーメントを
制御する車輌の挙動制御装置にして、車輌の横加速度、
車速、車輌横力に対する後輪のスリップ角特性に基づき
目標ヨーレートを演算することを特徴とする車輌の挙動
制御装置によって達成される。
発明によれば、請求項1の構成、即ち車輌の実ヨーレー
トが目標ヨーレートになるよう車輌のヨーモーメントを
制御する車輌の挙動制御装置にして、車輌の横加速度、
車速、車輌横力に対する後輪のスリップ角特性に基づき
目標ヨーレートを演算することを特徴とする車輌の挙動
制御装置によって達成される。
【0009】上記請求項1の構成によれば、車輌の横加
速度、車速、車輌横力に対する後輪のスリップ角特性に
基づき目標ヨーレートが演算されるので、後に詳細に説
明する如く車輌横力に対する後輪のスリップ角特性が考
慮されない場合に比して、本来の目標ヨーレートよりの
乖離が減少するよう目標ヨーレートが演算され、これに
より目標ヨーレートと実ヨーレートとの偏差に基づく挙
動制御が一層適正に行われることを可能にする目標ヨー
レートが演算される。
速度、車速、車輌横力に対する後輪のスリップ角特性に
基づき目標ヨーレートが演算されるので、後に詳細に説
明する如く車輌横力に対する後輪のスリップ角特性が考
慮されない場合に比して、本来の目標ヨーレートよりの
乖離が減少するよう目標ヨーレートが演算され、これに
より目標ヨーレートと実ヨーレートとの偏差に基づく挙
動制御が一層適正に行われることを可能にする目標ヨー
レートが演算される。
【0010】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前
記車輌横力に対する後輪のスリップ角特性は車輌の単位
当りの横加速度により発生する後輪のスリップ角である
よう構成される(請求項2の構成)。
効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前
記車輌横力に対する後輪のスリップ角特性は車輌の単位
当りの横加速度により発生する後輪のスリップ角である
よう構成される(請求項2の構成)。
【0011】請求項2の構成によれば、車輌横力に対す
る後輪のスリップ角特性は車輌の単位当りの横加速度に
より発生する後輪のスリップ角であるので、後に詳細に
説明する如く、車輌がグリップ状態にある場合には目標
ヨーレートが本来の目標ヨーレート、即ち実ヨーレート
に近似した値になることにより、通常領域に於いては目
標ヨーレートが過剰な値にならず、また車輌が非グリッ
プ状態にある場合には目標ヨーレートがヨーレート偏差
に基づくヨーモーメントの制御による挙動制御により車
輌の挙動を確実に安定化させるに適した値になる。
る後輪のスリップ角特性は車輌の単位当りの横加速度に
より発生する後輪のスリップ角であるので、後に詳細に
説明する如く、車輌がグリップ状態にある場合には目標
ヨーレートが本来の目標ヨーレート、即ち実ヨーレート
に近似した値になることにより、通常領域に於いては目
標ヨーレートが過剰な値にならず、また車輌が非グリッ
プ状態にある場合には目標ヨーレートがヨーレート偏差
に基づくヨーモーメントの制御による挙動制御により車
輌の挙動を確実に安定化させるに適した値になる。
【0012】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、上記請求項2の構成に於いて、前
記車輌の単位当りの横加速度により発生する後輪のスリ
ップ角は一定に設定されるよう構成される(請求項3の
構成)。
効果的に達成すべく、上記請求項2の構成に於いて、前
記車輌の単位当りの横加速度により発生する後輪のスリ
ップ角は一定に設定されるよう構成される(請求項3の
構成)。
【0013】請求項3の構成によれば、車輌の単位当り
の横加速度により発生する後輪のスリップ角は一定に設
定されるので、車輌横力に対する後輪のスリップ角特性
を線形近似させて挙動制御を実行することが可能にな
る。
の横加速度により発生する後輪のスリップ角は一定に設
定されるので、車輌横力に対する後輪のスリップ角特性
を線形近似させて挙動制御を実行することが可能にな
る。
【0014】
【課題解決手段の好ましい態様】車輌の二輪モデルに於
いて、車輌の質量をMとし、車輌の横加速度をGyと
し、前輪及び後輪のコーナリングフォースをそれぞれF
f及びFrとし、車輌の重心と前輪車軸及び後輪車軸との
間の距離をそれぞれLa及びLbとし、車輌のホイールベ
ースをL(=La+Lb)とし、車輌のヨーレートをγと
し、後輪のスリップ角をαrとし、後輪のコーナリング
パワーをCprとし、車体のスリップ角をβとし、車速を
Vとし、車輌のヨー角速度をγdとし、スリップ角βの
微分値をβdとすると、車輌前後方向の力の釣合い等に
より下記の式1〜5が成立する。
