JPH10152780A - 方向性けい素鋼板の絶縁被膜及びその形成方法。 - Google Patents
方向性けい素鋼板の絶縁被膜及びその形成方法。Info
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Abstract
特性を損なうことなく良好な被膜を得る。 【解決手段】 被膜1が部分的に地鉄2内部に入り込み
アンカー部3を形成してなり、鋼板の曲げ試験により被
膜をはく離させたときに、地鉄表面における被膜の残留
部4が面積率で8 〜53%になる方向性けい素鋼板の絶縁
被膜。
Description
電気機器の鉄心等に用いられる方向性けい素鋼板の、表
面に被成される絶縁被膜及びその形成方法に関し、特に
密着性の良好な被膜をその有利な形成とともに提案しよ
うとするものである。
ラブを熱間圧延後に冷間圧延を施し、次いで脱炭焼鈍を
施した後、二次再結晶のために最終仕上焼鈍を行うのが
一般的である。これらの工程のうち、最終仕上焼鈍中に
二次再結晶が起こり、圧延方向に磁化容易軸の揃った巨
大な結晶粒が生成する。また、仕上焼鈍の役割は、この
他にも焼鈍分離剤中のMgO と脱炭焼鈍に形成されるSiO2
を主体とする酸化層とが反応することによるフォルステ
ライト被膜の形成や、純化による不純物の除去など様々
なものがある。
鈍中の高温時に形成されるため、常温まで冷却した後に
は被膜と地鉄の熱膨張率の差により鋼板には張力が付与
されることになる。張力が付与されると磁気弾性効果に
よりスピンが一定方向に揃えられ、静磁エネルギーが増
大する結果、磁区が細分化されて鉄損が低減される。ま
た、フォルステライト被膜の密着性が劣る場合や形成が
不十分な場合には仕上焼鈍後に塗布する絶縁コーティン
グが塗布し難くなったり、部分的に剥落したりするため
に絶縁性、防錆性が劣化したりする。したがって、フォ
ルステライト被膜の品質の良否は方向性けい素鋼の磁気
特性、被膜特性を左右する重要な要因となっている。
善のための様々な方法が開示されている。例えば、特開
昭60−197883号公報では、仕上焼鈍雰囲気中の
露点を鋼中Mn、S、Se量により特定することより良好な
フォルステライト被膜を形成させる方法が開示されてい
る。また、特開平6−17261号公報では、二次再結
晶焼鈍時に形成させる被膜を、フォルステライト被膜と
Al,Siを含む酸化物とで構成させることにより張力効果
を高め、磁気特性を改善する方法が開示されている。更
に、特開昭53−5800号公報ではフォルステライト
絶縁被膜を形成するフォルステライト粒径を規定するこ
とより均一な被膜を形成する方法が開示されている。
ある程度被膜特性、磁気特性は向上してきたのものの、
十分な効果が得られているとはいい難い。特に、脱炭焼
鈍から仕上焼鈍にかけては工程条件の微妙な変動により
磁気特性、被膜特性に問題が生じ易いため、グラス被膜
を改良する必要性は高い。
ものであり、磁気特性を損なうことなく良好な被膜を得
る方法を提案しようとするものである。
に方向性けい素鋼板の地鉄表面に形成される被膜であっ
て、被膜が部分的に地鉄内部に入り込みアンカー部を形
成してなり、鋼板の曲げ試験により被膜をはく離させた
ときに、地鉄表面における被膜の残留部が面積率で8 〜
53%になることを特徴とする方向性けい素鋼板の絶縁被
膜、およびSiを2〜4wt%含有する鋼を熱間圧延し、1
回もしくは中間焼鈍を含む複数回の冷間圧延を施して最
終板厚に仕上げた後、一次再結晶焼鈍をし、その後MgO
を主成分とする焼鈍分離剤を塗布してから最終仕上焼鈍
を行って鋼板の地鉄表面に絶縁被膜を形成する方法にお
いて、一次再結晶焼鈍にて被成させる内部酸化層中のラ
メラ状シリカ富化層の厚みを0.2 μm 以上3.6 μm 以下
