JPH10148245A - 電気自動車の駆動装置 - Google Patents

電気自動車の駆動装置

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JPH10148245A
JPH10148245A JP9242091A JP24209197A JPH10148245A JP H10148245 A JPH10148245 A JP H10148245A JP 9242091 A JP9242091 A JP 9242091A JP 24209197 A JP24209197 A JP 24209197A JP H10148245 A JPH10148245 A JP H10148245A
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disk
input disk
shaft
transmission
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武治 小出
Eiji Orisaka
英司 折坂
Kinya Yoshii
欣也 吉井
Kenji Otaka
健二 大高
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    • F16H15/00Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by friction between rotary members
    • F16H15/02Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by friction between rotary members without members having orbital motion
    • F16H15/04Gearings providing a continuous range of gear ratios
    • F16H15/06Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B
    • F16H15/32Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line
    • F16H15/36Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line with concave friction surface, e.g. a hollow toroid surface
    • F16H15/38Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line with concave friction surface, e.g. a hollow toroid surface with two members B having hollow toroid surfaces opposite to each other, the member or members A being adjustably mounted between the surfaces
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B60KARRANGEMENT OR MOUNTING OF PROPULSION UNITS OR OF TRANSMISSIONS IN VEHICLES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF PLURAL DIVERSE PRIME-MOVERS IN VEHICLES; AUXILIARY DRIVES FOR VEHICLES; INSTRUMENTATION OR DASHBOARDS FOR VEHICLES; ARRANGEMENTS IN CONNECTION WITH COOLING, AIR INTAKE, GAS EXHAUST OR FUEL SUPPLY OF PROPULSION UNITS IN VEHICLES
    • B60K1/00Arrangement or mounting of electrical propulsion units
    • B60K2001/001Arrangement or mounting of electrical propulsion units one motor mounted on a propulsion axle for rotating right and left wheels of this axle
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
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    • F16H48/36Differential gearings characterised by intentionally generating speed difference between outputs
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数を可及的に削減でき、かつ、軸線と
直交する方向の部品の配置スペースを可及的に抑制する
ことのできる電気自動車の駆動装置を提供する。 【解決手段】 動力源であるモータ6と、左右の出力軸
14,36との間に、それぞれ個別に変速比およびパワ
ーローラ25,47の押圧力を制御可能なトロイダル型
無段変速機20,38が設けられている。左右の車輪の
回転数トルクを個別に制御でき、また左右の車輪の差動
回転を、無段変速機20,38によって円滑に生じさせ
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電気式動力機構
すなわちモータを駆動力源とした電気自動車の駆動装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガソリンを主とする化石燃料を使用する
内燃機関は、排気ガスや騒音などが環境問題の原因とな
ることがある。また化石燃料の将来的な枯渇の懸念があ
る。そこで、近年では、電気を駆動エネルギーとした電
気自動車が開発されつつある。電気自動車に搭載されて
いるモータは、所定の回転数までのトルクがほぼ一定で
あり、所定の回転数以上になるとトルクが徐々に減少す
るなどの出力特性を備えている。
【0003】一方、電気自動車が坂道を登坂する場合な
どには、低速で大きなトルクが要求される。このような
ニーズに応えるためには、電気自動車に搭載するモータ
を、低速大トルク型のものとする必要がある。
【0004】しかし、低速大トルク型のモータでは、最
高回転数が低く抑えられ、また高回転数での出力の低下
を招くため、電気自動車の要求性能すべてを満足できな
い。そこで、モータの出力側に変速機を配置し、モータ
の出力トルクを変速機により増減して車輪に伝達する構
成が採用されている。このように、モータの出力側に減
速機が配置された電気自動車の駆動装置の一例が特開平
8−42656号公報に記載されている。
【0005】この公報に記載された電気自動車の駆動装
置は、電動モータと、電動モータの出力側に配置された
減速機と、減速機の出力側に配置された差動装置とを備
えている。そして、これら電動モータと減速機と差動装
置とが同一軸線上に配置されている。
【0006】また、減速機および差動装置は遊星型ロー
ラにより構成されている。つまり、減速機は、電動モー
タの出力軸に結合された第1サンローラと、第1サンロ
ーラの外周側に配置された第1リングローラと、第1サ
ンローラおよび第1リングローラに接触させた複数の第
1ピニオンローラと、第1ピニオンローラを回転可能に
支持している第1キャリヤとを備えている。
【0007】さらに、差動装置は、第1キャリヤに固定
された第2リングローラと、第2リングローラの内周側
に配置された第2サンローラと、第2リングローラおよ
び第2サンローラに接触させられた複数の第2ピニオン
ローラと、第2ピニオンローラを回転可能に支持してい
る第2キャリヤとを備えている。
【0008】前記出力軸の内部には右側ドライブシャフ
トが挿入され、この右側ドライブシャフトと同一軸線上
に左側ドライブシャフトが配置されている。そして、第
2サンローラが右側ドライブシャフトに結合され、第2
キャリヤが左側ドライブシャフトに結合されている。
【0009】上記の従来の装置によれば、電動モータの
出力軸のトルクが減速機により減速されて差動装置に伝
達される。そして、差動装置に伝達されたトルクが右側
ドライブシャフトと左側ドライブシャフトとに分配さ
れ、電気自動車が走行する。
【0010】電気自動車の走行中、車輪と路面との抵抗
により、右側ドライブシャフトの回転速度と左側ドライ
ブシャフトの回転速度とに差が生じた場合は、差動装置
の機能により回転速度差が吸収される。さらに、電動モ
ータと減速機と差動装置と出力軸と右側ドライブシャフ