いて、車輌の質量をMとし、車輌の横加速度をGyと
し、前輪及び後輪のコーナリングフォースをそれぞれF
f及びFrとし、車輌の重心と前輪車軸及び後輪車軸との
間の距離をそれぞれLa及びLbとし、車輌のホイールベ
ースをL(=La+Lb)とし、車輌のヨーレートをγと
し、後輪のスリップ角をαrとし、後輪のコーナリング
パワーをCprとし、車体のスリップ角をβとし、車速を
Vとし、車輌のヨー角速度をγdとし、スリップ角βの
微分値をβdとすると、車輌前後方向の力の釣合い等に
より下記の式1〜5が成立する。
【0015】 M・Gy=Ff+Fr ……(1) I・γd=La・Ff−Lb・Fr ……(2) Fr=αr・Cpr ……(3) αr=−β+(Lb/V)γ ……(4) βd=Gy/V−γ ……(5)
【0016】上記式1及び2より下記の式6が成立し、
下記の式6に上記式3を代入することにより下記の式7
が得られる。 La・M・Gy−I・γd=L・Fr ……(6) La・M・Gy−I・γd=Cpr・L・αr ……(7)
下記の式6に上記式3を代入することにより下記の式7
が得られる。 La・M・Gy−I・γd=L・Fr ……(6) La・M・Gy−I・γd=Cpr・L・αr ……(7)
【0017】上記式7に上記式4を代入することにより
下記の式8が得られ、車輌の横加速度Gyの微分値をGy
dとし、車輌のヨー加速度γdの微分値をγddとすると、
下記の式8を微分することにより下記の式9が得られ
る。
下記の式8が得られ、車輌の横加速度Gyの微分値をGy
dとし、車輌のヨー加速度γdの微分値をγddとすると、
下記の式8を微分することにより下記の式9が得られ
る。
【0018】
【数1】
【数2】
【0019】上記式9に上記式5を代入することによ
り、以下の如く下記の式10が得られる。
り、以下の如く下記の式10が得られる。
【数3】
【0020】ラプラス演算子をsとして上記式10をラ
プラス変換すると、以下の如く下記の式11が得られ、
横加速度に対するヨーレートの伝達関数は車速に依存す
る1次及び2次の伝達関数となる。
プラス変換すると、以下の如く下記の式11が得られ、
横加速度に対するヨーレートの伝達関数は車速に依存す
る1次及び2次の伝達関数となる。
【0021】
【数4】
【0022】ここで上記式11をパラメータの変換によ
って簡素化する。前輪周りの定常の力の釣合いより下記
の式12が成立する。
って簡素化する。前輪周りの定常の力の釣合いより下記
の式12が成立する。
【数5】
【0023】上記式12に上記式3を代入することによ
り、単位当りの横加速度により発生する後輪のスリップ
角の比Grは下記の式13により表わされる。
り、単位当りの横加速度により発生する後輪のスリップ
角の比Grは下記の式13により表わされる。
【0024】
【数6】
【0025】Dを車輌のヨー慣性モーメント係数(I=
M・La・D)とすると、上記式13を上記式11に代
入することにより、上記式11の伝達関数は下記の式1
4により表わされる。
M・La・D)とすると、上記式13を上記式11に代
入することにより、上記式11の伝達関数は下記の式1
4により表わされる。
【数7】
【0026】上記式14を離散化するためにτを時定数
として下記の数15の如くtustin変換を行う。
として下記の数15の如くtustin変換を行う。
【数8】
【0027】ここでA〜Cをそれぞれ下記の式16〜1
8の通り置くと、上記式14は下記の式19の通り書き
直される。
8の通り置くと、上記式14は下記の式19の通り書き
直される。
【数9】
【0028】
【数10】
【0029】よってGy(n)、Gy(n-1)、Gy(n-2)をそれ
ぞれ現在、1サイクル前、2サイクル前の車輌の横加速
度とし、γtV(n-1)及びγtV(n-2)をそれぞれ1サイク
ル前及び2サイクル前の目標ヨーレートγtと車速Vと
の積とし、X及びYをそれぞれ下記の式20及び21に
より表わされる値とすると、現在の目標ヨーレートγt
と車速Vとの積γtV(n)は下記の式22により求められ
る。
ぞれ現在、1サイクル前、2サイクル前の車輌の横加速
度とし、γtV(n-1)及びγtV(n-2)をそれぞれ1サイク
ル前及び2サイクル前の目標ヨーレートγtと車速Vと
の積とし、X及びYをそれぞれ下記の式20及び21に
より表わされる値とすると、現在の目標ヨーレートγt
と車速Vとの積γtV(n)は下記の式22により求められ
る。
【0030】
【数11】
【0031】従って本発明の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項1の構成に於いて、目標ヨーレートγt
は車輌の横加速度Gyを車速Vにて除算した値と、単位
当りの横加速度により発生する後輪のスリップ角の比G
