JP2000095085A - 車輌の基準ヨーレート演算装置 - Google Patents

車輌の基準ヨーレート演算装置

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JP2000095085A
JP2000095085A JP26827498A JP26827498A JP2000095085A JP 2000095085 A JP2000095085 A JP 2000095085A JP 26827498 A JP26827498 A JP 26827498A JP 26827498 A JP26827498 A JP 26827498A JP 2000095085 A JP2000095085 A JP 2000095085A
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JP
Japan
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vehicle
gear ratio
steering gear
yaw rate
stability factor
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JP26827498A
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English (en)
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Yoshiki Fukada
善樹 深田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Hydraulic Control Valves For Brake Systems (AREA)
  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車輌の目標ヨーレートを演算するためのステ
アリングギヤ比を適宜に変更することにより、車輌の目
標ヨーレートを高精度に演算する。 【解決手段】 車輌が過渡旋回状態にはなく操舵角θの
大きさが小さく横加速度Gy の大きさが大きいときには
(S20、40、110)、基準ヨーレートγtの演算
精度に対するスタビリティファクタKh の影響が大きい
状況であるので、第一の基準値T21の時間に亘るスタビ
リティファクタKh の積算値Khiが演算され(S120
〜140)、車輌が過渡旋回状態になることなく更に第
二の基準値T22の時間が経過すると(S150)、スタ
ビリティファクタKh の補正値Khaが演算され(S17
0)、演算式中のスタビリティファクタKh が補正値K
haに設定されることにより基準ヨーレートγt が演算さ
れる(S170、190)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車輌の基準ヨーレ
ート演算装置に係り、更に詳細には車輌の挙動制御に利
用可能な基準ヨーレート演算装置に係る。
【0002】
【従来の技術】例えば本願出願人の出願にかかる特開平
4−365674号公報に記載されている如く、自動車
等の車輌のステアリング特性制御装置に於いて、車輌の
目標ヨーレートを演算するためのスタビリティファクタ
を車輌の状態量に応じて制御することが従来より既に知
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、車輌の目標ヨ
ーレートは車輌の状態量に基づきステアリングギヤ比及
びスタビリティファクタを使用して演算可能であるが、
スタビリティファクタのみが車輌の走行状態の影響を受
ける訳ではなく、ステアリングギヤ比も車輌の走行状態
の影響を受ける。従って車輌の目標ヨーレートを高精度
に演算するためには、上述の従来のステアリング特性制
御装置に於いても改善の余地がある。
【0004】本発明は、スタビリティファクタを車輌の
状態量に応じて制御するよう構成された従来のステアリ
ング特性制御装置に於ける上述の如き問題に鑑みてなさ
れたものであり、本発明の主要な課題は、車輌の基準ヨ
ーレート(目標ヨーレートを含め車輌の制御に使用され
る値としてのヨーレートの基準値)を演算するためのス
テアリングギヤ比を適宜に変更することにより、車輌の
基準ヨーレートを高精度に演算することである。
【0005】また本発明の副次的課題は、車輌の目標ヨ
ーレートを演算するためのステアリングギヤ比又はスタ
ビリティファクタを車輌の走行状態に応じて適宜に変更
することにより、車輌の基準ヨーレートを一層高精度に
演算することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の主要な課題は、本
発明によれば、請求項1の構成、即ち車輌の状態量を検
出する手段を有し、車輌の状態量に基づきステアリング
ギヤ比及びスタビリティファクタを使用して車輌の基準
ヨーレートを演算する車輌の基準ヨーレート演算装置に
して、車輌の状態量に基づき等価ステアリングギヤ比を
演算する手段と、車輌の状態量に基づき前記ステアリン
グギヤ比を前記演算された等価ステアリングギヤ比に変
更する手段とを有することを特徴とする車輌の基準ヨー
レート演算装置によって達成される。
【0007】後に詳細に説明する如く、例えばタイヤの
有効半径が変化した場合等に於いてはステアリングギヤ
比が車輌の基準ヨーレートの演算精度に影響する。上記
請求項1の構成によれば、車輌の状態量に基づき等価ス
テアリングギヤ比が演算され、車輌の状態量に基づきス
テアリングギヤ比が演算された等価ステアリングギヤ比
に変更されるので、タイヤの有効半径が変化した場合等
に於いても車輌の基準ヨーレートが高精度に演算され