にするとともに、焼鈍分離剤としてスラリー化すること
により持ち込まれる水分量が1.0 〜3.9 %になるMgO を
用い、仕上焼鈍時の700 ℃以上1000℃未満での雰囲気酸
化性P(H2O)/P(H2)を1.5 ×10-4以上2.0 ×10-2以下とす
ることを特徴とする方向性けい素鋼板の絶縁被膜の形成
方法である。
膜特性の更なる改善のために種々の実験を行った結果、
図1に方向性けい素鋼の表層部の模式図を示すように、
仕上焼鈍後に被成される被膜1が部分的に地鉄2内部に
入り込みアンカー部3を形成している状態になって、か
かる鋼板の曲げ試験により被膜をはく離させたときに、
地鉄2の表面における被膜の残留部(以下、「アンカー
ネック部」ともいう。)4の面積率が被膜密着性に大き
く寄与していることを新規に見出した。以下、この発明
を見出すに至った実験について述べる。
す。)、Si:3.25%、Mn:0.07%及びSe:0.02%を含
み、残部は実質的にFeよりなるけい素鋼スラブを1380℃
で30分加熱後、熱間圧延して2.2 mmの板厚にしたのち、
1050℃で1分間での中間焼鈍を挟んで冷間圧延をし、最
終板厚0.23mmに仕上げた。この冷延鋼板を脱炭焼鈍後、
スラリー状にした焼鈍分離剤をロールコーターにより塗
布し、乾燥させて最終仕上焼鈍を行った。ここで、一次
再結晶焼鈍時の雰囲気の酸化性P(H2O)/P(H2)を0.1 〜0.
6 、温度を800 〜850 ℃の範囲の種々の値に制御するこ
とにより一次再結晶焼鈍後に被成される内部酸化層中の
ラメラ状シリカ層の厚みを0.1 μm 〜5.0 μm に調節し
た。ここで、ラメラ状シリカとは、図2で模式的に示す
ようにシリカが鋼板法線の直角方向にうねりながら延び
ているものをこの発明ではいう。また、焼鈍分離剤とし
てはMgO に2%のTiO2を添加し、これをスラリー化して
20℃60分攪拌することにより焼鈍分離剤中に1.2 %の水
分を持ち込ませた。また、仕上焼鈍中には、700 ℃以上
1000℃未満での雰囲気酸化性P(H2O)/P(H2)を2.5 ×10-3
に調節した。このようにして得られた仕上焼鈍後の方向
性けい素鋼の被膜を曲げはく離して被膜が剥落した部分
を表面から電子顕微鏡で観察し、更に仕上焼鈍後の鋼板
に絶縁コーティングを塗布、焼付けして歪取り焼鈍を行
った後、曲げ密着性を調査した。曲げ密着性は円筒を鋼
板に巻き付けて被膜がはく離しなかった最小の曲げ径で
評価した。代表例として一次再結晶焼鈍後の表面のラメ
ラ状シリカ層の厚みが0.1 μm のサンプルと2.0 μm の
サンプルでの仕上焼鈍後の被膜のアンカーネック部の模
式図を図3に示す。
0 μm のサンプルではアンカーネック部の面積率が大き
く、また、曲げ密着性も良好であることがわかる。した
がって、このネック部が大きいほど曲げ密着性が良好で
あると考え、曲げ密着性とネック部との相関をとった。
得られた結果を図4に示す。この図から分かるようにネ
ック部の面積率と曲げ密着性との間には強い相関があ
り、ネック部面積率が8〜53%の範囲で曲げ密着性が良
好となることを新規に見いだし、この発明に至ったので
ある。
り鋼板の被膜密着性が変化した理由は明らかではない
が、発明者らは次のように考える。鋼板を曲げたときに
は被膜の内側に関しては、アンカー部には引張応力、被
膜上部には圧縮応力が働くことになる。したがって、鋼
板を曲げて被膜を強制的にはく離させてもアンカー部分
は残留し、被膜上部のみが剥落する。このとき被膜上部
とアンカー部を接続するネック部はせん断応力が働き、
この部分が破壊されることにより被膜はく離する。した
がって、この部分のアンカーの面積率を制御することに
より、この部分の接着強度が高まり、被膜密着性が高ま
ると考えられる。
