JP3686521B2 - 車両の挙動制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の挙動制御装置に関するものであり、特に、走行時における車両のドリフトアウトやスピン等の異常な車両挙動を抑制するための車両の挙動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両のドリフトアウトやスピンの発生を検出して該ドリフトアウトやスピンを抑制するように車両の挙動を制御する挙動制御装置において、特に車両の横滑りを低減させて安定した走行を目標に制御する、車両の横方向の安定制御が行われていた。例えば、特開平5−221300号公報では、車両の横方向の加速度(以下、横加速度と呼ぶ)Gy、車両速度V及びヨーレートセンサから得られた車両のヨーレートγから、車両重心点における車両横滑り角βの変化速度β'を算出し、該変化速度β'を用いて車両のヨーイングモーメントを制御する車両運動制御装置が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように、車両横滑り角βの変化速度β'は、安価なセンサである横加速度センサ、車速センサ及びヨーレートセンサを用いて検出することができ、安価に車両運動制御が実現できるとされている。ここで、横加速度センサは、車両の旋回状態により発生する横加速度Gyを検出する。しかし、車両に対して横方向に傾斜している路面を車両が走行する場合、車両が旋回状態にないにもかかわらず、横加速度センサは横加速度Gyを検出するため、車両横滑り角変化速度β'が誤計算されるという問題があった。また、この問題は、車両が旋回走行中に走行路面の横方向への傾斜が変化した場合においても、横加速度Gyが正しく判別されず、結果的に車両横滑り角変化速度β'を誤った値に算出してしまうという問題があった。
【0004】
このように、車両が走行している路面の傾斜が徐々に発生した場合、横加速度センサで検出した横加速度Gyが実際の値から変化するため、算出される車両横滑り角変化速度β'は、本来の期待する値に対して次第にオフセットを持つようになる。このような場合、車両横滑り角変化速度β'に発生するオフセットを徐々にキャンセルする低周波の補正値を用いて補正することにより、車両横滑り角変化速度β'に発生するオフセットをキャンセルすることができる。しかし、車両が走行している路面の傾斜が急に変化した場合、上記低周波の補正値を用いても車両横滑り角変化速度β'の誤差を吸収することができず、正常な車両挙動制御ができないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、車両が走行している路面が、緩やかに傾斜した場合のみならず急に傾斜した場合においても、車両横滑り角変化速度の誤差を補正して正常な車両挙動制御が行える車両の挙動制御装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る車両の挙動制御装置は、各種センサから得られたデータを基にして算出される車両の横滑り角変化速度から、車両のオーバステアの判定を行い、オーバステア状態にあると判定すると所定の制動力制御及び駆動力制御を行って車両のオーバステア制御を行う挙動制御装置において、各種センサからのデータより車両の不安定状態を判定すると共に車両の横滑り角変化速度を算出し、該算出した横滑り角変化速度と車両のオーバステア状態を判定するためのしきい値とを比較して車両のオーバステアを判定する車両状態演算部と、該車両状態演算部による判定に従って所定の制動力制御を行う制動力制御部と、車両状態演算部による判定に従って所定の駆動力制御を行う駆動力制御部とを備え、車両状態演算部は、車両が不安定状態ではないと判定したときに、算出した車両の横滑り角変化速度が所定値を超えると、該算出した車両の横滑り角変化速度に対して補正を行うものである。
【0007】
具体的には、車両状態演算部は、ステアリングの操舵角を検出する舵角センサより得られたステアリング舵角を用いて算出したヨーレートとヨーレートセンサより得られたヨーレートとの差の絶対値が所定値k2未満のとき、車両が不安定状態ではないと判定する。
【0008】
更に、車両状態演算部は、ステアリング舵角より算出したヨーレートとヨーレートセンサより得られたヨーレートとの差の絶対値が所定値k2以上の状態が所定の時間続くと、車両が不安定状態にあると判定し、算出した車両の横滑り角変化速度に対して補正を行わないようにする。
【0009】
また、車両状態演算部は、車両が不安定状態ではないと判定すると共に算出した横滑り角変化速度の絶対値が所定値k3を超えると、算出した車両の横滑り角変化速度に対して補正を行う。
【0010】