トと左側ドライブシャフトとが同一軸線上に配置されて
いるため、軸線と直交する方向すなわち半径方向での部
品の配置スペースが可及的に狭められ、小型化に有利で
ある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の装
置では、電動モータの出力トルクを減速するための減速
機と、右側ドライブシャフトと左側ドライブシャフトと
の回転速度差を吸収するための差動装置とがそれぞれ別
個に構成されている。このため、部品点数が増加し、か
つ、軸線方向の部品の配置スペースが増大することとな
る。そのため、駆動装置が大型化および大重量化する問
題があった。また、減速機および差動装置が遊星型ロー
ラにより構成されているため、半径方向での部品の配置
スペースが増大し、駆動装置の外径が増大する不都合が
あった。
【0012】この発明は上記事情を背景としてなされた
もので、部品点数を可及的に削減でき、かつ半径方向で
の部品の配置スペースを可及的に抑制することのできる
電気自動車の駆動装置を提供することを目的とするもの
である。
【0013】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記目的
を達成するため請求項1の発明は、電気的エネルギーを
回転力に変換して出力する電気式動力機構から第1出力
軸と第2出力軸にトルクを伝達して走行する電気自動車
の駆動装置において、前記電気式動力機構からトルクを
受けて回転させられる第1入力ディスクと、この第1入
力ディスクと軸線方向で対向して配置され、かつ前記第
1出力軸に連結された第1出力ディスクと、前記第1入
力ディスクと第1出力ディスクとの間に、これらのディ
スクの対向面に外周面を接触させてトルクを伝達し、か
つその接触点の前記各ディスクの回転中心軸線からの半
径を変化させるように傾斜可能に配置された円板状の第
1伝動ローラと、前記電気式動力機構からトルクを受け
て回転させられる第2入力ディスクと、この第2入力デ
ィスクと軸線方向で対向して配置され、かつ前記第2出
力軸に連結された第2出力ディスクと、前記第2入力デ
ィスクと第2出力ディスクとの間に、これらのディスク
の対向面に外周面を接触させてトルクを伝達し、かつそ
の接触点の前記各ディスクの回転中心軸線からの半径を
変化させるように傾斜可能に配置された円板状の第2伝
動ローラと、前記第1伝動ローラを前記軸線に直交する
直交線に対して傾斜可能に支持した第1支持機構と、前
記第2伝動ローラを前記軸線に直交する直交線に対して
傾斜可能に支持した第2支持機構とを備えていることを
特徴としている。
【0014】したがって請求項1の発明によれば、電気
式動力機構の出力トルクが、第1入力ディスクと第1伝
動ローラと第1出力ディスクとを介して第1出力軸に伝
達される一方、第2入力ディスクと第2伝動ローラと第
2出力ディスクとを介して第2出力軸に伝達される。
【0015】そして、直交線に対する第1伝動ローラの
傾斜角度が変更されると、第1伝動ローラと第1入力デ
ィスクとの接触点と、第1伝動ローラと第1出力ディス
クとの接触点との前記軸線からの半径すなわち公転半径
の比率が変化し、電気式動力機構の回転軸から第1出力
軸に伝達されるトルクの変速比が制御される。また、直
交線に対する第2伝動ローラの傾斜角度が変更される
と、第2伝動ローラと第2入力ディスクとの接触点と、
第2伝動ローラと第2出力ディスクとの接触点との前記
軸線からの半径すなわち公転半径の比率が変化し、電気
式動力機構の回転軸から第2出力軸に伝達されるトルク
の変速比が設定される。
【0016】また、第1出力軸と第2出力軸とに回転数
差が生じた場合は、第1入力ディスクおよび第1出力デ
ィスクと、第2入力ディスクおよび第2出力ディスクと
に作用する負荷が変動し、直交線に対する第1伝動ロー
ラおよび第2伝動ローラの傾斜角度が別個に自動的に変
化する。すると、第1伝動ローラ側の半径比と第2伝動
ローラ側の半径比とが不均等になり、第1出力軸と第2
出力軸との回転数差が吸収される。
【0017】このように、第1入力ディスクおよび第1
伝動ローラならびに第1出力ディスクと、第2入力ディ
スクおよび第2伝動ローラならびに第2出力ディスクと
が、変速機としての機能と差動装置としての機能とを兼
備している。このため、電気自動車の駆動装置を構成す
る部品点数を削減することができる。
【0018】また、第1入力ディスクおよび第1伝動ロ
ーラおよび第1出力ディスクと、第2入力ディスクおよ
び第2伝動ローラおよび第2出力ディスクとを軸線方向
に沿って配置すれば、半径方向に並ぶ部品の数が少なく
なり、駆動装置の半径を小さくすることができる。
【0019】請求項2の発明は、前記電気式動力機構
が、前記第1および第2の出力軸と同一軸線上に配置さ
れたロータと、そのロータの外周側に配置されたコイル
を有するステータとを備えたモータによって構成され、
そのモータの軸線方向での両側に前記第1入力ディスク
と前記第2入力ディスクとが別個に配置され、これら第
1入力ディスクおよび前記第2入力ディスクが、前記コ
イルの内周側に配置されていることを特徴としている。
【0020】したがって請求項2の発明によれば、請求
項1と同様の作用を得られるほか、第1入力ディスクお
よび第2入力ディスクが、モータのコイルと回転軸との
間に配置されているため、これらのディスクの軸線方向
での間隔が短くなり、その結果、駆動装置の軸長の短縮
化することができる。
【0021】さらに請求項3の発明は、請求項1あるい
は請求項2に記載した構成に加えて、前記電気式動力機
構の出力を制御する出力操作機構と、この出力操作機構
の操作状態に基づいて前記第1伝動ローラおよび前記第
2伝動ローラの傾斜角度を制御する第1傾斜角度制御機
構とを備えていることを特徴としている。
【0022】したがって請求項3の発明によれば、請求
項1または請求項2と同様の作用を得られるほか、電気
式動力機構の出力状態に応じて第1伝動ローラおよび第
2伝動ローラの傾斜角度が制御され、第1伝動ローラ側
の半径比および第2伝動ローラ側の半径比が変化する。
【0023】そして請求項4の発明は、請求項1ないし
3のいずれかに記載した構成に加え、舵角を検出する舵
角センサと、車速を検出する車速センサと、前記舵角お
よび前記車速に基づいて前記第1伝動ローラおよび前記
第2伝動ローラの傾斜角度を制御する第2傾斜角度制御
機構とを備えていることを特徴としている。
【0024】したがって請求項4の発明によれば、請求
項1ないし請求項3のいずれかと同様の作用を得られる
ほか、車両の旋回半径に応じて第1出力軸と第2出力軸
との回転数が制御される。すなわち旋回時の内外輪の回
転数差が制御される。
【0025】
【発明の実施の形態】
(第1実施例)次に、この発明を添付図面に基づいて詳
細に説明する。図1は電気自動車の駆動装置の一実施例
を示す断面図である。図において、符号1は中空のケー
スであり、このケース1は、符号“A”で示す中心軸線
を中心として配置された円筒状の本体2と、本体2の軸
線方向の両側の開口部を塞ぐように配置されたカバー
3,4とを備えている。
【0026】カバー3と本体2とが、図示しないボルト
により締め付けて固定され、本体2とカバー4とが、ボ
ルト5により締め付けて固定されている。なお、本体2
の外周には放熱フィン2Aが形成され、ケース1の内部
には、図示しないトラクションオイルが封入されてい
る。
【0027】前記本体2の内部に収納されたモータ6
は、電気エネルギーを回転力に変換して出力する。した
がってモータ6が、この発明の電気式動力機構に相当し
ている。このモータ6は、ステータ7とコイル8とロー
タ9とを有している。ステータ7は複数枚のけい素鋼板
を軸線方向に積層して相互に固定したもので、本体2の
内周面に固定されている。
【0028】また、ステータ7にはコイル8が巻き付け
られており、ステータ7の内周側には、軸線を中心とし
て回転可能な円筒状のロータ9が配置されている。この
ロータ9の外周には磁石10が取り付けられており、磁
石10とステータ7との対向面には微小間隙が形成され
ている。さらに、ロータ9は、軸線を中心として回転可
能な回転軸11の外周に嵌合固定されている。したがっ
て、コイル8に通電してロータ9に取り付けられた磁石
10による磁界の中で電流を制御することにより、回転
軸11が回転する。ここに示すモータ6としてPMモー
タを例示してあるが、この発明では、直流モータや誘導
モータなどの他の形式のモータを使用して、図に示す構
造と同様に構成することもできる。
【0029】一方、回転軸11は中空軸であって、この
回転軸11の内部にはアウトプットシャフト12が挿入
されている。回転軸11の軸線方向の長さは、本体2の
軸線方向の長さとほぼ同じに設定されている。回転軸1
1とアウトプットシャフト12との間には軸受13が配
置され、回転軸11とアウトプットシャフト12とが相
対回転可能となっている。
【0030】またアウトプットシャフト12は中空軸で
あり、カバー3の内部からカバー4の内部に到達する長
さに設定されている。したがって、アウトプットシャフ
ト12の両端が回転軸11の外部に所定量ずつ突き出し