る。
【0008】また本発明によれば、上述の副次的課題を
達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、車輌の状態
量に基づきスタビリティファクタを演算する手段と、車
輌の状態量に基づき前記スタビリティファクタを前記演
算されたスタビリティファクタに変更する手段とを有す
るよう構成される(請求項2の構成)。
【0009】請求項2の構成によれば、車輌の状態量に
基づき等価ステアリングギヤ比が演算され、車輌の状態
量に基づきステアリングギヤ比が演算された等価ステア
リングギヤ比に変更されるだけでなく、車輌の状態量に
基づきスタビリティファクタが演算され、車輌の状態量
に基づきスタビリティファクタが演算されたスタビリテ
ィファクタに変更されるので、車輌の走行状況に応じて
ステアリングギヤ比及びスタビリティファクタが適正に
設定され、これにより請求項1の構成の場合に比して更
に一層高精度に車輌の基準ヨーレートが演算される。
【0010】また本発明によれば、上述の副次的課題を
効果的に達成すべく、上記請求項2の構成に於いて、車
輌の状態量に基づき前記ステアリングギヤ比及び前記ス
タビリティファクタの何れの変更が必要であるかを判定
する判定手段を有するよう構成される(請求項3の構
成)。
【0011】請求項3の構成によれば、車輌の状態量に
基づきステアリングギヤ比及びスタビリティファクタの
何れの変更が必要であるかが判定されるので、車輌の走
行状況に応じてステアリングギヤ比及びスタビリティフ
ァクタが適正に設定される。
【0012】また本発明によれば、上述の副次的課題を
効果的に達成すべく、上記請求項3の構成に於いて、前
記判定手段は車輌の横加速度の大きさが小さいときには
前記ステアリングギヤ比の変更が必要であると判定し、
車輌の横加速度の大きさが大きいときには前記スタビリ
ティファクタの変更が必要であると判定するよう構成さ
れる(請求項4の構成)。
【0013】後に詳細に説明する如く、車輌の旋回時に
車輌の状態量に基づきステアリングギヤ比及びスタビリ
ティファクタを使用して演算される車輌の基準ヨーレー
トの演算精度は、車輌の横加速度の大きさが小さく操舵
角の大きさが大きいときにはステアリングギヤ比の影響
を受け易く、車輌の横加速度の大きさが大きく操舵角の
大きさが小さいときにはスタビリティファクタの影響を
受け易い。
【0014】請求項4の構成によれば、車輌の横加速度
の大きさが小さいときにはステアリングギヤ比の変更が
必要であると判定され、車輌の横加速度の大きさが大き
いときにはスタビリティファクタの変更が必要であると
判定されるので、車輌の基準ヨーレートの演算精度に与
える影響が大きいのはステアリングギヤ比及びステアリ
ングギヤ比の何れであるかが確実に判定される。
【0015】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、車
輌が実質的に過渡旋回状態にあるときには前記ステアリ
ングギヤ比の変更を禁止する手段を有するよう構成され
る(請求項5の構成)。
【0016】一般に、車輌が実質的に過渡旋回状態にあ
るときには等価ステアリングギヤ比を高精度に演算する
ことが困難であるが、請求項5の構成によれば、車輌が
実質的に過渡旋回状態にあるときにはステアリングギヤ
比の変更が禁止されるので、等価ステアリングギヤ比が
不正確に演算され、ステアリングギヤ比が不正確な等価
ステアリングギヤ比に変更されることが確実に防止され
る。
【0017】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前
記等価ステアリングギヤ比を演算する手段は車輌が実質
的に定常旋回状態にあるときに車輌の状態量に基づき等
価ステアリングギヤ比を演算し、前記ステアリングギヤ
比を変更する手段は前記等価ステアリングギヤ比が演算
された後も所定の時間車輌が実質的に定常旋回状態にあ
るときに車輌の状態量に基づき前記ステアリングギヤ比
を前記演算された等価ステアリングギヤ比に変更するよ
う構成される(請求項6の構成)。
【0018】請求項6の構成によれば、車輌が実質的に
定常旋回状態にあるときに車輌の状態量に基づき等価ス
テアリングギヤ比が演算され、等価ステアリングギヤ比
が演算された後も所定の時間車輌が実質的に定常旋回状
態にあるときに車輌の状態量に基づきステアリングギヤ
比が演算された等価ステアリングギヤ比に変更されるの
で、車輌が実質的に過渡旋回状態にある状況に於いてス
テアリングギヤ比が演算された等価ステアリングギヤ比
に変更されることが一層確実に防止される。
【0019】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前
記基準ヨーレートは車輌の挙動制御に使用され、前記ス
テアリングギヤ比の変更が未了であるときには前記挙動
制御の開始の閾値を高くする手段を有するよう構成され
る(請求項7の構成)。
【0020】一般に、ステアリングギヤ比の変更が必要
であるときには、変更前のステアリングギヤ比を使用し
て演算される基準ヨーレートは不正確であり、従って基
準ヨーレートが車輌の挙動制御に使用される場合に於い
てステアリングギヤ比の変更が未了であるときには、不
正確な基準ヨーレートを使用して不正確な挙動制御が行
われることが回避されることが好ましい。
【0021】請求項7の構成によれば、基準ヨーレート
が車輌の挙動制御に使用され、ステアリングギヤ比の変
更が未了であるときには挙動制御の開始の閾値が高くさ
れるので、不正確な基準ヨーレートを使用して不正確な
挙動制御が行われることが回避される。
【0022】また本発明によれば、上述の副次的課題を
効果的に達成すべく、上記請求項2の構成に於いて、前