更に、車両状態演算部は、車両が不安定状態ではないと判定すると共に算出した横滑り角変化速度の絶対値が所定値k3よりも大きい所定値k4を超えると、制動力制御部及び駆動力制御部に対してオーバステア制御の開始を禁止する。
【0011】
更に、車両状態演算部は、車両が不安定状態ではないと判定すると共に算出した横滑り角変化速度の絶対値が所定値k3以下の場合、算出した車両の横滑り角変化速度に対して補正を行わない。
【0012】
具体的には、車両状態演算部は、算出した車両の横滑り角変化速度に対して、該横滑り角変化速度に0<k5<1の所定値k5をかけた値を減算して補正する。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、図面に示す実施の形態に基づいて、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における車両の挙動制御装置の例を示した概略のブロック図である。
【0014】
図1において、車両の挙動制御装置1は、各車輪の車輪速度を検出する車輪速センサ2、ステアリングの操舵角を検出する舵角センサ3、車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサ4、マスタシリンダのブレーキ液圧を検出するMC液圧センサ5、スロットル開度を検出するスロットルセンサ6及び車両の横方向の加減速度を検出する横Gセンサ7の各種センサと、該各センサからの入力信号より車両の状態を判定するための様々なデータを算出すると共に該算出したデータから、オーバステア状態を解消するように行われる制御であるオーバステア制御の実施判定を行う車両状態演算部8とを備えている。
【0015】
更に、車両の挙動制御装置1は、車両状態演算部8からの様々なデータ及び各種判定から各車輪に対する制動力の制御量を算出する制動力演算部9と、車両状態演算部8からの各データ及び各種判定から駆動力の制御量を算出する駆動力演算部10と、制動力演算部9で算出された制動力の制御量から各車輪のブレーキ制御を行うブレーキアクチュエータ11と、駆動力演算部10で算出された駆動力の制御量からスロットルの制御を行うスロットルアクチュエータ12とを備えている。
【0016】
車輪速センサ2、舵角センサ3、ヨーレートセンサ4、MC液圧センサ5、スロットルセンサ6及び横Gセンサ7は、それぞれ車両状態演算部8に接続され、該車両状態演算部8は制動力演算部9及び駆動力演算部10にそれぞれ接続され、制動力演算部9はブレーキアクチュエータ11に、駆動力演算部10はスロットルアクチュエータ12に接続されている。なお、制動力演算部9及びブレーキアクチュエータ11は制動力制御部をなし、駆動力演算部10及びスロットルアクチュエータ12は駆動力制御部をなしている。
【0017】
このような構成において、車両状態演算部8は、車輪速センサ2からの入力信号より得られた各車輪の車輪速度から車体速度Vを算出すると共に、舵角センサ3からの入力信号よりステアリング舵角δを、ヨーレートセンサ4からの入力信号より車両の実際のヨーレートである実ヨーレートγを、スロットルセンサ6からの入力信号よりスロットル開度を、横Gセンサ7からの入力信号より横方向の加速度(以下、横加速度と呼ぶ)Gyをそれぞれ得る。
【0018】
車両状態演算部8は、横Gセンサ7から得られた横加速度Gy、算出した車体速度V及びヨーレートセンサ4から得られた実ヨーレートγから、下記(1)式を用いて車両重心点における車両横滑り角βの変化速度(以下、横滑り変化速度と呼ぶ)β'を算出する。
β'=dβ/dt=Gy/V−γ………………………(1)
【0019】
次に、車両状態演算部8は、車両が走行している路面の傾斜が徐々に発生した場合、横Gセンサ7で検出した横加速度Gyが実際の値から変化する。このことによって、上記(1)式で算出した横滑り角変化速度β'は、本来の期待する値に対して次第にオフセットを持つようになる。そこで、車両状態演算部8は、上記(1)式で算出した横滑り角変化速度β'に発生するオフセットを、徐々にキャンセルして補正する低周波の補正値を算出する。
【0020】
上記低周波の補正値である低周波フィルタ値β'_off(n)の算出方法は公知であり、車両状態演算部8は、例えば低周波フィルタ値β'_off(n)を下記(2)式より算出する。なお、β'_off(n)におけるnは、自然数であり制御サイクル数を示している。
β'_off(n)=β'_off(n−1)×(k1−1)/k1+β'/k1 ………(2)
上記(2)式において、k1は定数であり、β'_off(n)は、今回の制御サイクルにおける低周波フィルタ値であり、β'_off(n−1)は、前回の制御サイクルにおける低周波フィルタ値である。また、最初の制御サイクル、すなわちn=1の場合、β'_off(0)=0とする。