ている。アウトプットシャフト12のカバー4側の端部
には第1ドライブシャフト14がスプライン嵌合されて
いる。
【0031】一方、カバー4の内向きフランジ4Aの中
心部には、符号“A”で示す軸線を中心とする軸孔15
が形成され、この軸孔15内に第1出力軸としての右側
ドライブシャフト14が配置されている。この右側ドラ
イブシャフト14は図示しない車輪に連結されている。
また、軸孔15の内周面にはオイルシール16が固定さ
れ、オイルシール16のシールリップが右側ドライブシ
ャフト14の外周面に液密に接触している。
【0032】さらに、アウトプットシャフト12のカバ
ー4側のねじ部にはナット状の固定部材17が取り付け
られている。また、カバー4の内向きフランジ4Aの内
面には、前記軸孔15と同心上に円筒部18が形成され
ており、この円筒部18の内周に取り付けられたラジア
ル軸受19により固定部材17が回転可能に保持されて
いる。
【0033】そして、回転軸11の内部に挿入されたア
ウトプットシャフト12の一方の端部、具体的にはカバ
ー4側の端部の外周側には、第1無段変速機(CVT)
20が配置されている。以下、第1無段変速機20の構
成を詳細に説明する。
【0034】第1無段変速機20は環状の第1入力ディ
スク21を備えており、第1入力ディスク21は回転軸
11の外周にスプライン嵌合されている。第1入力ディ
スク21は、コイル8の軸線方向の端部の側方に配置さ
れている。そして、第1入力ディスク21の軸孔15側
の側面には、軸線を中心とする環状の伝動面22が形成
されている。この伝動面22はトロイダル面であり、図
示の例では、フルトロイダル式として構成されている。
なお、ハーフトロイダル式とすることも可能である。
【0035】また、アウトプットシャフト12の外周に
は第1出力ディスク23がスプライン嵌合されており、
第1出力ディスク23の第1入力ディスク21側の側面
には、伝動面22と対称なトロイダル面である伝動面2
4が形成されている。そして、伝動面22と伝動面24
との対向面の間に環状の第1キャビティK1が形成され
ている。
【0036】さらに、第1キャビティK1の内部には、
円板状の第1伝動ローラとしてのパワーローラ25が複
数配置されている。パワーローラ25の外周面は伝動面
22,24に対応する曲面とされており、このパワーロ
ーラ25の外周面が伝動面22,24に油膜を介して接
触している。また、パワーローラ25の中心には軸26
が貫通して固定されており、軸26がホルダー27によ
り回転可能に保持されている。そして、パワーローラ2
5の厚さ方向の中心線Cと、軸26の中心線Dとの交点
が、伝動面22および伝動面24によって囲われたキャ
ビティK1の中心B上に配置され、いわゆるフルトロイ
ダル式の第1無段変速機20が構成されている。
【0037】さらに、アウトプットシャフト12の外周
におけるナット状の固定部材17と第1出力ディスク2
3との間には、シリンダ28が配置されている。このシ
リンダ28は、アウトプットシャフト12の環状段部1
2Aと固定部材17とにより軸線方向での位置が決めら
れ、かつ固定されている。
【0038】シリンダ28の外周には、第1出力ディス
ク23の外径よりも大きい内径を備えた円筒部29が形
成されており、円筒部29の内側に第1出力ディスク2
3が配置されている。そして、第1出力ディスク23と
円筒部29との間、および第1出力ディスク23とアウ
トプットシャフト12との間にはOリングが装着されて
いる。このようにして、シリンダ28と第1出力ディス
ク23との間に油圧室30が形成されている。
【0039】また、シリンダ28には、油圧室30に連
通する油路31が形成されている。さらに、シリンダ2
8と第1出力ディスク23との間には、環状の予圧ワッ
シャ32が装着され、予圧ワッシャ32の弾性力により
第1出力ディスク23が第1入力ディスク21側に押さ
れている。
【0040】一方、アウトプットシャフト12のカバー
3側の端部の内部には、円筒状のホルダー33が挿入さ
れている。アウトプットシャフト12とホルダー33と
の間にはラジアル軸受34が配置され、アウトプットシ
ャフト12とホルダー33ととが相対回転可能に構成さ
れている。
【0041】前記カバー3は本体2から離れるに従い外
径が縮小する形状に形成されており、カバー3における
本体2から最も離れた箇所には、符号“A”で示す軸線
を中心とする軸孔35が形成されている。この軸孔35
内には第2出力軸としての左側ドライブシャフト36が
挿入され、左側ドライブシャフト36がホルダー33の
内部にスプライン嵌合されている。また、軸孔35の内
周面にはオイルシール37が取り付けられ、オイルシー
ル37のシールリップが左側ドライブシャフト36の外
周面に液密に接触している。なお、左側ドライブシャフ
ト36は、図示しない車輪、例えば前輪に連結されてい
る。
【0042】そして、回転軸11の内部に挿入されたア
ウトプットシャフト12の他方の端部、具体的にはカバ
ー3側の端部の周囲には、第2無段変速機(CVT)3
8が配置されている。以下、第2無段変速機38の構成
を詳細に説明する。
【0043】第2無段変速機38は環状の第2入力ディ
スク39を備えており、第2入力ディスクは回転軸11
の外周にスプライン嵌合されている。第2入力ディスク
39は、コイル8の軸線方向の端部の側方に配置されて
いる。そして、第2入力ディスク42の軸孔35側の側
面には、軸線を中心とする環状の伝動面40が形成され
ている。この伝動面40はトロイダル面であり、図示の
例では、フルトロイダル式として構成されている。な
お、ハーフトロイダル式とすることも可能である。
【0044】また、ホルダー33の外周におけるラジア
ル軸受34と軸孔35との間には、ハブ41がスプライ
ン嵌合されており、ハブ41の外周には第2出力ディス
ク42が取り付けられている。そして、第2出力ディス
ク42の軸孔35側の側面には、軸線を中心とする円筒
部42Aが形成されている。
【0045】この円筒部42Aの内径は、第2出力ディ
スク42の内径よりも大きく設定されている。さらに、
カバー3の内面には軸線を中心とする円筒部43が形成
されており、円筒部43に取り付けられたラジアル軸受
44により円筒部42Aが保持されている。
【0046】また、アウトプットシャフト12の軸孔3
5側の端部は、第2出力ディスク42の円筒部42A内
に挿入されている。そして、アウトプットシャフト12
の軸孔35側の端部には外向きのフランジ45が形成さ
れている。この外向きフランジ45の外径は、円筒部4
2Aの内径よりも小さく、かつ、第2出力ディスク42
の内径よりも大きく設定されている。そして、第2出力
ディスク42の側面と外向きフランジ45の側面との間
にはスラスト軸受46が配置されている。
【0047】前記第2出力ディスク42の第2入力ディ
スク39側の側面には、軸線を中心とする環状の伝動面
39Aが形成されている。この伝動面39Aは前記伝動
面40と対称なトロイダル面である。そして、伝動面4
0と伝動面39Aとの間には全体として環状をなす第2
キャビティK2が形成されている。
【0048】さらに、第2キャビティK2内には、第2
伝動ローラとしての円板状のパワーローラ47が複数配
置されている。パワーローラ47の外周面は伝動面39
A,40に対応する曲面とされており、このパワーロー
ラ47の外周面が伝動面39A,40に油膜を介して接
触している。パワーローラ47の中心には軸48が貫通
して固定されており、軸48がホルダー49により回転
可能に保持されている。そして、パワーローラ47の厚
さ方向の中心線Fと、軸48の中心線Gの交点とが、伝
動面39Aと伝動面40とによって囲われたキャビティ
K2の中心E上に配置され、いわゆるフルトロイダル式
の第2無段変速機38が構成されている。
【0049】上記のように、モータ6の軸線方向の両側
に第1無段変速機20と第2無段変速機38とにより、
全体としてフルキャビティ型の無段変速機を構成してい
る。図2は上記第1無段変速機20および第2無段変速
機38の制御機構を示す概念図である。ホルダー27,
49には別個にバリエーター軸50,51が連結されて
いる。バリエーター軸50,51は軸線に対して所定の
キャスタ角θ1をもって移動可能に構成されている。
【0050】一方、ケース1の内部には油圧シリンダ5
2,53が固定されており、これらの油圧シリンダ5
2,53はそれぞれ油圧室54,55およびピストン5
6,57を備えている。そしてこのピストン56,57
にバリエーター軸50,51が別個に連結されている。
また、ホルダー27,49はバリエーター軸50,51
に対して回転可能に、かつ揺動可能に連結されている。
【0051】したがって、油圧室54,55の油圧を制
御することにより、パワーローラ25,47を第1キャ
ビティK1あるいは第2キャビティK2の円周方向に移
動させることが可能である。また、パワーローラ25,
47は軸線に直交する直交線(図示せず)に対する傾斜
角度を個別に変更可能になっている。上記ホルダー27
とバリエーター軸50とがこの発明の第1支持機構に相
当し、上記ホルダー49とバリエーター軸51とが第2
支持機構に相当する。