r及び車速Vに基づくフィルタ係数との積として演算さ
れるよう構成される(好ましい態様1)。
ば、上記請求項1の構成に於いて、目標ヨーレートγt
は車輌の横加速度Gyを車速Vにて除算した値と、単位
当りの横加速度により発生する後輪のスリップ角の比G
r及び車速Vに基づくフィルタ係数との積として演算さ
れるよう構成される(好ましい態様1)。
【0032】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様1の構成に於いて、フィルタ係数
は上記式14により表される係数であるよう構成される
(好ましい態様2)。
ば、上記好ましい態様1の構成に於いて、フィルタ係数
は上記式14により表される係数であるよう構成される
(好ましい態様2)。
【0033】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様2の構成に於いて、目標ヨーレー
トγtは上記式20〜22により演算される値γt・Vを
車速Vにて除算することにより演算されるよう構成され
る(好ましい態様3)。
ば、上記好ましい態様2の構成に於いて、目標ヨーレー
トγtは上記式20〜22により演算される値γt・Vを
車速Vにて除算することにより演算されるよう構成され
る(好ましい態様3)。
【0034】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照しつつ、本
発明を好ましい実施形態について詳細に説明する。
発明を好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0035】図1は本発明による車輌の挙動制御装置の
一つの好ましい実施形態を示す概略構成図である。
一つの好ましい実施形態を示す概略構成図である。
【0036】図1に於て、10FL及び10FRはそれぞれ
車輌12の左右の前輪を示し、10RL及び10RRはそれ
ぞれ左右の後輪を示している。操舵輪である左右の前輪
10FL及び10FRは運転者によるステアリングホイール
14の転舵に応答して駆動されるラック・アンド・ピニ
オン式のパワーステアリング装置16によりタイロッド
18L 及び18R を介して操舵される。
車輌12の左右の前輪を示し、10RL及び10RRはそれ
ぞれ左右の後輪を示している。操舵輪である左右の前輪
10FL及び10FRは運転者によるステアリングホイール
14の転舵に応答して駆動されるラック・アンド・ピニ
オン式のパワーステアリング装置16によりタイロッド
18L 及び18R を介して操舵される。
【0037】各車輪の制動力は制動装置20の油圧回路
22によりホイールシリンダ24FR、24FL、24RR、
24RLの制動圧が制御されることによって制御されるよ
うになっている。図には示されていないが、油圧回路2
2はオイルリザーバ、オイルポンプ、種々の弁装置等を
含み、各ホイールシリンダの制動圧は通常時には運転者
によるブレーキペダル26の踏み込み操作に応じて駆動
されるマスタシリンダ28により制御され、また必要に
応じて後に詳細に説明する如く電気式制御装置30によ
り制御される。
22によりホイールシリンダ24FR、24FL、24RR、
24RLの制動圧が制御されることによって制御されるよ
うになっている。図には示されていないが、油圧回路2
2はオイルリザーバ、オイルポンプ、種々の弁装置等を
含み、各ホイールシリンダの制動圧は通常時には運転者
によるブレーキペダル26の踏み込み操作に応じて駆動
されるマスタシリンダ28により制御され、また必要に
応じて後に詳細に説明する如く電気式制御装置30によ
り制御される。
【0038】車輪10FR〜10RLにはそれぞれ対応する
車輪の車輪速度Vwi(i=fr、fl、rr、rl)を検出する
車輪速度センサ32FR〜32RLが設けられている。また
車輌12にはそれぞれ車速Vを検出する車速センサ3
4、車輌のヨーレートγを検出するヨーレートセンサ3
6、横加速度Gyを検出する横加速度センサ38が設け
られている。尚ヨーレートセンサ36及び横加速度セン
サ40は車輌の左旋回方向を正としてそれぞれヨーレー
ト及び横加速度を検出する。
車輪の車輪速度Vwi(i=fr、fl、rr、rl)を検出する
車輪速度センサ32FR〜32RLが設けられている。また
車輌12にはそれぞれ車速Vを検出する車速センサ3
4、車輌のヨーレートγを検出するヨーレートセンサ3
6、横加速度Gyを検出する横加速度センサ38が設け
られている。尚ヨーレートセンサ36及び横加速度セン
サ40は車輌の左旋回方向を正としてそれぞれヨーレー
ト及び横加速度を検出する。
【0039】図示の如く、車輪速度センサ32FR〜32
RLにより検出された車輪速度Vwiを示す信号、車速セン
サ34により検出された車速Vを示す信号、ヨーレート