【0021】
上記(2)式より算出された低周波フィルタ値β'_off(n)は、車両が走行している路面の傾斜が徐々に発生したときに有効であるが、車両が走行している路面の傾斜が急に発生したときには、横滑り角変化速度β'を十分に補正することができない。そこで、車両状態演算部8は、車両が走行している路面の傾斜が急に発生した場合、上記低周波フィルタ値β'_off(n)で補正すると共に、横滑り角変化速度補正値β'_cantを算出し、該算出した横滑り角変化速度補正値β'_cantを用いて更に横滑り角変化速度β'の補正を行う。
【0022】
また、車両状態演算部8は、車両が不安定な状態にある場合、上記横滑り角変化速度補正値β'_cantを0にし、横滑り角変化速度補正値β'_cantを用いた横滑り角変化速度β'の補正を行わないようにする。ここで、車両状態演算部8は、車両が不安定状態にあるか否かの判断を、ヨーレートセンサ4から得られた実ヨーレートγと、上記各センサから得られた値の内、車体速度V及びステアリング舵角δを用いて下記(3)式より算出したヨーレートの舵角ヨーレートSTYAWとを用いて行う。
STYAW=V×δ/{(1+A×V2)×L}………………(3)
なお、上記(3)式において、Aは車両に起因する定数であり、Lはホイールベースを示す定数である。
【0023】
車両状態演算部8は、実ヨーレートγと舵角ヨーレートSTYAWとの差の絶対値が所定値k2、例えば0.1rad/sec以上である状態が所定時間t1の間続くと、車両が不安定な状態にあると判断する。これは、車両が凹凸のある路面を走行した場合、該凹凸によって車両が揺れ、車両が不安定な状態ではないにもかかわらず、実ヨーレートγと舵角ヨーレートSTYAWとの差の絶対値が瞬間的に所定値k2以上になり、車両状態演算部8が、車両が不安定な状態にあると誤判断することを防止するためである。
【0024】
一方、車両状態演算部8は、車両が安定した状態にあると判断すると、横滑り角変化速度補正値β'_cantの算出を行う。次に、車両状態演算部8による横滑り角変化速度補正値β'_cantの算出方法について説明する。
車両状態演算部8は、上記(1)式で算出した横滑り角変化速度β'と、上記(2)式で算出した低周波フィルタ値β'_off(n)との差の絶対値が、所定値k3、例えば0.06rad/secを超えると共に該所定値k3よりも大きい所定値k4、例えば0.12rad/sec以下の場合、横滑り角変化速度補正値β'_cantを下記(4)式を用いて算出する。
β'_cant=k5×{β'−β'_off(n)} ………………(4)
なお、上記(4)式において、k5は0<k5<1の定数である。
【0025】
また、車両状態演算部8は、上記(1)式で算出した横滑り角変化速度β'と、上記(2)式で算出した低周波フィルタ値β'_off(n)との差の絶対値が、所定値k3以下の場合、横滑り角変化速度補正値β'_cantを0に設定する。更に、車両状態演算部8は、横滑り角変化速度β'と、低周波フィルタ値β'_off(n)との差の絶対値が、所定値k4を超える場合、横滑り角変化速度補正値β'_cantを下記(5)式を用いて算出する。
β'_cant=β'−β'_off(n)…………………………(5)
【0026】
車両状態演算部8は、上記のようにして算出した低周波フィルタ値β'_off(n)及び横滑り角変化速度補正値β'_cantを用いて下記(6)式より補正後の横滑り角変化速度corβ'を算出する。
corβ'=β'−β'_off−β'_cant……………………(6)
【0027】
ここで、車両が、傾斜していない平坦な路面を旋回することなく直進している場合、横滑り角変化速度β'は0となり、低周波フィルタ値β'_off(n)は0に収束していく。また、車両が、傾斜していない平坦な路面を旋回して横滑りが発生する場合、横滑り角変化速度β'は速く大きくなるのに対して、低周波フィルタ値β'_off(n)は非常にゆっくりと大きくなる。これらのことから、傾斜していない平坦な路面を車両が走行している場合においても、車両状態演算部8が低周波フィルタ値β'_off(n)を用いた補正を行っても問題となるような影響はない。
【0028】
次に、車両状態演算部8は、上記(6)式より算出した補正後の横滑り角変化速度corβ'からオーバステア制御の実施判定を行う。具体的には、車両状態演算部8は、補正後の横滑り角変化速度corβ'の絶対値がオーバステアしきい値Thosを超えるとオーバステア制御を開始する判定を行い、補正後の横滑り角変化速度corβ'の絶対値がオーバステアしきい値Thos未満の場合、オーバステア制御を開始しない判定を行う。
【0029】