【0052】図3は上記電気自動車の駆動装置の制御シ
ステムの構成例を示すブロック図である。前記モータ6
に直流電流を供給するバッテリ58がコントローラ59
に接続されている。モータ6が直流モータである場合に
はコンバータを内蔵したコントローラ59が用いられ、
モータ6が交流モータである場合にはインバータを内蔵
したコントローラ59が用いられる。
【0053】コントローラ59は、バッテリ58からモ
ータ6に供給される電流や電圧を調整するためのもの
で、コントローラ59は電子制御装置(ECU)60に
より制御される。電子制御装置60は、入出力インター
フェースおよび記憶装置(RAM,ROM)ならびに中
央演算処理装置(CPU)を主体とするマイクロコンピ
ュータにより構成されている。
【0054】電子制御装置60には、アクセルペダルの
開度θを検出するアクセルペダルスイッチ61の信号
と、ステアリングハンドルの操作状態を検出する舵角セ
ンサ62の信号と、電気自動車の車速を検出する車速セ
ンサ63の信号とが入力される。そして、電子制御装置
60は、アクセル開度θや車速により電気自動車の走行
状態を判断し、判断結果に基づいてコントローラ59が
制御される。
【0055】なお、クルーズコントロールなどの車速を
一定に維持するシステムを備えている場合には、そのシ
ステムによってモータ6の出力を制御する出力制御機構
の操作量が前記アクセル開度θに替わって採用される。
したがってアクセルペダルやこれに替わる出力制御機構
が、この発明における出力操作機構に相当する。また舵
角センサ62は、ステアリングハンドルの操舵角度を検
出する替わりに、車輪の舵角を検出するものとしてもよ
い。さらに車速センサ63は、要は、車速に対応するデ
ータを検出するものであればよいので、動力伝達系統を
構成するいずれかの回転部材の回転数を検出するもので
あればよい。
【0056】また、第1出力ディスク23を動作させる
油圧室30は、ソレノイドバルブ64を介してポンプな
どの油圧源65に接続されている。ソレイドバルブ64
は電子制御装置61によりそのデューティ比が制御さ
れ、油圧室30に作用する油圧が制御される。
【0057】一方、パワーローラ25,47の動作を制
御する油圧室54,55は、ソレイドバルブ66,67
を介して別々に油圧源65に接続されている。ソレイド
バルブ66,67は、電子制御装置61によりそのデュ
ーティ比が別々に制御され、油圧室54,55に作用す
る油圧を制御する。上記ソレイドバルブ66,67と、
油圧室54,55と、ピストン56,57と、バリエー
ター軸50,51と、ホルダー27,49とが、この発
明の第1傾斜角度制御機構あるいは第2傾斜角度制御機
構に相当する。
【0058】つぎに、上記構成の電気自動車の駆動装置
の動作を説明する。まず、バッテリ58からコントロー
ラ59に給電されてモータ6が起動可能な状態になる。
そして、アクセルペダルが駆動力を増大させるように操
作されると、アクセル開度θに応じた電流がモータ6に
供給され、例えば図2の矢印方向に回転軸11が回転す
る。
【0059】そして、予圧ワッシャ32の弾性力および
油圧室30の油圧が第1出力ディスク23に作用し、第
1出力ディスク23が第1入力ディスク21側に押され
る。その結果、パワーローラ25と第1入力ディスク2
1および第1出力ディスク23との接触面の面圧に応じ
たトルク容量が設定され、各部品の当接面に介在するト
ラクションオイルのせん断力によりトルクが伝達され
る。
【0060】また、第1出力ディスク23に作用する押
圧力に対応する反力が、回転軸11を介して第2入力デ
ィスク39に伝達され、第2入力ディスク39が第2出
力ディスク42側に押される。その結果、パワーローラ
47と第2入力ディスク39および第2出力ディスク4
2との当接面の面圧に応じたトルク容量が設定され、各
部品の当接面に介在するトラクションオイルのせん断力
によりトルクが伝達される。
【0061】このようにして、第1無段変速機20のト
ルク容量と、第2無段変速機38のトルク容量とがほぼ
均等に制御される。そして、第1出力ディスク23や第
1出力ディスク42に伝達されたトルクが、右側ドライ
ブシャフト14や左側ドライブシャフト36を介して車
輪に伝達され、電気自動車が走行する。
【0062】そして、第1無段変速機20および第2無
段変速機38の変速比は、軸線に直交する直交線に対す
るパワーローラ25,47の傾斜角度により設定され
る。パワーローラ25,47の傾斜角度は、油圧室5
4,55の油圧と、パワーローラ25,47に作用する
駆動反力とのバランスにより変化し、所定の値に設定さ
れる。
【0063】まず、油圧室54,55の油圧を減少させ
ると、第1入力ディスク21とパワーローラ25との接
触抵抗により、パワーローラ25がシリンダ52に近づ
く方向に移動する。同様にしてパワーローラ47がシリ
ンダ53に近づく方向に移動する。
【0064】すると、第1入力ディスク21とパワーロ
ーラ25との接触点では、第1入力ディスク21の回転
方向とパワーローラ25の回転方向とに差が生じるた
め、パワーローラ25の回転方向と第1入力ディスクの
回転方向とを一致させようとする力が作用して、パワー
ローラ25が第1キャビテイK1の円周方向に傾斜しな
がら直交線に対する傾斜角度が変化する。
【0065】この実施例では、図1に示すようにパワー
ローラ25と第1入力ディスク21との接触点の符号
“A”で示す軸線からの公転半径が減少し、かつ、パワ
ーローラ25と第1出力ディスク23との接触点との公
転半径が増大する方向にパワーローラ25が変位する。
そして、パワーローラ25の回転方向と第1入力ディス
クの回転方向とが一致した時点でパワーローラ25の変
位が終了し、第1無段変速機20の変速が完了する。
【0066】一方、第2無段変速機38側においても、
上記と同様の作用により図1に示すようにパワーローラ
47と第2入力ディスク39との接触点の公転半径が減
少し、かつ、パワーローラ47と第2出力ディスク42
との接触点との公転半径が増大する方向にパワーローラ
47が変位する。そして、パワーローラ47の回転方向
と第2入力ディスクの回転速度方向とが一致した時点で
パワーローラ47の変位が終了し、第2無段変速機38
での変速が完了する。
【0067】上記のようにパワーローラ25,47の変
位が終了すると、第1無段変速機20および第2無段変
速機38における変速比がより大きい値になる。つま
り、回転軸11のトルクが第1ドライブシャフト14お
よび第2ドライブシャフト36に対して減速して伝達さ
れる。
【0068】また、油圧室54,55の油圧を増大させ
ると、パワーローラ25がシリンダ52から離れる方向
に移動し、パワーローラ47がシリンダ53から離れる
方向に移動する。
【0069】すると、上記と同様の作用によりパワーロ
ーラ25が第1キャビティK1の円周方向に傾斜しなが
ら直交線に対して傾斜し、パワーローラ25と第1入力
ディスク21の回転方向とが一致した時点でパワーロー
ラ25の変位が終了し、第1無段変速機20での変速が
完了する。この実施例では、第1入力ディスク21側の
接触点の公転半径よりも第1出力ディスク23側の接触
点の公転半径の方が小さくなる方向に動く。
【0070】また、同様にしてパワーローラ47が第2
入力ディスク39の半径方向および円周方向に変位し、
パワーローラ47と第2入力ディスク39の回転方向と
が一致した時点でパワーローラ47の変位が終了し、第
2無段変速機38の変速が完了する。この実施例では、
第2入力ディスク39側の接触点の公転半径よりも第2
出力ディスク側42の接触点の公転半径の方が小さくな
る方向に動く。
【0071】上記のようにパワーローラ25,47の変
位が終了すると、第1無段変速機20および第2無段変
速機38での変速比が、より小さい値となり、回転軸1
1のトルクが第1ドライブシャフト14および第2ドラ
イブシャフト36に対して増速して伝達される。
【0072】ところで、電気自動車の走行中にステアリ
ングハンドルを操作して電気自動車を右方向に旋回させ
ようとすると、車両にヨーモーメントが発生して旋回を
開始する。すると、内輪の回転数よりも外輪の回転数が
大きくなり、図中右側のドライブラインに捩りトルク、
すなわち制動力が作用する。そのため、内輪に連結され
た右側ドライブシャフト14の制動力がアウトプットシ
ャフト12を介して第1出力ディスク23に伝達され、
ホルダー27に作用する反力が増大する。
【0073】このため、パワーローラ25が油圧室54
の油圧に抗してシリンダ52側に移動し、前述と同様の
作用によってパワーローラ25が第1キャビティK1の
円周方向に傾斜しながら直交線に対して傾斜する。その
結果、パワーローラ25と第1入力ディスク21との接
触点の公転半径が、パワーローラ25と第1出力ディス
ク23との接触点の公転半径よりも小さくなる方向に動
く。
【0074】一方、上記動作中、外輪の回転数が増大す
ることにより、第2出力ディスク42の回転数が第2入
力ディスク39の回転数よりも増大しようとする。する
と、ホルダー49に作用する反力が減少してパワーロー
ラ47がシリンダ53から離れる方向に移動し、前述と