記スタビリティファクタを演算する手段は車輌が実質的
に定常旋回状態にあるときに車輌の状態量に基づきスタ
ビリティファクタを演算し、前記スタビリティファクタ
を変更する手段は前記スタビリティファクタが演算され
た後も所定の時間車輌が実質的に定常旋回状態にあると
きに車輌の状態量に基づき前記スタビリティファクタを
前記演算されたスタビリティファクタに変更するよう構
成される(請求項8の構成)。
【0023】請求項8の構成によれば、車輌が実質的に
定常旋回状態にあるときに車輌の状態量に基づきスタビ
リティファクタが演算され、スタビリティファクタが演
算された後も所定の時間車輌が実質的に定常旋回状態に
あるときに車輌の状態量に基づきスタビリティファクタ
が演算されたスタビリティファクタに変更されるので、
車輌が実質的に過渡旋回状態にある状況に於いてスタビ
リティファクタが演算されたスタビリティファクタに変
更されることが一層確実に防止される。
【0024】また本発明によれば、上述の副次的課題を
効果的に達成すべく、上記請求項2の構成に於いて、前
記基準ヨーレートは車輌の挙動制御に使用され、前記ス
タビリティファクタの変更が未了であるときには前記挙
動制御の開始の閾値を高くする手段を有するよう構成さ
れる(請求項9の構成)。
【0025】一般に、スタビリティファクタの変更が必
要であるときには、変更前のスタビリティファクタを使
用して演算される基準ヨーレートは不正確であり、従っ
て基準ヨーレートが車輌の挙動制御に使用される場合に
於いてスタビリティファクタの変更が未了であるときに
は、不正確な基準ヨーレートを使用して不正確な挙動制
御が行われることが回避されることが好ましい。
【0026】請求項9の構成によれば、基準ヨーレート
が車輌の挙動制御に使用され、スタビリティファクタの
変更が未了であるときには挙動制御の開始の閾値が高く
されるので、不正確な基準ヨーレートを使用して不正確
な挙動制御が行われることが回避される。
【0027】
【課題解決手段の好ましい態様】本発明の一つの好まし
い態様によれば、上記請求項1の構成に於いて、基準ヨ
ーレート演算装置は車輌の横加速度及び操舵角に基づき
ステアリングギヤ比及びスタビリティファクタを使用し
て車輌の基準ヨーレートを演算するよう構成される(好
ましい態様1)。
【0028】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様1の構成に於いて、基準ヨーレー
ト演算装置はGy を車輌の横加速度とし、θを操舵角と
し、Ns をステアリングギヤ比とし、Lを車輌のホイ
ールベースとし、Kh をスタビリティファクタとし、V
x を車輌の前後速度として下記の式(1)に従って車
輌の基準ヨーレートγt を演算するよう構成される(好
ましい態様2)。
【0029】
【数1】
【0030】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項1の構成に於いて、等価ステアリングギ
ヤ比を演算する手段は下記の式(2)に従って等価ステ
アリングギヤ比Nseを演算するよう構成される(好まし
い態様3)。
【0031】
【数2】
【0032】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様3の構成に於いて、等価ステアリ
ングギヤ比を演算する手段は下記の式(2)に従って演
算される等価ステアリングギヤ比Nseの所定の時間T11
に亘る積算値Nsiを演算し、積算値NsiをT11にて除算
した値を変更用の等価ステアリングギヤ比Nsaとして演
算するよう構成される(好ましい態様4)。
【0033】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項1の構成に於いて、ステアリングギヤ比
を変更する手段は車輌の横加速度及び操舵角に基づきス
テアリングギヤ比を演算された等価ステアリングギヤ比
に変更するよう構成される(好ましい態様5)。
【0034】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項2の構成に於いて、スタビリティファク
タを演算する手段は下記の式(3)に従ってスタビリテ
ィファクタKh を演算するよう構成される(好ましい態
様6)。
【0035】
【数3】
【0036】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様6の構成に於いて、スタビリティ
ファクタを演算する手段は下記の式(3)に従って演算
されるスタビリティファクタKh の所定の時間T21に亘
る積算値Khiを演算し、積算値KhiをT21にて除算した
値を変更用のスタビリティファクタKh として演算する
よう構成される(好ましい態様7)。
【0037】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項3の構成に於いて、判定手段は車輌の横
加速度及び操舵角に基づきステアリングギヤ比及びスタ
ビリティファクタの何れの変更が必要であるかを判定す
るよう構成される(好ましい態8)。
【0038】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項4の構成に於いて、判定手段は操舵角の
大きさが大きいときにはステアリングギヤ比の変更が必
要であると判定し、車輌の横加速度の大きさが大きいと
きにはスタビリティファクタの変更が必要であると判定
するよう構成される(好ましい態様9)。
【0039】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様9の構成に於いて、判定手段はγ
min を正の定数として下記の式(4)が成立するときに