例えば、ヨーレートセンサ4の極性が左回りのときに正、右回りのときに負とすると、車両状態演算部8は、車両が左旋回を行っている場合、算出した補正後の横滑り角変化速度corβ'が、負の値であるオーバステアしきい値Thosを超えるとオーバステア制御を開始する判定を行う。また、車両が右旋回を行っている場合、車両状態演算部8は、算出した補正後の横滑り角変化速度corβ'が、正の値であるオーバステアしきい値Thos未満であるとオーバステア制御を開始する判定を行う。これらのことから、車両状態演算部8は、横滑り角変化速度補正値β'_cantを上記(5)式のように設定するということは、上記(6)式よりcorβ'=0になるということであり、オーバステア制御の開始を禁止することになる。
【0030】
制動力演算部9は、車両状態演算部8で算出された各データ及びオーバステア制御実施判定から各車輪の制動力の制御量を算出してブレーキアクチュエータ11の制御を行う。また、駆動力演算部10は、車両状態演算部8で算出された各データ及びオーバステア制御実施判定から駆動力の制御量を算出してスロットルアクチュエータ12の制御を行う。オーバステア制御として、制動力演算部9は、外前輪に制動力をかけるように外前輪にかける制動量を算出すると同時に、駆動力演算部10は、所定の方法で駆動量を算出し、例えば駆動力を減少させるようにする。
【0031】
次に、図2は、図1で示した車両の挙動制御装置1の動作例を示したフローチャートであり、図3及び図4は、図2における横滑り角変化速度β'の補正を行うルーチンを示したフローチャートである。図2から図4を用いて車両の挙動制御装置1の動作についてもう少し詳細に説明する。なお、特に明記しない限り、図2から図4で行われる処理はすべて車両状態演算部8で行われるものである。
【0032】
図2において、ステップS1で、車輪速センサ2からの入力信号より得られる各車輪の車輪速度から車体速度Vを算出すると共に、舵角センサ3からの入力信号よりステアリング舵角δを、ヨーレートセンサ4からの入力信号より実ヨーレートγを、スロットルセンサ6からの入力信号よりスロットル開度を、横Gセンサ7からの入力信号より横加速度Gyをそれぞれ得る。次に、ステップS2で、横滑り角変化速度β'の補正を行う。
【0033】
ここで、上記ステップS2で示した車両状態演算部8による横滑り角変化速度β'の補正処理の例を図3及び図4のフローチャートを用いて説明する。
図3において、最初にステップS11で、上記(3)式より舵角ヨーレートSTYAWを算出する。次にステップS12で、上記(1)式を用いて横滑り角変化速度β'を算出し、ステップS13で、上記(2)式より今回の制御サイクルにおける低周波フィルタ値β'_off(n)を算出して、ステップS14に進む。ステップS14で、実ヨーレートγと舵角ヨーレートSTYAWとの差の絶対値が所定値k2未満であるか否かを調べ、所定値k2未満の場合(YES)、ステップS15に進む。
【0034】
ステップS15で、内蔵するカウントダウン方式のタイマ(図示せず)のカウンタ値cotim1をリセットして初期値である30に設定した後、ステップS17に進む。なお、カウンタ値cotim1が初期値30から最小値0までカウントダウンするのに要する時間は、例えば0.24秒である。また、ステップS14で、実ヨーレートγと舵角ヨーレートSTYAWとの差の絶対値が所定値k2未満でない場合(NO)、ステップS16に進み、ステップS16で、カウンタ値cotim1をデクリメントした後、ステップS17に進む。ステップS17で、カウンタ値cotim1が0でないか否かを調べ、カウンタ値cotim1が0の場合(NO)、ステップS18で、横滑り角変化速度補正値β'_cantを0に設定し、ステップS19で、オーバステア制御の開始を禁止する制御禁止フラグFをリセットしてステップS26に進む。
【0035】
ステップS17で、カウンタ値cotim1が0でない場合(YES)、ステップS20で、横滑り角変化速度β'と今回の制御サイクルにおける低周波フィルタ値β'_off(n)との差の絶対値が所定値k3を超えるか否かを調べ、所定値k3を超えない場合(NO)、ステップS18に進む。また、ステップS20で、所定値k3を超える場合(YES)、図4のステップS21に進む。
【0036】
図4において、ステップS21で、横滑り角変化速度β'と今回の制御サイクルにおける低周波フィルタ値β'_off(n)との差の絶対値が所定値k4を超えるか否かを調べ、所定値k4を超えない場合(NO)、ステップS22で、横滑り角変化速度補正値β'_cantを上記(4)式のように設定し、ステップS23で、オーバステア制御の開始を禁止する制御禁止フラグFをリセットして図3のステップS26に進む。
【0037】