方向で表面から一定深さに入った部分の酸化物と地鉄部
との割合を規定する技術が開示されているが、この技術
はアンカー部分を適度な大きさにするとこにより磁区細
分化を高めることが目的であり、この発明のような被膜
密着性を改善する技術とは元来目的が異なる。また、実
際にはグラス被膜はうねっているため被膜密着性に影響
するのはこの発明のように強制的にはく離させたあとに
表面からとれ残った部分であり、この部分を特定するこ
の発明によって密着性に優れる被膜が得られる。さら
に、特開平6−49654号公報の方法は線分法による
一次元の測定であり、この発明の方法のような二次元の
測定方法とでは同一のサンプルを測定したとしても分布
が異なり、被膜はく離には、はく離面を二次元的に評価
する方法のほうがより良い指標となると考えられる。
は、内部酸化層中のシリカ富化層の厚み、MgO 水和量、
仕上焼鈍中の雰囲気の酸化性で制御できる。このことに
関しては、次のように考える。MgO 水和量と仕上焼鈍中
の雰囲気酸化性は、ともに内部酸化層中のSiO2の解離浮
上、沈降に影響を与える。MgO 水和量や雰囲気の酸化性
が高いほどSiO2は被膜内部に沈降する結果、仕上焼鈍後
の被膜はアンカー部が良く発達し、MgO 水和量や雰囲気
の酸化性が低いほどSiO2は被膜表面に浮上してその結果
仕上焼鈍後の被膜はアンカー部の形成が未発達となる。
したがって、適度なアンカーネック部を持たせるために
はSiO2の解離浮上、沈降が良好な範囲内となるように制
御する必要がある。ラメラ状シリカはグラス被膜の内部
の形成に主に寄与するため、この厚みを特定することに
よりアンカーネック部を形成するフォルステライトの量
が制御できるのであろう。
る。この発明の絶縁被膜は、被膜が部分的に地鉄内部に
入り込みアンカー部を形成してなり、鋼板の曲げ試験に
より被膜をはく離させたときに、地鉄表面における被膜
の残留部が面積率で8 〜53%になることを特徴とする。
この残留部(アンカーネック部)の面積率がこの範囲を
外れると、いずれも良好な被膜密着性が得られない。
一次再結晶焼鈍にて被成させる内部酸化層中のラメラ状
シリカ富化層の厚みを0.2 μm 以上3.6 μm 以下にする
とともに、焼鈍分離剤としてスラリー化することにより
持ち込まれる水分量が1.0 〜3.9 %になるMgO を用い、
仕上焼鈍時の700 ℃以上1000℃未満での雰囲気酸化性P
(H2O)/P(H2)を1.5 ×10-4以上2.0 ×10-2以下とするこ
とを特徴とする。
分組成範囲としては、次のとおりである。まず、Cであ
るが、方向性けい素鋼の製造方法には、出鋼段階で低下
させて脱炭焼鈍を行わない方法とある程度の量を確保し
て組織の改善を図り、その後、脱炭焼鈍により除去する
方法がある。前者の方法ではCの悪影響を避けるために
は0.01%未満が好適であり、後者の方法では組織改善の
ための好適範囲は0.01%以上0.10%未満である。Siは2
〜4.5 %である。2%以下では鉄損の低減効果か弱ま
り、4.5 %以上では冷延性が損なわれる。C、Siの他に
インヒビター構成元素を添加する。インヒビターとして
はAlN 、MnS 、MnSe等が良く知られているが、これらの
いずれを用いてもよい。インヒビターにMnS 及び/又は
MnSeを用いる場合にはMn:0.03〜0.10%、S+Se:0.01
〜0.03%にする。AlN をインヒビターに用いる場合はA
l:0.01〜0.04%、N:50〜120 ppm とする。これらの
範囲よりも低いとインヒビターとして効果が働かず、高
いと二次再結晶が不安定になる。また、これらの他にC
u、Sn、Cr、Sb、Ge、Mo、Te、Bi、P、V等も使うこと
ができる。有効な濃度としてはトータルで0.01%以上0.