ステアリングギヤ比の変更が必要であると判定するよう
構成される(好ましい態様10)。
【0040】
【数4】
【0041】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様9の構成に於いて、判定手段はγ
min を正の定数として下記の式(5)が成立するときに
スタビリティファクタの変更が必要であると判定するよ
う構成される(好ましい態様11)。
【0042】
【数5】
【0043】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項5の構成に於いて、ステアリングギヤ比
の変更を禁止する手段は車輪のグリップ状態が非線形領
域にあるときにはステアリングギヤ比の変更を禁止する
よう構成される(好ましい態様12)。
【0044】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項5の構成に於いて、車輌が実質的に過渡
旋回状態にあるときにはスタビリティファクタの変更を
禁止する手段を有するよう構成される(好ましい態様1
3)。
【0045】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様13の構成に於いて、スタビリテ
ィファクタの変更を禁止する手段は車輪のグリップ状態
が非線形領域にあるときにはスタビリティファクタの変
更を禁止するよう構成される(好ましい態様14)。
【0046】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照しつつ、本
発明を好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0047】図1は本発明による車輌の基準ヨーレート
演算装置の一つの実施形態を示す概略構成図である。
【0048】図1に於て、10FL及び10FRはそれぞれ
車輌12の左右の前輪を示し、10RL及び10RRはそれ
ぞれ車輌の駆動輪である左右の後輪を示している。従動
輪であり操舵輪でもある左右の前輪10FL及び10FRは
運転者によるステアリングホイール14の転舵に応答し
て駆動されるラック・アンド・ピニオン式のパワーステ
アリング装置16によりタイロッド18L 及び18R を
介して操舵される。
【0049】各車輪の制動力は制動装置20の油圧回路
22によりホイールシリンダ24FR、24FL、24RR、
24RLの制動圧が制御されることによって制御されるよ
うになっている。図には示されていないが、油圧回路2
2はリザーバ、オイルポンプ、種々の弁装置等を含み、
各ホイールシリンダの制動圧は通常時には運転者による
ブレーキペダル26の踏み込み操作に応じて駆動される
マスタシリンダ28により制御され、また必要に応じて
挙動制御装置30により制御される。
【0050】挙動制御装置30は車輌の基準ヨーレート
γt その他の状態量に基づき車輌のスピン状態やドリフ
トアウト状態の如き不安定度合を示す状態量を演算し、
該状態量が予め設定された閾値を越えたときには油圧回
路22を介して各輪の制動力を制御し、これにより車輌
に減速度若しくはヨーモーメントを与えて車輌の挙動を
安定化させる。尚挙動制御自体は本発明の要旨をなすも
のではなく、車輌の不安定度合を示す状態量が予め設定
された閾値を越えたときに挙動制御が実行される限り、
当技術分野に於いて周知の任意の態様にて行われてよ
い。
【0051】ステアリングホイール14が連結されたス
テアリングコラムには操舵角θを検出する操舵角センサ
32が設けられており、また車輌12にはそれぞれ車輌
のヨーレートγを検出するヨーレートセンサ34、横加
速度Gy を検出する横加速度センサ36、車速Vを検出
する車速センサ38が設けられている。尚操舵角センサ
32、ヨーレートセンサ34及び横加速度センサ36は
車輌の左旋回方向を正としてそれぞれ操舵角、ヨーレー
ト及び横加速度を検出する。
【0052】図示の如く、操舵角センサ32により検出
された操舵角θを示す信号、ヨーレートセンサ34によ
り検出されたヨーレートγを示す信号、横加速度センサ
36により検出された横加速度Gy を示す信号、車速セ
ンサ38により検出された車速Vを示す信号は基準ヨー
レート演算制御装置40に入力される。尚図には詳細に
示されていないが、基準ヨーレート演算制御装置40は
例えばCPUとROMとRAMと入出力ポート装置とを
有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続
された一般的な構成のマイクロコンピュータを含んでい
る。また基準ヨーレート演算制御装置40は挙動制御装
置30の一部であってもよい。
【0053】基準ヨーレート演算制御装置40は、後述
の如く図2に示されたフローチャートに従い、ステアリ
ングギヤ比Ns 又はスタビリティファクタKh を変更す
る必要があるか否かを判定し、何れの変更も必要でない
ときにはステアリングギヤ比Ns 及びスタビリティファ
クタKh をそれぞれ前回値Nsf及びKhfに設定して車輌
の基準ヨーレートγt を演算する。また基準ヨーレート
演算制御装置40は、ステアリングギヤ比Ns の変更の
必要があるときには等価ステアリングギヤ比としてステ
アリングギヤ比Ns の補正値Nsaを演算し、スタビリテ
ィファクタKhの変更の必要があるときにはスタビリテ
ィファクタKh の補正値Khaを演算し、ステアリングギ
ヤ比の補正値Kha若しくはスタビリティファクタの補正
値Khaを使用して車輌の基準ヨーレートγtを演算す
る。
【0054】また基準ヨーレート演算制御装置40は、
車輌の挙動制御を行う挙動制御装置30に対し基準ヨー
レートγtを示す信号を出力するが、ステアリングギヤ
比Ns又はスタビリティファクタKh の演算開始後であ