センサ36により検出されたヨーレートγを示す信号、
横加速度センサ38により検出された横加速度Gyを示
す信号は電気式制御装置30に入力される。
RLにより検出された車輪速度Vwiを示す信号、車速セン
サ34により検出された車速Vを示す信号、ヨーレート
センサ36により検出されたヨーレートγを示す信号、
横加速度センサ38により検出された横加速度Gyを示
す信号は電気式制御装置30に入力される。
【0040】尚図には詳細に示されていないが、電気式
制御装置30は例えばCPUとROMとRAMと入出力
ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスに
より互いに接続された一般的な構成のマイクロコンピュ
ータを含んでいる。
制御装置30は例えばCPUとROMとRAMと入出力
ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスに
より互いに接続された一般的な構成のマイクロコンピュ
ータを含んでいる。
【0041】電気式制御装置30は、後述の如く図2に
示されたフローチャートに従い、車速V及び車輌の横加
速度Gyに基づき車輌の目標ヨーレートγtを演算し、目
標ヨーレートγtと車輌の実ヨーレートγとの偏差の大
きさが基準値以上であるか否かを判定し、ヨーレートの
偏差の大きさが基準値以上であり車輌の挙動が悪化して
いるときには、車輌の挙動を安定化させるための車輌の
目標減速度Gxt及び目標ヨーモーメントMtを演算し、
これらに基づき各車輪の制動力を制御して車輌の挙動を
安定化させる。
示されたフローチャートに従い、車速V及び車輌の横加
速度Gyに基づき車輌の目標ヨーレートγtを演算し、目
標ヨーレートγtと車輌の実ヨーレートγとの偏差の大
きさが基準値以上であるか否かを判定し、ヨーレートの
偏差の大きさが基準値以上であり車輌の挙動が悪化して
いるときには、車輌の挙動を安定化させるための車輌の
目標減速度Gxt及び目標ヨーモーメントMtを演算し、
これらに基づき各車輪の制動力を制御して車輌の挙動を
安定化させる。
【0042】次に図2に示されたフローチャートを参照
して図示の実施形態に於ける挙動制御ルーチンについて
説明する。尚図2に示されたフローチャートによる制御
は図には示されていないイグニッションスイッチの閉成
により開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。
して図示の実施形態に於ける挙動制御ルーチンについて
説明する。尚図2に示されたフローチャートによる制御
は図には示されていないイグニッションスイッチの閉成
により開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。
【0043】まずステップ10に於いては車速Vを示す
信号等の読み込みが行われ、ステップ20に於いては上
記式20〜22に従って車輌の目標ヨーレートγtと車
速Vとの積が演算されると共に、該積が車速Vにて除算
されることにより車輌の目標ヨーレートγtが演算され
る。
信号等の読み込みが行われ、ステップ20に於いては上
記式20〜22に従って車輌の目標ヨーレートγtと車
速Vとの積が演算されると共に、該積が車速Vにて除算
されることにより車輌の目標ヨーレートγtが演算され
る。
【0044】ステップ30に於いては車輌の目標ヨーレ
ートγtと実ヨーレートγとの偏差としてヨーレート偏
差Δγが演算され、ステップ40に於いてはヨーレート
偏差Δγの絶対値が基準値γo(正の定数)を越えてい
るか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときには
そのままステップ10へ戻り、肯定判別が行われたとき
にはステップ50へ進む。
ートγtと実ヨーレートγとの偏差としてヨーレート偏
差Δγが演算され、ステップ40に於いてはヨーレート
偏差Δγの絶対値が基準値γo(正の定数)を越えてい
るか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときには
そのままステップ10へ戻り、肯定判別が行われたとき
にはステップ50へ進む。
【0045】ステップ50に於いてはヨーレート偏差Δ
γに基づきヨーレート偏差Δγを低減して車輌の挙動を
安定化させるための目標ヨーモーメントMtが当技術分
野に於いて公知の要領にて演算され、ステップ60に於
いては車輌の目標ヨーレートγtと車輌の実ヨーレート
γとの偏差の絶対値が大きいほど大きくなるよう、ヨー
レート偏差の絶対値に基づき車輌の挙動を安定な挙動に
するための車輌の目標減速度Gxtが演算される。
γに基づきヨーレート偏差Δγを低減して車輌の挙動を