また、ステップS21で、所定値k4を超える場合(YES)、ステップS24に進み、ステップS24で、横滑り角変化速度補正値β'_cantを上記(5)式のように設定し、ステップS25で、制御禁止フラグFをセットして図3のステップS26に進む。次に、図3において、ステップS26で、補正後の横滑り角変化速度corβ'を上記(6)式より算出し、本フローは終了して、図2のステップS3に進む。
【0038】
次に、図2に戻り、ステップS3で、オーバステアしきい値Thosを算出し、ステップS4で、補正後の横滑り角変化速度corβ'の絶対値がオーバステアしきい値Thosを超えているか否かを調べ、補正後の横滑り角変化速度corβ'の絶対値がオーバステアしきい値Thosを超えていない場合(NO)、ステップS5で、オーバステア制御を開始しない判定を行って所定のオーバステア制御を行わせずに本フローは終了する。
【0039】
また、ステップS4で、補正後の横滑り角変化速度corβ'の絶対値がオーバステアしきい値Thosを超えると(YES)、ステップS6に進み、ステップS6で、制御禁止フラグFがリセットされているか否かを調べ、リセットされていない場合(NO)、ステップS5に進む。また、ステップS6で、リセットされている場合(YES)、ステップS7で、オーバステア制御開始判定を行い所定のオーバステア制御を行わせて本フローは終了する。
【0040】
このように、本実施の形態1における車両の挙動制御装置は、車両状態演算部8で、横Gセンサ7から検出される横加速度Gyを用いて算出された横滑り角変化速度β'が、傾斜した路面を車両が走行した際に横Gセンサ7が横加速度Gyを誤って検出し該誤って検出された横加速度Gyを用いて算出された際に、該算出された横滑り角変化速度β'の補正を行うようにした。具体的には、横加速度Gyを用いて算出された横滑り角変化速度β'に低周波フィルタ値β'_off(n)を減算して算出した横滑り角変化速度の絶対値が、所定値k3を超えると共に所定値k4以下の場合、該算出された横滑り角変化速度を補正するようにした。このことから、車両が走行している路面が、緩やかに傾斜したときのみならず、急速に傾斜した場合においても、車両横滑り角変化速度を補正して、不要なオーバステア制御が行われることなく、車両挙動制御が正常に行われるようにすることができる。
【0041】
【発明の効果】
上記の説明から明らかなように、本発明の車両の挙動制御装置によれば、車両状態演算部は、車両が不安定状態ではないと判定したときに、算出した車両の横滑り角変化速度が所定値を超えた場合、該算出した横滑り角変化速度に対し補正を行う。具体的には、車両状態演算部は、舵角センサより得られたステアリング舵角を用いて算出したヨーレートとヨーレートセンサより得られたヨーレートとの差の絶対値が所定値k2未満のとき、車両が不安定状態ではないと判定する。本来、車両が不安定状態ではない場合、ステアリング舵角を用いて算出されたヨーレート、ヨーレートセンサから得られたヨーレート及び車両の横加速度を検出する横Gセンサで検出された横加速度を用いて算出されるヨーレートは、それぞれ近傍値を示す。このことから、車両が不安定状態でない場合において、算出した横滑り角変化速度が所定値を超えるということは、横Gセンサから得られる横加速度が路面の急速な傾斜等によって誤って検出されている。このため、横加速度を用いて算出される横滑り角変化速度の補正を行うことによって、車両が傾斜した路面を走行している際に、誤ってオーバステア制御が開始されることを防止することができ、正常なオーバステア制御を行うことができる。
【0042】
更に、ステアリング舵角を用いて算出したヨーレートとヨーレートセンサより得られたヨーレートとの差の絶対値が所定値k2以上の状態が所定の時間続くと、車両が不安定状態にあると判定し、算出した車両の横滑り角変化速度に対して補正を行わないようにした。このことから、車両が凹凸のある路面を走行した場合、該凹凸によって車両が揺れ、車両が不安定な状態でないにもかかわらず、車両が不安定な状態にあると誤判断することを防止できる。
【0043】
具体的には、車両が不安定な状態ではないと判定すると共に、算出した横滑り角変化速度の絶対値が所定値k3を超えると、算出した車両の横滑り角変化速度に対して補正を行うようにした。このことから、車両が傾斜した路面を走行している際に、誤ってオーバステア制御が開始されることなく正常なオーバステア制御を行うことができる。
【0044】
具体的には、更に、車両が不安定状態ではないと判定すると共に、算出した横滑り角変化速度の絶対値が所定値k3よりも大きい所定値k4を超えると、オーバステア制御の開始を禁止するようにした。このことから、車両が傾斜した路面を走行している際に、誤ってオーバステア制御が開始されることを防止することができる。
【0045】