ってそれらの変更前の状況に於いては、挙動制御装置3
0に対し挙動制御の開始判定の閾値を増大させる指令信
号を出力する。
【0055】次に図2に示されたフローチャートを参照
して図示の実施形態に於ける車輌の基準ヨーレート演算
制御について説明する。尚図2に示されたフローチャー
トによる制御は図には示されていないイグニッションス
イッチの閉成により開始され、所定の時間毎に繰返し実
行される。
【0056】まずステップ10に於いては操舵角センサ
32により検出された操舵角θ等を示す信号の読み込み
が行われ、ステップ20に於いては車輌が過渡旋回状態
(車輌が狭義の過渡旋回状態にある状況若しくは車輪の
グリップ状態が非線形領域にある状況)にあるか否かの
判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのままス
テップ40へ進み、肯定判別が行われたときにはステッ
プ30に於いて第一及び第二のタイマT1 及びT2 のカ
ウント値T1 及びT2 、スタビリティファクタKh の積
算値Khi、ステアリングギヤ比Ns の積算値Nsiがリセ
ットされた後ステップ40へ進む。
【0057】尚車輌が狭義の過渡旋回状態にあるか否か
の判別は例えば操舵角θの絶対値が基準値θo (正の定
数)を越えているか否かの判別により行われてよく、ま
た車輪のグリップ状態が非線形領域にあるか否かの判別
は例えば前回演算された基準ヨーレートγt と実ヨーレ
ートγとの偏差の絶対値が基準値γo (正の定数)を越
えているか否かの判別により行われてよい。
【0058】ステップ40に於いては上記式(4)が成
立しているか否かの判別により操舵角θの大きさが大き
いか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときには
ステップ110へ進み、肯定判別が行われたときにはス
テップ50に於いて第一のタイマのカウント値T1 が図
2に示されたフローチャートのサイクルタイムに相当す
る値ΔTだけインクリメントされる。
【0059】ステップ60に於いては第一のタイマのカ
ウント値T1 がその第一の基準値T11未満であるか否か
の判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのまま
ステップ80へ進み、肯定判別が行われたときにはステ
ップ70に於いて上記式(2)に従ってステアリングギ
ヤ比Ns が演算されると共にその積算値Nsiが演算され
る。
【0060】ステップ80に於いては第一のタイマのカ
ウント値T1 がその第二の基準値T12以上であるか否か
の判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ
190へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ9
0に於いて下記の(6)に従ってステアリングギヤ比N
s の補正値Nsaが演算されると共に、ステアリングギヤ
比Ns が補正値Nsaに変更され、ステップ100に於い
てタイマのカウント値T1 及びステアリングギヤ比の積
算値Nsiがそれぞれ0にリセットされる。
【0061】 Nsa=Nsi/T11 ……(6) ステップ110に於いては上記式(5)が成立している
か否かの判別により車輌の横加速度Gy の大きさが大き
いか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときには
ステップ160へ進み、肯定判別が行われたときにはス
テップ120に於いて第二のタイマのカウント値T2 が
ΔTインクリメントされる。
【0062】ステップ130に於いては第二のタイマの
カウント値T2 がその第一の基準値T21未満であるか否
かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのま
まステップ150へ進み、肯定判別が行われたときには
ステップ140に於いて上記式(3)に従ってスタビリ
ティファクタKh が演算されると共にその積算値Khiが
演算される。
【0063】ステップ150に於いては第二のタイマの
カウント値T2 がその第二の基準値T22以上であるか否
かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステッ
プ160に於いてステアリングギヤ比Ns 及びスタビリ
ティファクタKh がそれぞれ前回値Nsf及びKhfに設定
され、肯定判別が行われたときにはステップ170に於
いて下記の(7)に従ってスタビリティファクタKh の
補正値Khaが演算されると共に、スタビリティファクタ
Kh が補正値Khaに変更され、ステップ180に於いて
タイマのカウント値T2 及びスタビリティファクタKh
の積算値Khiがそれぞれ0にリセットされる。
【0064】 Kha=Ksi/T21 ……(7) ステップ190に於いては上記式(1)に従って基準ヨ
ーレートγt が演算されると共に、演算された基準ヨー
レートγt を示す信号が挙動制御装置30へ出力され
る。
【0065】次に図3に示されたフローチャートを参照
して図示の実施形態に於ける挙動制御の閾値制御ルーチ
ンについて説明する。尚図3に示されたフローチャート
による制御は割り込みにより実行される。
【0066】まずステップ210に於いては、車速V等
を示す信号の読み込みが行われ、ステップ220に於い
ては1/Kh の平方根をVc (>0)として車速VがV
c を越えているか否かの判別、即ち基準ヨーレートγt
の演算精度に対する影響としてスタビリティファクタの
影響が大きい状況であるかの判別が行われ、否定判別が
行われたときにはステップ240へ進み、肯定判別が行
われたときにはステップ230へ進む。
