JPH10152507A - 水性エマルジョンの製造方法 - Google Patents

水性エマルジョンの製造方法

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JPH10152507A
JPH10152507A JP32594496A JP32594496A JPH10152507A JP H10152507 A JPH10152507 A JP H10152507A JP 32594496 A JP32594496 A JP 32594496A JP 32594496 A JP32594496 A JP 32594496A JP H10152507 A JPH10152507 A JP H10152507A
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JP
Japan
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polymerizable monomer
aqueous
radical polymerizable
monomer
aqueous emulsion
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JP32594496A
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English (en)
Inventor
Hideko Yamada
英子 山田
Sankou Hasegawa
三高 長谷川
Takenao Hattori
武尚 服部
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性に優れる被膜の形成が可能な水性エマ
ルジョンの製造方法の提供。 【解決手段】 油溶性ラジカル重合開始剤を溶解させ、
かつ紫外線吸収剤を溶解または分散させたラジカル重合
性単量体を、界面活性剤の存在下に水性媒体中に乳化分
散させる工程〔A〕と、工程〔A〕で得られた水性乳化
分散体を加熱された水性媒体中に滴下して、前記ラジカ
ル重合性単量体を重合させる工程〔B〕からなることを
特徴とする水性エマルジョンの製造方法。ラジカル重合
性単量体が、アルコキシシリル基を有するラジカル重合
性単量体0.5〜50重量%およびそれと共重合可能な
ラジカル重合性単量体99.5〜50重量%の構成の単
量体混合物である上記水性エマルジョンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紫外線吸収剤を含有す
る水性エマルジョンの製造方法に関するものであり、ミ
クロ懸濁重合法に基づく本発明の方法によって得られる
水性エマルジョンから形成される被膜は、従来の乳化重
合法等で得られる紫外線吸収剤含有の水性エマルジョン
と比較して、耐候性がより一層優れている。本発明にお
いて、アルコキシシリル基を有するラジカル重合性単量
体を含む単量体を使用して得られる水性エマルジョン
は、該アルコキシシリル基に起因する硬化性を有する点
で、以下の従来の技術の項で挙げるような種々な用途に
用いられる。
【0002】
【従来の技術】従来、アルコキシシリル基に代表される
加水分解性シリル基を有する硬化性の共重合体は、接着
剤、シーリング材、塗料およびコーティング剤などの用
途に汎用されている。ところが、これらの用途分野では
有機溶剤の揮散による人体への有害性や環境汚染を避け
るため、有機溶剤を使用しない水性系の材料が求められ
ており、最近では前記のアルコキシシリル基を有する硬
化性共重合体についても、多数の水性エマルジョン化の
提案がなされている(特開平3−227312号公報お
よび特開平5ー25354号公報等)。さらに、建築物
外装、自動車および家電等の塗装に使用する目的で、ア
ルコキシシリル基を有する硬化性共重合体からなる水性
エマルジョン(以下単に硬化性エマルジョンということ
がある)に関しては、耐候性に優れるものが求められて
おり、例えば、乳化重合によって得られた硬化性エマル
ジョンに紫外線吸収剤を混合した組成物等が提案されて
いる(特開平7−157625号公報)。しかしなが
ら、硬化性共重合体を含む水性エマルジョンと紫外線吸
収剤を物理的手段で混合することは容易でなく、十分に
均一な混合物が得られ難く、かかる手段で得られる組成
物からなる被膜の耐候性は今一歩であった。
【0003】紫外線吸収剤を水性エマルジョン中に均一
に混合させる手段として、あらかじめ紫外線吸収剤を単
量体に溶解させた後に、水性乳化重合することが提案さ