同様の作用によってパワーローラ47が第2入力ディス
ク39の半径方向および円周方向に変位する。その結
果、パワーローラ47と第2入力ディスク39との接触
点の公転半径が、パワーローラ47と第2出力ディスク
42との接触点の公転半径よりも大きくなる方向に動
く。このようにして、右側ドライブシャフト14に取り
付けられた車輪と左側ドライブシャフト36に取り付け
られた車輪との差動回転が吸収される。
【0075】なお、ステアリングハンドル舵角を直進状
態に復帰する操作が行われた場合は、第1入力ディスク
21と第1出力ディスク23との回転数差、および第2
入力ディスク39と第2出力ディスク42との回転数差
による反力に基づいてパワーローラ25,47が第1キ
ャビティK1および第2キャビティK2の円周方向に傾
斜しながら変位し、左右のパワーローラ25,47の傾
斜角が等しくなる。
【0076】さらに、電気自動車を左方向に旋回させる
場合には、左側ドライブシャフト36に取り付けられた
車輪が内輪となって同様の作用が行われ、右側ドライブ
シャフト14に取り付けられた車輪が外輪となって同様
の作用が行われる。
【0077】なお、上記のようにステアリングハンドル
の操作により第1無段変速機20および第2無段変速機
38を差動装置として機能させる場合に、舵角センサ6
2および車速センサ63により検出される信号に基づい
て、電子制御装置60により油圧室54,55の油圧を
自動的に制御し、直交線に対するパワーローラ25,4
7の傾斜角度を制御することも可能である。このような
制御を行えば電気自動車の旋回半径に応じて内輪および
外輪それぞれの回転数を個別に設定することができ、旋
回性能が一層向上する。
【0078】このように、第1実施例では第1無段変速
機20および第2無段変速機38が、変速機としての機
能と差動装置としての機能とを兼備している。このた
め、駆動装置に用いる部品点数を可及的に削減すること
ができ、駆動装置の小型化および軽量化に寄与すること
ができる。
【0079】また、第1実施例では第1入力ディスク2
1とパワーローラ25と第1出力ディスク23とがモー
タ6の一方に軸線方向に配置され、第2入力ディスク3
9とパワーローラ47と第2出力ディスク42とがモー
タ6の他方に軸線方向に配置されている。このため、軸
線に直交する方向(半径方向)に配列する部品の数が少
なくなり、したがって半径方向での部品の配置スペース
が抑制され、駆動装置の外径を小さくすることができ
る。
【0080】さらに、上述した第1の実施例では、油圧
室54,55の油圧Pを、アクセルペダルの開度θをパ
ラメータとした関数(P=f(θ))で求められるよう
に、電子制御制御装置60のプログラムを設定しておく
ことも可能である。制御プログラムをこのように設定し
ておけば、アクセル開度θが増加してモータ6の出力ト
ルクが増大した場合には、第1無段変速機20および第
2無段変速機38が、その変速比を増大させるように自
動的に制御される。一方、アクセル開度θが減少してモ
ータ6の出力トルクが減少にした場合には、第1無段変
速機20および第2無段変速機38が、その変速比を減
少させるように自動的に制御される。つまり、電気自動
車が走行する道路の状態あるいは運転者の増減速の意図
に応じてモータ6の出力トルクを増減することが可能と
なり、駆動装置の駆動性能が一層が向上する。
【0081】また、第1実施例では、第1無段変速機2
0および第2無段変速機38を構成する各部品の接触面
に介在するトラクションオイルのせん断力によりトルク
を伝達するため、ギヤ機構を用いて変速または差動を行
う構成に比べて振動が少なく、かつ異音が生じない効果
がある。
【0082】また、第1実施例では、アウトプットシャ
フト12とシリンダ28とが固定部材17により軸線方
向に向けて固定され、かつ、第2出力ディスク42とア
ウトプットシャフト12の外向きフランジ45との間に
スラスト軸受46が配置されている。このため、第1無
段変速機20および第2無段変速機38においてトルク
を伝達している際に、第1出力ディスク23に反力とし
て作用するスラスト荷重と、第2出力ディスク42に反
力として作用するスラスト荷重とが、いずれもアウトプ
ットシャフト12に伝達され、二つのスラスト荷重が相
殺される。したがって、ケース1側に上記スラスト荷重
を受けるスラスト軸受を配置する必要がなく、部品点数
を可及的に削減して駆動装置の小型化および軽量化を図
ることができる。
【0083】さらに、上記のようにしてスラスト荷重が
相殺されるため、ラジアル軸受18,43にはラジアル
方向の荷重のみが作用してスラスト方向の荷重が作用せ
ず、ラジアル軸受18,43の容量を可及的に小さく設
定することができる。さらに、ラジアル軸受18,43
を保持するカバー3,4の強度を可及的に小さく設定す
ることができる。
【0084】(第2実施例)図4は、この発明に係る駆
動装置の第2実施例を示す断面図である。この第2実施
例では、第1入力ディスク21の外径が第1出力ディス
ク23の外径よりも小さく設定され、第2入力ディスク
39の外径が第2出力ディスク42の外径よりも小さく
設定されている。
【0085】このため、第1入力ディスク21とパワー
ローラ25との接触点の最大公転半径が、第1出力ディ
スク23とパワーローラ25との接触点の最大公転半径
よりも小さく設定されている。また、第2入力ディスク
39とパワーローラ47との接触点の最大公転半径が、
第2出力ディスク42とパワーローラ47との接触点の
最大公転半径よりも小さく設定されている。そして、第
1入力ディスク21および第2入力ディスク39が、コ
イル8の軸線方向の端部の内周側、すなわちその端部と
回転軸11との間に配置されている。そのほかの構成は
第1実施例と同様であるため説明を省略する。
【0086】この第2実施例においても、第1実施例と
同様の作用効果を得られる。また、第2実施例では、第
1入力ディスク21と第2入力ディスク39とが、コイ
ル8の軸線方向の端部と回転軸11との間に配置されて
いる。このため、軸線方向におけるモータ6の配置スペ
ースと、第1無段変速機20および第2無段変速機38
の配置スペースとを部分的に重複させることが可能とな
り、駆動装置を短くすることができる。
【0087】さらに、第2実施例では、第1入力ディス
ク21とパワーローラ25との接触点の最大公転半径
が、第1出力ディスク23とパワーローラ25との接触
点の最大公転半径よりも小さく設定されている。また、
第2入力ディスク39とパワーローラ47との接触点の
最大公転半径が、第2出力ディスク42とパワーローラ
47との接触点の最大公転半径よりも小さく設定されて
いる。
【0088】このため、パワーローラ25,47の変位
による減速制御可能な領域の割合の方が、増速制御可能
な領域の割合よりも多くなるが、電気自動車に搭載され
るモータ6では、要求される変速比が「1」以上の状
態、つまりトルクを減速して伝達させるような駆動状態
が多いため、変速制御領域が限定されても第1実施例と
比べ電気自動車の走行に支障が生じる可能性はない。
【0089】(第3実施例)図5は、電気自動車の駆動
装置の第3実施例を示す断面図であり、この第3実施例
においては第1出力ディスクおよび第2出力ディスクが
軸線方向に別個に移動可能に構成されている点で、第1
実施例または第2実施例と相違している。すなわち図5
において、符号68は中空のケースであり、このケース
68は、軸線を中心として配置された円筒状の本体69
と、本体69の一方の開口部を覆う位置に配置されたカ
バー70と、本体69の他方の開口部に取り付けられた
円筒体71と、円筒体71の開口部を閉じた環状のカバ
ー72とを備えている。
【0090】これらカバー70と本体69とがボルト7
3により締め付けて固定され、また本体69と円筒体7
1とがボルト74により締め付けて固定され、さらに円
筒体71とカバー72とがボルト75により締め付けて
固定されている。なお、本体69の外周には放熱フィン
76が形成され、ケース68の内部には、図示しないト
ラクションオイルが封入されている。
【0091】前記本体69の内部に収納されたモータ7
7は電気エネルギーを回転力に変換するこの発明の電気
式動力機構に相当し、このモータ77は、ステータ78
とコイル79とロータ80とを有する。ステータ78は
複数のけい素鋼板を軸線方向に積層して相互に固定した
もので、ステータ78は本体69の内周面に固定されて
いる。
【0092】また、ステータ78にはコイル79が巻き
付けられており、ステータ78の内周側には、軸線を中
心として回転可能な円筒状のロータ80が配置されてい
る。このロータ80の外周には磁石81が取り付けられ
ており、磁石81とステータ78との対向面には微小間
隙が形成されている。さらに、ロータ80は、軸線を中
心として回転可能な回転軸82の外周に嵌合固定されて
いる。したがって、コイル79に通電してステータ78
により磁界が形成されると、回転軸82が回転する。
【0093】一方、回転軸82は中空軸であって、回転
軸82の軸線方向の長さは、本体69の軸線方向の長さ
よりも長く設定されている。回転軸82のほとんどは本
体69の内部に配置され、その一端がカバー70の内部