【0067】ステップ230に於いては第一のタイマの
カウント値T1 が0よりも大きく且つ第二の基準値T12
よりも小さいか否かの判別、即ちスタビリティファクタ
Khの補正が未了であるか否かの判別が行われ、否定判
別が行われたときには車輌の挙動制御のための閾値を標
準値に設定する旨の指令が挙動制御装置30へ出力さ
れ、肯定判別が行われたときにはステップ260に於い
て挙動制御のための閾値を増大設定する旨の指令が挙動
制御装置30へ出力される。
【0068】ステップ240に於いては第二のタイマの
カウント値T2 が0よりも大きく且つその第二の基準値
T22よりも小さいか否かの判別、即ちステアリングギヤ
比Ns の補正が未了であるか否かの判別が行われ、否定
判別が行われたときにはステップ250へ進み、肯定判
別が行われたときにはステップ260へ進む。
【0069】かくして図示の実施形態によれば、ステッ
プ20に於いて車輌が過渡旋回状態にはない旨の判別が
行われると、ステップ40に於いて操舵角θの大きさが
大きく基準ヨーレートγt の演算精度に対するステアリ
ングギヤ比Ns の影響が大きい状況であるか否かの判別
が行われる。
【0070】ステップ40に於いて肯定判別が行われる
と、ステップ50〜70に於いて第一の基準値T11の時
間に亘るステアリングギヤ比Ns の積算値Nsiが演算さ
れ、ステップ80に於いて車輌が過渡旋回状態になるこ
となく更に第二の基準値T12の時間が経過した旨の判別
が行われると、ステップ90に於いてステアリングギヤ
比Ns の補正値Nsaが演算され、ステップ190に於い
て上記式(1)中のステアリングギヤ比Ns が補正値N
saに設定されることにより基準ヨーレートγtが演算さ
れる。
【0071】また図示の実施形態によれば、ステップ2
0に於いて車輌が過渡旋回状態にはない旨の判別が行わ
れ、ステップ40に於いて操舵角θの大きさが小さい旨
の判別が行われると、ステップ110に於いて横加速度
Gy の大きさが大きく基準ヨーレートγt の演算精度に
対するスタビリティファクタKh の影響が大きい状況で
あるか否かの判別が行われる。
【0072】ステップ110に於いて肯定判別が行われ
ると、ステップ120〜140に於いて第一の基準値T
21の時間に亘るスタビリティファクタKh の積算値Khi
が演算され、ステップ150に於いて車輌が過渡旋回状
態になることなく更に第二の基準値T22の時間が経過し
た旨の判別が行われると、ステップ170に於いてスタ
ビリティファクタKh の補正値Khaが演算され、ステッ
プ190に於いて上記式(1)中のスタビリティファク
タKh が補正値Khaに設定されることにより基準ヨーレ
ートγt が演算される。
【0073】更にステップ40に於いて操舵角θの大き
さが小さく基準ヨーレートγt の演算精度に対するステ
アリングギヤ比Ns の影響が小さい状況である旨の判別
が行われ、またステップ110に於いて横加速度Gy の
大きさが小さく基準ヨーレートγt の演算精度に対する
スタビリティファクタKh の影響が小さい状況である旨
の判別が行われると、ステップ160に於いてステアリ
ングギヤ比Ns 及びスタビリティファクタKh は変更さ
れることなくそれぞれ前回値Nsf及びKhfに設定される
ことにより基準ヨーレートγt が演算される。
【0074】従って図示の実施形態によれば、例えばタ
イヤの有効半径が変化した場合の如く操舵角θの大きさ
が大きくステアリングギヤ比Ns が車輌の基準ヨーレー
トの演算精度に影響する状況に於いては、車輌の実際の
状況に応じてステアリングギヤ比Ns が補正され、また
横加速度Gy の大きさが大きく基準ヨーレートγt の演
算精度に対するスタビリティファクタKh の影響が大き
い状況に於いては、車輌の実際の状況に応じてスタビリ
ティファクタKh が補正され、補正後のステアリングギ
ヤ比Ns 若しくはスタビリティファクタKh に基づき基
準ヨーレートγt が演算されるので、車輌の実際の状況
に応じて基準ヨーレートγt を高精度に演算することが
できる。
【0075】特に図示の実施形態によれば、車輌が実質
的に過渡旋回状態にあるときには、ステップ20に於い
て肯定判別が行われ、ステップ30に於いて第一及び第
二のタイマT1 及びT2 のカウント値T1 及びT2 、ス
タビリティファクタKh の積算値Khi、ステアリングギ
ヤ比Ns の積算値Nsiがリセットされ、これによりステ
アリングギヤ比又はスタビリティファクタの変更が禁止
されるので、等価ステアリングギヤ比又はスタビリティ
ファクタが不正確に演算されることに起因して基準ヨー
レートγt が不正確に演算されることを確実に防止する
ことができる。
【0076】また図示の実施形態によれば、第一の基準
値T11の時間に亘るステアリングギヤ比Ns の積算値N
siが演算され、車輌が過渡旋回状態になることなく更に
第二の基準値T12の時間が経過した場合にステアリング
ギヤ比Ns の補正値Nsaが演算され、また第一の基準値
T21の時間に亘るスタビリティファクタKh の積算値K
hiが演算され、車輌が過渡旋回状態になることなく更に
第二の基準値T22の時間が経過した場合にスタビリティ
ファクタKh の補正値Khaが演算されるので、ステップ
80及び150の判別が行われない場合に比して車輌が
実質的に過渡旋回状態にあることに起因して等価ステア
リングギヤ比又はスタビリティファクタが不正確に演算
されること及びこれにより基準ヨーレートγt が不正確
に演算されることを確実に防止することができる。
【0077】例えば図4に示されている如く、時点t1
より時点t8 まで車輌が過渡旋回状態にはない状況が継
続し、時点t2 より時点t3 まで及び時点t4 より時点
t7まで操舵角θの大きさが大きい状況が継続し、第一