れている(特公昭55ー12441号公報)。しかしな
がら、同特許公報に記載の発明において使用されている
単量体には、加水分解性シリル基を有するラジカル重合
性単量体は含まれていない。加水分解性シリル基を有す
るラジカル重合性単量体に対して、他の一般的な単量体
に対し通常適用されてきた水性乳化重合をそのまま適用
すると、重合中に加水分解が起こるために物性の劣る硬
化性エマルジョンしか得られないことが、一般的に知ら
れているからである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明においては、保
存安定性が優れ、かつ耐候性に優れる硬化性エマルショ
ンの提供を課題とした。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、紫外線吸
収剤を溶解したラジカル重合性単量体をミクロ懸濁重合
法によって、水性媒体中で重合させることにより、紫外
線吸収剤をエマルジョン中に均一に混合し得ることを見
出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明に
おける第1発明は、油溶性ラジカル重合開始剤を溶解さ
せ、かつ紫外線吸収剤を溶解または分散させたラジカル
重合性単量体を、界面活性剤の存在下に水性媒体中に乳
化分散させる工程〔A〕と、工程〔A〕で得られた水性
乳化分散体を加熱された水性媒体中に滴下して、前記ラ
ジカル重合性単量体を重合させる工程〔B〕からなるこ
とを特徴とする水性エマルジョンの製造方法であり、さ
らに第2発明は、上記ラジカル重合性単量体が、アルコ
キシシリル基を有するラジカル重合性単量体0.5〜5
0重量%およびそれと共重合可能なラジカル重合性単量
体99.5〜50重量%の構成の単量体混合物である前
記水性エマルジョンの製造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳しく説明
する。本発明において、好ましく使用されるラジカル重
合性単量体としては、ビニルトリエトキシシラン、ビニ
ルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメ
チルジエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、
ビニルメチルジプロポキシシラン、γ−メタクリロキシ
プロピルトリプロポキシシランおよびγ−メタクリロキ
シプロピルメチルジプロポキシシラン等のアルコキシシ
リル基を有するラジカル重合性単量体(以下加水分解性
シリル単量体という);ならびに(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸
nブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メ
タ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル
酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メ
タ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸2−ヒド
ロキシエチル、(メタ)アクリル酸2ーヒドロキシプロ
ピル、(メタ)アクリル酸パーフルオロアルキル、グリ
シジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸N,
N−ジエチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エス
テル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレンお
よびα−メチルスチレン等の前記加水分解性シリル単量
体と共重合可能なラジカル重合性単量体(以下共重合性
単量体という)が挙げられる。加水分解性シリル単量体
(A)と共重合性単量体(B)の好ましい使用割合は、
(A)0.5〜50重量%および(B)99.5〜50
重量%であり、さらに好ましくは、(A)3〜20重量
%および(B)97〜80重量%である。加水分解性シ
リル単量体(A)の割合が、0.5重量%未満であると
得られる水性エマルジョンから形成される塗膜の耐候性
が低下し易く、一方50重量%を越えると該エマルジョ
ンの造膜性が不足し易い。
【0007】紫外線吸収剤としては、無機系紫外線吸収
剤および/または有機系紫外線吸収剤が使用でき、無機
系紫外線吸収剤としては、酸化亜鉛、酸化チタンおよび