に到達し、他端が円筒体71の内部に到達している。
【0094】そして、回転軸82の内部には、第1アウ
トプットシャフト83と第2アウトプットシャフト84
とが挿入されている。第1アウトプットシャフト83は
カバー70側に配置されており、その端部がカバー70
の内向きフランジ85の軸孔86の近傍まで到達してい
る。
【0095】また、回転軸82と第1アウトプットシャ
フト83との間には軸受108が配置され、回転軸82
と第1アウトプットシャフト83とが相対回転可能とな
っている。第1アウトプットシャフト83は中空軸であ
り、第1ドライブシャフトとしての右側ドライブシャフ
ト87が、カバー70の外部からカバー70の内部に挿
入されている。そして、右側ドライブシャフト87が、
第1アウトプットシャフト83の内部にスプライン嵌合
されている。また、右側ドライブシャフト87は図示し
ない車輪に連結されている。
【0096】第1アウトプットシャフト83の軸孔86
側のねじ部にはナット状の固定部材88が取り付けられ
ている。また、カバー70の内向きフランジ85の内面
には、軸線を中心とする円筒部89が形成されており、
円筒部89の内周に取り付けられたラジアル軸受90に
より、固定部材88が保持されている。さらに、軸孔8
6の内周面にはオイルシール91が固定され、オイルシ
ール91のシールリップが右側ドライブシャフト87の
外周面に液密に接触している。また、回転軸82に挿入
された第1アウトプットシャフト83の一方の端部の外
周側には、第1無段変速機(CVT)92が配置されて
いる。
【0097】以下、第1無段変速機92の構成を詳細に
説明する。まず、本体69のカバー70側の端部内周に
は内向きフランジ93が形成されており、内向きフラン
ジ93の内周にラジアル軸受94が取り付けられてい
る。
【0098】第1無段変速機92は、環状の第1入力デ
ィスク95と環状の第1出力ディスク96とを備え、第
1入力ディスク95が回転軸82の外周にスプライン嵌
合されている。第1入力ディスク95はラジアル軸受9
4により保持され、第1入力ディスク95の軸孔86側
の側面には、符号“A”で示す軸線を中心とする環状の
伝動面97が形成されている。この伝動面97はトロイ
ダル面として構成されている。
【0099】また、第1出力ディスク96は第1アウト
プットシャフト83の外周にスプライン嵌合されてお
り、第1出力ディスク96の第1入力ディスク95側の
側面には、伝動面97と対称な形状の伝動面98が形成
されている。そして、伝動面97と伝動面98との対向
面の間に環状の第1キャビティK1が形成されている。
【0100】この第1キャビティK1の内部には、円板
状の第1伝動ローラとしてのパワーローラ99が複数配
置されている。パワーローラ99の外周面は、前記伝動
面97,98に対応する曲面に成形され、そのパワーロ
ーラ99の外周面が伝動面97,98に油膜を介して接
触させられている。またパワーローラ99の中心には軸
100が貫通して固定されており、この軸100がホル
ダー101により回転可能に保持されている。そして、
パワーローラ99の厚さ方向の中心線Cと、軸100の
中心線Dとの交点が、伝動面97と伝動面98とによっ
て形成されているキャビティK1の中心B上に配置され
ている。したがっていわゆるフルトロイダル式の第1無
段変速機92が構成されている。
【0101】さらに、第1アウトプットシャフト83の
外周におけるナット状の固定部材88と第1出力ディス
ク96との間には、環状のシリンダ102が固定されて
いる。そのシリンダ102の外周には、第1出力ディス
ク96の外形よりも大きい内径を備えた円筒部103が
形成されており、円筒部103の内側に第1出力ディス
ク96が配置されている。
【0102】そして、第1出力ディスク96と円筒部1
03との間、および第1出力ディスク96と第1アウト
プットシャフト83との間にはOリングが装着されてい
る。このようにして、シリンダ102と第1出力ディス
ク96との間に油圧室104形成されている。
【0103】また、シリンダ102には、油圧室104
に連通する油路105が形成されている。さらに、シリ
ンダ102と第1出力ディスク96との間には、環状の
予圧ワッシャ106が装着され、予圧ワッシャ106の
弾性力により第1出力ディスク96が第1入力ディスク
95側に押されている。
【0104】一方、前記第2アウトプットシャフト84
は円筒体71側に配置されており、その端部がカバー7
2の軸孔107の近傍まで到達している。回転軸82と
第2アウトプットシャフト84との間には軸受108が
配置され、回転軸82と第2アウトプットシャフト84
とが相対回転可能となっている。
【0105】第2アウトプットシャフト83は中空軸で
あって、第2ドライブシャフトとしての左側ドライブシ
ャフト109が、カバー72の外部からカバー72の内
部に挿入されている。そして、左側ドライブシャフト1
09が、第2アウトプットシャフト84の内部にスプラ
イン嵌合されている。また、左側ドライブシャフト10
9は図示しない車輪に連結されている。
【0106】第2アウトプットシャフト84の軸孔10
7側のねじ部にはナット状の固定部材110が固定され
ている。また、カバー72の内面には、軸線を中心とす
る円筒部111が形成されており、円筒部111の内周
に取り付けられたラジアル軸受112により、固定部材
110が保持されている。さらに、軸孔107の内周面
にはオイルシール113が固定され、オイルシール11
3のシールリップが左側ドライブシャフト109の外周
面に液密に接触している。また、回転軸82に挿入され
た第2アウトプットシャフト84の端部の外周側には、
第2無段変速機(CVT)114が配置されている。
【0107】以下、第2無段変速機114の構成を詳細
に説明する。まず、円筒体71の本体69側の端部内周
には内向きフランジ115が形成されており、内向きフ
ランジ115の内周にラジアル軸受116が取り付けら
れている。
【0108】第2無段変速機114は、環状の第2入力
ディスク117と環状の第2出力ディスク118とを備
え、第1入力ディスク117が回転軸82の外周にスプ
ライン嵌合されている。第2入力ディスク118はラジ
アル軸受116により保持され、第2入力ディスク11
7のカバー72側の側面には、軸線を中心とする環状の
伝動面119が形成されている。伝動面119はトロイ
ダル面として形成されている。
【0109】また、第2出力ディスク118は第2アウ
トプットシャフト84の外周にスプライン嵌合されてお
り、第2出力ディスク118の第2入力ディスク117
側の側面には、伝動面119と対称な形状の伝動面12
0が形成されている。そして、伝動面119と伝動面1
20との対向面の間に環状の第2キャビティK2が形成
されている。
【0110】さらに、第2キャビティK2には円板状の
第2伝動ローラとしてのパワーローラ121が複数配置
されており、パワーローラ121の外周面が、伝動面1
19,120に対応す曲面に形成されている。そして、
パワーローラ121の外周面が伝動面119,120に
油膜を介して接触させられている。またパワーローラ1
21の中心には軸122が貫通して固定されており、軸
122がホルダー123により回転可能に保持されてい
る。そして、パワーローラ123の厚さ方向の中心線F
と軸122の中心線Gとの交点が、伝動面119と伝動
面120とによって形成されているキャビティK2の中
心E上に配置されている。したがっていわゆるフルトロ
イダル式の第2無段変速機114が構成されている。
【0111】さらに、第2アウトプットシャフト84の
外周におけるナット状の固定部材110と第2出力ディ
スク118との間には、環状のシリンダ124が固定さ
れている。シリンダ124の外周には、第2出力ディス
ク118の外径よりも大きい内径を備えた円筒部125
が形成されており、円筒部125の内側に第2出力ディ
スク118が配置されている。
【0112】そして、第2出力ディスク118と円筒部
125との間、および第2出力ディスク118と第2ア
ウトプットシャフト84との間にはOリングが装着され
ている。このようにして、シリンダ124と第2出力デ
ィスク118との間に油圧室126が形成されている。
【0113】また、シリンダ124には、油圧室126
に連通する油路127が形成されている。さらに、シリ
ンダ124と第2出力ディスク118との間には、環状
の予圧ワッシャ128が装着され、予圧ワッシャ128
の弾性力により第2出力ディスク118が第2入力ディ
スク117側に押されている。なお、パワーローラ9
9,121は、図2と同様の制御機構、つまりシリン
ダ、油圧室、ピストン、バリエーター軸などにより制御
される。
【0114】この第3実施例においては、モータ77が
駆動されると、回転軸82の出力トルクが第1無段変速
機92および第2無段変速機114に伝達され、第1実
施例で述べたトルクの伝達と同様にして右側ドライブシ
ャフト87および左側ドライブシャフト109にトルク
が伝達されて電気自動車が走行する。
【0115】また、第1無段変速機92および第2無段
変速機114の変速機能や差動機能は、第1実施例と同