安定化させるための目標ヨーモーメントMtが当技術分
野に於いて公知の要領にて演算され、ステップ60に於
いては車輌の目標ヨーレートγtと車輌の実ヨーレート
γとの偏差の絶対値が大きいほど大きくなるよう、ヨー
レート偏差の絶対値に基づき車輌の挙動を安定な挙動に
するための車輌の目標減速度Gxtが演算される。
【0046】ステップ70に於いては例えば本願出願人
の出願にかかる特開平11−348753号公報に記載
されている如く、目標ヨーモーメントMt及び車輌の目
標減速度Gxtを達成するための各車輪の目標スリップ率
が演算されると共に、各車輪のスリップ率が目標スリッ
プ率になるよう各車輪の制動力が制御され、しかる後ス
テップ10へ戻る。
の出願にかかる特開平11−348753号公報に記載
されている如く、目標ヨーモーメントMt及び車輌の目
標減速度Gxtを達成するための各車輪の目標スリップ率
が演算されると共に、各車輪のスリップ率が目標スリッ
プ率になるよう各車輪の制動力が制御され、しかる後ス
テップ10へ戻る。
【0047】かくして図示の実施形態によれば、ステッ
プ20に於いて上記式20〜22に従って車輌の目標ヨ
ーレートγtが演算され、ステップ30に於いて車輌の
目標ヨーレートγtと実ヨーレートγとの偏差Δγが演
算され、ステップ40に於いてヨーレート偏差Δγの大
きさが基準値γoを越えている旨の判別が行われたとき
には、ステップ50及び60に於いてヨーレート偏差Δ
γを低減して車輌の挙動を安定化させるための目標ヨー
モーメントMt及び目標減速度Gxtが演算され、ステッ
プ70に於いて目標ヨーモーメントMt及び車輌の目標
減速度Gxtが達成されるよう各車輪の制動力が制御され
る。
プ20に於いて上記式20〜22に従って車輌の目標ヨ
ーレートγtが演算され、ステップ30に於いて車輌の
目標ヨーレートγtと実ヨーレートγとの偏差Δγが演
算され、ステップ40に於いてヨーレート偏差Δγの大
きさが基準値γoを越えている旨の判別が行われたとき
には、ステップ50及び60に於いてヨーレート偏差Δ
γを低減して車輌の挙動を安定化させるための目標ヨー
モーメントMt及び目標減速度Gxtが演算され、ステッ
プ70に於いて目標ヨーモーメントMt及び車輌の目標
減速度Gxtが達成されるよう各車輪の制動力が制御され
る。
【0048】以上の説明より解る如く、図示の実施形態
によれば、上記式14に対応する下記の式23に従って
フィルタ係数G(s)が演算されると共に、下記の式24
に従って車輌の目標ヨーレートγtが演算されるのと等
価に車輌の目標ヨーレートγtが演算されるので、目標
ヨーレートγtは車輌がグリップ状態にあるときには比
較的急激な操舵操作が行われるような場合にも車輌の本
来の目標ヨーレート、即ち実ヨーレートγに近い値に演
算され、車輌が非グリップ状態になるとヨーレート偏差
に基づく車輌のヨーモーメントの制御により車輌の挙動
を効果的に制御することを可能にする値に演算される。
によれば、上記式14に対応する下記の式23に従って
フィルタ係数G(s)が演算されると共に、下記の式24
に従って車輌の目標ヨーレートγtが演算されるのと等
価に車輌の目標ヨーレートγtが演算されるので、目標
ヨーレートγtは車輌がグリップ状態にあるときには比
較的急激な操舵操作が行われるような場合にも車輌の本
来の目標ヨーレート、即ち実ヨーレートγに近い値に演
算され、車輌が非グリップ状態になるとヨーレート偏差
に基づく車輌のヨーモーメントの制御により車輌の挙動
を効果的に制御することを可能にする値に演算される。
【0049】
【数12】
【0050】従って図示の実施形態によれば、車輌の通
常領域に於いては目標ヨーレートγtが過剰な値になる
ことがないので、ヨーレート偏差に基づく挙動制御が不
必要に実行されることを防止することができ、また車輌
の限界領域に於いてはフィルタ係数G(s)が考慮されな
い場合に比して、換言すれば目標ヨーレートγtがただ
単に車輌の横加速度Gyを車速Vにて除算することによ
り演算される場合に比して、車輌の挙動を確実に且つ効
果的に安定化させることができる。
常領域に於いては目標ヨーレートγtが過剰な値になる
ことがないので、ヨーレート偏差に基づく挙動制御が不
必要に実行されることを防止することができ、また車輌
の限界領域に於いてはフィルタ係数G(s)が考慮されな
い場合に比して、換言すれば目標ヨーレートγtがただ
単に車輌の横加速度Gyを車速Vにて除算することによ
り演算される場合に比して、車輌の挙動を確実に且つ効
果的に安定化させることができる。
【0051】特に図示の実施形態によれば、上記式13
により表される単位当りの横加速度により発生する後輪
のスリップ角の比Grは一定であるので、例えば車輌の
実際の特性が図3に於いて破線にて示された特性である