酸化セリウム等が挙げられる。無機系紫外線吸収剤は上
記ラジカル重合性単量体に不溶性であり、本発明におい
て、それらは該単量体中に分散させて用いるが、均一に
分散するように、粒径0.1μm以下の微粒子状のもの
が好ましく、さらには、界面活性剤またはシランカップ
リング剤等により粒子の表面を親油性に改質したものが
より好ましい。特に好ましくは、表面を親油性に処理し
た酸化セリウム粉末である。
【0008】有機系紫外線吸収剤としては、5−クロロ
−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキ
シベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシルオキシベ
ンゾフェノン、4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシベ
ンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ
−3−メタクリロイロキシ−プロポキシ)−ベンゾフェ
ノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフ
ェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキ
シベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−オク
チルオキシベンゾフェノン、2’−カルボキシ−2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン等のベンゾフ
ェノン系紫外線吸収剤;2−(2−ヒドロキシ−5−メ
チルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒド
ロキシ−5−t−ブチルフェニル)−5−クロロ−ベン
ゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジt
−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等
のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;フェニルサリチ
レート、P−t−ブチルフェニルサリチレート、P−
(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェニルサリチレ
ート等のサリチレート系紫外線吸収剤;ビス−〔2−
(2−ヒドロキシ−5−(1,1,3,3−テトラメチルブチ
ル)−フェニルチオ)−4−(1,1,3,3−テロラメチル
ブチル)フェノレート〕−ニッケル2,2’−スルフォ
ニルビス−〔パラ−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)
−フェノレート〕−ニッケル、2,2’−チオビス−
〔パラ−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノレ
−ト〕−ブチルアミンニッケル、2,2’−ジチオビス
−〔パラ−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノ
レート〕−カルシウム等の含金属系紫外線吸収剤;パラ
−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェニルテレフ
タレート、フェニレン−1,3−ジベンゾユート、3−ヒ
ドロキシフェニルベンゾユート、パラ−ビス−(5−オ
クチルオキシサリチロイル)−ベンゼン等が挙げられ、
これらは単独でまたは2種以上併用して使用できる。
【0009】本発明においては、紫外線波長領域の光線
を短波長側から長波長側まで吸収し得る点で、無機系紫
外線吸収剤とベンゾトリアゾール系の有機系紫外線吸収
剤を併用することが好ましく、その場合の使用割合は、
両者の合計量を基準にして無機系紫外線吸収剤30〜7
0重量%およびベンゾトリアゾール系系紫外線吸収剤7
0〜30重量%である。紫外線吸収剤の好ましい使用量
は、前記ラジカル重合性単量体を基準にして、0.01
〜10.0重量%であり、さらに望ましくは0.05〜
5.0重量%である。紫外線吸収剤の使用量が、0.0
1重量%未満であると耐候性に劣り、一方10.0重量
%を越えると塗膜の機械的物性が劣る。
【0010】油溶性ラジカル重合開始剤としては、20
℃の水に対する溶解度が10重量%以下のものが好まし
く使用でき、具体的には2,2’−アゾビスイソブチロ