様に行われる。したがって、第3実施例でも第1実施例
と同様の作用効果を得られる。さらに、第3実施例で
は、第1出力ディスク96と第2出力ディスク118と
が別個に軸線方向に移動可能に構成されている。
【0116】そして、油圧室104および油圧室126
の油圧を別個に制御することにより、第1無段変速機9
2のトルク容量と第2無段変速機114のトルク容量と
を独立して制御することができるため、電気自動車の左
右の車輪間のトルクを変更するなどのことにより走行性
能が向上し、かつ、パワーローラ99,121に生じる
無駄な動力損失を省くことができる。
【0117】上記第1実施例ないし第3実施例では、フ
ルトロイダル式の無段変速機が用いられているが、ハー
フトロイダル式の無段変速機を用いることも可能であ
る。ハーフトロイダル式の無段変速機とは、パワーロー
ラの厚さ方向の中心線と軸の中心線との交点が、伝動面
を形成する円弧の中心以外の位置に配置されている構成
の無段変速機である。換言すれば、トロイダル面である
伝動面の外周側の端部同士の間隔、すなわち伝動面の回
転中心から計った最外周側の端部同士の間隔が、最も広
くなるように伝動面を形成した無段変速機である。
【0118】このハーフトロイダル式の無段変速機を用
いた場合には、第1ドライブシャフトと第2ドライブシ
ャフトとに差動回転が生じた場合に、第1無段変速機と
第2無段変速機との変速比を自動的に制御する機能が得
られない。そこで、舵角センサ62により検出されるス
テアリングハンドルの舵角と、車速センサ63により検
出される車速とに基づいて、左右輪の回転数比を電子制
御装置60が演算処理する。
【0119】そして、演算された回転数比に基づいて第
1無段変速機のパワーローラの傾斜角度と、第2無段変
速機のパワーローラの傾斜角度とを演算し、演算結果に
基づいてパワーローラ制御用のアクチュエータを制御す
る。その結果、第1無段変速機のパワーローラと第2無
段変速機のパワーローラとが回転して減速または増速さ
れ、左右輪の差動が円滑になり、車両としての旋回性能
が向上する。
【0120】上記第1実施例ないし第3実施例におい
て、第1無段変速機および第2無段変速機を電動モータ
の中空の回転軸の内部に配置する構成を採用することも
可能である。このような構成を採用すれば、軸線方向の
部品の配置スペースがさらに減少し、駆動装置を軸線方
向に一層小型化することが可能になる。
【0121】この発明の駆動装置は、電気自動車の前輪
または後輪のいずれか一方または両方に適用してもよ
い。また、モータとそのほかの駆動力源、例えば内燃機
関とを搭載したハイブリッド方式の電気自動車にも適用
可能である。さらに、電気式動力機構として、力行機能
と回生機能とを兼備したモータジェネレータを用いるこ
とも可能である。
【0122】さらに第3実施例においては、第1無段変
速機92のトルク容量と第2無段変速機114のトルク
容量とを別個に制御するために、第1入力ディスク95
と第2入力ディスク117とを軸線方向に移動させる機
構を設けることも可能である。
【0123】(第4実施例)この発明の第4の実施例に
ついて図6を参照して説明する。この図6に示す第4実
施例は、モータを左右両輪に対応させて2つ設けるとと
もに、モータを液密状態のモータ室に収容することによ
りトラクションオイルによりモータの出力特性が影響さ
れることを防止するように構成されている。したがって
ケース68の構造を含めてほぼ完全に左右対称に構成さ
れている。以下、第4実施例を、前述した第3実施例と
対比しつつ説明し、第3実施例と同一の部分には図に同
一の符号を付してその説明を省略する。
【0124】ケース68を構成している本体69は、そ
の軸線方向での中央部で二分割されており、それぞれの
本体部分69R,69Lの内部にモータ77R,77L
が配置されている。これらのモータ77R,77Lは、
図5に示すモータと同様に、コイル79R,79Lを備
えたステータ78R,78Lと、磁石81R,81Lを
備えたロータ80R,80Lとを有している。そのロー
タ80R,80Lの内周側には、回転軸(ロータ軸)8
2R,82Lがそれぞれ嵌合させて固定されている。し
たがってこれらのモータ77R,77Lがこの発明の電
気式動力機構に相当する。
【0125】これらの回転軸82R,82Lは、それぞ
れのロータ80R,80Lより軸長の長いものであっ
て、駆動装置の中心側に位置するそれぞれの端部は互い
に嵌合するとともに、両者の間にラジアル軸受130が
配置されている。なお、これらの互いに嵌合している箇
所をオイルシールなどの封止材によって液密状態に閉じ
てもよい。また各回転軸82R,82Lの他方の端部
は、各本体部分69R,69Lに一体化されている内向
きフランジ(隔壁部)93,115を貫通し、その貫通
部分をラジアル軸受94,116によって回転自在に支
持されている。なお、このラジアル軸受94,116
は、図に示すように、モータ77R,77L側にオイル
シール131R,131Lを備えている。したがって本
体69の内部が液密状態に封止され、ここにモータ室1
32が構成されている。また各回転軸82R,82Lと
内向きフランジ93,115との間にはレゾルバ133
R,133Lが設けられている。これらのレゾルバ13
3R,133Lは、モータ室132の内部に配置されて
いる。
【0126】前述したアウトプットシャフト83,84
に相当するアウトプットハブ83R,83Lが、左右の
それぞれのカバー70R,70Lの内部にラジアル軸受
90,112によって回転自在に支持されている。ここ
で、カバー70R,70Lは、上記の第3実施例におけ
るカバー70と同様な部材であって、軸孔を内向きフラ
ンジの中心部に形成した円筒状を成し、前記本体部分6
9R,69Lの端部にボルト73,74によって固定さ
れている。また、アウトプットハブ83R,83Lは、
軸長の短い中空軸状の部材であり、その先端部が前記回
転軸82R,82Lの先端部側に延びており、左右の各
アウトプットハブ83R,83Lの先端部と回転軸82
R,82Lの先端部同士が軸線方向で互いに対向してい
る。
【0127】各回転軸82R,82Lの端部にスプライ
ン嵌合された各入力ディスク95,117は、アウトプ
ットハブ83R,83Lの外周側に延びた円筒部を備え
ており、その円筒部の内周側に嵌合させたラジアル軸受
108R,108Lによって、回転軸82R,82Lと
アウトプットハブ83R,83Lとが相対的に回転自在
に連結されている。そしてこのアウトプットハブ83
R,83Lの外周面に出力ディスク96,118および
シリンダ102,124が一体的に取り付けられてい
る。他の構成は図5に示す第3実施例と基本的には同様
である。
【0128】したがって図6に示す駆動装置において
は、電気式動力機構が2つのモータ77R,77Lによ
って構成され、しかもそれぞれのロータ80R,80L
に取り付けた回転軸82R,82Lが軸受130によっ
て互いに相対回転自在に連結されているから、左右の車
輪の駆動機構が完全に独立して構成されている。すなわ
ち左右の車輪は、それぞれに対応して設けたモータ77
R,77Lによって駆動され、その回転数やトルクが個
別に制御される。そのため、例えば旋回走行時に、モー
タ77R,77Lの回転数あるいは左右の無段変速機9
2,114の変速比を異ならせることにより、内外輪の
回転数差を生じさせ、円滑な旋回をおこなうことができ
る。またあるいはヨーレートセンサや内外輪の回転数セ
ンサなどからの入力信号に基づいて、モータ77R,7
7Lの回転数あるいは左右の無段変速機92,114の
変速比を制御することにより、オーバーステアー傾向や
アンダーステアー傾向を是正することもできる。
【0129】また上記のように左右の車輪の駆動系統が
独立しているので、一方の車輪からの瞬間的な入力が、
その車輪に対する無段変速機92,114における力の
バランスで緩和もしくは解消される。そのため、モータ
77R,77Lに対するいわゆる逆入力トルクが回避も
しくは低減され、しかも一方の車輪からの逆入力トルク
が他方の車輪の駆動系に影響することがないので、モー
タ77R,77Lの制御に対する外乱要因が少なくな
り、走行の安定性を向上させることができる。
【0130】さらに図6に示す構成では、左右の回転軸
82R,82Lをそれぞれ完全に独立させて支持せず
に、それぞれの一端部を軸受130を介して相対的に回
転可能なように嵌合させたから、これらの回転軸82
R,82Lの支持機構の一部を共用化し、その結果、駆
動装置の全長を短縮化することができる。なお、左右の
無段変速機92,114によって、変速比を適宜に設定
することができ、また左右の車輪の差動回転を許容でき
ることなどの作用は、前述した第3実施例における駆動
装置と同様である。
【0131】(第5実施例)さらにこの発明の第5の実
施例を図7を参照して説明する。この図7に示す例は、
上述した図6に示す駆動装置を改良したものであり、具
体的には、単一のステータに対して2つのロータを設け
たものである。すなわち図7に示すように、左右のロー
タ80R,80Lの外周側に単一のステータ78が配置
されている。したがってこのステータ78におけるコイ