とすると、非線形領域に於いても特性が線形であると擬
制して挙動を制御することができ、挙動制御の内容を線
形領域と非線形領域とで挙動制御の内容を変更する必要
がなく、これにより車輌の挙動を単純に実行することが
できる。
により表される単位当りの横加速度により発生する後輪
のスリップ角の比Grは一定であるので、例えば車輌の
実際の特性が図3に於いて破線にて示された特性である
とすると、非線形領域に於いても特性が線形であると擬
制して挙動を制御することができ、挙動制御の内容を線
形領域と非線形領域とで挙動制御の内容を変更する必要
がなく、これにより車輌の挙動を単純に実行することが
できる。
【0052】尚車輌の実際の特性が非線形特性である領
域に於いて線形特性と擬制したことのギャップ(図3に
於いてハッチングが施された領域)は、目標ヨーレート
γtと実ヨーレートγとの偏差Δγが小さくなるよう車
輌にヨーモーメントが付与されることによりキャンセル
される。
域に於いて線形特性と擬制したことのギャップ(図3に
於いてハッチングが施された領域)は、目標ヨーレート
γtと実ヨーレートγとの偏差Δγが小さくなるよう車
輌にヨーモーメントが付与されることによりキャンセル
される。
【0053】また図示の実施形態によれば、上記式20
〜22に従って車輌の目標ヨーレートγtと車速Vとの
積が演算されると共に、該積が車速Vにて除算されるこ
とによって車輌の目標ヨーレートγtが演算されること
により、上記式23に従ってフィルタ係数G(s)が演算
されると共に上記式24に従って車輌の目標ヨーレート
γtが演算されることと等価な演算が行われるので、目
標ヨーレートγtの演算に必要な演算装置として比較的
簡便な演算装置を使用することができる。
〜22に従って車輌の目標ヨーレートγtと車速Vとの
積が演算されると共に、該積が車速Vにて除算されるこ
とによって車輌の目標ヨーレートγtが演算されること
により、上記式23に従ってフィルタ係数G(s)が演算
されると共に上記式24に従って車輌の目標ヨーレート
γtが演算されることと等価な演算が行われるので、目
標ヨーレートγtの演算に必要な演算装置として比較的
簡便な演算装置を使用することができる。
【0054】以上に於いては本発明を特定の実施形態に
ついて詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限
定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の
実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであ
ろう。
ついて詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限
定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の
実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであ
ろう。
【0055】例えば上述の実施形態に於いては、単位当
りの横加速度により発生する後輪のスリップ角の比Gr
は一定であるが、後輪のコーナリングパワーCprが検出
されることにより単位当りの横加速度により発生する後
輪のスリップ角の比Grが可変設定されるよう修正され
てもよい。
りの横加速度により発生する後輪のスリップ角の比Gr
は一定であるが、後輪のコーナリングパワーCprが検出
されることにより単位当りの横加速度により発生する後
輪のスリップ角の比Grが可変設定されるよう修正され
てもよい。
【0056】また上述の実施形態に於いては、上記式2
0〜22に従って車輌の目標ヨーレートγtと車速Vと
の積が演算されると共に、該積が車速Vにて除算される
ことにより車輌の目標ヨーレートγtが演算されるよう
になっているが、車輌に搭載される演算制御装置によっ
ては上記式23に従ってフィルタ係数G(s)が演算され
ると共に、上記式24に従って車輌の目標ヨーレートγ
tが演算されるよう修正されてもよい。
0〜22に従って車輌の目標ヨーレートγtと車速Vと
の積が演算されると共に、該積が車速Vにて除算される
ことにより車輌の目標ヨーレートγtが演算されるよう
になっているが、車輌に搭載される演算制御装置によっ
ては上記式23に従ってフィルタ係数G(s)が演算され
ると共に、上記式24に従って車輌の目標ヨーレートγ
tが演算されるよう修正されてもよい。
【0057】また上述の実施形態に於いては、車輌の挙
動制御はステップ50に於いて車輌の挙動を安定化させ
るための車輌の目標ヨーモーメントMtが演算され、ス
テップ60に於いて車輌の挙動を安定化させるための車
輌の目標減速度Gxtが演算され、ステップ70に於いて