2 %以下である。これらの各インヒビターは単独使用、
複数使用いずれも可能である。
後、1回又は中間焼鈍を挟む複数回の冷延を行って最終
板厚とする。また、必要に応じて熱延板の冷延前に焼鈍
を行うことも可能である。これらの処理の後、一次再結
晶焼鈍を行い、焼鈍分離剤を塗布した後、最終仕上焼鈍
を行う。かかる工程はこの発明では良好な被膜を形成さ
せるために厳重に管理する必要があり、まず、一次再結
晶焼鈍は雰囲気、温度、焼鈍時間を制御することにより
被成される内部酸化層中のラメラ状シリカ富化層の厚み
を0.2 μm 以上3.6 μm 以下にする。これはアンカーの
ネック部分を適度に形成させるために必要である。この
ようにするための雰囲気、温度、焼鈍時間は特に限定す
るものではないが、雰囲気は水蒸気、水素分圧比P(H2O)
/P(H2)で0.05以上0.68以下、温度は750 ℃以上900 ℃以
下、焼鈍時間は30秒以上180 秒以下が良好となる。な
お、脱炭焼鈍の加熱時の雰囲気と均熱時の雰囲気を別々
の制御して被膜特性を向上させる方法が知られている
が、この発明でもこの方法を用いることによりラメラ状
シリカ厚みを調節することができる。更に、AlN をイン
ヒビターとする場合に一次再結晶焼鈍の前、途中又は後
に窒化処理を行う方法が知られているが、この発明では
このような方法を同時に行っても差し支えない。一次再
結晶焼鈍後にはMgO を主体とする焼鈍分離剤を用いる。
このとき、MgO はスラリー化することにより持ち込まれ
る水分量を1.0 %以上3.9 %以下とする。これはMgO の
反応性の制御とともに仕上焼鈍時の雰囲気の持ち込み水
分量を調整するためである。この範囲を外れるといずれ
も期待した形状のグラス被膜が形成されない。更に、仕
上焼鈍時には700 ℃以上1000℃未満での雰囲気酸化性P
(H2O)/P(H2)を1.5 ×10-4以上2.0 ×10-2以下とする。
グラス被膜の形状に主に影響する温度行きは700 〜1000
℃の範囲であり、この時の雰囲気酸化性をこの範囲内に
することによりフォルステライト被膜の形状を制御する
ためこの範囲に規定する必要がある。以上の処理を行う
ことにより、ネック部分の面積率を8 〜53%以下にす
る。この範囲内に収めることにより優れた被膜密着性が
得られる。これら一連の処理の後、仕上焼鈍を行う。仕
上焼鈍は公知の方法で良い。この後、絶縁張力コートを
施してフラットニング焼鈍をして製品に仕上げる。かか
る処理工程によって優れた磁気特性を有する方向性けい
素鋼を得ることができる。
N:50ppm 、Mn:0.07%、S:0.005%、Cu:0.06%を
含み、残部は実質的に鉄よりなるスラブを1400℃に加熱
し、2.2 mm厚に熱延し、1050℃,2分間の中間焼鈍をは
さんで0.35mmまで冷延し、最終板厚に仕上げた。これを
水蒸気分圧P(H2O)/P(H2)で0.03〜0.75、温度を700 ℃〜
950 ℃、焼鈍時間は20秒〜240 秒に変更することにより
内部酸化層中のラメラ状シリカの厚みを各種変更した。
その後、窒化処理を施したあと焼鈍分離剤としてスラリ
ー化することにより持ち込まれる水分量が2.0 %のMgO
に6%のTiO2を添加し、塗布、乾燥させた。仕上焼鈍と
して700 〜1000℃までを昇温速度20℃/h、雰囲気酸化性
P(H2O)/P(H2)を1.5 ×10-3で昇温し、引き続きドライH2
雰囲気で1150℃、5h の純化焼鈍を行った。このように
して得られた鋼板の磁気特性及び被膜密着性を調査した
結果を表1に示す。ラメラ状シリカ厚みがこの発明の範
囲内にあるときに被膜密着性は改善される。また、磁気
特性においてもこの発明の範囲内では良好な値をとる。
n:0.07%、Se:0.02%、Sb:0.025 %を含み、残部は
実質的に鉄よりなるスラブを1400℃に加熱し、2.6 mm厚
に熱延し、1000℃、2分間の中間焼鈍を挟んで0.30mmま
で冷延し、最終板厚に仕上げた。これを表2の1,2の
条件で脱炭焼鈍することにより内部酸化層中のラメラ状
シリカの厚みを0.1 μm と1.3 μm に変更した。この
後、焼鈍分離剤として水和水分量のMgOと1.5 %のTiO2
を添加し、塗布、乾燥させた。その後、仕上焼鈍として
700 〜1000℃までを雰囲気酸化性P(H2O)/P(H2)が1.5 ×
10-3でかつ820 ℃で50h 保定した後ドライH2雰囲気で11
50℃, 5h の純化焼鈍を行った。このようにして得られ