ニトリル、2,2’−アゾビス−2,4ジメチルバレロ
ニトリル、1ーアゾビス−1−シクロヘキサンカルボニ
トリルおよびジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレ
ート等のアゾ系開始剤、ラウロイルパーオキシド、ベン
ゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、シクロヘ
キサノンパーオキシドジ−n−プロピルパーオキシジカ
ルボネートおよびt−ブチルパーオキシピバレート等の
有機過酸化物が挙げられる。重合開始剤の好ましい使用
量は、ラジカル重合性単量体を基準にして0.1〜10
重量%であり、さらに好ましくは0.5〜5重量%であ
る。
【0011】本発明においては、上記油溶性ラジカル重
合開始剤をラジカル重合性単量体に溶解させ、かつ紫外
線吸収剤を該単量体に溶解または分散させて得られる混
合物を、界面活性剤の存在下に水性媒体中に乳化分散さ
せる。好ましい界面活性剤は、ラジカル重合性基を有
し、前記ラジカル重合性単量体と共重合し得るイオン性
化合物であり、さらに好ましくは、以下の化学式で表さ
れるラジカル重合性化合物である。 化学式;Z−(AO)n −Y (式中、Zはラジカル重合性二重結合を有する構造単
位、AOはオキシアルキレン基、n は2以上の整数、Y
はイオン解離性基を示す) 前記化学式における好ましいZは、芳香族炭化水素基、
アルキル置換芳香族炭化水素基、高級アルキル基または
脂環式炭化水素基等の疎水性基とラジカル重合性二重結
合からなる構造単位であり、Zにおけるラジカル重合性
二重結合としては、(メタ)アリル基、プロペニル基ま
たはブテニル基等が好ましい。基(AO)n における単
位A、すなわちアルキレン基としては、エチレン基また
はプロピレン基が好ましい。また、Yの具体例として
は、−SO3 Na、−SO3 NH4、−COONa、−
COONH4 、−PO3 Na2 および−PO3 (NH4)
2 等が挙げられる。
【0012】好ましい界面活性剤の具体例としては、例
えば下記化1、化2または化3等で表される化合物が挙
げられる。化1、化2中のRとしては、炭素数6〜18
の直鎖状または分岐状アルキル基が好ましい。化3中の
R2 としては、炭素数8〜24のアルキル基が好まし
く、R1 は水素原子またはメチル基である。化1〜化3
中のYの具体例は、既述のとおりである。界面活性剤の
好ましい使用量は、前記ラジカル重合性単量体100重
量部当たり、0.5〜20重量部であり、さらに好まし
くは1〜5重量部である。
【0013】
【化1】
【0014】
【化2】
【0015】
【化3】
【0016】油溶性ラジカル重合開始剤をラジカル重合
性単量体に溶解させ、かつ紫外線吸収剤を該単量体に溶
解または分散させて得られる混合物を、水性媒体中に乳
化分散させるには、一般的に使用されているミキサーす
なわち回転式ホモミキサーが使用できる。水性媒体とし
ては、後記するpH緩衝剤を適量含有する水性媒体が好
ましい。また、上記単量体と水性媒体の好ましい比率
は、単量体100重量部当たり、水性媒体20〜150
重量部である。乳化分散においては、得られる水性乳化
分散体の粒径が1μm以下にすることが好ましく、さら
に好ましくは、該乳化分散体の粒径が0.2〜0.05
μmとすることである。微細な水性乳化分散体が得られ
る点で、一般的にホモジナイザーと称される高圧式乳化
分散機またはタービン型ミキサーなど高剪断エネルギー
を有する分散装置を用いることが好ましい。
【0017】本発明における重合媒体としては、特開平
1−292089号公報に開示されているpH緩衝剤が
適量添加された水性媒体が好ましい。pH緩衝剤の添加
によりpHを中性領域に維持された水性媒体中では、加
水分解性シリル単量体の加水分解が起こり難いことが、
同公報に開示されている。pH緩衝剤の好適な使用量
は、水性媒体に対して0.01〜5重量%の範囲であ
る。pH緩衝剤としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水
素カリウム、りん酸一ナトリウム、りん酸一カリウム、
りん酸二ナトリウム、りん酸三ナトリウム、酢酸ナトリ
ウム、酢酸アンモニウムおよび蟻酸ナトリウム等が挙げ
られ、好ましくは、炭酸水素ナトリウムである。2種以
上組み合わせて使用することもでき、例えば炭酸水素ナ
トリウムとリン酸一ナトリウムの併用により、水性媒体
のpHを7.5の近傍に維持できる。前記pH緩衝剤と
共に、必要に応じてアンモニア、モノエチルアミン、ト
リエチルアミン、エタノールアミン等の弱アルカリ化合