目標減速度Gxt及び目標ヨーモーメントMtが達成され
るよう各車輪の制動力が制御されることにより実行され
るようになっているが、目標ヨーレートγtと実ヨーレ
ートγとの偏差Δγが小さくなるよう車輌にヨーモーメ
ントが付与される限り、挙動制御は当技術分野に於いて
公知の任意の要領にて行われてよい。
動制御はステップ50に於いて車輌の挙動を安定化させ
るための車輌の目標ヨーモーメントMtが演算され、ス
テップ60に於いて車輌の挙動を安定化させるための車
輌の目標減速度Gxtが演算され、ステップ70に於いて
目標減速度Gxt及び目標ヨーモーメントMtが達成され
るよう各車輪の制動力が制御されることにより実行され
るようになっているが、目標ヨーレートγtと実ヨーレ
ートγとの偏差Δγが小さくなるよう車輌にヨーモーメ
ントが付与される限り、挙動制御は当技術分野に於いて
公知の任意の要領にて行われてよい。
【0058】また上述の実施形態に於いては、車輌の挙
動制御は各車輪の目標スリップ率が演算され、各車輪の
スリップ率が目標スリップ率になるよう各車輪の制動力
を制御することにより達成されるようになっているが、
車輌の挙動制御は各車輪の目標制動圧が演算され、各車
輪の制動圧が目標制動圧になるよう各車輪の制動力を制
御することにより達成されてもよく、また必要に応じて
各車輪の制駆動力、即ち制動力若しくは駆動力が制御さ
れてもよい。
動制御は各車輪の目標スリップ率が演算され、各車輪の
スリップ率が目標スリップ率になるよう各車輪の制動力
を制御することにより達成されるようになっているが、
車輌の挙動制御は各車輪の目標制動圧が演算され、各車
輪の制動圧が目標制動圧になるよう各車輪の制動力を制
御することにより達成されてもよく、また必要に応じて
各車輪の制駆動力、即ち制動力若しくは駆動力が制御さ
れてもよい。
【0059】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発
明によれば、車輌横力に対する後輪のスリップ角特性が
考慮されない場合に比して、本来の目標ヨーレートより
の乖離が減少するよう目標ヨーレートが演算されるの
で、車輌がグリップ状態にある場合及び非グリップ状態
にある場合の何れについても、目標ヨーレートと実ヨー
レートとの偏差に基づく挙動制御を一層適正に行うこと
ができる。
明によれば、車輌横力に対する後輪のスリップ角特性が
考慮されない場合に比して、本来の目標ヨーレートより
の乖離が減少するよう目標ヨーレートが演算されるの
で、車輌がグリップ状態にある場合及び非グリップ状態
にある場合の何れについても、目標ヨーレートと実ヨー
レートとの偏差に基づく挙動制御を一層適正に行うこと
ができる。
【図1】本発明による車輌の挙動制御装置の一つの好ま
しい実施形態を示す概略構成図である。
しい実施形態を示す概略構成図である。
【図2】実施形態に於ける挙動制御ルーチンを示すフロ
ーチャートである。
ーチャートである。
【図3】実際の後輪のスリップ角αrと後輪の横力との
関係(破線)及び図示の実施形態に於ける後輪のスリッ
プ角αrと後輪の横力との関係(実線)を示すグラフで
ある。
関係(破線)及び図示の実施形態に於ける後輪のスリッ
プ角αrと後輪の横力との関係(実線)を示すグラフで
ある。
10FR〜10RL…車輪 20…制動装置 28…マスタシリンダ 30…電気式制御装置 32FR〜32RL…車輪速度センサ 34……車速センサ 36…ヨーレートセンサ 38…横加速度センサ
Claims (3)
- 【請求項1】車輌の実ヨーレートが目標ヨーレートにな
るよう車輌のヨーモーメントを制御する車輌の挙動制御
装置にして、車輌の横加速度、車速、車輌横力に対する
後輪のスリップ角特性に基づき目標ヨーレートを演算す
ることを特徴とする車輌の挙動制御装置。 - 【請求項2】前記車輌横力に対する後輪のスリップ角特
性は車輌の単位当りの横加速度により発生する後輪のス
リップ角であることを特徴とする請求項1に記載の車輌
の挙動制御装置。 - 【請求項3】前記車輌の単位当りの横加速度により発生
する後輪のスリップ角は一定に設定されることを特徴と
する請求項2に記載の車輌の挙動制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000370164A JP2002173012A (ja) | 2000-12-05 | 2000-12-05 | 車輌の挙動制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000370164A JP2002173012A (ja) | 2000-12-05 | 2000-12-05 | 車輌の挙動制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002173012A true JP2002173012A (ja) | 2002-06-18 |