のタイマのカウント値T1 が時点t5 に於いて第一の基
準値T11になり時点t6 に於いて第二の基準値T12にな
ったとすると、時点t5 に於いてスタビリティファクタ
Kh の補正値Khaが演算されるのではなく、車輌が過渡
旋回状態になることなく時点t5 より更に所定の時間T
c が経過した時点t6 に於いて初めてスタビリティファ
クタKh の補正値Khaが演算される。
【0078】更に図示の実施形態によれば、ステップ2
30に於いてスタビリティファクタKh の補正が未了で
あるか否かの判別が行われ、またステップ240に於い
てステアリングギヤ比Ns の補正が未了であるか否かの
判別が行われ、スタビリティファクタKh の補正又はス
テアリングギヤ比Ns の補正が未了であるときにはステ
ップ260に於いて車輌の挙動制御のための閾値を標準
値に設定する旨の指令が挙動制御装置30へ出力される
ので、補正の必要がある状況に於いて補正前のスタビリ
ティファクタKh 又はステアリングギヤ比Ns に基づき
演算された基準ヨーレートγt に基づき不必要な挙動制
御や過剰な挙動制御が行われる虞れを確実に低減するこ
とができる。
【0079】以上に於いては本発明を特定の実施形態に
ついて詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限
定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の
実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであ
ろう。
【0080】例えば上述の実施形態に於いては、ステッ
プ40に於いて操舵角θの大きさが小さい旨の判別が行
われたときにステップ110〜180が実行され、必要
に応じてスタビリティファクタKh が補正されるように
なっているが、ステップ40〜100が省略されてもよ
い。
【0081】また上述の実施形態に於いては、ステップ
80に於いて第一のタイマのカウント値T1 がその第二
の基準値T12以上である旨の判別が行われたときにステ
ップ90が実行され、ステップ150に於いて第二のタ
イマのカウント値T2 がその第二の基準値T22以上であ
る旨の判別が行われたときにステップ170が実行され
るようになっているが、ステップ80及び150は省略
されてもよい。
【0082】更に上述の実施形態に於いては、基準ヨー
レートγt は車輌の挙動制御に使用されるようになって
いるが、基準ヨーレートγt は車輌の他の制御に使用さ
れてもよく、その場合にはスタビリティファクタKh の
補正又はステアリングギヤ比Ns の補正が未了であると
きには当該制御のための閾値が高く設定されるよう構成
されてよい。
【0083】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発
明の請求項1の構成によれば、車輌の状態量に基づき等
価ステアリングギヤ比が演算され、車輌の状態量に基づ
きステアリングギヤ比が演算された等価ステアリングギ
ヤ比に変更されるので、タイヤの有効半径が変化した場
合等に於いても車輌の基準ヨーレートを高精度に演算す
ることができる。
【0084】また請求項2の構成によれば、車輌の状態
量に基づき等価ステアリングギヤ比が演算され、車輌の
状態量に基づきステアリングギヤ比が演算された等価ス
テアリングギヤ比に変更されるだけでなく、車輌の状態
量に基づきスタビリティファクタが演算され、車輌の状
態量に基づきスタビリティファクタが演算されたスタビ
リティファクタに変更されるので、車輌の走行状況に応
じてステアリングギヤ比及びスタビリティファクタを適
正に設定し、これにより請求項1の構成の場合に比して
更に一層高精度に車輌の基準ヨーレートを演算すること
ができる。
【0085】また請求項3の構成によれば、車輌の状態
量に基づきステアリングギヤ比及びスタビリティファク
タの何れの変更が必要であるかが判定されるので、車輌
の走行状況に応じてステアリングギヤ比及びスタビリテ
ィファクタを適正に設定することができる。
【0086】また請求項4の構成によれば、車輌の横加
速度の大きさが小さいときにはステアリングギヤ比の変
更が必要であると判定され、車輌の横加速度の大きさが
大きいときにはスタビリティファクタの変更が必要であ
ると判定されるので、車輌の基準ヨーレートの演算精度
に与える影響が大きいのはステアリングギヤ比及びステ
アリングギヤ比の何れであるかを確実に判定することが
できる。
【0087】また請求項5の構成によれば、車輌が実質
的に過渡旋回状態にあるときにはステアリングギヤ比の
変更が禁止されるので、等価ステアリングギヤ比が不正
確に演算され、ステアリングギヤ比が不正確な等価ステ
アリングギヤ比に変更されることを確実に防止すること
ができる。
【0088】また請求項6の構成によれば、車輌が実質
的に定常旋回状態にあるときに車輌の状態量に基づき等
価ステアリングギヤ比が演算され、等価ステアリングギ
ヤ比が演算された後も所定の時間車輌が実質的に定常旋
回状態にあるときに車輌の状態量に基づきステアリング
ギヤ比が演算された等価ステアリングギヤ比に変更され
るので、車輌が実質的に過渡旋回状態にある状況に於い
てステアリングギヤ比が演算された等価ステアリングギ
ヤ比に変更されることを一層確実に防止することができ
る。
【0089】また請求項7の構成によれば、基準ヨーレ
ートが車輌の挙動制御に使用され、ステアリングギヤ比
の変更が未了であるときには挙動制御の開始の閾値が高
くされるので、不正確な基準ヨーレートを使用して不正
確な挙動制御が行われることを回避することができる。
【0090】また請求項8の構成によれば、車輌が実質
的に定常旋回状態にあるときに車輌の状態量に基づきス
タビリティファクタが演算され、スタビリティファクタ