物をpH調整剤に使用してもよい。
【0018】本発明においては、上記水性媒体が少量仕
込まれ、かつ重合開始剤の分解分解温度以上に加熱され
た攪拌下の反応器内に、上述の方法によって得られたラ
ジカル重合性単量体を主成分とする水性乳化分散体を滴
下する。反応器への水性媒体の好ましい初期仕込み量
は、反応器に滴下する水性乳化分散体100重量部当た
り、10〜50重量部程度である。本発明においては、
単量体溶液の乳化分散粒子中に油溶性ラジカル重合開始
剤が含まれているため、各分散微細粒子内で重合が起こ
る。このような疎水性粒子内で単量体を重合させる重合
法は、一般にミクロ懸濁重合法と称されており、該重合
体法によれば、水溶性開始剤により乳化剤の形成するミ
セル内で単量体を重合させる乳化重合法と比較して、単
量体が水と混じり合う頻度が著しく少ないために、加水
分解性シリル単量体の加水分解が起こり難い。水性乳化
分散体は、滴下ロートから反応器内に徐々に滴下するこ
とが好ましく、また重合温度は、通常40〜100℃程
度が好ましい。
【0019】上記ミクロ懸濁重合によって得られる硬化
性エマルジョンは、被覆剤として好適であり、具体的に
はガラス、スレート、金属、木材またはプラスチック等
からなる建材用の塗料、耐酸性雨用塗料、防汚性塗料、
無機建材用溌水剤、電気電子部品の防湿コーティング
剤、磁気テープのバックコート剤および繊維用の硬化仕
上げ剤、溌水剤および各種シーリング剤等に用いられ
る。塗膜を迅速に硬化させるために、イソプロピルトリ
イソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(ジオ
クチルピロホスフェート)チタネート、ジオクチル酸
錫、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレートまた
はパラトルエンスルフォン酸等の触媒を使用してもよ
い。
【0020】以下、実施例および比較例を挙げて本発明
をさらに具体的に説明する。各例における成分量を表す
「部」は、全て「重量部」である。また、実施例で使用
された界面活性剤アクアロンHS20は、第一工業製薬
(株)の商品であって、その化学式は前記化3(但しポ
リオキシエチレン基の縮合度nは20である)で表され
る。無機系紫外線吸収剤ニードラールW−100は、多
木化学(株)の商品であって、表面に親油性処理を施し
た酸化セリウム微粉末である。
【0021】
【実施例1】表1に記載の各成分を使用した。ラジカル
重合性単量体に重合開始剤を溶解させ、さらに紫外線吸
収剤ニードラールW-100 を分散させて得られる液を、界
面活性剤アクアロンHS20および炭酸水素ナトリウムを溶
解した水溶液に加えた。上記の方法で得られた混合物を
まずホモミキサーで混合し、さらにホモジナイザー(ゴ
ーリン社製)で乳化分散させて、pH8.5の単量体エ
マルジョンを調製した。撹拌機、温度計および冷却器を
備えたフラスコに、水性媒体として脱イオン水40部を
仕込み、液温を85℃に昇温したのち、水性媒体を高速
で撹拌しながら上記の単量体エマルジョンを2時間かけ
て滴下した。滴下終了後、85℃の温度に2時間保持し
て重合を継続させた後、室温まで冷却した。重合中、フ
ラスコ内壁に凝集物が僅かに付着したが、液分離および
ブロッキングは起こらず、重合は安定に行われた。その
結果、固形分濃度40重量%でpH8.5の硬化性エマ
ルジョン(重合体粒子の平均粒径0.11μm )を得
た。
【0022】得られた硬化性エマルションについて、耐
候性を以下の方法に従って測定し、その結果を表2に示
した。 耐候性の測定:スレート板上に乾燥塗膜が30μmとな
るように硬化性エマルションを塗布し、常温で2週間乾
燥させた後、形成された塗膜についてメタルウェザーメ
ーター(大日本プラスチック製)を用いて、500時間
の促進耐候性試験を行った。試験前後の塗膜の光沢(60
゜光沢値)を対比した光沢保持率(下記式によって算
出)により、塗膜の耐候性を評価した。 光沢保持率(%)=(試験後の光沢値/試験前の光沢
値)×100
【0023】
【表1】
【0024】
【実施例2】実施例1における紫外線吸収剤を、無機系
紫外線吸収剤ニードラールW−100;1部および有機
系紫外線吸収剤“TINUVIN900”〔日本チバガイギー
(株)製〕1部の混合物に代えた以外は、すべて実施例
1と同一条件により硬化性エマルジョンを製造した。得
られた硬化性エマルジョンにつき、実施例1と同様に塗
膜の耐候性の評価を行い、その結果を表2に併載した。
なお、以下の各例において得られた硬化性エマルジョン