Family
ID=18840092
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000370164A Withdrawn JP2002173012A (ja) | 2000-12-05 | 2000-12-05 | 車輌の挙動制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002173012A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100695429B1 (ko) | 2003-04-10 | 2007-03-15 | 주식회사 만도 | 이에스피를 이용한 스티어링 시스템의 조타력 제어방법 |
JP2008238934A (ja) * | 2007-03-27 | 2008-10-09 | Mitsubishi Motors Corp | パワーステアリング装置 |
US7451032B2 (en) * | 2004-06-02 | 2008-11-11 | Ford Global Technologies, Llc | System and method for determining desired yaw rate and lateral velocity for use in a vehicle dynamic control system |
JP2009051369A (ja) * | 2007-08-27 | 2009-03-12 | Toyota Motor Corp | 車両の挙動制御装置 |
CN109094644A (zh) * | 2018-07-19 | 2018-12-28 | 南京航空航天大学 | 极限工况下的主动后轮转向与直接横摆力矩控制方法 |
CN109278727A (zh) * | 2017-07-19 | 2019-01-29 | 丰田自动车株式会社 | 车辆用运行情况控制装置 |
-
2000
- 2000-12-05 JP JP2000370164A patent/JP2002173012A/ja not_active Withdrawn
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100695429B1 (ko) | 2003-04-10 | 2007-03-15 | 주식회사 만도 | 이에스피를 이용한 스티어링 시스템의 조타력 제어방법 |
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JP4636062B2 (ja) * | 2007-08-27 | 2011-02-23 | トヨタ自動車株式会社 | 車両の挙動制御装置 |
CN109278727A (zh) * | 2017-07-19 | 2019-01-29 | 丰田自动车株式会社 | 车辆用运行情况控制装置 |
JP2019018738A (ja) * | 2017-07-19 | 2019-02-07 | トヨタ自動車株式会社 | 車両用挙動制御装置 |
DE102018211901A1 (de) | 2017-07-19 | 2019-03-14 | Advics Co., Ltd. | Verhaltenssteuervorrichtung für Fahrzeuge |
CN109278727B (zh) * | 2017-07-19 | 2020-12-29 | 丰田自动车株式会社 | 车辆用运行情况控制装置 |
US10899341B2 (en) | 2017-07-19 | 2021-01-26 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Behavior control apparatus for vehicle |
DE102018211901B4 (de) | 2017-07-19 | 2023-11-09 | Advics Co., Ltd. | Verhaltenssteuervorrichtung für Fahrzeuge |
CN109094644A (zh) * | 2018-07-19 | 2018-12-28 | 南京航空航天大学 | 极限工况下的主动后轮转向与直接横摆力矩控制方法 |
CN109094644B (zh) * | 2018-07-19 | 2024-05-24 | 南京航空航天大学 | 极限工况下的主动后轮转向与直接横摆力矩控制方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20040123 |