ル79に通電することにより、ロータ0R,80Lにト
ルクが発生し、そのトルクが左右の無段変速機92,1
14を介して左右の駆動輪に伝達されるように構成され
ている。また本体69は、内向きフランジ115を一端
部に備えた円筒状部材69lとその開口端に取り付けら
れたフランジ93を有するエンドプレート69rとによ
って構成されている。他の構成は、図6に示す駆動装置
の構成と同様である。この図7に示す構成では、単一の
ステータ78と2つのロータ80R,80Lがこの発明
の電気式動力機構に相当する。
【0132】したがって図7に示す駆動装置では、ステ
ータ78のコイル79に通電することにより、左右の車
輪を駆動することができる。その場合、各回転軸82
R,82Lのトルクおよび回転数が同等になるが、左右
それぞれ独立して無段変速機92,114を設けてある
ので、左右の車輪のトルクや回転数を個別に制御するこ
とができ、また左右の車輪の差動回転を、走行抵抗に応
じて生じさせ、あるいはパワーローラ99,121の傾
斜角度を適宜に制御することにより生じさせることがで
きる。すなわち左右の車輪のトルクや回転数をそれぞれ
に対応して設けてある無段変速機92,114によって
制御する。
【0133】そして図7に示す駆動装置では、ステータ
78を左右の車輪に対する駆動機構について共用化し、
しかも回転軸82R,82Lの一端部を軸受130を介
して互いに回転自在に嵌合させたので、駆動装置の全体
としての軸長を短縮化することができる。
【0134】なお、上述した第4および第5の実施例に
おいても、各無段変速機92,114をハーフトロイダ
ル式の変速機として構成してもよい。
【0135】ここで、上記の実施例に基づいて開示した
この発明に特徴的な構成を列挙すれば、以下の通りであ
る。すなわち、中空の回転軸11の内部にアウトプット
シャフト12が挿入されている。また、アウトプットシ
ャフト12の一端側にシリンダ28が固定部材17によ
り締め付け固定されている。そして、アウトプットシャ
フト12の外周にスプライン嵌合された第1出力ディス
ク23がシリンダ28により形成された油圧室30の油
圧により動作される。一方、アウトプットシャフト12
の他端側には外向きフランジ42が形成され、外向きフ
ランジ42と第2出力ディスク42との間にスラスト軸
受46が配置されている。
【0136】また、軸線方向における第1入力ディスク
と第1出力ディスクとの距離と、軸線方向における第2
入力ディスクと第2出力ディスクとの距離とを別個に制
御可能な距離制御機構を備えている。
【0137】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、第1入力ディスクおよび第1伝動ローラおよび
第1出力ディスクと、第2入力ディスクおよび第2伝動
ローラおよび第2出力ディスクとが、変速機としての機
能と差動装置としての機能とを兼備している。このた
め、駆動装置の部品点数を可及的に削減させることがで
き、駆動装置の小型化および軽量化に寄与することがで
きる。
【0138】また、第1入力ディスクおよび第1伝動ロ
ーラおよび第1出力ディスクと、第2入力ディスクおよ
び第2伝動ローラおよび第2出力ディスクとが、各々軸
線方向に配置されている。このため、半径方向に配列す
る部品の数が少なくなるので、駆動装置の半径方向での
小型化を図ることができる。
【0139】請求項2の発明によれば、請求項1と同様
の効果を得られるほか、第1入力ディスクおよび第2入
力ディスクが、モータのコイルと回転軸との間に配置さ
れているため、軸線方向における部品の配置スペースが
削減され、軸長の短い駆動装置を得ることができる。
【0140】請求項3の発明によれば、請求項1または
請求項2と同様の効果を得られるほか、モータの駆動状
態に応じて第1伝動ローラおよび第2伝動ローラの回転
角度が制御され、第1伝動ローラ側の半径比および第2
伝動ローラ側の半径比が変化する。その結果、モータの
駆動状態に応じた変速比が設定され、駆動装置の駆動性
能が向上する。
【0141】請求項4の発明によれば、請求項1ないし
請求項3のいずれかと同様の効果を得られるほか、車両
の旋回半径に応じて第1ドライブシャフトおよび第2ド
ライブシャフトの回転数が自動的に制御され、電気自動
車の旋回性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の電気自動車の駆動装置の第1実施例
を示す断面図である。
【図2】図1に適用された第1無段変速機および第2無
段変速機の制御機構を示す概念図である。
【図3】この発明の第1実施例に適用される制御システ
ムの構成例を示すブロック図である。
【図4】この発明の電気自動車の駆動装置の第2実施例
を示す断面図である。
【図5】この発明の電気自動車の駆動装置の第3実施例
を示す断面図である。
【図6】この発明の電気自動車の駆動装置の第4実施例
を示す断面図である。
【図7】この発明の電気自動車の駆動装置の第5実施例
を示す断面図である。
【符号の説明】
6,77,77R,77L モータ 8,79,77R,77L コイル 11,82,82R,82L 回転軸 14,87 右側ドライブシャフト 22,95 第1入力ディスク 23,96 第1出力ディスク 25,99 パワーローラ 27,101 ホルダー 36,109 左側ドライブシャフト 39,117 第2入力ディスク 42,118 第2出力ディスク 47,121 パワーローラ 49,123 ホルダー 50,51 バリエーター軸 54,55,104,126 油圧室 56,57 ピストン 66,67 ソレイドバルブ 102,124 シリンダ 105,127 油路 A 軸線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大高 健二 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気的エネルギーを回転力に変換して出
    力する電気式動力機構から第1出力軸と第2出力軸にト
    ルクを伝達して走行する電気自動車の駆動装置におい
    て、 前記電気式動力機構からトルクを受けて回転させられる
    第1入力ディスクと、 この第1入力ディスクと軸線方向で対向して配置され、
    かつ前記第1出力軸に連結された第1出力ディスクと、 前記第1入力ディスクと第1出力ディスクとの間に、こ
    れらのディスクの対向面に外周面を接触させてトルクを
    伝達し、かつその接触点の前記各ディスクの回転中心軸
    線からの半径を変化させるように傾斜可能に配置された
    円板状の第1伝動ローラと、 前記電気式動力機構からトルクを受けて回転させられる
    第2入力ディスクと、 この第2入力ディスクと軸線方向で対向して配置され、
    かつ前記第2出力軸に連結された第2出力ディスクと、 前記第2入力ディスクと第2出力ディスクとの間に、こ
    れらのディスクの対向面に外周面を接触させてトルクを
    伝達し、かつその接触点の前記各ディスクの回転中心軸
    線からの半径を変化させるように傾斜可能に配置された
    円板状の第2伝動ローラと、 前記第1伝動ローラを前記軸線に直交する直交線に対し
    て傾斜可能に支持した第1支持機構と、 前記第2伝動ローラを前記軸線に直交する直交線に対し
    て傾斜可能に支持した第2支持機構とを備えていること
    を特徴とする電気自動車の駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記電気式動力機構が、前記第1および
    第2の出力軸と同一軸線上に配置されたロータと、その
    ロータの外周側に配置されたコイルを有するステータと
    を備えたモータによって構成され、そのモータの軸線方
    向での両側に前記第1入力ディスクと前記第2入力ディ
    スクとが別個に配置され、これら第1入力ディスクおよ
    び前記第2入力ディスクが、前記コイルの内周側に配置
    されていることを特徴とする請求項1に記載の電気自動
    車の駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記電気式動力機構の出力を制御する出
    力操作機構と、この出力操作機構の操作状態に基づいて
    前記第1伝動ローラおよび前記第2伝動ローラの傾斜角
    度を制御する第1傾斜角度制御機構とを備えていること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気自動
    車の駆動装置。
  4. 【請求項4】 舵角を検出する舵角センサと、車速を検
    出する車速センサと、前記舵角および前記車速に基づい
    て前記第1伝動ローラおよび前記第2伝動ローラの傾斜
    角度を制御する第2傾斜角度制御機構とを備えているこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載の電気自動車の駆動装置。
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