についても、同様にして塗膜の耐候性を評価した。
【実施例3】実施例1における紫外線吸収剤を、有機系
紫外線吸収剤“TINUVIN900”2部の混合物に代えた以外
は、すべて実施例1と同一条件により硬化性エマルジョ
ンを製造した。
【0025】
【比較例1】紫外線吸収剤を使用せずに、その他の成分
および操作は、全て実施例1と同一条件により硬化性エ
マルジョンを製造した。
【比較例2】比較例1で得られた硬化性エマルション
に、ニードラールW−100;2部を添加した後、ホモ
ミキサーにより十分に混合して、紫外線吸収剤入りの硬
化性エマルションを得た。
【比較例3】実施例1において表1記載の油溶性重合開
始剤を使用せずに単量体エマルジョンを製造し、以下の
方法により乳化重合を行い、硬化性エマルジョンを得
た。すなわち、重合開始剤としてロンガリッド0.6部
およびt−ブチルハイドロパーオキサイド0.4部、な
らびに炭酸水素ナトリウムを添加した水性媒体を重合反
応器中に、上記単量体エマルジョンを滴下することによ
り、乳化重合を行った。
【0026】
【表2】
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、重合体粒子内部に均一
に紫外線吸収剤が分散した水性重合体エマルジョンが容
易に得られる。該エマルジョンから形成される塗膜は、
耐候性に関して、従来の水性重合体エマルジョンと比較
して、極めて優れている。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油溶性ラジカル重合開始剤を溶解させ、
    かつ紫外線吸収剤を溶解または分散させたラジカル重合
    性単量体を、界面活性剤の存在下に水性媒体中に乳化分
    散させる工程〔A〕と、工程〔A〕で得られた水性乳化
    分散体を加熱された水性媒体中に滴下して、前記ラジカ
    ル重合性単量体を重合させる工程〔B〕からなることを
    特徴とする水性エマルジョンの製造方法。
  2. 【請求項2】 ラジカル重合性単量体が、アルコキシシ
    リル基を有するラジカル重合性単量体0.5〜50重量
    %およびそれと共重合可能なラジカル重合性単量体9
    9.5〜50重量%の構成の単量体混合物である請求項
    1記載の水性エマルジョンの製造方法。
  3. 【請求項3】 界面活性剤が、一般式;Z−(AO)n
    −Y(式中、Zはラジカル重合性二重結合を有する構成
    単位、AOはオキシアルキレン基、n は2以上の整数、
    Yはイオン解離性基を示す)で表されるラジカル重合性
    化合物である請求項2記載の水性エマルジョンの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 紫外線吸収剤が酸化セリウムである請求
    項1、2または3に記載の水性エマルジョンの製造方
    法。
JP32594496A 1996-11-22 1996-11-22 水性エマルジョンの製造方法 Pending JPH10152507A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2341243A (en) * 1998-05-28 2000-03-08 Mitsubishi Electric Corp Machining program file converter for numerically controlled equipment
JP2000226404A (ja) * 1999-02-03 2000-08-15 Toagosei Co Ltd 水性エマルジョンの製造方法
JP2007528926A (ja) * 2004-03-12 2007-10-18 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト 作用物質を含有する水性ポリマー分散液、その製造方法及びその使用
WO2012102293A1 (ja) * 2011-01-25 2012-08-02 住友大阪セメント株式会社 有機系紫外線吸収剤含有樹脂粒子とその製造方法及び有機系紫外線吸収剤含有樹脂粒子分散液及び水系分散体及び油系分散体並びに化粧料
JP2015091980A (ja) * 2003-09-11 2015-05-14 チバ ホールディング インコーポレーテッドCiba Holding Inc. ヘテロフェーズ重合技術によって製造された光安定剤の水性濃厚生成物形態

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