た鋼板の磁気特性を調査した結果を表3に示す。水和水
分量が1.0 〜3.9 の範囲で良好な磁気特性と被膜特性が
得られる。
n:0.07%、Al:0.025 %、N:80ppm 、Se:0.02%及
びSb:0.025 %を含み、残部は実質的に鉄よりなるスラ
ブを1400℃に加熱し、2.2 mm厚に熱延し、1050℃,2分
間の中間焼鈍を挟んで0.30mmまで冷延し、最終板厚に仕
上げた。これを表2の条件で脱炭焼鈍することにより、
内部酸化層中のラメラ状シリカの厚みを0.1 μm と1.3
μm とに変更した。この後、焼鈍分離剤として持ち込み
水分量2.0 %のMgO と1.5 %のTiO2を添加して塗布、乾
燥させた。その後、仕上焼鈍として700 〜1000℃までの
雰囲気酸化性P(H2O)/P(H2)を各種変更し、かつ820 ℃で
50h 保定した後ドライH2雰囲気で1150℃,5h の純化焼
鈍を行った。このようにして得られた鋼板の磁気特性を
調査した結果を表4に示す。仕上焼鈍の700 〜1000℃ま
での雰囲気酸化性P(H2O)/P(H2)が1.5 ×10-4以上2.0 ×
10-2以下の範囲において良好な磁気特性、被膜特性が得
られる。
内部に入り込みアンカー部を形成してなり、鋼板の曲げ
試験により被膜をはく離させたときに、地鉄表面におけ
る被膜の残留部が面積率で8 〜53%になる絶縁被膜にす
ること、そのために、一次再結晶焼鈍にて被成させる内
部酸化層中のラメラ状シリカ富化層の厚みを0.2 μm 以
上3.6 μm 以下にするとともに、焼鈍分離剤としてスラ
リー化することにより持ち込まれる水分量が1.0 〜3.9
%になるMgO を用い、仕上焼鈍時の700 ℃以上1000℃未
満での雰囲気酸化性P(H2O)/P(H2)を1.5 ×10-4以上2.0
×10-2以下とすることにより、磁気特性、被膜特性の良
好な方向性けい素鋼板を製造することが可能となり、品
質向上に大きく寄与できる。
の鋼板表層部の模式図である。
係を示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 仕上焼鈍後に方向性けい素鋼板の地鉄表
面に形成される被膜であって、 被膜が部分的に地鉄内部に入り込みアンカー部を形成し
てなり、鋼板の曲げ試験により被膜をはく離させたとき
に、地鉄表面における被膜の残留部が面積率で8 〜53%
になることを特徴とする方向性けい素鋼板の絶縁被膜。 - 【請求項2】 Siを2〜4wt%含有する鋼を熱間圧延
し、1回もしくは中間焼鈍を含む複数回の冷間圧延を施
して最終板厚に仕上げた後、一次再結晶焼鈍をし、その
後MgO を主成分とする焼鈍分離剤を塗布してから最終仕
上焼鈍を行って鋼板の地鉄表面に絶縁被膜を形成する方
法において、 一次再結晶焼鈍にて被成させる内部酸化層中のラメラ状
シリカ富化層の厚みを0.2 μm 以上3.6 μm 以下にする
とともに、焼鈍分離剤としてスラリー化することにより
持ち込まれる水分量が1.0 〜3.9 %になるMgO を用い、
仕上焼鈍時の700 ℃以上1000℃未満での雰囲気酸化性P
(H2O)/P(H2)を1.5 ×10-4以上2.0 ×10-2以下とするこ
とを特徴とする方向性けい素鋼板の絶縁被膜の形成方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31038496A JP3415379B2 (ja) | 1996-11-21 | 1996-11-21 | 方向性けい素鋼板の絶縁被膜及びその形成方法 |
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JP31038496A JP3415379B2 (ja) | 1996-11-21 | 1996-11-21 | 方向性けい素鋼板の絶縁被膜及びその形成方法 |
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JPH10152780A true JPH10152780A (ja) | 1998-06-09 |
JP3415379B2 JP3415379B2 (ja) | 2003-06-09 |
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ID=18004614
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