が演算された後も所定の時間車輌が実質的に定常旋回状
態にあるときに車輌の状態量に基づきスタビリティファ
クタが演算されたスタビリティファクタに変更されるの
で、車輌が実質的に過渡旋回状態にある状況に於いてス
タビリティファクタが演算されたスタビリティファクタ
に変更されることを一層確実に防止することができる。
【0091】更に請求項9の構成によれば、基準ヨーレ
ートが車輌の挙動制御に使用され、スタビリティファク
タの変更が未了であるときには挙動制御の開始の閾値が
高くされるので、不正確な基準ヨーレートを使用して不
正確な挙動制御が行われることを回避することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車輌の基準ヨーレート演算装置の
一つの好ましい実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図示の実施形態に於ける基準ヨーレート演算ル
ーチンを示すフローチャートである。
【図3】図示の実施形態に於ける挙動制御の閾値制御ル
ーチンを示すフローチャートである。
【図4】図示の実施形態に於けるステアリングギヤ比の
積算値Nsi等の変化の一例を示すタイムチャートであ
る。
【符号の説明】
10FR〜10RL…車輪 20…制動装置 28…マスタシリンダ 30…挙動制御装置 32…操舵角センサ 34…ヨーレートセンサ 36…横加速度センサ 38…車速センサ 40…基準ヨーレート演算制御装置
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B62D 113:00 137:00 Fターム(参考) 3D032 CC30 DA03 DA16 DA23 DA29 DA33 DC09 DC10 DC33 DC35 DD02 DE09 EA06 EB16 FF01 GG01 3D045 BB40 GG00 GG25 GG26 GG27 3D046 BB00 BB21 HH00 HH08 HH22 HH25

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車輌の状態量を検出する手段を有し、車輌
    の状態量に基づきステアリングギヤ比及びスタビリティ
    ファクタを使用して車輌の基準ヨーレートを演算する車
    輌の基準ヨーレート演算装置にして、車輌の状態量に基
    づき等価ステアリングギヤ比を演算する手段と、車輌の
    状態量に基づき前記ステアリングギヤ比を前記演算され
    た等価ステアリングギヤ比に変更する手段とを有するこ
    とを特徴とする車輌の基準ヨーレート演算装置。
  2. 【請求項2】車輌の状態量に基づきスタビリティファク
    タを演算する手段と、車輌の状態量に基づき前記スタビ
    リティファクタを前記演算されたスタビリティファクタ
    に変更する手段とを有することを特徴とする請求項1に
    記載の車輌の基準ヨーレート演算装置。
  3. 【請求項3】車輌の状態量に基づき前記ステアリングギ
    ヤ比及び前記スタビリティファクタの何れの変更が必要
    であるかを判定する判定手段を有することを特徴とする
    請求項2に記載の車輌の基準ヨーレート演算装置。
  4. 【請求項4】前記判定手段は車輌の横加速度の大きさが
    小さいときには前記ステアリングギヤ比の変更が必要で
    あると判定し、車輌の横加速度の大きさが大きいときに
    は前記スタビリティファクタの変更が必要であると判定
    することを特徴とする請求項3に記載の車輌の基準ヨー
    レート演算装置。
  5. 【請求項5】車輌が実質的に過渡旋回状態にあるときに
    は前記ステアリングギヤ比の変更を禁止する手段を有す
    ることを特徴とする請求項1に記載の車輌の基準ヨーレ
    ート演算装置。
  6. 【請求項6】前記等価ステアリングギヤ比を演算する手
    段は車輌が実質的に定常旋回状態にあるときに車輌の状
    態量に基づき等価ステアリングギヤ比を演算し、前記ス
    テアリングギヤ比を変更する手段は前記等価ステアリン
    グギヤ比が演算された後も所定の時間車輌が実質的に定
    常旋回状態にあるときに車輌の状態量に基づき前記ステ
    アリングギヤ比を前記演算された等価ステアリングギヤ
    比に変更することを特徴とする請求項1に記載の車輌の
    基準ヨーレート演算装置。
  7. 【請求項7】前記基準ヨーレートは車輌の挙動制御に使
    用され、前記ステアリングギヤ比の変更が未了であると
    きには前記挙動制御の開始の閾値を高くする手段を有す
    ることを特徴とする請求項1に記載の車輌の基準ヨーレ
    ート演算装置。
  8. 【請求項8】前記スタビリティファクタを演算する手段
    は車輌が実質的に定常旋回状態にあるときに車輌の状態
    量に基づきスタビリティファクタを演算し、前記スタビ
    リティファクタを変更する手段は前記スタビリティファ
    クタが演算された後も所定の時間車輌が実質的に定常旋
    回状態にあるときに車輌の状態量に基づき前記スタビリ
    ティファクタを前記演算されたスタビリティファクタに
    変更することを特徴とする請求項2に記載の車輌の基準
    ヨーレート演算装置。
  9. 【請求項9】前記基準ヨーレートは車輌の挙動制御に使
    用され、前記スタビリティファクタの変更が未了である
    ときには前記挙動制御の開始の閾値を高くする手段を有
    することを特徴とする請求項2に記載の車輌の基準ヨー
    レート演算装置。
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