更に、車両が不安定状態ではないと判定すると共に、算出した横滑り角変化速度の絶対値が所定値k3以下の場合、算出した車両の横滑り角変化速度に対して補正を行わないようにした。このことから、車両が不安定状態ではなく傾斜していない路面を走行している際に、算出された横滑り角変化速度に不要な補正が行われることを防止することができる。
【0046】
具体的には、算出した横滑り角変化速度に対して、横滑り角変化速度に0<k5<1の所定値をかけた値を減算して補正するようにした。このことから、車両が傾斜している路面を走行している際に、横滑り角変化速度を誤って算出することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1における車両の挙動制御装置の例を示した概略のブロック図である。
【図2】 図1で示した車両の挙動制御装置1の動作例を示したフローチャートである。
【図3】 図2における横滑り角変化速度の補正値を算出するルーチンを示したフローチャートである。
【図4】 図2における横滑り角変化速度の補正値を算出するルーチンを示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 車両の挙動制御装置
2 車輪速センサ
3 舵角センサ
4 ヨーレートセンサ
5 MC液圧センサ
6 スロットルセンサ
7 横Gセンサ
8 車両状態演算部
9 制動力演算部
10 駆動力演算部
11 ブレーキアクチュエータ
12 スロットルアクチュエータ

Claims (7)

  1. 各種センサから得られたデータを基にして算出される車両の横滑り角変化速度から、車両のオーバステアの判定を行い、オーバステア状態にあると判定すると所定の制動力制御及び駆動力制御を行って車両のオーバステア制御を行う挙動制御装置において、
    上記各種センサからのデータより車両の不安定状態を判定すると共に、上記車両の横滑り角変化速度を算出し、該算出した横滑り角変化速度と車両のオーバステア状態を判定するためのしきい値とを比較して、車両のオーバステアを判定する車両状態演算部と、
    該車両状態演算部による判定に従って所定の制動力制御を行う制動力制御部と、
    上記車両状態演算部による判定に従って所定の駆動力制御を行う駆動力制御部とを備え、
    上記車両状態演算部は、車両が不安定状態ではないと判定したときに、算出した車両の横滑り角変化速度が所定値を超えると、該算出した横滑り角変化速度に対して補正を行うことを特徴とする車両の挙動制御装置。
  2. 上記車両状態演算部は、ステアリングの操舵角を検出する舵角センサより得られたステアリング舵角を用いて算出したヨーレートとヨーレートセンサより得られたヨーレートとの差の絶対値が所定値k2未満のとき、車両が不安定状態ではないと判定することを特徴とする請求項1に記載の車両の挙動制御装置。
  3. 上記車両状態演算部は、ステアリング舵角を用いて算出したヨーレートとヨーレートセンサより得られたヨーレートとの差の絶対値が所定値k2以上の状態が所定の時間続くと、車両が不安定状態にあると判定し、上記算出した車両の横滑り角変化速度に対して補正を行わないことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の車両の挙動制御装置。
  4. 上記車両状態演算部は、車両が不安定状態ではないと判定すると共に算出した横滑り角変化速度の絶対値が所定値k3を超えると、上記算出した車両の横滑り角変化速度に対して補正を行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の車両の挙動制御装置。
  5. 上記車両状態演算部は、車両が不安定状態ではないと判定すると共に算出した横滑り角変化速度の絶対値が上記所定値k3よりも大きい所定値k4を超えると、上記制動力制御部及び駆動力制御部に対してオーバステア制御の開始を禁止することを特徴とする請求項4に記載の車両の挙動制御装置。
  6. 上記車両状態演算部は、車両が不安定状態ではないと判定すると共に算出した横滑り角変化速度の絶対値が所定値k3以下の場合、上記算出した車両の横滑り角変化速度に対して補正を行わないことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の車両の挙動制御装置。
  7. 上記車両状態演算部は、上記算出した車両の横滑り角変化速度に対して、該横滑り角変化速度に0<k5<1の所定値k5をかけた値を減算して補正することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の車両の挙動制御装置。
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